JPH08208014A - 硬質走行ベルト - Google Patents

硬質走行ベルト

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JPH08208014A
JPH08208014A JP4240795A JP4240795A JPH08208014A JP H08208014 A JPH08208014 A JP H08208014A JP 4240795 A JP4240795 A JP 4240795A JP 4240795 A JP4240795 A JP 4240795A JP H08208014 A JPH08208014 A JP H08208014A
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Yasuo Sumiyoshi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面の硬度が高く、厚みを薄くすることがで
き、且つ高張力の硬質走行ベルトを提供する。 【構成】 ロール26,26に掛けられて走行し、表面
に硬質が要求される硬質走行ベルト1であって、帆布芯
体2の反ロール側の表面とロール側の裏面に第1コーテ
ィング層3を塗布し、表面の第1コーティング層3の上
に溶射金属を吹き付けて溶射金属層4を設け、溶射金属
層4の表面に第2コーティング層5を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロールに掛けられて走
行し、表面に硬質が要求される硬質走行ベルトに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の硬質走行ベルトは、単なる搬送
だけではなく、搬送に加えてベルト表面の局所的な押圧
力が要求される用途に使用される。このような用途の典
型例としては、段ボール紙製造装置に使用される硬質走
行ベルトがある。
【0003】この段ボール紙製造装置の概略構成を図2
により説明する。互いに噛み合う一対の歯型ロール22
A,22Bと、歯型ロール22Bの歯に近接配置される
糊塗布装置24と、同じく歯型ロール22Bの歯に押圧
可能に配置される加圧ベルト装置25とを備えてなる段
ボール紙製造装置21である。特に加圧ベルト装置25
は、一対のドラム状金属製ロール26,26に硬質走行
ベルトAを掛け渡し、この硬質走行ベルトAが歯型ロー
ル22Bの歯に押圧可能に構成したものである。そし
て、上述した歯型ロール22Bと一対のロール26,2
6は糊付けのために加熱可能な構造になっている。
【0004】上述した段ボール紙製造装置21の作動は
以下の通りである。まず、中芯紙23が一対の歯型ロー
ル22A,22Bの間に送り込まれ、歯型ロール22
A,22Bの噛み合いの仮定で中芯紙23にコルゲート
状の型付けが行われる。型付けされた中芯紙23は歯型
ロール22Bと共に送られるが、その途中で中芯紙23
のコルゲート状の頂点が糊塗布装置24によって糊付け
される。一方、ライナー紙27が硬質走行ベルトAと歯
型ロール22Bの間に送り込まれ、ライナー紙27が歯
型ロール22Bと共に送り込まれる型付けされた中芯紙
23と重ね合わされる。そして、ライナー紙27と中芯
紙23のコルゲート状の頂点が圧着・加熱されて糊付が
行われ、段ボール紙28となって送り出される。
【0005】このような圧着のために用いられる硬質走
行ベルトAには、高いテンションを有してロール26,
26に掛けられることは勿論、その表面の高い硬度が求
められる。ベルト表面の硬度が低いと、図示の拡大部分
のようにコルゲート状の頂点がベルト表面に食い込み、
コルゲート状の頂点の糊付け不良やコルゲート状の頂点
が線となってライナー紙に浮きでるという外観不良の原
因となる。
【0006】また、特に段ボール紙製造装置21に用い
られる硬質走行ベルトAとしては、上述した高張力、表
面の高硬度に加えて、加熱ロール26,26の使用に対
する良好な熱伝達性と、表面の平滑性と、はみ出た糊に
対する良好な剥離性が求められる。さらに、この硬質走
行ベルトAは、幅広であると共に極薄であり、高速で走
行する。具体的には、周長1500〜4500mmに対
して横幅が1200〜3000mmであり、厚みも3.
5mm以内であって、走行速度は100〜400m/m
inである。このような幅広高速ベルトにあっては蛇行
防止のために幅方向に均質であることも要求される。
【0007】上述した諸特性を満足する硬質走行ベルト
Aとしては、スチールベルトの如き金属ベルトがある。
しかし、これらの諸特性を満足させるためには高精度の
加工が必要になりコストが高くなる。また、万一のベル
ト破損時には、高速のため、破損したベルト破片が装置
に大幅補修を必要とする大きな損傷を与えたり、人身事
故を引き起こしたりする恐れがある。そのため、金属ベ
ルトに代わる安価で安全な硬質走行ベルトが求められ
る。
【0008】このような要請に応じて、出願人は先に特
願平6−107699号公報に開示される巾広ベルトを
提案した。図3に示されるように、帆布芯体32の反ロ
ール側の表面に接着層33を介して表皮帆布34を積層
し、表皮帆布34の表面にコーティング層35を形成
し、帆布芯体32の裏面にコーティング層36を形成し
たものである。帆布芯体32は抗張力体であり、芳香族
ポリアミド繊維糸又はポリエーテルエーテルケトン繊維
糸を用いて幅方向及び周方向共にシームレスで筒状に織
成したものである。表皮帆布34は表面の硬度を確保す
るためのものであり、例えば芳香族ポリアミド繊維糸を
用いた綾織又はメリヤス織帆布で形成されている。接着
層33は帆布芯体32と表皮帆布34とを接着するため
のものであり、耐熱性を考慮してフッ素ゴムや水素化ニ
トリルゴム等の耐熱性エラストマーが用いられる。表面
のコーティング層35は表面の平滑性と糊の剥離性を確
保するためのものであり、耐熱性を考慮して耐熱性エラ
ストマーとフッ素樹脂を配合したものが用いられる。裏
面のコーティング層36は裏面の平滑性とロールとの接
触摩擦係数を確保するためのものであり、耐熱性を考慮
してフッ素ゴムや水素化ニトリルゴム等の耐熱性エラス
トマーが用いられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図3の硬質走行ベルト
31はスチールベルトに代わって使用され相当の実績を
有するものの、以下の観点から改良の余地が残されてい
る。第1に、表皮帆布34の材質及び織成方法で表面硬
度を確保するとしても、得られる硬度に限界がある。第
2に、帆布芯体32と表皮帆布34との積層構造である
ため、ベルトの厚みが増し、厚みが増す分だけ熱伝達性
が悪くなる。
【0010】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、表面の硬度が高く、厚みを薄くすることがで
き、且つ高張力の硬質走行ベルトを提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の硬質走行ベルトは、ロールに掛けられて走行し、表
面に硬質が要求される硬質走行ベルトであって、帆布芯
体と、該帆布芯体の少なくとも片面側に設けられた溶射
金属層とを含んでなるものである。好ましくは、前記溶
射金属層は前記帆布芯体の反ロール側の表面に塗布され
た第1コーティング層に吹き付けて設けられる。更に好
ましくは、前記溶射金属層の表面に第2コーティング層
が形成される。
【0012】すなわち、最も好ましい硬質走行ベルト1
の構成は、図1の拡大図に示されるように、帆布芯体2
の反ロール側の表面とロール側の裏面に第1コーティン
グ層3を塗布し、表面の第1コーティング層3の上に溶
射金属を吹き付けて溶射金属層4を設け、溶射金属層4
の表面に第2コーティング層5を形成したものである。
【0013】帆布芯体2は抗張力体として機能し、第1
コーティング層3は帆布芯体2の平滑度や接触摩擦係数
等の表面改善機能を有し、溶射金属層4は表面硬度付与
の機能を有し、第2コーティング層5は溶射金属層4の
離型性等の表面改善機能を有している。以下に各部分の
詳細を説明する。
【0014】帆布芯体2は、低伸度高張力の織製帆布、
具体的には芳香族ポリアミド繊維糸(別名アラミド繊
維)あるいはポリエーテルエーテルケトン製繊維糸から
なるコードを用いて筒状に織って無端状(エンドレス)
とし、幅方向及び周方向に段差のないシームレスにした
ものである。特に好ましいのは芳香族ポリアミド繊維糸
であって、帆布芯体2の少なくとも一部をこの芳香族ポ
リアミド繊維糸で構成する。この芳香族ポリアミド繊維
糸には、パラ系とメタ系があり、そのうちパラ系アラミ
ド繊維(正式名:ポリパラフェニレンイソフタルアミ
ド)としては、トアロン(エンカ社の商品名)、ケプラ
ー(デュポン社の商品名)、テクノーラ(帝人の商品
名)があり、メタ系アラミド繊維(正式名:ポリメタル
フェニレンイソフタルアミド)としては、コーネックス
(帝人の商品名)、ノーメックス(デュポン社の商品
名)がある。そして、段ボール紙製造装置に用いられる
硬質走行ベルトとしては、帆布芯体2の厚みは2.0m
m以内であり、1cm当たりの抗張力は400kg以上
が望ましい。
【0015】上記コードは、上記材質のフィラメント状
繊維糸を引き揃えて又は撚り合わせて一本当たりの繊度
が1000〜2000デニールであるヤーンとし、この
ヤーン2〜10本を合わせ、更に50〜100回数/m
程度の撚りを加えて形成したものである。また、織製の
仕方は、周方向の縦コード2aと幅方向の横コード2b
を平織り、マット織り、綾織り又は朱子織りにしたもの
である。縦コード2a及び横コード2bのコード密度は
5cm当たり10〜50本であり、このコード密度のば
らつきはベルト幅方向及び周方向の全長において±0.
5本以内に制限され、ベルト自体の局所的な伸びや応力
集中が生じないようになっている。さらに、ベルト走行
時の蛇行防止のために、縦コード3aを構成する各コー
ドがS方向撚りのものとZ方向撚りのものが一本毎に交
互に組み合わさるようにし、ベルト幅方向の均一性を確
保している。
【0016】帆布芯体2に対する第1コーティング層3
は、帆布芯体2の凹凸を埋めて平滑にするためのもので
あり、ベルト本体の耐熱性を損なわない材質であって、
熱伝導性を良好に保つため最小限の厚み(最大でも5m
m)に制限されたものを用いる。具体的な材質として
は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、スチレンブタジエ
ンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、フッ素
ゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂の単独又は組み合わされたものである。
【0017】溶射金属が吹き付けられ、硬質にするとい
う観点から、好ましい第1コーティング層3はエポキシ
樹脂からなるものである。このエポキシ樹脂は末端に反
応性のエポキシ基を持つ熱硬化型樹脂であり、各種の硬
化剤と反応させると不融不溶の三次元硬化物となり、接
着力が強く、可撓性、耐熱性、耐摩耗性に優れた層を形
成する。代表的なものとしてはビスフェノールAとエピ
クロルヒドリンとの縮合反応により製造されるビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂がある。そして、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂を基本として、耐熱性に優れる多官
能エポキシ樹脂、耐クラック性が改良される可撓性エポ
キシ樹脂、その他ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭
素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹
脂、高分子型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂
を適宜組み合わせて調整したものを用いる。帆布芯体2
の反ロール側面の第1コーティング層3は平滑度の確保
と溶射金属層4形成時の耐熱性の確保と溶射金属層4の
密着性の確保のためであるが、帆布芯体2のロール側面
の第1コーティング層3はロールに対する接触摩擦係数
を確保するためのものである。しかし、帆布芯体2に直
接溶射金属層4を形成する場合や、帆布芯体2でロール
に対する接触摩擦が確保される場合には、第1コーティ
ング層3を省略することができる。
【0018】溶射金属層4は、燃焼又は電気エネルギー
を用いて溶射材料を加熱し、溶融またはそれに近い状態
にした粒子を第1コーティング層3等の素地に吹き付け
て皮膜にしたものであり、該素地に対して金属の粒子を
機械的に付着し、複雑に絡み合って硬質の層を形成して
いる。つまり、加熱するのは、金属の溶射材料であって
素地ではないため、素地の温度上昇はせいぜい200°
C程度に抑えられる。また、機械的に付着しているた
め、帆布芯体2や第1コーティング層3に対して積層可
能である。さらに、素地に機械的に付着し、互いに絡み
合う組成であるため、屈曲性もある程度有している。
【0019】溶射に用いられる金属としては、銅、亜
鉛、鉛、アルミニウム、真鍮、ステンレス、ニッケル、
クロム、タングステンカーバイドを単独又は組み合わせ
たものであり、種々のものが使用可能である。また溶射
方法としては、フレーム溶射や爆発溶射等のガス式溶
射、アーク溶射やプラズマ溶射や線爆溶射等の電気式溶
射が適用可能である。ロールに掛けられる走行ベルトに
用いるためには硬質のみならず屈曲性が重要である。屈
曲性を確保するために、溶射材料及び溶射方法を適切に
選択する必要がある。
【0020】屈曲性と耐クラック性に優れる溶射金属層
とするためには、溶射材料として、銅、亜鉛、鉛、アル
ミニウム、真鍮を主成分とする軟質金属を用いることが
望ましい。また、帆布芯体2や第1コーティング層3の
素地に対して、まず軟質金属からなる溶射金属層を形成
し、この溶射金属層の上により硬い金属からなる溶射金
属層を形成するという2層以上とすることも有効であ
る。
【0021】溶射金属層4の表面に対する第2コーティ
ング層5は、溶射金属層4の表面を改善するためのもの
であり、改善すべき特性に応じて必要な材質が塗布され
る。段ボール紙製造装置に用いられる硬質走行ベルトと
しては、糊が付着した場合の剥離性を確保するため、ま
た耐クラック性を改善するため、フッ素系材料のコーテ
ィング層を形成しておくことが好ましい。このフッ素系
材料としては、フッ素樹脂、4フッ化エチレン、3フッ
化エチレン、2フッ化エチレンの一種又は組み合わせが
用いられる。そして、コーティング層を形成する方法と
しては、一般的な焼き付けの他に溶射などが用いられ
る。
【0022】
【作用】上記した構成の硬質走行ベルトの技術思想は、
ロール表面のように屈曲しない素地に使用されるべきも
のとされてきた溶射金属層を、金属材質及び溶射方法を
適切に選択することによって、回転走行するベルトのよ
うに屈曲する帆布芯体に対して直接又は間接に溶射する
ことができるという知見に基づくものである。ベルトと
して回転走行に伴う屈曲に耐えるのは帆布芯体であり、
その表面に硬質の溶射金属層を屈曲可能に形成すること
で、高張力で表面硬質であってよりスチールベルトに近
い特性を有する硬質走行ベルトとすることが可能にな
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。最初に、本発明の硬質走行ベルトを段ボ
ール紙製造装置に適用した場合を図1により説明する。
【0024】図1において、硬質走行ベルト1は、一対
の加熱ロール25,25に掛けられ、300〜400m
/minの高速で走行し、同時に加熱ロール25,25
によって200°C程度まで加熱される。また、ベルト
の幅はロール25,25の軸間距離よりも長いため、幅
広のベルト1になっている。
【0025】そして、幅方向断面の拡大図に示されるよ
うに、硬質走行ベルト1は、帆布芯体2の反ロール側及
びロール側を第1コーティング層3によって凹凸を無く
し、反ロール側の第1コーティング層3の上に溶射金属
層4を吹き付けにより積層し、溶射金属層4の上に第2
コーティング層4を焼き付けによって積層した積層構造
体である。なお、ベルト側面の突起11,12は周方向
ずれを測定するための基準であり、同時にベルト幅方向
の位置ずれを測定するための基準にも使える。そのた
め、ベルト製造時に、突起11,12がベルト幅方向に
平行な位置に設けられ、突起11,12の幅も左右で同
じになるように所定位置に所定寸法で一体的に形成され
る。
【0026】帆布芯体2は抗張力保持のために、芳香族
ポリアミド繊維糸からなる縦コード2aと横コード2b
を図示の如くエンドレスにマット織りにしたものであ
る。第1コーティング層3はエポキシ樹脂を硬化させた
ものである。溶射金属層4は軟質金属を粉状にして吹き
付けたものである。第2コーティング層5はフッ素樹脂
を焼き付けたものである。そして、ベルト全体としての
抗張力は1cm当たり400kg以上であり、厚みは
3.5mm以内であり、反ロール側表面からのベルト硬
度はロックウェル硬度で40を超える程度としたもので
ある。
【0027】硬質走行ベルト1の強力な張りは帆布芯体
2が受持ち、表面の硬度は溶射金属層4が受持ち、ロー
ルに掛けられた状態での回転走行から生じる繰り返しの
屈曲に耐える溶射金属層4となっている。そのため、ス
チールベルトより安くて安全性に優れ、図3のベルトに
比較して硬くて薄い硬質走行ベルト1を提供することが
できる。
【0028】つぎに、具体的な硬質走行ベルトのサンプ
ルによる屈曲テストの結果を以下に説明する。屈曲テス
トに用いたサンプルは帆布芯体の上に直接溶射金属層を
形成したものであり、屈曲テストはフラットから半径2
00mmの折り曲げを700万回以上繰り返すことによ
って行った。
【0029】〔実施例1〕 ・帆布芯体 テクノーラ(帝人の商品名)の1000デニールの繊維
を、5本撚り合わせて縦コード及び横コードを形成し、
マット織りによって織製されたものを用いた。この帆布
芯体の厚みは1.5mm、大きさは2000mm幅×3
000mm長さであった。 ・溶射金属 真鍮を粉末式フレーム溶射法によって上記帆布芯体に直
接吹き付け、厚み0.5mm、ブリネル硬度で80程度
の溶射金属層を積層した。
【0030】〔実施例2〕 ・帆布芯体 テクノーラ(帝人の商品名)の1000デニールの繊維
を、5本撚り合わせて縦コード及び横コードを形成し、
平織りによって織製されたものを用いた。この帆布芯体
の厚みは1.5mm、大きさは2000mm幅×300
0mm長さであった。 ・溶射金属 第1層として亜鉛を粉末式フレーム溶射法によって上記
帆布芯体に直接吹き付け、この亜鉛の第1層の上に第2
層としてステンレスを粉末式フレーム溶射法によって吹
き付け、第1層と第2層の合計で厚み0.8mm、ブリ
ネル硬度120程度の溶射金属層を積層した。
【0031】上述した実施例1及び実施例2のサンプル
に対して上記の如き屈曲試験を施した結果、溶射金属層
の表面にクラック等の発生は認められなかった。
【0032】なお、上記した硬質走行ベルトの最適例と
して段ボール製造装置の場合を説明したが、搬送に加え
てベルト表面の局所的な押圧力が要求される用途であれ
ば、段ボール製造装置に限らず種々の用途に適用でき
る。また、硬質が要求されるのは反ロール側に限らず、
ロール側又は両方であってもよく、要は少なくとも帆布
芯体の片面側に直接又は間接に溶射金属層が積層されて
設けられているものであればよい。
【0033】
【発明の効果】本発明の硬質走行ベルトは、抗張力体と
しての帆布芯体の少なくとも片面側に溶射金属層を設
け、溶射金属の材質及び溶射方法を適切にすることによ
って走行ベルト本来の屈曲性を確保したものであるた
め、高張力であって、表面の硬度を高くし、厚みを薄く
することができる。そのため、スチールベルトに比較し
て安価で、安全であり、よりスチールベルトに近い特性
を保持させることができ、スチールベルトを用いていた
分野への適用可能性を押し広げる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬質走行ベルトの段ボール製造装置へ
の適用例を示す図である。
【図2】段ボール製造装置の機器配置図である。
【図3】従来の硬質走行ベルトの断面図である。
【符号の説明】
1 硬質走行ベルト 2 帆布芯体 3 第1コーティング層 4 溶射金属層 5 第2コーティング層 25 加熱ロール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の硬質走行ベルトの段ボール製造装置
への適用例を示す図である。
【図2】 段ボール製造装置の機器配置図である。
【図3】 従来の硬質走行ベルトの断面図である。
【符号の説明】 1 硬質走行ベルト 2 帆布芯体 3 第1コーティング層 4 溶射金属層 5 第2コーティング層 25 加熱ロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロールに掛けられて走行し、表面に硬質
    が要求される硬質走行ベルトであって、 帆布芯体と、 該帆布芯体の少なくとも片面側に設けられた溶射金属層
    とを含んでなる硬質走行ベルト。
  2. 【請求項2】 ロールに掛けられて走行し、表面に硬質
    が要求される硬質走行ベルトであって、 帆布芯体と、 該帆布芯体の表面に塗布されたコーティング層と、 該コーティング層の反ロール側表面に吹き付けられた溶
    射金属層とを含んでなる硬質走行ベルト。
  3. 【請求項3】 ロールに掛けられて走行し、表面に硬質
    が要求される硬質走行ベルトであって、 帆布芯体と、 該帆布芯体の表面に塗布された第1コーティング層と、 該第1コーティング層の反ロール側表面に吹き付けられ
    た溶射金属層と、 該溶射金属層の表面に形成された第2コーティング層と
    を含んでなる硬質走行ベルト。
  4. 【請求項4】 前記溶射金属層は、所定の金属材料を溶
    融又はそれに近い状態の粒子にして前記帆布芯体等の素
    地に吹き付け、該素地に対して前記金属粒子を機械的に
    付着させて形成されたものである請求項1又は2又は3
    に記載の硬質走行ベルト。
  5. 【請求項5】 前記溶射金属層を形成する金属材料は、
    銅、亜鉛、真鍮、鉛、アルミニウムの一種以上を主成分
    とする低融点の軟質金属である請求項4記載の硬質走行
    ベルト。
  6. 【請求項6】 前記溶射金属層は、前記帆布芯体側の軟
    質金属層と、該軟質金属層の表面側に積層された硬質金
    属層の2層以上である請求項4記載の硬質走行ベルト。
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