JP3595855B2 - 配線・配管材の布設装置、その布設用の装置及び布設レール - Google Patents

配線・配管材の布設装置、その布設用の装置及び布設レール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーブル等の配線・配管材を受具上に布設する配線・配管材の布設装置及び布設レールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の配線・配管材の布設装置として、特公平7−87660号公報に掲載の技術が開示されており、これを図16に示す。この布設装置は布設経路間に張設された巡回ロープ42を巡回動させることにより、受具41上に配線・配管材であるケーブルC等を布設することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の配線・配管材の布設装置は、巡回ロープ42の張力が弱いと、ケーブルC等の重量で前記巡回ロープ42に弛みが生じ、ものにからまったり、引掛かったりしてケーブルC等を引込むことができないことがあるため、軽量のケーブルC等は引込めても、重量のあるケーブルC等の引込みは困難であった。即ち、巡回ロープ42を相当の張力で張設しなければならず、或いは、巡回ロープ42に相当の剛性が必要となることから、布設が困難であった。
【0004】
更に、適宜間隔で支持片44及びワイヤー受筒43を受具41に取付け、布設経路間にわたって巡回ロープ42を掛け回し、巡回状態に張設する作業は極めて面倒かつ困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、布設路への配線・配管材の布設を簡単かつ確実に行なえる配線・配管材の布設装置及び布設レールの提供を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る配線・配管材の布設装置は、配線・配管材の布設経路上に設けられて該布設経路を布設方向に沿って区画する支持部材と、前記支持部材に支持されて前記布設経路の上方に該布設経路に沿って配設され、長手方向に連続するスリットを備えた中空筒体からなるレール体を二以上併有し、前記レール体がそれぞれ前記区画された各布設経路上に配置されてなる布設レールと、前記レール体内にそれぞれ収容されて前記布設経路間を巡回動すべく張設された巡回ロープとからなり、前記巡回ロープの巡回動により、前記レール体のスリットを介して前記巡回ロープに連結された配線・配管材またはこれを布設するための呼びロープを前記区画された布設経路にそれぞれ引込んで布設するものである。
【0007】
請求項2に係る配線・配管材の布設装置は、請求項1に記載の布設レールの端部に、レール体内の巡回ロープの巡回動を案内する回転ローラを有する端部取付部材を備えたものである。
【0008】
請求項3に係る配線・配管材の布設装置は、請求項2に記載の端部取付部材が、回転ローラを回動させて巡回ロープを巡回動させる回転ローラ駆動手段を備えたものである。
【0009】
請求項4に係る配線・配管材の布設装置は、請求項1に記載の布設レールの端部に、レール体内の巡回ロープの張力を調節すべく移動する張設ローラを有する端部取付部材を備えたものである。
【0010】
請求項5に係る配線・配管材の布設装置は、請求項4に記載の端部取付部材の張設ローラが、布設レールに対する側方への移動により、前記巡回ロープの張力を調節するものである。
【0011】
請求項6に係る配線・配管材の布設装置は、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の端部取付部材が、回転ローラと前記張設ローラとを備えたものである。
【0012】
請求項7に係る配線・配管材の布設装置は、請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の端部取付部材が、相互に連結可能に形成されたものである。
【0013】
請求項8に係る配線・配管材の布設装置は、請求項7に記載の端部取付部材が、布設経路の直線部及び曲がり部において相互に連結可能に形成されたものである。
【0014】
請求項9に係る配線・配管材の布設装置は、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の布設レールが、レール体のスリットが相反する方向に臨むように形成されたものである。
【0015】
請求項10に係る配線・配管材の布設用の装置は、請求項1に記載の布設装置が布設経路に沿って複数連結されてなるものである。
【0016】
請求項11に係る配線・配管材の布設用の装置は、請求項10に記載の布設装置が布設経路の直線部及び曲がり部において連結されてなるものである。
【0017】
請求項12に係る布設レールは、配線・配管材の布設経路上に設けられて該布設経路を布設方向に沿って区画する支持部材によって支持されて前記布設経路の上方に該布設経路に沿って配設され、長手方向に連続するスリットを備えた中空筒体からなるレール体を二以上併有し、前記レール体がそれぞれ前記区画された各布設経路上に配置されるとともに、前記布設経路間を巡回動すべく張設された巡回ロープが前記レール体内にそれぞれ収容され、前記巡回ロープの巡回動により、前記レール体のスリットを介して前記巡回ロープに連結された配線・配管材またはこれを布設するための呼びロープを前記区画された布設経路にそれぞれ引込んで布設するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図1乃至図6に基づいて説明する。なお、図1及び図4は水平断面で上下2分割した下の部分を示す平面図である。
図において、布設装置1は左右一対のレール体3を有する布設レール2と、前記レール体3のシュータ4内に挿通、収容され、配線・配管材の布設路間を巡回動すべく張設された巡回ロープ7とを備え、前記巡回ロープ7の両端部に前記巡回ロープ7の巡回動を案内し、かつ、張力を調節する回転ローラ15を備えるとともに、前記回転ローラ15が枢着された端部取付部材11が設けられたものである。この布設装置1は図3に示す支持部材5を介して、配線・配管材であるケーブルCを収容する受具31に布設方向に沿って支持されている。
【0019】
前記受具31は左右一対の親桁32間に布設方向に沿って適宜間隔をおいて子桁33が架設され、全体が梯子状に形成されたものであり、ケーブルCはこの子桁33上に布設方向に沿って載置される。前記子桁33の上面中央には、図6等に示すように、2つの布設路に区画するセパレータ34が布設路に沿って立設されており、このセパレータ34は前記支持部材5の中央に形成されたスリット5a内に嵌入し、この支持部材5によって保持されるようになっている。前記支持部材5は子桁33の上面に設けられた溝33aに取着ねじ6を強制的に取着することによって前記子桁33の中央部に立設されており、前記布設レール2は、前記支持部材5の上部に一体に形成されたねじ部5bが前記布設レール2の中央の連結板2aに設けられた取付孔2bを下方から貫通し、上部にナット5cが取着されることによって前記支持部材5の上部に架設されている。
【0020】
前記布設レール2はアルミニウム等の金属材や合成樹脂等からなり、中空筒体からなる左右一対のレール体3を中央の連結板2aで連結して一体化したものであり、押出成型によって簡単に形成できる。前記一対のレール体3は内部に巡回ロープ7が挿通されるシュータ4を形成しており、その側壁には、互いに反対向きに布設方向に連続してスリット4aが設けられている。前記連結板2aには適宜間隔をおいて前記支持部材5のねじ部5bが挿通される取付孔2bが穿設されている。
【0021】
また、前記巡回ロープ7は前記布設レール2の左右一対のレール体3にそれぞれ独立して挿通、収容され、布設路に沿って往復循環させて布設路全長或いは布設路の所定間において巡回動するようになっている。
【0022】
前記巡回ロープ7の両端は連結部材8によって連結されている。前記連結部材8は板材を折曲形成し、両端に巡回ロープ7の端部を接続するための連結孔8aが設けられ、中間部にはレール体3のシュータ4内を円滑に移動できるよう走行ローラ8bが前後に2個、上下2段の計4個取付けられているとともに、シュータ4のスリット4aから側方に突出する突出部8cの接続孔8dにケーブルCを接続できるようになっている。一方、レール体3のシュータ4の内壁には、図6に示すように、前記下側の走行ローラ8bの外周面と係合、当接する内側の段部4bと上側の走行ローラ8bの外周面と係合、当設する外側の段部4cとが形成されており、これによって前記走行ローラ8bは接続されたケーブルCの負荷により、連結部材8が傾斜して大きな走行抵抗を受けることなく安定して走行し、連結部材8は円滑にシュータ4内を移動できるようになっている。なお、内側の段部4b、外側の段部4cは逆にそれぞれシュータ4の内壁の外側、内側に設けてもよい。
【0023】
また、巡回ロープ7における前記連結部材8と反対称位置である対向側の巡回ロープ7にはケーブルCを接続するためのケーブル接続具9が接続されている。このケーブル接続具9は、図6に示すように、挿通孔9aに巡回ロープ7が挿通され、この巡回ロープ7をビス等を使用して前記ケーブル接続具9に取付けるとともに、レール体3のスリット4aから外方に突出する突出部9bに設けたケーブル接続孔9cにケーブルCを接続できるようになっている。このケーブル接続具9は前記連結部材8と逆方向に移動することによってこの連結部材8と近接、離間し、布設レール2を境として連結部材8と反対側の子桁33上にケーブルCを布設するものである。これにより、巡回ロープ7を巡回動することによって、2本のケーブルCを布設レール2を境とする両側の子桁33上にそれぞれ反対側から同時に布設することも可能となっている。
【0024】
一方、巡回ロープ7の両端に取付けられた端部取付部材11は、図4及び図5に示すように、基台12が布設方向に突設されており、この基台12は布設レール2の端部に取付けられたボルト取着部材13に一端部が支持された張設ボルト14を螺進退させることによって布設方向への突出量を調整し、巡回ロープ7の張力を調整できるようになっている。前記ボルト取着部材13は取付ねじ13a及び取付ナット13bを介して布設レール2の端部に取付けられている。基台12には巡回ロープ7の巡回動を案内するとともに前記張設ボルト14を介して巡回ロープ7の張力を調節する張設ローラとしても機能する回転ローラ15が枢着軸16を介して回転自在に軸着されており、これによって巡回ロープ7はガイドローラ17によって案内されつつ円滑に正逆方向に巡回動できるようになっている。
【0025】
このような布設装置1を形成するには、予め図示しない剛性を有する呼びロープを布設レール2のシュータ4内に押込み、他端で巡回ロープ7を接続した後この巡回ロープ7を引戻すことにより、布設路に沿ってシュータ4内に巡回ロープ7を収容する。そして、左右一対のレール体3のシュータ4内に巡回ロープ7を収容して掛け巡らせた後、各端部をそれぞれ連結部材8の連結孔8aに接続して環状に形成する。次いで、端部取付部材11の張設ボルト14を螺進退し、巡回ロープ7を所要の張力に調整する。
【0026】
次に、このように構成された本実施例の布設装置1によってケーブルCを布設するには、左右一対のレール体3にそれぞれ独立して巡回ロープ7を収容し、掛け巡らせて所要の張力に調整した後、連結部材8の突出部8cの接続孔8dにケーブルCを接続し、枢着軸16に図示しないハンドルを取付けて端部取付部材11の回転ローラ15を手動で回転し、或いは、電動の回転工具を使用して巡回ロープ7を巡回動させる。
【0027】
図1においては、巡回ロープ7を矢印方向に巡回動させると、連結部材8に接続されたケーブルCがこれに追随して図の左方向に移動し、受具31の子桁33上に載置される。そこで、布設路の他端まで移動させ、全体に至ってケーブルCを引込んだ後は、布設路の他端において、ケーブルCを連結部材8から取外す。
【0028】
ここで、連結部材8が移動する反対側のシュータ4には、ケーブル接続具9が取付けられている。したがって、布設レール2を境として反対側の子桁33上にケーブルCを布設するには前記ケーブル接続具9にケーブルCを接続し、巡回ロープ7を巡回動させることによって同様にケーブルCを布設することができる。
【0029】
なお、図1に示すように、左端側でこのケーブル接続具9に他のケーブルCをも接続しておけば、巡回ロープ7を図1の矢印方向に巡回させることにより、連結部材8は図の左方向に、前記ケーブル接続具9は図の右方向に移動する。これにより、巡回ロープ7を一端から他端に向けて移動させるだけで2本のケーブルCを同時に受具31に布設することができる。
【0030】
このように、本実施例の配線・配管材の布設装置は、長手方向に連続するスリット4aを備えた中空筒体からなるレール体3を二個併有し、布設経路に沿って配設される布設レール2と、前記レール体3内にそれぞれ収容されて前記布設経路間を巡回動すべく張設された巡回ロープ7とからなり、前記巡回ロープ7の巡回動により、前記レール体3のスリット4aを介して前記巡回ロープ7に連結されたケーブルCまたはこれを布設するための呼びロープを前記布設経路に沿って引込んで布設するものである。
【0031】
したがって、巡回ロープ7はレール体3内に収容されて布設経路に沿って往復巡回するので、互いに絡み合ったり、弛んでものに引掛かったりすることなく円滑に移動し、格別大きな剛性或いは張力を要することなく、重量のあるケーブルCでも確実に引込むことができる。また、先にシュータ4内に呼びロープを送り込むなどの操作によって巡回ロープ7を簡単に布設レール2に掛け回すことができる。更に、布設レール2の両端に張設ボルト14を備えた端部取付部材11を取付けているので、巡回ロープの張力を簡単に調整することができる。
【0032】
次に、本発明の別の実施例における配線・配管材の布設装置を図7乃至図10に基づいて説明する。なお、図7及び図10は水平断面で上下2分割した下の部分を示す平面図である。
【0033】
この別の実施例は前述の実施例と比較して端部取付部材11が異なり、回転ローラ15とガイドローラ17との間に巡回ロープ7を両側方に拡開させてその張力を調整する手段を設けたものである。
【0034】
図7及び図8において、端部取付部材11は、布設レール2の両端部に取付ねじ13a及び取付ナット13bを介して基台12が取付けられており、この基台12に回転ローラ15及びガイドローラ17が取付けられ、更に、張設ローラ保持台18を介して張設ローラ19が側方に移動自在に取付けられている。前記張設ローラ19はその軸19aが布設方向に対して直角方向に形成されたガイド溝20内を移動できるようになっている。そして、張設ローラ19を保持する張設ローラ保持台18は蝶ねじ21、ナット22及び係合板23からなる張設ローラ移動手段によって前記ガイド溝20に沿って移動できるようになっている。前記蝶ねじ21にはこれを一定位置に保持するナット22が取着されており、先端部には前記張設ローラ保持台18と係合して移動させる係合板23が取付けられている。
【0035】
即ち、張設ローラ19を側方に移動させるには、ナット22に対して蝶ねじ21を両側方に螺進退させて係合板23を移動させることにより、これと係合する張設ローラ保持台18をそれに追随して移動させて行なうことができる。なお、張設ローラ19を側方に移動させることに伴い、巡回ロープ7はガイドローラ17と張設ローラ19との間を通過し、回転ローラ15と張設ローラ19との間で交差して移動する。
【0036】
本実施例はこのように構成されているから、巡回ロープ7の張力を例えば図7に示す張力よりも大きくしたい場合には、ナット22に対して蝶ねじ21を端部取付部材11の外側方向に後退させれば、図10に示すように、各張設ローラ19は互いに離反する外側方向に移動する。このようにして、巡回ロープ7の張力は任意の大きさに簡単に調整することができる。
【0037】
特に、本実施例の場合には、蝶ねじ21によって張設ローラ19を布設方向に対して直交する外側方向に移動させることができるので、後述する実施例のように端部取付部材11同士を接続するときに、張力調整作業に支障をきたすことがない。即ち、仮に蝶ねじ21を布設方向に移動させるものとすると、端部取付部材11同士を接続した状態においては、蝶ねじ21を布設方向に螺進退させる操作が極めてやりづらく或いは操作不能となるのであるが、本実施例では、蝶ねじ21を直交方向に操作するものとしているので、そのような制約を受けることがない。また、端部取付部材11同士を接続する場合に限らず、場所、スペース的な制約から、布設方向に操作できない場合に効果がある。
【0038】
次に、本発明の更に別の実施例を図11及び図12に基づいて説明する。
図11においては、連結部24において連結具25を取付けることにより、端部取付部材11同士を直線状に連結した実施例を示す。また、図12においては、布設経路の曲がり部において端部取付部材11同士を連結する実施例を示し、この場合は長孔26aを有する連結板26を取付け、ボルト、ナット等の連結具25を使用して端部取付部材11同士を連結することができる。
これにより、布設装置1を適宜増設して全長の異なる任意の布設経路に対応してケーブルCを布設することができる。
【0039】
ところで、上記各実施例では、親桁32と子桁33とからなる受具31上にケーブルCを布設するものを示しているが、例えば、図13乃至図15に示すような受具31に布設することもできる。
【0040】
図において、略山字状に形成されてケーブルCの載置部35を有する受具31は布設方向に所定間隔をおいて並置され、各受具31の中央の支柱36の上端部に布設レール2の左右のレール体3を連結する連結板2aが載置され、更に、前記連結板2aに略T字形状をなす取着部材37が載置された後、前記取着部材37がボルト38を介して受具1の支柱36に嵌込まれたナット39に取付けられており、これにより、受具31に布設装置1が組付けられたものとなっている。
【0041】
ここで、前記取着部材37はT字形状の水平部37aが略角柱状に、また、垂直部37bが円柱状に形成され、前記布設レール2の連結板2aに対して一定のストロークを上下動できるようになっている。そして、前記取着部材37の垂直部37bは一対のレール体3間に嵌入することによって水平方向への回動が規制されるものとなっている。
【0042】
したがって、この受具31は、図14に示すように、水平部37aが布設レール2のレール体3間に嵌入し、受具31の載置部35が布設レール2のレール体3に対して直交して布設可能である状態と、取着部材37を上端まで持上げてから水平方向に90度回動することにより、図15に示すように、取着部材37の水平部37aがレール体3の上面に載置され、受具31の載置部35が布設レール2のレール体3と平行して収納、保管に適した状態との2つの状態に切替えできるものとなっている。
【0043】
この実施例では、図14に示すように、取着部材37の水平部37aを布設レール2のレール体3間に嵌入し、受具31におけるケーブルCの載置部35と前記布設レール2のレール体3とが直交し、布設可能な状態とした後、布設レール2のシュータ4において巡回ロープ7を巡回動させることにより、前述の各実施例と同様に、ケーブルCは受具31の載置部35上に布設される。
【0044】
ところで、上記各実施例では、布設レール2は1段に構成しているが、本発明を実施する場合には、上下に複数段設けたものとすることもできる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明の配線・配管材の布設装置は、配線・配管材の布設経路上に設けられて該布設経路を布設方向に沿って区画する支持部材と、前記支持部材に支持されて前記布設経路の上方に該布設経路に沿って配設され、長手方向に連続するスリットを備えた中空筒体からなるレール体を二以上併有し、前記レール体がそれぞれ前記区画された各布設経路上に配置されてなる布設レールと、前記レール体内にそれぞれ収容されて前記布設経路間を巡回動すべく張設された巡回ロープとからなり、前記巡回ロープの巡回動により、前記レール体のスリットを介して前記巡回ロープに連結された配線・配管材またはこれを布設するための呼びロープを前記区画された布設経路にそれぞれ引込んで布設するものである。したがって、巡回ロープはレール体内に収容されて布設経路に沿って往復巡回するので、互いに絡み合ったり、レール体から外れることなく、また、格別大きな剛性を要することなく、円滑に移動し、重量のある配線・配管材でも確実に引込むことができる。更に、先にシュータ内に呼びロープを送り込むなどの操作によって巡回ロープを簡単に布設レールに掛け回すことができる。
【0046】
また、端部取付部材を備え、その端部取付部材に、布設レールに対して側方に移動することによって巡回ロープの張力を調節する張設ローラを設けた配線・配管材の布設装置は、特に、端部取付部材を介して相互に接続した布設装置において、布設経路の側方から巡回ロープの張力調整作業を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における配線・配管材の布設装置を示す平面図である。
【図2】図1の配線・配管材の布設装置の要部側面図である。
【図3】図1の配線・配管材の布設装置を受具に組付けた状態を示す正面図である。
【図4】図1の配線・配管材の布設装置の端部を示す平面図である。
【図5】図1の配線・配管材の布設装置の端部を示す側面図である。
【図6】図1の配線・配管材の布設装置を示す拡大正面図である。
【図7】本発明の別の実施例における配線・配管材の布設装置の端部取付部材を示す平面図である。
【図8】図7の端部取付部材の断面図である。
【図9】図7の端部取付部材の要部正面図である。
【図10】図7の張設ローラを外側方向に移動させた端部取付部材を示す平面図である。
【図11】本発明の更に別の実施例における配線・配管材の布設装置の端部取付部材同士を連結した状態を示す平面図である。
【図12】図11の端部取付部材同士を布設経路の曲がり部において連結した状態を示す平面図である。
【図13】本発明の実施例における配線・配管材の布設装置が適用される別の受具を示す分解斜視図である。
【図14】図13の受具に本発明の実施例における配線・配管材の布設装置を組付けた、布設、使用時における状態を示す正面図である。
【図15】図13の受具に本発明の実施例における配線・配管材の布設装置を組付けた、収納、保管時における状態を示す正面図である。
【図16】従来の配線・配管材の布設装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 布設装置
2 布設レール
3 レール体
4a スリット
7 巡回ロープ
11 端部取付部材
15 回転ローラ
19 張設ローラ
24 連結部
25 連結具
26 連結板
C ケーブル

Claims (12)

  1. 配線・配管材の布設経路上に設けられて該布設経路を布設方向に沿って区画する支持部材と、
    前記支持部材に支持されて前記布設経路の上方に該布設経路に沿って配設され、長手方向に連続するスリットを備えた中空筒体からなるレール体を二以上併有し、前記レール体がそれぞれ前記区画された各布設経路上に配置されてなる布設レールと
    記レール体内にそれぞれ収容されて前記布設経路間を巡回動すべく張設された巡回ロープとからなり、
    前記巡回ロープの巡回動により、前記レール体のスリットを介して前記巡回ロープに連結された配線・配管材またはこれを布設するための呼びロープを前記区画された布設経路にそれぞれ引込んで布設することを特徴とする配線・配管材の布設装置。
  2. 前記布設レールの端部に、前記レール体内の巡回ロープの巡回動を案内する回転ローラを有する端部取付部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材の布設装置。
  3. 前記端部取付部材は、回転ローラを回動させて巡回ロープを巡回動させる回転ローラ駆動手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の配線・配管材の布設装置。
  4. 前記布設レールの端部に、前記レール体内の巡回ロープの張力を調節すべく移動する張設ローラを有する端部取付部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材の布設装置。
  5. 前記端部取付部材の張設ローラは、前記布設レールに対する側方への移動により、前記巡回ロープの張力を調節することを特徴とする請求項4に記載の配線・配管材の布設装置。
  6. 前記端部取付部材は、前記回転ローラと前記張設ローラとを備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の配線・配管材の布設装置。
  7. 前記端部取付部材は、相互に連結可能に形成されたことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の配線・配管材の布設装置。
  8. 前記端部取付部材は、布設経路の直線部及び曲がり部において相互に連結可能に形成されたことを特徴とする請求項7に記載の配線・配管材の布設装置。
  9. 前記布設レールは、前記レール体のスリットが相反する方向に臨むように形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の配線・配管材の布設装置。
  10. 請求項1に記載の布設装置が布設経路に沿って複数連結されてなることを特徴とする配線・配管材の布設用の装置。
  11. 前記布設装置は、布設経路の直線部及び曲がり部において連結されてなることを特徴とする請求項10に記載の配線・配管材の布設用の装置。
  12. 配線・配管材の布設経路上に設けられて該布設経路を布設方向に沿って区画する支持部材によって支持されて前記布設経路の上方に該布設経路に沿って配設され、
    長手方向に連続するスリットを備えた中空筒体からなるレール体を二以上併有し、前記レール体がそれぞれ前記区画された各布設経路上に配置されるとともに、
    前記布設経路間を巡回動すべく張設された巡回ロープが前記レール体内にそれぞれ収容され、
    前記巡回ロープの巡回動により、前記レール体のスリットを介して前記巡回ロープに連結された配線・配管材またはこれを布設するための呼びロープを前記区画された布設経路にそれぞれ引込んで布設することを特徴とする配線・配管材の布設レール。
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