JP3596948B2 - 流量計測システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量センサを有する主流路のほかに、例えばU字形状の副流路を有する流量計測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、流体の主流路にオリフィス板を設け、このオリフィス板の前後に副流路をつなぎ、この副流路に導かれる流体の流量をフロート式、タービン式等の流量センサによって計測する流量計測システムは知られている(例えば、特開平6−174510号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のものでは、主流路の断面積に比べると副流路の断面積が小さく形成されているので、本流量計測システムの前後に弁等の絞りや曲り管等の流れを乱す要素が存在すると、正確に流量計測できなくなるという問題がある。
そのために、従来、本計測システムを使って流量を計測する時には、一般的に本流量計測システムの前後に長い直管部をつなぐことにより対処しているが、これでは計測システムの全長が長くなりすぎるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、本流量計測システムの前後に直管部をつなぐ必要がなく、しかも精度の良い計測を行うことができる流量計測システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流体の流れる流路の途中に本計測システムをつなぎ込むことにより流体の流量を計測するものである。流量は主流路又は主管路に設けられたセンサ本体により計測されるが、この発明では、センサ本体の前後の圧力差に基づいて流量計測を行なうようになっている。
そして、センサ本体の前後に流体の圧力差を生じさせるため、この発明によれば、非直線状に延びる副流路又は副管路が設けられる。
すなわち、本発明によれば、直線状の主流路又は主管路に流量計測のための流量センサ本体を配置し、この前後をつなぐように、例えばU字形状の非直線状の副流路を配置させる構造としているため、センサ本体の前後で流体の流れに多少の乱れが生じたとしても、センサ本体の絞り効果により、副流路又は副管路では安定した流れが得られ、センサ本体の前後には平均した差圧が生じるので、従来のように直管部を設けないでも、精度の良い計測が行なわれる。
【0006】
また、非直線状の副流路又は副管路は流体に流れ抵抗を与え、これを従来のオリフィスに等価させているので、この非直線状の副流路又は副管路に市販の管を利用すれば、大型流量センサを安価に構成することができる。
更に、例えば非直線状の副流路に調整弁を配置させることにより、広い流量範囲で流量計測することが可能になる。また、本流量計測システムから流量センサ全体を外さなくても、副流路又は副管路の流路面積を変更することにより、計測流量範囲の異なる流量センサを提供することが可能になる。
【0007】
請求項ごとに具体的に説明すると、以下のようになる。
請求項1に記載の発明は、流体の流れるほぼ直線状の主流路に流量を計測するセンサ本体を設け、このセンサ本体の前後をつなぐように非直線状の副流路を設け、前記副流路は前記主流路の流路の断面積よりも大きな断面積を有することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、流体の流れるほぼ直線状の主流路に流量を計測するセンサ本体を設け、このセンサ本体の前後をつなぐように非直線状の副流路を設け、前記センサ本体の設けられる前記主流路の流路断面積は、本計測システムのつながれる流路の断面積よりも小さいことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記副流路はほぼU字状に形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のものにおいて、前記副流路に開閉弁を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記開閉弁を閉じた時の等価流路最小内径をd、副流路の等価流路最小内径をDとした時、D≦4.8dの関係式が成り立つことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
図1及び図2において、1はほぼ直線状に延びる主管路を示している。この主管路1にはタービン式の流量センサ本体3が収納され、このセンサ本体3は前後の流体の圧力差ΔP(P1 −P2 )に従って回転し、この回転数に基づいて流体の流量Qa (Qt +Qu )が計測される。主管路1のセンサ本体3の前後にはT型ジョイント5が設けられ、このT型ジョイント5間にはジョイント6を介して非直線状(ほぼU字状)に延びる副管路7がつながれる。そして、この実施例では、副管路7の副流路7aの断面積は主管路1の主流路1aの断面積よりも大きく形成される。また、9はホース接続用ジョイントであり、このジョイント9につながれるホース(図示せず)の流路断面積は、主管路1の主流路1aの断面積よりも大きく形成される。
【0015】
上記のセンサ本体3には、流量をQ、その時の差圧をΔPとした時、下記(1)の関係式が成り立つすべての流量センサ、例えば、タービン式、絞り式、カルマン渦式流量センサなどが適用されるが、この実施例では図2を参照してタービン式の流量センサが採用される。
【0016】
【数1】
この実施例によれば、主管路1のセンサ本体3の前後にT型ジョイント5を設け、両T型ジョイント5間にU字状の副管路7を設けているので、センサ本体3の前後で流体の流れに多少の乱れが生じたとしても、センサ本体3の絞り効果により、副管路7では安定した流れが得られ、副管路7の副流路7aがいわゆる従来の「オリフィス」と等価(=同等)とされ、結局、センサ本体3の前後には平均した差圧が生じ、精度の良い計測が行なわれる。
【0017】
つぎに、計測原理を説明する。
図2を参照し、本流量計測システムに流入する流体は、入口のT型ジョイント5から流入し、流量の検出部である主流路1aと、センサ本体3の前後のT型ジョイント5に接続されたほぼU字状に曲がる副流路7aとに分流し、出口側では逆にT型ジョイント5部で合流して流出する。
【0018】
流量センサ本体3として、例えば、タービン式の流量センサを使用したとすると、そこを流れる流量Q(リットル・/min )は、このセンサ本体3の計量部の等価ノズル直径をd(mm)(di の口径のノズルが複数個mある場合は、d=(m・di 2 )1/2 )、流量係数をξ、センサ本体3の前後のT型ジョイント5部での差圧をΔP(kg/cm2 )としたとき、
【0019】
【数2】
本提案の流量計測システムに適用可能な流量センサの種類は、上記の式(2)で表されるように、流量Qt とそこで生じる差圧ΔPとの関係が、次式(3)でさえあれば、どのような計測原理のものでも適用可能である。尚、ここでは「タービン式の流量センサ」を使用したものとして説明する。
【0020】
【数3】
タービン式流量センサでは、流量はインペラの回転周波数H(Hz)で計測されるので、流量センサの比例定数をa(リットル/min /Hz)、バイアス(無効)流量をb(リットル/min )とすると、Qt (リットル/min )は次式(4)で表される。
【0021】
【数4】
なお、副流路7aでは、タービン式のセンサ本体3の前後のT型ジョイント5部での分岐流れと合流流れとでエネルギー損失を生じる。また、U字状の副流路7aでは、内側と外側で流速が異なるため、同様に、エネルギー損失を生じる。すなわち、U字状部の等価内径をD(mm)、流量係数をψ、そこを流れる流体の密度をρ(kg/cm3 )とすると、副流路7aの入口/出口の圧力差ΔP(kg/cm2 )、すなわち、前後のT型ジョイント5部の圧力差ΔP(kg/cm2 )は、タービン式の流量センサの場合と同じで、ここを通る流量Qu (リットル/min )は、次式(5)で与えられる。
【0022】
【数5】
全体の流量Qa (リットル/min )は、タービン式流量センサ部の流量Qt と副流路部の流量Qu の和として表されるので、
【0023】
【数6】
上記式(6)に、式(2)及び(5)より求められる(Qu /Qt )の比を代入して、Qt には式(4)を代入すると、次式(7)が得られる。
【0024】
【数7】
すなわち、定数である、副流路7aの流量係数ψと等価流路最小内径Dとタービン式流量センサの流量係数ξと等価最小ノズル直径dとが分かれば、タービン式流量センサの流量計測のみにより、システム全体の流量Qa (リットル/min )を次式(8)のように算出することができる。
【0025】
【数8】
本流量センサの計測精度は、基本的には、使用している「タービン式流量センサ」の精度と同等以下であるが、計測分解能は低下することになる。
【0026】
【数9】
すなわち、簡単のために上記式(9)と考えると、副流路7aを有する本流量計測システムの計測分解能Cは式(10)と表されるので、
【0027】
【数10】
例えば、副流路7aの等価最小内径Dがタービン式流量センサの内径dの2倍の場合を考えると次式(11)となる。
【0028】
【数11】
すなわち、同じ圧損においては、タービン式流量センサ単体の計測流量の5倍大きい流量計測が可能となる一方で、パルス分解能は5倍大きくなる(=分解能が低下する)。従って、本流量センサに適用する流量センサにおいては、パルス分解能の高いセンサを使用することが望ましい。
なお、レンジアビリティR(計測範囲)は、最低計測流量Qmin と最大流量Qmax の比であるため、次式(12)より明らかなごとく、使用したタービン式流量センサと同じである。
【0029】
【数12】
次に、図3を参照して、別の実施例を説明する。
これによれば、T型ジョイント5の間をつなぐ副管路7に開閉弁(=ボール弁)11が設けられる。この場合、この開閉弁11を『開』にしている時は、前述の性能を呈するが、『閉』にした時は、使用しているタービン式流量センサ単独の性能を発揮させることになる。開閉弁11を閉じた場合は式(8)中の「D=0」であるので次式(13)の関係が成り立つ。
【0030】
【数13】
微少流量計測をする場合は、この弁11を閉じて、主管路1に設けたタービン式流量センサのみで計測する。式(8)及び式(13)において、最低計測流量から最大計測流量まで連続して流量計測するには、式(8)に示す最大流量と式(13)に示す最小流量とが等しくなるように、主管路1に使用する流量センサを選択する必要がある。
【0031】
例えば、圧損=1(kgf /cm2 )の時、流量を最大流量Qmax と仮定すると、一般的なタービン式流量センサのレンジアビリティはおおよそ25倍であるので、タービン式流量センサ単体の最低計測流量はQmax /25となる。この結果、U字状の副流路7aを有する流量センサ(=本提案の流量計測システム)の最低計測流量Qmin は式(8)より次式(14)となる。
【0032】
【数14】
式(14)に示す流量Qmin が、主管路1に構成したタービン式流量センサ単体の最大計測流量Qmax と等しいと置くと、次式(15)が得られる。
【0033】
【数15】
式(9)と考えて概算すると、式(16)となる。すなわち、式(16)の設計値で、副流路7aに開閉弁11を有する流量センサを構成すると、開閉弁11の『開』、『閉』の切り替えにより、連続した流量計測が可能となる。また、そのレンジアビリティRa は、使用するタービン流量センサのレンジアビリティを前述のようにRt =25と考えると、式(17)のようになる。
【0034】
【数17】
すなわち、本実施例により、従来では不可能であった極めて広い流量計測範囲を有する流量センサを構成することが可能になる。この副流路7aには、上述の開閉弁(=ボール弁)11の代わりに、種々の大きさを有するオリフィスを設けることも可能である。
【0035】
要するに、本実施例によれば、
1)流量Qの時に、そこで生じる差圧ΔPが式(1)の関係にあるセンサ本体3を使用して、このセンサ本体3(例えば、絞り式流量センサ、タービン式流量センサ、カルマン渦式流量センサ等々)の前後に、T型ジョイント5を配置し、その前後をU字形状の副流路7aを有する副管路7でつないだので、センサ本体3の前後で流体の流れに多少の乱れが生じたとしても、センサ本体3の絞り効果により、副管路7では安定した流れが得られ、副管路7の副流路7aがいわゆる従来の「オリフィス」と等価(=同等)とされるので、結局、センサ本体3の前後には平均した差圧が生じ、従来のように長い直管部をつながなくとも、精度の良い計測が行なわれる。
【0036】
2)また、計量できる流量の大きさを変更する場合は、流量センサ前後のT型ジョイント5の大きさと、U字形状の副管路7の内径とを変更することによって簡単に変更することができる。すなわち、計測流量の大小に係わらず、同じ流量センサ(例えば、タービン式)を用いるので、安価にしかも手軽に種々の流量範囲の流量を計測することが可能になる。
【0037】
3)システム全体の流路面積に比較して、主管路1に小さな流路面積の「流路センサ本体3」を配置させることにより、流れをU字状の副管路7に分流させることができるので、流速の乱れの平滑化効果を機能することができる。この結果、センサ本体3の前後に直管部を設ける必要がなくなる。
【0038】
4)レンジアビリティの大きい流量センサを製造する場合には、センサ本体3の前後を接続する副管路7に、開閉弁(=ボール弁)11を設ければよい。これによれば、微少流量計測の場合には、これを閉じて流量計測し、大流量計測の場合には、これを開いて計測することにより、レンジアビリティの大きい流量センサを提供することができる。
【0039】
5)上述の開閉弁11の切り替えにより、微少流量から最大流量までを連続して計測できる条件としては、弁閉時の等価流路最小内径をd、U字状の副流路7aの等価流路最小内径をDとした場合に、D≦4.8dの関係式が成り立つようにシステムを構築することが望ましい。このようにすれば、標準最大流量を「流量センサ圧損=1(kgf /cm2 )時流量」とした場合に、レンジアビリティを一般のタービン式流量センサの約24倍にすることができる。
【0040】
6)なお、非直線状に延びる上述の副流路7aには、オリフィス等の絞りを設けても同じ効果を構成できることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、本計測システムの前後に従来のように長い直管部を設けなくても、正確な流量計測を行うことができる。また、T型ジョイントの間をつなぐ副管路に開閉弁を設けた場合には、この開閉弁を『開』にすることにより上述の性能を呈し、『閉』にすることにより使用しているセンサ本体単独の性能を発揮させることができるので、流量計測に当たって適用範囲の広いセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流体計測システムの一実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示す流体計測システムの断面図である。
【図3】別の実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 主管路
1a 主流路
3 センサ本体
5 T型ジョイント
7 副管路
7a 副流路
Q 流量
ΔP 差圧
【数16】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流量センサを有する主流路のほかに、例えばU字形状の副流路を有する流量計測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、流体の主流路にオリフィス板を設け、このオリフィス板の前後に副流路をつなぎ、この副流路に導かれる流体の流量をフロート式、タービン式等の流量センサによって計測する流量計測システムは知られている(例えば、特開平6−174510号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のものでは、主流路の断面積に比べると副流路の断面積が小さく形成されているので、本流量計測システムの前後に弁等の絞りや曲り管等の流れを乱す要素が存在すると、正確に流量計測できなくなるという問題がある。
そのために、従来、本計測システムを使って流量を計測する時には、一般的に本流量計測システムの前後に長い直管部をつなぐことにより対処しているが、これでは計測システムの全長が長くなりすぎるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、本流量計測システムの前後に直管部をつなぐ必要がなく、しかも精度の良い計測を行うことができる流量計測システムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流体の流れる流路の途中に本計測システムをつなぎ込むことにより流体の流量を計測するものである。流量は主流路又は主管路に設けられたセンサ本体により計測されるが、この発明では、センサ本体の前後の圧力差に基づいて流量計測を行なうようになっている。
そして、センサ本体の前後に流体の圧力差を生じさせるため、この発明によれば、非直線状に延びる副流路又は副管路が設けられる。
すなわち、本発明によれば、直線状の主流路又は主管路に流量計測のための流量センサ本体を配置し、この前後をつなぐように、例えばU字形状の非直線状の副流路を配置させる構造としているため、センサ本体の前後で流体の流れに多少の乱れが生じたとしても、センサ本体の絞り効果により、副流路又は副管路では安定した流れが得られ、センサ本体の前後には平均した差圧が生じるので、従来のように直管部を設けないでも、精度の良い計測が行なわれる。
【0006】
また、非直線状の副流路又は副管路は流体に流れ抵抗を与え、これを従来のオリフィスに等価させているので、この非直線状の副流路又は副管路に市販の管を利用すれば、大型流量センサを安価に構成することができる。
更に、例えば非直線状の副流路に調整弁を配置させることにより、広い流量範囲で流量計測することが可能になる。また、本流量計測システムから流量センサ全体を外さなくても、副流路又は副管路の流路面積を変更することにより、計測流量範囲の異なる流量センサを提供することが可能になる。
【0007】
請求項ごとに具体的に説明すると、以下のようになる。
請求項1に記載の発明は、流体の流れるほぼ直線状の主流路に流量を計測するセンサ本体を設け、このセンサ本体の前後をつなぐように非直線状の副流路を設け、前記副流路は前記主流路の流路の断面積よりも大きな断面積を有することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、流体の流れるほぼ直線状の主流路に流量を計測するセンサ本体を設け、このセンサ本体の前後をつなぐように非直線状の副流路を設け、前記センサ本体の設けられる前記主流路の流路断面積は、本計測システムのつながれる流路の断面積よりも小さいことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記副流路はほぼU字状に形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のものにおいて、前記副流路に開閉弁を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記開閉弁を閉じた時の等価流路最小内径をd、副流路の等価流路最小内径をDとした時、D≦4.8dの関係式が成り立つことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
図1及び図2において、1はほぼ直線状に延びる主管路を示している。この主管路1にはタービン式の流量センサ本体3が収納され、このセンサ本体3は前後の流体の圧力差ΔP(P1 −P2 )に従って回転し、この回転数に基づいて流体の流量Qa (Qt +Qu )が計測される。主管路1のセンサ本体3の前後にはT型ジョイント5が設けられ、このT型ジョイント5間にはジョイント6を介して非直線状(ほぼU字状)に延びる副管路7がつながれる。そして、この実施例では、副管路7の副流路7aの断面積は主管路1の主流路1aの断面積よりも大きく形成される。また、9はホース接続用ジョイントであり、このジョイント9につながれるホース(図示せず)の流路断面積は、主管路1の主流路1aの断面積よりも大きく形成される。
【0015】
上記のセンサ本体3には、流量をQ、その時の差圧をΔPとした時、下記(1)の関係式が成り立つすべての流量センサ、例えば、タービン式、絞り式、カルマン渦式流量センサなどが適用されるが、この実施例では図2を参照してタービン式の流量センサが採用される。
【0016】
【数1】
この実施例によれば、主管路1のセンサ本体3の前後にT型ジョイント5を設け、両T型ジョイント5間にU字状の副管路7を設けているので、センサ本体3の前後で流体の流れに多少の乱れが生じたとしても、センサ本体3の絞り効果により、副管路7では安定した流れが得られ、副管路7の副流路7aがいわゆる従来の「オリフィス」と等価(=同等)とされ、結局、センサ本体3の前後には平均した差圧が生じ、精度の良い計測が行なわれる。
【0017】
つぎに、計測原理を説明する。
図2を参照し、本流量計測システムに流入する流体は、入口のT型ジョイント5から流入し、流量の検出部である主流路1aと、センサ本体3の前後のT型ジョイント5に接続されたほぼU字状に曲がる副流路7aとに分流し、出口側では逆にT型ジョイント5部で合流して流出する。
【0018】
流量センサ本体3として、例えば、タービン式の流量センサを使用したとすると、そこを流れる流量Q(リットル・/min )は、このセンサ本体3の計量部の等価ノズル直径をd(mm)(di の口径のノズルが複数個mある場合は、d=(m・di 2 )1/2 )、流量係数をξ、センサ本体3の前後のT型ジョイント5部での差圧をΔP(kg/cm2 )としたとき、
【0019】
【数2】
本提案の流量計測システムに適用可能な流量センサの種類は、上記の式(2)で表されるように、流量Qt とそこで生じる差圧ΔPとの関係が、次式(3)でさえあれば、どのような計測原理のものでも適用可能である。尚、ここでは「タービン式の流量センサ」を使用したものとして説明する。
【0020】
【数3】
タービン式流量センサでは、流量はインペラの回転周波数H(Hz)で計測されるので、流量センサの比例定数をa(リットル/min /Hz)、バイアス(無効)流量をb(リットル/min )とすると、Qt (リットル/min )は次式(4)で表される。
【0021】
【数4】
なお、副流路7aでは、タービン式のセンサ本体3の前後のT型ジョイント5部での分岐流れと合流流れとでエネルギー損失を生じる。また、U字状の副流路7aでは、内側と外側で流速が異なるため、同様に、エネルギー損失を生じる。すなわち、U字状部の等価内径をD(mm)、流量係数をψ、そこを流れる流体の密度をρ(kg/cm3 )とすると、副流路7aの入口/出口の圧力差ΔP(kg/cm2 )、すなわち、前後のT型ジョイント5部の圧力差ΔP(kg/cm2 )は、タービン式の流量センサの場合と同じで、ここを通る流量Qu (リットル/min )は、次式(5)で与えられる。
【0022】
【数5】
全体の流量Qa (リットル/min )は、タービン式流量センサ部の流量Qt と副流路部の流量Qu の和として表されるので、
【0023】
【数6】
上記式(6)に、式(2)及び(5)より求められる(Qu /Qt )の比を代入して、Qt には式(4)を代入すると、次式(7)が得られる。
【0024】
【数7】
すなわち、定数である、副流路7aの流量係数ψと等価流路最小内径Dとタービン式流量センサの流量係数ξと等価最小ノズル直径dとが分かれば、タービン式流量センサの流量計測のみにより、システム全体の流量Qa (リットル/min )を次式(8)のように算出することができる。
【0025】
【数8】
本流量センサの計測精度は、基本的には、使用している「タービン式流量センサ」の精度と同等以下であるが、計測分解能は低下することになる。
【0026】
【数9】
すなわち、簡単のために上記式(9)と考えると、副流路7aを有する本流量計測システムの計測分解能Cは式(10)と表されるので、
【0027】
【数10】
例えば、副流路7aの等価最小内径Dがタービン式流量センサの内径dの2倍の場合を考えると次式(11)となる。
【0028】
【数11】
すなわち、同じ圧損においては、タービン式流量センサ単体の計測流量の5倍大きい流量計測が可能となる一方で、パルス分解能は5倍大きくなる(=分解能が低下する)。従って、本流量センサに適用する流量センサにおいては、パルス分解能の高いセンサを使用することが望ましい。
なお、レンジアビリティR(計測範囲)は、最低計測流量Qmin と最大流量Qmax の比であるため、次式(12)より明らかなごとく、使用したタービン式流量センサと同じである。
【0029】
【数12】
次に、図3を参照して、別の実施例を説明する。
これによれば、T型ジョイント5の間をつなぐ副管路7に開閉弁(=ボール弁)11が設けられる。この場合、この開閉弁11を『開』にしている時は、前述の性能を呈するが、『閉』にした時は、使用しているタービン式流量センサ単独の性能を発揮させることになる。開閉弁11を閉じた場合は式(8)中の「D=0」であるので次式(13)の関係が成り立つ。
【0030】
【数13】
微少流量計測をする場合は、この弁11を閉じて、主管路1に設けたタービン式流量センサのみで計測する。式(8)及び式(13)において、最低計測流量から最大計測流量まで連続して流量計測するには、式(8)に示す最大流量と式(13)に示す最小流量とが等しくなるように、主管路1に使用する流量センサを選択する必要がある。
【0031】
例えば、圧損=1(kgf /cm2 )の時、流量を最大流量Qmax と仮定すると、一般的なタービン式流量センサのレンジアビリティはおおよそ25倍であるので、タービン式流量センサ単体の最低計測流量はQmax /25となる。この結果、U字状の副流路7aを有する流量センサ(=本提案の流量計測システム)の最低計測流量Qmin は式(8)より次式(14)となる。
【0032】
【数14】
式(14)に示す流量Qmin が、主管路1に構成したタービン式流量センサ単体の最大計測流量Qmax と等しいと置くと、次式(15)が得られる。
【0033】
【数15】
式(9)と考えて概算すると、式(16)となる。すなわち、式(16)の設計値で、副流路7aに開閉弁11を有する流量センサを構成すると、開閉弁11の『開』、『閉』の切り替えにより、連続した流量計測が可能となる。また、そのレンジアビリティRa は、使用するタービン流量センサのレンジアビリティを前述のようにRt =25と考えると、式(17)のようになる。
【0034】
【数17】
すなわち、本実施例により、従来では不可能であった極めて広い流量計測範囲を有する流量センサを構成することが可能になる。この副流路7aには、上述の開閉弁(=ボール弁)11の代わりに、種々の大きさを有するオリフィスを設けることも可能である。
【0035】
要するに、本実施例によれば、
1)流量Qの時に、そこで生じる差圧ΔPが式(1)の関係にあるセンサ本体3を使用して、このセンサ本体3(例えば、絞り式流量センサ、タービン式流量センサ、カルマン渦式流量センサ等々)の前後に、T型ジョイント5を配置し、その前後をU字形状の副流路7aを有する副管路7でつないだので、センサ本体3の前後で流体の流れに多少の乱れが生じたとしても、センサ本体3の絞り効果により、副管路7では安定した流れが得られ、副管路7の副流路7aがいわゆる従来の「オリフィス」と等価(=同等)とされるので、結局、センサ本体3の前後には平均した差圧が生じ、従来のように長い直管部をつながなくとも、精度の良い計測が行なわれる。
【0036】
2)また、計量できる流量の大きさを変更する場合は、流量センサ前後のT型ジョイント5の大きさと、U字形状の副管路7の内径とを変更することによって簡単に変更することができる。すなわち、計測流量の大小に係わらず、同じ流量センサ(例えば、タービン式)を用いるので、安価にしかも手軽に種々の流量範囲の流量を計測することが可能になる。
【0037】
3)システム全体の流路面積に比較して、主管路1に小さな流路面積の「流路センサ本体3」を配置させることにより、流れをU字状の副管路7に分流させることができるので、流速の乱れの平滑化効果を機能することができる。この結果、センサ本体3の前後に直管部を設ける必要がなくなる。
【0038】
4)レンジアビリティの大きい流量センサを製造する場合には、センサ本体3の前後を接続する副管路7に、開閉弁(=ボール弁)11を設ければよい。これによれば、微少流量計測の場合には、これを閉じて流量計測し、大流量計測の場合には、これを開いて計測することにより、レンジアビリティの大きい流量センサを提供することができる。
【0039】
5)上述の開閉弁11の切り替えにより、微少流量から最大流量までを連続して計測できる条件としては、弁閉時の等価流路最小内径をd、U字状の副流路7aの等価流路最小内径をDとした場合に、D≦4.8dの関係式が成り立つようにシステムを構築することが望ましい。このようにすれば、標準最大流量を「流量センサ圧損=1(kgf /cm2 )時流量」とした場合に、レンジアビリティを一般のタービン式流量センサの約24倍にすることができる。
【0040】
6)なお、非直線状に延びる上述の副流路7aには、オリフィス等の絞りを設けても同じ効果を構成できることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、本計測システムの前後に従来のように長い直管部を設けなくても、正確な流量計測を行うことができる。また、T型ジョイントの間をつなぐ副管路に開閉弁を設けた場合には、この開閉弁を『開』にすることにより上述の性能を呈し、『閉』にすることにより使用しているセンサ本体単独の性能を発揮させることができるので、流量計測に当たって適用範囲の広いセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流体計測システムの一実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示す流体計測システムの断面図である。
【図3】別の実施例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 主管路
1a 主流路
3 センサ本体
5 T型ジョイント
7 副管路
7a 副流路
Q 流量
ΔP 差圧
【数16】
Claims (5)
- 流体の流れるほぼ直線状の主流路に流量を計測するセンサ本体を設け、このセンサ本体の前後をつなぐように非直線状の副流路を設け、前記副流路は前記主流路の流路の断面積よりも大きな断面積を有することを特徴とする流量計測システム。
- 流体の流れるほぼ直線状の主流路に流量を計測するセンサ本体を設け、このセンサ本体の前後をつなぐように非直線状の副流路を設け、前記センサ本体の設けられる前記主流路の流路断面積は、本計測システムのつながれる流路の断面積よりも小さいことを特徴とする流量計測システム。
- 前記副流路はほぼU字状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の流量計測システム。
- 前記副流路に開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流量計測システム。
- 前記開閉弁を閉じた時の等価流路最小内径をd、副流路の等価流路最小内径をDとした時、D≦4.8dの関係式が成り立つことを特徴とする請求項4に記載の流量計測システム。
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