JP3597000B2 - ショート・メッセージを伝送するシステム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は通信システムに関し、特にショート・メッセージ要素間で表示可能メッセージを伝送するためのシステム及び方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
幾つかの通信サービス提供者はセルラ・サービス会社及び無線呼出しサービス会社を包含し、ユーザがショート・メッセージ要素を介して表示可能メッセージを送受信できるショート・メッセージ・サービスを供する。本明細書での定義では、ショート・メッセージ要素とはショート・メッセージの組立て或いは配列を行うことができる手段である。セルラ電話及び無線呼出しユニットを包含する有線端末及び無線端末の双方ともショート・メッセージ要素として機能することが可能である。更に、ショート・メッセージ・サービスはショート・メッセージを発呼側ショート・メッセージ要素から複数の被呼側ショート・メッセージ要素へ伝達する能力を包含する。例えば、現在の無線呼出しシステムは電話を掛けようとする電話番号を有する表示可能メッセージを伝送することが可能である。幾つかの無線システムはまた、無線端末の画面上に表示するための英数字テキストを送出することができ、その結果、ユーザがより詳細なメッセージを送出することができるようにしている。英数字テキストはまた、無線または有線タイプの端末或いは装置を経由してそれをデスクトップ・コンピュータやラップトップ・コンピュータのようなコンピュータ装置へ送出することも可能である。しかし、現在のショート・メッセージ・サービスは残念ながら限られた大きさの表示可能メッセージしか取り扱うことができない。それでも、通信サービス提供者は、急速に発展しつつある電子メール業界と競争するために、より長いショート・メッセージを被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送できるようにすることを願望している。
【０００３】
米国電気通信工業会（Ｔｅｌｅｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ Ｉｎｄｕｓｔｒｙ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ；ＴＩＡ）は様々な無線放送インタフェース及び通信網を経由して表示可能メッセージをショート・メッセージ要素へ伝送するため、所定の暫定標準（識別子と連結された、ＩＳ（ｉｎｔｅｒｉｍ ｓｔａｎｄａｒｄ）と呼ばれる標準）を有する。各暫定標準は、表示可能メッセージを単一データ・パッケージとして伝送するための動作、パラメータ、操作メッセージ及び処理手順を包含するプロトコルを規定している。例えば、ＩＳ−９５Ａ及びＩＳ−６３７は符号分割多重アクセス方式（Ｃｏｄｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ；ＣＤＭＡ）技術を使用する無線システムに関するプロトコルを規定している。更に、ＩＳ−１３６ファミリーの標準は時分割多重アクセス（Ｔｉｍｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ；ＴＤＭＡ）システムでのショート・メッセージ・サービスに関するプロトコルを規定している。ＩＳ−９１ファミリーの標準は拡張移動電話サービス（ＡＭＰＳ／ＮＡＭＰＳ）システムでのショート・メッセージ・サービスに関するプロトコルを規定している。最終的に、ＩＳ−４１−Ｃファミリーの標準はシステム間通信網を経由してのショート・メッセージ・サービスに関するプロトコルを規定している。類似のプロトコルが無線呼出しサービス業界にも存在する。しかし、残念ながらこれら各標準では表示可能メッセージの最大長さが規定されている。これら標準ではより長い表示可能メッセージの伝送が考察されていない。
【０００４】
代表的には、発呼側ショート・メッセージ要素で被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送するための表示可能メッセージが生成される。該表示可能メッセージは、それらショート・メッセージ要素間で搬送通信網或いはパイプラインを経由して伝送される。搬送通信網は上記表示可能メッセージが通過する通信網構成要素及び無線通信インタフェースを包含する。搬送通信網は、例えば第７信号方式（Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ ７；ＳＳ７）やＸ．２５インタフェース、インターネット・プロトコル（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ；ＩＰ）、非同期転送モード（Ａｓｙｎｃｈｒｏｎｏｕｓ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｍｏｄｅ；ＡＴＭ）或いはフレーム・リレー（Ｆｒａｍｅ Ｒｅｌａｙ）のような適当な信号通信機構を包含することができる。更に、無線通信インタフェースはＴＤＭＡやＣＤＭＡのようなデジタル無線通信インタフェース或いは他のデジタル無線通信インタフェースとすることができる。或いはデジタル・インタフェースに代えて、無線通信インタフェースにはアナログ・インタフェースを具備することも可能である。なお、ここで、発呼側及び被呼側ショート・メッセージ要素がショート・メッセージ・サービスに伴う全ての処理をアプリケーション・プロトコル層で行うことが特記される。介在している搬送通信網は平易にそれら２つのエンド・ポイント間における情報導通チャンネルとして動作する。残念ながら、搬送通信網は、例えば上述の操作標準或いは搬送通信網の一部の特定の履行のため、単一データ・パッケージとしての最大量のデータ或いは情報までしか伝送することができない。このように、搬送通信網の容量によって、データ・パッケージ中で伝送可能な表示可能メッセージの大きさが制約される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
無線呼出しサービス業界の開発者等は、表示可能メッセージを伝送するために複数の断片に分割するシステムにこれまではあまり関わっていなかった。しかし、そのようなシステムは乱れた順序で受信される断片を処理する方法が無かったり、或いは、遺失した断片を補って完全にするための再送に備える方法が無かったりする理由で原始的である。なお、操作メッセージの断片化は、既に無線システムの下位層動作で使用されている。
【０００６】
しかし、この能力を表示可能メッセージを伝送する際の使用に適合させるために、無線サービス提供者は既存の通信網に多数のソフトウエア及びハードウエアのグレードアップ版をインストールしなければならなず、高価な仕事となるであろう。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の実施例によれば、表示可能メッセージを複数のデータ・パッケージで搬送通信網を経由して被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送することができる本通信システムが供される。容量判定器はデータを伝送するために必要な搬送通信網の容量を確かめる。その搬送通信網の容量に基づいて、断片化器がアプリケーション・プロトコル層で表示可能メッセージを断片に分割する。断片の大きさは搬送通信網の容量を超えないものである。最終的に、パッケージャがそれら断片をデータ・パッケージにまとめる。それらデータ・パッケージは現今規定されるショート・メッセージ・サービスを使用し、搬送通信網を経由して別々に伝送される。
【０００８】
上記実施例では、各データ・パッケージが表示可能メッセージの断片の位置に対応する参照パラメータを包含することができる利点が有る。それらデータ・パッケージには表示可能メッセージに特定の断片と符合することを表わすパラメータのような他の参照パラメータを包含することができる。
【０００９】
本発明の別の実施例によれば、搬送通信網を経由して伝送された複数のデータ・パッケージから表示可能メッセージを復元することができるシステムが供される。このシステムは、データ・パッケージから断片または表示可能メッセージを得る断片検索器を包含する。それら断片の大きさはデータを伝送するための搬送通信網の容量に基づいている。一実施例では、断片検索器は更にデータ・パッケージから表示可能メッセージ内での断片の相対位置を指示する参照パラメータを得る。断片検索器は更にデータ・パッケージから得られた参照パラメータに従って対応する断片を配列する。一旦、全断片の受信が完了し、それら断片の判定がトータル・サイズ・パラメータに対抗して受信された各断片の累積サイズを比較することによって完了すると、メッセージ復元器がそれら断片を表示可能メッセージに組み合わせる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施例を示すブロック図である。通信システム１００は、搬送通信網を経由して例えばショート・メッセージ要素１０２、１０４及び１０５の間で表示可能メッセージをショート・メッセージ・サービスを使用する複数のデータ・パッケージで伝送する。図１に示されるように、１つのショート・メッセージ要素が、無線端末、例えばセルラ電話や移動電話或いは無線呼出しユニットを具備することができるショート・メッセージ要素１０４及び１０５中に存在することができる。
【００１１】
通信システム１００は発呼側の無線システム１０６を包含する。無線システム１０６は表示可能メッセージを基地局１１０−１、１１０−２及び１１０−３を介してショート・メッセージ要素１０４と１０５との相互間で転送させる無線交換局（ｗｉｒｅｌｅｓｓ ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒ；以下ＷＳＣとも言う）１０８を包含する。各基地局１１０−ｎはセルと呼ばれる領域１１１−ｎにサービスを行う。説明を簡単にするため、各セル１１１−ｎは六辺形として図示されている。しかし、セル１１１−ｎの実際の形状は地勢及び電磁気源のようなファクタによって支配される。なお、各セル１１１−ｎは更に複数のセクタに分割されることもあることを特記することができる。各基地局１１０−ｎは無線端末と交信するためのアンテナ及び無線機を包含する。各基地局１１０−ｎは更に無線交換局１０８と交信するための伝送設備を包含する。
【００１２】
ショート・メッセージ要素１０２は少なくとも２種類の経路を介して無線交換局１０８と接続されている。先ず、通信網１１４は間接経路を介してショート・メッセージ要素１０２を無線交換局１０８へ接続する。通信網１１４は例えばＳＳ７、Ｘ．２５、ＩＰ、ＡＴＭ或いはフレーム・リレー技術を採用する通信網を具備することができる。更に、ショート・メッセージ要素１０２は直接経路を介して無線交換局１０８へ接続されるようにすることができる。
【００１３】
動作に関しては、各ショート・メッセージ要素は表示可能メッセージを少なくとも２種類の経路で通信システム１００を経由して伝送することができる。先ず、各ショート・メッセージ要素は通信システム１００を経由して被呼側ショート・メッセージ要素へ向けて送る表示可能メッセージを伝送することができる。更に、各ショート・メッセージ要素は、被呼側ショート・メッセージ要素が表示可能メッセージを受信可能な状態になる時間まで蓄積するために通信網１１４内の、メッセージ・センターのような中間ノードへその表示可能メッセージを伝送することができる。これは表可能メッセージの「蓄積・交換伝送（”ｓｔｏｒｅ ａｎｄ ｆｏｒｗａｒｄ” ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ）」と呼ばれる。
【００１４】
直接伝送では、ショート・メッセージ要素１０２は例えばショート・メッセージ要素１０４へ伝送するための表示可能メッセージを生成する。この表示可能メッセージはフォーマットされたオクテット或いはフォーマットされていないバイナリー・ビットとして伝送される英数字で構成することができる。ショート・メッセージ要素１０２と１０４との間の搬送通信網即ちパイプラインは、通信網１１４、無線交換局１０８及び基地局１１０−１を具備する。
【００１５】
上述の如く、単一のデータ・パッケージとして上記搬送通信網を介して伝送可能な例えばフォーマットされたバイナリ・ビット或いはフォーマットされていないバイナリ・ビットのデータ即ち情報の最大量は、その搬送通信網の容量として定義されている。ショート・メッセージ要素１０２は表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ伝送するために利用される搬送通信網の容量を判定する。この容量に基づいて、ショート・メッセージ要素１０２は表示可能メッセージをその容量より小さい断片に分割し、搬送通信網を経由して伝送するためにそれら断片をまとめる。
【００１６】
ショート・メッセージ要素１０４は基地局１１０−１からそれらパッケージを受信し、表示可能メッセージを復元する。ショート・メッセージ要素１０４は続いてその表示可能メッセージを例えば画面上に表示する。このようにして、通信システム１００は搬送通信網及びその表示可能メッセージを伝送するために使用されるショート・メッセージ・サービスの容量を超える表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ伝送することが可能になる。表示可能メッセージの断片化及び復元は通信サービス・アプリケーション・プロトコル層で実行されるようにすることが可能であり、従って通信網１１４及び無線システム１０６の構成要素に高価な変更を加える必要は無い。
【００１７】
或いはそれに代わって、通信システム１００はまた表示可能メッセージの蓄積・交換伝送を支援することができる。例えば、ショート・メッセージ要素１０５は表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ伝送することができる。ショート・メッセージ要素１０５はショート・メッセージ要素１０４へ伝送するための表示可能メッセージを生成する。もし、ショート・メッセージ要素１０４が利用可能でない場合、通信システム１００は表示可能メッセージを受信し且つ蓄積するため、通信網１１４中のメッセージ・センター或いは無線交換局１０８を識別する。ショート・メッセージ要素１０５は表示可能メッセージを通信網１１４のメッセージ・センターへ伝送するために使用されるべき搬送通信網の容量を判定する。この容量に基づいて、ショート・メッセージ要素１０５は表示可能メッセージをその容量より小さい断片に分割し、その搬送通信網を経由して上記メッセージ・センターへ伝送するためにそれら断片をまとめる。
【００１８】
ショート・メッセージ要素１０４を表示可能メッセージを受信するために利用できる場合は、上記メッセージ・センターがその表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ搬送するために使用されるべき搬送通信網の容量を判定する。ショート・メッセージ要素１０４は基地局１１０−１からそれらパッケージを受信し、前記表示可能メッセージを復元する。ショート・メッセージ要素１０４は続いてその表示可能メッセージを、例えば画面上に表示する。ここで、直接伝送技術及び蓄積・交換伝送技術の双方については、通信網１１４は、ショート・メッセージ要素１０２、１０４及び１０５の機能を実行するノードを包含できることが特記される。例えば、これらの機能はメッセージ・センターやホーム・ロケーション・レジスタ、無線交換局或いは他の適切な通信網ノードで実行されるようにすることができる。
【００１９】
ここで、ショート・メッセージ要素１０４及び１０５は双方とも説明の便宜上、無線システム１０６中に示されている。ショート・メッセージ要素１０４及び１０５は、それらが同一の無線システム内に配置されていないときや、或いは同一の無線交換局を利用していないときでも、通信システム１００を経由して表示可能メッセージを交信できることが特記される。
【００２０】
【実施例】
ＳＳ７をシステム間搬送プロトコルとして使用するセルラ・システムでは、メッセージ・パッケージ容量が２７２オクテットに制限されている。従ってＳＭＤＰＰと呼ばれるショート・メッセージ送達動作は、２７２オクテットの情報しか扱うことができない。この２７２オクテットの情報の相当な部分はアドレス・パラメータやその他のパラメータのような諸々の情報のために使用され、或る部分は必須であり、また或る部分は任意である。この諸々のもの（ｏｖｅｒｈｅａｄ）のサイズは、どれだけの量が表示可能メッセージをデータ・パッケージで搬送するために残ることになるかを管理する。ＳＳ７通信網では、表示可能メッセージを伝送するＳＭＤＰＰ動作の構成要素はベアラ・データ（ｂｅａｒｅｒ ｄａｔａ）と呼ばれる。
【００２１】
代表的な履行では、上記諸情報は９２オクテットを要し、残る１８０オクテットはベアラ・データのような表示可能メッセージを伝送するために利用可能である。実施例に依れば、１８０オクテットを超える表示可能メッセージに関しては、複合表示可能メッセージが１８０オクテット以下の断片に分割され、別々のＳＭＤＰＰ動作を用いて伝送される。
【００２２】
もし、発呼側の無線交換局（ｗｉｒｅｌｅｓｓ ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒ、以下ＷＳＣと言う）が１００オクテットしか取り扱えないようであれば、断片の大きさは更に制限されることとなろう。１００オクテットのパイプライン容量が発呼側のＷＳＣによって課されるものと考えると、２００乃至３００オクテットのデータを有する表示可能メッセージを搬送するためには少なくとも３つのＳＭＤＰＰ動作が必要であろう。各ＳＭＤＰＰ動作は、それらがＷＳＣによって定義された１００オクテットのパイプライン容量を超えない限り、異なる量のデータを搬送することができる。そうでない場合は、１つ以外の全てのＳＭＤＰＰ動作が上記 容量と等しいデータを搬送することができるが、最後の１つのＳＭＤＰＰ動作が上記容量未満のデータを扱う。
【００２３】
もし何れか１つの断片が被呼側ショート・メッセージ要素に到達しない場合、その結果生じる、単一データ・パッケージのショート・メッセージ・サービスに関する既存の標準の一部として既に存在する自動否定応答によって発呼側ショート・メッセージ要素がその特定の断片を伝送するように教唆されることとなろう。各ショート・メッセージ・サービス送達の完全性もまた下位層の検査、例えば、ＣＲＣ等によって保証されることとなろう。
【００２４】
説明の明確化のため、以下に記述される図２及び図３は、単に表示可能メッセージを一方向に伝送するための回路構成を図示している。従って、図２は伝送用表示可能メッセージを組み立てるために使用される回路構成を図示している。同様に、図３は表示可能メッセージを復元するために使用される回路構成を図示している。ショート・メッセージ要素１０２が図３と同様な回路構成を包含することができ、且つ、ショート・メッセージ要素１０４が図２と同様な回路構成を具備することができることは言うまでもない。更に、本明細書の目的では、表示可能メッセージを組み立てるために使用されるショート・メッセージ要素は発呼側ショート・メッセージ要素と呼ばれる。同様に、表示可能メッセージを復元するために使用されるショート・メッセージ要素は被呼側ショート・メッセージ要素と呼ばれる。
【００２５】
図２は図１の通信システム１００で使用するための発呼側ショート・メッセージ要素の実施例のブロック図である。発呼側ショート・メッセージ要素１０２は被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送するための表示可能メッセージを処理する。発呼側ショート・メッセージ要素１０２はメッセージ構成器２００を包含する。メッセージ構成器２００はメッセージ・バッファ２０２へ表示可能メッセージを供する。メッセージ・バッファ２０２と容量判定器２０６とから断片化器２０４へ入力が供される。断片化器２０４の出力がパッケージャ２０８へ供される。
【００２６】
動作に関しては、発呼側ショート・メッセージ要素１０２がメッセージ構成器２００を用いて入力された表示可能メッセージを、搬送通信網を経由して被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送するための断片に分割する。容量判定器２０６は仮想回線のための容量を判定する。以下、図６に関連して更に詳細に記述するように、容量判定器２０６は無線交換局１０８によってカバーされる領域内で移動する無線端末に対する自律的登録処理に包含されるパラメータの値に部分的に基づいて搬送通信網の容量を判定する。発呼側ショート・メッセージ要素１０２は他の形態の搬送通信網の制約の基でデータを使用して断片の大きさを設定することができる。断片化器２０４は表示可能メッセージを搬送通信網の容量を超えない断片に分割する。このようにデータ・パッケージを動的に一定の大きさに作ることによって、本発明の実施例は、通信網資源の向上した用法を用いて表示可能メッセージが送出されるようにできる利点がある。パッケージャ２０８はそれら断片を伝送するためのデータ・パッケージに配置する。
【００２７】
断片に加え、データ・パッケージには他の参照パラメータを包含することができる。例えば、表示可能メッセージ内の各断片の位置を指示するＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータを包含することができる。更に、各データ・パッケージには表示可能メッセージの大きさ、例えばＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）指標を包含することができる。最終的に各データ・パッケージには、例えばデータ・パッケージが属する表示可能メッセージを識別するメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータを包含することができる。なお、先に定義されているように、容量は仮想回線が伝送可能な最大のデータ・パッケージの大きさであることに留意しなければならない。従って、仮想回線の容量には、各データ・パッケージと共に含めまれているデータを伝送する際に使用される諸々の情報のためのスペースが包含される。これら諸々の情報には、上記ＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータ、ＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）パラメータ及びメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータのみならず、例えば、ショート・メッセージ・サービス・プロトコルを包含することができる。
【００２８】
断片化器２０４は断片の相対位置に対応するパラメータを使用することができるが、断片の順序は他の方法で保持することも可能である。断片化器２０４は、例えば各断片をパッケージャ２０８へ送付し、次の断片を処理する前に対応する自動肯定応答を待ち受け、それによってそれら断片を表示可能メッセージに対応する順序でパッケージャ２０８へ送付することができる。
【００２９】
先に述べたように、ショート・メッセージ要素１０２と１０４との間の搬送通信網は単に既存のプロトコルに従って各データ・パッケージを伝送する。搬送通信網中ではデータ・プロトコルの内容の処理は行われず、従ってソフトウエアやハードウエア或いはそれらの双方に重大な変更を要するすることの無い履行が許される。
【００３０】
図３は図１の通信システム１００で使用するための被呼側ショート・メッセージ要素１０４のブロック図である。被呼側ショート・メッセージ要素１０４にはバッファ３０２が包含されている。バッファ３０２は断片検索器３０４へ入力を供する。断片検索器３０４はメッセージ復元器３０６への入力を供する。最終的に、メッセージ復元器３０６は、例えばユーザへ表示可能メッセージを表示するためのディスプレイを具備することが可能な処理装置３０８を動作させる。
【００３１】
動作に関しては、バッファ３０２は発呼側ショート・メッセージ要素１０２から被呼側ショート・メッセージ要素１０４へ伝送された表示可能メッセージと関連する複数のデータ・パッケージを受信する。バッファ３０２はそれらデータ・パッケージを格納する。断片検索器３０４は各データ・パッケージから表示可能メッセージの断片及び表示可能メッセージ内でのその断片の他の断片との相対位置を指示する参照パラメータを検索する。断片検索器３０４は更にデータ・パッケージから検索された参照パラメータに従ってそれら断片を配列する。メッセージ復元器３０６は表示可能メッセージを復元し、その表示可能メッセージを処理装置３０８へ供する。なお、ここでもしメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）のようなパラメータが使用されている場合には、断片検索器３０４が別の表示可能メッセージに対応するデータ・パッケージを処理可能であることが特記される。
【００３２】
図４は本発明の実施例の動作を説明するフローチャートである。本方法はステップ４０２で開始する。本方法はステップ４０４でデータ・パッケージを検索する。ステップ４０６で、本方法はデータ・パッケージが既に受信されているかどうかを、例えば受信された一群のデータ・パッケージに対抗するＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータ及びメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータを検査することによって判定する。もしその判定結果がＹＥＳであれば、データ・パッケージが既に受信されており、本方法はステップ４０４へ戻って他のデータ・パッケージを検索する。従って、被呼側ショート・メッセージ要素１０４は再送により既に受信されていたかも知れない断片の複製を排除することができる。発呼側ショート・メッセージ要素１０２による再送は、時間内に、例えば発呼側ショート・メッセージ要素１０２でタイマの設定時間が切れる前に、より早いうちの伝送の肯定応答が受信されなかったことに起因して生じることがある。
【００３３】
しかし、もしステップ４０６での判定結果がＮＯであれば、データ・パッケージはそれまでには受信されていない。ステップ４０８で、データ・パッケージから断片が検索されて格納される。断片が受信されたことは、例えばデータ・パッケージに関するＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータ及びメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータを記録することによって、記録されるようにすることができる。
【００３４】
ステップ４１０で、本方法は表示可能メッセージに対応する全断片が既に検索されたか否かを判定する。少なくとも１個のデータ・パッケージに包含されるＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）パラメータが、全断片が既に検索されたか否かを判定する際に使用されるようにすることができる。もし、未だ全ての断片の検索が完了していない場合は、本方法はステップ４０４へ戻ってデータ・パッケージの受信を継続する。しかし、もしステップ４１０での判定結果がＹＥＳであれば、本方法はステップ４１２へ進み、再組立ての用意ができている表示可能メッセージを選定する。ステップ４１３で、本方法は、例えば表示可能メッセージを表示することによってその表示可能メッセージを処置する。本方法はステップ４１４で終了する。
【００３５】
図５は本発明の実施例の別の動作を説明するフローチャートである。本方法はステップ４１６で開始する。本方法はステップ４１８でデータ・パッケージから断片を検索する。ステップ４２０で、本方法は再組立てを遂行中の表示可能メッセージの端部に断片を付加する。本方法はステップ４２２で他に表示可能メッセージに付加されている断片が有るかどうかを判定する。この判定は、再組立てされたメッセージ中の文字数がＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）のようなパラメータの値と等しいか否かに基づいて為される。もしステップ４２２での判定結果がＹＥＳであれば、本方法はステップ４１８へ戻って次の断片の検索及び処理を行う。ステップ４２２での判定結果がＮＯであるときは、表示可能メッセージの全体が既に再組立てされており、本方法はステップ４２４で終了する。
【００３６】
図６は本発明の実施例の操作メッセージ・フロー・ダイヤグラム例である。発呼側ショート・メッセージ要素５００は被呼側ショート・メッセージ要素５０２へ表示可能メッセージを送出する。説明のため、被呼側ショート・メッセージ要素５０２はセルラ電話または無線呼出しユニットのような無線端末を具備する。この被呼側ショート・メッセージ要素５０２はショート・メッセージ・サービスを支援するＴＤＭＡやＣＤＭＡ、ＡＭＰＳ／ＮＡＭＰＳ、或いは他の標準のような所定の無線通信インタフェースを経由して発呼側の基地局５０４と交信することができる。基地局５０４は無線交換局（ｗｉｒｅｌｅｓｓ ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒ；ＷＳＣ）５０６に接続されている。ビジター・ロケーション・レジスタ５０８は、無線交換局５０６と関連しており、無線交換局５０６によってカバーされる領域内に有る無線端末のリストを包含する。メッセージ・センター５１０とホーム・ロケーション・レジスタ５１２とが被呼側ショート・メッセージ要素５０２のホーム無線通信網に関連付けられてされている。なお、ここでメッセージ・センター５１０と発呼側ショート・メッセージ要素５００とは、パーソナル・コンピュータや無線端末或いは有線端末またはその他のショート・メッセージを送出するための手段のような、単一装置内に存在することができる。
【００３７】
動作に関しては、発呼側ショート・メッセージ要素５００から、表示可能メッセージがメッセージ・センター５１０へ挿入される。メッセージ・センター５１０はホーム・ロケーション・レジスタ５１２へショート・メッセージ・サービス要求（Ｓｈｏｒｔ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｒｅｑｕｅｓｔ、以下ＳＭＲＥＱと言う）の呼出し命令を送出する。もし被呼側ショート・メッセージ要素５０２が、そのホーム無線通信システム或いはこの被呼側ショート・メッセージ要素５０２に既に登録されているビジター無線通信システムによってサービスされている場合は、ホーム・ロケーション・レジスタ５１２がＳＭＲＥＱ応答結果、とりわけ無線交換局５０６及び基地局５０４の容量を割り当てるＳＭＳ最大断片サイズ（ＳＭＳ＿Ｍａｘｉｍｕｍ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｓｉｚｅ；以下ＳＭＦＳと言う）パラメータを包含するＳＭＲＥＱ応答結果をメッセージ・センター５１０へ送出する。
【００３８】
しかし、もし被呼側ショート・メッセージ要素５０２が無線通信システム内で移動していたとしてもそのことが登録されていない場合には、ホーム・ロケーション・レジスタ５１２からのＳＭＲＥＱパラメータは障害状態を表わすこととなろう。メッセージ・センター５１０は被呼側ショート・メッセージ要素５０２が発呼側の無線交換局５０６をアクセスし、且つＲＥＧＮＯＴ動作及びＳＭＳ通知（ＳＭＳ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；以下ＳＭＳＮＯＴと言う）動作が実行されるまで表示可能メッセージを保存する。
【００３９】
図６に示されるように、ビジター無線通信システムに登録するために、被呼側ショート・メッセージ要素５０２はシステム・アクセス、とりわけ基地局５０４及び無線交換局５０６を介して発呼側システムへ発呼するシステム・アクセスを実行する。無線交換局５０６はビジター・ロケーション・レジスタ５０８へ登録通知（Ｒｅｇｉｓｔｒａｔｉｏｎ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；以下ＲＥＧＮＯＴと言う）メッセージを送出する。続いてビジター・ロケーション・レジスタ５０８はそのＲＥＧＮＯＴメッセージをホーム・ロケーション・レジスタ５１２へ伝送する。無線交換局５０６は、もしこの無線交換局５０６がショート・メッセージ・サービスを実行することができる場合、無線交換局５０６及び基地局５０４の容量をＲＥＧＮＯＴメッセージに割り当てるＳＭＦＳパラメータを包含する。その容量は代表的には無線交換局５０６または基地局５０４の内部構成或いは搬送通信網の他の構成要素に依存する。ホーム・ロケーション・レジスタ５１２はＳＭＳＮＯＴ動作を呼出しする際に上記ＳＭＦＳパラメータをメッセージ・センター５１０へ伝送する。メッセージ・センター５１０は上記ＳＭＦＳパラメータを使用して、例えばＳＭＤＰＰ処理を経て、搬送通信網を経由して伝送を行うために適切な大きさの断片に表示可能メッセージを分割する。また図６に示されるように、メッセージ・センター５１０はＳＭＳ通知（ＳＭＳ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；ｓｍｎｏｔ）応答結果をホーム・ロケーション・レジスタ５１２へ送出する。続いてホーム・ロケーション・レジスタ５１２はビジター・ロケーション・レジスタ５０８へ登録通知（ｒｅｇｎｏｔ）応答結果を送出する。続いてビジター・ロケーション・レジスタ５０８はｒｅｇｎｏｔ応答結果メッセージを無線交換局５０６へ送出する。
【００４０】
一旦、メッセージ・センター５１０でｓｍｒｅｑメッセージ或いはＳＭＳＮＯＴメッセージの何れかの受信が完了すると、メッセージ・センター５１０はＳＭＦＳパラメータ中に与えられているパイプライン容量に従って表示可能メッセージを断片化することができる。もしホーム無線通信システムの搬送通信網の容量が、ＳＭＦＳ中に割り当てられているように、無線交換局５０６及びビジター・ロケーション・レジスタ５０８間のパイプライン部分の容量より小さい場合、そのＳＭＦＳがホーム・ロケーション・レジスタ５１２で調整されることとなろう。
【００４１】
メッセージ・センター５１０はそれら断片を、例えばショート・メッセージ送達動作（ｓｈｏｒｔ ｍｅｓｓａｇｅ ｄｅｌｉｖｅｒｙ ｏｐｅｒａｔｉｏｎ；以下ＳＭＤＰＰと言う）を使用して、無線交換局５０６及び基地局５０４へ伝送する。基地局５０４はそれら断片を、例えば第１ショート・メッセージ送達要求（ｆｉｒｓｔ Ｓｈｏｒｔ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ｒｅｑｕｅｓｔ；以下１ｓｔ ＳＭＤ−ＲＥＱと言う）と名付けられているメッセージ中で被呼側ショート・メッセージ要素５０２へ伝送する。被呼側ショート・メッセージ要素５０２はその受信の認知を第１ショート・メッセージ送達肯定応答（ｆｉｒｓｔ Ｓｈｏｒｔ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ａｃｋｎｏｗｌｅｄｇｍｅｎｔ；以下１ｓｔ ＳＭＤ−ＡＣＫと言う）メッセージ中で基地局５０４へ応答する。上記第１ＳＭＤＰＰ処理に関するｓｍｄｐｐ応答結果が無線交換局５０６からメッセージ・センター５１０へ伝送される。同様にメッセージ・センター５１０は各断片を被呼側ショート・メッセージ要素５０２へ伝送する。図示されているように、Ｎ番目即ち最後の断片がメッセージ・センター５１０によって伝送され被呼側ショート・メッセージ要素５０２によって受信されると、伝送が完了する。断片化及び伝送処理が終了する。続いて被呼側ショート・メッセージ要素５０２はそれら断片から上述のように表示可能メッセージを復元する。なお、ここでＳＭＳＲＥＱ及びＲＥＧＮＯＴのような操作メッセージはＩＳ−４１のような現行の標準内の或る形ちで存在しており、その結果、実施例が更に容易に履行されることが特記される。更に、上述の結果を成就するために他の操作メッセージを使用することも可能である。
【００４２】
なお、本発明に適切なシステム・アーキテクチャの機能的作用要素が上記に強調されていることは言うまでもない。上記システム・アーキテクチャには多くの他の機能的作用要素が存在するが、それらはほんの僅かに本発明と関連するだけであり、従って、上記システム・アーキテクチャの機能的作用要素はシステム・レベルでのそれらの機能のより広義の記載において上記他の機能的作用要素を引き合いにされることは無く、またそれらに分類されることも無い。更に、本発明は、同じ最終結果を達成するために多くの処理が異なる順序で為されるか或いは別の方法を使用して為される、データの処理及び伝送を行うシステムに関わる。例えば、表示可能メッセージの再組立ては、断片検索器で断片が受信されたときそれら断片を簡単に連結し、以前に受信されたデータをシフトし、且つ、乱れた順序で受信された断片が有ればそれらを挿入することによって、同時に為すことができる。更に、容量判定は発呼側に無線交換局の容量と丁度の容量よりは大きい容量を考慮に入れることができる。搬送通信網の各要素の容量を断片の大きさを判定する際に考慮することができる。更に、本発明の教示はまた転送される処理中にあるか或いは休止モードにある被呼側ショート・メッセージ要素にも適用できる。最終的に、図面と関連して考察された上述の実施例のシステムは無線セルラ・システムに関するが、それらの概念はまた無線呼出しシステムのような他の無線システムにも当てはまる。
【００４３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ショート・メッセージ要素間でそれら要素や搬送通信網の容量に制約されること無く、大きなサイズの表示可能メッセージを伝送することができる効果が有る。
【００４４】
なお、特許請求の範囲に記載した参照符号は発明の理解を容易にするためのものであり、特許請求の範囲を制限するように理解されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】搬送通信網を経由して表示可能メッセージを伝送するためのシステムを供する本発明の実施例を示すブロック図である。
【図２】図１の通信システムにおける伝送用表示可能メッセージを組み立てる際に使用されるショート・メッセージ要素の実施例を示すブロック図である。
【図３】図１の通信システムを用いて表示可能メッセージを復元する際に使用されるショート・メッセージ要素の実施例を示すブロック図である。
【図４】搬送通信網を経由して複数のデータ・パッケージで伝送される表示可能メッセージを復元するための本発明の実施例を示すフローチャートである。
【図５】搬送通信網を経由して複数のデータ・パッケージで伝送される表示可能メッセージを復元するための本発明の別の実施例を示すフローチャートである。
【図６】本発明の実施例の操作メッセージ・フロー・ダイヤグラム例を示す図である。
【符号の説明】
１００ 通信システム
１０２ ショート・メッセージ要素
１０４ ショート・メッセージ要素
１０５ ショート・メッセージ要素
１０６ 無線システム
１０８ 無線交換局（ＷＳＣ）
１１０−ｎ 基地局
１１０−１ 基地局
１１０−２ 基地局
１１０−３ 基地局
１１１−ｎ セル
１１１−１ セル
１１１−２ セル
１１１−３ セル
１１４ 通信網
２００ メッセージ構成器
２０２ メッセージ・バッファ
２０４ 断片化器
２０６ 容量判定器
２０８ パッケージャ
３０２ バッファ
３０４ 断片検索器
３０６ メッセージ復元器
３０８ 処理装置
５００ 発呼側ショート・メッセージ要素
５０２ 被呼側ショート・メッセージ要素
５０４ 基地局（ＷＣ）
５０６ 無線交換局（ＷＳＣ）
５０８ ビジター・ロケーション・レジスタ
５１０ メッセージ・センター
５１２ ホーム・ロケーション・レジスタ
【発明の属する技術分野】
この発明は通信システムに関し、特にショート・メッセージ要素間で表示可能メッセージを伝送するためのシステム及び方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
幾つかの通信サービス提供者はセルラ・サービス会社及び無線呼出しサービス会社を包含し、ユーザがショート・メッセージ要素を介して表示可能メッセージを送受信できるショート・メッセージ・サービスを供する。本明細書での定義では、ショート・メッセージ要素とはショート・メッセージの組立て或いは配列を行うことができる手段である。セルラ電話及び無線呼出しユニットを包含する有線端末及び無線端末の双方ともショート・メッセージ要素として機能することが可能である。更に、ショート・メッセージ・サービスはショート・メッセージを発呼側ショート・メッセージ要素から複数の被呼側ショート・メッセージ要素へ伝達する能力を包含する。例えば、現在の無線呼出しシステムは電話を掛けようとする電話番号を有する表示可能メッセージを伝送することが可能である。幾つかの無線システムはまた、無線端末の画面上に表示するための英数字テキストを送出することができ、その結果、ユーザがより詳細なメッセージを送出することができるようにしている。英数字テキストはまた、無線または有線タイプの端末或いは装置を経由してそれをデスクトップ・コンピュータやラップトップ・コンピュータのようなコンピュータ装置へ送出することも可能である。しかし、現在のショート・メッセージ・サービスは残念ながら限られた大きさの表示可能メッセージしか取り扱うことができない。それでも、通信サービス提供者は、急速に発展しつつある電子メール業界と競争するために、より長いショート・メッセージを被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送できるようにすることを願望している。
【０００３】
米国電気通信工業会（Ｔｅｌｅｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎｓ Ｉｎｄｕｓｔｒｙ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ；ＴＩＡ）は様々な無線放送インタフェース及び通信網を経由して表示可能メッセージをショート・メッセージ要素へ伝送するため、所定の暫定標準（識別子と連結された、ＩＳ（ｉｎｔｅｒｉｍ ｓｔａｎｄａｒｄ）と呼ばれる標準）を有する。各暫定標準は、表示可能メッセージを単一データ・パッケージとして伝送するための動作、パラメータ、操作メッセージ及び処理手順を包含するプロトコルを規定している。例えば、ＩＳ−９５Ａ及びＩＳ−６３７は符号分割多重アクセス方式（Ｃｏｄｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ；ＣＤＭＡ）技術を使用する無線システムに関するプロトコルを規定している。更に、ＩＳ−１３６ファミリーの標準は時分割多重アクセス（Ｔｉｍｅ Ｄｉｖｉｓｉｏｎ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｃｃｅｓｓ；ＴＤＭＡ）システムでのショート・メッセージ・サービスに関するプロトコルを規定している。ＩＳ−９１ファミリーの標準は拡張移動電話サービス（ＡＭＰＳ／ＮＡＭＰＳ）システムでのショート・メッセージ・サービスに関するプロトコルを規定している。最終的に、ＩＳ−４１−Ｃファミリーの標準はシステム間通信網を経由してのショート・メッセージ・サービスに関するプロトコルを規定している。類似のプロトコルが無線呼出しサービス業界にも存在する。しかし、残念ながらこれら各標準では表示可能メッセージの最大長さが規定されている。これら標準ではより長い表示可能メッセージの伝送が考察されていない。
【０００４】
代表的には、発呼側ショート・メッセージ要素で被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送するための表示可能メッセージが生成される。該表示可能メッセージは、それらショート・メッセージ要素間で搬送通信網或いはパイプラインを経由して伝送される。搬送通信網は上記表示可能メッセージが通過する通信網構成要素及び無線通信インタフェースを包含する。搬送通信網は、例えば第７信号方式（Ｓｉｇｎａｌｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ ７；ＳＳ７）やＸ．２５インタフェース、インターネット・プロトコル（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ；ＩＰ）、非同期転送モード（Ａｓｙｎｃｈｒｏｎｏｕｓ Ｔｒａｎｓｆｅｒ Ｍｏｄｅ；ＡＴＭ）或いはフレーム・リレー（Ｆｒａｍｅ Ｒｅｌａｙ）のような適当な信号通信機構を包含することができる。更に、無線通信インタフェースはＴＤＭＡやＣＤＭＡのようなデジタル無線通信インタフェース或いは他のデジタル無線通信インタフェースとすることができる。或いはデジタル・インタフェースに代えて、無線通信インタフェースにはアナログ・インタフェースを具備することも可能である。なお、ここで、発呼側及び被呼側ショート・メッセージ要素がショート・メッセージ・サービスに伴う全ての処理をアプリケーション・プロトコル層で行うことが特記される。介在している搬送通信網は平易にそれら２つのエンド・ポイント間における情報導通チャンネルとして動作する。残念ながら、搬送通信網は、例えば上述の操作標準或いは搬送通信網の一部の特定の履行のため、単一データ・パッケージとしての最大量のデータ或いは情報までしか伝送することができない。このように、搬送通信網の容量によって、データ・パッケージ中で伝送可能な表示可能メッセージの大きさが制約される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
無線呼出しサービス業界の開発者等は、表示可能メッセージを伝送するために複数の断片に分割するシステムにこれまではあまり関わっていなかった。しかし、そのようなシステムは乱れた順序で受信される断片を処理する方法が無かったり、或いは、遺失した断片を補って完全にするための再送に備える方法が無かったりする理由で原始的である。なお、操作メッセージの断片化は、既に無線システムの下位層動作で使用されている。
【０００６】
しかし、この能力を表示可能メッセージを伝送する際の使用に適合させるために、無線サービス提供者は既存の通信網に多数のソフトウエア及びハードウエアのグレードアップ版をインストールしなければならなず、高価な仕事となるであろう。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の実施例によれば、表示可能メッセージを複数のデータ・パッケージで搬送通信網を経由して被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送することができる本通信システムが供される。容量判定器はデータを伝送するために必要な搬送通信網の容量を確かめる。その搬送通信網の容量に基づいて、断片化器がアプリケーション・プロトコル層で表示可能メッセージを断片に分割する。断片の大きさは搬送通信網の容量を超えないものである。最終的に、パッケージャがそれら断片をデータ・パッケージにまとめる。それらデータ・パッケージは現今規定されるショート・メッセージ・サービスを使用し、搬送通信網を経由して別々に伝送される。
【０００８】
上記実施例では、各データ・パッケージが表示可能メッセージの断片の位置に対応する参照パラメータを包含することができる利点が有る。それらデータ・パッケージには表示可能メッセージに特定の断片と符合することを表わすパラメータのような他の参照パラメータを包含することができる。
【０００９】
本発明の別の実施例によれば、搬送通信網を経由して伝送された複数のデータ・パッケージから表示可能メッセージを復元することができるシステムが供される。このシステムは、データ・パッケージから断片または表示可能メッセージを得る断片検索器を包含する。それら断片の大きさはデータを伝送するための搬送通信網の容量に基づいている。一実施例では、断片検索器は更にデータ・パッケージから表示可能メッセージ内での断片の相対位置を指示する参照パラメータを得る。断片検索器は更にデータ・パッケージから得られた参照パラメータに従って対応する断片を配列する。一旦、全断片の受信が完了し、それら断片の判定がトータル・サイズ・パラメータに対抗して受信された各断片の累積サイズを比較することによって完了すると、メッセージ復元器がそれら断片を表示可能メッセージに組み合わせる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施例を示すブロック図である。通信システム１００は、搬送通信網を経由して例えばショート・メッセージ要素１０２、１０４及び１０５の間で表示可能メッセージをショート・メッセージ・サービスを使用する複数のデータ・パッケージで伝送する。図１に示されるように、１つのショート・メッセージ要素が、無線端末、例えばセルラ電話や移動電話或いは無線呼出しユニットを具備することができるショート・メッセージ要素１０４及び１０５中に存在することができる。
【００１１】
通信システム１００は発呼側の無線システム１０６を包含する。無線システム１０６は表示可能メッセージを基地局１１０−１、１１０−２及び１１０−３を介してショート・メッセージ要素１０４と１０５との相互間で転送させる無線交換局（ｗｉｒｅｌｅｓｓ ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒ；以下ＷＳＣとも言う）１０８を包含する。各基地局１１０−ｎはセルと呼ばれる領域１１１−ｎにサービスを行う。説明を簡単にするため、各セル１１１−ｎは六辺形として図示されている。しかし、セル１１１−ｎの実際の形状は地勢及び電磁気源のようなファクタによって支配される。なお、各セル１１１−ｎは更に複数のセクタに分割されることもあることを特記することができる。各基地局１１０−ｎは無線端末と交信するためのアンテナ及び無線機を包含する。各基地局１１０−ｎは更に無線交換局１０８と交信するための伝送設備を包含する。
【００１２】
ショート・メッセージ要素１０２は少なくとも２種類の経路を介して無線交換局１０８と接続されている。先ず、通信網１１４は間接経路を介してショート・メッセージ要素１０２を無線交換局１０８へ接続する。通信網１１４は例えばＳＳ７、Ｘ．２５、ＩＰ、ＡＴＭ或いはフレーム・リレー技術を採用する通信網を具備することができる。更に、ショート・メッセージ要素１０２は直接経路を介して無線交換局１０８へ接続されるようにすることができる。
【００１３】
動作に関しては、各ショート・メッセージ要素は表示可能メッセージを少なくとも２種類の経路で通信システム１００を経由して伝送することができる。先ず、各ショート・メッセージ要素は通信システム１００を経由して被呼側ショート・メッセージ要素へ向けて送る表示可能メッセージを伝送することができる。更に、各ショート・メッセージ要素は、被呼側ショート・メッセージ要素が表示可能メッセージを受信可能な状態になる時間まで蓄積するために通信網１１４内の、メッセージ・センターのような中間ノードへその表示可能メッセージを伝送することができる。これは表可能メッセージの「蓄積・交換伝送（”ｓｔｏｒｅ ａｎｄ ｆｏｒｗａｒｄ” ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ）」と呼ばれる。
【００１４】
直接伝送では、ショート・メッセージ要素１０２は例えばショート・メッセージ要素１０４へ伝送するための表示可能メッセージを生成する。この表示可能メッセージはフォーマットされたオクテット或いはフォーマットされていないバイナリー・ビットとして伝送される英数字で構成することができる。ショート・メッセージ要素１０２と１０４との間の搬送通信網即ちパイプラインは、通信網１１４、無線交換局１０８及び基地局１１０−１を具備する。
【００１５】
上述の如く、単一のデータ・パッケージとして上記搬送通信網を介して伝送可能な例えばフォーマットされたバイナリ・ビット或いはフォーマットされていないバイナリ・ビットのデータ即ち情報の最大量は、その搬送通信網の容量として定義されている。ショート・メッセージ要素１０２は表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ伝送するために利用される搬送通信網の容量を判定する。この容量に基づいて、ショート・メッセージ要素１０２は表示可能メッセージをその容量より小さい断片に分割し、搬送通信網を経由して伝送するためにそれら断片をまとめる。
【００１６】
ショート・メッセージ要素１０４は基地局１１０−１からそれらパッケージを受信し、表示可能メッセージを復元する。ショート・メッセージ要素１０４は続いてその表示可能メッセージを例えば画面上に表示する。このようにして、通信システム１００は搬送通信網及びその表示可能メッセージを伝送するために使用されるショート・メッセージ・サービスの容量を超える表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ伝送することが可能になる。表示可能メッセージの断片化及び復元は通信サービス・アプリケーション・プロトコル層で実行されるようにすることが可能であり、従って通信網１１４及び無線システム１０６の構成要素に高価な変更を加える必要は無い。
【００１７】
或いはそれに代わって、通信システム１００はまた表示可能メッセージの蓄積・交換伝送を支援することができる。例えば、ショート・メッセージ要素１０５は表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ伝送することができる。ショート・メッセージ要素１０５はショート・メッセージ要素１０４へ伝送するための表示可能メッセージを生成する。もし、ショート・メッセージ要素１０４が利用可能でない場合、通信システム１００は表示可能メッセージを受信し且つ蓄積するため、通信網１１４中のメッセージ・センター或いは無線交換局１０８を識別する。ショート・メッセージ要素１０５は表示可能メッセージを通信網１１４のメッセージ・センターへ伝送するために使用されるべき搬送通信網の容量を判定する。この容量に基づいて、ショート・メッセージ要素１０５は表示可能メッセージをその容量より小さい断片に分割し、その搬送通信網を経由して上記メッセージ・センターへ伝送するためにそれら断片をまとめる。
【００１８】
ショート・メッセージ要素１０４を表示可能メッセージを受信するために利用できる場合は、上記メッセージ・センターがその表示可能メッセージをショート・メッセージ要素１０４へ搬送するために使用されるべき搬送通信網の容量を判定する。ショート・メッセージ要素１０４は基地局１１０−１からそれらパッケージを受信し、前記表示可能メッセージを復元する。ショート・メッセージ要素１０４は続いてその表示可能メッセージを、例えば画面上に表示する。ここで、直接伝送技術及び蓄積・交換伝送技術の双方については、通信網１１４は、ショート・メッセージ要素１０２、１０４及び１０５の機能を実行するノードを包含できることが特記される。例えば、これらの機能はメッセージ・センターやホーム・ロケーション・レジスタ、無線交換局或いは他の適切な通信網ノードで実行されるようにすることができる。
【００１９】
ここで、ショート・メッセージ要素１０４及び１０５は双方とも説明の便宜上、無線システム１０６中に示されている。ショート・メッセージ要素１０４及び１０５は、それらが同一の無線システム内に配置されていないときや、或いは同一の無線交換局を利用していないときでも、通信システム１００を経由して表示可能メッセージを交信できることが特記される。
【００２０】
【実施例】
ＳＳ７をシステム間搬送プロトコルとして使用するセルラ・システムでは、メッセージ・パッケージ容量が２７２オクテットに制限されている。従ってＳＭＤＰＰと呼ばれるショート・メッセージ送達動作は、２７２オクテットの情報しか扱うことができない。この２７２オクテットの情報の相当な部分はアドレス・パラメータやその他のパラメータのような諸々の情報のために使用され、或る部分は必須であり、また或る部分は任意である。この諸々のもの（ｏｖｅｒｈｅａｄ）のサイズは、どれだけの量が表示可能メッセージをデータ・パッケージで搬送するために残ることになるかを管理する。ＳＳ７通信網では、表示可能メッセージを伝送するＳＭＤＰＰ動作の構成要素はベアラ・データ（ｂｅａｒｅｒ ｄａｔａ）と呼ばれる。
【００２１】
代表的な履行では、上記諸情報は９２オクテットを要し、残る１８０オクテットはベアラ・データのような表示可能メッセージを伝送するために利用可能である。実施例に依れば、１８０オクテットを超える表示可能メッセージに関しては、複合表示可能メッセージが１８０オクテット以下の断片に分割され、別々のＳＭＤＰＰ動作を用いて伝送される。
【００２２】
もし、発呼側の無線交換局（ｗｉｒｅｌｅｓｓ ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒ、以下ＷＳＣと言う）が１００オクテットしか取り扱えないようであれば、断片の大きさは更に制限されることとなろう。１００オクテットのパイプライン容量が発呼側のＷＳＣによって課されるものと考えると、２００乃至３００オクテットのデータを有する表示可能メッセージを搬送するためには少なくとも３つのＳＭＤＰＰ動作が必要であろう。各ＳＭＤＰＰ動作は、それらがＷＳＣによって定義された１００オクテットのパイプライン容量を超えない限り、異なる量のデータを搬送することができる。そうでない場合は、１つ以外の全てのＳＭＤＰＰ動作が上記 容量と等しいデータを搬送することができるが、最後の１つのＳＭＤＰＰ動作が上記容量未満のデータを扱う。
【００２３】
もし何れか１つの断片が被呼側ショート・メッセージ要素に到達しない場合、その結果生じる、単一データ・パッケージのショート・メッセージ・サービスに関する既存の標準の一部として既に存在する自動否定応答によって発呼側ショート・メッセージ要素がその特定の断片を伝送するように教唆されることとなろう。各ショート・メッセージ・サービス送達の完全性もまた下位層の検査、例えば、ＣＲＣ等によって保証されることとなろう。
【００２４】
説明の明確化のため、以下に記述される図２及び図３は、単に表示可能メッセージを一方向に伝送するための回路構成を図示している。従って、図２は伝送用表示可能メッセージを組み立てるために使用される回路構成を図示している。同様に、図３は表示可能メッセージを復元するために使用される回路構成を図示している。ショート・メッセージ要素１０２が図３と同様な回路構成を包含することができ、且つ、ショート・メッセージ要素１０４が図２と同様な回路構成を具備することができることは言うまでもない。更に、本明細書の目的では、表示可能メッセージを組み立てるために使用されるショート・メッセージ要素は発呼側ショート・メッセージ要素と呼ばれる。同様に、表示可能メッセージを復元するために使用されるショート・メッセージ要素は被呼側ショート・メッセージ要素と呼ばれる。
【００２５】
図２は図１の通信システム１００で使用するための発呼側ショート・メッセージ要素の実施例のブロック図である。発呼側ショート・メッセージ要素１０２は被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送するための表示可能メッセージを処理する。発呼側ショート・メッセージ要素１０２はメッセージ構成器２００を包含する。メッセージ構成器２００はメッセージ・バッファ２０２へ表示可能メッセージを供する。メッセージ・バッファ２０２と容量判定器２０６とから断片化器２０４へ入力が供される。断片化器２０４の出力がパッケージャ２０８へ供される。
【００２６】
動作に関しては、発呼側ショート・メッセージ要素１０２がメッセージ構成器２００を用いて入力された表示可能メッセージを、搬送通信網を経由して被呼側ショート・メッセージ要素へ伝送するための断片に分割する。容量判定器２０６は仮想回線のための容量を判定する。以下、図６に関連して更に詳細に記述するように、容量判定器２０６は無線交換局１０８によってカバーされる領域内で移動する無線端末に対する自律的登録処理に包含されるパラメータの値に部分的に基づいて搬送通信網の容量を判定する。発呼側ショート・メッセージ要素１０２は他の形態の搬送通信網の制約の基でデータを使用して断片の大きさを設定することができる。断片化器２０４は表示可能メッセージを搬送通信網の容量を超えない断片に分割する。このようにデータ・パッケージを動的に一定の大きさに作ることによって、本発明の実施例は、通信網資源の向上した用法を用いて表示可能メッセージが送出されるようにできる利点がある。パッケージャ２０８はそれら断片を伝送するためのデータ・パッケージに配置する。
【００２７】
断片に加え、データ・パッケージには他の参照パラメータを包含することができる。例えば、表示可能メッセージ内の各断片の位置を指示するＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータを包含することができる。更に、各データ・パッケージには表示可能メッセージの大きさ、例えばＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）指標を包含することができる。最終的に各データ・パッケージには、例えばデータ・パッケージが属する表示可能メッセージを識別するメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータを包含することができる。なお、先に定義されているように、容量は仮想回線が伝送可能な最大のデータ・パッケージの大きさであることに留意しなければならない。従って、仮想回線の容量には、各データ・パッケージと共に含めまれているデータを伝送する際に使用される諸々の情報のためのスペースが包含される。これら諸々の情報には、上記ＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータ、ＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）パラメータ及びメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータのみならず、例えば、ショート・メッセージ・サービス・プロトコルを包含することができる。
【００２８】
断片化器２０４は断片の相対位置に対応するパラメータを使用することができるが、断片の順序は他の方法で保持することも可能である。断片化器２０４は、例えば各断片をパッケージャ２０８へ送付し、次の断片を処理する前に対応する自動肯定応答を待ち受け、それによってそれら断片を表示可能メッセージに対応する順序でパッケージャ２０８へ送付することができる。
【００２９】
先に述べたように、ショート・メッセージ要素１０２と１０４との間の搬送通信網は単に既存のプロトコルに従って各データ・パッケージを伝送する。搬送通信網中ではデータ・プロトコルの内容の処理は行われず、従ってソフトウエアやハードウエア或いはそれらの双方に重大な変更を要するすることの無い履行が許される。
【００３０】
図３は図１の通信システム１００で使用するための被呼側ショート・メッセージ要素１０４のブロック図である。被呼側ショート・メッセージ要素１０４にはバッファ３０２が包含されている。バッファ３０２は断片検索器３０４へ入力を供する。断片検索器３０４はメッセージ復元器３０６への入力を供する。最終的に、メッセージ復元器３０６は、例えばユーザへ表示可能メッセージを表示するためのディスプレイを具備することが可能な処理装置３０８を動作させる。
【００３１】
動作に関しては、バッファ３０２は発呼側ショート・メッセージ要素１０２から被呼側ショート・メッセージ要素１０４へ伝送された表示可能メッセージと関連する複数のデータ・パッケージを受信する。バッファ３０２はそれらデータ・パッケージを格納する。断片検索器３０４は各データ・パッケージから表示可能メッセージの断片及び表示可能メッセージ内でのその断片の他の断片との相対位置を指示する参照パラメータを検索する。断片検索器３０４は更にデータ・パッケージから検索された参照パラメータに従ってそれら断片を配列する。メッセージ復元器３０６は表示可能メッセージを復元し、その表示可能メッセージを処理装置３０８へ供する。なお、ここでもしメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）のようなパラメータが使用されている場合には、断片検索器３０４が別の表示可能メッセージに対応するデータ・パッケージを処理可能であることが特記される。
【００３２】
図４は本発明の実施例の動作を説明するフローチャートである。本方法はステップ４０２で開始する。本方法はステップ４０４でデータ・パッケージを検索する。ステップ４０６で、本方法はデータ・パッケージが既に受信されているかどうかを、例えば受信された一群のデータ・パッケージに対抗するＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータ及びメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータを検査することによって判定する。もしその判定結果がＹＥＳであれば、データ・パッケージが既に受信されており、本方法はステップ４０４へ戻って他のデータ・パッケージを検索する。従って、被呼側ショート・メッセージ要素１０４は再送により既に受信されていたかも知れない断片の複製を排除することができる。発呼側ショート・メッセージ要素１０２による再送は、時間内に、例えば発呼側ショート・メッセージ要素１０２でタイマの設定時間が切れる前に、より早いうちの伝送の肯定応答が受信されなかったことに起因して生じることがある。
【００３３】
しかし、もしステップ４０６での判定結果がＮＯであれば、データ・パッケージはそれまでには受信されていない。ステップ４０８で、データ・パッケージから断片が検索されて格納される。断片が受信されたことは、例えばデータ・パッケージに関するＳＭＳ断片数（ＳＭＳ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｎｕｍｂｅｒ）パラメータ及びメッセージＩＤ（Ｍｓｇ＿ＩＤ）パラメータを記録することによって、記録されるようにすることができる。
【００３４】
ステップ４１０で、本方法は表示可能メッセージに対応する全断片が既に検索されたか否かを判定する。少なくとも１個のデータ・パッケージに包含されるＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）パラメータが、全断片が既に検索されたか否かを判定する際に使用されるようにすることができる。もし、未だ全ての断片の検索が完了していない場合は、本方法はステップ４０４へ戻ってデータ・パッケージの受信を継続する。しかし、もしステップ４１０での判定結果がＹＥＳであれば、本方法はステップ４１２へ進み、再組立ての用意ができている表示可能メッセージを選定する。ステップ４１３で、本方法は、例えば表示可能メッセージを表示することによってその表示可能メッセージを処置する。本方法はステップ４１４で終了する。
【００３５】
図５は本発明の実施例の別の動作を説明するフローチャートである。本方法はステップ４１６で開始する。本方法はステップ４１８でデータ・パッケージから断片を検索する。ステップ４２０で、本方法は再組立てを遂行中の表示可能メッセージの端部に断片を付加する。本方法はステップ４２２で他に表示可能メッセージに付加されている断片が有るかどうかを判定する。この判定は、再組立てされたメッセージ中の文字数がＳＭＳ総ペイロード・サイズ（ＳＭＳ＿Ｔｏｔａｌ＿Ｐａｙｌｏａｄ＿Ｓｉｚｅ）のようなパラメータの値と等しいか否かに基づいて為される。もしステップ４２２での判定結果がＹＥＳであれば、本方法はステップ４１８へ戻って次の断片の検索及び処理を行う。ステップ４２２での判定結果がＮＯであるときは、表示可能メッセージの全体が既に再組立てされており、本方法はステップ４２４で終了する。
【００３６】
図６は本発明の実施例の操作メッセージ・フロー・ダイヤグラム例である。発呼側ショート・メッセージ要素５００は被呼側ショート・メッセージ要素５０２へ表示可能メッセージを送出する。説明のため、被呼側ショート・メッセージ要素５０２はセルラ電話または無線呼出しユニットのような無線端末を具備する。この被呼側ショート・メッセージ要素５０２はショート・メッセージ・サービスを支援するＴＤＭＡやＣＤＭＡ、ＡＭＰＳ／ＮＡＭＰＳ、或いは他の標準のような所定の無線通信インタフェースを経由して発呼側の基地局５０４と交信することができる。基地局５０４は無線交換局（ｗｉｒｅｌｅｓｓ ｓｗｉｔｃｈｉｎｇ ｃｅｎｔｅｒ；ＷＳＣ）５０６に接続されている。ビジター・ロケーション・レジスタ５０８は、無線交換局５０６と関連しており、無線交換局５０６によってカバーされる領域内に有る無線端末のリストを包含する。メッセージ・センター５１０とホーム・ロケーション・レジスタ５１２とが被呼側ショート・メッセージ要素５０２のホーム無線通信網に関連付けられてされている。なお、ここでメッセージ・センター５１０と発呼側ショート・メッセージ要素５００とは、パーソナル・コンピュータや無線端末或いは有線端末またはその他のショート・メッセージを送出するための手段のような、単一装置内に存在することができる。
【００３７】
動作に関しては、発呼側ショート・メッセージ要素５００から、表示可能メッセージがメッセージ・センター５１０へ挿入される。メッセージ・センター５１０はホーム・ロケーション・レジスタ５１２へショート・メッセージ・サービス要求（Ｓｈｏｒｔ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｓｅｒｖｉｃｅ Ｒｅｑｕｅｓｔ、以下ＳＭＲＥＱと言う）の呼出し命令を送出する。もし被呼側ショート・メッセージ要素５０２が、そのホーム無線通信システム或いはこの被呼側ショート・メッセージ要素５０２に既に登録されているビジター無線通信システムによってサービスされている場合は、ホーム・ロケーション・レジスタ５１２がＳＭＲＥＱ応答結果、とりわけ無線交換局５０６及び基地局５０４の容量を割り当てるＳＭＳ最大断片サイズ（ＳＭＳ＿Ｍａｘｉｍｕｍ＿Ｆｒａｇｍｅｎｔ＿Ｓｉｚｅ；以下ＳＭＦＳと言う）パラメータを包含するＳＭＲＥＱ応答結果をメッセージ・センター５１０へ送出する。
【００３８】
しかし、もし被呼側ショート・メッセージ要素５０２が無線通信システム内で移動していたとしてもそのことが登録されていない場合には、ホーム・ロケーション・レジスタ５１２からのＳＭＲＥＱパラメータは障害状態を表わすこととなろう。メッセージ・センター５１０は被呼側ショート・メッセージ要素５０２が発呼側の無線交換局５０６をアクセスし、且つＲＥＧＮＯＴ動作及びＳＭＳ通知（ＳＭＳ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；以下ＳＭＳＮＯＴと言う）動作が実行されるまで表示可能メッセージを保存する。
【００３９】
図６に示されるように、ビジター無線通信システムに登録するために、被呼側ショート・メッセージ要素５０２はシステム・アクセス、とりわけ基地局５０４及び無線交換局５０６を介して発呼側システムへ発呼するシステム・アクセスを実行する。無線交換局５０６はビジター・ロケーション・レジスタ５０８へ登録通知（Ｒｅｇｉｓｔｒａｔｉｏｎ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；以下ＲＥＧＮＯＴと言う）メッセージを送出する。続いてビジター・ロケーション・レジスタ５０８はそのＲＥＧＮＯＴメッセージをホーム・ロケーション・レジスタ５１２へ伝送する。無線交換局５０６は、もしこの無線交換局５０６がショート・メッセージ・サービスを実行することができる場合、無線交換局５０６及び基地局５０４の容量をＲＥＧＮＯＴメッセージに割り当てるＳＭＦＳパラメータを包含する。その容量は代表的には無線交換局５０６または基地局５０４の内部構成或いは搬送通信網の他の構成要素に依存する。ホーム・ロケーション・レジスタ５１２はＳＭＳＮＯＴ動作を呼出しする際に上記ＳＭＦＳパラメータをメッセージ・センター５１０へ伝送する。メッセージ・センター５１０は上記ＳＭＦＳパラメータを使用して、例えばＳＭＤＰＰ処理を経て、搬送通信網を経由して伝送を行うために適切な大きさの断片に表示可能メッセージを分割する。また図６に示されるように、メッセージ・センター５１０はＳＭＳ通知（ＳＭＳ Ｎｏｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ；ｓｍｎｏｔ）応答結果をホーム・ロケーション・レジスタ５１２へ送出する。続いてホーム・ロケーション・レジスタ５１２はビジター・ロケーション・レジスタ５０８へ登録通知（ｒｅｇｎｏｔ）応答結果を送出する。続いてビジター・ロケーション・レジスタ５０８はｒｅｇｎｏｔ応答結果メッセージを無線交換局５０６へ送出する。
【００４０】
一旦、メッセージ・センター５１０でｓｍｒｅｑメッセージ或いはＳＭＳＮＯＴメッセージの何れかの受信が完了すると、メッセージ・センター５１０はＳＭＦＳパラメータ中に与えられているパイプライン容量に従って表示可能メッセージを断片化することができる。もしホーム無線通信システムの搬送通信網の容量が、ＳＭＦＳ中に割り当てられているように、無線交換局５０６及びビジター・ロケーション・レジスタ５０８間のパイプライン部分の容量より小さい場合、そのＳＭＦＳがホーム・ロケーション・レジスタ５１２で調整されることとなろう。
【００４１】
メッセージ・センター５１０はそれら断片を、例えばショート・メッセージ送達動作（ｓｈｏｒｔ ｍｅｓｓａｇｅ ｄｅｌｉｖｅｒｙ ｏｐｅｒａｔｉｏｎ；以下ＳＭＤＰＰと言う）を使用して、無線交換局５０６及び基地局５０４へ伝送する。基地局５０４はそれら断片を、例えば第１ショート・メッセージ送達要求（ｆｉｒｓｔ Ｓｈｏｒｔ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ｒｅｑｕｅｓｔ；以下１ｓｔ ＳＭＤ−ＲＥＱと言う）と名付けられているメッセージ中で被呼側ショート・メッセージ要素５０２へ伝送する。被呼側ショート・メッセージ要素５０２はその受信の認知を第１ショート・メッセージ送達肯定応答（ｆｉｒｓｔ Ｓｈｏｒｔ Ｍｅｓｓａｇｅ Ｄｅｌｉｖｅｒｙ Ａｃｋｎｏｗｌｅｄｇｍｅｎｔ；以下１ｓｔ ＳＭＤ−ＡＣＫと言う）メッセージ中で基地局５０４へ応答する。上記第１ＳＭＤＰＰ処理に関するｓｍｄｐｐ応答結果が無線交換局５０６からメッセージ・センター５１０へ伝送される。同様にメッセージ・センター５１０は各断片を被呼側ショート・メッセージ要素５０２へ伝送する。図示されているように、Ｎ番目即ち最後の断片がメッセージ・センター５１０によって伝送され被呼側ショート・メッセージ要素５０２によって受信されると、伝送が完了する。断片化及び伝送処理が終了する。続いて被呼側ショート・メッセージ要素５０２はそれら断片から上述のように表示可能メッセージを復元する。なお、ここでＳＭＳＲＥＱ及びＲＥＧＮＯＴのような操作メッセージはＩＳ−４１のような現行の標準内の或る形ちで存在しており、その結果、実施例が更に容易に履行されることが特記される。更に、上述の結果を成就するために他の操作メッセージを使用することも可能である。
【００４２】
なお、本発明に適切なシステム・アーキテクチャの機能的作用要素が上記に強調されていることは言うまでもない。上記システム・アーキテクチャには多くの他の機能的作用要素が存在するが、それらはほんの僅かに本発明と関連するだけであり、従って、上記システム・アーキテクチャの機能的作用要素はシステム・レベルでのそれらの機能のより広義の記載において上記他の機能的作用要素を引き合いにされることは無く、またそれらに分類されることも無い。更に、本発明は、同じ最終結果を達成するために多くの処理が異なる順序で為されるか或いは別の方法を使用して為される、データの処理及び伝送を行うシステムに関わる。例えば、表示可能メッセージの再組立ては、断片検索器で断片が受信されたときそれら断片を簡単に連結し、以前に受信されたデータをシフトし、且つ、乱れた順序で受信された断片が有ればそれらを挿入することによって、同時に為すことができる。更に、容量判定は発呼側に無線交換局の容量と丁度の容量よりは大きい容量を考慮に入れることができる。搬送通信網の各要素の容量を断片の大きさを判定する際に考慮することができる。更に、本発明の教示はまた転送される処理中にあるか或いは休止モードにある被呼側ショート・メッセージ要素にも適用できる。最終的に、図面と関連して考察された上述の実施例のシステムは無線セルラ・システムに関するが、それらの概念はまた無線呼出しシステムのような他の無線システムにも当てはまる。
【００４３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、ショート・メッセージ要素間でそれら要素や搬送通信網の容量に制約されること無く、大きなサイズの表示可能メッセージを伝送することができる効果が有る。
【００４４】
なお、特許請求の範囲に記載した参照符号は発明の理解を容易にするためのものであり、特許請求の範囲を制限するように理解されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】搬送通信網を経由して表示可能メッセージを伝送するためのシステムを供する本発明の実施例を示すブロック図である。
【図２】図１の通信システムにおける伝送用表示可能メッセージを組み立てる際に使用されるショート・メッセージ要素の実施例を示すブロック図である。
【図３】図１の通信システムを用いて表示可能メッセージを復元する際に使用されるショート・メッセージ要素の実施例を示すブロック図である。
【図４】搬送通信網を経由して複数のデータ・パッケージで伝送される表示可能メッセージを復元するための本発明の実施例を示すフローチャートである。
【図５】搬送通信網を経由して複数のデータ・パッケージで伝送される表示可能メッセージを復元するための本発明の別の実施例を示すフローチャートである。
【図６】本発明の実施例の操作メッセージ・フロー・ダイヤグラム例を示す図である。
【符号の説明】
１００ 通信システム
１０２ ショート・メッセージ要素
１０４ ショート・メッセージ要素
１０５ ショート・メッセージ要素
１０６ 無線システム
１０８ 無線交換局（ＷＳＣ）
１１０−ｎ 基地局
１１０−１ 基地局
１１０−２ 基地局
１１０−３ 基地局
１１１−ｎ セル
１１１−１ セル
１１１−２ セル
１１１−３ セル
１１４ 通信網
２００ メッセージ構成器
２０２ メッセージ・バッファ
２０４ 断片化器
２０６ 容量判定器
２０８ パッケージャ
３０２ バッファ
３０４ 断片検索器
３０６ メッセージ復元器
３０８ 処理装置
５００ 発呼側ショート・メッセージ要素
５０２ 被呼側ショート・メッセージ要素
５０４ 基地局（ＷＣ）
５０６ 無線交換局（ＷＳＣ）
５０８ ビジター・ロケーション・レジスタ
５１０ メッセージ・センター
５１２ ホーム・ロケーション・レジスタ
Claims (1)
- ホーム・ロケーション・レジスタと関連するビジター・無線端末を登録することが可能な無線通信システムにおいて、
ビジター・無線端末 (502) から複数の基地局 (504) のうちの1つを介して呼及び登録情報を受信する無線交換局 (506) と、
前記無線交換局 (506) と接続されたビジター・ロケーション・レジスタであって、前記無線システムの容量を越えるショート・メッセージ・サービス上に伝送された表示可能メッセージを断片化し更に再組立するのに利用される前記無線システムの容量の指標を前記無線端末の前記ホーム・ロケーション・レジスタ (512) へ登録動作中に提供するビジター・ロケーション・レジスタ (508) とからなり、
前記無線システムの容量は、1つのデータ・パッケージとしての搬送通信網を通して伝送されうるデータの最大容量であることを特徴とする無線通信システム。
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