JP3595451B2 - レーザ測量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームの射出方向を回転させることによってレーザビームの走査軌跡を壁面等の被投射面に投射するレーザ測量装置に、関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、土木,建築等の分野では、水平線や垂直線の墨出しを行うためのレーザ測量装置(いわゆるレーザプレーナ)が使用されている。このレーザ測量装置は、レーザビームを射出する投光部を回転させてこのレーザ光を周方向に走査し、このレーザビームの軌跡によって壁面等の被投射面に垂直方向又は水平方向の基準線を投射するものである。
【0003】
図8は、従来におけるレーザ測量装置の概略構成を示すブロック図である。この図8に示すように、レーザ測量装置は、鉛直方向に向けてレーザビームを射出するレーザダイオード100と、このレーザダイオード100からのレーザビームのビームウェスト位置を調整するビームエキスパンダ101と、このビームエキスパンダ101からのレーザビームを正確に90度折り返すためにその光軸上に配置されたペンタプリズム103と、このペンタプリズム103を保持してビームエキスパンダ101の光軸を回転軸として回転させるための中空のヘッド部102と、ヘッド部103の周囲に填められた環状ギヤ104と、環状ギヤ104に噛合するピニオンギヤ106を回転駆動するモータ107と、制御回路110とから、構成される。この制御回路110は、更に、レーザダイオード100に駆動電流を供給するレーザ駆動回路113と、モータ107に駆動電流を供給するモータ駆動回路114と、これら両駆動回路113,114を制御するマイクロコンピュータ112とから、構成されている。
【0004】
このような構成において、このマイクロコンピュータ112は、レーザダイオード100からレーザビームを出射させる様レーザ駆動回路113に対して指示を行いつつ、モータ107を回転させる様モータ駆動回路114に対して指示を行う。すると、レーザダイオード100から出射されたレーザビームは、ビームエキスパンダ101によってそのビーム径を拡大された後に、ペンタプリズム103によって、水平方向に反射される。このペンタプリズム103は、両ギヤ104,106を介してモータ107によって回転駆動されているので、レーザビームを水平面内で走査することによって、水平プレーンビームを形成する。この水平プレーンビームが壁面に当たると、この壁面上に水平線が投影されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のレーザ測量装置は、水平プレーンビームを形成することによって水平線を投射することを主眼点に設計されているので、停止状態にあるレーザビームの射出方向の方位角を制御する機能はなかった。そのため、例えば、測量の際に基準となる方角を示すべく、当該方向に向けて直線状にレーザビームを射出するには、別途手段によって方位角を測定し、目視で確認しながら手動操作にて装置全体又はヘッド部102の方角を調整しなければならなかった。従って、作業性が悪く、正確な方位角の調整は困難であった。
【0006】
この点に鑑みてなされた本発明の課題は、レーザビームの射出方向を正確に所望の方角に向けることができ、これによって、任意の方位角を正確に示すことができるレーザ測量装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるレーザ測量装置は、上記課題を解決するために、以下のような構成を採用した。
【0008】
即ち、請求項1記載のレーザ測量装置は、本体部と、本体部に対して所定の回転軸を中心に回転可能に設けられているとともに、この回転軸に直交する方向へレーザビームを射出するヘッド部と、このヘッド部を前記本体部に対して回転させることによって前記レーザビームを同一面内で走査させる回転機構と、前記ヘッド部の前記本体部に対する相対回転角を検知する相対角検知部と、前記本体部の設置方向の方位角を検知する方位角センサと、任意の方位角が設定される方位角設定部と、前記相対角検知部によって検知された前記ヘッド部の前記本体部に対する相対回転角と前記方位角センサによって検知された方位角とに対応する前記ヘッド部の方位角が前記方位角設定部に設定された方位角と一致するように前記回転機構を制御する制御部とを、備えることを特徴とする。
【0009】
このように構成されると、制御部は、相対角検知部によって検知されたヘッド部の本体部に対する相対角,及び、方位角センサによって検知された本体部の設置方向の方位角に基づいて、ヘッド部の方位角を知ることができる。従って、ヘッド部の現在の方位角と方位角設定部に設定された任意の方位角とのズレ量に対応する角度だけ、ヘッド部を本体部に対して回転させる様回転機構に指示すれば、ヘッド部の方位角を方位角設定部に設定された方位角に一致させることができる。その結果、レーザビームの出射方向を、正確に、所望の方向に向けることができるのである。
【0010】
なお、ヘッド部は、レーザ光源を内蔵していてレーザ光源ごと本体部に対して回転する様構成されても良いし、本体部に内蔵されたレーザ光源から射出されたレーザビームを反射する反射部材を内蔵していても良い。相対角検知部は、エンコーダから構成されていても良いし、ポテンショナルメータのような機械センサから構成されていても良い。また、回転機構がパルスモータを有している場合には、このパルスモータに供給した駆動パルスの数に基づいて相対角を算出しても良い。方位角センサは、地磁気コンパスを含んで構成されることが望ましいが、レーザ測量装置が設置される座標における方向を検出できるものであればどのようなものであっても良い。例えば、GPSやラジオコンパスを用いたものであっても良い。
【0011】
請求項2記載のレーザ測量装置は、請求項1の本体部が、前記レーザビームを射出するレーザ光源を有するとともに、このレーザビームを前記回転軸に沿って案内し、前記ヘッド部が、前記回転軸に沿って案内されたレーザビームを前記回転軸に直交する方向に向けて反射する反射部材を、内蔵していることで、特定したものである。
【0012】
請求項3記載のレーザ測量装置は、請求項2の反射部材がペンタプリズムであることで、特定したものである。
【0013】
請求項4記載のレーザ測量装置は、請求項1の制御部が、前記ヘッド部の方位角が前記方位角設定部に設定された方位角と一致した時のみ、前記レーザビームを射出させることで、特定したものである。
【0014】
請求項5記載のレーザ測量装置は、請求項1の相対角検知部がエンコーダを有することで、特定したものである。
【0015】
請求項6記載のレーザ測量装置は、請求項1の制御部が、前記相対角検知部によって検知された前記ヘッド部の前記本体部に対する相対回転角と前記方位角センサによって検知された方位角とに対応する前記ヘッド部の方位角が前記方位角設定部に設定された方位角と一致するように前記回転機構を制御するモード,及び、前記ヘッド部を前記本体部に対して回転させ続けるように前記回転機構を制御するモードの何れかを選択して実行することで、特定したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
【実施形態1】
<レーザ測量装置の構成>
本発明の第1の実施の形態であるレーザ測量装置は、測点(測定が行われる地点)に固定される本体部Mと、本体部Mに対して所定の回転軸を中心に回転するヘッド部7とから、構成される。図1は、本体部Mから筐体その他のフレーム構造を省略して示す構造図である。図1のうち、レーザダイオード1,ビームエキスパンダ2,モータ3,ピニオンギヤ4,エンコーダセンサ5,及び方位角センサ6は本体部に含まれ、制御回路11及び設定入力回路12は本体部M内の回路部に含まれる。なお、この制御回路11は、マイクロコンピュータ111と、このマイクロコンピュータ111に夫々接続された測定回路112,レーザ駆動回路113,モータ駆動回路114,及び処理回路115とから、構成されている。また、方位角設定部としての設定入力回路12は、本体部Mの外面に設けられたパネルキーであっても良いが、リモコンであっても良い。
【0017】
レーザ駆動回路113は、マイクロコンピュータ111の指示に従って、レーザダイオード1に駆動電流を供給する回路である。このレーザ駆動回路113によって駆動電流を供給されたレーザダイオード1は、図1の上側(例えば鉛直方向)に向けてレーザビームを出射する。ビームエキスパンダ2は、このレーザダイオード1から出射されたレーザビームのビーム軸と同軸の光軸を有しており、入射したレーザビームのビーム径を拡大することによってそのビームウェスト位置を調整する。
【0018】
ヘッド部7は、本体部Mの図示せぬ筐体に対して、ビームエキスパンダ2の光軸(所定の中心軸)を中心として回転自在に据え付けられている。このヘッド部7は、ビームエキスパンダ2を透過したレーザビームがその中心軸に沿って貫通する円筒状の円筒部7aと、この円筒部7aの先端(図1における上側の端)に連通する箱形のプリズム収容部7bとから、構成されている。
【0019】
このプリズム収容部7b内には、互いに45度の角度をなす一対の内面反射面と互いに90度の角度をなす入斜面及び出射面とを有するペンタプリズム10が、収容されている。円筒部7aを貫通したレーザビームは、このプリズム収容部7b内においてペンタプリズム10の入射面からその内部に入射すると、一対の反射面によって順次反射されることにより、入射時点でのビーム軸の方向に対して正確に90度の方向に向けられ、出射面から出射される。なお、プリズム収容部7bにおけるペンタプリズム10の出射面に対向した壁面は、このペンタプリズムの出射面から出射されたレーザビームを透過させるために、一部切り欠かれている。
【0020】
一方、円筒部7aの基端には、この円筒部7bと同軸の環状ギヤ9が填められて固定されている。この環状ギヤ9には、モータ3の駆動軸先端に固着されたピニオンギヤ4が噛合している。このモータ3には、モータ駆動回路114から駆動電流が供給されているので、両ギヤ4,9を介してヘッド部7を回転駆動することができる。その結果、ペンタプリズム10も回転するので、このペンタプリズム10から出射されたレーザビームが同一平面内で走査され、プレーンビームを形成する。特に、ビームエキスパンダ2の光軸が鉛直方向に向けられている場合には、ペンタプリズム10から出射されたレーザビームが水平プレーンビームを形成し、この水平プレーンビームが当たった壁面上に、水平線を描く。即ち、これらモータ駆動回路114,モータ3,両ギヤ4,9,及びヘッド部7が、回転機構を構成する。
【0021】
また、円筒部7aの中間には、この円筒部7bと同軸の円盤状形状を有するエンコーダ板8が填め込られて固定されている。このエンコーダ板8は、透明部材から構成されている。このエンコーダ板8の上面には、図3の平面図に示すように、エンコーダ板8の中心から一定角度間隔で放射するように、多数のコードパターン8aが描かれている。なお、このコードパターン8aよりも中心寄りの位置には、本体部Mに対するヘッド部7(レーザビームの射出方向)の相対角の原点を定義するために用いられる原点検出パターン8bが、一個のみ描かれている。
【0022】
上述のエンコーダセンサ5は、上記コードパターン8a及び上記原点検出パターン8bを夫々検出する2組のフォトインタラプタ(図示略)から構成されている。これら各組のフォトインタラプタをなす発光素子及び受光素子(何れも図示略)は、エンコーダ板8をその周縁上の一箇所からその中心に向けて挟み込む形状のステーにより、エンコーダ板8を挟んで対向する位置に固定されている。そのため、コードパターン8aを検出するフォトインタラプタの受光素子は、エンコーダ板8の回転に伴って個々のコードパターン8aが通過する毎にパルスを出力する。つまり、これらエンコーダ板8とエンコーダセンサ5はインクリメンタル方式のエンコーダを構成している。
【0023】
なお、エンコーダセンサ5は、本体部Mに対するヘッド部7(レーザビームの射出方向)の相対角が所定の原点角となったときに原点検出パターン8bを検出する位置に、取り付けられている。従って、原点検出パターン8bを検出するフォトインタラプタの受光素子の出力は、本体部Mに対するヘッド部7(レーザビームの射出方向)の相対角が所定の原点角となったときのみ、LOW電位となる。
【0024】
エンコーダセンサ5における各組のフォトインタラプタの受光素子の出力は、処理回路115に入力される。この処理回路115は、原点検出パターン8bを検出するフォトインタラプタの受光素子の出力がLOW電位となった時にその出力をリセットとともに、リセット後においてコードパターン8aを検出するフォトインタラプタの受光素子から出力されたパルス数を計数し、計数結果に相当するヘッド部7(レーザビームの射出方向)の本体部Mに対する相対角を出力する。この処理回路115の出力は、マイクロコンピュータ111に入力される。以上のエンコーダ板8,エンコーダセンサ5,及び処理回路115が、相対角検知部に相当する。
【0025】
方位角センサ6は、地磁気を検出する地磁気センサとコリオリの力を検出するジャイロコンパスとを組み合わせて構成され、本体部Mの機械設置方向(即ち、ビームエキスパンダ2の光軸からエンコーダセンサ5に向かう方向)の基準方位角(北)を基準とした方位角(以下、単に「本体部Mの方位角」という)に相当する出力を、測定回路112に入力する。この測定回路112は、方位角センサ6の出力に基づいて、本体部Mの方位角をマイクロコンピュータ111に入力する。
【0026】
マイクロコンピュータ111は、制御回路11全体の制御を行うプロセッサであり、設定入力回路12からの入力情報に応じて各種制御を実行する。このマイクロコンピュータ111が実行する具体的制御の内容を、図2のフローチャートを用いて、以下に詳しく説明する。
【0027】
このフローチャートによる制御は、制御回路11に電源が投入されることによりスタートする。そして、スタート後最初のS001では、マイクロコンピュータ111は、設定入力回路12からの入力情報に基づき、現在設定されているモードが、プレーンビーム投射モードであるか方位角指示モードであるかをチェックする。
【0028】
そして、プレーンビーム投射モードが設定されていると判定した場合には、マイクロコンピュータ111は、S012において、プレーンビーム投射モードによる制御を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ111は、レーザ駆動回路113に対してレーザダイオード1からレーザビームを射出させる様指示すると同時に、モータ駆動回路114に対してモータ3を回転させる様指示する。
【0029】
これに対して、方位角指示モードが設定されているとS001にて判定した場合には、マイクロコンピュータ111は、S002において、ヘッド部7の原点復帰を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ111は、モータ3によってヘッド部7を低速回転させる様、モータ駆動回路114に対して指示し、処理回路115の出力がリセットされると、モータの停止をモータ駆動回路14に指示する。
【0030】
次のS003では、マイクロコンピュータ111は、設定入力回路12を介してオペレータが設定する方位角を受け付ける。そして、マイクロコンピュータ111は、オペレータが設定入力回路12を介して方位角を設定すると、処理をS004乃至S009のループ処理に進める。
【0031】
このループ処理における最初のS004では、マイクロコンピュータ111は、測定回路112に対して、方位角センサ6を用いた本体部Mの方位角の測定を指示し、この指示に応じて測定回路112が入力してきた本体部Mの方位角を取り込む。
【0032】
次のS005では、マイクロコンピュータ111は、処理回路115から出力されているヘッド部7の本体部Mに対する相対角(以下、「ヘッド現在位置」という)を取り込む。
【0033】
次のS006では、マイクロコンピュータ111は、S003にて設定された方位角とS004にて取り込んだ本体部Mの方位角との差分(即ち、ヘッド位置の目標値)を算出する。
【0034】
次のS007では、マイクロコンピュータ111は、S006で算出された差分にヘッド現在位置が一致しているか否かに基づいて、ヘッド部7の本体部Mに対する相対回転角と方位角センサ6によって検知された方位角とに対応するヘッド部7の現在の方位角が、S003にて設定された方位角に一致しているか否かを、チェックする。そして、ヘッド部7の現在の方位角がS003にて設定された方位角に一致していない場合(即ち、S006で算出された差分にヘッド現在位置が一致していない場合)には、マイクロコンピュータ111は、処理をS008に進める。S008では、マイクロコンピュータ111は、レーザ駆動回路113に対して、レーザダイオード1を消灯又は点滅させる様指示する。次のS009では、マイクロコンピュータ111は、S006で算出された差分とヘッド現在位置とのズレ量に相当する角度だけヘッド部7を回転させる様、モータ駆動回路114に対して指示を行う。この指示を行うと、マイクロコンピュータ111は、処理をS004に戻す。
【0035】
これに対して、ヘッド部7の現在の方位角がS003にて設定された方位角に一致しているとS007にて判定した場合(即ち、S006で算出された差分にヘッド現在位置が一致している場合)には、マイクロコンピュータ111は、処理をS010に進める。このS010では、マイクロコンピュータ111は、モータ駆動回路114に対して、ヘッド部7の回転停止を指示する。次のS011では、マイクロコンピュータ111は、レーザ駆動回路113に対してレーザダイオード1を点灯させる様指示する。S011の終了後、マイクロコンピュータ111は、処理をS003に戻す。
【0036】
<実施形態の作用>
以下、上記構成を有するレーザ測量装置を方位角指示モードで動作させる場合における動作の説明を行う。オペレータは、先ず、方位角の中心となる測点上に、図示せぬ三脚を用いてレーザ測量装置11を設置する。そして、この三脚の各脚を調節することによって、レーザダイオード1からのレーザビームの射出方向,即ち、ビームエキスパンダ2の光軸を、鉛直方向に向ける。なお、このとき、レーザ測量装置の本体部Mの方位角は任意である。
【0037】
以上の準備が済んだ後に、オペレータは、制御回路11に電源を投入することによって図2のフローチャートによる制御処理をスタートさせ、設定入力回路12を介して制御回路11を方位角指示モードに設定する。すると、最初に、制御回路11のマイクロコンピュータ111は、モータ駆動回路114に対して、ヘッド部7の原点復帰(処理回路115の出力のリセット)を行わせるので(S002)、オペレータは、設定入力回路12を介して、指示したい方位角を入力する(S003)。
【0038】
次に、マイクロコンピュータ111は、測定回路112に対して、方位角センサ6を用いた本体部Mの方位角の測定を行わせる(S004)。図4の例では、本体部Mの方位角(機械設置方向の基準方位角からのズレ量)は、θs°である。続いて、マイクロコンピュータ111は、処理回路115から出力されているヘッド現在位置(ヘッド部7の本体部Mに対する相対角,但し、初期状態においては0°)を取り込むとともに(S005)、オペレータによって設定された方位角と本体部Mの方位角との差分に基づいてヘッド位置の目標値を算出する(S006)。図4の例では、ヘッド位置の目標値は、θh°である。
【0039】
初期状態においては、ヘッド位置の目標値とヘッド現在位置とは不一致であるのが一般的であるので、マイクとコンピュータ111は、レーザ駆動回路113に対してレーザビームを消灯したまま若しくは点滅させる様指示しつつ(S008)、モータ駆動回路114に対して、ヘッド位置の目標値とヘッド現在位置とのズレ角分だけヘッド部7を回転させる様指示する(S009)。
【0040】
このような方位角測定〜ヘッド部7回転を繰り返すと、ヘッド位置の目標値とヘッド現在位置とが一致するようになるので、マイクロコンピュータ111は、モータ駆動回路114に対してヘッド部7の回転を停止させるとともに(S010)、レーザ駆動回路113に対してレーザビームの点灯を指示する(S011)。これにより、オペレータによって入力された方位角の方向へ、レーザビームが射出される。
【0041】
この後、新たな方位角がオペレータによって入力されなければ、マイクロコンピュータ111は、ヘッド部7の回転を指示することなく、レーザビームを射出させ続ける(S011)。これに対して、新たな方位角が入力されると、マイクロコンピュータ111は、この新たな方位角が示す方向に、ヘッド部7を回転させた後に(S009)、レーザビームを再射出させる(S011)。
【0042】
<変形例>
上述した第1実施形態の構成を変更し、エンコーダ板8に描かれたコードパターンを、図5に示すアブソリュート式としても良い。図5は、エンコーダ板8’を放射状に16分割し、分割された各領域毎に一意の4ビットの2進値パターンを割り当てた例を示す平面図である。このように形成されたエンコーダ板8’から4ビットの2進値パターンを読み取るエンコーダセンサ5は、各ビットの明暗(透明/不透明)を検知するために、4組のフォトインタラプタを備える必要がある。このようなアブソリュート式のエンコーダが採用される場合、図3に示すインクリメンタル式のエンコーダと比較して、原点検出をして処理回路115の出力をリセットする必要がなくなる。従って、この場合にマイクロコンピュータ111が実行する制御処理においては、図2のフローチャートからS002の処理が省略される。
【実施形態2】
図6は、本発明の第2実施形態によるレーザ測量装置の構成を示す構造図である。この図6から明らかなように、本第2実施形態は、上述した第1実施形態と比較して、エンコーダ板8及びエンコーダセンサ5によってヘッド部7の本体部Mに対する相対角を検知するのではなく、本体部Mに対するヘッド部7(レーザビームの射出方向)の相対角が所定の原点角となった事を原点センサ14によって検出するとともに、ヘッド部7(レーザビームの射出方向)の本体部Mに対する相対回転角をステッピングモータ13へ供給したパルス数をカウントすることによって計測することを、特徴とする。以下、本第2実施形態によるレーザ測量装置の構成を、上述した第1実施形態と相違する部分を中心として説明する。
【0043】
ヘッド部7の基端に填められた環状ギヤ9の上面は、無反射面として処理されており、その周方向における1箇所のみに、原点を定義するために用いられる原点検出パターン(図示略)が、高反射率材料によって描かれている。
【0044】
上述の原点センサ14は、環状ギヤ9の上面の原点検出パターンを検知するフォトリフレクタであり、本体部Mに対するヘッド部7(レーザビームの射出方向)の相対角が所定の原点角となったときに原点検出パターン8bを検出する位置に、取り付けられている。
【0045】
この原点センサ14の受光素子の出力は、制御回路11を構成する検出回路116に入力される。この検出回路は、原点センサ14の受光素子の出力がHIGH電位となった時に、原点角を検出した旨を示すパルスをマイクロコンピュータ111に入力する。
【0046】
上述の環状ギヤ9に噛合するピニオンギヤ4を回転駆動するステッピングモータ13は、モータ駆動回路117によって駆動パルスが供給される毎に、両ギヤ4,9を介して所定角度だけヘッド部7を回転させる。このモータ駆動回路117は、マイクロコンピュータ111によってヘッド部7の回転を指示されると、指示された回転角度だけヘッド部7を回転させるためにステッピングモータ13が必要とする個数の駆動パルスを、このステッピングモータ13に供給するとともに、マイクロコンピュータ111にフィードバックする。
【0047】
マイクロコンピュータ111は、検出回路116からパルスを受信することによって、その時点にてヘッド部7が本体部Mに対して原点角の方向を向いていることを認識するとともに、モータ駆動回路117に対してヘッド部7の回転を指示したときには、このモータ駆動回路117からフィードバックされる駆動パルスを計数することによって、ヘッド部7の本体部Mに対する原点角の方向からの相対回転角を計算する。
【0048】
本第2実施形態におけるその他の構成は、上述した第1実施形態のものと全く同じであるので、その説明を省略する。
【0049】
以下、図7のフローチャートを用いて、マイクロコンピュータ111が実行する具体的制御の内容を、詳しく説明する。このフローチャートによる制御は、制御回路11に電源が投入されることによりスタートする。そして、スタート後最初のS101では、マイクロコンピュータ111は、設定入力回路12からの入力情報に基づき、現在設定されているモードが、プレーンビーム投射モードであるか方位角指示モードであるかをチェックする。
【0050】
そして、プレーンビーム投射モードが設定されていると判定した場合には、マイクロコンピュータ111は、S111において、プレーンビーム投射モードによる制御を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ111は、レーザ駆動回路113に対してレーザダイオード1からレーザビームを射出させる様指示すると同時に、モータ駆動回路117に対してモータ3を回転させる様指示する。
【0051】
これに対して、方位角指示モードが設定されているとS101にて判定した場合には、マイクロコンピュータ111は、S102において、ヘッド部7の原点復帰を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ111は、モータ3によってヘッド部7を低速回転させる様、モータ駆動回路117に対して指示し、検出回路116からパルスを受信すると、モータの停止をモータ駆動回路117に指示する。
【0052】
次のS103では、マイクロコンピュータ111は、設定入力回路12を介してオペレータが設定する方位角を受け付ける。そして、マイクロコンピュータ111は、オペレータが設定入力回路12を介して方位角を設定すると、処理をS104に進める。
【0053】
S104では、マイクロコンピュータ111は、測定回路112に対して、方位角センサ6を用いた本体部Mの方位角の測定を指示し、この指示に応じて測定回路112が入力してきた本体部Mの方位角を取り込む。
【0054】
次のS105では、マイクロコンピュータ111は、検出回路116からパルスを受信した後にモータ駆動回路117からフィードバックされた駆動パルスの総和に基づいて、原点角の方向を基準としたヘッド部7の本体部Mに対する相対角(以下、「ヘッド現在位置」という)を算出する。
【0055】
次のS106では、マイクロコンピュータ111は、S103にて設定された方位角とS104にて取り込んだ本体部Mの方位角との差分(即ち、ヘッド位置の目標値)を算出する。
【0056】
次のS107では、マイクロコンピュータ111は、S106で算出された差分にヘッド現在位置が一致しているか否かに基づいて、ヘッド部7の現在の方位角がS103にて設定された方位角に一致しているか否かをチェックする。そして、ヘッド部7の現在の方位角がS103にて設定された方位角に一致しているとS107にて判定した場合(即ち、S106で算出された差分にヘッド現在位置が一致している場合)には、マイクロコンピュータ111は、処理を直接S109に進める。これに対して、ヘッド部7の現在の方位角がS103にて設定された方位角に一致していない場合(即ち、S106で算出された差分にヘッド現在位置が一致していない場合)には、マイクロコンピュータ111は、処理をS108に進める。S108では、マイクロコンピュータ111は、S106で算出された差分とヘッド現在位置とのズレ量に相当する角度だけヘッド部7を回転させる様、モータ駆動回路117に対して指示を行う。この指示を行うと、マイクロコンピュータ111は、処理をS109に進める。
【0057】
S109では、マイクロコンピュータ111は、モータ駆動回路117に対して、ヘッド部7の回転停止を指示する。次のS110では、マイクロコンピュータ111は、レーザ駆動回路113に対してレーザダイオード1を点灯させる様指示する。S110の終了後、マイクロコンピュータ111は、処理をS103に戻す。
【0058】
以上のように構成された本第2実施形態のレーザ測量装置によると、ヘッド現在位置の検出方法が第1実施形態のものと相違する点を除き、上述した第1実施形態と同じ動作が行われる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように構成した本発明のレーザ測量装置によると、レーザビームの射出方向を正確に所望の方角に向けることができ、これによって、任意の方位角を正確に示すことができる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるレーザ測量装置の構造図
【図2】図1のマイクロコンピュータにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図3】図1のエンコーダ板の平面図
【図4】本発明の第1実施形態による作用の説明図
【図5】エンコーダの変形例を示す平面図
【図6】本発明の第2実施形態によるレーザ測量装置の構造図
【図7】図6のマイクロコンピュータにて実行される制御処理を示すフローチャート
【図8】従来のレーザ測量装置の構造図
【符号の説明】
1 レーザダイオード
3 モータ
5 エンコーダセンサ
6 方位角センサ
7 ヘッド部
8 エンコーダ板
10 ペンタプリズム
11 制御回路
12 設定入力回路
111 マイクロコンピュータ
M 本体部
Claims (6)
- 本体部と、
本体部に対して所定の回転軸を中心に回転可能に設けられているとともに、この回転軸に直交する方向へレーザビームを射出するヘッド部と、
このヘッド部を前記本体部に対して回転させることによって前記レーザビームを同一面内で走査させる回転機構と、
前記ヘッド部の前記本体部に対する相対回転角を検知する相対角検知部と、
前記本体部の設置方向の方位角を検知する方位角センサと、
任意の方位角が設定される方位角設定部と、
前記相対角検知部によって検知された前記ヘッド部の前記本体部に対する相対回転角と前記方位角センサによって検知された方位角とに対応する前記ヘッド部の方位角が前記方位角設定部に設定された方位角と一致するように、前記回転機構を制御する制御部と
を備えることを特徴とするレーザ測量装置。 - 前記本体部は、前記レーザビームを射出するレーザ光源を有するとともに、このレーザビームを前記回転軸に沿って案内し、
前記ヘッド部は、前記回転軸に沿って案内されたレーザビームを前記回転軸に直交する方向に向けて反射する反射部材を、内蔵している
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ測量装置。 - 前記反射部材はペンタプリズムである
ことを特徴とする請求項2記載のレーザ測量装置。 - 前記制御部は、前記ヘッド部の方位角が前記方位角設定部に設定された方位角と一致した時のみ、前記レーザビームを射出させる
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ測量装置。 - 前記相対角検知部は、エンコーダを有する
ことを特徴とする請求項1記載のレーザ測量装置。 - 前記制御部は、前記相対角検知部によって検知された前記ヘッド部の前記本体部に対する相対回転角と前記方位角センサによって検知された方位角とに対応する前記ヘッド部の方位角が前記方位角設定部に設定された方位角と一致するように前記回転機構を制御するモード,及び、前記ヘッド部を前記本体部に対して回転させ続けるように前記回転機構を制御するモードの何れかを選択して実行することを特徴とする請求項1記載のレーザ測量装置。
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