JP3595701B2 - 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法 - Google Patents

搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3595701B2
JP3595701B2 JP29454498A JP29454498A JP3595701B2 JP 3595701 B2 JP3595701 B2 JP 3595701B2 JP 29454498 A JP29454498 A JP 29454498A JP 29454498 A JP29454498 A JP 29454498A JP 3595701 B2 JP3595701 B2 JP 3595701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
canvas
resin
belt
film
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29454498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000109207A (ja
Inventor
和利 藤城
克也 深谷
博之 南部
博之 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsuboshi Belting Ltd filed Critical Mitsuboshi Belting Ltd
Priority to JP29454498A priority Critical patent/JP3595701B2/ja
Publication of JP2000109207A publication Critical patent/JP2000109207A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3595701B2 publication Critical patent/JP3595701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Belt Conveyors (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法に関し、特にベルトの搬送面に搬送物の付着あるいは搬送物中よりの滲出、漏出物のベルト表面への付着防止、ベルト搬送面の耐摩耗性の向上、さらに長期に亘りベルトの表皮帆布のベルト本体よりの剥離を抑止しうる搬送用ベルトおよびそのベルトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種形式、構造からなる搬送用ベルトにおいて、搬送面への搬送物の付着防止、さらに容易な搬送物のベルト面よりの分離、さらに搬送物中よりの滲出、漏出物の拭去などを目的として、ベルト搬送面に位置する表皮帆布中に、フッソ樹脂が保有する高温および低温における安定性が高く、化学的には不活性で、表面摩擦係数が小さく、物品との剥離性に優れているという物品の運搬面にて好ましい物性を積極的に利用して、多量のフッソ樹脂をコーティングした技術構成が採用されている。
【0003】
この耐熱性、離型性に優れ、かつ摩擦係数の小さいという好ましい各種の特性を有するフッソ樹脂は搬送用ベルトの表面に、その一構成部材として配された表皮帆布にコーティングされて多用されている。また物品の搬送と共に、直接ベルト上で各種作業が遂行される分野にて、稼動するベルトとして、例えば特開平10−120137号公報に見られるように、その搬送、作業面の大きい幅広ベルトにおいては、多量のフッソ樹脂を表皮帆布にコーティングせしめることにより、これによって奏せられる効果も一段と顕著なものとなる。
【0004】
前記特開平10−120137号公報中に開示された極端なまでの幅広ベルトは、特にその一使用分野として、段ボール紙製造装置の一構成部材として用いられた折に、特に顕著な効果を奏しうるものである。
【0005】
この幅広ベルトを組込んでなる段ボール紙製造装置41は、図7にその一例を示すように、噛合する一対の歯型ロール42A,42B間には中芯紙43が送り込まれ、両ロール42A,42Bの噛合の過程にて、中芯紙43にはコルゲート型付けが実行され、型付けされた中芯紙43の各段頂部には糊塗布装置44にて澱粉糊付けが実施される。前記、糊塗布装置44を付設せしめた側の歯型ロール42B面には、段ボール紙内に含浸された水分の蒸発気化と正確な型付けを実施するための加熱装置(図示省略)を装備した加圧用無端ベルト機構45、即ち一対のドラム状プーリ46,46間に懸架されたこの幅広ベルトWBの一部分が円弧状の当接領域を保って圧接可能に配されている。この幅広ベルトWBと歯型ロール42B間に送り込まれるライナー紙47は、歯型ロール42B面の一部に巻き付き移動中、糊付き中芯紙43Aと重ね合されて、幅広ベルトWBと歯型ロール42B間にて圧接着されて、段ボール紙48が完成する。
【0006】
この折の幅広ベルトWBはライナー紙47および完成せる段ボール紙48の搬送作業と共に、幅広ベルト上にて、歯型ロール42Bによる糊付きの型付き中芯紙43Aとライナ紙47との貼付け作業が実行されるため、幅広ベルトは搬送面よりの製品たる段ボール紙との容易な分離、さらに搬送面に付着した漏出糊の簡易な拭去の実現のため、ベルトの表皮帆布にはパウダー状のフッソ樹脂と耐熱性エラストマーの配合物が多量にコーティングされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
搬送用ベルトの表面部を構成する表皮帆布にフッソ樹脂をコーティングせしめることにより、フッソ樹脂の離型性、表面摩擦抵抗が小さいという特性は、特殊な技術分野における物品の搬送に望ましい効果を確かに発揮するも、その反面、フッソ樹脂をコーティングせしめた表皮帆布は、ベルトの他の構成部材との接着性が極めて悪く、これが原因で起る表皮帆布に発生する剥離現象は、ベルト自体の耐久性そのものを低下せしめる一因ともなっていた。
【0008】
この発明はそれぞれに物性の相異る、具体的に耐摩耗性に優れたフッソ樹脂、また溶融粘度の低い、かつフィルム状になりやすい特性を保有するフッソ樹脂材を組合せて、あるいはさらにこれに耐摩耗性に優れた金属酸化物などを配合せしめて、フッソ樹脂材がそれぞれに保有する特性を十分利用しつつ、併せてこの表皮帆布をベルト本体表面にフッソ樹脂の存在により、その接着力が劣化する欠点をも十分取除き、その使用に耐え得るに十分の接着力を確保せしめて、上記課題を解決した搬送用ベルト全般、さらには幅広の特殊な搬送ベルト、具体的に段ボール紙製造装置の一構成部材として用いる、離型性に優れ、かつ広範な搬送面、作業面を有し、かつ十分のフッソ樹脂材を含浸せしめ、特に表皮帆布の耐摩耗性と併せ、表皮帆布の全体的な摩耗に至るまで、十分の耐久性を保ちうる表皮帆布を用いた幅広搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、前記特開平10−120137号公報中にて開示した段ボール紙製造装置の一部材として組込まれる幅広ベルトにおいて、表皮帆布の表面側略半分部分にコーティングせしめたパウダー状のフッソ樹脂材が耐熱性エラストマーとの配合物にて構成される結果、この耐熱性エラストマーの存在により搬送用ベルトの搬送面における表面摩擦抵抗の増大、離型性の劣化の不都合をも併せ排除せしめることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
これら目的を達成するために、この発明に係る搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法はつぎのような構成を採用している。
【0011】
まず、ごく一般的な搬送ベルトにあっては、芯体を含み、他のベルト構成部材を積層状に配したベルトには、高密度織の表皮帆布がベルトの表面側搬送面に貼着されており、この表皮帆布は、その内部を含めて表裏両面に、耐摩耗性に優れた樹脂と溶融粘度が低いフィルム状となり易い、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂の複数からなるブレンド材が、あるいはこのブレンド材に耐摩耗性に優れた金属酸化物などの粉粒状配合部材の混合物が含浸され、一方芯体帆布は表皮帆布内に含浸された溶融粘度が低くフィルム状になり易いフッソ樹脂と同一樹脂を少なくとも表皮帆布側に含浸せしめて、表皮帆布および芯体帆布の貼着面には、芯体帆布に含浸せしめたと同一のフッソ樹脂フィルムを介在せしめ、その接着性を高めていることを特徴としている。
【0012】
つぎに特殊な搬送用ベルトとしての、段ボール紙製造装置用(コルゲートマシン用)幅広搬送用ベルトは、具体例として横幅約1200〜3000mm,その肉厚は3.5mm以内の極薄のベルトで、ベルトの一部を構成する幅広の帆布芯体は、ベルト長手および幅方向共にシームレスの段差のない無端状で、この帆布芯体の少なくとも表面側搬送面には、溶融粘度が低くフィルム状となりやすい物性を有するフッソ樹脂が含浸されている。そしてこの芯体帆布の上面にはベルト長手方向に伸縮性を有し、かつ高密度織の表皮帆布が貼着されている。この表皮帆布には、耐摩耗性に優れた樹脂および溶融性に富み、加熱後フィルム状となり易い、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂材の複数のブレンド材が、あるいはこのブレンド材に耐摩耗性に優れた金属酸化物などの粉粒状配合部材の混合物が表皮帆布の表裏両面を含めて全体に含浸され、表皮および芯体の両帆布はフッソ樹脂の溶融性を用いて、さらに表皮および芯体帆布の接着面には一段の接着力の向上を求めて溶融粘度の低いフッソ樹脂フィルムを介在せしめて貼着されていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る一般的な搬送ベルトの製造方法は、芯体を含み、他のベルト構成部材を積層し、ベルトの搬送面に高密度織の表皮帆布を貼着するに先立って、表皮帆布の表裏両面を含んで全体に、耐摩耗性、溶融性とそれぞれに物性の相異るフッソ樹脂の複数からなるブレンド材、あるいはこのブレンド材と耐摩耗性に優れた金属酸化物などの粉粒状配合部材の混合物の含浸処理工法を実施し、表皮帆布にフッソ樹脂ブレンド材、あるいはこのブレンド材と耐摩耗性配合部材を含浸せしめる。一方芯体帆布には、前記表皮帆布内に含浸された溶融粘度が低いフッソ樹脂の単体を少なくとも表皮帆布側に含浸せしめて、帆布芯体と表皮帆布は、それぞれに含浸せしめたフッソ樹脂の溶融性を用いて、さらに表皮および芯体帆布の貼着面に、溶融粘度の低いフッソ樹脂フィルムを介して、表皮および芯体帆布に含浸されたフッソ樹脂および樹脂フィルムを構成するフッソ樹脂の溶融性を用いて両帆布はその接合を一段強固なものとしている。
【0014】
なお、前記表皮帆布への含浸処理工程は、物性の相異る複数のフッソ樹脂材からなるブレンド材、あるいはこのブレンド材と配合部材の粉粒状の混合物のディスパージョン手段を帆布全面に実施し、また前記芯体帆布への単一フッソ樹脂材の含浸処理も、同じく樹脂材のディスパージョンを芯体帆布表面に実施し、その後この表皮帆布および芯体帆布の焼成または/さらに加熱プレスを行う工法を採用したことを特徴とする。
【0015】
つぎに、幅広搬送用ベルト、特に段ボール紙製造装置組込み用(コルゲートマシン用)として、特異な分野にて効果が発揮される特殊な幅広搬送用ベルトの製造方法は、極薄板状のベルトの一部を構成する幅広の芯体帆布は、ベルト長手および幅方向ともシームレスの段差のない無端状で、該芯体帆布の少なくとも表面側には、溶融粘度の低いフィルム状となり易い物性を有するフッソ樹脂が含浸せられている。一方ベルト長手方向に伸縮性を有する高密度織の表皮帆布の表裏両面を含めて、表皮帆布全体に、耐摩耗性、溶融性とそれぞれ物性の相異るフッソ樹脂の複数からなるブレンド材、あるいはこのブレンド材と耐摩耗性に優れた金属酸化物などの粉粒状の配合部材との混合物の含浸処理工法を実施し、芯体帆布と表皮帆布は、両帆布に含浸せしめた溶融粘度の低い物性を有するフッソ樹脂の加熱溶融を含む加圧手段を用いて芯体帆布表面に表皮帆布を貼着する。なお、その折両帆布間に溶融粘度の低いフッソ樹脂フィルムを介在せしめて、両帆布の溶融着をより一段と強固なものとすることができる。
【0016】
そして前記表皮帆布への含浸処理工程は、物性の相異る複数のフッソ樹脂材からなるブレンド材、あるいはこのブレンド材と配合部材の混合物のディスパージョン手段を表皮帆布両面に実施し、また芯体帆布への単一フッソ樹脂材の含浸処理は同じく樹脂材のディスパージョンを芯体帆布表面に実施し、この表皮帆布および芯体帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに熱プレスを行う工法を採用したことを特徴とする。
【0017】
本発明において、表皮帆布への含浸処理に用いられる前記物性の相異るフッソ樹脂材としては、耐摩耗性に優れたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状となりやすいPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体),FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体),PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)のうちの一つがブレンドされる。
【0018】
また本発明において、芯体帆布へ含浸されるフッソ樹脂は溶融粘度が低く、加熱処理後、フィルム状となりやすいPFA,FEP,PCTFEのうちの一つが用いられ、また芯体および表皮帆布の接着時、両帆布間に介在せしめられるフッソ樹脂フィルムも同じくこれら樹脂のうちの一つが用いられ、かつ両帆布に含浸され、樹脂フィルムを構成する溶融性樹脂は、一段と強固な接着性を求めて単一フッソ樹脂が用いられている。
【0019】
またブレンドされたフッソ樹脂材中に、より一段の耐摩耗性の向上を希求して配合される配合部材としては、金属酸化物としての酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、その他マイカ、ガラス短繊維、ガラスビーズの中より適宜の一つが選択される。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、この発明に係る形状、構造的にはごく一般的な搬送用ベルトおよび段ボール紙製造装置の一構成部材として組込まれる極薄板状の特殊な幅広搬送用ベルトにつき、図面を用いて説明する。
【0021】
一般的な搬送用ベルト1は、図1のベルト一部の斜視図、図2のベルトの一部の拡大断面図をもって示すように、ベルト中心部には芯体帆布2が配され、芯体帆布2の表面には溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状となりやすいフッソ樹脂フィルム3を介して、ベルト表面側に、ベルト搬送面を形成する平織などを主体とする高密度織からなる表皮帆布5が積層一体化されている。また必要とあれば芯体帆布2の裏面側に仮想線表示のごとく、裏面帆布6を配することもできる。
【0022】
以上の搬送用ベルトの構成は、従来より多用されていたものと大きな相違はないが、この発明は高密度に織製された表皮帆布5の、表裏両面を含んで、表皮帆布の全体には、図2中、縞模様にて示すように溶融手段などにて接合処理された、それぞれ物性の相異る複数のフッソ樹脂のブレンド材7が含浸されている。
【0023】
なお、表皮帆布5中にブレンドされ、含浸される物性の相異るフッソ樹脂材としては、耐摩耗性に優れたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と、溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状となりやすいPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体),FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体),PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)などのうち適宜一つが組合されて用いられる。
【0024】
一方、芯体帆布2には、少なくとも表皮帆布貼着側部分に、即ち図2中、斜線模様にて示すように、溶融粘度が低く、加熱後フィルム状となり易いフッソ樹脂4、即ちPFA,FEP,PCTFEのうち適宜の一つが含浸され、以上の構成よりなる表皮および芯体帆布の接着面には、同じく加熱後溶融性に富むフッソ樹脂フィルム3を介して、加熱加圧する手段により、両帆布は一体化される。なお、この折表皮および芯体帆布に含浸されるフッソ樹脂、その間に介在するフッソ樹脂フィルムは、溶融性に富み、フィルム状となりやすい同一フッソ樹脂を用いることにより、溶融着による両帆布の接着力は一層強力なものとなる。
【0025】
つぎに段ボール紙製造装置(コルゲートマシン)中に組込まれる一構成部材としての極薄板状の特殊な幅広搬送用ベルトにつき、その詳細を説明する。
図3はこの発明を実施した幅広ベルトの一部の斜視図、図4は同ベルトの一部の拡大断面図である。
この発明に係る幅広搬送用ベルトは、幅広であると共に極薄のベルトである。具体的に横幅約1200〜3000mm、その肉厚は約3.5mm以下と、その熱伝導性を良好なものとし、かつ成形ローラとの広域に亘る円滑なる接触を保持するための、極端なまでの薄板状のベルト形状にもこのベルトの特異性が表れている。そして本搬送用ベルトの極薄さは、その構成材が表皮帆布と芯体帆布の最少の二枚の帆布構造にて特徴づけられている。
【0026】
幅広搬送用ベルト11の裏面側に配される幅広の芯体帆布12は、低伸度高強力な織製帆布、具体的に芳香族ポリアミド繊維糸(別名アラミド繊維)あるいはポリエーテルエーテルケトン製繊維糸にて、筒状に、即ち無端状に織製され、エンドレスに織製された芯体帆布12は、ベルトの円滑な走行を助けるため長手周方向および幅方向共に全く段差のないシームレス状を呈している。
【0027】
芯体帆布12は前記繊維からなるフィラメントの長繊維を引き揃え、または撚り合せて1本当りの繊度が1000〜2000デニールのヤーンを、さらに2本乃至10本撚り合せてなるコードをもって平織,マット織,綾織又は朱子織にて織製する。なお、芯体帆布の構成コード1本当りの繊度が1000〜2000デニールのヤーンの撚り回数は50回数/m〜100回数/mである。そして、芯体帆布12を構成し、ベルト長手周方向に一致する縦コード18およびベルト幅方向に一致する横コード19の本数、すなわちコード密度は5cm当り10〜50本で、かつ、この折のコード本数のバラツキは芯体帆布全幅及び全長にわたり±0.5本以内に構成されており、これによりベルト自体の局部的な過大な伸び現象は抑制され、またベルトの応力集中による早期切断という最悪の事態を未然に阻止している。
【0028】
また、幅広ベルトの走行時に発生する蛇行現象は、芯体帆布を構成する縦方向のコード撚り方向について、縦コード18は1本毎にS方向撚りとZ方向撚りを交互に組合せ、これによりベルトの蛇行走行を抑止している。
【0029】
芯体帆布12の表面には、加熱溶融性に富むフッソ樹脂フィルム13を介してベルト長手周方向に伸縮性を有する表皮帆布15が、積層貼着されている。
【0030】
この表皮帆布15は、ベルト長手方向に一致する縦コード22に芳香族ポリアミド繊維(別名パラ系アラミド繊維又はメタ系アラミド繊維)とウレタン弾性繊維との混撚糸を、またベルト幅方向に一致とする横コード23に芳香族ポリアミド繊維糸,ナイロン繊維糸,ポリエステル繊維糸のうち、一つの繊維糸を用いた平織、綾織又は朱子織帆布を用い、あるいは芳香族ポリアミド繊維糸を用いたメリヤス織帆布をもって構成されている。
【0031】
なお、前記縦コード22についての具体的数値は、パラ系アラミド繊維糸の場合、太さ100〜300デニール(D),撚り本数1〜3本,メタ系アラミド繊維糸の場合、紡績糸20〜40番手,撚り本数1〜4本であり、ウレタン弾性繊維糸140D/lとの混撚糸で、その打込本数は5cm当たり、100〜140本である。
【0032】
一方、前記横コード23についての具体的数値は、パラ系アラミド繊維糸の場合、太さ100〜300デニール(D),撚り本数1〜3本、メタ系アラミド繊維糸の場合、紡績糸20〜40番手,撚り本数1〜4本であり、またナイロン繊維糸またはポリエステル繊維糸の場合、太さ100〜300デニール(D),撚り本数1〜3本,またその打込本数は5cm当たり、70〜100本である。
【0033】
なお、ベルト長手方向に一致する縦コード22の一部に弾性繊維糸を用いることにより、その伸びは切伸で100%以上を有している。
【0034】
前記、芯体帆布12および表皮帆布15の少なくとも、その一部を構成する芳香族ポリアミド繊維にはパラ系とメタ系の二つがあり、そのうちパラ系アラミド繊維(正式名:ポリパラフェニレンイソフタルアミド)としては、トアロン(エンカ社の商品名),ケブラー(デュポン社の商品名),テクノーラ(帝人の商品名)が、またメタ系アラミド繊維(正式名:ポリメタルフェニレンイソフタルアミド)としては、コーネックス(帝人の商品名),ノーメックス(デュポン社の商品名)などがある。
【0035】
なお、この表皮帆布15として2/2綾織帆布を用いた場合、帆布織製後、水中にてこの帆布に振動を与え、製織時の1/2から2/3幅まで収縮せしめておくことにより、ベルトの一構成部材として貼合せた後の帆布には伸びが戻り、ベルト走行、屈曲時のベルト変形にも、よく追随し、表皮帆布の剥離抑止効果が発揮される。
【0036】
また前記高密度に織り上げた表皮帆布15には、その表裏両面を含んで、その全体に亘って図4中、縞模様にて示すように溶融手段などにて接合処理されたそれぞれ物性の相異る複数のフッソ樹脂のブレンド材17が含浸されている。また芯体帆布12には少なくとも表皮帆布15貼着側には同じく斜線模様にて示すごとく溶融粘度が低く、フィルム状となり易いフッソ樹脂14が含浸されている。
【0037】
なお表皮帆布15の表裏両面を含んで内部にまで含浸される、それぞれ物性の相異るフッソ樹脂材の詳細は、前述のとおりPTFEとPFA,FEP,PCTFEのうちの一つが組合されて用いられる。
【0038】
前記2種類の搬送用ベルト1および11の表皮帆布の全体に亘って含浸されるブレンドされたフッソ樹脂材7,17中心の構成に代えて、図5および図6の他の実施例に係るベルトの一部断面図をもって示すように、両搬送用ベルト21,31の表皮帆布5a,15aの全体に亘って含浸される、ブレンドされた、それぞれ物性の相異るフッソ樹脂材7a,17aに、さらに耐摩耗性に優れた配合部材26,36、具体的に金属酸化物たる酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、あるいはマイカ、ガラス短繊維、ガラスビーズの一つを混入せしめることにより、表皮帆布の一段の耐摩耗性の向上を達成することができる。なお図5および図6上に表示される他の構成符号は図1,図2および図3,図4上にて、すでに説明した構成相当部、および相当部材を示す。
【0039】
さらに、前記ブレンドされたフッソ樹脂材にかえて、溶融粘度の低いフッソ樹脂材、即ちPFA,FEP,PCTFEの樹脂材中の一つと耐摩耗性に優れた前記配合部材の一つを用いて混合してなるブレンド材のディスパージョン手段をもって、表皮帆布の全体にこれら混合物を含浸せしめる手段を採用することも可能である。
【0040】
一方、加熱後フィルム状となり易いフッソ樹脂を含浸せしめた芯体帆布、芯体帆布と表皮帆布間にフッソ樹脂フィルムを介しての加熱、加圧融着接合、両帆布に含浸されたフッソ樹脂材と樹脂フィルムを同一樹脂材を用いることにより奏せられる両帆布の強力な接着効果などは、前記一般の搬送用ベルトの説明に関し記述したとおりである。
【0041】
つぎに、搬送用ベルトの製造方法の説明に移るも、図1、図2、図3、図4および図5、図6を用いてそれぞれ説明した一般の搬送用ベルトおよび特殊な分野にて使用されるコルゲートマシン用の幅広搬送用ベルトにおいて、この製造方法の特徴ある構成部は、その接着性に難点のあるフッソ樹脂材を含浸せしめた表皮帆布と芯体帆布との接着性、表皮帆布の摩擦係数の減少化、耐久性の確保およびベルト表面への付着物の離型性の改善に向けられている。
【0042】
即ち、一般の搬送用ベルトおよび特殊な幅広搬送用ベルト共に、積層化されたベルトの搬送面に貼着される表皮帆布に対し、特に高密度に織り上げた表皮帆布に、フッソ樹脂材またはこのフッソ樹脂材に耐摩耗性に優れた配合部材を配した混合物を含浸せしめることにより、表皮帆布の離型性の確保と共に、この表皮帆布とベルトの他の積層構成部との長期かつ強固な貼着力の確保を意図した搬送用ベルトの製造方法にある。
【0043】
以下、一般の搬送用ベルトおよび幅広搬送用ベルト共に、ごく一般的である部分の詳細な説明は割愛して、表皮帆布および芯体帆布のベルトを構成する貼着に先立つ、処理工法を一括して説明する。
【0044】
表皮帆布に対するフッソ樹脂材の含浸処理方法にあって、まず、物性の相異るフッソ樹脂のブレンドのディスパージョンに関しては、この折採用されるフッソ樹脂として、耐摩耗性に優れてはいるが、反面溶融粘度が高く、加熱処理後、フィルム状となりにくい傾向のあるPTFEが、また、溶融粘度が反対に低いため、加熱処理後、フィルム状になり易い傾向のあるPFA,FEP,PCTFEが採用され、耐摩耗性に優れたフッソ樹脂材PTFEに対し、フィルム状溶融可能なフッソ樹脂材PFA,FEP,PCTFEのうちの一つをもって両フッソ樹脂材はブレンドされる。
【0045】
この場合、フッソ樹脂材の配合比の具体例としては、PTFEとPFA,FEP又はPCTFEは5:95〜50:50に設定され、好ましくは10:90〜40:60の範囲に設定される。
また、この折のフッソ樹脂材のディスパージョンの粘度は1000〜10000cpsで、粉状固形のブレンドされたフッソ樹脂材に混入される増粘剤、例えばメチルセルローズの配合割合は、樹脂材100重量部に対し、1〜10重量部である。
【0046】
粉状固形のフッソ樹脂材と増粘剤、水を混合し、これを表皮帆布の全面に平均して散布し、フッソ樹脂の厚み10〜300ミクロンとなし、焼成処理を行う。この折の焼成条件は、温度:フッソ樹脂材の融点+30℃、時間:3〜30分、これにより溶解したフッソ樹脂材を表皮帆布の表裏両面を含んで、帆布全体に含浸せしめる。
【0047】
以上の焼成処理後の表皮帆布に付着したフッソ樹脂層をフィルム化する場合には、さらにこれに対し、加熱プレス処理を実行する。この折のプレス処理条件は、
温度:フッソ樹脂の融点+約30℃、 時間:30秒〜3分、 圧力:2〜10kgf/cmである。
【0048】
フッソ樹脂を表皮帆布面にディスパージョン(散布処理)し、前記焼成処理を実施することなく未焼成の処理帆布に対し、加熱プレス処理にて、フッソ樹脂の溶解とフィルム化を同時に実行せんとする折の加熱プレス処理条件は、
温度:フッソ樹脂の融点+約30℃、 時間:30秒〜15分、 圧力:2〜10kgf/cmである。
【0049】
以上の処理作業は、表皮帆布の厚み、織糸の織密度、織糸の太さ、さらに粉状固形フッソ樹脂の散布量などの相対的変化に対応して実行され、フッソ樹脂材の目付量は、100〜700g/mdryで、その焼成作業は350℃にて3〜5分間実施され、乾燥後フッソ樹脂材層の厚みは10〜500μである。
【0050】
つぎに物性の異るフッソ樹脂のブレンド材のみを表皮帆布全体に含浸せしめた図1乃至図4に示すベルトに代えて、図5および図6に示すベルトの如く、フッソ樹脂のブレンド材に対し、耐摩耗性に優れた部材、具体的に金属酸化物、即ち酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄の粉末材、あるいはマイカ、ガラス短繊維、ガラスビーズのうちの一つを選んでなる配合部材を混合する場合には、フッソ樹脂材100部に対し、前記耐摩耗性に優れた配合部材の一つを1〜20部(重量比)配合し、これに前述同様の増粘剤および水を混合し、これを表皮帆布の表裏両面に平均して散布し、前述同様、焼成処理し、あるいは焼成後加熱プレス処理し、フッソ樹脂材層をフィルム層化し、あるいは未焼成、半焼成品を加熱プレスして、表皮帆布面のフッソ樹脂層をフィルム層化しつつ、フッソ樹脂材と耐摩耗性に優れた配合部材とを帆布へ含浸せしめる。
【0051】
芯体帆布へのフッソ樹脂の含浸処理は、溶融粘度が低く、フィルム状になりやすい樹脂としての、PFA,FEP,PCTFEのうちから適宜の一つを選び、好ましくはPFAを用い、これを増粘剤と水にて、芯体帆布面に目付量100〜700g/mdryの下にディスパージョンする。これを350℃下で、3分〜5分焼成し、フッソ樹脂をフィルム化する。
以上のとおり処理された表皮帆布と芯体帆布間には溶融性に富む厚さ25〜200μのフッソ樹脂フィルムが介装され、その折両帆布に含浸されたフッソ樹脂と同一樹脂フィルムを採用することにより、両帆布の溶融接着は強固なものとなる。
【0052】
【実施例】
以下(実施例:1)として、幅広搬送用ベルトの製造方法につき、前記表皮帆布へのフッソ樹脂のみの含浸処理方法を採用した折の、より具体的詳細なる実施例を記述すると、
芯体帆布:前記製品ベルトの説明にて記述した芳香族ポリアミド製(アラミド製)シームレス帆布、
表皮帆布:同じく芳香族ポリアミド製(アラミド製)帆布
芯体帆布と表皮帆布との接着を兼ねた耐熱性エラストマー:厚み50μのPFA製フィルム
表皮帆布に対するフッソ樹脂材の含浸処理:固形分50%のPTFEとPFAの比率20:80のブレンド材、残りは増粘剤と水にて帆布全面にディスパージョン(散布)を行い、樹脂の目付量:500g/mdryの下に、下記の焼成および加熱プレス条件にて処理した。
焼成温度:350℃、 時間:3分、
プレス温度:350℃、 時間:2分、 圧力:5kgf/cm
【0053】
つぎに(実施例:2)として、幅広搬送用ベルトの製造方法につき、前記表皮帆布へのフッソ樹脂のブレンド材と耐摩耗性に優れた配合部材の含浸処理方法を採用した折の、より具体的詳細なる実施例を記述すると、
(実施例:2)は前記(実施例:1) と全く同様で、唯一の相違構成部は、
表皮帆布に対するフッソ樹脂のブレンド材と配合部材の含浸処理の構成部で、固形分50%のPTFEとPFAのフッソ樹脂ブレンド材と酸化チタンを20:80:10の比率よりなる混合物を増粘剤と水にて帆布表面にディスパージョン(散布)を行い、(実施例:1)と全く同じ条件にて焼成および加熱プレスにて、フッソ樹脂ブレンド材と配合部材の含浸処理を実施した。
【0054】
前記(実施例:1)および(実施例:2)と対比するために掲示した(比較例)は、前記、従来の公知技術の一つとして開示した特開平10−120137号発明中にて、(実施例:2)として開示した技術でフッソ樹脂材の一つであるPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)単体を前記(実施例:1)および(実施例:2)にて記述したと全く同一の手段にて、表皮帆布の表面側略半分部分に含浸せしめ、表皮帆布と芯体帆布とも無処理のまま残された、両帆布の接合面に水添化ニトリルゴム製接着層を介在せしめて、両帆布を貼着せしめてなる幅広搬送用ベルトである。
【0055】
以下、前記(実施例:1),(実施例:2),(比較例)の三種類の幅広搬送用ベルトに関し実施した、下記(I) ベルト表面摩擦係数、(II) ベルト表面に対する澱粉糊の離型性、(III) 表皮帆布の耐摩耗性、テーパー摩耗(mg)、(IV) 帆布間の接着力kgf/25mmの各実験結果は、下記【表1】に示すとおりである。
【0056】
【表1】
Figure 0003595701
【0057】
以上、実験の結果のとおり、この発明を実施したベルトは、摩擦係数、耐摩耗性および離型性の諸点で良好な結果を得ることができた。
【0058】
【発明の効果】
この発明に係る搬送用ベルトは、表皮帆布の表裏両面を含む全体に物性の相異るフッソ樹脂のブレンド材、あるいはこれに耐摩耗性に優れた配合部材を含浸せしめる一方、芯体帆布の少なくとも表皮帆布側に溶融粘度が低くフィルム状となり易いPFAに代表されるフッソ樹脂を含浸せしめ、表皮帆布に含浸せしめた同一物性を有するフッソ樹脂との溶融着手段を採用することにより、表皮帆布のベルト表面搬送側への強固な貼着、さらにその後の長期間に亘る表皮帆布のベルト本体部よりの剥離現象の発生を抑止することができる。
また両帆布の貼着面に介在せしめる溶融粘度が低く、加熱後フィルム状となり易いフッソ樹脂フィルムについて、両帆布に含浸せしめ、両帆布間に十分根を張った形のフッソ樹脂と同一のフッソ樹脂を用いることにより、両帆布のフッソ樹脂フィルムを介しての溶融着効果は一段と顕著なものとなり、両帆布の強固な貼着を維持せしめることができる。
【0059】
表皮帆布に含浸せしめるフッソ樹脂は耐摩耗性に優れたPTFEに代表されるフッソ樹脂と溶融粘度が低く、フィルム状になり易いPFAなどに代表されるフッソ樹脂とのブレンド材を用いることにより、各種フッソ樹脂材自体が保有する独自の物性を、より効果的にベルト面に直接利用することができ、ベルト搬送面の摩擦係数の低減、さらに付着物のベルト面よりの離型性を実現でき、ベルト表面上で実行される各種作業、物品の運搬において、物品の不要な付着、また物品よりの滲出、漏出物の付着をも回避でき、さらには、これら付着物の拭去もきわめて容易にでき、結果的には搬送用ベルトの保守、耐久性の維持に大きい貢献を期待することができる。
【0060】
またベルト搬送面の摩擦係数の低減、さらに搬送物の離型性のフッソ樹脂材による達成に加えて、これに耐摩耗性に優れた金属酸化物などに代表される配合部材を加えることにより、これらの実効性を、さらに一段と増進せしめることができる。
またフッソ樹脂が保有する耐摩耗性、さらに表皮帆布の耐摩耗性を意図して加えられた酸化チタンなどに代表される配合部材は、表皮帆布全体にわたって含浸されているので、表皮帆布の完全摩損時までの長期間に亘り、ベルト上に望まれる耐摩耗性を保持することができ、結果においてベルトの耐久性を増大せしめうる。
【0061】
またフッソ樹脂材のディスパージョン方式の採用による粉状固形のフッソ樹脂および金属酸化物などの配合部材を表皮帆布の織目部分にまで細部に亘り効果的に含浸せしめることができ、帆布内への平均的かつ的確な含浸作業が実現できる。特に表皮帆布へのフッソ樹脂ブレンド材、耐摩耗性に優れた配合部材の全体に亘る含浸は、表皮帆布の全体が、即ち完全に摩損してしまうまで、表皮帆布が保有する各種効果を持続することができ、結果において、ベルトの耐久性を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した搬送用ベルトの一部を切欠いて示すベルト一部分の斜視図である。
【図2】同ベルトの一部の拡大断面図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す幅広搬送用ベルトの一部を切欠いて示すベルト一部分の斜視図である。
【図4】幅広搬送用ベルトの一部の拡大断面図である。
【図5】他の実施例を示す図2に相当する図である。
【図6】他の実施例を示す図4に相当する図である。
【図7】幅広搬送用ベルトを組込んでなる段ボール紙製造装置の概略正面図である。
【符号の説明】
1,11,21,31 搬送用ベルト
2,12 芯体帆布
3,13 フッソ樹脂フィルム
4,14 溶融性フッソ樹脂
5,5a,15,15a 表皮帆布
7,7a,17,17a フッソ樹脂のブレンド材
26,36 耐摩耗性に優れた配合部材

Claims (14)

  1. 芯体帆布を含み、他のベルト構成部材を積層状に貼着した搬送用ベルトにおいて、該ベルトの搬送面に配した、耐摩耗性に優れた樹脂と、溶融粘度の低いフィルム状になり易い樹脂との、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂材を混合してなるブレンド材を帆布全体に亘って含浸せしめた高密度織の表皮帆布と、少なくとも表皮帆布貼着面側に溶融粘度が低くフィルム状になり易い物性を有するフッソ樹脂を含浸せしめた芯体帆布は、芯体帆布に含浸せしめたと同一のフッソ樹脂フィルムを介して貼着された搬送用ベルト。
  2. 薄板状のベルトの一部を構成する、ベルト長手および幅方向ともにシームレスの無端状で、かつ少なくともその表面側に溶融粘度が低く、フィルム状になり易いフッソ樹脂が含浸された幅広の芯体帆布の表面側には、該芯体帆布に含浸されたと同一のフッソ樹脂フィルムを介して、耐摩耗性に優れた樹脂と溶融粘度の低いフィルム状になり易い樹脂との、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂材を混合してなるブレンド材を、帆布全体に亘って含浸せしめた幅広の表皮帆布からなる二枚の帆布が貼着された幅広搬送用ベルト。
  3. 芯体帆布を含み、他のベルト構成部材を積層状に貼着した搬送用ベルトにおいて、該ベルトの搬送面に配した、耐摩耗性に優れた樹脂と、溶融粘度が低く、フィルム状になり易い樹脂との、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂材を混合してなるブレンド材と耐摩耗性に優れた粉粒状の配合部材との混合物を帆布全体に亘って含浸せしめた高密度織の表皮帆布と、少なくとも表皮帆布貼着面側に溶融粘度が低くフィルム状になり易い物性を有するフッソ樹脂を含浸せしめた芯体帆布は、芯体帆布に含浸せしめたと同一のフッソ樹脂フィルムを介して貼着された搬送用ベルト。
  4. 薄板状のベルトの一部を構成する、ベルト長手および幅方向ともにシームレスの無端状で、かつ少なくともその表面側に溶融粘度が低く、フィルム状になり易いフッソ樹脂が含浸された幅広の芯体帆布の表面側には、該芯体帆布に含浸されたと同一のフッソ樹脂フィルムを介して、耐摩耗性に優れた樹脂と溶融粘度の低いフィルム状になり易い樹脂との、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂材を混合してなるブレンド材と耐摩耗性に優れた粉粒状の配合部材の混合物を帆布全体に亘って含浸せしめた幅広の表皮帆布からなる二枚の帆布が貼着された幅広搬送用ベルト。
  5. 表皮帆布中に含浸される物性の相異るフッソ樹脂材は、耐摩耗性に優れたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易いPFA(テレラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テレラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)のうちの一つが組合される請求項1乃至4のうち1項記載の搬送用ベルト。
  6. 表皮帆布の全体に亘って含浸されるブレンドされたフッソ樹脂材中に、より一段の耐摩耗性の向上を意図して配合される粉粒状の配合部材としては、金属酸化物としての酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、その他マイカ、ガラス短繊維、ガラスビーズの中から一つ選択される請求項3又は4記載の搬送用ベルト。
  7. 表皮帆布と芯体帆布内に含浸され、またフッソ樹脂フィルムを構成する溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易いフッソ樹脂はPFA,FEP,PCTFEの各樹脂の中から一つが選択され、かつ選択されたフッソ樹脂は同一樹脂である請求項1乃至4のうち1項記載の搬送用ベルト。
  8. 芯体帆布を含み、他のベルト構成部材を積層してなるベルトの製造方法において、該ベルトの搬送面に貼着される高密度織の表皮帆布には耐摩耗性に優れた樹脂と溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易い樹脂との、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂を混合してなるブレンド材を表皮帆布全面にディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして表皮帆布全体に亘ってフッソ樹脂材を含浸せしめる工程、芯体帆布の少なくとも表皮帆布貼着面側に溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易い物性を有するフッソ樹脂をディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして芯体帆布にフッソ樹脂を含浸せしめる工程、その後芯体帆布に含浸せしめたと同一のフッソ樹脂フィルムを芯体および表皮帆布間に介在せしめ、両帆布を加熱加圧にて一体化してなる搬送用ベルトの製造方法。
  9. 薄板状のベルトの一部を構成するベルト長手および幅方向ともにシームレスの無端状で、かつ少なくともその表面側に溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易いフッソ樹脂をディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして幅広芯体帆布にフッソ樹脂を含浸せしめる工程、高密度織の表皮帆布には耐摩耗性に優れた樹脂と溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易い樹脂とのそれぞれに物性の相異るフッソ樹脂を混合してなるブレンド材を表皮帆布全面にディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして幅広表皮帆布全体に亘ってフッソ樹脂材を含浸せしめる工程、その後芯体帆布に含浸せしめたと同一のフッソ樹脂フィルムを芯体および表皮帆布間に介在せしめ、前記二枚の帆布を加熱加圧にて一体化してなる幅広搬送用ベルトの製造方法。
  10. 芯体帆布を含み、他のベルト構成部材を積層してなるベルトの製造方法において、該ベルトの搬送面に貼着される高密度織の表皮帆布には耐摩耗性に優れた樹脂と溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易い樹脂との、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂を混合してなるブレンド材と耐摩耗性に優れた粉粒状の配合部材との混合物を帆布全面にディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして表皮帆布全体に亘って混合物を含浸せしめる工程、芯体帆布の少なくとも表皮帆布貼着面側に溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易い物性を有するフッソ樹脂をディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして芯体帆布にフッソ樹脂を含浸せしめる工程、その後芯体帆布に含浸せしめたと同一のフッソ樹脂フィルムを芯体および表皮帆布間に介在せしめ、両帆布を加熱加圧して一体化してなる搬送用ベルトの製造方法。
  11. 薄板状のベルトの一部を構成するベルト長手および幅方向ともにシームレスの無端状で、かつ少なくともその表面側に溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易いフッソ樹脂をディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして幅広芯体帆布にフッソ樹脂を含浸せしめる工程、高密度織の幅広表皮帆布には耐摩耗性に優れた樹脂と溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易い樹脂との、それぞれに物性の相異るフッソ樹脂を混合してなるブレンド材と耐摩耗性に優れた粉粒状の配合部材との混合物を帆布全面にディスパージョンして後、帆布の焼成または加熱プレスして、あるいは焼成さらに加熱プレスして幅広帆布全体に亘って混合物を含浸せしめる工程、その後幅広芯体帆布に含浸せしめたと同一のフッソ樹脂フィルムを芯体および表皮帆布間に介在せしめ、両帆布を加熱加圧して一体化してなる幅広搬送ベルトの製造方法。
  12. 表皮帆布中に含浸される物性の相異るフッソ樹脂材は、耐摩耗性に優れたPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)と溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易いPFA(テレラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テレラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)のうちの一つが組合される請求項8乃至11のうち1項記載の搬送用ベルトの製造方法。
  13. 表皮帆布の全体に亘って含浸されるブレンドされたフッソ樹脂材中に、より一段の耐摩耗性の向上を意図して配合される粉粒状の配合部材としては、金属酸化物としての酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、その他マイカ、ガラス短繊維、ガラスビーズの中から一つ選択される請求項10又は11記載の搬送用ベルトの製造方法。
  14. 表皮帆布と芯体帆布内に含浸され、またフッソ樹脂フィルムを構成する溶融粘度が低く、加熱処理後フィルム状になり易いフッソ樹脂はPFA,FEP,PCTFEの各樹脂の中から一つが選択され、かつ選択されたフッソ樹脂は同一樹脂である請求項8乃至11のうち1項記載の搬送用ベルトの製造方法。
JP29454498A 1998-09-30 1998-09-30 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法 Expired - Fee Related JP3595701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29454498A JP3595701B2 (ja) 1998-09-30 1998-09-30 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29454498A JP3595701B2 (ja) 1998-09-30 1998-09-30 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000109207A JP2000109207A (ja) 2000-04-18
JP3595701B2 true JP3595701B2 (ja) 2004-12-02

Family

ID=17809168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29454498A Expired - Fee Related JP3595701B2 (ja) 1998-09-30 1998-09-30 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3595701B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8192317B2 (en) * 2006-11-22 2012-06-05 Veyance Technologies, Inc. Reinforced belt for powerturn applications

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000109207A (ja) 2000-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10120137A (ja) 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法
JP2673338B2 (ja) 段ボール紙製造用幅広ベルト
US6385956B1 (en) Packing yarn made of graphite foil and metal foil and method of manufacturing a packing yarn
KR101468890B1 (ko) 쿠킹 벨트
JP4863872B2 (ja) 段ボール製造装置の耐熱性積層コンベアベルト及びその製造方法
US4731283A (en) Waterproof cloth and process for production thereof
EP2955267B1 (en) Fluoropolymer coated article
KR20120024933A (ko) 내열성 적층 컨베이어 벨트
JP5461098B2 (ja) 複層シート、エンドレスベルトならびにその製造方法
US20200238653A1 (en) Multi-layered seamless belt and production method thereof
JP3240557B2 (ja) 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法
JP3595701B2 (ja) 搬送用ベルトおよび同ベルトの製造方法
KR101765981B1 (ko) 복층 시트, 엔드리스 벨트 및 그 제조 방법
JP2020183287A (ja) 複層シームレスベルトおよびその製造方法
JP4886973B2 (ja) 耐熱性コンベアベルト
TW408008B (en) Belt constructions
JPH0510320U (ja) 搬送用ベルト
JP2020169709A (ja) 複層シームレスベルトおよびその製造方法
JPH11105171A (ja) コルゲート加工用の圧接ベルトおよびコルゲート加工物の製造方法
TWI468288B (zh) 複層薄材、環狀帶及環狀帶的製造方法
JP4383040B2 (ja) コルゲーターベルト
WO2022209961A1 (ja) 織物および摺動材
JP5267823B2 (ja) 複層シート、エンドレスベルトならびにその製造方法
JP2013028059A (ja) 複層シートおよびエンドレスベルト
JPH08208014A (ja) 硬質走行ベルト

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20031205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070910

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080910

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090910

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees