JP3596585B2 - 板金ワークのプリキュア装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱式のプリキュア装置に関し、特に、ロボットハンドに装着した高周波加熱コイルを備えて各種形状の板金ワークのプリキュア処理を効率的に行え汎用性に富むプリキュア装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
車両の生産工程において、ドア、ボンネットフード、トランク等のボデー部品の外板と補強材とがヘミング工程において接合される。このボデー部品は、ボデー本体に組み付けした後で塗装工程に搬送される。この時、ヘミング工程から塗装工程へ搬送される間や塗装工程で加熱炉に入れる際に、ボデー部品に相対的な位置ずれや変形が生じ易い。従来、この様な変位を防止するため、ヘミング処理されたボデー部品の外板と補強材とを、スポット溶接やレーザ溶接により仮止めするようにしている。しかしながら、スポット溶接による仮止めには溶接部位に圧痕が残るという不都合がある。一方、レーザ溶接による仮止めには相当な設備投資が必要であり、また、レーザビームが強すぎるとボデー部品にピンホールが発生するので、レーザビームの強度管理に問題を生じることが多い。
【0003】
そこで、ボデー部品の外板と補強材との間に熱硬化性接着剤を塗布し、次いで、ボデー部品を加熱して接着剤を硬化させて外板と補強材とを仮止めする所謂プリキュア処理が行われることが多い。このプリキュア処理でのボデー部品の加熱には、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱などの種々の方法を用いる。
高周波加熱の場合、一般に、ボデー部品と略同一の外形形状でかつ全周にわたって形成された溝に高周波加熱コイルを埋設してなる治具が用いられる。そして、熱硬化性接着剤が予め塗布されヘミング処理されたボデー部品を治具に載置した状態で高周波加熱コイルに高周波電流を流して交番磁界を発生させ、ボデー部品に生起した誘導電流が発生する熱により熱硬化性接着剤を硬化させてボデー部品を仮止めしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のプリキュア処理用の高周波加熱装置において、高周波加熱コイルはボデー部品の下方にのみ配される。また、高周波加熱コイルは、一般には、一本のパイプを渦巻き状に形成して多数の円形コイル部を設けたもので、この様な高周波加熱コイルを治具の外周溝内に配置したとき円形コイル部の各々はその軸線がボデー部品を斜めに横切るような向きに配され、ボデー部品を横切る磁力線の密度は小さくなる。このため、加熱効率は低く、消費電力が大きくなると共に加熱に時間を要する。また、低い加熱効率を補うためには高出力型の装置を用いる必要があり、この場合、設備投資コストが増大する。また、ボデー部品の下面のみが加熱されるので、ボデー部品の上面に対する入熱量と下面に対する入熱量とに差が生じてボデー部品の上下面に温度差が生じ、ボデー部品に熱歪みが発生する。そして、上記の装置を用いてプリキュア処理を行うには、既に述べたように、ボデー部品と略同一の外形形状を有しかつ高周波加熱コイルが埋設された専用の治具が必要である。従って、各種形状のボデー部品をプリキュア処理するには、ボデー部品毎に専用治具を要する。また、多種の車両を同一生産ラインで製造したいとの要請に答えるには、更に多数の専用治具が必要になる。
【0005】
そこで、本発明は、ボデー部品などの板金ワークに対するプリキュア処理を、種別の異なるワークに専用の治具を用いずに、効率的に行える汎用性に富む板金ワークのプリキュア装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
板金ワークの重ね合わせ部に塗布された接着剤を高周波加熱により硬化させてワーク同士を仮止めするプリキュア装置において、本発明のプリキュア装置は、板金ワークの重ね合わせ部に対して所定間隔で両面から挟むように形成された高周波加熱コイルと、この高周波加熱コイルを保持するコイル保持部が設けられた位置決め装置を備え、この位置決め装置により、高周波加熱コイルを板金ワークに対して位置決めすることを特徴とする。
【0007】
本発明のプリキュア装置によれば、高周波加熱コイルをワークに対して位置決めした状態で、高周波加熱コイルへ高周波電流を流すことにより、板金ワークの重ね合わせ部に塗布された接着剤を硬化させてワーク同士を仮止めできる。本発明の装置は、高周波加熱コイルをワークの任意の部位に対して位置決め可能であり、ワークと同一形状でかつ高周波加熱コイルを埋設してなる専用の治具をワークの種別毎に用意する必要がない。このため、各種形状のワークのプリキュア処理を実施できる。
【0008】
また、高周波加熱コイルを所要のワーク部位に位置決めして任意のワーク部位を高周波加熱でき、従って、ワークを仮止めするのに最適で効果的なワーク部位に対してのみ高周波加熱を行うなどしてプリキュア処理効率を向上できる。また、必要であれば、ワークの全周にわたって高周波加熱を行え、仮止め強度を向上できる。
【0009】
更に、高周波加熱コイルの形状を設定する上での自由度が高く、高周波加熱コイル形状を異なったワークに対して適切に設定できると共に適正な向きに位置決めすることにより、高周波加熱コイルが発生する磁力線の密度を高めて、加熱効率を向上できる。
【0010】
また、本発明の高周波加熱コイルは、第1平面内でループ状に延びる第1コイル部と、ワークを挟んで第1平面に平行な第2平面内でループ状に延びる第2コイル部と、第1コイル部と第2コイル部との間に接続され第1および第2平面に直交する第3平面内で直線状に延びる第3コイル部とを有する。第1、第2及び第3コイル部は、ワークの少なくとも外縁部分を収容可能な空間を画成する。
【0011】
この様な構成の高周波加熱コイルを備えたプリキュア装置によれば、第1、第2及び第3コイル部が画成する空間内にワークの外縁部分を収容した状態で高周波電流を流すことにより、それぞれのコイル部が発生する磁力線をワークの上下両面および外方側面に直交させることができ、ワークの上下方向および側方から高周波加熱を効率的に行え、加熱効率が向上する。
本発明において、好ましくは、前記位置決め装置は、前記コイル保持部として機能するハンドと前記可動部として機能するアームとを有したロボットからなる。
この様な好適な構成のプリキュア装置によれば、公知のロボット制御技術を適用して、高周波加熱コイルをワークに対して迅速かつ正確に位置決め可能であり、プリキュア処理を効率良く実施できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態によるプリキュア装置を説明する。
図1に示すように、本実施形態のプリキュア装置は、高周波加熱コイル10を装着したロボット20を位置決め装置として備え、プリキュア処理されるボデー部品などの板金ワークに対して高周波加熱コイル10を位置決めし、次いでコイル10に高周波電流を流して、ワークに塗布された接着剤を高周波加熱により硬化させるものである。
【0013】
高周波加熱コイル10は、例えば、一本の中空の銅パイプを図4に模式的に示すように折り曲げたもので、銅パイプの周壁を高周波電流が流れ、銅パイプの中空部を冷却水が流れるようになっている。銅パイプの外周面にはセラミックコーティングが施され、或いは、電気絶縁性の樹脂がコーティングされている。電気絶縁性樹脂をコーティングした場合、メインテナンス性に優れる。
【0014】
図4において、高周波加熱コイル10は、第1直線部10aと、この直線部10aから垂直面内で上方に延びる第1立ち上がり部10bと、この立上がり部10bから第1水平面内で円形状に延びる第1コイル部10cと、コイル部10cから垂直面内で下方に延びる立下がり部10dと、第1水平面から離隔した第2水平面内で立下がり部10dから円形状に延びる第2コイル部10eと、コイル部10eから垂直面内で上方に延びる第2立上がり部10fと、立上がり部10fから延びる第2直線部10gとを有している。第1および第2コイル部10c、10eは、その他のコイル要素と協同して、図3に示すようにワークたとえばフード2の外縁部分を収容可能な空間10hを画成している。図4中、矢印は、高周波電流の或る半サイクルでの電流の向きを表す。次の半サイクルでは高周波電流は矢印と反対方向に流れる。
【0015】
図5および図6は、図3及び図4に示した高周波加熱コイル10と形状を異にする別の高周波加熱コイルを示す。図6に模式的に示すように、高周波加熱コイル110は、図4に符号10aないし10gで示すコイル要素にそれぞれ対応するコイル要素110aないし110gを有している。両高周波加熱コイル10、110の主な相違は、前者のコイル部10c、10eが円形状であるのに対して後者のコイル部110c、110eがU字状に形成されている点にある。
【0016】
図5に示すように、高周波加熱コイル110は、コイル支持体112に支持されている。コイル支持体112は、コイル110の第1直線部110aが貫通する縦壁と直線部110aを支持する水平壁とを有する第1支持部112aと、支持部112aと同様に構成された第2支持部112bとを有している。両支持部112a、112bの間には例えばベークライトからなる電気絶縁板114が配されている。
【0017】
図3に示す高周波コイル10は、図5に示すコイル支持体112と同様の構成のコイル支持体(図示略)により支持されている。
図1に示すように、プリキュア装置のロボット20は、ロボットが配設される床に対して旋回可能な旋回台22と、旋回台22に対して揺動可能な第1アーム24と、アーム24に対して揺動可能な第2アーム26と、アーム26の先端に装着されたハンド28とを有している。ハンド28は、第2アーム26に対して揺動可能かつアーム26の長手方向軸線の回りで旋回可能に設けられ、また、高周波加熱コイル10を保持するように設けられている。例えば、高周波加熱コイル10のコイル支持体をコイル保持部であるロボットハンド28のエンドブラケット(図示略)にボルト止めすることにより、高周波加熱コイル10をハンド28に固定するようにしている。
【0018】
ロボット20は、ロボットコントローラ(図示略)の制御下で動作する所要数のサーボモータを備え、旋回台22、アーム24、26及びハンド28、すなわちロボットの可動部をサーボモータにより揺動・旋回運動させて、ハンド28に固定した高周波加熱コイル10をプリキュア処理されるワークの任意の部位に位置決めするようになっている。
【0019】
高周波加熱コイル10の直線部10aおよび10gは、電気ケーブルおよび冷却水ホース(図2に一括して参照符号29で示す)を介して高周波電源30に接続されている。高周波電源30には、ホース31aを介して冷却装置32から冷却水が供給されるようになっている。高周波加熱コイル10の冷却に用いられた水は、ホース31bを介して冷却装置32へ戻されて冷却された後、高周波加熱コイル10の冷却に再利用される。
【0020】
高周波電源30は、工程制御盤36内の上位コントローラ(図示略)により制御されかつ加熱条件盤34内に設けられた低位コントローラ(図示略)の制御下で動作して、高周波加熱コイル10または110に例えば10KHzの高周波電流を流すようになっている。加熱条件盤34のコントローラの入力側には、ワーク表面温度を測定する温度計たとえば放射温度計38が接続されている。放射温度計38は、例えば位置決め治具4(図1)の上面に装着される。
【0021】
以下、上記構成のプリキュア装置の作用を説明する。
このプリキュア装置は、図1に示すフード2やドアなどの各種ボデー部品(より一般的にはワーク)のプリキュア処理に適用される。
フード2をプリキュア処理する場合、プリキュア処理前のヘミング工程において図3に示すようにドア2のアウタパネル2aとインナパネル2bとが互いに接合され、両パネルの接合面に熱硬化性接着剤が塗布される。フード102の場合、フード102の外板と補強板との間に接着剤が、図7(a)に破線で示すように、フードの全周にわたって塗布される。
【0022】
接着剤を塗布したワークたとえばフード2は、位置決め治具4に設けた例えば4つの空圧式のクランプ機構6により、その上下縁がクランプされ、位置決め治具4上に支持される。フード2のクランプに際しては、クランプ機構本体6aに装着した空気シリンダ6bに加圧空気源(図示略)から加圧空気を供給して空気シリンダ6bの可動ロッドを介してクランプ片6cを係止方向へ駆動し、フード2をクランプ機構本体6aとクランプ片6cとにより挟持する。
【0023】
位置決め治具4は、高周波加熱コイルを埋設した従来の専用治具よりも汎用性が高いが、クランプ機構6を位置決め治具4に水平移動自在に設けるなどして、位置決め治具4の汎用性を更に向上するようにしても良い。
その一方で、プリキュア処理に先だって、プリキュア処理におけるワークに対する高周波加熱コイル10または110の位置決めの目標位置(詳しくは、旋回台22の旋回位置、アーム24、26の揺動位置、ハンド28の揺動・旋回位置)を、ワークの種別毎に、更にはワークのプリキュア位置毎に、ロボットコントローラに教示しておく。フード102の場合、図7(b)に斜線を施して示す4つのプリキュア部位102aないし102dに対応する高周波加熱コイルの目標位置を順次教示する。
【0024】
上記の準備が整った後にプリキュア装置を稼働すると、冷却水ホース29、31a、31bなどを介して冷却装置32と高周波加熱コイル10、110との間で冷却水が循環する。そして、工程制御盤36の上位コントローラからプリキュア処理すべきワークの種別(ドア、フードなど)を表す指令が供給されると、加熱条件盤34のコントローラは、プリキュア処理前におけるワーク表面温度を放射温度計38から読込み、ワークの種別に応じて予め定められコントローラに内蔵のメモリから読み出される仮目標加熱温度をこの表面温度で補正して目標加熱温度を設定し、更に、目標加熱温度が得られるような目標高周波電流値を設定する。この様な目標加熱温度設定を行うことにより、ワーク温度変動の影響が除去される。また、この様に高周波電流を制御することにより、ワーク毎の加熱時間などの制御パラメータを固定しつつ、加熱温度制御を実施可能になり、プリキュア装置の実用性が向上する。
【0025】
次に、図示しないロボットコントローラの制御下で各軸サーボモータを駆動してロボット20の旋回台22、アーム24、26およびハンド28を駆動させ、高周波加熱コイル10または110をフード2の最初のプリキュア位置に位置決めする。
高周波加熱コイルの位置決め完了に応じて、加熱条件盤34のコントローラは、目標値の高周波電流がワークの種別に応じた所定時間にわたって高周波電源30から出力されるように、高周波電源30を制御する。この電源制御中、コントローラは、電流センサ39(図2)が検出した高周波電源30用の作動電源からの供給電流値を考慮して、高周波電源30を制御する。
【0026】
高周波電源30から出力された高周波電流が高周波加熱コイル10または110に流れると、コイル10の円形状コイル部10c、10eまたはコイル110のU字状コイル部110c、110eは、フード2のアウタパネル2aおよびインナパネル2bの接合部(アウタパネル2aの折り返し部分に対応)を上下方向に横切る交番磁界(図5に二点鎖線で示す)を発生させる。コイル10または110が図3または図5に示すように位置決めされたとき、円形状コイル部10c、10eまたはU字状コイル部110c、110eの先端はアウタパネル2aの縁2cの略直上にあり、基端はフード2(パネル接合部)の側縁2dよりも手前の外方位置をとる。すなわち、円形状コイル部およびU字状コイル部は、パネル接合部の奥行き寸法よりもやや長い長手方向寸法を有している。このため、円形状またはU字状コイル部が発生する交番磁界の磁力線は、パネル接合部の奥行き領域の略全体を横切る。
【0027】
そして、この交番磁界による誘導電流が両パネルに生起し、パネル2a、2bに誘導電流による熱が発生し両パネルが加熱され、この加熱部分の接着剤が熱硬化する。図5中、記号Aはアウタパネル2aに流れる誘導電流を示す。高周波加熱コイル10の円形状コイル部またはコイル110のU字状コイル部が上記の寸法を有するので、コイル10または110の許容位置決め誤差を比較的大きくできる。すなわち、高周波加熱コイルの位置決めにずれが生じた場合にもパネル接合部の奥行き領域全体を磁力線が通ってプリキュア処理が確実に行われる。
【0028】
また、図示を省略するが、高周波加熱コイル10(または110)の立上がり部および立下がり部10b、10d、10f(または110b、110d、110f)を流れる高周波電流により、アウタパネル2aの折り曲げ部分(フード2の周縁2d側の端面)に直交して水平方向に横切る交番磁界が発生し、折り曲げ部分の端面に誘導電流が生起して当該部分が加熱される。この結果、フード2の最初のプリキュア位置において接着剤が硬化してアウタパネル2aとインナパネル2bとが仮止めされる。
【0029】
上記のように、ワークの上下両面ならびにワーク端面を同時に加熱できるので、加熱効率が良く、加熱時間が短縮される。また、ワーク上下面での加熱温度差は極めて少なく、プリキュア位置での熱歪みが大幅に低減される。更には、プリキュア位置以外ではワークが加熱されず、不必要なワーク加熱を防止できる。
次に、高周波加熱コイル10または110を第2番目のプリキュア位置に位置決めした状態で、高周波電流を高周波加熱コイルに流して当該プリキュア位置でパネル同士を仮止めする。以下同様に、残りのプリキュア位置での仮止めを実施する。
【0030】
フード102の場合、図7(b)に示すプリキュア部位102aないし102dについてプリキュア処理が行われる。図7(b)に示すように、プリキュア位置はフード102の屈曲部まわりに設定する。この様にプリキュア位置を設定することによりプリキュア位置の数を小さくしてプリキュア処理時間を短縮しつつ、所要のプリキュア強度を達成できる。
【0031】
以上のようにしてプリキュア処理を終えたフード2やフード102などのボデー部品は、図7(c)に示すようにボデー本体103に組み付けられて、塗装工程に移送される。上記のプリキュア処理が施されたフード2のパネル2a、2bやフード102の外板と補強板は所要の強度で仮止めされており、従って、塗装工程への搬送中あるいは塗装工程での焼き付け炉への投入時におけるフード2やフード102の変形が抑制される。そして、塗装工程の炉において接着剤全体が加熱されてボデー設計強度が達成される。
【0032】
本発明は上記の実施形態に限定されず、種々に変形可能である。
例えば、上記実施形態では、ヘミング処理された板金ワーク(例えばフード2のパネル2a、2b)をプリキュア処理対象にした場合について説明したが、本発明は、単に平行配置された2枚の板などのその他のワークのプリキュア処理にも適用できる。
【0033】
また、本発明のプリキュア装置では、図3ないし図6に示したものと異なるタイプの高周波加熱コイルを使用できる。例えば、図4に示すコイル構成を図8に示すように変形できる。図8において、高周波加熱コイル210は、2つの円形状コイル部210c、210eを備え、コイル部210eは、接続部分210i、210jを介して直線部210a、210gに接続される。
【0034】
また、上記の実施形態では図1に示す形式のロボット20を位置決め装置として用いたが、別の形式のロボットを含む種々の位置決め装置を本発明に適用できる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のプリキュア装置は、高周波加熱コイルを保持するコイル保持部が設けられた位置決め装置を備え、この位置決め装置により、高周波加熱コイルを板金ワークに対して位置決めするので、ボデー部品などの板金ワークに対するプリキュア処理を、種別の異なるワークに専用の治具を用いずに効率的に行え、汎用性に富む。また、高周波加熱コイルを所要のワーク部位に位置決めして任意のワーク部位を高周波加熱でき、プリキュア処理の効率を向上できる。また、必要であれば、ワークの全周にわたって高周波加熱を行え、仮止め強度を向上できる。更に、高周波加熱コイルの形状を設定する上での自由度が高く、高周波加熱コイル形状を適切に設定すると共に適正な向きに位置決めすることにより、高周波加熱コイルが発生する磁力線の密度を高めて、加熱効率を向上できる。
また、本発明のプリキュア装置は、ワークの少なくとも外縁部分を収容可能な空間を画成する第1〜第3コイル部を有した高周波加熱コイルを備えるので、ワークの上下方向および側方から高周波加熱を効率的に行うことができ、加熱効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるプリキュア装置の要部を示す斜視図である。
【図2】図1に示したプリキュア装置のブロック図である。
【図3】図1に示した高周波加熱コイルを、プリキュア処理されるフードに対して位置決めした状態で示す部分斜視図である。
【図4】図1及び図3に示した高周波加熱コイルを模式的に示す図である。
【図5】図1、図3及び図4に示したものと別のタイプの高周波加熱コイルを、フードに対して位置決めした状態で示す部分斜視図である。
【図6】図5に示した高周波加熱コイルを模式的に示す図である。
【図7】プリキュア処理前のフードへの接着剤塗布領域、フードのプリキュア処理位置ならびにフード及びドアのボデー本体への組み付け状態を示す斜視図である。
【図8】図1、図3及び図4に示したものと類似したタイプの高周波加熱コイルを模式的に示す図である。
【符号の説明】
2 フード
10、110、210 高周波加熱コイル
10a、10g、110a、110g、210a、210g 直線部
10b、10f、110b、110f、 立上がり部
10c、10e、110c、110e、210c、210e コイル部
10d、110d 立下がり部
20 ロボット
24、26 アーム
28 ハンド
30 高周波電源
102 フード
Claims (1)
- 板金ワークの重ね合わせ部に塗布された接着剤を高周波加熱により硬化させてワーク同士を仮止めするプリキュア装置において、
第1平面内でループ状に延びる第1コイル部と、前記ワークを挟んで前記第1平面に平行な第2平面内でループ状に延びる第2コイル部と、前記第1コイル部と前記第2コイル部との間に接続され前記第1および第2平面に直交する第3平面内で直線状に延び且つ前記第1および第2コイル部と共に前記ワークの少なくとも外縁部分を収容可能な空間を画成する第3コイル部とを有し、前記板金ワークの重ね合わせ部に対して所定間隔をおいて両面から挟むように形成された高周波加熱コイルと、
前記高周波加熱コイルを保持するコイル保持部が設けられ、前記高周波加熱コイルを前記板金ワークに対して位置決めする位置決め装置と
を備えることを特徴とする板金ワークのプリキュア装置。
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