JP3595144B2 - 繰り返し制御装置及び情報再生装置 - Google Patents

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    • G11B7/08Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers
    • G11B7/09Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B7/0948Disposition or mounting of heads or light sources relatively to record carriers with provision for moving the light beam or focus plane for the purpose of maintaining alignment of the light beam relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following specially adapted for detection and avoidance or compensation of imperfections on the carrier, e.g. dust, scratches, dropouts

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクからの記録情報の再生の際等に用いられ、高精度の制御処理が可能な繰り返し制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、より高精度の制御処理を実現するための方法の一つとして、繰り返し制御が種々の分野で用いられている。
【0003】
この繰り返し制御は、制御系への入力信号がほぼ同一波形の繰り返しである場合に、当該入力信号が繰り返し波形であることに着目してその繰り返し毎に前回までの制御偏差をその時点での制御に反映する制御処理方法である。
【0004】
より具体的に説明すると、周期Lを有する周期関数である入力信号r(すなわち、r(t)=r(t−L))があるとき、当該周期LをN分割し、更に、k回目の繰り返し制御系への入力をe(i)とし、k−1回目の繰り返し制御系からの出力をvk−1(i)とし、k回目の繰り返し制御系からの出力をv(i)とすると、当該繰り返し制御系は、
【数1】
(i)=vk−1(i)+e(i) 但し、i=1〜N
により出力v(i)を算出して出力する。
【0005】
そして、この制御処理方法を光ディスクを用いた記録情報の再生装置に適用した場合には、Mを光ディスク一回転当りのサンプル数{上記(数1)における分割数Nに相当する。}、aをM以下の自然数、x(n)を光ディスクにおける回転角(a×2π/M)でのサンプル値(繰り返し制御系への入力値)、y(n)を同様に回転角(a×2π/M)での繰り返し制御系からの出力値、y(n−1)をy(n)に対して一回転前の回転角(a×2π/M)での繰り返し制御系からの出力値、Kiを積分ゲイン、Kpを繰り返し制御における応答特性を決定するパラメータとすると、上記周期Lを光ディスク一回転の時間に対応させて、
【数2】
y(n)=Kp×y(n−1)+Ki×x(n) …(1)
と表せることとなる。
【0006】
そして、上記繰り返し制御系を光ディスクにおけるトラッキングエラー信号の生成やフォーカスエラー信号の生成に適用した場合には、光ディスクの偏芯や面ブレに対応して光ディスクの回転周期に同期して発生するエラーを除去することができるという効果を奏する。
【0007】
【発明が解決しようとする損傷】
しかしながら、当該繰り返し制御系を光ディスクからの情報再生の制御に用いるとき、例えば、光ディスク上に傷等の障害(以下、光ディスク上に存在する各種の欠陥(情報ピットの損傷等)、傷又はゴミ等の障害を総じてディフェクトと称する。)が存在する場合を考えると、当該ディフェクトによって上記反射光が影響を受けることとなり、このときには記録情報に対応する再生RF(Radio Frequency)信号中に、例えば、そのレベルが再生RF信号として機能する所定のレベル以下となる信号損傷部分が生じると共に、各サーボ制御におけるエラー信号(上記トラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を纏めて、以下エラー信号と称する。)も影響を受けて正常な状態から波形変形が生じる。そして、当該波形変形が生じた場合には、その波形変形を光ディスク一回転毎に繰り返し制御系が学習記憶してしまい、実際にはディフェクトが消失した後でも繰り返し制御系の出力信号中に依然としてディフェクトに起因する波形変形が残存してしまい、そのような波形変形が残存して生成されたエラー信号に基づいて情報再生を制御した場合、正確な情報再生ができない場合があるという問題点があった。
【0008】
すなわち、より具体的に図10を用いて説明すると、例えば、トラッキングエラー信号の生成に繰り返し制御系を用いたとき、ディフェクトによりトラッキングエラー検出信号そのものに波形変形(図10上段において符号※で示す波形変形)が生じると、当該トラッキングエラー検出信号に基づいて生成される繰り返し制御系の出力信号(この信号がトラッキングエラー信号として実際のトラッキング制御に用いられる。)にも波形変形(図10下段において符号●で示す波形変形)が徐々に現れてくる。そして、ディフェクトがなくなってトラッキングエラー検出信号において波形変形が消失した後においても、繰り返し制御系の出力信号中には依然として波形変形(図10下段において符号○で示す波形変形)が残存し、これにより、トラッキングサーボ制御が乱される場合があるのである。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、再生信号中にディフェクトに起因する信号損傷部分が生じた場合でも、繰り返し制御系からの出力信号中に不要な波形変形が生じることがなく、情報再生制御等において誤動作等が発生することがない繰り返し制御装置並びに当該繰り返し制御装置を用いた情報再生装置及び情報記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、記録情報が記録されている光ディスク等の記録媒体からの当該記録情報の再生を制御するために用いられる制御検出信号であって、前記記録媒体に対して光ビームを照射し、当該光ビームの前記記録媒体からの反射光を用いて生成された制御検出信号を記憶するメモリ等の記憶手段と、前記反射光を用いて前記記録情報を再生した再生信号中に、前記記録媒体上に存在するディフェクトに起因して生じる信号損傷部分が含まれていることを示す検出信号に基づいて、当該信号損傷部分に対応する期間に生成される前記制御検出信号である異常制御検出信号を補完するための補完信号を生成するCPU等の生成手段と、前記異常制御検出信号を記憶させるべき前記記憶手段上の領域に、当該異常制御検出信号に代えて前記補完信号を記憶させるCPU等の記憶制御手段と、前記信号損傷部分が発生しているとき、前記記憶されている補完信号を読み出し、前記制御検出信号として出力するCPU等の出力手段と、を備え、前記生成手段は、前記再生信号中に前記信号損傷部分が検出されたとき、当該信号損傷部分の直前に対応する前記制御検出信号である直前制御検出信号及び前記信号損傷部分の直後に対応する前記制御検出信号である直後制御検出信号に基づいて前記補完信号を生成するように構成される。
【0011】
請求項1に記載の発明の作用によれば、記憶手段は、光ビームの記録媒体からの反射光を用いて生成された制御検出信号を記憶する。
【0012】
一方、生成手段は、再生信号の中に信号損傷部分が含まれていることを示す検出信号に基づいて、異常制御検出信号を補完するための補完信号を生成する。
【0013】
そして、記憶制御手段は、異常制御検出信号を記憶させるべき記憶手段上の領域に、当該異常制御検出信号に代えて補完信号を記憶させる。
【0014】
その後、出力手段は、信号損傷部分が発生しているとき、記憶されている補完信号を読み出し、制御検出信号として出力する。
このとき、生成手段は、再生信号中に信号損傷部分が検出されたとき、直前制御検出信号及び直後制御検出信号に基づいて補完信号を生成する。
【0015】
よって、再生信号における信号損傷部分に対応する異常制御検出信号が記憶されることがないので、当該異常制御検出信号の影響が後の情報再生制御に影響を及ぼすことを防止できる。
また、生成手段が、再生信号中に信号損傷部分が検出されたとき、直前制御検出信号及び直後制御検出信号に基づいて補完信号を生成するので、異常制御検出信号を正確に補完して制御検出信号を出力することができる。
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の繰り返し制御装置において、前記生成手段は、前記制御検出信号中に、前記信号損傷部分に対応した第2信号損傷部分であって、前記ディフェクトに起因して生じる第2信号損傷部分が含まれていることを示す第2検出信号又は前記検出信号のうちいずれか一方に基づき、前記再生信号中に前記信号損傷部分が検出されたとき又は前記制御検出信号中に前記第2信号損傷部分が検出されたときのいずれか一方において、前記信号損傷部分の直前に対応する前記制御検出信号である直前制御検出信号及び前記信号損傷部分の直後に対応する前記制御検出信号である直後制御検出信号に基づいて前記補完信号を生成すると共に、前記出力手段は、前記信号損傷部分又は前記第2信号損傷部分のうち、いずれか一方が発生しているとき、前記記憶されている補完信号を読み出し、前記制御検出信号として出力するように構成される。
【0017】
請求項2に記載の発明の作用によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、生成手段は、制御検出信号中に第2信号損傷部分が含まれていることを示す第2検出信号又は検出信号のうちいずれか一方に基づき、再生信号中に信号損傷部分が検出されたとき又は制御検出信号中に第2信号損傷部分が検出されたときのいずれか一方において、直前制御検出信号及び直後制御検出信号に基づいて補完信号を生成する。
【0018】
そして、出力手段は、信号損傷部分又は第2信号損傷部分のうちいずれか一方が発生しているとき、記憶されている補完信号を読み出し、制御検出信号として出力する。
【0019】
よって、制御検出信号における第2信号損傷部分を検出することによっても再生信号における信号損傷部分を検出して制御検出信号を補完することができる。
【0028】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の繰り返し制御装置において、前記記録媒体は光ディスク等のディスク状記録媒体であると共に、前記生成手段は、前記直前制御検出信号に対して少なくとも一回転前の同じ回転角度で生成された前記制御検出信号である前直前制御検出信号と、前記直後制御検出信号に対して少なくとも一回転前の同じ回転角度で生成された前記制御検出信号である前直後制御検出信号とを用いて前記補完信号を生成するように構成される。
【0029】
請求項に記載の発明の作用によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、記録媒体がディスク状記録媒体であると共に、生成手段が前直前制御検出信号と前直後制御検出信号とを用いて補完信号を生成するので、より正確に異常制御検出信号を補完して制御検出信号を出力することができる。
【0030】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の繰り返し制御装置において、前記補完信号は、前記直前制御検出信号と前記直後制御検出信号との間を階段状に接続する補完信号であるように構成される。
【0031】
請求項に記載の発明の作用によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、補完信号は直前制御検出信号と直後制御検出信号との間を階段状に接続する補完信号であるので、出力手段から出力される制御検出信号が急激に変化することを防止できる。
【0032】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の繰り返し制御装置において、前記制御検出信号は、前記ディスク状記録媒体におけるトラッキング方向において、前記光ビームの焦点位置と前記記録情報により形成される情報トラックの位置とが一致しているか否かを示すトラッキングエラー信号であるように構成される。
【0033】
請求項に記載の発明の作用によれば、請求項に記載の発明の作用に加えて、制御検出信号がトラッキングエラー信号であるので、信号損傷部分に対応する期間に生成された異常なトラッキングエラー信号が情報再生装置におけるトラッキングサーボ制御に影響を及ぼすことを防止できる。
【0034】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の繰り返し制御装置において、前記制御検出信号は、前記ディスク状記録媒体におけるフォーカス方向において、前記光ビームの焦点位置と前記記録情報により形成される情報記録面の位置とが一致しているか否かを示すフォーカスエラー信号であるように構成される。
【0035】
請求項に記載の発明の作用によれば、請求項に記載の発明の作用に加えて、制御検出信号がフォーカスエラー信号であるので、信号損傷部分に対応する期間に生成された異常なフォーカスエラー信号が情報再生装置におけるフォーカスサーボ制御に影響を及ぼすことを防止できる。
【0036】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の繰り返し制御装置において、前記制御検出信号は、前記記録情報を再生する際の基準となる基準周波数を有する基準再生クロック信号を生成するための基準クロック生成信号であるように構成される。
【0037】
請求項に記載の発明の作用によれば、請求項又はに記載の発明の作用に加えて、制御検出信号が基準クロック生成信号であるので、信号損傷部分に対応する期間に生成された異常な基準クロック生成信号が情報再生装置における基準再生クロック信号の生成に影響を及ぼすことを防止できる。
【0038】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項からのいずれか一項に記載の繰り返し制御装置と、前記信号損傷部分を検出し、前記検出信号を出力する損傷検出器等の検出手段と、前記出力手段から出力される前記制御検出信号を用いて前記記録情報の再生を制御するフォーカスドライバ等の制御手段と、前記再生を行う再生回路等の再生手段と、を備える。
【0039】
請求項に記載の発明の作用によれば、請求項からのいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、検出手段は、信号損傷部分を検出し検出信号を出力する。
【0040】
一方、制御手段は、出力手段から出力される制御検出信号を用いて記録情報の再生を制御する。
【0041】
そして、再生手段は、記録情報を再生する。
【0042】
よって、信号損傷部分に対応する異常制御検出信号の影響を受けることなく記録情報の再生を行うことができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は、光ディスクに記録されている記録情報を読み出すための情報再生装置において、当該情報再生のために光ディスクに照射される光ビームの焦点位置に対するフォーカスサーボ制御機構における繰り返し制御及び当該情報再生のための基準となる基準再生クロック信号を生成するためのPLL(Phase Locked Loop)回路における繰り返し制御に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0049】
(I)第1実施形態
始めに、本発明に係る第1の実施形態の情報再生装置の構成について、図1及び図2を用いて説明する。なお、図1は第1実施形態の情報再生装置のうち、フォーカスサーボ機構及びPLL回路に関する部材のみを示したものであり、実際の情報再生装置には、この他に、光ディスクに照射される光ビームの焦点位置に対するトラッキングサーボ制御機構等が含まれている。
【0050】
図1に示すように、第1実施形態の情報再生装置Sは、レーザダイオード1と、偏向ビームスプリッタ2と、スピンドルモータ3と、対物レンズ4と、記録媒体及びディスク状記録媒体としての光ディスク5と、集光レンズ6と、ディテクタ7と、制御手段としてのスピンドルドライバ19と、周波数ジェネレータ28と、再生手段としての再生回路21と、発振器20と、フォーカスサーボ回路FSと、PLL回路PLとにより構成されている。
【0051】
次に、上記フォーカスサーボ回路FSは、I−V(電流−電圧)変換器8と、検出手段としての損傷検出器9と、繰り返し制御装置としての繰り返しコントローラ10と、イコライザ11と、制御手段としてのフォーカスドライバ12と、により構成されている。
【0052】
また、PLL回路PLは、上記I−V変換器8及び損傷検出器9と、繰り返しコントローラ15と、位相比較器16と、ループフィルタ17と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)18と、により構成されている。
【0053】
次に、上記繰り返しコントローラ10及び15の構成について、図2を用いて説明する。なお、繰り返しコントローラ10と繰り返しコントローラ15とは基本的に構成は同一であるので、図2においては、これらを代表して繰り返しコントローラ10の構成について説明する。
【0054】
図2に示すように、繰り返しコントローラ10は、サンプルホールド回路30と、A/D変換器31と、生成手段、記憶制御手段及び出力手段としてのCPU32と、記憶手段としてのメモリ33と、D/A変換器34と、加算器35と、インバータ36と、スイッチ37とにより構成されている。
【0055】
次に、図1を用いて情報再生装置Sの全体動作を説明する。
【0056】
レーザダイオード1は情報再生用のレーザ光等の光ビームBを生成し、偏向ビームスプリッタ2へ出射する。
【0057】
そして、偏向ビームスプリッタ2は、当該入射された光ビームBを反射し、対物レンズ4へ入射させる。
【0058】
その後、対物レンズ4は、入射された光ビームBを光ディスク5上の再生すべき記録情報により形成された情報トラック上に照射する。このとき、当該光ビームBの焦点位置の光ディスク5に垂直な方向(いわゆるフォーカス方向)の位置は、後述するフォーカスドライバ12からの駆動信号Sdvにより対物レンズ4に接続された図示しないフォーカスアクチュエータが当該対物レンズ4をフォーカス方向に移動させることにより上記情報トラックの位置と一致させられる。
【0059】
更に、このとき、光ディスク5は、後述のスピンドル制御信号Sdsに基づいて、スピンドルモータ3により所定回転数で回転されている。
【0060】
そして、情報トラックに照射されて反射されることにより、記録情報に対応して強度変調されると共にその偏光面が回転された光ビームBは、対物レンズ4を通過して偏向ビームスプリッタ2を透過した後、集光レンズ6によりディテクタ7の受光面上に集光される。このとき、フォーカスエラー信号の生成方法として、例えば非点収差法を用いる場合には、集光レンズ6は光ビームBに対して非点収差を与えてディテクタ7に入射させる。
【0061】
なお、フォーカスエラー信号の生成方法としては、これ以外に、例えばスポットサイズ法やナイフエッジ法等を用いることができる。
【0062】
次に、ディテクタ7は、受光した光ビームBの強度に対応する検出信号Spを生成し、I−V変換器8に出力する。なお、実際には、ディテクタ7の受光面は四分割され、分割された夫々の受光面から独立して検出信号が生成されており、上記検出信号Spはこれら四つの検出信号が纏められて出力される。
【0063】
そして、当該検出信号Spに基づいて、フォーカスサーボ回路FSは、上記フォーカスアクチュエータを駆動するための駆動信号Sdvを生成し、当該フォーカスアクチュエータに出力してフォーカスサーボ制御を行う。
【0064】
一方、PLL回路PLは、上記検出信号Spに基づいて、記録情報の再生のための基準クロックとなる基準再生クロック信号Ssを生成する。
【0065】
そして、再生回路21は、上記基準再生クロック信号Ssに基づいて、上記検出信号Spを用いてI−V変換器8により生成された上記記録情報に対応する再生RF信号Srfに対して復調等の再生処理を施し、当該記録情報に対応する再生信号Sppとして外部に出力する。
【0066】
一方、PLL回路PLにおいて生成された基準再生クロック信号Ssは、スピンドルドライバ19へも出力され、スピンドルモータ3の回転数を制御するための上記スピンドル制御信号Sdsの生成に用いられる。このとき、スピンドルドライバ19の他の入力端子には、スピンドルモータ3の回転における基準周波数を有するクロック信号Srefが水晶発振子を含む発振器20から供給されている。そして、スピンドルドライバ19は、基準再生クロックSsとクロック信号Srefとが一致するようにスピンドルモータ3を回転させるべく上記スピンドル制御信号Sdsを生成する。
【0067】
さらに、上記の処理と並行して、周波数ジェネレータ28は、スピンドルモータ3の回転(すなわち、光ディスク5の回転)に同期した数のパルス(例えば、光ディスク5の1回転当り36個のパルス)を含む周波数信号Sfg(図3下から二段目参照。当該図3においては、符号Lが光ディスク5が一回転する期間を示し、符号Tが周波数信号Sfgにおけるパルス間隔を示している。)を生成し、フォーカスサーボ回路FS及びPLL回路PLに出力する。
【0068】
次に、本発明に係る信号損傷処理を含むフォーカスサーボ回路FSの動作について、図1及び図3を用いて説明する。
【0069】
フォーカスサーボ回路FSにおいては、先ず、I−V変換器8が、入力されている検出信号Spに基づいて記録情報に対応する上記再生RF信号Srfを生成し損傷検出器9に出力すると共に、当該検出信号Spに基づいて、光ビームBの焦点位置の情報トラックからのフォーカス方向のずれを示すフォーカスエラー信号Sfeを生成し、繰り返しコントローラ10に出力する。
【0070】
このとき、これら再生RF信号Srf及びフォーカスエラー信号Sfeを生成するために上述のようにディテクタ7が四分割されており、分割された夫々の受光面からの検出信号を加算した信号に基づいて上記再生RF信号Srfが生成され、一方、分割された四つの受光面のうち、対向して配置されている一組の受光面からの検出信号を組毎に夫々加算した信号同士の差を用いることにより非点収差法による上記フォーカスエラー信号Sfeが生成される。
【0071】
ここで、上記再生RF信号Srf中に図3最上段に示すような光ディスク5上のディフェクトに起因する信号損傷部分が含まれていると、損傷検出器9は、当該再生RF信号Srfからそのエンベロープを抽出し(当該エンベロープにも信号損傷部分に対応するレベル低減部(図3上から二段目参照)が含まれている。)、当該信号損傷部分が生じている期間に「HIGH」となる損傷検出信号Sdfcを生成し、繰り返しコントローラ10に出力する。
【0072】
なお、再生RF信号Srfに信号損傷部分が生じている期間は、上記フォーカスエラー信号Sfeにおいても図3上から四段目に示すような急激な波形変形が生じることとなる。
【0073】
次に、上記周波数信号Sfg、損傷検出信号Sdfc及びフォーカスエラー信号Sfeが入力されている本発明に係る繰り返しコントローラ10の動作について説明する。
【0074】
当該繰り返しコントローラ10においては、上記周波数信号Sfgを用いて、フォーカスエラー信号Sfeに対していわゆる繰り返し制御を施し、繰り返し信号Scfを生成して元のフォーカスエラー信号Sfeに加算してイコライザ11へ出力する。すなわち、周波数信号Sfgに含まれる各パルスのタイミングに対応して入力されるフォーカスエラー信号Sfeの値を当該周波数信号Sfgの各パルスのタイミングでサンプルホールドすると共にディジタル信号に変換し、当該ディジタル信号の値を光ディスク5の一回転毎に周波数信号Sfgの各パルスのタイミングでメモリ33に蓄積記憶し、更に、現在の光ディスク5の回転における周波数信号Sfgの各パルスのタイミングにおいて、少なくとも一回転前までの同じタイミング(同じ回転角度)で入力されていたフォーカスエラー信号Sfeの値を考慮した値を上記繰り返し信号Scfとして出力し、これを現在のフォーカスエラー信号Sfeに加算して出力する処理を、周波数信号Sfgの各パルス毎に繰り返す。このとき、光ディスク5が一回転する毎に36個のパルスが周波数信号Sfgとして生成されることにより、光ディスク5を周方向に36等分した回転角度毎のフォーカスエラー信号Sfeの値をメモリ33に蓄積記憶することとなる。
【0075】
ここで、再生RF信号Srfに信号損傷部分が生じている期間に対応するフォーカスエラー信号Sfeには、上述のように当該信号損傷部分に対応して図3上から四段目に示すような波形変形が含まれており、これがそのまま繰り返しコントローラ10に入力されることとなるが、当該繰り返しコントローラ10は、後に詳述する補完処理を当該波形変形に対して行う。これにより補完処理の結果として出力される繰り返し信号Scfは、当該信号損傷部分が発生していない期間では繰り返しコントローラ10に入力されているフォーカスエラー信号Sfeと後述の出力信号Sを加算した信号に対応したものとなり、ディフェクトが発生している期間は図3最下段に示すようにその部分が階段状に補完された波形を有して出力される。
【0076】
次に、繰り返し信号Scfはイコライザ11に入力され、当該イコライザ11によりその周波数特性が補正されフォーカス制御信号Sfrとしてフォーカスドライバ12に出力される。
【0077】
そして、このようなフォーカス制御信号Sfrに基づいて、フォーカスドライバ12は対物レンズ4に固定されている図示しないフォーカスアクチュエータを駆動し、フォーカスサーボ制御を施すための上記駆動信号Sdvを生成する。
【0078】
次に、本発明に係る信号損傷処理を含むPLL回路PLの動作について、図1及び図3を用いて説明する。
【0079】
PLL回路PLにおいては、先ず、I−V変換器8が、上述のように入力されている検出信号Spに基づいて上記再生RF信号Srfを生成し、損傷検出器9、位相比較器16及び再生回路21に出力する。この再生RF信号Srfは、上述のように、ディテクタ7中の分割された夫々の受光面からの検出信号を加算した信号に基づいて生成される。
【0080】
そして、損傷検出器9は、上述のように再生RF信号Srfからそのエンベロープを抽出し、信号損傷部分が生じている期間に「HIGH」となる上記損傷検出信号Sdfcを生成し、繰り返しコントローラ15に出力する。
【0081】
一方、再生RF信号Srfが入力されている位相比較器16は、VCO18が出力する基準再生クロック信号Ssと当該再生RF信号Srfとを位相比較し、夫々の信号の位相差である比較信号Sfcを繰り返しコントローラ15へ出力する。
【0082】
次に、上記周波数信号Sfg、比較信号Sfc及び損傷検出信号Sdfcが入力されている繰り返しコントローラ15の動作について説明する。
【0083】
当該繰り返しコントローラ15においては、上記繰り返しコントローラ10と同様に、上記周波数信号Sfg及び比較信号Sfcに対して繰り返し制御を施し、繰り返し信号Scpを生成して元の比較信号Sfcに加算してループフィルタ17へ出力する。すなわち、周波数信号Sfgに含まれる各パルスのタイミングに対応して入力される比較信号Sfcの値を光ディスク5の各回転角度毎にメモリ33に蓄積記憶し、更に、現在の光ディスク5の回転における周波数信号Sfgの各パルスのタイミングにおいて、少なくとも一回転前までの同じタイミング(同じ回転角度)で入力されていた比較信号Sfcの値を考慮した値を上記繰り返し信号Scpとして出力し、これを現在の比較信号Sfcに加算して出力する処理を周波数信号Sfgの各パルス毎に繰り返す。
【0084】
なお、再生RF信号Srfに信号損傷部分が生じている期間に対応する比較信号信号Sfcには、上記フォーカスエラー信号Sfeの場合と同様に当該信号損傷部分に対応した波形変形が含まれており、これがそのまま繰り返しコントローラ15に入力されることとなるが、当該繰り返しコントローラ15は、繰り返しコントローラ10の場合と同様な補完処理を当該波形変形に対して行う。これにより補完処理の結果として出力される繰り返し信号Scpは、当該信号損傷部分が発生していない期間では繰り返しコントローラ15に入力されている比較信号Sfcと後述する出力信号を加算した信号に対応いたものとなり、信号損傷部分が発生している期間は対応する部分が階段状に補完された波形を有して出力される。
【0085】
次に、ループフィルタ17は、繰り返し信号Scpを平均化し、VCO18を制御するための電圧信号Svを当該VCO18に出力する。
【0086】
そして、このような電圧信号Svに基づいて、VCO18は上記基準再生クロック信号Ssを生成し、フィードバックのために位相比較器16に出力すると共に、再生回路21及びスピンドルドライバ19へ出力する。
【0087】
その後、再生回路21は、基準再生クロック信号Ss及び再生RF信号Srfを用いて上記再生信号Sppを生成する。
【0088】
一方、スピンドルドライバ19は、当該基準再生クロック信号Ssの周波数及び位相と上記クロック信号Srefの周波数及び位相とを夫々一致させるべく上記スピンドル制御信号Sdsを生成する。
【0089】
次に、本発明に係る繰り返しコントローラ10及び15の動作について、図2及び図4乃至図6を用いて説明する。なお、繰り返しコントローラ10と繰り返しコントローラ15とでは、その動作は対象とする信号が異なる(繰り返しコントローラ10の場合はフォーカスエラー信号Sfeであり、繰り返しコントローラ15の場合は比較信号Sfcである。)のみでその他は基本的に同一であるので、以下の説明では繰り返しコントローラ10の動作について説明する。
【0090】
また、以下の説明では、周波数信号Sfgが光ディスク5の一回転当り36個のパルスを含んでいるものとする。
【0091】
繰り返しコントローラ10においては、図2に示すように、周波数信号Sfgはサンプルホールド回路30と、CPU32に入力されている。
【0092】
そして、当該サンプルホールド回路30は、周波数信号Sfgに含まれている各パルスのタイミングにおいて入力されてくるフォーカスエラー信号Sfeをサンプルホールドし、ホールド信号SとしてA/D変換器31に出力することを周波数信号Sfgに含まれている各パルス毎に繰り返す。
【0093】
次に、A/D変換器31は、入力されているホールド信号Sをディジタル化し、ディジタルホールド信号SをCPU32に出力する処理をホールド信号Sが入力される度に繰り返す。
【0094】
ここで、フォーカスエラー信号Sfeは、スイッチ37の一方の端子にも入力されている。このスイッチ37は、損傷検出信号Sdfcをインバータ36により反転した信号により開閉が制御される。すなわち、損傷検出信号Sdfcが「HIGH」のときインバータ36からの出力信号は「LOW」となり、これによりスイッチ37は開状態とされる。また、損傷検出信号Sdfcが「LOW」のときインバータ36からの出力信号は「HIGH」となり、これによりスイッチ37は閉状態とされる。従って、フォーカスエラー信号Sfeにディフェクトに起因する波形変形が含まれているときは、後述する処理によりD/A変換器34から出力されている出力信号Sがそのまま加算器35を介して繰り返し信号Scfとして出力されると共に、フォーカスエラー信号Sfeにディフェクトに起因する波形変形が含まれていないときは、当該出力信号Sと元のフォーカスエラー信号Sfeとが加算されて繰り返し信号Scfとして出力される。
【0095】
一方、CPU32は、逐次入力されてくるディジタルホールド信号Sに対して、別に入力されている上記周波数信号Sfgを用いて図4乃至6に示す処理を実行する。ここで、図4に示す処理は周波数信号Sfgにおけるパルスとパルスの間の時間(すなわち、時間T)の間に一巡の処理が終了するものであり、図5に示す処理は、信号損傷部分が検出されている期間が終了した直後の時間Tの期間に一巡の処理が終了するものである。
【0096】
図4に示すように、CPU32は、情報再生装置Sの電源が投入されると、始めに、パラメータ「adr」とパラメータ「cnt」の二つを夫々「0」に設定し、初期化する(ステップS1)。
【0097】
ここで、パラメータ「adr」は、周波数信号Sfgの夫々のパルスのタイミングで入力されてくるディジタルホールド信号Sを光ディスク5の一回転内において識別するためのパラメータであり、本実施形態の場合、周波数信号Sfgが光ディスク5の一回転毎に36個のパルスを含んでいるので、パラメータ「adr」も1から36までの値を取る。
【0098】
一方、パラメータ「cnt」は、再生RF信号Srf及びフォーカスエラー信号Sfeに信号損傷部分又は波形変形が含まれているとき、当該信号損傷部分又は波形変形が発生している期間に入力される周波数信号Sfgのパルスの数を示すパラメータである。
【0099】
ステップS1において各パラメータが初期化されると、次に、周波数信号Sfgのパルスが入力されたか否かを判定するために、周波数信号Sfgが「1」となったか否かが判定される(ステップS2)。そして、周波数信号Sfgが「1」でないときは(ステップS2;NO)そのまま待機し、「1」となったときは(ステップS2;YES)、次に、パラメータ「adr」を「1」だけインクリメントする(ステップS3)。
【0100】
そして、インクリメントしたパラメータ「adr」の値がN+1(このとき、Nは光ディスク5が一回転する間に生成される周波数信号Sfgのパルス数であり、本実施形態の場合は「36」である。)に等しいか否かが判定され(ステップS4)、パラメータ「adr」がN+1に等しいときは(ステップS4;YES)、光ディスク5がディスク状であることに対応してCPU32の処理をリングバッファ的に繰り返すべく、パラメータ「adr」を「1」に設定して(ステップS5)ステップS6に移行する。
【0101】
一方、パラメータ「adr」がN+1に等しくないときは(ステップS4)、次に、信号損傷部分が発生しているか否かを判定すべく、入力されている損傷検出信号Sdfcが「1」となったか否かが判定される(ステップS6)。
【0102】
そして、損傷検出信号Sdfcが「1」となったときは(ステップS6;YES)、メモリ33内の領域のうち、現在のパラメータ「adr」の値に対応する後述のX(adr)領域40に記憶されている値をCPU32内の図示しないレジスタAに設定記憶させて(ステップS7)、ステップS9に移行する。
【0103】
一方、ステップS6の判定において、損傷検出信号Sdfcが「1」でないとき、すなわち、再生RF信号Srf中に信号損傷部分が発生していないときは(ステップS6;NO)、その時に入力されているディジタルホールド信号Sが示す値を上記レジスタAに設定記憶させて(ステップS8)、ステップS9に移行する。
【0104】
ここで、第1実施形態のメモリ33内の構成について、図7を用いて説明する。
【0105】
図7に示すように、メモリ33は、X(adr)領域40とY(adr)領域41に分割されており、このうち、X(adr)領域40には、パラメータ「adr」毎に、信号損傷部分がないときに入力されたディジタルホールド信号Sのうち、最新のもの(従って、信号損傷部分がない通常時は、光ディスク5の一回転前の各パラメータ「adr」に対応する回転角度でCPU32に入力されたディジタルホールド信号Sの値が各回転毎に更新されつつ記憶される。)が記憶されている。
【0106】
また、Y(adr)領域41には、パラメータ「adr」毎に、信号損傷部分がないときにCPU32から出力された後述の出力信号Sのうち、最新のもの(従って、信号損傷部分がない通常時は、光ディスク5の一回転前の各パラメータ「adr」に対応する回転角度でCPU32から出力された出力信号Sの値が各回転毎に更新されつつ記憶される。)が記憶されている。
【0107】
X(adr)領域40内の対応する値又はディジタルホールド信号Sの値がレジスタAに設定記憶されると(ステップS7又はS8)、次に、現在のパラメータ「adr」に対応するY(adr)領域41内の値をCPU32内の図示しないレジスタBに設定記憶させ、その後、レジスタAとレジスタBに記憶されている値を用いて、上記式(1)に基づき、
【数3】
C=Kp×(レジスタBの値)+Ki×(レジスタAの値) …(2)
により値Cを求め、当該求めた値CをCPU32内の図示しないレジスタCに設定記憶させ、更に、当該値Cを上記出力信号SとしてCPU32からD/A変換器34に出力する(ステップS9)。
【0108】
ここで、上記式(2)中、係数Kpは上述のように繰り返し制御における応答特性を決定するパラメータであるが、このパラメータKpは、具体的には、
【数4】
Kp=e−WpL
で示される(このとき、Lは上述したように光ディスク5が一回転する期間であり、結果として0<Kp<1となる。また、Wpは式(2)の右辺全体をローパスフィルタの伝達関数とみなした場合、カットオフ周波数に相当する係数である。)係数であり、一度設定されると第1実施形態のCPU32が動作中は一定値に保たれる。
【0109】
このとき、係数Kpが0に近づくほど現在の光ディスク5の回転で入力されてきたディジタルホールド信号Sのみを用いて今回の出力信号Sを算出することとなり、一方、係数Kpが1に近づくほど前回の出力信号Sの値を考慮して今回の出力値を算出することとなる。そして係数Kpが1に近いときには当該前回の出力信号Sの値には前々回の回転における出力信号Sの影響が強いわけだから、結局、係数Kpが1に近づくほど過去の全ての光ディスク5の回転時に出力された出力信号Sの値を反映して今回の回転における出力信号Sを算出していることとなる。
【0110】
また、ステップS9の前にステップS7又はS8が実行されていることから、式(2)において係数Kiに乗じられるレジスタAの値としては、信号損傷部分がないときは今回の光ディスク5の回転により生成されたディジタルホールド信号Sの値が用いられ(ステップS8参照。)、信号損傷部分があるときは一回転前の光ディスク5の回転により生成されたディジタルホールド信号Sの値が用いられることとなる(ステップS7参照)。
【0111】
ステップS9において算出された出力信号SのD/A変換器34への出力が終了すると、次に、再度損傷検出信号Sdfcが「1」となったか否かが判定される(ステップS10)。このとき、上記ステップS6において「YES」であった場合にはステップS10の判定においても「YES」であり、ステップS6において「NO」であった場合にはステップS10の判定においても「NO」となる。
【0112】
そして、損傷検出信号Sdfcが「1」であるときは(ステップS10;YES)、信号損傷部分が発生しているとしてパラメータ「cnt」を「1」だけインクリメントして(ステップS11)ステップS14に移行する。
【0113】
一方、ステップS10の判定において、損傷検出信号Sdfcが「1」でないときは(ステップS10;NO)、現在のレジスタCに記憶されている出力信号Sの値をY(adr)領域41内の対応するパラメータ「adr」の領域に記憶させると共に、現在のレジスタAに記憶されている値をX(adr)領域40内の対応するパラメータ「adr」の領域に記憶させる(ステップS12)。このとき、レジスタAに記憶されている値については、信号損傷部分がないときは、現在の光ディスク5の回転により生成されたディジタルホールド信号Sの値が記憶されることとなる。
【0114】
そして、X(adr)領域40とY(adr)領域41内の対応する記憶値が更新されると、次に、パラメータ「cnt」が0か否かが判定され(ステップS13)、パラメータ「cnt」が0のとき、すなわち、信号損傷部分が発生しなかったときは(ステップS13;YES)そのままステップS14へ移行し、パラメータ「cnt」が0でない、すなわち、信号損傷部分が存在していたときは(ステップS13;NO)後述の図5に示す信号損傷部分の置き換え処理(すなわち、信号損傷部分発生中に生成されたディジタルホールド信号Sと信号損傷部分発生中に出力された出力信号Sとを補完するための置き換え処理)に移行する。
【0115】
そして、ステップS14においては、情報再生装置Sの電源が断とされたか否かが判定され、断となっているときは(ステップS14;YES)そのまま処理を終了し、断となっていないときは(ステップS14;NO)ステップSに戻ってそれ以降上述の処理を繰り返す。
【0116】
以上の説明から明らかなように、図4に示す動作においては、信号損傷部分が発生していないときは、現在の光ディスク5の回転により生成されたディジタルホールド信号Sと一回転前の光ディスク5の回転により出力された出力信号Sの値を用いて通常の繰り返し制御を行い、現在の光ディスク5の回転に対応する出力信号Sを生成する。
【0117】
一方、信号損傷部分が発生しているときは、パラメータ「cnt」を更新すると共に、次に述べる図5に示す置き換え処理により更新された上記X(adr)領域40内とY(adr)領域41内の該当するパラメータ「adr」に対応する領域に記憶されている値を用いて上記ステップS9の動作を行い、出力信号Sを生成する。
【0118】
次に、上述した置き換え処理の具体的内容について、図5及び図6を用いて説明する。なお、以下の説明においては、図6に示すように、パラメータ「adr」が「9」乃至「12」のときの周波数信号Sfgに対応するタイミングで信号損傷部分が発生しているものと仮定して説明する。この場合には、図4に示した処理により、パラメータ「cnt」の値は、「0」から「4」まで増加することとなり、また、損傷検出信号Sdfcが「0」になったタイミングを示すパラメータ「adr」が「13」のときの周波数信号SfgがCPU32に入力されたときに図5に示すフローチャートに移行し(図4ステップS13;NO)、その直後の1Tの期間で図5に示す置き換え処理が実行される。
【0119】
メモリ33の置き換え処理としては、図5に示すように、始めに、パラメータ「cnt」の現在の値(図6の場合、「4」)を「1」だけインクリメントした値を有するパラメータ「cnt1」と、現在のパラメータ「adr」の値(図6の場合、「13」)から上記パラメータ「cnt1」の値(図6の場合、「5」)を差し引いた値(図6の場合、「8」)を有するパラメータ「adr0」を新規に設定する(ステップS15)。このとき、パラメータ「adr0」は信号損傷部分が発生する直前の周波数信号Sfgのパルスの時間的位置を示すこととなる。
【0120】
そして、当該設定したパラメータ「adr0」の値が「0」より大きいか否か、すなわち、検出された信号損傷部分が光ディスク5の新しい一回転の先頭(この先頭でパラメータ「adr」は「0」になる。)から始まっているか否かが判定され(ステップS16)、パラメータ「adr0」の値が「0」より大きいときは(ステップS16;YES)、ディフェクトが光ディスク5の一回転の途中から始まっているとしてそのままステップS18に移行し、一方、パラメータ「adr0」の値が「0」より大きくないときは(ステップS16;NO)、上記ステップS5と同様のリングバッファ処理を実行すべく現在のパラメータ「adr0」の値に光ディスク5の一回転中に出力される周波数信号Sfgのパルス数N(第1実施形態の場合、「36」)を加算し、加算後の値(すなわち、「36」)を新しいパラメータ「adr0」として設定して(ステップS17)、ステップS18へ移行する。
【0121】
次に、ステップS18においては、現在のパラメータ「adr0」の値(図6の場合、「8」)に対応するY(adr)領域41に記憶されている値と現在のパラメータ「adr」の値(図6の場合、「13」)に対応するY(adr)領域41に記憶されている値とを加算し、加算後の値をパラメータ「cnt1」の現在の値(図6の場合、「5」)で除した値を有するパラメータ「delta」を新規に設定すると共に、現在のパラメータ「adr」の値(図6の場合、「13」)を有するパラメータ「adrd」を新規に設定する。このとき、パラメータ「adrd」は信号損傷部分が発生した直後の周波数信号Sfgのパルスの時間的位置を示すこととなる。
【0122】
この結果、信号損傷部分が発生している期間の直前と直後に対応するY(adr)領域41の領域に記憶されている値同士の差を信号損傷部分が発生している期間に均等に配分した場合の、一の周波数信号Sfgのパルスのタイミングとその直後の周波数信号Sfgのパルスのタイミングに夫々対応するY(adr)領域41の値の差がパラメータ「delta」として算出される。
【0123】
次に、現在の上記パラメータ「adrd」の値(図6の場合、「13」)と現在のパラメータ「cnt1」の現在の値(図6の場合、「5」)を「1」だけ夫々デクリメントし(ステップS19)、更新されたパラメータ「adrd」の値(現在は「12」)が「0」より大きいか否かが判定され(ステップS20)、パラメータ「adrd」の値が「0」より大きいときは(ステップS20;NO)そのままステップS22に移行し、一方、パラメータ「adrd」の値が「0」より大きくないときは(ステップS20;NO)、上記ステップS5又はS17と同様のリングバッファ処理を実行すべく現在のパラメータ「adrd」の値に上記一回転中に出力される周波数信号Sfgのパルス数Nを加算し、加算後の値を新しいパラメータ「adrd」として設定して(ステップS21)、ステップS22へ移行する。
【0124】
次に、ステップS22においては、現在のパラメータ「adr」の値(図6の場合、「13」)に対応するY(adr)領域41の値から上記パラメータ「delta」に相当する値を差し引いた値を現在のパラメータ「adrd」の値(図6の場合、「12」)に対応するY(adr)領域41に記憶させる(すなわち、置き換える)と共に、現在のパラメータ「adrd」の値(「12」)を新たにパラメータ「adr」の値とする(ステップS22)。
【0125】
そして、ステップS23において、ステップS19で設定したパラメータ「cnt」の値が「0」となったか否か、すなわち、信号損傷期間に相当する周波数信号Sfgのパルスに対応するY(adr)領域41の値がすべてステップS19乃至22の処理により置き換えられたか否かが判定され(ステップS23)、置き換えが終了しているときは(ステップS23;YES)そのまま図4に示すステップS2に移行し、信号損傷期間中に対応するY(adr)領域41の値について全ての置き換えが終了していないときは(ステップS23;NO)ステップS19に戻って一つ前の周波数信号Sfgのパルスに対応するY(adr)領域41の値の置き換えを行う。
【0126】
このステップS19乃至S22の動作がパラメータ「cnt」が「0」となるまで繰り返されることにより、信号損傷部分が発生している期間に相当する周波数信号Sfgのパルスのタイミングに対応する全てのY(adr)領域41の値が、パラメータ「delta」で示される段差を有する階段状の信号で信号損傷部分の直前に相当する周波数信号Sfgのパルスのタイミングに対応するY(adr)領域41の値と信号損傷部分の直後に相当する周波数信号Sfgのパルスのタイミングに対応するY(adr)領域41の値とを接続した形の値に置き換えられる。
【0127】
そして、図5に示す処理が終了した次の光ディスク5の回転における図4に示す処理は、当該置き換えられたY(adr)領域41の値を用いて演算される。
【0128】
その後、置き換えられて出力された出力信号SをD/A変換器34でアナログ化した信号である上記出力信号Sは、スイッチ37の開閉に基づいて上記フォーカスエラー信号Sfeと加算器35により加算され、繰り返し信号Scfとして出力される。このとき、当該繰り返し信号Scfは、図3最下段に示すように、信号損傷部分が生じていてもその期間に対応する部分が階段状に補完された繰り返し信号Scfとなって信号損傷部分の影響が除去された波形となる。
【0129】
なお、PLL回路PL中の繰り返しコントローラ15の場合には、上述した図5乃至図7に示す処理を比較信号Sfcについて行うことにより、繰り返しコントローラ15におけるメモリ内のY(adr)領域について、信号損傷部分が発生しているときに生成された値をその直前と直後の記憶値を用いて置き換えつつ繰り返し制御が実行される。
【0130】
以上説明したように、第1実施形態の情報再生装置Sの動作によれば、信号損傷部分に対応するディジタルホールド信号Sを用いた演算結果がメモリ33に継続して記憶されることがないので、当該信号損傷部分に対応するディジタルホールド信号Sの影響が後の情報再生装置Sの制御に影響を及ぼすことを防止できる。
【0131】
また、再生RF信号Srf中に信号損傷部分が検出されたとき、その直前と直後に対応するY(adr)領域41の値を用いて当該信号損傷期間のY(adr)領域41の値を補完するので、信号損傷部分の影響を正確に補完することができる。
【0132】
更に、一回転以上前の影響を考慮して信号損傷部分を補完するので、より正確に信号損傷部分を補完することができる。
【0133】
更にまた、信号損傷部分の期間に対応するY(adr)領域41の値を階段状に補完するので、繰り返し信号Scfが急激に変化することを防止できる。
【0134】
更に、フォーカスエラー信号Sfeにおける信号損傷部分を補完できるので、情報再生装置Sにおけるフォーカスサーボ制御に信号損傷部分が影響を及ぼすことを防止できる。
【0135】
また、比較信号Sfcにおける信号損傷部分が補完できるので、情報再生装置Sにおける基準再生クロック信号Ssの生成に信号損傷部分が影響を及ぼすことを防止できる。
【0136】
(II)第2実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第2の実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。
【0137】
上述の第1実施形態においては、図4のステップS9において、光ディスク5における過去の全ての回転において生成されたY(adr)領域41の値を考慮して新たなY(adr)領域41の値を設定する構成としたが、第2実施形態においては、過去全ての回転ではなく、一回転前に生成された値のみを考慮してくり返し制御を行う。
【0138】
なお、図8及び図9に示すフローチャートにおいて、図4又は図5に示すフローチャートと同様の処理については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0139】
また、第2実施形態の情報再生装置の構成は、各繰り返しコントローラ内のメモリの構成について、第1実施形態のメモリ33のようにX(adr)領域40とY(adr)領域41の二つの領域を有するのではなく、パラメータ「adr」毎に、信号損傷部分がないときに入力されたディジタルホールド信号Sのうち、最新のものを記憶するD(adr)領域(周波数信号Sfgの各パルス毎の記憶領域を含む。)を有する他は、第1実施形態の情報再生装置Sと同様であるので細部の説明は省略する。
【0140】
更に、図8に示す処理は周波数信号Sfgにおけるパルスとパルスの間の時間の間に一巡の処理が終了するものであり、図9に示す処理は、信号損傷部分が検出されている期間が終了した直後の時間Tの期間に一巡の処理が終了するものである。また、以下の説明では、周波数信号Sfgは第1実施形態と同様に光ディスク5の一回転当り36個のパルスを含んでいる。
【0141】
図8に示すように、第2実施形態の繰り返しコントローラ内のCPUは、始めに、図4に示すステップS1乃至S5の動作を行う。
【0142】
そして、ステップS4においてパラメータ「adr」がN+1に等しいとき(ステップS4;YES)又はステップS5の処理が実行された後に、その時のパラメータ「adr」により示される上記D(adr)領域内の領域に記憶されている値を出力信号Sとして出力する(ステップS30)。このステップS30の処理が第1実施形態におけるステップS9に相当する。
【0143】
次に、損傷検出信号Sdfcが「1」となったか否かが判定される(ステップS10)。
【0144】
そして、損傷検出信号Sdfcが「1」とであるときは(ステップS10;YES)、信号損傷部分が発生しているとしてパラメータ「cnt」を「1」だけインクリメントして(ステップS11)ステップS14に移行する。
【0145】
一方、ステップS10の判定において、損傷検出信号Sdfcが「1」でないときは(ステップS10;NO)、そのときに入力されているディジタルホールド信号Sの値をD(adr)領域内の対応するパラメータ「adr」の領域に記憶させる(ステップS31)。
【0146】
そして、次に、上記ステップS13の判定を行い、信号損傷部分が発生しなかったときは(ステップS13;YES)そのままステップS14へ移行し、パラメータ「cnt」が0でない、すなわち、信号損傷部分が存在していたときは(ステップS13;NO)図9に示す信号損傷部分の置き換え処理(すなわち、信号損傷発生中に生成されたディジタルホールド信号Sを補完するための置き換え処理)に移行する。
【0147】
以上の説明から明らかなように、図8に示す動作においては、信号損傷部分が発生していないときは、一回転前の光ディスク5の回転により生成されたディジタルホールド信号Sをそのまま現在の光ディスク5の回転に対応する出力信号Sとして出力することとなる。
【0148】
一方、信号損傷部分が発生しているときは、パラメータ「cnt」を更新すると共に、次に述べる図9に示す置き換え処理により更新された上記D(adr)領域内の該当するパラメータ「adr」に対応する領域に記憶されている値を用いて上記ステップS30の動作を行い、出力信号Sを出力する。
【0149】
次に、上述した置き換え処理の具体的内容を図9に示す。
【0150】
このとき、図9に示す処理は、図5に示す処理のうち、Y(adr)領域41をD(adr)領域に置換したものと全く同じ処理を行う。
【0151】
すなわち、先ず、図5に示すステップS15乃至S17に示す処理を行い、次に、ステップS32において、現在のパラメータ「adr0」の値(図6の場合、「8」)に対応するD(adr)領域に記憶されている値と現在のパラメータ「adr」の値(図6の場合、「13」)に対応するD(adr)領域に記憶されている値とを加算し、加算後の値をパラメータ「cnt1」の現在の値(図6の場合、「5」)で除した値を有するパラメータ「delta」を新規に設定すると共に、現在のパラメータ「adr」の値(図6の場合、「13」)を有するパラメータ「adrd」を新規に設定する。
【0152】
この結果、信号損傷部分が発生している期間の直前と直後に対応するD(adr)領域に記憶されている値同士の差を信号損傷部分が発生している期間に均等に配分した場合の、一の周波数信号Sfgのパルスのタイミングとその直後の周波数信号Sfgのパルスのタイミングに夫々対応するD(adr)領域の値の差がパラメータ「delta」として算出される。
【0153】
次に、図5に示すステップS19乃至S21の処理を実行し、ステップS33へ移行する。
【0154】
そして、ステップS33においては、現在のパラメータ「adr」の値(図6の場合、「13」)に対応するD(adr)領域の値から上記パラメータ「delta」に相当する値を減算し、上記のパラメータ「adrd」の値(図6の場合、「12」)に対応するD(adr)領域に記憶させる(すなわち、置き換える)と共に、現在のパラメータ「adrd」の値(「12」)を新たにパラメータ「adr」の値とする。
【0155】
そして、以後図5に示すステップS23を行う。
【0156】
このステップS19乃至S21及びS33の動作がパラメータ「cnt」が「0」となるまで繰り返されることにより、信号損傷部分が発生している期間に相当する周波数信号Sfgのパルスのタイミングに対応する全てのD(adr)領域の値が、パラメータ「delta」で示される段差を有する階段の信号で信号損傷部分の直前に相当する周波数信号Sfgのパルスのタイミングに対応するD(adr)領域の値と信号損傷部分の直後に相当する周波数信号Sfgのパルスのタイミングに対応するD(adr)領域の値とを接続した形の値に置き換えられる。
【0157】
そして、図9に示す処理が終了した次の光ディスク5の回転における図8に示す処理は、当該置き換えられたD(adr)領域の値を用いて演算される。
【0158】
その後、置き換えられて出力された出力信号SをD/A変換器でアナログ化した信号である出力信号Sは、スイッチ37の開閉に基づいて上記フォーカスエラー信号Sfeと加算器35により加算され、繰り返し信号Scfとして出力される。このとき、当該繰り返し信号Scfは、第1実施形態と同様に、信号損傷部分が生じていても、その期間に対応する部分が階段状に補完された繰り返し信号Scfとなって、信号損傷部分の影響が除去された波形となる。
【0159】
なお、PLL回路PL中の繰り返しコントローラ15の場合には、上述した図8及び図9に示す処理を比較信号Sfcについて行うことにより、繰り返しコントローラにおけるメモリ内のD(adr)領域について、信号損傷部分が発生しているときに生成された値をその直前と直後の記憶値を用いて置き換えつつ繰り返し制御が実行される。
【0160】
また、第2実施形態の繰り返しコントローラにおいては、光ディスク5の一回転前に検出されたフォーカスエラー信号Sfe又は比較信号Scfに基づいて補完処理を実行するが、これは、一回転前の同じ回転角度におけるフォーカスエラー又は基準再生クロック信号と現在の回転角度におけるフォーカスエラー又は基準再生クロック信号とが強い相関関係を有していることに起因するものである。換言すれば、情報トラックのうねりや光ディスク5の面精度のずれは、一回転(すなわち一情報トラック分)の間ではそれほど急激に変化しないことを利用しているのである。
【0161】
以上説明したように、第2実施形態の情報再生装置の動作によれば第1実施形態の情報再生装置Sと同様の効果が得られる他、繰り返しコントローラ内の構成を簡略化することができるという効果を奏する。
【0162】
なお、上述の各実施形態においては、再生RF信号Srfが入力される損傷検出器9を用いて信号損傷部分を検出したが、これ以外に、再生RF信号Srfに信号損傷部分が生じているときは図3上から四段目に示すような波形変形がフォーカスエラー信号Sfeに発生することを用いて、当該フォーカスエラー信号Sfeの値が所定の閾値以上になることを検出する検出手段としての損傷検出器をI−V変換器8と繰り返しコントローラ10の間(第1実施形態の情報再生装置Sの場合)のフォーカスエラー信号Sfeの経路上に設け、これにより、信号損傷期間を検出する構成とすることもできる。
【0163】
また、上述の各実施形態においては、情報再生装置Sのうち、フォーカスサーボ回路FS及びPLL回路PLに対して本発明を適用した場合について説明したが、これ以外に、光ディスク5に対するトラッキングサーボ制御(例えば、3ビーム法、プッシュプル法又はDPD(Differential Phase Detection)法を用いたトラッキングサーボ制御に本発明を適用することもできる。
【0164】
この場合には、信号損傷部分が発生している期間に生成されるトラッキングエラー信号を、光ディスク5の一回転前に検出されたトラッキングエラー信号のうち、信号損傷部分の直前と直後に対応するトラッキングエラー信号に基づいて補完し、当該トラッキングエラー信号の波形変形を補償することとなる。
【0165】
更に、上述の実施形態においては、情報再生装置Sの再生時におけるフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御又はPLL回路PLによる基準再生クロック信号Ssの生成に対して本発明を適用した場合について説明したが、これ以外に、光ディスクに対して上記フォーカスサーボ制御又はトラッキングサーボ制御を行いつつ情報を記録する制御手段としてのCPU及び記録手段としてのピックアップ等を含む情報記録装置、又は当該フォーカスサーボ制御又はトラッキングサーボ制御を行いつつ情報の記録及び再生を実行する情報記録再生装置に対して本発明を適用することも可能である。
【0166】
この場合に、情報記録時には再生RF信号Srfは生成されないので、例えば、トラッキングエラー信号又はフォーカスエラー信号のいずれか一方における波形変形を検出することにより信号損傷区間を検出するように構成する必要がある。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、再生信号における信号損傷部分に対応する異常制御検出信号が記憶されることがないので、当該異常制御検出信号の影響が後の情報再生装置の制御に影響を及ぼすことを防止できる。
【0168】
よって、出力手段から出力された制御検出信号を用いることにより正確に記録情報を再生することができる。
また、再生信号中に信号損傷部分が検出されたとき、直前制御検出信号及び直後制御検出信号に基づいて補完信号を生成するので、異常制御検出信号を正確に補完して制御検出信号を出力することができる。
【0169】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、制御検出信号における第2信号損傷部分を検出することによっても再生信号における信号損傷部分を検出して制御検出信号を補完することができる。
【0173】
請求項に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、記録媒体がディスク状記録媒体であると共に、前直前制御検出信号と前直後制御検出信号とを用いて補完信号を生成するので、より正確に異常制御検出信号を補完して制御検出信号を出力することができる。
【0174】
請求項に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、補完信号が直前制御検出信号と直後制御検出信号との間を階段状に接続する補完信号であるので、出力手段から出力される制御検出信号が急激に変化することを防止できる。
【0175】
よって、情報再生装置における記録情報の再生動作が急激に変化することを防止でき、正確に記録情報を再生することができる。
【0176】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加えて、制御検出信号がトラッキングエラー信号であるので、信号損傷部分に対応する期間に生成された異常なトラッキングエラー信号が情報再生装置におけるトラッキングサーボ制御に影響を及ぼすことを防止できる。
【0177】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加えて、制御検出信号がフォーカスエラー信号であるので、信号損傷部分に対応する期間に生成された異常なフォーカスエラー信号が情報再生装置におけるフォーカスサーボ制御に影響を及ぼすことを防止できる。
【0178】
請求項に記載の発明によれば、請求項又はに記載の発明の効果に加えて、制御検出信号が基準クロック生成信号であるので、信号損傷部分に対応する期間に生成された異常な基準クロック生成信号が情報再生装置における基準再生クロック信号の生成に影響を及ぼすことを防止できる。
【0179】
よって、出力手段から出力された制御検出信号を用いることにより正確に基準再生クロック信号を生成して記録情報を再生することができる。
【0180】
請求項に記載の発明によれば、請求項からのいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、信号損傷部分に対応する異常制御検出信号の影響を受けることなく記録情報の再生を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】情報再生装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】繰り返しコントローラの細部構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態における各部の動作波形を示すタイミングチャートである。
【図4】第1実施形態の繰り返しコントローラの動作を示すフローチャート(I)である。
【図5】第1実施形態の繰り返しコントローラの動作を示すフローチャート(II)である。
【図6】第1実施形態の繰り返しコントローラの動作を説明する図である。
【図7】第1実施形態のメモリの構成を説明する図である。
【図8】第2実施形態の繰り返しコントローラの動作を示すフローチャート(I)である。
【図9】第2実施形態の繰り返しコントローラの動作を示すフローチャート(II)である。
【図10】従来技術の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
1…レーザダイオード
2…偏向ビームスプリッタ
3…スピンドルモータ
4…対物レンズ
5…光ディスク
6…集光レンズ
7…ディテクタ
8…I−V変換器
9…損傷検出器
10、15…繰り返しコントローラ
11…イコライザ
12…フォーカスドライバ
16…位相比較器
17…ループフィルタ
18…VCO
19…スピンドルドライバ
20…発振器
21…再生回路
28…周波数ジェネレータ
30…サンプルホールド回路
31…A/D変換器
32…CPU
33…メモリ
34…D/A変換器
40…X(adr)領域
41…Y(adr)領域
S…情報再生装置
FS…フォーカスサーボ回路
PL…PLL回路
Sp…検出信号
Sfe…フォーカスエラー信号
Sfr…フォーカス制御信号
Scf、Scp…繰り返し信号
Sdv…駆動信号
Srf…再生RF信号
Sdfc…損傷検出信号
Sfc…比較信号
Sv…電圧信号
Ss…基準再生クロック信号
Spp…再生信号
Sds…スピンドル制御信号
Sfg…周波数信号
Sref…クロック信号
…ホールド信号
…ディジタルホールド信号
、S…出力信号

Claims (8)

  1. 記録情報が記録されている記録媒体からの当該記録情報の再生を制御するために用いられる制御検出信号であって、前記記録媒体に対して光ビームを照射し、当該光ビームの前記記録媒体からの反射光を用いて生成された制御検出信号を記憶する記憶手段と、
    前記反射光を用いて前記記録情報を再生した再生信号中に、前記記録媒体上に存在するディフェクトに起因して生じる信号損傷部分が含まれていることを示す検出信号に基づいて、当該信号損傷部分に対応する期間に生成される前記制御検出信号である異常制御検出信号を補完するための補完信号を生成する生成手段と、
    前記異常制御検出信号を記憶させるべき前記記憶手段上の領域に、当該異常制御検出信号に代えて前記補完信号を記憶させる記憶制御手段と、
    前記信号損傷部分が発生しているとき、前記記憶されている補完信号を読み出し、前記制御検出信号として出力する出力手段と、
    を備え
    前記生成手段は、前記再生信号中に前記信号損傷部分が検出されたとき、当該信号損傷部分の直前に対応する前記制御検出信号である直前制御検出信号及び前記信号損傷部分の直後に対応する前記制御検出信号である直後制御検出信号に基づいて前記補完信号を生成することを特徴とする繰り返し制御装置。
  2. 請求項1に記載の繰り返し制御装置において、
    前記生成手段は、前記制御検出信号中に、前記信号損傷部分に対応した第2信号損傷部分であって、前記ディフェクトに起因して生じる第2信号損傷部分が含まれていることを示す第2検出信号又は前記検出信号のうちいずれか一方に基づき、前記再生信号中に前記信号損傷部分が検出されたとき又は前記制御検出信号中に前記第2信号損傷部分が検出されたときのいずれか一方において、前記信号損傷部分の直前に対応する前記制御検出信号である直前制御検出信号及び前記信号損傷部分の直後に対応する前記制御検出信号である直後制御検出信号に基づいて前記補完信号を生成すると共に、
    前記出力手段は、前記信号損傷部分又は前記第2信号損傷部分のうちいずれか一方が発生しているとき、前記記憶されている補完信号を読み出し、前記制御検出信号として出力することを特徴とする繰り返し制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の繰り返し制御装置において、
    前記記録媒体はディスク状記録媒体であると共に、
    前記生成手段は、前記直前制御検出信号に対して少なくとも一回転前の同じ回転角度で生成された前記制御検出信号である前直前制御検出信号と、前記直後制御検出信号に対して少なくとも一回転前の同じ回転角度で生成された前記制御検出信号である前直後制御検出信号とを用いて前記補完信号を生成することを特徴とする繰り返し制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の繰り返し制御装置において、
    前記補完信号は、前記直前制御検出信号と前記直後制御検出信号との間を階段状に接続する補完信号であることを特徴とする繰り返し制御装置。
  5. 請求項に記載の繰り返し制御装置において、
    前記制御検出信号は、前記ディスク状記録媒体におけるトラッキング方向において、前記光ビームの焦点位置と前記記録情報により形成される情報トラックの位置とが一致しているか否かを示すトラッキングエラー信号であることを特徴とする繰り返し制御装置。
  6. 請求項に記載の繰り返し制御装置において、
    前記制御検出信号は、前記ディスク状記録媒体におけるフォーカス方向において、前記光ビームの焦点位置と前記記録情報により形成される情報記録面の位置とが一致しているか否かを示すフォーカスエラー信号であることを特徴とする繰り返し制御装置。
  7. 請求項又はに記載の繰り返し制御装置において、
    前記制御検出信号は、前記記録情報を再生する際の基準となる基準周波数を有する基準再生クロック信号を生成するための基準クロック生成信号であることを特徴とする繰り返し制御装置。
  8. 請求項からのいずれか一項に記載の繰り返し制御装置と、
    前記信号損傷部分を検出し、前記検出信号を出力する検出手段と、
    前記出力手段から出力される前記制御検出信号を用いて前記記録情報の再生を制御する制御手段と、
    前記再生を行う再生手段と、
    を備えることを特徴とする情報再生装置。
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