JP3597016B2 - 給紙装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に接続され、前記画像形成装置に記録媒体を供給する給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の給紙装置において、給紙装置への記録媒体の補給を行なう際には、記録媒体が載置されるトレイは上方に位置しているので、ユーザはトレイ下降スイッチをオンして、トレイを下降させ、記録媒体の補給を行っている。
【0003】
このトレイの下降は、ユーザの判断でトレイの下限位置まで可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、記録媒体が数千枚収容可能な大容量給紙装置においては、トレイを下限位置まで下降させて記録媒体の補給を行なうと、記録媒体の積層が不ぞろいになったりする装填不良が発生しやすくなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、記録媒体の装填不良を防止できる給紙装置を提供することにある。
又、本発明の他の目的は、記録媒体残量表示が簡単な構成で可能な給紙装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、画像形成装置に接続され、前記画像形成装置に記録媒体を供給する給紙装置であって、前記記録媒体が積層載置されるトレイと、該トレイと対向するように天面に開設された開口と、該開口を開閉するカバーと、前記カバーの開状態を検知するカバー開閉検知手段と、該トレイを上下方向に駆動する駆動手段と、前記トレイ上に前記記録媒体が載置されていない場合の前記トレイの上面、又は前記トレイ上に前記記録媒体が載置されている場合の前記記録媒体の上面が、上限位置にあることを検知する上限位置検知手段と、前記トレイ上に前記記録媒体が載置されていない場合の前記トレイの上面、又は前記トレイ上に前記記録媒体が載置されている場合の前記記録媒体の上面が、設定位置にあることを検出する中間位置検知手段と、前記トレイが下限位置にあることを検知する下限検知手段と、前記トレイを下降させる下降スイッチと、前記上限位置にある前記記録媒体の一番上の前記記録媒体を前記画像形成装置へ向かって送り出す送り出し手段と、前記カバー開閉検出手段が応動するか、又は前記下降スイッチがオンされると、前記駆動手段を駆動して、前記中間位置検知手段が、前記記録媒体が載置されていない場合の前記トレイの上面、又は前記トレイ上に前記記録媒体が載置されている場合の前記記録媒体の上面を検知して応動するまで前記トレイを下降させ、前記カバー開閉検出手段が応動しており、且つ前記中間位置検知手段が応動状態にある場合は前記駆動手段を駆動しないことにより前記トレイが前記設定位置より下降しないように制御する制御手段とを設けたことを特徴とする給紙装置である。
【0007】
下降スイッチをオンすると、制御手段は、駆動手段を駆動して、中間位置検知手段が応動するまでトレイを下降させる。
この状態で、更に下降スイッチをオンしても、中間位置検知手段は応動状態にあるので、制御手段は駆動手段を駆動しない。
【0008】
ここで、トレイ上に記録媒体を載置すると、中間位置検知手段は非応動状態となり、下降スイッチをオンすると、制御手段は駆動手段を駆動して、再び中間位置検知手段が応動するまでトレイを下降させる。
【0009】
上記構成によれば、下降スイッチをオンしても、トレイは、上限位置から設定位置までの距離しか降下しない。更に、中間位置にあるトレイに記録媒体を補給しなければ、下降スイッチをオンしてもトレイはそれ以上は下降しないことにより、ユーザが一気にトレイを下限位置まで下げることできず、記録媒体の装填不良を防止できる。
【0011】
また、カバーを開けると、カバー開閉検出手段が応動し、制御手段は駆動手段を駆動して中間位置検知手段が応動するまで前記トレイを下降させる。この状態で、更に下降スイッチをオンしても、中間位置検知手段は応動状態にあるので、制御手段は駆動手段を駆動しない。ここで、トレイ上に記録媒体を載置すると、中間位置検知手段は非応動状態となり、下降スイッチをオンすると、制御手段は駆動手段を駆動して、再び、中間位置検知手段が応動するまでトレイを下降させる。
【0012】
上記構成によれば、下降スイッチをオンしても、トレイは、上限位置から設定位置までの距離しか降下しない。更に、カバーを開けて、トレイが中間位置まで降下しても、記録紙を補給しないかぎり、下降スイッチをオンしても、トレイは下がらないので、ユーザが一気にトレイを下限位置まで下げることができず、記録紙の装填不良を防止することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1の発明において、前記トレイの移動方向と略直交する方向の回転軸を有するアッパプーリと、前記トレイの移動方向と略直交する方向の回転軸を有するロアプーリと、前記アッパプーリ、前記ロアプーリとに巻き掛けられ、記録媒体の残量表示マークが設けられたテープと、前記トレイと前記テープとを接続する連結部材とを具備することを特徴とする給紙装置である。
【0014】
アッパプーリと、ロアプーリとに巻き掛けられたテープは、トレイに対して連結部材を介して接続されているので、トレイの昇降に伴って移動する。
従って、テープに設けられた残量表示マークも移動し、トレイ上の記録媒体の残量が解る。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
最初に、図2を用いて本実施の形態例の給紙装置と、この給紙装置が接続された画像形成装置の構成を説明する。
【0016】
図において、10が給紙装置、100が画像形成装置としてのデジタル複写機である。
(1) 画像形成装置100
デジタル複写機100の上部には、原稿Gが載置される原稿載置板101が設けられている。
【0017】
この原稿Gは、露光ランプ110と一体に移動するミラー111と、このミラー111の移動距離の半分を移動するV型に構成されたミラー112,113と、結像レンズ114と、CCD115とで読み取られる。
【0018】
ドラム状の感光体102の外周には、帯電器103、現像器104、転写器105、分離器106、クリーニング装置107が各々動作順に配置されている。 CCD115で読み取られたデジタル画像データは、図示しないレーザから出射されるレーザ光に重畳され、ポリゴンミラー116により走査される。走査されたレーザ光は、ミラー117,118により反射され、fθレンズ119、シリンドリカルレンズ120,ミラー121を介して、感光層面に帯電器103で電荷が付与された感光体102を露光し、静電潜像を形成する。
【0019】
次に、現像器104で静電潜像を現像し、感光体102の感光層面にトナー画像による可視像を形成する。
更に、デジタル複写機100の下方上下位置には、両面複写用給紙ユニット130と、給紙ユニット140,150,160が配置されており、給紙ユニット140,150,160には異なるサイズの記録媒体としての記録紙Pが収納されている。
【0020】
例えば、給紙ユニット140内に収納された記録紙Pが選択されると、記録紙Pを給紙ローラ141にて1枚のみ給紙し、この記録紙Pを案内ローラ142により搬送する。
【0021】
同様にして、給紙ユニット150,160内に収納された記録紙Pが選択されると、記録紙Pを給紙ローラ151,161にて1枚のみ給紙し、この記録紙Pを案内ローラ152,162により搬送する。
【0022】
そして、記録紙Pは、搬送路170をトナー画像が形成された感光体102方向に搬送される。そして、記録紙Pはレジストローラ172で一旦停止させられ、感光体102に形成されたトナー画像と記録紙Pとが一致するようにして給紙が行われる。
【0023】
次に、感光体102のトナー画像が転写器105により記録紙Pに転写され、この記録紙Pは分離器106により感光体102面より分離される。そして、記録紙Pは搬送装置173で定着器180に搬送される。
【0024】
定着器180は加熱ローラ181と加圧ローラ182とを備えており、記録紙Pのトナー画像が加熱ローラ181と加圧ローラ182とにより記録紙Pに安定に定着した状態にされる。
【0025】
定着が完了した記録紙Pは排紙案内ローラ174により排紙される。片面複写の場合は排紙切換部材175が下降し、そのまま排紙トレイ176に記録紙Pが排紙される。
【0026】
両面複写の場合は排紙切換部材175が上昇し、記録紙案内部177が開放され、記録紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により記録紙Pは下方に搬送され、記録紙反転部179によりスイッチバックさせられ、記録紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
【0027】
記録紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ベルト131で給紙方向に移動し、給紙ローラ132で記録紙Pを再給紙し、記録紙Pを搬送路170に案内する。
【0028】
再び、上述したように感光体102方向に記録紙Pを搬送し、記録紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着器180で定着した後、排紙トレイ176に排紙する。
【0029】
(2) 給紙装置10
11は後述する駆動手段によって上下方向に移動するトレイである。このトレイ11上には、積層された記録紙Pが配置される。
【0030】
14は積層配置された記録紙Pの上面に当接し、一番上の記録紙Pを送り出す送り出しローラ、15は送り出しローラ14によって送り出された記録紙Pが二枚以上であった場合、一番上の記録紙Pのみを搬送し、他の記録紙Pは押し戻す重送防止ローラ対、16は重送防止ローラ対15から搬送された記録紙Pをデジタル複写機100内の搬送路170へ搬送する搬送ローラ対である。
【0031】
次に、図3を用いて、給紙装置10の上部の説明を行なう。図3は図2における給紙装置の上部を説明する斜視図である。
20は記録紙Pが積層配置され上下方向に移動するトレイ11と対向するように天面21に開設された開口である。この天面21には、基端部が回転可能に取り付けられ、開口20を開閉するカバー25が設けられている。
【0032】
カバー25の開口20以外の天面21と対向する部分には、突起30が形成されている。一方、天面21には、突起30が嵌入可能な穴21aが形成されている。更に、天面21上には、トレイ11を下降させる下降スイッチ31が設けられている。
【0033】
次に、図4および図5を用いて給紙装置10のトレイ11を上下方向に駆動する駆動手段の説明を行なう。図4は図2における給紙装置を正面から見た時の駆動手段を説明する図、図5は図4において右側面から見た時の図である。
【0034】
これらの図において、40,41はトレイ11を挟むように前後方向に並設されたフレームである。フレーム40,41の上部には、回転可能に設けられたシャフト42,43に上部ベルト車44,45が取り付けられている。
【0035】
又、フレーム40とフレーム41の下部には、シャフト46が回転可能に橋渡されている。そして、シャフト46のフレーム40側には、上部ベルト車44と対向するように下部ベルト車47が、シャフト46のフレーム41側には、上部ベルト車45と対向するように下部ベルト車48がそれぞれ取り付けられている。
【0036】
更に、フレーム40側の上部ベルト車44と下部ベルト車47とにはベルト50が、フレーム41側の上部ベルト車45と下部ベルト車48とには、ベルト51がそれぞれ巻き掛けられている。
【0037】
そして、ベルト50,51には、トレイ11が固着され、ベルト50,51の移動に伴い、トレイ11は昇降するようになっている。
フレーム41には、モータ54が設けられている。このモータ54の出力は、減速ギヤ列55を介して、下部ベルト車48が取り付けられたシャフト46に伝達されるようになっている。
【0038】
減速ギヤ列55は、モータ54の出力軸54aに取り付けられたねじ歯車56と、モータ54の出力軸54aと直交する方向に回転可能に配設されたシャフト57に取り付けられねじ歯車56に噛合するねじ歯車58と、シャフト57に取り付けられ小歯車59と、シャフト57と平行に設けられたシャフト60に取り付けられ、小歯車59と噛合する大歯車61と、シャフト60に取り付けられた小歯車62と、シャフト60と平行に設けられたシャフト63に取り付けられ、小歯車62に噛合する大歯車64と、シャフト63に取り付けられた小歯車65と、シャフト63と平行に設けられたシャフト66に取り付けられ、小歯車65に噛合する大歯車67と、シャフト66に取り付けられた小歯車68と、シャフト46に取り付けられた大歯車69とからなっている。
【0039】
更に、本実施の形態例の給紙装置10には、複数のセンサが設けられている。これらのセンサを図4を用いて説明する。
図4において、70はトレイ11上に記録紙Pが載置されていない場合にはトレイ11の上面、トレイ11上に記録紙Pが載置されている場合には記録紙Pの上面が上限位置にあることを検知する上限位置検知センサである。
【0040】
記録紙Pの上面がこの上限位置にある場合に、前述した送り出しローラ14が記録紙Pを送り出すことが可能となっている。
75はトレイ11上に記録紙Pが載置されていない場合にはトレイ11の上面、トレイ11上に記録紙Pが載置されている場合には記録紙Pの上面が設定位置(本実施の形態例では、トレイ11上に約1000枚の記録紙Pを載置した場合、上限位置検知センサ70が応動する高さ)にあることを検知する中間位置検知センサ、80はトレイ11が下限位置にあることを検知する下限位置検知センサである。
【0041】
ここで、各センサの詳細な説明を図6を用いて説明する。
上限位置検知センサ70は、図6(a)に示すように、発光部と、この発光部との間に間隙を介して設けられた受光部とからなるフォトインタラプタ71と、シャフト72に回転可能に設けられ、トレイ11の上面、又は、トレイ11上に記録紙Pが載置されている場合には積層された記録紙Pの上面に、回転端部が当接可能に設けられ、更に、フォトインタラプタ71の受光部と発光部との間の間隙を通過可能なアクチュエータ73とから構成されている。
【0042】
従って、トレイ11上に記録紙Pが載置されていない場合にはトレイ11の上面、又は、トレイ11上に記録紙Pが載置されている場合には積層された記録紙Pの上面が上限位置に来ると、アクチュエータ73は実線で示すようにフォトインタラプタ71の受光部と発光部との間の間隙に入り、受光部からの光を遮り、フォトインタラプタ71は応動するようになっている。
【0043】
中間位置検知センサ75は、図6(b)に示すように、受光部と、この受光部との間に間隙を介して設けられた発光部とからなるフォトインタラプタ76と、シャフト77に回転可能に設けられ、トレイ11の上面、及び、トレイ11上に記録紙Pが載置されている場合には記録紙Pの上面に回転端部が当接可能に設けられ、更に、トレイ11の側面又は積層された記録紙Pの側面に押されて、フォトインタラプタ76の受光部と発光部との間の間隙を通過可能なアクチュエータ78とから構成されている。
【0044】
従って、トレイ11上に記録紙Pが載置されていない場合にはトレイ11の上面、トレイ11上に記録紙Pが載置されている場合には記録紙Pの上面が中間位置に来ると、アクチュエータ78は二点鎖線で示すようにフォトインタラプタ76の受光部と発光部との間の間隙に入り、フォトインタラプタ76は応動するようになっている。
【0045】
下限位置検知センサ80は、図6(c)に示すように、受光部と、この発光部との間に間隙を介して設けられた発光部とからなるフォトインタラプタ81からなっている。一方、トレイ11の下面には、このフォトインタラプタ81の発光部と受光部との間の間隙を通過可能な突起部11aが形成されている。
【0046】
従って、トレイ11が下限位置まで降下すると、突起部11aがフォトインタラプタ81の発光部と受光部との間の間隙を通過し、フォトインタラプタ81は応動するようになっている。
【0047】
又、本実施の形態例の給紙装置には、カバー25の開閉を検知するカバー開閉検知センサ85が設けられている。このカバー開閉検知センサ85は、図6(d)に示すように、カバー25に形成された突起30が嵌入する天面21に開設された穴21a内に設けられたマイクロスイッチ86からなっている。カバー25が閉じられることにより、カバー25の突起30が穴21aに嵌入し、マイクロスイッチ86を押し、マイクロスイッチ86は応動するようになっている。
【0048】
次に、図1を用いて、給紙装置10の電気的構成を説明する。90は、デジタル複写機100からのプリント中か否かの信号を取込むと共に、カバー開閉検知センサ85,上限位置検知センサ70,中間位置検知センサ75,下限位置検知センサ80,下降スイッチ31からの信号を取り込んで、モータ54を制御する制御部である。
【0049】
更に、制御部90内には、給紙装置10の状態を示す複数のステータス値(本実施の形態例では、0,1,2,3の4つのステータス値)を格納するステータス格納部90aが設けられている。
【0050】
次に、図7を用いて給紙装置10の記録紙Pの残量表示機構を説明する。
図において、89はトレイ11の移動方向(図7における矢印方向)と略直交する方向の回転軸91を有するアッパプーリ、92はトレイ11の移動方向と略直交する方向の回転軸93を有するロアプーリである。
【0051】
94はアッパプーリ89と、ロアプーリ92とに巻き掛けられ、記録媒体の残量表示マーク94aが設けられたテープである。このテープ94の一方の端部は、トレイ11に設けられた連結部材95に接続され、他方の端部はテープ94の「たるみ」を吸収するスプリング96を介して連結部材95に接続されている。
【0052】
又、97はテープ94の残量表示マーク94aに対向した箇所には透明ののぞき窓97aが形成された側面板である。
次に、図8を用いて本実施の形態例の動作を説明する。図8は給紙装置10の昇降状態遷移を説明する図である。
【0053】
制御部90は、先ず、プリント中かどうかを判断する(ステップ1)。プリント中ならば、ステータス格納部90aにステータス値「0」を格納し、更に、上限位置検知センサ70が応動しているかどうかを判断し(ステップ2)、応動していないならば、送り出しローラ14によって記録紙Pを送り出すことができないので、モータ54を駆動して上限位置検知センサ70が応動するまで、トレイ11を上昇させる(ステップ3)。又、応動しているならば、送り出しローラ14で記録紙Pを送り出すことが可能であるのでなにもしない(ステップ4)。
【0054】
ステップ1でプリント中では無い場合、即ち、アイドル状態ならば、カバー開閉検知センサ85の信号を取り込んで、カバー25が開けられたかどうかを判断する(ステップ5)。カバー25が開けられていない場合(クローズ状態)の時は、ステップ2へ行く。カバー25が開けらている場合(オープン状態)ならば、ステータス格納部90aに格納されているステータス値を見る(ステップ6)。
【0055】
ステップ6において、ステータス値が「0」の場合、上限位置検知センサ70,中間位置検知センサ75,下限位置検知センサ80の三つのセンサをチェックする(ステップ7)。下限位置検知センサ80が応動しているならば、トレイ11を昇降させるモータ54を停止し、ステータス格納部90aにステータス値「3」を格納し、ステップ1に戻る(ステップ8)。上限位置検知センサ70が応動していない場合、又は上限位置検知センサ70,中間位置検知センサ75,下限位置検知センサ80の三つのセンサが応動していない場合には、ステータス格納部90aにステータス値「1」を格納し、ステップ1に戻る(ステップ9)。中間位置検知センサ75が応動している場合には、ステータス格納部90aにステータス値「2」を格納し、ステップ1に戻る(ステップ10)。
【0056】
ステップ6において、ステータス値が「1」の場合、中間位置検知センサ75又は下限位置検知センサ80が応動しているかどうかを判断し(ステップ11)、どちらのセンサも応動していない場合には、制御部90はモータ54を駆動してトレイ11を降下させる(ステップ12)。又、中間位置検知センサ75が応動すると、制御部90はモータ54を駆動してトレイ11を降下させると共に、ステータス格納部にステータス値「2」を格納する(ステップ13)。下限位置検知センサ80が応動すると、制御部90はモータ54の駆動を停止し、ステータス格納部にステータス値「3」を格納する(ステップ14)。
【0057】
ステップ6において、ステータス値が「2」の場合には、中間位置検知センサ75と、下限位置検知センサ80との応動を判断する(ステップ15)。中間位置検知センサ75が応動せず、下限位置検知センサ80が応動している場合には、制御部90はモータ54の駆動を停止し、ステータス格納部90aにステータス値「3」を格納する(ステップ16)。それ以外の場合には、制御部90はモータ54を駆動してトレイ11を降下させる(ステップ17)。
【0058】
ステップ6において、ステータス値が「3」の場合には、下降スイッチ31がオンされたか、又、中間位置検知センサ75が応動しているかどうかを見る(ステップ18)。下降スイッチ31がオンされ、且つ、中間位置検知センサ75が応動しているならば、ステータス格納部90aにステータス値「1」を格納し、ステップ1戻る(ステップ19)。それ以外の場合には、制御部90は、モータ54の駆動を停止し、ステップ1に戻る(ステップ20)。
【0059】
上記状態遷移の説明において、ステップ1からステップ4までのループは、デジタル複写機100がプリントを行っている場合の動作を説明している。即ち、本実施の形態例の給紙装置10から給紙した記録紙Pを用いて、デジタル複写機100がプリントを行っている場合には、制御部90はトレイ11上に積層された記録紙Pの上面が送り出しローラ14によって送り出し可能な位置にあるように、モータ54を駆動してトレイ11の位置を制御している。
【0060】
又、ステップ1,ステップ5からステップ18までのループは、カバー25を開けて、給紙装置10に対して記録紙Pを補給する際の動作を説明している。即ち、カバー25を開けたならば、通常の状態であれば、ステータス値は「0」であるので、ステップ7で上限位置検知センサ70,中間位置検知センサ75,下限位置検知センサ80の三つのセンサをチェックし、トレイ11がどの位置にあるかを判断する(ステップ6)。
【0061】
ここで、トレイ11が下限位置まで下がっている場合、トレイ11上には、最大限記録紙Pが載置されていると判断し、なにもしない(ステップ8)、そして、ステップ1→ステップ5→ステップ6→ステップ18→ステップ1のループを繰り返す。
【0062】
又、トレイ11が中間位置検知センサ75と上限位置との間にある場合(ステップ9)、制御部90はモータ54を駆動してトレイ11を降下させ、中間位置検知センサ75が応動→非応動となったらこのトレイ11の降下を停止する(ステップ16)。即ち、トレイ11を中間位置まで降下させ、トレイ11上へ約1000枚の記録紙Pの補給が可能となる。
【0063】
ここで、記録紙Pの補給を行わない限り、下降スイッチ31を押しても、中間位置検知センサ75が応動状態とにならないので、トレイ11の下降はできない(ステップ18→ステップ11)。
【0064】
又、記録紙Pを補給して中間位置検知センサ75を再び応動状態にして、下降スイッチ31を押す(ステップ18)と、制御部90はモータ54を駆動してトレイ11を降下させ(ステップ13)、中間位置検知センサ75が応動→非応動となったらこのトレイ11の降下を停止する(ステップ16)。即ち、トレイ11を再び降下させ、トレイ11上へ約1000枚の記録紙Pの補給が可能となる。
【0065】
このようにして、約1000枚記録紙Pを補給し、下降スイッチ31をオンして、トレイ11上に記録紙Pが約1000枚補給できるだけ下降させる工程を繰り返す。この工程は、下限位置検知センサ80が応動する(ステップ14)まで、即ち、トレイ11が下限位置に至るまで、可能である。
【0066】
又、トレイ11が中間位置検知センサ75と下限位置検知センサ80との間にある場合は、制御部90はモータ54を駆動して、下限位置検知センサ80が応動するまでトレイ11を降下させる(ステップ9→…ステップ11→ステップ12→…ステップ14)。
【0067】
更に、中間位置検知センサ75が応動状態、即ち、トレイ11が中間位置検知センサ75より下にあり、記録紙Pが中間位置検知センサ75よりも高く積層されている場合、又は、トレイ11が中間位置検知センサ75の位置にある場合は、制御部90はモータ54を駆動して(ステップ17)、中間位置検知センサが非応動状態となるまで、即ち、トレイ11上に約1000毎の記録紙Pが載置できるまでトレイ11を降下させる(ステップ9→…ステップ11→ステップ12→…ステップ14)。
【0068】
上記構成によれば、下降スイッチをオンしても、トレイ11は記録紙Pが約1000枚補給できるだけしか降下せず、更に、カバー25を開けて、記録紙Pを補給しなければ、下降スイッチ31をオンしても、トレイ11は下がらないので、記録紙Pの装填不良を防止することができる。
【0069】
又、連結部材95を介してトレイ11と接続されたテープ94はトレイ11の昇降に追従して移動する。従って、テープ94に設けられた残量表示マーク94aもトレイ11の昇降に伴って移動し、ユーザは側面板97ののぞき窓97aを介して、トレイ11上の記録紙Pの残量を視認できる。
【0070】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、記録媒体が積層載置されるトレイと、該トレイを上下方向に駆動する駆動手段と、前記トレイ上に記録媒体が載置されていない場合には前記トレイの上面、前記トレイ上に記録媒体が載置されている場合には、記録媒体の上面が、設定位置にあることを検出する中間位置検知手段と、下降スイッチと、前記下降スイッチがオンされると、前記駆動手段を駆動して中間位置検知手段が応動するまで前記トレイを下降させる制御手段とを設けたことにより、下降スイッチをオンしても、トレイは、上限位置から設定位置までの距離しか降下しない。更に、中間位置にあるトレイに記録媒体を補給しなければ、下降スイッチをオンしてもトレイはそれ以上は下降しないことにより、ユーザが一気にトレイを下限位置まで下げることできず、記録媒体の装填不良を防止できる。
【0071】
第2の発明によれば、記録媒体が積層載置されるトレイと、該トレイと対向するように天面に開設された開口と、該開口を開閉するカバーと、前記カバーの開状態を検知するカバー開閉検知手段と、前記トレイを上下方向に駆動する駆動手段と、前記トレイ上に記録媒体が載置されていない場合には前記トレイの上面、前記トレイ上に記録媒体が載置されている場合には記録媒体の上面が、上限位置にあることを検知する上限位置検知手段と、前記トレイ上に記録媒体が載置されていない場合には前記トレイの上面、前記トレイ上に記録媒体が載置されている場合には、記録媒体の上面が、設定位置にあることを検出する中間位置検知手段と、下降スイッチと、上限位置にある前記記録媒体の一番上の記録媒体を前記画像形成装置へ向かって送り出す送り出し手段と、前記カバーが開き、前記カバー開閉検出手段が応動すると、前記駆動手段を駆動して中間位置検知手段が応動するまで前記トレイを下降させ、又、前記下降スイッチがオンされると、前記駆動手段を駆動して中間位置検知手段が応動するまで前記トレイを下降させる制御手段とを設けたことにより、下降スイッチをオンしても、トレイは、上限位置から設定位置までの距離しか降下しない。更に、カバーを開けて、トレイが中間位置まで降下しても、記録紙Pを補給しないかぎり、下降スイッチ31をオンしても、トレイ11は下がらないので、ユーザが一気にトレイを下限位置まで下げることができず、記録紙Pの装填不良を防止することができる。
【0072】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明において、前記トレイの移動方向と略直交する方向の回転軸を有するアッパプーリと、前記トレイの移動方向と略直交する方向の回転軸を有するロアプーリと、前記アッパプーリ、前記ロアプーリとに巻き掛けられ、記録媒体の残量表示マーク設けられたたテープと、前記トレイと前記テープとを接続する連結部材とを設けたことにより、トレイの昇降に伴って、テープに設けられた残量表示マークも移動し、トレイ上の記録媒体の残量が解る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態例の給紙装置の電気的構成を説明する図である。
【図2】実施の形態例での画像形成装置と給紙装置との全体構成を説明する図である。
【図3】図2における給紙装置の上部を説明する斜視図である。
【図4】図2における給紙装置を正面から見た時の駆動手段を説明する図である。
【図5】図4において右側面から見た時の図である。
【図6】図1におけるセンサの構造を説明する図である。
【図7】図1における給紙装置の記録紙Pの残量表示機構を説明する図である。
【図8】図1における給紙装置の昇降状態遷移を説明する図である。
【符号の説明】
11 トレイ
31 下降スイッチ
54 モータ(駆動手段)
70 上限位置検知センサ(上限位置検知手段)
75 中間位置検知センサ(中間位置検知手段)
80 下限位置検知センサ(下限位置検知手段)
85 カバー開閉検知センサ(カバー開閉検知手段)
90 制御部(制御手段)
P 記録紙(記録媒体)
Claims (2)
- 画像形成装置に接続され、前記画像形成装置に記録媒体を供給する給紙装置であって、
前記記録媒体が積層載置されるトレイと、
該トレイと対向するように天面に開設された開口と、
該開口を開閉するカバーと、
前記カバーの開状態を検知するカバー開閉検知手段と、
該トレイを上下方向に駆動する駆動手段と、
前記トレイ上に前記記録媒体が載置されていない場合の前記トレイの上面、又は前記トレイ上に前記記録媒体が載置されている場合の前記記録媒体の上面が、上限位置にあることを検知する上限位置検知手段と、
前記トレイ上に前記記録媒体が載置されていない場合の前記トレイの上面、又は前記トレイ上に前記記録媒体が載置されている場合の前記記録媒体の上面が、設定位置にあることを検出する中間位置検知手段と、
前記トレイが下限位置にあることを検知する下限検知手段と、
前記トレイを下降させる下降スイッチと、
前記上限位置にある前記記録媒体の一番上の前記記録媒体を前記画像形成装置へ向かって送り出す送り出し手段と、
前記カバー開閉検出手段が応動するか、又は前記下降スイッチがオンされると、前記駆動手段を駆動して、前記中間位置検知手段が、前記記録媒体が載置されていない場合の前記トレイの上面、又は前記トレイ上に前記記録媒体が載置されている場合の前記記録媒体の上面を検知して応動するまで前記トレイを下降させ、前記カバー開閉検出手段が応動しており、且つ前記中間位置検知手段が応動状態にある場合は前記駆動手段を駆動しないことにより前記トレイが前記設定位置より下降しないように制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする給紙装置。 - 前記トレイの移動方向と略直交する方向の回転軸を有するアッパプーリと、
前記トレイの移動方向と略直交する方向の回転軸を有するロアプーリと、
前記アッパプーリ、前記ロアプーリとに巻き掛けられ、記録媒体の残量表示マークが設けられたテープと、
前記トレイと前記テープとを接続する連結部材と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
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