JP3943495B2 - パケット無線ネットワークを備える通信システムにおけるメッセージ伝送 - Google Patents

Description

【０００１】
（発明の背景）
本発明はパケット無線ネットワークを備える通信システムにおけるメッセージ伝送に関する。
【０００２】
GSMシステムでは、ショートメッセージシステムSMSが非常に普及してきている。ショートメッセージはユーザー間のテキストベースのメッセージング又はWAP（無線アプリケーションプロトコル）のようなアプリケーションデータを伝送するのに使用される。ショートメッセージはショートメッセージサービスセンタ（SM-SC）により中継され、そこではショートメッセージが転送され、また配信されなかったメッセージを格納しかつ再送する。SM-SCは移動局MSへの配信のために任意のネットワークを介してショートメッセージを受信することが出来る。SM-SCは、受信したショートメッセージをショートメッセージサービス用ゲートウエイ移動交換局（SMS-GMSC）に転送して、それがさらに移動局に配信されるようにする。移動局発信のショートメッセージはショートメッセージサービス用網間接続移動交換局（SMS-IWMSC）を介してSM−SCに中継されてさらに配信される。シグナリングチャネルがショートメッセージの送受信に使用され、従って別個のトラフィックチャネルは必要としない。
【０００３】
ショートメッセージサービスは、GSMシステム用に開発された一般パケット無線サービス（GPRS）にも必要になってきている。GPRSはサービングGPRSサポートノード（SGSN）とゲートウエイGPRSサポートノード（GGSN）を備えている。GGSNはインターネットのようなパケットデータネットワークへのゲートウエイトしての役割を果たす、すなわち外部ネットワークPDNからみてGGSNはサブネットワークへのルータとしての役割を果たす。SGSNはそのサービスエリア内に接続された移動局にサービスを提供し、前記移動局からのデータパケットの送受信と、自身のサービスエリア内の移動局の位置の監視を行なう。SGSNへのMSの接続は、MSの移動管理コンテキストの形成と呼ばれ、この機能はGPRSシステムではGPRS接続と呼ばれている。ショートメッセージサービスをGPRSネットワークを介して利用できるようにするため、インタフェースGdは、SGSNとSMS-GMSC及びSGSNとSMS-IWMSCの間で標準化される。GPRSネットワークに接続されたMSはインタフェースGdを介してGPRSネットワークによってショートメッセージを送受信できる。アクティブPDP（パケットデータプロトコル）コンテキストはショートメッセージの送受信には必要でなく、従ってショートメッセージはGPRSネットワークでは、GPRSネットワークのシグナリングを使用して伝送される。GPRSネットワークでは、シグナリングはGPRSトラフィックチャネルの使用に基づいている。
【０００４】
しかしながら、問題はインタフェースGdがGPRSネットワークでは必須でなく、従ってGPRSネットワークはショートメッセージの伝送をサポートする必要はないということである。インタフェースGsがSGSNと移動交換局（MSC/VLR）の間に存在する場合、移動局で終端されるショートメッセージはMSC/VLRからSGSNへ、さらにMSに中継される。GPRS標準は、GPRSに接続されるがIMSI接続でない移動局はGPRSチャネルを介してショートメッセージを伝送しなければならないと規定している。これは問題を生じるが、それはGPRSネットワークを介する移動局発信のショートメッセージの伝送をGPRSネットワークがサポートするかどうかを移動局は知らないからである。Gdインタフェースが存在しないか、あるいはSMS−IWMSCのインタフェースがGPRSネットワークからのショートメッセージをサポートするように更新されていなければ、GPRSネットワークを介するMSからのショートメッセージの伝送は失敗する。
【０００５】
（発明の簡単な説明）
本発明の目的は上記問題を回避するような方法を実現する方法及び装置を提供することである。本発明の目的は独立請求項に記載されたことを特徴とする方法と移動局で達成される。本発明の好適実施例は従属請求項に開示されている。
【０００６】
本発明は、パケット交換サービスを提供する第2ネットワークを介するメッセージの伝送が失敗した場合、回線交換サービスを提供する第1ネットワークを介してメッセージを伝送する移動局に基づいている。
【０００７】
本発明の方法とシステムは、パケット交換ネットワークに送信予定のメッセージの伝送が、パケット交換ネットワークを介するショートメッセージの伝送をサポートしないシステムにおいても構成可能であるという利点を提供する。この解決策のおかげで、ネットワークに変更の必要はないが、代わりに移動局は回線交換ネットワークへの送信を処理する。
【０００８】
本発明の好適実施例により、移動局がパケット交換サービスを提供する第2ネットワークに接続されない場合、移動局は回線交換サービスを提供する第1ネットワークを介してメッセージを伝送する。第1ネットワークへのメッセージ伝送は自動的に行なうことができ、これにより、エラーメッセージとユーザーの介入なしにメッセージを伝送できる。第2のパケット交換ネットワークを介して常にメッセージを伝送する目的は、典型的にはネットワークリソースのさらなる効率的使用をもたらす。本発明の好適実施例により、第1ネットワークはGSMネットワークであり、第2ネットワークはGPRSネットワークである。GSMネットワークを介するメッセージ伝送は典型的にはGPRSネットワークサービスの一時的中断を必要とする。GPRSネットワークを介して常にメッセージを伝送する目的は、その一時的中断により生じるデータ伝送の中断及び無線リソースを消費するシグナリングを回避することである。以下に添付図面を参照して、好適実施例に関して本発明をさらに詳細に説明する。
【０００９】
（発明の詳細な説明）
本発明は、移動局がパケット交換ネットワークと回線交換ネットワークを介してメッセージを伝送できる任意の無線通信システムに適用可能である。以下において、本発明の好適実施例によるショートメッセージ伝送をGSM／GPRSシステムに関して説明する。
【００１０】
図1は、第1ネットワークNW1が回線交換サービスを提供するGSMネットワークであり、第2ネットワークNW2がパケット交換サービスを提供するGPRSネットワークである無線通信システムを示す。別のネットワークPSTN（公衆交換電話網）及びISDN（サービス総合ディジタル網）へのGSMネットワークの回線交換サービスは接続設定と正しいアドレスへの呼のルーティングを処理する移動交換局MSC/VLRにより提供される。移動電話加入者に関する情報を含む2つのデータベースがここでは補助として使用される。すなわち、それらは移動電話ネットワークの全ての加入者とその加入者が利用するサービスに関する情報を含むホーム位置レジスタ（HLR）及び所定の移動交換局MSC/VLRのエリアを訪れる移動局に関する情報を含むビジター位置レジスタ（VLR）である。GSMシステムとGSMネットワークでのショートメッセージ伝送のさらに詳細な説明は、ETSI／GSM仕様書と「移動通信用GSMシステム」（‘The GSM system for Mobile Communication’）, M. Mouly及び M. Pautet、1992年フランス、ISBN:2-957190-07-7に与えられている。
【００１１】
前述のように、GPRSネットワークNW2は1つ以上の動作しているノードSGSNとゲートウエイノードGGSNとを備えている。回線交換GSMネットワーク（MSC/VLR）とパケット交換GPRSネットワーク（SGSN,GGSN）のいずれも同じ基地局システム（BSS）を利用する。BSSは、無線経路により移動局（MS）と通信する無線基地局（BTS）と、基地局制御局（BSC）であって、それに接続され基地局に利用可能な無線周波数とチャネルを制御する基地局制御局とを備えている。MSC/VLRとSGSNはいずれもHLR、ショートメッセージを中継するSMS−IWMSC及びSMS−GMSCを使用することができる。SMS−IWMSC及びSMS−GMSCはショートメッセージの格納と転送を処理するショートメッセージセンタ（SM-SC）に接続される。
【００１２】
図2は本発明の好適実施例による移動局MSの構成を示す。MSはアンテナを介してBTSと通信する送受信機（TX/RX）を備えている。ユーザーインタフェース（UI）手段は、典型的にはディスプレイ、キーボード、マイクロフォン及びスピーカから成る。MSはまた、例えばショートメッセージを格納できる加入者識別モジュール（SIM）を備えている。MSは、中央処理ユニット（CPU）による実行のためのコードを格納できるメモリ（MEM）を備えている。CPUは、MEM、Tx/Rx、SIM及びUIを使用して、GSMサービスを提供するGSM手段（GSMM）、ショートメッセージの送受信を提供するショートメッセージ手段（SMSM）及びGPRSサービスを提供するGPRS手段（GPRSM）を実現する。GSMM, SMSM及びGPRSMは既存のプロセッサとメモリを用いてソフトウエアにより実現できる。集積回路を使用してもよい。
【００１３】
図3は本発明の好適実施例によるショートメッセージの伝送を示す。MSのユーザーがショートメッセージを打ち込みその伝送を起動する場合、あるいはWAPのようなMSアプリケーションからショートメッセージとして伝送のためにデータが到着した場合に、ショートメッセージを伝送する要求が生じる(300)。例えば、チャットアプリケーション、スマートメッセージング及びSIMアプリケーションツールキットがショートメッセージを利用する場合がある。要求(300)に応答して、MSがパケット無線ネットワークGPRSに接続されているかどうかを調べるためにチェックが行なわれる(301)。これは、GPRSMからMSの1つ以上の移動管理コンテキスト（MMコンテキスト）の状態（MM状態）をチェックするSMSMチェックにより実現される。少なくとも1つのMMコンテキストがレディ（READY）又はスタンバイ（STANDBY）状態にある場合は、MSはGPRSネットワークに接続される。MSがGPRSネットワークに接続されない場合、SMSMは、回線交換サービスを提供するGSMネットワークにメッセージを送信する(302)ためにGSSMを使用するように構成される。MSがGPRSネットワークに接続される場合、SMSMはパケット交換サービスを提供するGPRSネットワークにメッセージを送信する(303)ためにGPRSMを使用するように構成される。
【００１４】
SMSMは、ショートメッセージ伝送が成功したかどうかをチェックする(304)ように構成される。もしそうなら、SMSMは新しいメッセージを送信する準備完了である(305)。ショートメッセージ伝送は、例えばSGSNまたはSMS-IWMSCがインタフェースGdをサポートしないという理由で失敗しているかもしれない。この場合、エラーメッセージがMSに返送される。ショートメッセージ伝送が失敗した場合、SMSM及びGPRSMはGPRSネットワークからのパケット交換GPRSサービスを一時中断する（GPRS一時中断）(306)ように構成される。SMSMは、ショートメッセージをGSMネットワークに送信するためにGSMMを使用するように構成される。ショートメッセージ（あるいはいくつかのショートメッセージ）がいったん伝送されるとパケット交換GPRSサービスの提供を再開する(308)ことができる。
【００１５】
GPRSサービスの一時中断(306)はすくなくともBクラスの移動局に必要である。一時中断(306)は、エラーを受信し、またGSMネットワークのMSC／VLRを介するGSMシグナリングとしてショートメッセージを伝送するつもりの場合にSMSMがGPRSMからのサービスの一時中断を要求するように構成される。MSは一時中断メッセージ(RR一時中断)をBSCに送信する。BSCは、MSの一時論理リンク識別情報（TLLI）に応じてGPRSトラフィックを一時中断することができる。BSCはSGSNに一時中断メッセージを送信し、またSGSNは確認応答メッセージ（一時中断Ack）を送信する。
【００１６】
MSは回線交換リソースをもはや必要としないとBSCが判定する場合、それはSGSNに再開要求（再開）を送信する。SGSNは再開要求に対して確認応答（再開Ack）を送信する。BSCは無線チャネル解放要求（RRチャネル解放）をMSに送信し、この要求に基づいて、MSにより使用される可能性のある無線チャネルが解放される。そのあと、MSはGPRSネットワークを介してデータを送受信することができる（308）。再開要求（再開）又は無線チャネル解放要求（RRチャネル解放）が失敗すれば、MSは、ルーティングエリア更新要求をSGSNに送信することによりGPRSサービスを再開することができる。
【００１７】
本発明の好適実施例により、MSのユーザーはGSMネットワークとGPRSネットワークのどちらを介してメッセージを伝送するかを選択するオプションが与えられる。UIは、例えば、a）ショートメッセージを常にGSMネットワークを介して伝送する、又は、b）処理は図3に従う、すなわちその試みはショートメッセージをGPRSネットワークを介して伝送する、という設定のいずれかをユーザーが行なうことができるメニューを表示することができる。SMSMはユーザーによって選択された通りにメッセージを送信する。GPRSネットワークを介してショートメッセージを伝送するつもりの場合は少なくとも処理は図3に従う。しかし、GSMネットワークを介して伝送するつもりのショートメッセージをGPRSネットワークに伝送しようと試みることは可能である。
【００１８】
伝送されるべきメッセージはショートメッセージサービスSMSのショートメッセージである必要はない。本発明は画像メッセージやマルティメディア情報から成るメッセージの伝送のような任意のメッセージサービスに適用可能である。本発明によるメッセージ伝送は、例えば、GSMシステムのコアネットワークに基づきかつ3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)により標準化されるUMTS（ユニバーサル移動通信システム）,あるいは3GPP2により標準化される第3世代システムのような、GSM/GPRS以外のシステムにも適用可能である。ショートメッセージサービスの他に、マルティメディアメッセージングサービスがUMTS用に開発されつつある。
【００１９】
技術が進展するにつれ、本発明の基本概念はさまざまなやり方で実現できることは当業者には明らかである。従って、本発明とその実施例は前述の例に制限されず、請求項の範囲内で変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図1はショートメッセージサービスをサポートするGSM/GPRSシステムを示す図である。
【図２】 図2は本発明の好適実施例による移動局の構成を示す図である。
【図３】 図3は本発明の好適実施例によるショートメッセージ伝送における移動局の動作のフローチャートを示す図である。

Claims (10)

1. 回線交換サービスを提供する第1ネットワークと、パケット交換サービスを提供する第2ネットワークと、第 1 ネットワークと通信可能であり且つ第 2 ネットワークに接続する少なくとも1つの移動局と、を備える通信システムにおけるメッセージ伝送方法において、
   少なくとも1つのメッセージを伝送する要求に応じて、前記移動局が前記第2ネットワークに接続されているか否かを、該移動局の１つ又は複数の現在の移動管理コンテキストの状態を内部でチェックすることによって、該移動局によってチェックするステップと、
   前記第2ネットワークに接続されている前記移動局に応じて、該移動局から前記第2ネットワークに前記少なくとも1つのメッセージを送信するステップと、
   前記第2ネットワークを介するメッセージ伝送の失敗に応じて、前記移動局から前記第１ネットワークに前記少なくとも1つのメッセージを送信するステップと、
   を有することを特徴とするメッセージ伝送方法。
2. 前記少なくとも 1 つのメッセージを伝送する要求に応じて、前記移動局が前記第 2 ネットワークに接続されているか否かをチェックし、前記第2ネットワークに接続されていない場合前記第１ネットワークを介して前記メッセージを伝送するステップを有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 前記メッセージを前記第１ネットワークに送信する前に前記第2ネットワークのパケット交換サービスを一時中断するステップと、前記第１ネットワーク又は前記移動局の要請で前記メッセージを伝送した後に前記パケット交換サービスの提供を再開するステップと、を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の方法。
4. 前記第１ネットワークはGSMネットワークであり、また前記第2ネットワークはGPRSネットワークであることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の方法。
5. 前記メッセージは、ショートメッセージサービスSMSのテキストベースメッセージ又は画像メッセージであることを特徴とする請求項４に記載の方法。
6. 前記メッセージが前記第１ネットワークか前記第2ネットワークのいずれを介して伝送されるのかを選択するオプションを前記移動局のユーザーに提供するステップと、そのユーザー選択に従って前記メッセージを伝送するステップと、を有することを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載の方法。
7. 回線交換サービスを提供する第1ネットワークと、パケット交換サービスを提供する第2ネットワークとを介してメッセージを伝送するメッセージ手段を備える移動局において、該メッセージ手段は、
   少なくとも1つのメッセージを伝送する要求に応じて、前記移動局が前記第2ネットワークに接続されているか否かを、該移動局の１つ又は複数の現在の移動管理コンテキストの状態を内部でチェックすることによって、チェックし、
   前記第2ネットワークに接続されている前記移動局に応じて前記第2ネットワークに前記少なくとも1つのメッセージを送信し、かつ
   前記第2ネットワークを介するメッセージ伝送の失敗に応じて、前記移動局から前記第１ネットワークに前記少なくとも1つのメッセージを送信するように構成されていることを特徴とする移動局。
8. 前記メッセージ手段は、前記少なくとも 1 つのメッセージを伝送する要求に応じて、前記移動局が前記第 2 ネットワークに接続されているか否かを、チェックし、前記第2ネットワークに接続されていない場合に前記第１ネットワークを介して前記メッセージを伝送するように構成されていることを特徴とする請求項７に記載の移動局。
9. 前記移動局のユーザーインタフェース（UI）は、メッセージが前記第１ネットワークか前記第2ネットワークのいずれを介して伝送されるのかを選択するオプションを前記移動局のユーザーに提供するメニューを表示するように構成され、かつ前記メッセージ手段は、そのユーザー選択に従って前記メッセージを伝送するように構成されることを特徴とする請求項７又は８に記載の移動局。
10. 前記第１ネットワークはGSMネットワークであり、また前記第2ネットワークはGPRSネットワークであり、かつ前記メッセージはショートメッセージサービスSMSのショートメッセージであることを特徴とする請求項７〜９のいずれか一項に記載の移動局。

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