JP2002258466A - ペリクル - Google Patents

ペリクル

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JP2002258466A JP2001395047A JP2001395047A JP2002258466A JP 2002258466 A JP2002258466 A JP 2002258466A JP 2001395047 A JP2001395047 A JP 2001395047A JP 2001395047 A JP2001395047 A JP 2001395047A JP 2002258466 A JP2002258466 A JP 2002258466A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクに損傷を与えることなく、マスクへ
の装着及びマスクからの脱着を行うことができ、しかも
水平方向及び鉛直方向の何れの方向にマスク面が維持さ
れた場合にもマスクの平面性(フラットネス)を損なう
ことのないペリクルを提供すること。 【解決手段】 ペリクル膜、ペリクル膜を支持するペリ
クル枠、及びペリクル枠のペリクル膜支持面とは反対側
の面に設けられる粘着性樹脂層から成り、前記粘着性樹
脂層が、硬質樹脂層と軟質樹脂層との組合せから成るこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、集積回路の製造工
程におけるフォトリソグラフィ工程で使用されるマスク
或いはレチクル(以下、単にマスク等という)に塵埃等
が付着するのを防止する目的で用いられるペリクルに関
し、より詳細には、ペリクルをマスクに装着するための
粘着性樹脂層が硬質樹脂層と軟質樹脂層とから形成され
ているペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなペリクルでは、一般に、ア
ルミニウム製等のペリクル枠の一端に、ニトロセルロー
ス等から成る透明のペリクル膜が接着剤層を介して張架
されており、取り扱い時においてペリクルがマスク等か
ら外れないように、粘着剤(マスク粘着剤)層により、
ペリクル枠の他端をマスク等のパターン形成面側に接着
するようになっている。
【0003】従って、マスク粘着剤の粘着強度をあまり
強くすると、ペリクルをマスク等から剥がす際に、無理
な力が加わって、マスクを損傷したり、或いは剥離後に
マスク粘着剤がマスク上に残留してしまう。その結果、
半導体装置の欠陥を引き起こしたり、製造歩留まりを低
下させる原因になるという問題を有していた。
【0004】このような観点から、マスク粘着剤のマス
クに対する粘着力を、ペリクル枠に対する粘着力よりも
弱くしたペリクル(特開昭60−75835号公報)、
或いは硬度が200gf以下のマスク粘着剤を用いたペ
リクル(特開平10−282640号公報)等が提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マスク
とペリクル枠との間に形成されるマスク粘着剤層が、上
記従来技術(特開昭60−75835号公報)のような
粘着力を有していても、マスクには何らかの歪みが生じ
てしまい、マスクの平面性が損なわれやすいという問題
があった。すなわちマスクの平面性が損なわれた場合に
は、マスクに形成されたパターンが歪んでしまい、ウェ
ファー上に正確なパターンを転写することができなくな
る。また、フォトリソグラフィ工程においては、マスク
及びペリクル膜の平面が水平方向に維持されて露光が行
われる場合のみならず、マスク及びペリクル膜の平面が
鉛直方向に維持されて露光が行われる場合もある。マス
ク面が鉛直方向に維持されていると、上記の特開平10
−282640号公報に記載のマスク粘着剤では、自重
によってマスク粘着剤層自体が下方に垂れ下がるように
変形したりして、マスクの平面性が損なわれる恐れがあ
った。
【0006】従って、本発明の目的は、マスクに損傷を
与えることなく、マスクへの装着及びマスクからの脱着
を行うことができ、しかも水平方向及び鉛直方向の何れ
の方向にマスク面が維持された場合にもマスクの平面性
(フラットネス)を損なうことがないペリクルを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ペリク
ル膜、ペリクル膜を支持するペリクル枠、及びペリクル
枠のペリクル膜支持面とは反対側の面に設けられる粘着
性樹脂層から成るペリクルにおいて、前記粘着性樹脂層
が、硬質樹脂層と軟質樹脂層との組合せから成ることを
特徴とするペリクルが提供される。
【0008】本発明のペリクルにおいては、 1.前記硬質樹脂は、170gf以上の硬度(JIS A)を
有し、前記軟質樹脂は、100gf以下の硬度(JIS A)
を有していること、 2.前記軟質樹脂層は、前記硬質樹脂層よりも厚く形成
されていること、が好ましい。また、前記粘着性樹脂層
は、前記軟質樹脂層はペリクル枠側に位置し、前記硬質
樹脂層は、該軟質樹脂層上に位置するような層構成を有
することができ、このような層構成では、このペリクル
は、該硬質樹脂層を介してマスクに装着される。かかる
粘着性樹脂層において、前記硬質樹脂層の厚みは、粘着
性樹脂層厚みの5〜30%であり、前記軟質樹脂層の厚
みが、粘着性樹脂層の厚みの95〜70%であることが
好ましい。また、軟質樹脂層を2つの硬質樹脂層でサン
ドイッチするように配置することもでき、この場合に
は、ペリクル枠及びマスクの何れにも、硬質樹脂層が接
することになる。更に前記粘着性樹脂層は、前記軟質樹
脂層と硬質樹脂層との両方が、ペリクル枠に接触するよ
うな層構成を有することができ、このような層構成で
は、前記軟質樹脂層と硬質樹脂層との両方が装着される
マスクに接触する。かかる粘着性樹脂層においては、前
記軟質樹脂層の下側に前記硬質樹脂層が配置されている
ことが好ましく、また、軟質樹脂層が、2つの硬質樹脂
層の間に位置するような層構成とすることもできる。更
に、硬質樹脂層と装着されるマスクとの接触幅は、粘着
性樹脂層と装着されるマスクとの接触幅の10〜30%
であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施形態】本発明者等は、ペリクルを装着した
マスクにおいて、ペリクル枠をマスクに固定するための
粘着性樹脂層がどのような硬さを有するかが、マスクの
平面性(フラットネス)を保持する上で重要であること
を見出した。この粘着性樹脂層(以下、マスク粘着層と
呼ぶことがある)は、マスクとの界面においては適当な
粘着力を示すことが好ましい。
【0010】例えば、マスク及びペリクル枠間のマスク
粘着層が硬質樹脂から形成されている場合には、マスク
と当該マスク粘着層とは固着され、このペリクル枠とマ
スク粘着層(硬質樹脂)との界面が平面であればマスク
のフラットネスを維持することができる。しかしなが
ら、当該界面の面積が広い場合は全体を完全に平面に維
持することは難しく、このためマスクはマスク粘着層
(硬質樹脂)に追従して歪んでしまい、マスクのフラッ
トネスが損なわれてしまう。またマスク粘着層が硬質で
あると、マスクに装着させた場合に、マスク粘着層とマ
スク或いはペリクル枠との間に間隙を生じやすく、埃塵
等の侵入という問題を生じるおそれがある。
【0011】これに対して、マスク粘着層が軟質樹脂か
ら形成されている場合には、マスク及びペリクル枠の荷
重を吸収し、マスク及びペリクル枠からの剥離可能な粘
着力を与えるが、このようなマスク粘着層(軟質樹脂)
は、該層自体が変形しやすい。特にペリクルが鉛直方向
に保持された場合には、自重によってマスク粘着層自体
が下方に垂れ下がるように変形したり、界面剥離が生じ
た場合にはマスク粘着層が下方にずれてしまう傾向があ
る。しかも、このようなマスク粘着層の下方への変形や
ズレが生じると、マスクに不必要な応力が作用すること
になり、マスクに歪みが生じて、マスクのフラットネス
を損なうことになる。
【0012】従って、本発明では、このような観点か
ら、マスク粘着層を、硬質樹脂層と軟質樹脂層とから形
成することによって、このようなペリクルが装着された
マスクが、水平状態或いは鉛直状態の何れの状態におか
れた場合でも、ペリクル枠とマスクとの間に介在するマ
スク粘着層(粘着性樹脂層)がマスクに影響を与えるこ
とがないようにしたものである。
【0013】すなわち、本発明では、硬質樹脂層へのマ
スクの追随が軟質樹脂層で緩和され、その一方、軟質樹
脂層の自重による変形、特にペリクルが鉛直方向に維持
された場合のずれが、硬質樹脂層によって抑止され、マ
スク粘着層によるマスクへの影響を最低限にして、マス
クのフラットネスを損なわないようにしているのであ
る。マスクのフラットネスは、マスク平面をX軸及びY
軸で形成されるXY面とし、これに垂直なZ軸の変位
(μm)によって表され、マスクが完全にフラットであ
る場合には、この値は0となる。一般に、マスクの実用
上問題のないフラットネスの範囲としては、5inch
四方のペリクルで囲まれた領域で平均2μm程度であ
り、6inch四方のペリクルで囲まれた領域で平均5
μm程度であり、本発明のペリクルを用いた場合には、
この値を満足し得るフラットネスが得られる。
【0014】本発明においては、硬質樹脂は、硬度17
0gf以上、特に200乃至240gfの範囲にあるこ
とが好ましく、また軟質樹脂は、硬度100gf以下、
特に40乃至80gfの範囲にあることが好ましい。こ
の様な硬度はゴム硬度計GS―70(JIS A TY
PE)にて測定することができる。硬質樹脂及び軟質樹
脂の硬度が、それぞれ上記範囲にあることにより、硬質
樹脂層が軟質樹脂層の変形を有効に抑止し、また軟質樹
脂層が好適な粘着強度を有し且つ硬質樹脂層によるマス
ク又はペリクル枠への影響を有効に緩和することが可能
となる。
【0015】本発明のペリクルにおいて、粘着性樹脂層
(マスク粘着層)の層構成としては、図1〜4に示す態
様を例示することができる。尚、図1〜4において、1
は粘着性樹脂層(マスク粘着層)、2はマスク、3は硬
質樹脂層、4はペリクル枠、5は軟質樹脂層を示してい
る。
【0016】図1の層構成では、マスク粘着層1の硬質
樹脂層3がマスク2側に配置され、マスク粘着層1の軟
質樹脂層5がペリクル枠4側に配置されている。また、
図1から明らかな通り、硬質樹脂層3の厚みは薄く、軟
質樹脂層5は厚く形成されている。
【0017】また、図2の層構成では、マスク粘着層1
は、1つの軟質樹脂層5と2つの硬質樹脂層3a,3b
とから構成されており、軟質樹脂層5は、2つの硬質樹
脂層3a,3bの間に挟まれている。また、2つの硬質
樹脂層3a,3bの一方(3a)がペリクル枠4に接し
ており、他方(3b)がマスク2に接している。更に、
図1と同様、硬質樹脂層3a,3bの厚みは薄く、軟質
樹脂層5は厚く形成されている。上記の図1及び図2の
層構成では、マスク2の面は、水平方向に保持されてい
るのが好ましい。
【0018】図3及び図4に示す層構成は、マスク2の
平面(ペリクル膜の平面)が鉛直方向に維持されたとき
に好適である。これらの例においては、硬質樹脂層3
(3a,3b)と軟質樹脂層5の両方がペリクル枠4及
びマスク2に接している。また、図3の例では、マスク
粘着層1は、1つの硬質樹脂層3と1つの軟質樹脂層5
とから形成されているが、図4の例では、2つの硬質樹
脂層3a,3bの間に軟質樹脂層5が挟まれている。こ
れらの例においても、硬質樹脂層3(3a,3b)の厚
みは薄く、軟質樹脂層5は厚く形成されている。また、
図3及び4の態様では、硬質樹脂の薄い層3が少なくと
も軟質樹脂の厚い層5の下側に位置するように設けられ
ていることが好ましい。即ち、ペリクルが鉛直方向に維
持された場合には、軟質樹脂層5の少なくとも下側に硬
質樹脂層3を位置せしめることによって、軟質樹脂層5
の自重による変形や下方へのずれを硬質樹脂層が抑止し
得るのである。
【0019】また本発明においては、ペリクル枠の位置
によって、粘着性樹脂層(マスク粘着層)の層構成を変
えることも勿論できる。例えば、マスク及びペリクルを
鉛直状態で露光を行うような場合には、ペリクル枠のう
ち水平方向に延びている部分の端面に形成されるマスク
粘着層は図3又は図4に示すような層構成とし、ペリク
ル枠のうち鉛直方向に延びている部分の端面に形成され
るマスク粘着層は、図1又は図2に示すような層構成と
してもよい。
【0020】本発明のペリクルにおいては、例えば図1
および図2に示す態様では、マスク粘着層1自体の厚み
が200ミクロン(μm)ないし2000ミクロン(μ
m)程度が通常であり、そのうち硬質樹脂層3の厚みを
5〜30%、特に5〜25%、軟質樹脂層5の厚みを9
5〜70%、特に95〜75%の範囲とすることが好ま
しい。
【0021】図3および図4に示す態様では、マスク粘
着層1を設ける幅(接着幅に相当)が1200μmない
し5000μmとすることが通常である。また、硬質樹
脂層3の幅(接着幅)と軟質樹脂層5の幅(接着幅)の
割合を種々変えることができるが、硬質樹脂層3の幅を
全体(マスク粘着層1)の10〜30%とし、軟質樹脂
層5の幅を全体の90〜70%とすることが好ましい。
【0022】また、ペリクルが装着された状態でマスク
平面が鉛直方向に維持されるときには、図3の態様が好
ましい。このとき、硬質樹脂から成る薄い層3は、ペリ
クルを支えるように下方に設けるとより効果的である。
しかしながら、上辺、下辺ともに、硬質樹脂層が軟質樹
脂層の下方になるようにマスク粘着層を設けることは、
ペリクル製造上容易ではないので、硬質樹脂からなる薄
い層が、ペリクルとマスクから形成される空間の側にな
るように、且つ軟質樹脂から成る厚い層の外側になるよ
うに設けても良い。このとき、硬質樹脂からなる層の厚
みは、マスク粘着層の全厚みの10〜30%であり、軟
質樹脂からなる層のマスク粘着層の全厚みの90〜70
%であることが好ましい。
【0023】上記した好ましい範囲より硬質樹脂層の厚
みあるいは幅の割合が大きくなると硬質樹脂層によって
生じるマスクあるいはペリクル枠の歪みを軟質樹脂層で
緩和できる程度が少なくなる傾向があり、結果的に粘着
強度のばらつきができる傾向がある。また、逆に上記し
た好ましい範囲より硬質樹脂層の厚みあるいは幅の割合
が小さくなると、マスクやペリクルの自重による軟質樹
脂層の変形を、硬質の樹脂層で抑止することが不充分に
なる傾向がある。
【0024】(硬質樹脂)本発明において、硬質樹脂と
しては、勿論これに限定されないが、アクリル系、ゴム
系、ポリブテン系、ポリウレタン系等の粘着剤を単独又
は2種以上の組み合わせで使用することができる。ま
た、用いる硬質樹脂の接着力は、JIS Z−0237
粘着力試験方法により、50乃至700g/cm、中で
も220乃至700g/cmが好ましい。
【0025】(軟質樹脂)本発明において、軟質樹脂と
しては、勿論これに限定されないが、アクリル系、ゴム
系、ポリブテン系、ポリウレタン系等の粘着剤を単独又
は2種以上の組み合わせで使用することができる。用い
る軟質樹脂の接着力は、JIS Z−0237粘着力試
験方法により、100乃至1200g/cm、中でも3
50〜600g/cmであることが好ましい。尚、上述
したマスク粘着層形成用の硬質樹脂或いは軟質樹脂とし
て用いる粘着剤の硬度や接着力は、樹脂の分子量や官能
基量、組成等を調整することにより、所望の値に調整さ
れる。
【0026】(マスク粘着層の形成)本発明において
は、ペリクル枠に直接、軟質樹脂及び硬質樹脂の各々を
マスク粘着剤としてを塗布してマスク粘着層を形成する
ことができる。例えば図1及び2に示すようなペリクル
枠の端面に対して平行に積層されるマスク粘着層は、各
樹脂を順次塗布すればよく、また図3及び4に示すよう
にペリクル枠の端面に対して垂直に積層されるマスク粘
着層の場合は、同時或いは別々に塗布してもよい。樹脂
を塗布するには、それ自体公知の任意の塗布手段を用い
ることができ、スプレー塗布法、刷毛塗り法、ローラー
コート法、流延塗布法等を用いることができる。例え
ば、流延塗布法による場合、枠上にのせた液滴を治具に
より引き延ばして均一に塗布し、これを乾燥させてマス
ク粘着層を形成することができる。
【0027】(ペリクル枠)ペリクル枠としては、従来
公知のものをすべて使用することができ、勿論これに限
定されないが、アルミニウム、アルミニウム合金、ステ
ンレススチール等の金属製のものや、合成樹脂製、或い
はセラミック製のものを例示することができる。本発明
のペリクルにおいては、前述した樹脂層の粘着力との関
係において、ペリクル枠の重さは、100g以下、中で
も10乃至30gの範囲にあることが通常である。ま
た、本発明のペリクルはペリクル枠の一方の側に接着樹
脂層を介してペリクル膜が張架され、他方の側に前述し
た硬質及び軟質の樹脂から成る粘着性樹脂層(マスク粘
着層)が設けられ、マスク等の上に装着可能となる。
【0028】(ペリクル膜)本発明のペリクルに用いる
ペリクル膜は、従来公知のもの全て使用することがで
き、勿論これに限定されないが、ニトロセルロース、プ
ロピオン酸セルロース、フッ素系材料から成るもの等を
例示することができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を示す。尚、使用した軟質の樹
脂及び硬質の樹脂はそれぞれホットメルト樹脂(融点1
80ないし200℃)であり、ワックス、エチレン−酢
酸ビニル共重合体及びロジンなどの組成を調整して軟質
の樹脂及び硬質の樹脂として用いた。
【0030】〔実施例1〕図1に示す、軟質の樹脂層5
として硬度40〜100gf、厚み75〜95%、硬質
の樹脂層3として硬度170〜240gf、厚み5〜2
5%となるようにアルミ枠にマスク粘着層を形成した。
アルミ枠は5inch枠(外寸120×98、枠幅2m
m)と6inch枠(外寸149×122、枠幅2mm)
を使用した。前記のようにマスク粘着層を形成した枠
を、貼り付け荷重30kgfで、3minの圧着により
水平状態でマスクに貼り付けた。貼り付けた状態で、1
ヶ月保管し、マスク粘着層の変形、及びマスク上の平面
性(フラットネス)を測定した(表1、2)。さらに、
マスクから枠を剥離し、剥離性、剥離後のマスクの平面
性を測定した(表1、2)。上記の様なマスク粘着層を
形成した枠にすることで、貼り付け後のマスクの平面性
は保つことができ、且つ、マスク粘着層の変形を起こす
ことは無かった。更に、硬質の樹脂層を介してマスクに
装着されているため、容易に剥離することができ、剥離
後の平面性も保つことができた。
【0031】〔比較例1〕実施例から外れた条件で、マ
スク粘着層を形成した枠にて、実施例1と同様の測定を
行った。〔表1(1,3,7,11)、表2(1,3,
7,11)〕その結果、表1、表2に示す問題が生じ
た。
【0032】〔実施例2〕図2に示す層構成において、
軟質の樹脂層5として硬度40〜100gf、厚み75
〜95%、硬質の樹脂層3a,3bとして硬度170〜
240gf、厚み5〜25%となるようにアルミ枠にマ
スク粘着層1を形成した。アルミ枠は5inch枠(外
寸120×98、枠幅2mm)と6inch枠(外寸1
49×122、枠幅2mm)を使用した。前記のように
マスク粘着層を形成した枠を、貼り付け荷重30kgf
で、3minの圧着により水平状態でマスクに貼り付け
た。貼り付けた状態で、1ヶ月保管し、マスク粘着層の
変形、及びマスク上の平面性(フラットネス)を測定し
た(表3、4)。さらに、マスクから枠を剥離し、剥離
性、剥離後のマスクの平面性を測定した(表3、4)。
上記の様なマスク粘着層層を形成した枠にすることで、
貼り付け後のマスクの平面性は保つことができ、且つ、
マスク粘着層の変形を起こすことは無かった。更に、硬
質と軟質を組み合わせたマスク粘着層でマスクと固着さ
れているため、容易に剥離することができ、剥離後の平
面性も保つことができた。
【0033】〔比較例2〕実施例から外れた条件で、マ
スク粘着層を形成した枠にて、実施例2と同様の測定を
行った。(表3(1,3,7,11)、表4(1,3,
7,11) その結果、表3、表4に示す問題が生じ
た。
【0034】〔実施例3〕図3に示す層構成で、、軟質
樹脂層5として硬度40〜100gf、厚み70〜90
%、硬質樹脂層3として硬度170〜240gf、厚み
10〜30%とし、アルミ枠にマスク粘着層を形成し
た。アルミ枠は5inch枠(外寸120×98、枠幅
2mm)と6inch枠(外寸149×122、枠幅2m
m)を使用した。前記のようにマスク粘着層を形成した
枠を、貼り付け荷重30kgfで、3minの圧着によ
り鉛直状態でマスクに貼り付けた。貼り付けた状態で、
1ヶ月保管し、マスク粘着層の変形、及びマスク上の平
面性(フラットネス)を測定した(表5、6)。さら
に、マスクから枠を剥離し、剥離性、剥離後のマスクの
平面性を測定した(表5、6)。上記の様なマスク粘着
層を形成した枠にすることで、貼り付け後のマスクの平
面性は保つことができ、且つ、マスク粘着層の変形を起
こすことは無かった。更に、硬質と軟質を組み合わせた
マスク粘着層でマスクに装着されているため、容易に剥
離することができ、剥離後の平面性も保つことができ
た。
【0035】〔比較例3〕実施例から外れた条件で、マ
スク粘着層を形成した枠にて、実施例3と同様の測定を
行った。〔表5(1,3,7,11)、表6(1,3,
7,11)〕その結果、表5、表6に示す問題が生じ
た。
【0036】〔実施例4〕図4に示す層構成で、軟質樹
脂層5として硬度40〜100gf、厚み70〜90
%、硬質樹脂層3a,3bとして硬度170〜240g
f、厚み10〜30%として、アルミ枠にマスク粘着層
を形成した。アルミ枠は5inch枠(外寸120×9
8、枠幅2mm)と6inch枠(外寸149×12
2、枠幅2mm)を使用した。前記のようにマスク粘着
層を形成した枠を、貼り付け荷重30kgfで、3mi
nの圧着により鉛直状態でマスクに貼り付けた。貼り付
けた状態で、1ヶ月保管し、マスク粘着層の変形、及び
マスク上の平面性(フラットネス)を測定した(表7、
8)。 さらに、マスクから枠を剥離し、剥離性、剥離
後のマスクの平面性を測定した(表7、8)。上記の様
なマスク粘着層を形成した枠にすることで、貼り付け後
のマスクの平面性は保つことができ、且つ、マスク粘着
層の変形を起こすことは無かった。更に、硬質と軟質を
組み合わせたマスク粘着層でマスクに装着されているた
め、容易に剥離することができ、剥離後の平面性も保つ
ことができた。
【0037】〔比較例4〕実施例から外れた条件で、樹
脂層を形成した枠にて、実施例4と同様の測定を行っ
た。〔表7(1,3,7,11)、表8(1,3,7,
11)〕 その結果、表7、表8に示す問題が生じた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【発明の効果】本発明のペリクルにおいては、ペリクル
をマスクに装着させるためのマスク粘着層が、硬質樹脂
層と軟質樹脂層の組合せで形成され、特に硬質樹脂が、
硬度170gf以上を有し、軟質の樹脂が硬度100g
f以下を有するものであることにより、ペリクルをマス
クに装着或いは剥離する際に、マスクの損傷や残留がな
く、しかもマスク及びペリクル膜の平面が水平方向のみ
ならず、鉛直方向に維持された場合にもマスクの平面性
(フラットネス)を維持することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の一
例を示す断面図。
【図2】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の他
の例を示す断面図。
【図3】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の更
に他の例を示す断面図。
【図4】本発明のペリクルのマスク粘着層の層構成の更
に他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1:マスク粘着層 2:マスク 3:硬質樹脂層 4:ペリクル枠 5:軟質樹脂層
フロントページの続き (72)発明者 中川 広秋 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 藤田 稔 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 2H095 BA01 BC39

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペリクル膜、ペリクル膜を支持するペリ
    クル枠、及びペリクル枠のペリクル膜支持面とは反対側
    の面に設けられる粘着性樹脂層から成るペリクルにおい
    て、 前記粘着性樹脂層が、硬質樹脂層と軟質樹脂層との組合
    せから成ることを特徴とするペリクル。
  2. 【請求項2】 前記硬質樹脂は、170gf以上の硬度
    (JIS A)を有し、前記軟質樹脂は、100gf以下の硬
    度(JIS A)を有している請求項1に記載のペリクル。
  3. 【請求項3】 前記軟質樹脂層は、前記硬質樹脂層より
    も厚く形成されている請求項1に記載のペリクル。
  4. 【請求項4】 前記粘着性樹脂層において、前記軟質樹
    脂層はペリクル枠側に位置し、前記硬質樹脂層は、該軟
    質樹脂層上に位置しており、該硬質樹脂層を介してマス
    クに装着される請求項3に記載のペリクル。
  5. 【請求項5】 前記硬質樹脂層の厚みは、粘着性樹脂層
    厚みの5〜30%であり、前記軟質樹脂層の厚みが、粘
    着性樹脂層の厚みの95〜70%である請求項4に記載
    のペリクル。
  6. 【請求項6】 前記粘着性樹脂層は、前記軟質樹脂層と
    硬質樹脂層との両方が、ペリクル枠に接触し且つ装着さ
    れるマスクに接触するように設けられている請求項1に
    記載のペリクル。
  7. 【請求項7】 前記軟質樹脂層の下側に前記硬質樹脂層
    が配置されている請求項6に記載のペリクル。
  8. 【請求項8】 前記軟質樹脂層は、2つの前記硬質樹脂
    層の間に配置されている請求項6に記載のペリクル。
  9. 【請求項9】 前記硬質樹脂層と装着されるマスクとの
    接触幅は、前記粘着性樹脂層と装着されるマスクとの接
    触幅の10〜30%である請求項6に記載のペリクル。
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