JP3595143B2 - 通信属性設定・通信量処理通信機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共有メディア型通信媒体を用いた通信において、システム側で主体的に通信優先度属性を定めて通信の制御と処理を実施することにより、通信処理の阻害要因となるネットワーク上での通信データの輻輳を回避して、通信の高信頼性や高速性を保証する通信優先度の設定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
共有メディア型通信媒体を用いた通信では、通常は、通信データの重要度を考慮せず、どのような通信データについても、同じ条件で通信処理を実施する。そのため、通信処理が多数発生すると、通信媒体上で通信データの衝突が発生してしまい、本当は重要度の低い通信処理が、実は重要度の高い通信処理を阻害してしまう問題が発生してしまう。
これを改善するため、通信データの重要度に合わせて通信データに通信優先度を付与し、それを元にスイッチングデバイスのようなネットワーク接続機器により通信処理を制御し、異なる通信優先度間の通信データの衝突を回避し、なおかつ、重要度の高い通信データは、より優先的に通信処理を行わせる方式が提案されている。
【0003】
上述の通信優先度の設定と、それに基づく通信動作の第1の従来技術を説明する。
図75は、「PACE Technology−Making Multimedia and Real−Time Networks Possible Today(PACE Technology White Paper,Kai Chang著、3Com Inc.)」の「How PACE Class of Service Technology Is Impremented 」に示されているPACE機構について、その概念を図で示したものである。
【0004】
図75中の通信機器1(以降、計算機も含むものとする)では、ユーザアプリケーション2が通信データの重要度を判断し、通信データの重要度により予め決定されている通信優先度を通信データに付与し、通信機器1内のオペレーティング・システム内部及びネットワーク接続通信ハードウェアから構成されている通信を実施する機能を有する部分3(通常は通信制御部とも呼ばれているが、ここでは発明に関する部分と重複するので、以降、所定のプロトコルに基づいて、単にアプリケーション・ネットワーク間のデータ授受を行う部分として、通信処理部と記述する)内のプログラムインタフェース部3aを用いて、ネットワーク下位層に向けて送出する。送出された通信データは、通信処理部内の通信プロトコル部3bで通信に用いるパケットとして加工される。その後、通信処理部内のデバイスドライバ部3cへデータが渡される。その時、デバイスドライバ部3cでは、ユーザアプリケーション2から指定された通信データの重要度により、予め決定されている通信優先度の属性を元に、作成した通信フレームに通信優先度を設定し、ネットワーク接続通信ハードウェアである通信処理部内のネットワークインタフェース部3dより、ネットワーク接続機器4へ送出される。
ネットワーク接続機器4では、その内部で、既に通信フレームに付与された通信優先度の属性を判断する技術が知られており、通信優先度の高いものを優先的に処理し、他の通信機器1に対して通信フレームを転送する。低通信優先度が付与された通信フレームは、ネットワーク接続機器4内で、高通信優先度が付与された通信フレームの転送処理が終了するまで転送は実施されず、待たされることになる。
【0005】
なお、PACE機構では、通信優先度の種類を高低2種類としており、かつ、ユーザアプリケーション2が通信を実施する際の仮想ポート単位に通信優先度が予め静的に付与されており、ユーザアプリケーション2が通信を実施した場合、使用する仮想ポートにより、予め静的に付与された通信優先度を用いて通信を実施する。また、ネットワーク接続機器4は、高低2種類の通信優先度に従った優先度処理を行えるように予め設計されており、通信機器1により高低2種類の通信優先度が付与された通信データを通信優先度に基づいて、他通信機器1に対して配送できる機能を持つ。
【0006】
この第1の従来技術によれば、通信データに対して通信優先度を付与することにより、その通信優先度に従った通信を実現できるが、以下の不具合がある。
即ち、第1に、ユーザアプリケーション2が通信データに対して通信優先度を付与する方式のため、ユーザアプリケーション2を設計する段階で通信処理部内のネットワークインタフェース部3dに依存した通信優先度の付与方式を考えて、アプリケーションに実装する必要がある。
第2に、ユーザアプリケーション2が独立に通信データの重要度を判断し、通信優先度を決定するため、異なるユーザアプリケーション2間での通信優先度の調停が難しい。
第3に、異なる通信機器1間での共通な通信優先度を決定し、制御する手法が存在しないため、異なる通信機器1間での通信優先度の調停が難しい。
第4に、通信データに付与される通信優先度の決定は、ユーザアプリケーション2が行うため、通信機器1で動作するオペレーティング・システム内での統一した管理が実施できない。従って、無秩序な通信優先度の使用が原因となる通信機器異常及びネットワークシステム異常の早期検出が不可能となる。
第5に、通信優先度の異なる通信に関しては、ネットワークシステム内での通信データの衝突による輻輳を回避できるが、同じ通信優先度を用いた複数の通信に関しては、通信データの衝突による輻輳を回避できないため、一度通信データの衝突が発生してしまうと、輻輳回復処理を優先して実施してしまう。このため、正常の通信処理は一時停止してしまい、高速が要求される通信を阻害したり、到着時間制限付のデータ通信を妨げることになり、信頼性を欠いた通信処理しかできないことになる。
【0007】
第2の従来技術を説明する。
図76は、特表平6−506571号公報に示された分散異機種ネットワーク通信の構成図を示したものである。
図76の計算機10は、その機種は任意であり、複数機種が同一ローカルエリアネットワーク12上に接続されている。また、広域ネットワーク13上にも接続されている。個々の計算機10内には、通信マネージャ(以降、CMと記述する)11が存在する。
ある計算機10は、そのCM11を使用して、ローカルエリアネットワーク12及び広域ネットワーク13を通して、他の計算機10上のCM11と通信を実施したとする。CM11では、計算機10上で動作するアプリケーションに対して、仮想的なネットワークプロトコルを提供する。アプリケーションは、CM11との間で仮想的なネットワークプロトコルを使用し通信することで、以下の制約を考えないで、優先度の設定が可能である。即ち、計算機が実際に接続されているローカルエリアネットワーク12で使用されている通信媒体の種類や、広域ネットワーク13で使用されている通信媒体の種類や、ネットワークに接続するために使用する接続機器の種類や、計算機がローカルエリアネットワーク12や広域ネットワーク13を介して他の計算機10との通信に使用する実通信プロトコルの種類や、ネットワーク上に存在する計算機10を識別するためのネットワークアドレスなどの制約を意識しないで通信ができる。
なお、CM11は、計算機10上で動作するユーザアプリケーションとして構築されており、CM11からの通信データ配送に関する優先順位として8段階の優先度が規定されており、CM11内部から計算機10上の実通信プロトコル処理部へ通信データを送出する際に、通信優先度で規定された順にデータを渡す。
【0008】
この第2の従来技術によれば、計算機10上で動作するユーザアプリケーションは、CM11と仮想プロトコルを用いた通信を実施することで、異機種間通信を可能とし、また、ユーザアプリケーション開発時にかかる開発コストの低減を図っているが、以下の不具合がある。
即ち、第1に、CM11は、ユーザアプリケーションとして構築されているため、計算機10上で動作する他のユーザアプリケーションと実行時間(タイムクォンタム)を分割することになる。CM11の実行に十分な実行時間が与えられない場合、CM11上に通信データが滞溜してしまい、計算機10からネットワークに対して円滑に送信できなくなる。
第2に、CM11は、その内部で仮想プロトコルと計算機10が外部との通信に使用する実通信プロトコルとの変換が必要となり、変換処理に時間がかかってしまうため、高速通信が必要となるようなネットワークには適用が難しい。
第3に、計算機10が新通信媒体及び新しい実通信プロトコルを用いた通信を行う場合、計算機10への新通信媒体用処理部及び新しい実通信プロトコル処理部の追加作業だけではなく、CM11内部のプロトコル変換部及びCM11内部の他のネットワーク制御部を追加作成する必要があり、CM11に対する開発コストがかかることになる。
【0009】
第3の従来技術を説明する。
図77は、特表平7−503569号公報に示される協調作業用ワークステーションの構成図を示したものである。
図において、アプリケーション・プログラム20は、アプリケーション・プログラミングインタフェース22(以下、APIと記述する)を通じて、通信データの送信及びシステムの通信状態取得など通信に関するサービスを要求することができる。また、装置ドライバインタフェース30(以下、DDIとする)によって、システムはトークンリング装置ドライバ31、ISDN装置ドライバ32、RS232C装置ドライバ33、その他の装置ドライバ34などを介して、外部との通信をサポートすることができる。アプリケーション・プログラム20が外部と通信する場合、論理チャネルマネージャ27より使用する論理チャネルが割り当てられ、それを用いて通信を実施する。トークンマネージャ26でトークンを作成し、データ通信マネージャ28で論理チャネルの通信パラメータなどの特性をトークンに付与する。ネットワークマネージャ29では、トークンを装置ドライバで通信するために実プロトコルデータへ変換する。その後、DDI30を通して、装置ドライバを使って外部へ送信される。
資源23は、ワークステーションに設置されているプリンタ、2次記憶装置などを表しており、ネットワーク上でこれらの資源を共有する時の資源管理、共用セットマネージャ25で実施する。また、ネットワーク上で資源を共有する場合、論理装置24として外部に提示することで、外部からのアクセスを容易にしている。呼び出しマネージャ21は、外部からの通信要求を受け取り、対応するアプリケーション・プログラム20の起動など、イベントを実施する。
【0010】
この第3の従来技術によれば、アプリケーション・プログラム20は、下位の物理的な装置によらず、共通インタフェースで通信が可能であり、また、トークンという一種の仮想的なプロトコルを用いることで、使用する物理通信装置の形態を意識せずにアプリケーション開発が可能である。また、資源共有、論理装置管理などもアプリケーション・プログラム20の介在なしに実施しているため、複雑な装置制御手法に左右されることなく利用が可能である。しかし、本手法を用いた場合、以下の不具合が生ずる。
即ち、第1に、トークンという一種の仮想的なプロトコルを用いることにより、通信に使用する物理通信装置との間でプロトコル変換が発生するため、変換処理のオーバヘッドが大きくなり、実行速度が低下する恐れがある。
第2に、通信に使用する仮想チャネルに対する通信品質などの特性コントロールを通信単位でユーザが制御するため、通信の重要度という点から考えて、高重要度通信を低重要度通信が妨害する恐れがある。
第3に、仮想チャネルに対する特性を共通媒体を用いたネットワーク上で共有する手法が存在しないため、個々のワークステーションでは、他のワークステーションの行っている通信が用いている特性を知る方法がなく、従って、ネットワーク上での帯域幅の共通管理などが不可能となり、ネットワーク上で通信データの衝突による輻輳など、通信遅延の原因を低減できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の通信優先度の設定は、アプリケーションからの優先情報に基づいて設定されており、ユーザまたは個々のアプリケーションがそれぞれ優先度を主張すると、それらを調停して通信システムとして適切な優先度を定めることができず、適切な輻輳管理ができないという課題があった。
またユーザが通信に関するプログラムを理解していないと適切な通信優先度が指定できないという課題もあった。
また優先度の解読のために仮想的なプロトコルの変換のための処理時間がかかり、実質的な通信処理時間が増加するという課題もあった。
また更に優先度の指定が固定的であり、通信対象のプログラムの増加等の周囲環境の変化に対して柔軟に対処できないという課題もあった。
【0012】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、ユーザには通信プログラムの知識を要求せずに、通信システム側から判断して真に優先度の高いデータに対して高い通信優先度を設定し、環境変化に対して柔軟に優先度の変更が行える通信優先度設定システムを得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る通信属性設定・通信量処理通信機器は、他のネットワーク接続機器との間でアプリケーション・プログラム(AP)のデータを送受信する通信機器内に上記APのデータ送受信の通信処理を行う通信処理部とは別に
上記APからの通信優先度関連の属性要求を検出する属性要求解析手段と、上記属性要求からシステムで予め定められた通信優先度の属性を定める優先度属性選択手段と、上記定められた通信優先度の属性を上記通信処理部に設定する属性設定手段、とを備えた通信制御部を設け、
上記通信優先度関連の属性要求の検出は、APが通信に使用する接続形態や、APが要求する接続情報の、複数情報を属性要求として検出して、
上記システムにおける通信優先度相当の属性の選択は、上記複数の属性要求の組合わせに基づいて定めるようにし、
上記通信処理部は、上記通信制御部から設定された上記APの送受信が競合すると、所定の割合で上記APの送受信を割付けて通信処理を行うようにした
【0017】
また更に、通信優先度関連の属性要求の検出は、APの送受信中にも行い、属性要求の内容変更を検出すると、この属性要求の内容変更に基づいて以降の通信優先度相当の設定を動的に変更するようにした。
【0018】
また更に、通信優先度関連の属性要求の検出が、APからの接続要求を解析して行う場合は、APがシステムで予め要求を許容されているAPである場合に限定して検出されるようにした。
【0021】
また更に、属性要求に基づく優先度相当の属性の選択は、1つのAPの送信元の通信機器における属性要求によって定めて、他の送信及び受信の通信機器での設定属性はこの1つのAPの送信元の属性の選択に従うようにした。
【0022】
また更に、属性要求に基づく優先度相当の属性の選択は、受信先の通信機器における属性要求によって定めて、送信元の通信機器にはこの属性の選択の結果を返送するようにした。
【0023】
また更に、優先度相当の属性の選択は、APの実行優先度の属性を定めるようにして、この定めたAPの実行優先度を送受信相互の通信機器に通知して属性設定を行うようにした。
【0024】
また更に、優先度相当の属性の選択は、送信側のAPの実行優先度を属性要求であると検出して、送信側APの属性要求に基づいてAPの実行優先度を定めるようにした。
【0025】
また更に、通信優先度関連の属性要求の検出は、1つのAPから複数の属性要求がある場合は複数の設定属性と接続経路を設定し、通信処理部は異なる属性要求を識別する識別子対応に接続経路を使用して通信を行うようにした。
【0026】
また更に、1つのAPからの異なる属性要求をあらわす識別子を所定のグループにまとめて複数の接続経路を設定し、通信処理部は識別子により対応する接続経路を使用して通信を行うようにした。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の基本部分は、アプリケーション側で通信優先度を指定するのではなく、通信優先度はシステム側で総合的な見地から決定する方が合理的であるとの考えにたって、通信制御部オペレーティング・システム(OS)側にその設定機能を移したことにある。
即ち、従来の通信処理部を2分して、ユーザインタフェース部、ミドルウェア部、OS内蔵部を持つ通信制御部と、プロトコルを含むデータ授受を行う通信処理部とに分ける。そして、通信制御部に通信処理部の種類には依存せず、通信処理部とは別個のユーザインタフェースを持ち、ユーザアプリケーションから発行されるデータは、通信処理部の種類に関係なく統一した形式のもとで扱うようにした。通信優先度の設定に関しては、ユーザアプリケーション及びネットワークに接続された他の通信機器から入力された通信優先度の属性要求や、通信レート値やその他の多数の属性要求を受け取り、属性要求を通信制御部がシステムとして調停して、決定した通信優先度属性を情報処理部に設定するようにした。以降、通信処理部は、通信制御部から設定された通信優先度属性をもとに通信を行う。
【0029】
本実施の形態では、通信制御部の通信優先度に関わる基本構成と動作を、また、APが通信優先度を属性要求して、それに基づいて属性を設定する場合を説明する。
図1は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示したものである。
図において、100はネットワークシステム内に配置される通信制御部を備えた通信計算機を含む通信機器である(以下、通信機器と記述する)。101は通信制御部との入出力処理を含んだユーザアプリケーションである(以下、APと記述する)。102は通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部である(以下、通信処理部と記述する)。
以下、所定のプロトコルに基づいて、APとネットワーク間のデータ授受を行う部分のみを取り出して通信処理部という。
102aは通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部内のプログラムインタフェース部である(以下、処理I/F部と記述する)。102bは通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部内の通信プロトコル処理部である(以下、プロトコル部と記述する)。102cは通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部のデバイスドライバ部である(以下、ドライバ部と記述する)。102dは通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部内のネットワークインタフェース部である(以下、NICと記述する)。103はネットワークシステムにおいて、複数の通信機器を接続し、通信データに属性として付与された複数の通信優先度に基づいた通信の優先処理を実施することが可能なネットワーク接続機器である(以下、SWと記述する)。
【0030】
104は本発明に関わる重要な構成要素である通信機器100内に配置された通信制御部である(以下、通信制御部と記述する)。104aは通信制御部104内のプログラムインタフェース部である(以下、制御I/F部と記述する)。104bは通信制御部104内のミドルウェア構成部である(以下、制御M/W部と記述する)。104cは通信制御部104内のオペレーティング・システム(以下、OSと記述する)内蔵部である(以下、制御内蔵部と記述する)。105は通信機器100内に配置されたOS内の統計管理部である(以下、管理部と記述する)。
図1(b)は、通信制御部のOS内蔵部104cが制御I/F部104aと協調して属性要求を解析してシステムとして通信優先度を判断した後、これをシステム内で設定する動作を示すフローチャートである。
【0031】
通信優先度の属性は、APからの通信優先度の要求や、通信レート値や、APの実行優先度や、システム上の理論/実績遅延や、ジッタや、通信データの圧縮の可否や、通信データの暗号化情報などの情報から得られるもので、ネットワークシステムを通して通信する際の通信優先度を示すパラメータであり、この属性を識別するための識別子と対をなしている。
【0032】
まず、図1の構成による通信機器100の各部の詳細構成と機能を説明する。AP101は、通信制御部104に対して通信優先度の属性要求を出す。また、AP101と通信処理部102との間で、通信データの入出力を行う。
通信制御部104では、AP101または通信処理部102または管理部105との属性要求と、選択された通信優先度に関する属性の設定を行い、また、通信制御部104内部で現在選択されている属性を管理する。通信制御部104で管理されている属性は、内部的に表形式で管理してもよいし、リスト形式で管理してもよいし、その他の形式で管理してもよい。
【0033】
通信制御部104は、制御I/F部104aと制御M/W部104bと制御内蔵部104cから構成されるが、場合によっては、制御I/F部104aと制御内蔵部104cからのみ構成され、制御M/W部104bは存在しない場合もあり、制御M/W部104bの有無は通信機器100の構成内容及び通信の種類により規定される。制御I/F部104aは、通信処理部102の種類には依存せず別個であり、AP101に対しては通信処理部102とは関係なく、統一的なユーザインタフェースが提供できる。また、制御I/F部104aを用いてAP101から発行されるデータも通信処理部102の処理に関係がなく、統一的な形式の元で扱える。
通信制御部104は、その内部でシステムで予め決められた方式により、通信処理部102の処理に最適な個別処理を行い、また、通信処理部102にシステムによる選択論理に基づいて通信優先度の属性を設定する。なお、通信制御部104から通信処理部102に対しての上述の属性の設定は、本実施の形態においては、通信機器100のOS起動時の初期化処理中に、表またはリストまたはその他の形式により管理された属性として静的に設定される。
【0034】
通信処理部102では、AP101またはSW103との通信データの入出力を行うと同時に、通信制御部104及びSW103との上述の属性の受信と送信も行う。処理I/F部102aとプロトコル部102bとドライバ部102cとNIC部102cは、通信制御部104からの入力される属性のうち、該当する属性要素を設定することで、その属性に基づいた通信を行うために、AP101またはSW103から入力された通信データを加工し、処理する機構を備えている。また、通信制御部104から上述の属性を転送する命令を受け取ると、その属性情報をSW103に対して送出し、また、SW103から受け取った属性を通信制御部104に転送する機構も備えている。
【0035】
SW103は、各々の通信機器100の通信処理部102との間で通信データ及び属性の送受信を行う。また、通信データ及び属性の送受信処理を行う場合に、設定された上述の複数の通信優先度属性に基づいて、通信の優先処理を行う機構を持っている。
【0036】
管理部105は、通信制御部104で管理されている上述の属性を同様に得て、OS内部の他の構成要素に対して統計情報として提示したりする。この管理部105は、場合によっては存在しない場合もあり、必須構成要素ではない。
【0037】
上述構成要素による基本動作を説明する。
図2は、通信処理部102の通信データ送信時の処理動作を示すフローチャートである。図1及び図2を用いて、処理の流れを説明する。
AP101から通信処理部102へ通信データが渡されると、まず、ステップ1000aにより処理I/F部102aでAP101から渡された通信データを受け取る。次に、ステップ1000bによって、通信処理部102内で、通信制御部104から指定された属性に基づいて、通信データを加工する。その後、ステップ1000cでSW103に対して通信データを送出する。
【0038】
次に、通信処理部102の通信データ受信時の処理動作をフローチャートとして図3に示し、図1及び図3を用いて、処理の流れを説明する。
SW103から通信処理部102へ通信データが渡されると、まず、ステップ1001aによりNIC102dがSW103から渡された通信データを受け取る。次に、ステップ1001bにより、通信処理部102内で受信した通信データの種類を判断する。ここで、もし受信した通信データが属性情報を受信したものであるならば、ステップ1001eへ移る。ステップ1001eにより、通信処理部102から通信制御部104に属性情報を送出し処理が終了する。また、ステップ1001bで受信した通信データが属性情報ではなく、通常の通信データだと判断した場合、ステップ1001cへ移る。ステップ1001cでは、通信制御部104から事前に指定されている通信優先度の属性を使用し、受け取った通信データを処理する。ここで、もし、通信制御部104から指定されている上述の属性が、通信データに付与されてきた属性情報をそのまま使用するという属性であった場合、通信処理部102は、通信データに付与されてきた属性をそのまま使用し、通信データを処理する。次に、ステップ1001dでは、通信処理部102で処理された通信データをAP101へ送出し処理を終了する。
【0039】
次に、SW103が送信元の通信機器100から通信データを受け取り、宛先の通信機器100へ通信データを渡すまでの処理動作をフローチャートを図4に示し、図1及び図4を用いて、処理の流れを説明する。
送信元の通信機器100からSW103に通信データが受信されると、まず、ステップ1002aにより、通信データをSW103内部へ取り込む。なお、送信元の通信機器100から受信された通信データは、通常通信データの他、属性情報の場合もあり得る。次に、ステップ1002bで通信データに設定されている属性に基づいて、SW103内部で通信処理を行う。次に、ステップ1002cで、宛先となる通信機器100へ通信データを送信し処理を終了する。
【0040】
次に、AP101もしくは通信処理部102より通信優先度の属性要求を受け取った場合の通信制御部104の処理動作を図5のフローチャートとして示し、図1及び図5を用いて処理の流れを説明する。
【0041】
通信機器100のOS起動時の初期化処理実施中に、AP101もしくは他の通信機器より通信処理部102経由で通信優先度の属性要求が入力された場合、ステップ1003aにより通信制御部104は、入力された属性要求を受け取る。次に、ステップ1003bにより、受け取った属性要求の中にエラーなどがなく、情報制御部104内部に受け入れ可能かどうかを判断する。もし、受け入れが不可能な場合、ステップ1003eにより、受け入れは拒否され、エラーを返し、処理は終了する。また、ステップ1003bにより受け取った属性要求が情報制御部104の内部に受け入れ可能な場合、ステップ1003cで通信制御部104の内部で優先度を選択する。その後、ステップ1003cで、選択した属性を通信制御部102に向けて設定し、処理を終了する。
【0042】
次に、属性を送出する場合の通信制御部104の処理動作をフローチャートを図6に示し、図1及び図6を用いて、処理の流れを説明する。
まず、ステップ1004aで、通信制御部104内部で選択し、記録されている属性から該当部分を検索する。なお、すべての属性を送信する場合は、ステップ1004aは、通信制御部104内のすべての属性を送信する。次に、ステップ1004bで、通信処理部102に対して、通信制御部104から属性送信命令と属性データを送出し処理を終了する。なお、通信処理部102では、前述したように、受け取った属性は通常の通信データと同様の送信処理を実施して、宛先の通信機器100に対して送信する。
【0043】
次に、管理部105により、通信制御部104内部に選択されて記録されている通信優先度の属性を取得し、OS内部の他の構成要素に対して統計情報として掲示する処理動作を図7のフローチャートとして示し、図1及び図7を用いて、処理の流れを説明する。
まず、ステップ1005aで、通信制御部104内に選択して記録されている属性を取得する。次に、ステップ1005bで、通信制御部104から取得した上述の属性を元にして統計情報を作成する。次に、ステップ1005cで、作成した統計情報をOS内の他の構成要素に対して開示し処理を終了する。OS内の他の構成要素は、例えば、OS内部の状態解析ルーチンなどであり、開示された統計情報を元に通信機器100内の状態解析情報としてユーザに示したり、概通信機器100内で発生している異常を検出するために使用したりする。
【0044】
上述の動作概念に基づいての通信事例を説明する。
図8は、通信制御部104から通信処理部102に通信優先度属性106を設定しており、AP101から通信要求があって、その通信要求が低通信優先度の通信に当たる場合を示している。まず、通信機器100のOSが起動する時の初期化時に、選択された属性情報を通信制御部104から通信処理部102に設定する。本例では、属性106として、高優先度通信、中優先度通信、低優先度通信の3種類が規定されている。
通信処理部102には、通信制御部104から設定された3種類の通信優先度属性106に相当する通信が発生した場合、各々の優先度制御ができる機能が備わっている。また、SW103は、通信処理部102で通信データに付与された上述の通信優先度属性106に基づいて、内部的に優先度処理を実施する機能が備わっている。
本例では、AP101から低優先度通信に当たるCl通信116のみが発生しており、通信処理部102内は、これらの通信データに対して低優先度属性を付与するのみで、優先度処理をする必要がない。SW103では、通信データに対して付与されている低優先度属性を解釈し、SW103を使用して通信している他のアプリケーションの通信データとの優先度処理として、例えば、処理時間の割り当てを通信データに付与された優先度属性を元に内部的に妥当な値へ変更する。また、管理部105では、通信制御部104を通して通信処理部102から現在の通信状態を得て、それを通信統計情報114として、情報収集用AP115に対して示す。
【0045】
図9は、図8の状態において、AP101から高優先度通信に当たるCh通信118及び中優先度通信117が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、OS起動時に通信制御部104から通信処理部102に対して設定された属性106を元に、通信処理部102は、Cl通信116を待ち状態にし、Cm通信117の処理に割り当てる時間を抑制し、Ch通信118の処理に割り当てる時間を増加させるように動作する。この時、管理部105では、通信制御部104を通して通信処理部102から現在の通信状態を得て、それを通信統計情報114として、情報収集用AP115に対して示す。
【0046】
図10は、図9の状態において、AP101から発生していたCh通信118が終了した段階での動作を説明する図である。
この場合、OS起動時に通信制御部104から通信処理部102に対して設定された属性106を元に、Cl通信116の処理に割り当てる時間を抑制し、Cm通信117の処理に割り当てる時間を増加させるように動作する。
【0047】
なお、上述の通信事例では、発生する通信をCh通信118、Cm通信117、Cl通信116の3種類に限定したが、発生する通信数が増えても同様の動作をするのは明らかである。
また、本例の属性106には、Ch通信118が発生した場合、Cm通信を抑制通信とし、また、Cl通信を待ちとすることと、Ch通信118が存在せずに、Cm通信117が発生した場合、Cl通信116を抑制通信とすると定義したが、複数の種類の通信が発生した場合、属性106の定義によっては、優先度が低い通信に割り当てる時間を段階的に減少させることで対応したり、また、最高通信優先度の通信に対して、処理時間をすべて費やし、他の優先度の通信は待ちとさせることも可能である。
更に、例えば、Ch通信118は、通常プラント監視機器などの制御を実施するための通信であって最重要通信を扱い、Cm通信117は音声会議など通信が途切れない必要がある通信を扱い、Cl通信116はファイル転送通信など途中で停止しても良いが、再開された時は停止前の状態から続けて送受信できるような通信を扱うなどと、予めシステムで決めておく。
【0048】
次に、図11は、通信制御部104から通信処理部102に設定された属性106が、トリガとなる属性要求が、通信媒体の持つ全帯域幅に対する自通信が占める帯域占有率であった場合を示す図である。
図において、AP101からの通信要求が帯域占有率70%の通信に当たる場合を示している。
この場合の動作として、まず、通信機器100のOSが起動する時の初期化時に、予めOSの静的構成パラメータとして選択されていた優先度属性を、通信制御部104から通信処理部102に設定する。本例では、優先度属性106として、帯域占有率70%の通信、帯域占有率40%の通信、帯域占有率20%の通信の3種類が規定されている。
通信処理部102は、設定された属性106に当たる通信が発生した場合、各々の通信に対する帯域幅の制御ができる機能が備わっている。また、SW103は、通信処理部102で通信データに付与された帯域占有率の属性106に基づいて、内部的に帯域幅制御を実現する機能が備わっている。本例では、AP101から帯域占有率70%の通信に当たるCw通信119のみが発生しており、通信処理部102内で通信データに帯域占有率70%の属性を付与し、伝送媒体の70%の帯域幅を使用するように通信帯域を割り当てる。SW103では、通信データに対して付与されている帯域占有率70%の属性106を解釈し、他にSW103を使用している通信データとの帯域占有処理として、通信データに付与された帯域占有率属性を元に内部的に妥当な値へ変更する。
管理部105が、通信制御部104を経由して通信処理部102から現在の通信状態をえて、それを通信統計情報114として、情報収集用AP115に対して示す。
【0049】
図12は、図11の状態において、AP101から帯域占有率20%の通信に当たるCt通信120及び帯域占有率40%の通信に当たるCn通信121が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、Cw通信119に伝送媒体の全帯域幅の70%の帯域幅を割り当て、Ct通信120に伝送媒体の全帯域幅の20%を割り当て、Cn通信121にはCw通信119とCt通信120が使用している以外の残りの帯域幅として、通信媒体の全帯域幅の10%を割り当てる初期設定が行われている。
図13は、図12の状態において、AP101から発生していたCw通信119が終了した段階での動作を説明する図である。
この場合、OS起動時に通信処理部102に対して設定された属性106を元に、通信処理部102は、Ct通信120に伝送媒体の全帯域幅の20%を割り当て、Cn通信121には通信媒体の全帯域幅の40%を割り当てるように動作する。
【0050】
なお、上述の説明では、発生する通信をCw通信119、Ct通信120、Cn通信121の3種類に限定したが、発生する通信数が増えても同様の動作をするのは明らかである。
また、本例の属性106には、通信が発生した時点での転送媒体の残り帯域幅で収まる帯域占有率を持つ通信から優先に帯域を割り当てていくことと定義したが、複数の通信の種類が発生した場合、属性106の定義によっては、ある1つの通信に優先的に帯域を割り当てるような手法で対応したり、同時に発生した通信には転送媒体の残り帯域幅を均等に割り付ける手法で対応したり、要求した帯域幅が取得できない場合は、エラーとして通信を行わないような手法で対応することも可能である。
更に、例えば、Cw通信119は画像や音声など大量の通信データ量の送信を伴う通信を扱い、Cn通信121は電子メールなどの文字テキストを多数の宛先へ送付する中程度の通信データ量の送信を伴う通信を扱い、Ct通信120は遠隔端末接続操作などの小量の通信データ量の送信を伴うなどと、予めシステムで決めておく。
図8から図13までの通信例では、属性106には、各々通信優先度と帯域占有率を示したが、属性106には、通信遅延時間、ジッタなど他の要素による制御も可能である。
【0051】
実施の形態2.
通信優先度関連の属性要求が、単一のアプリケーションからの通信優先度の属性要求である場合以外の各種のバリエーションを説明する。
まず、通信機器100が複数のアプリケーションの送受信を同時に行う場合の通信動作を図14を用いて説明する。
図において、属性106は、通信制御部104から通信処理部102に設定され、属性a106と属性b106は、事前に通信制御部104から通信処理部102に対してアプリケーション別に選択して登録された異なる通信優先度の属性を表している。図14では、2つのアプリケーション・プログラムであるAP−a101とAP−b101が存在し、AP−a101は属性a106を、AP−b101は属性b106を使用して通信するものとする。
次に、通信処理部102に対して設定されたアプリケーション・プログラム単位の上述の属性を使用して、AP101から通信データが送出された場合に、通信データに属性を設定する動作について、図15のフローチャートをを用いて説明する。
【0052】
AP101により送信された通信データは、まず、ステップ1100aで、処理I/F部102aで解析され、通信データの送信元であるアプリケーションを識別する識別子が得られる。ここで、識別子は、AP101の名前であってもよいし、別に定義される通し番号またはキーとなる番号であってもよい。次に、ステップ1100bで、取得した識別子のついた通信優先度の属性が通信処理部102に設定されているかどうかを判断する。ここで、もし、通信処理部102に取得した識別子のついた属性が設定されていない場合は、ステップ1100eで、予め設定されているその他の通信用の規定値(システムでデフォルト使用する属性)を使用して通信データに属性を設定し、ステップ1100dで通信処理を開始する。また、取得した識別子のついた属性が通信処理部102に設定されている場合は、ステップ1100cで該当する属性内部の通信に対する諸条件を使用して、通信データに属性を設定し、ステップ1100dで通信処理を開始する。
【0053】
なお、図14では、説明を簡単にするため、アプリケーションとしてAP−a101とAP−b101の2種類、また、通信制御部104から通信処理部102へ設定された属性として属性a106と属性b106の2種類の場合の説明を示したが、AP101や属性106は任意数存在しても、同等の方法で動作可能である。
また、ネットワークシステムの他の部分は、実施の形態1と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0054】
更に、上述の具体例としての通信事例を説明する。
図16と図17は、通信制御部104から通信処理部102に設定された通信優先度の属性106がAP−a101からの通信を属性a106を用い、AP−b101からの通信を属性b106を用いる通信とした場合である。まず、通信機器100のOSが起動する時の初期化時に、予めOSの静的構成パラメータとして組み込まれた上述の属性情報を通信制御部104から通信処理部102に設定する。即ち、本例では、設定属性106は、AP−a101用の通信はすべて低優先度通信、AP−b101用の通信はすべて高優先度通信となる属性aと属性bがまとめて設定されている。
この状態でAPからの通信が発生した場合、通信処理部102には、各々優先度制御をできる機能が備わっている。また、SW103にも同様の通信の優先度処理ができる機構を備えていることは、実施の形態1と同様である。図16では、AP−a101から属性a106を使用して低優先度通信を実施するCa通信122が2つ発生しており、通信処理部102は通信データに対して低優先度属性を付与し、2つのCa通信122に対しての通信処理に割り当てる時間を均等としている。
SW103では、この通信データに付与されている低優先度属性を知り、他のSW103通信データとの優先度処理のバランスを考えて、低優先度相当の処理時間を割り当てる。また、管理部105では、通信制御部104を経由して通信処理部102から現在の通信状態を得て、それを通信統計情報114として、情報収集用AP115に示している。
【0055】
図17は、図16の状態において、AP−b101が生成され、AP−b101から属性b106を使用して高優先度通信を実施するCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、OS起動時に通信制御部104から通信処理部102に対して設定された属性b106を元に通信制御部102は、Cb通信123の処理に割り当てる時間を増加させ、2つのCa通信122の処理に割り当てる時間を抑制する動作となる。この時、管理部105が通信統計情報114を得て、情報収集用AP115に示す動作もする。
なお、本例では、通信処理を要求するAP101をAP−a101とAP−b101の2種類に限定したが、通信処理を要求するAP101が増えても同等の動作をするのは明らかである。また、本例の属性106では、属性b106を使用するCb通信123が発生した場合、属性a106を使用する2つのCa通信122を抑制通信にすると定義したが、複数のAP101からの通信が発生した場合、属性106の定義によっては、優先度が低い通信に割り当てる時間を段階的に減少させることで対応したり、また、最高優先度の通信に対して、処理時間をすべて費やし、他の優先度の通信は待ちとさせることも可能である。更に、AP−b101から発生するCb通信123は、通常プラント監視機器などの制御を実施するための通信であって最重要通信を扱い、AP−a122から発生するCa通信122は、ファイル転送通信など途中で停止してもよいが、再開された時は停止前の状態から続けて送受信できるような通信を扱うなどと、予めシステムで定めておく。
【0056】
次に、図18,図19は、通信制御部104から通信処理部102への設定属性106が、通信優先度相当として通信媒体の持つ全帯域幅に対する自通信が占める帯域占有率として設定される場合の説明図である。
まず、通信機器100のOSが起動する初期化時に、上述の属性情報を通信制御部104から通信処理部102に設定する。即ち、本例では、設定属性106として、AP−a101からの通信はすべて帯域占有率25%の通信、AP−b101からの通信はすべて帯域占有率60%の通信とする属性a106と属性b106が設定される。通信処理部102は、この設定属性106に相当する通信が発生すると、各々の通信に対する帯域幅の制御をできる機能が備わっている。また、SW103も同様の機構がある。
本例では、AP−a101から属性a106を使用して、25%の帯域占有率を用いて通信するCa通信122が2つ発生しており、通信処理部102内で個々の通信データに帯域占有率25%の属性を付与し、通信媒体の25%の帯域幅を使用するように通信帯域を割り当てる。本例では、Ca通信122が2つ発生しているため、実際に占有されている帯域幅は、転送媒体の全帯域幅の50%である。
SW103では、通信データに対して付与されている帯域占有率25%の属性a106を知って、他のSW103通信データとの帯域占有処理のバランスを考えて、このCa通信122に対する通信帯域を割り当てる。
【0057】
図19は、図18の状態において、AP−b123から帯域占有率60%の属性b106を使用するCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、先に説明した設定属性b106を元に、通信処理部102は、個々のCa通信122に伝送媒体の全帯域の25%の帯域幅を割り当て、Cb通信123には2つのCa通信122が使用している以外の残りの帯域幅として、通信媒体の全帯域幅の50%を割り当てる。
【0058】
なお、本例では、通信処理を要求するAP101をAP−a101とAP−b101の2種類に限定したが、通信処理を要求するAP101が増えても同等の動作をするのは明らかである。また、本例の属性106には、通信が発生した時点での転送媒体の残り帯域幅で収まる帯域占有率を持つ通信から優先に帯域を割り当てていくことと定義したが、複数の通信の種類が発生した場合、属性106の定義によっては、ある1つの通信に優先的に割り当てるような手法で対応したり、同時に発生した通信には転送媒体の残り帯域幅を均等に割り付ける手法で対応したり、要求した帯域幅が取得できない場合は、エラーとして通信を行わないような手法で対応することも可能である。
更に、例えば、Ca通信122は遠隔端末接続操作などの小量の通信データ量の送信を伴う通信を扱い、Cb通信123は画像や音声などの大量の通信データ量の送信を伴う通信であると予めシステムで定めておく。
図16から図19までの通信例では、各々のAP101から発生した通信は、そのAP101に対応する設定属性106として、通信優先度と帯域占有率を使用することとしたが、設定属性106には他の通信優先度相当の通信遅延時間、ジッタなど他の要素による制御も可能である。
【0059】
実施の形態3.
通信優先度関連の属性要求の更にバリエーションを説明する。
本実施の形態における属性要求が仮想ポートに基づく場合を、図20を用いて説明する。
図において、107はAP101が通信時に使用する仮想ポートを示している。この場合、これらの仮想ポートAとBに基づく属性要求を通信制御部104が属性要求解析手段S1で予め検出しておき、つまり、仮想ポートAとBの使用を検出しておき、これに基づいて優先度選択手段S2で後に詳しく説明するように、例えば、低優先度、高優先度のように、この選択した属性a、属性bを通信処理部102に対して設定する。図20の例では、設定属性a、設定属性bがそれぞれAP101が通信に使用する仮想ポートAとBに対応している。そして、1つのAP101が2つの仮想ポートとして、ポートA107とポートB107をともに使用して通信する。
【0060】
AP101から仮想ポート107経由で送信された通信データには、まず、ステップ1200aで、処理I/F部102aにより通信データが経由する仮想ポート107を識別するための識別子が付与される。ここで、識別子は、例えば、仮想ポート107のポート番号であってもよいし、別に定義される仮想ポート名またはキーとなる番号であってもよい。次に、ステップ1200bで、付与された識別子のついた属性が通信処理部102に設定されているかどうかを判断する。ここで、もし、通信処理部102に取得した識別子のついた属性が設定されていない場合は、ステップ1200eで、予め設定されているその他の通信用の規定値(システムでデフォルト使用する属性)を使用して通信データに属性を設定し、ステップ1200dで通信処理を開始する。また、取得した識別子のついた属性が通信処理部102に設定されている場合は、ステップ1200cで該当する属性内部の通信に対する諸条件を取得して使用し、通信データに属性を設定し、ステップ1200dで通信処理を開始する。
【0061】
なお、図20では、説明を簡単にするために、アプリケーションとしてAP101のみ、また、通信に使用する仮想ポートとして、仮想ポートA107と仮想ポートB107の2種類、また、通信制御部104から通信処理部102へ設定された属性として属性aと属性b106の2種類の場合の説明を示したが、AP101や属性106や仮想ポート107は、多数存在しても同等の方法で動作可能である。
【0062】
上述の具体例としての通信事例を説明する。
図22は、通信制御部104から通信処理部102への設定属性106が通信優先度であって、AP101からの通信がポートA107経由の場合、属性a106で低優先度通信となり、ポートB107経由の場合、属性b106で高優先度通信とする例である。まず、通信機器100のOSが起動する初期化時に、予めOSの静的構成パラメータとして組み込まれた上述の属性情報を通信制御部104から通信処理部102に設定する。本例では、設定属性106としてポートA107経由の通信はすべて低優先度通信、ポートB107経由の通信はすべて高優先度通信となる属性aと属性b106が設定される。
この状態で、APからの通信があると、通信処理部102には、設定属性に対応した優先度制御ができる機能が備わっており、また、SW103にも同様に通信の優先度処理を実施できることは、実施の形態1と同様である。図22では、AP101からポートA107を使用し、従って属性a106の低優先度通信を行うCa通信122が2つ発生している。その場合には、通信処理部102は、APからの通信データに対して低優先度属性を付与し、2つのCa通信122に対しての通信処理に割り当てる時間を均等にしている。SW103では、通信データに付与されている低優先度属性を知り、他のSW103経由通信データとの優先度処理において、バランスを考えて予め処理時間を割り当てる。
【0063】
図23は、図22の状態において、AP101からポートB107を経由する通信が生成され、従って属性b106の高優先度通信を行うCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、予めOS起動時に設定属性b106によって、Cb通信123の処理に割り当てる時間を増加させ、2つのCa通信122の処理に割り当てる時間を抑制する動作となる。
なお、本例では、通信を行うポート107をポートA107とポートB107の2種類に限定したが、通信を行うポート107が増えても同等の動作をする。また、属性106が増加しても同じように動作する。更に、属性106の定義によっては、優先度が低い通信に割り当てる時間を段階的に減少させることで対応したり、また、最高優先度の通信に対して、処理時間をすべて費やし、他の優先度の通信は待ちとさせることも可能である。更に、ポートの経由のさせ方は、システムで予め取り決めておけばよいことは、他の実施の形態と同様である。
【0064】
次に、図24,図25は、通信制御部104から通信処理部102への設定属性106が、通信優先度相当として通信媒体の持つ全帯域幅に対する自通信が占める帯域占有率として設定された場合の動作説明図である。
通信機器100のOS起動時の上述属性情報が通信制御部104から通信処理部102に図24に示される値として設定される。即ち、ポートA107経由の通信は帯域占有率25%とし、ポートB107経由の通信は帯域占有率60%とする。この設定を含めて以降の動作は、実施の形態2における図18の動作と同じであり、詳細記述は省略する。
また、図25は、図24の状態において、AP101からポートB107経由で帯域占有率60%属性b106のCb通信123が新たに発生した場合の動作を説明する図である。
この場合の動作も実施の形態2における図19の動作と同じになるので、以後の記述は省略する。
【0065】
実施の形態4.
通信優先度関連の属性要求が、送信するAPが受信相手の仮想ポートと相互に構築するフローによって決まる場合を説明する。
図26は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
図において、108は送信側AP101が使用する仮想ポート107と受信側AP101が使用する仮想ポート107との間で規定されるフローを示している。即ち、設定属性aと属性b106は、事前に通信制御部104がこのフローAとフローBの接続状態を属性要求であるとして解析(検出)し、予めシステムで決められている基準によって優先度を選択して、AP−a101とAP−c101との間で使用するフローA、及びAP−b101とAP−c101との間で使用するフローB108の属性106を設定属性として通信処理部102に設定する。
次に、通信処理部102に対して設定されたフロー108単位の上述の属性を使用して、AP101から通信データが送出された場合に、通信データに属性を設定する動作について、図27のフローチャートを用いて説明する。
【0066】
AP101によりフロー108を用いて送信された通信データは、まず、ステップ1300aで、処理I/F部102aで解析され、通信データの送信に使用されるフロー108を識別する識別子が得られる。ここで、識別子は、フロー108を規定するポート番号でもよいし、別に定義されるフロー名またはキーでもよい。次に、ステップ1300bで、取得した識別子のついた属性が通信処理部102に設定されているかどうかを判断する。ここで、もし、通信処理部102に該当識別子のついた属性が設定されていない場合は、ステップ1300eで、予め設定されているその他の通信用の規定値(システムでデフォルト使用する属性)を使用して通信データに属性を設定し、ステップ1200dで通信処理を開始する。また、取得した識別子のついた属性が通信処理部102に設定されている場合は、ステップ1300cで該当する属性内部の通信に対する諸条件を取得して使用し、通信データに属性を設定し、ステップ1300dで通信処理を開始する。
【0067】
なお、図26では、説明を簡単にするために、アプリケーションとして、AP−a101とAP−b101とAP−c101の3種類、また、通信に使用するフローとして、フローA108とフローB108の2種類、また、通信制御部104から通信処理部102へ設定された属性として属性a106と属性b106の2種類の場合の説明を示したが、AP101や属性106やフロー108は他の任意の数であってもよい。
【0068】
上述の具体例としての通信事例を説明する。
図28は、上述の仮想ポートの組み合わせに基づくフローを属性要求であると解析して、システムでは選択基準に従って高低の通信優先度として選択し、通信制御部104から通信処理部102に設定属性106を通信優先度として設定した場合の説明図である。
この場合は、AP−a101とAP−c101間のフローA108による通信を低優先度通信の設定属性a106、AP−b101とAP−c101間のフローB108による通信を高優先度通信の設定属性b106としている。これらの属性106は通信機器100のOS起動中の初期化時に、通信制御部104から通信処理部102に設定される。
本例では、フローA108を使用した属性a106の低優先度通信を実施するCa通信122のみが発生しており、通信処理部102は通信データに対して低優先度属性を付与するのみで、優先度処理をする必要がない。以降のSW103の動作は、実施の形態1における図8の動作と同様になるので記述を省略する。
【0069】
図29は、図28の状態において、AP−b101とAP−c101間でフローB108を使用した通信が生成され、属性b106で高優先度通信を行うCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、設定属性b106によってCb通信123の処理時間を増加し、Ca通信122の処理割り当て時間を抑制する動作となる。
なお、フロー108が増えても同等の動作をし、また、属性に基づく処理割り当て時間の増減方法に種々のバリエーションが考えられるのも、他の実施の形態と同様である。
【0070】
次に、図30は、通信制御部104から通信処理部102への設定属性106が、通信優先度相当として通信媒体の持つ全帯域幅に対する自通信の帯域占有率として図示の値で設定された場合の動作説明図である。
これらの設定属性106は通信機器100のOS起動中の初期化時に、通信制御部104から通信処理部102に設定され、この場合、フローA108の通信はすべて帯域占有率50%の通信、フローB108の通信はすべて帯域占有率60%の通信であるとする属性aと属性b106が設定される。図の状態では、フローA108により属性a106の50%の帯域占有率によるCa通信122のみが発生しており、通信処理部102内で通信データに帯域占有率50%の属性を付与し、通信媒体の50%の帯域幅を使用するように通信帯域を割り当てる。SW103も、他の実施の形態で述べた通信帯域を割り当て動作をし、データの送信を行う。
【0071】
図31は、図30の状態において、フローB108による帯域占有率60%で属性b106のCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この図に基づく動作は、例えば、実施の形態2における図19の動作と同様であるので、詳細記述は省略する。
また、設定属性106として、通信優先度と帯域占有率以外の他の属性、例えば、通信遅延時間、ジッタなどを用いてもよいことは他の実施の形態と同様である。
【0072】
実施の形態5.
通信優先度関連の属性要求がプロトコルである場合を説明する。
プロトコルは、通常はカーネル作成時に決まり、APの種類にも密接な関係があって、事実上通信データの送信速度にも関係が深いので、このプロトコルを解析(検出)して属性要求と見なし、これをもとにシステムで決まる論理で優先度選択する場合を述べる。
図32は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
図において、109はAP101が通信に使用する通信プロトコルを示している。即ち、通信制御部104がその属性要求解析手段S1によりプロトコルAとプロトコルBを検出し、選択手段S2で対応する属性aと属性bを選択し、通信処理部102にAP101が使用する通信プロトコルA109単位及び通信プロトコルB109単位別に設定属性を指示している。
【0073】
以後のAP101から通信データが送信された場合に、通信プロトコル109単位の属性を通信データに設定する動作は、図33にフローチャートとして示される。
即ち、AP101の通信プロトコル109による通信データは、ステップ1400aで、処理I/F部102aで解析されて、通信プロトコル109の識別子が取得される。ここで、識別子としては、通信プロトコル109の名前や別に定義されているプロトコル番号またはキーなどのバリエーションがある。次に、ステップ1400bで、取得した識別子の属性が既に通信処理部102に設定されているかどうかを判断する。もし、通信処理部102に取得した識別子の属性が設定されていない場合は、ステップ1400eで、予め設定されているその他の通信用の規定値(システムでデフォルト使用する属性)を使用して通信データに属性を設定し、ステップ1400dで通信処理を開始する。また、取得した識別子の属性が通信処理部102に設定されている場合は、ステップ1400cで該当する属性内部の通信に対する諸条件を取得して使用し、通信データに属性を設定し、ステップ1400dで通信処理を開始する。
なお、図32では、アプリケーションとしてAP101のみ、通信に使用する通信プロトコルとして、プロトコルA109とプロトコルB109の2種類のみ、設定属性として属性aと属性b106の2種類の場合の説明を示したが、これらは別の任意の数であってよいことは、他の実施の形態と同様である。
【0074】
上述の具体例としての通信事例を説明する。
図34は、上述のプロトコルの形態を属性要求であると解析(検出)して、システムでの選択基準に従い高低の通信優先度として選択し、通信制御部104から通信処理部102に設定属性106を通信優先度として属性設定した場合の説明図である。
この場合は、AP101からの通信がプロトコルA109による通信の場合、属性a106で低優先度通信となり、プロトコルB109による通信の場合、属性b106で高優先度通信となっている。初期化時に予めOSの静的構成パラメータとして、属性情報が通信処理部102に設定される。即ち、プロトコルA109の通信はすべて低優先度通信、プロトコルB109の通信はすべて高優先度通信となる属性aと属性b106が設定される。
本例では、AP101からプロトコルA109による低優先度のCa通信122が2つ発生している。通信処理部102は、低優先度属性を付与し、2つのCa通信122に対して均等な時間を通信処理に割り当てている。
【0075】
図35は、図34の状態において、AP101からプロトコルB109をによる通信が生成され、属性b106の高優先度通信を行うCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、設定属性b106により、Cb通信123の処理割り当て時間を増加させ、2つのCa通信122の処理割り当て時間を抑制する動作を行う。
なお、通信に使用するプロトコル109の種類が増えても同等の動作をし、また、属性に基づく処理割当時間の増減方法に種々のバリエーションが考えられるのも、他の実施の形態と同様である。
【0076】
次に、図36は、通信制御部104から通信処理部102への設定属性106が、通信優先度相当として通信媒体の持つ全帯域幅に対する自通信の帯域占有率として図示の値で設定された場合の動作説明図である。
これらの設定属性106は通信機器100のOS起動中の初期化時に、通信制御部104から通信処理部102に設定され、プロトコルA109の通信はすべて帯域占有率25%の通信、プロトコルB109の通信はすべて帯域占有率60%であるとする属性aと属性b106となっている。本例では、プロトコルA109による属性a106で帯域占有率25%のCa通信122が2つ発生しており、通信処理部102では、通信データに帯域占有率25%の属性を付与し、通信媒体の25%の帯域幅を使用するように通信帯域を割り当てる。
【0077】
図37は、図36の状態において、AP101からプロトコルB109による属性bで帯域占有率60%のCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この図に示された帯域割り当ての変更動作は、例えば、実施の形態2における図19で説明した動作と同様であるので、詳細記述を省略する。
【0078】
実施の形態6.
通信優先度の関連の属性要求が、APを扱う通信機器の物理的ネットワークインタフェース(NIC)によって決まる場合を説明する。
図38は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
図において、NICa102dとNICb102dは、図38中では、あたかも別々の通信処理部102に属しているように記されているが、説明を簡単にするためにそのように記したものであり、実際は同一の通信処理部102に属しているものである。属性a106と属性b106はNICa102d,NICb102dの接続使用を属性要求であると解析(検出)して、システムで決まる基準により選択して属性設定により通信制御部104から通信処理部102にAP101が通信を際のNICa102d単位及びNICb102d単位別に行った設定属性である。
【0079】
通信処理部102に対して設定されたNIC102d単位の上述の属性を使用して、AP101から通信データが送出された場合に、通信データに属性を設定する動作を図39のフローチャートを用いて説明する。
AP101からの通信データは、まず、ステップ1500aで処理I/F部102aにより受け取られ、処理I/F部102aで解析されてNIC102dを識別する識別子が得られる。ここで、識別子は、NIC102dに付与される番号、その他のバリエーションがあり得る。次に、ステップ1500bで、取得した識別子のついた属性が通信処理部102に設定されているかどうかを判断する。ここで、もし、通信制御部102に取得した識別子のついた属性が設定されていない場合は、ステップ1500eで、予め設定されているその他の通信用の規定値(システムでデフォルト使用する属性)を使用して通信データに属性を設定し、ステップ1500dでその他の通信用に割り当てられているNIC102dを使用し通信を開始する。また、取得した識別子のついた属性が通信処理部102に設定されている場合は、ステップ1500cで該当する属性内部の通信に対する諸条件を取得して使用し、通信データに属性を設定し、ステップ1500dで指定された通信に割り当てられているNIC102dを使用し通信を開始する。
【0080】
なお、上述の説明において、アプリケーションとしてAP−a101とAP−b101の2種類、NICとして、NICa102dとNICb102dの2種類、設定属性として属性aと属性b106の2種類、ネットワーク接続機器としてSW103のみによるネットワーク構成の説明を示したが、これらは別の任意の数であってよい。
【0081】
上述の具体例として、通信事例を説明する。
図40は、上述のNIC接続を属性要求であると解析して、システムの基準で選択して、属性設定として高低の通信優先度を通信制御部104から通信処理部102に設定した場合の説明図である。
この場合、AP101からのNICa102dを通る通信の場合、属性a106で低優先度通信とし、NICb102dを通る通信の場合、属性b106で高優先度通信とする設定としている。これらの設定属性106は通信機器100のOS起動中の初期化時に、通信制御部104から通信処理部102に設定される。
本例では、AP101からNICa102d経由で属性a106の低優先度通信を行うCa通信122が2つ発生しており、通信処理部102は通信データに対して低優先度属性を付与し、2つのCa通信122に対しての通信処理に割り当てる時間を均等としている。これ以降の動作説明は、例えば、実施の形態2における図16の動作と同様であるので、記述を省略する。
【0082】
図41は、図40の状態において、AP101からNICb102dを通る通信が生成され、属性b106で高優先度通信を行うCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、NICa102dとNICb102dの間は、通信機器100上では独立しているため、低優先度通信であるCa通信122と高優先度通信であるCb通信123の間では、別々のNIC102dを使用することになる。従って、通信処理部102内での優先度制御は発生しないことになる。従って、Ca通信122とCb通信123による各々の通信データには、属性a106として低優先度、属性b106として高優先度が付与され、SW103に送信される。SW103では、通信データに付与された属性106としての通信優先度を検出し、内部で優先制御を行い、宛先の通信機器100へ通信データを転送する。
【0083】
なお、NICをNICa102dとNICb102dの2種類に限定したが、通信に使用するNIC102dの数が増えても同等の動作をする。また、本例では、SW103は、個別のNIC102dから受信した通信データに対しては、完全に独立の優先度制御を行うとしたが、もちろん、SW103が他の優先度制御を行うものであってもよい。
【0084】
図42は、通信制御部104から通信処理部102への設定属性106が、通信優先度相当として通信媒体の持つ全帯域幅に対する自通信の帯域占有率として図示の値で設定された場合の動作説明図である。
この図に基づく動作説明は、設定数値は異なるが、例えば、実施の形態2における図18の動作と同じなので、記述を省略する。
また、図42は、図42の状態において、AP101からNICb102d経由の帯域占有率60%で属性b106のCb通信123が発生した場合の動作を説明する図である。
この場合、属性b106を基に、個々のCa通信122にNICa102dに接続されている伝送媒体の全帯域の50%の帯域幅を割り当て、Cb通信123にはNICb102dに接続されている伝送媒体の60%の帯域幅を割り当てる。SW103では、通信データに付与された属性106を知り、SW103を使用している他の通信データとのバランスを考えて帯域占有処理して、通信帯域を割り当てる。
【0085】
なお、通信に使用するNIC102dの数、SW103の制御動作にバリエーションがあっても本願の構成が適用でき、同じ効果が得られるのは明らかである。
【0086】
実施の形態7.
先の各実施の形態では、属性設定は初期化時に行われ、以後は固定である場合を説明した。本実施の形態では、周囲状況によってシステムの運用途中に属性設定を変更する場合を説明する。
図44は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
図では、(1)以前の状態では、AP101が他の通信機器100上のAP101と通信処理実施中は、属性b110となっていることを示している。このときに、AP101より通信制御部104へ(1)の属性要求の変更が入力された様子を表している。これは、通信処理中のAP101以外のアプリケーションより、AP101の通信処理に対する属性変更及びネットワークシステム上の他の通信機器100からの属性を通信処理部102が受信した場合であってもよい。この状態で、(2)以降の優先度選択に基づいて、通信制御部104から通信処理部102に対して属性を動的に設定する動作を、図45のフローチャートを用いて説明する。
【0087】
ステップ1600aでは、図44の(1)で通信制御部104に対して入力された新しい属性要求110を通信制御部104が受け取る処理を行う。次に、ステップ1600bで通信制御部104が受け取った属性110が、受け入れ可能かどうかを優先度選択手段S2で判断する。もし、受け取った属性要求110が通信制御部104が受け入れられないなら、ステップ1600fで受け入れを拒否するためエラー処理を行った後、処理は終了する。また、受け入れ可能であれば、ステップ1600cで通信制御部104内部に選択後の属性110を記録する。次に、ステップ1600dで通信制御部104内部に選択して記録された属性110を、ステップ1600eで図44の(2)の通信処理部102に対して、新しい設定属性106として設定する処理を行って動作を終了する。
【0088】
図44の(2)で、通信制御部104から通信処理部102に対して設定属性106の変更が行われた時の通信処理部102の処理、つまり、図44の(3)の処理について、図46にフローチャートを示して動作を説明する。
通信制御部104から設定属性106の変更通知を受けると、通信処理部102では、ステップ1601aで、それまで行っていたAP101による通信を一旦停止する。次に、ステップ1601bで今までAP101の通信に使用していた設定属性106を廃棄し、ステップ1601cで通信制御部から設定された新しい設定属性106を受け入れる。ステップ1601dでは、新しい設定属性106内の通信の諸条件を使用し、AP101の通信データに属性a106をつけ、ステップ1601fでAP101の通信処理を再開する。
なお、上述部分以外のネットワークシステムの動作は、先の各実施の形態と同等であるため、説明は省略する。
【0089】
上述の具体例としての通信事例を説明する。
図47は、例えば、APから通信優先度に関連する属性要求がCb、Cb通信については、各々高、低の優先度であり、それが選択されて設定属性とされている場合を示している。即ち、設定属性106が通信優先度で、AP101から低優先度通信と高優先度通信に当たる通信が各1つずつ発生している。これらの設定属性は、初期化時に、予めOSの静的構成パラメータとしての設定属性が通信処理部102に対して設定されている。本例では、この状態でAP101から高優先度通信のCa通信122と、低優先度通信のCb通信123が各々1つずつ発生している。この場合の通信処理部102の処理に割り当てる時間の調整動作は、既に先の各実施の形態で述べたと同様である。
【0090】
図48は、図47の状態において、AP101から通信制御部104に対して、属性要求124の変更が入力された場合の動作を説明する図である。
AP101から通信制御部104に対して属性要求124の変更が入力されると、通信制御部104は、その属性要求の変更が適切なものであれば、それまでの通信における設定属性106を削除し、新しい設定属性106として記録した後、通信処理部102に対して、新しい設定属性106を通知する。新しい設定属性106を通知された通信処理部102では、それまで実施していた通信を一旦停止し、設定属性106の変更を行った後、通信を再開する。本例では、属性要求124の変更を基に受け取った新しい設定属性106は、今まで高優先度通信として実施されていたCa通信122を低優先度通信へ変更し、低優先度通信として実施されていたCb通信を高優先度通信へ変更するものである。従って、通信処理部102は、新しい設定属性106を受け取った段階で、Ca通信122を高優先度通信から低優先度通信へ変更し、Cb通信を低優先度通信から高優先度通信へ変更する。SW103では、通信データに対して付与されている設定属性106の通信優先度に忠実に従って優先度処理を実施する。このため、設定属性の変更にそのまま追従した動作をする。
なお、発生する通信をCa通信122及びCb通信123の2種類に限定したが、発生する通信数が増えても同等の動作をし、複数の設定属性の変更も、また、処理時間の割り当て動作のバリエーションが考えられるのも、他の実施の形態と同様である。
【0091】
図49は、設定属性106が通信媒体の持つ全帯域幅に対する自通信の帯域占有率だった場合で、AP101からの通信要求が帯域占有率30%の通信と帯域占有率80%の通信が発生している場合を示している。この場合の動作も、数値は違っていても、他の実施の形態で述べたと同様の動作をするので、詳細記述を省略する。
【0092】
図50は、図49の状態において、AP101から通信制御部104に属性要求124の変更が入力された場合の動作を説明する図である。
AP101から通信制御部104に属性要求124の変更が入力されると、通信制御部104は、それを受け取り、システムとして適切であると選択できると、それまでの通信で使用していた設定属性106を削除し、新しい設定属性106として記録した後、通信処理部102に対して、新しい設定属性106を通知する。新しい設定属性106を通知された通信処理部102では、それまで実施していた通信を一旦停止し、設定属性106の変更を行った後、通信を再開する。本例では、属性要求124の変更として受け取ったものは、Ca通信の帯域占有率を30%から10%へ変更するものなので、通信処理部102は、新しい設定属性106を受け取った段階で、Ca通信122の使用している帯域幅を今までの帯域占有率30%から帯域占有率10%に変更する。また、それまで帯域占有率70%で通信していたCb通信を、帯域占有率80%に変更する。SW103では、通信データに付与されている属性106としての帯域占有率に忠実に従って帯域占有処理を実施する。
【0093】
なお、先の各実施の形態では、属性要求はAP、接続形態等のうち、どれか1つを属性要求であると解析し、これを基に、優先度に関する属性の選択をするようにしたが、属性要求はこれらを複数組み合わせて、例えば、APからの優先度要求とプロトコルの両方を組み合わせて、その組み合わせに対応して属性の選択基準を定めておくようにしてもよい。このようにすることで、きめ細かい通信優先度の属性設定が可能となる。
【0094】
実施の形態8.
先の各実施の形態では、属性要求はすべて一旦は、通信制御部のOS部に伝えられていて、選択の検討がされるとして説明をしてきた。しかし、システムによっては属性要求の権限に制限を設け、ある一定以上の権限を持つAP101からの入力しか受け付けないようにすることにしてもよい。
本実施の形態におけるシステムは、この属性要求に権限を設けたものであり、それ以外の接続形態としては、先の実施の形態7における図44と同じとする。ここで、通信制御部104から通信処理部に対して設定属性110を設定する動作を、図51のフローチャートを用いて説明する。
【0095】
図51において、ステップ1700aでは、通信制御部104に対して入力された属性要求110を、通信制御部104が受け取る。次に、ステップ1700bで、AP101の権限が通信制御部104に属性要求110を入力する権限を許可されているかどうかを判断する。もし、AP101に、属性要求110を入力する権限が許可されていないと判った場合は、ステップ1700gで受け入れを否定するためエラー処理を行った後、処理は終了する。また、AP101に上述の権限が許可されていると判った場合は、ステップ1700cで入力された属性要求110が、システムとして選択可能かどうかを判断する。もし、受け入れられない選択不可のものであれば、ステップ1700gで受け入れを拒否するためエラー処理を行った後、処理は終了する。また、受け入れ可能であれば、ステップ1700dで通信制御部104内部に選択した属性110を記録する。次に、ステップ1700eで、通信制御部104内部に記録された選択属性110を通信処理部102に対して設定属性106として設定し、ステップ1700fで通信処理部102に対して通知して処理を終了する。
なお、通信制御部104から設定属性106が変更されたことを通知された時の通信処理部102の動作は、実施の形態7と同じであるため説明は省略する。また、ネットワークシステムの他の部分の動作も先の実施の形態と同じであり、説明は省略する。
【0096】
上述の具体例としての通信事例を説明する。
図52は、通信制御部104から通信処理部102への設定属性106が通信優先度だった場合の動作を説明する図であり、この場合、AP−a101から高優先度通信が1つ発生していることを示している。これらの設定属性106の設定は、初期化時に、通信制御部104から通信処理部102に対して行われ、本例では、設定属性106として高優先度通信の属性a106が設定されている。通信処理部102は、この設定属性106の通信があると、優先度制御できる機能が備わっている。また、SW103も同様であるのは、他の実施の形態と同じである。
ここで、AP−b101が通信制御部に対してCa通信122の使用している属性a106の内容を高優先度通信から低優先度通信に変更する属性要求124の変更を、例えば、制御データとして入力してきた。しかし、この例の場合、AP−b101は、通信属性を変更するために必要なあるレベル以上の権限を持っていないため、通信制御部104は、AP−b101からの属性要求124の変更を否定している。このため、AP−b101は、通信制御部104から属性要求124の変更に対する否定応答としてのエラーが返される。従って、Ca通信122は、設定属性106の変更が生じないので、そのままの設定属性a106を用いた通信を継続する。
【0097】
なお、上述の例では、属性要求124の変更としてAP−b101から送出されたものとして説明しているが、他の変更権限のないAP101からの属性要求124の変更であっても、同等の動作をする。また、AP−b101が属性要求の変更権限を持っている場合は、それまでの設定属性は削除され、代わりに、属性要求124の変更で指定された新しい設定属性106が設定されて使用されるが、その動作の詳細は実施の形態7で記述したと同等であるため、説明を省略する。
【0098】
実施の形態9.
先の各実施の形態では、属性要求がAP、また、接続形態等、実通信に先だって解析(検出)される場合を説明したが、これらを常に通信制御部内のファイルに記憶しておき、特に、属性要求の変更がない限り、これらを一括して属性設定する場合を説明する。
図53は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
図において、111は通信機器100に接続されている2次記憶装置を示している。112は2次記憶装置内に格納されている属性設定ファイルを示している。113は属性設定ファイル内に記述されている複数の各設定属性を示している。
図において、通信機器100のOS起動時に2次記憶装置111から属性設定ファイル112を読み出し、その中に記述されている複数の記憶設定属性113を通信制御部104内部の設定属性110として記録し、また、通信処理部102に設定属性106を設定する動作を、図54のフローチャートを用いて説明する。
【0099】
通信機器100のOS起動時に、通信制御部104は、ステップ1800aで2次記憶装置111上に属性設定ファイル112が存在するかを判断する。もし、2次記憶装置111上に属性設定ファイル112が存在しなかった場合は、ステップ1800fでエラーを返して処理を終了する。2次記憶装置111上に属性設定ファイル112が存在した場合は、ステップ1800bで属性設定ファイル112に記述されている記憶設定属性113を読み出す。次に、ステップ1800cで、属性設定ファイル112より読み出した記憶設定属性113がエラーなどがない妥当なものか判断する。もし、妥当なものでなかった場合は、ステップ1800fでエラーを返して処理を終了する。妥当なものであった場合は、ステップ1800dで属性設定ファイル112から読み出した記憶設定属性113の個数分だけ、通信制御部104内で設定属性110の記録処理を行う。次に、ステップ1800eで通信制御部104へ記録した設定属性110の個数分だけ、通信処理部102へ設定属性106として設定処理を行った後、処理を終了する。
【0100】
なお、属性設定ファイル112用の2次記憶装置111が、ネットワークファイルシステムのような形式で他の通信機器100に接続されている2次記憶装置111内に格納されていてもよい。また、図54中の動作で、既に述べた実施の形態での動作と同等の動作をするものは、説明を省略する。
具体的な通信事例は、実施の形態1と同等のため、説明は省略する。
【0101】
実施の形態10.
先の各実施の形態においては、属性要求は送信側のAPからの通信優先度要求または送信側の接続形態等を解析して、属性要求であるとした。ここでは、これらの属性要求に基づいて、通信プログラムを管理する通信制御部が行う優先度属性の選択手段について説明する。また、この選択結果として得られた設定属性を受信側の通信機器へも送信し、受信側の通信処理部がこれを基に送信側主導の属性設定を行う動作を説明する。
図55は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
本実施の形態において、送信側として通信機器A100上のAP−a101と、受信側として通信機器B100のAP−b101とが通信を行っている。設定属性a106は、送信側AP−a101の実行優先度をある写像関数を使用して、通信優先度へ写像したもの、つまり、送信側APからの属性要求を所定の変換式による対応関係、または所定のテーブル参照に基づく変換関係によって得られる選択された設定属性を、通信処理部へ設定している。ある写像関数とは、通信機器A100及び通信機器B100及びその他の通信機器100及びSW103でネットワークシステムを構築する際に、ネットワークの特性を考慮して設定される任意の関数、つまり、対応関係である。
【0102】
ここで、送信側の通信機器100上のAP101の実行優先度が属性要求として解析(検出)され、これを基に予め決めた写像関数を使用して通信優先度を選択し、その選択された通信優先度を送信側の通信機器100の通信処理部102に設定属性106として設定する。同時に、受信側の通信機器100にもこの設定属性106を通信することで、受信側の通信機器100にも設定属性106を設定する動作を図56のフローチャートによって説明する。
【0103】
AP−a101から、例えば、APが持つ実行優先度が属性要求として通信制御部104へ入力されると、ステップ1900aで制御I/F部104aが受け取る。次に、ステップ1900bで、入力された属性要求が妥当か判断する。もし、属性要求が妥当でない場合は、ステップ1900iでエラーを返して処理を終了する。また、属性要求が妥当である場合は、ステップ1900cで制御I/F部104aによりAP−a101の実行優先度を属性要求として受け入れる。次に、ステップ1900dで、予め定義されている属性要求としての実行優先度から設定属性の通信優先度に写像する写像関数を選択し、必要な設定属性を得る。ステップ1900eで、写像(選択)した通信優先度を選択属性110として通信制御部104へ記録する。次に、ステップ1900fで、この記録した属性を通信処理部102へ設定属性106として設定する。
ステップ1900gにおいて、通信処理部102から設定属性106を受信側の通信機器B100へ送信する。受信側では予め決められた手順で、図55で概念を示すように、これをシステムの基準であるとして、AP−aからの通信データを受ける際の通信優先度の設定属性であるとして、通信機器Bの通信制御部104に通知し設定する。その後、ステップ1900hで通信処理を開始する。
【0104】
図55で、AP−a101の実行優先度がaで、かつ、実行優先度から通信優先度への写像関数がAP−a101の実行優先度を、そのまま通信優先度とするものである場合を考える。
まず、通信機器A100上のAP−a101は、通信制御部104に対して属性要求124を送出する。属性要求124を受け取った通信制御部104は、属性要求124の発行元であるAP−a101の実行優先度aを解析する。それが受け入れ可能であれば、実行優先度から通信優先度への写像関数を使用した写像、上述の場合は、AP−a101の実行優先度aを、そのまま通信優先度aに変換して選択する。写像(変換選択)された通信優先度aは、設定属性a106として通信制御部104から通信処理部102に対して属性設定する。また、同時に、通信機器B100の通信処理部102に対して設定属性a106を送信する。
【0105】
通信機器A100の通信処理部102から回線経由で設定属性a106を受け取った通信機器B100の通信処理部102は、自身の通信処理部102内に設定属性a106を設定した後、通信制御部104に対して設定属性a106を通知し、設定属性a106を通信制御部104内に保存する。以降、AP−a101からAP−b101への通信、並びに、AP−b101からAP−a101への通信では、最初に起動をかけた送信側通信機器A100及びそれを受ける受信側通信機器B100の間で、設定された設定属性a106を用いた通信が行われる。
【0106】
なお、図55では、説明を簡単にするために、通信機器は、送信の側通信機器100と受信側通信機器100の2種類、アプリケーションとしてAP−a101とAP−b101の2種類の場合の説明を示したが、これらは、任意の数存在しても同等の動作が可能であることは明らかである。
また、図56ステップ1900e、ステップ1900f、ステップ1900g及び受信側の通信機器100が属性106を受け取ってから概通信機器内の通信制御部104に記録し、通信処理部102に設定する処理等は実施の形態1と同等であるため、説明は省略する。
【0107】
実施の形態11.
実施の形態10では、属性要求が起動をかける送信側の通信機器側のAPまたはそれと同等の接続形態等から得られる場合を説明した。ここでは、起動をかける送信側からの通信を受ける受信側の、例えば、APの状態を通信優先度に関する属性要求であるとして、優先度属性の選択をする場合を説明する。
図57は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
本実施の形態において、送信側として通信機器A100上のAP−a101と、受信側として通信機器B100のAP−b101とが通信処理を行っている。設定属性b106は、受信側AP−b101の実行優先度を所定の写像関数を使用して、通信優先度へ写像したものを設定している。
【0108】
ここで、受信側の通信機器100上のAP101の実行優先度をある写像関数を使用して通信優先度に写像して選択し、その選択された通信優先度を受信側の通信機器100の通信処理部102に設定属性106として設定する。同時に、送信側の通信機器100にもこの設定属性106を通信することで、送信側の通信機器100にも設定属性106を設定する動作を、図58のフローチャートによって説明する。
本実施の形態での動作は、送信側AP−a101が一旦受信側AP−b101に対して、何らかの通知用データを送信し、受信側AP−b101がその通知用データを受け取り、その折り返し処理として受信側AP−b101が送信側AP−a101に対して設定確認用データを返送して属性設定を行う処理である。
【0109】
図58のフローを説明する。
AP−b101から属性要求が通信制御部104へ入力されると、ステップ2000aで制御I/F部104aが受け、ステップ2000bで入力された属性要求が妥当か判断する。もし、属性要求が妥当でない場合は、ステップ2000iでエラーを返して処理を終了する。また、属性要求が妥当である場合は、ステップ2000cで制御I/F部104aによりAP−b101の実行優先度を属性要求として受け入れる。次に、ステップ2000dで、予め定義されている属性要求としての実行優先度から設定属性の通信優先度に写像する写像関数を選択し、必要な設定属性を得る。ステップ2000eで、写像(選択)した通信優先度を属性110として通信制御部104へ記録する。次に、ステップ2000fで、この記録した属性を通信処理部102へ設定属性106として設定する。
ステップ2000gにおいて、通信処理部102から設定属性106を送信側の通信機器A100へ送信する。これを受けた送信側の通信機器では、先の実施の形態で述べたと同等の動作で属性設定する。その後、ステップ2000hで、通信データの属性を設定属性b106に変更した通信処理を開始する。
【0110】
図57で、AP−b101の実行優先度がbで、かつ、実行優先度から通信優先度への写像関数がAP−b101の実行優先度を、そのまま通信優先度とするものである場合を考える。
AP−a101からの何らかの通知用データがAP−b101に対し送信され、AP−b101がその折り返し処理としてAP−a101へ設定確認用データを返送する場合、まず、通信機器B100上のAP−b101は、通信制御部104に対して属性要求124を送出する。属性要求124を受け取った通信制御部104は、AP−b101の実行優先度bを解析する。それが受け入れ可能なら、実行優先度から通信優先度への写像関数を使用した写像、上述の場合は、AP−b101の実行優先度bをそのまま通信優先度bに変換して選択する。写像(変換選択)された通信優先度bは、設定属性b106として通信制御部104から通信処理部102に対して属性設定し、同時に、通信機器A100の通信処理部102に対して設定属性b106を送信する。
【0111】
通信機器B100の通信処理部102から回線経由で設定属性b106を受け取った通信機器A100の通信処理部102は、自身の通信処理部102内に設定属性b106を設定した後、通信制御部104に対して設定属性b106を通知し、設定属性b106を通信制御部104内に保存する。
以降、AP−b101からAP−a101への通信、並びに、AP−a101からAP−b101への通信では、設定属性a106を用いた通信が行われる。
通信機器、APの数を任意の数としても同等の動作をする。
【0112】
実施の形態12.
先の各実施の形態では、データを送受信する通信機器間での通信優先度に着目し、この通信優先度の属性設定をシステムとして調整して設定属性を定めることを説明してきた。ここでは、更に、AP間のプログラムの処理時間も考慮に入れて、APの実行優先度まで調整して選択し、AP側に伝える場合を説明する。
図59は、上述の概念に基づく本実施の形態におけるネットワークシステムを示した概念図である。
本実施の形態においては、通信機器A100上のAP−a101と通信機器B100のAP−b101とが通信処理を行っている。設定属性a106は、AP−a101のプログラム処理の実行優先度を所定の写像関数を使用して、通信優先度へ写像したものを設定している。また、設定属性a106内の通信優先度を所定の写像関数を使用し実行優先度に写像し、写像した実行優先度を使用し、AP−b101の実行優先度を変更している。
【0113】
上述の概念に基づく動作は、図60のフローチャートで示される。
即ち、一方の通信機器100上のAP101の実行優先度をある写像関数を使用して通信優先度に写像して選択し、その選択結果の通信優先度を設定属性として通信処理部102に設定する。同時に、通信の相手方の通信機器100に設定属性106を通知する。
AP−a101から属性要求が入力されると、ステップ2100aで制御I/F部104aが受け、次に、ステップ2100bで、入力された属性要求が妥当性を判断する。もし、これが妥当でない場合は、ステップ2100iで、エラーを返して処理を終了する。また、属性要求が妥当である場合は、ステップ2100cで制御I/F部104aがAP−a101の実行優先度を受け入れる。ステップ2100dで、AP−a101の実行優先度を通信優先度へと写像して選択する。ステップ2100eで得た通信優先度を、ステップ2100fで通信制御部104に属性として記録し、通信処理部102へ設定属性106として設定する。ステップ2100gで、通信処理部102から設定属性106を相手方の通信機器B100へ送信する。その後、ステップ2100hで通信処理を開始する。
【0114】
相手方の通信機器100がSW103を通じて受け取った設定属性106を、その通信機器100の通信制御部104に記録し、通信制御部104から通信処理部102に設定属性106を設定し、属性に含まれていた通信優先度をある写像関数を使用して実行優先度に写像し、写像した実行優先度を使用して、その通信機器100上で動作するAP101の実行優先度を設定する動作を、フローチャートとして図61に示す。
送信元からSW103を通じて受け取った設定属性106は、まず、ステップ2101a通信機器B100の通信処理部102経由で通信制御部104に入力され、属性110として記録される。次に、ステップ2101bで、それを通信処理部102に対して設定属性106として設定する。ステップ2101cで、通信制御部104に記録した属性110としての通信優先度を、予め定義されている実行優先度への写像関数を用いて、プログラムの実行優先度へ変換して通知する。ステップ2101dでは、APでこの得られた実行優先度をAP−b101の実行優先度に変更する処理を行った後、処理を終了する。
【0115】
図59において、AP−a101の実行優先度がaで、かつ、実行優先度から通信優先度への写像関数がAP−a101の実行優先度をそのまま通信優先度とするものであり、かつ、通信優先度から実行優先度への写像関数が、通信優先度をそのまま実行優先度へ写像する場合を考える。
まず、通信機器A100上のAP−a101は、通信制御部104に対してAP−a101の実行優先度aで表される属性要求124を送出する。属性要求124を受け取った通信制御部104は、その後、実行優先度から通信優先度への写像関数を使用した写像し、本例では、AP−a101の実行優先度aをそのまま通信優先度aを選択する。選択された通信優先度aは、設定属性a106として通信処理部102に対して設定され、同時に、通信機器B100の通信処理部102に対して設定属性a106が送信される。
通信機器A100の通信処理部102から上述の設定属性a106を受け取った通信機器B100の通信処理部102は、自身の通信処理部102内に設定属性a106を設定した後、通信制御部104に対して設定属性a106を通知する。通信制御部104では、受け取った設定属性106としての通信優先度からAP101の実行優先度への写像関数で写像し、本例では、設定属性a106で設定された通信優先度a、つまり、AP−a101の実行優先度に変換する。その後、AP−a101の通信相手であるAP−b101の実行優先度を写像関数によって実行優先度aに変更する。
以降、AP−a101からAP−b101への通信、並びに、AP−b101からAP−a101への通信は、設定属性a106を用いた通信が行われ、かつ、AP−a101とAP−b101のプログラム実行優先度は、AP−a101が最初から使用していた実行優先度aに統一される。
なお、通信機器、APの数は、任意の数に拡張でき、上述と同等の動作とすることができる。
【0116】
実施の形態13.
先の実施の形態では、送受信は、1対1のデータ通信を扱う場合を説明した。システムによっては、複数のAPが複数の通信機器から互いに送信し合い、受信する複合システムが構成されることがある。これらの複数のAPまたは複数の通信機器による通信での優先度の属性設定を説明する。
図62は、本実施の形態における上述概念ネットワークシステムを示した概念図である。
本実施の形態において、通信機器A100と通信機器B100と通信機器C100と通信機器D100とがSW103を介して、同一ネットワーク上に存在している。図62(a)は、その初期段階の状態を示しており、通信機器A100の通信処理部102は設定属性a106、通信機器B100の通信処理部102は設定属性b106、通信機器C100の通信処理部102は設定属性c106、通信機器d100の通信処理部102は設定属性d106をそれぞれ持っている。ところで、通信機器A100の通信処理部102における設定属性a106に何らかの変更が発生したとする。その場合、通信機器A100の通信制御部104は、通信処理部102に新しい設定属性a106を設定した後、設定属性a106を同一ネットワーク上の他の通信機器100に向けて送信する。通信機器A100から送信された設定属性a106を受信した他の通信機器100は、この新しい設定属性a106を概通信機器100の通信制御部104に記録し、また、通信処理部102へ設定する。
このように、ある通信機器100内の設定属性106が変更されたり、新しい設定属性106が設定される毎に、同一ネットワーク上に存在する他の通信機器100へその新しい設定属性106を送信して、互いに設定することで、図62(b)で示したように、同一ネットワーク上の通信機器100上で共通属性として新しい設定属性α106が設定され、保持されることになる。なお、この設定属性の送信のきっかけは、いずれか通信機器100の設定属性106が新たに設定された場合であってもよい。
【0117】
上述の設定属性を通信機器間で交信し、同一の設定属性を得る動作を、図63のフローチャートで説明する。
通信機器100内で設定属性106の新規設定または何らかの変更が発生した場合、ステップ2200aで、まず、通信制御部104に新しい設定属性106を記録する。ステップ2200bでは、通信処理部102に対して設定属性106として設定を行うステップ2200cで、属性送信命令と設定属性106を送出する。次に、ステップ2200dで、通信処理部102から他の通信機器100に対して設定属性106を送信し処理を終了する。
【0118】
上述の具体例としての通信事例を説明する。
図64は、ネットワークシステム中の通信機器A100と通信機器B100との間に、高優先度で設定属性a106のCa通信122が発生した場合を示している。
このCa通信122が発生した段階で、通信機器A100は、他の通信機器B100、通信機器C100、通信機器D100に対して、通信機器A100内の通信処理部102に設定された設定属性a106を他の通信機器に向けて送信する。通信機器B100、通信機器C100、通信機器D100では、それぞれが通信機器A100から受け取った設定属性a100を通信機器100内の通信処理部102で受信し、通信処理部102内で設定属性として設定した後、それぞれの通信機器100内の通信制御部104へ通知し保存する。
【0119】
次に、図65は、図64の状態において、通信機器C100と通信機器D100との間に、低優先度のCb通信123が発生した場合を示している。
このCb通信123が発生した段階で、通信機器Cでは、他の通信機器A100、通信機器B100、通信機器D100に対して、通信機器C100内の通信処理部102に設定された設定属性b106を、他の通信機器に向けて送信する。通信機器A100、通信機器B100、通信機器D100では、それぞれが通信機器C100から受け取った設定属性b100を通信機器100内の通信処理部102で受信し、通信処理部102内で設定属性として設定した後、それぞれの通信機器100内の通信制御部104へ通知し保存する。
【0120】
次に、図66は、図65の状態において、通信機器A100からの設定属性a106と通信機器C100からの設定属性b106を各通信機器が受信した状態を示している。通信機器A100、通信機器B100、通信機器C100、通信機器D100内部には、Ca通信122で使用している高優先度の設定属性a106とCb通信123で使用している低優先度の設定属性b106が設定される。以後、Ca通信122及びCb通信123に分類される通信がいずれかの通信機器100から行われた場合、各通信機器は既に設定されている設定属性a106及び設定属性b106を使用して通信処理を行う。
【0121】
なお、本例では、発生する通信をCa通信122及びCb通信123の2種類に限定したが、他の異なる優先度の通信が増えても同等の動作をし、接続通信機器100数が増えても同等の動作をする。
【0122】
実施の形態14.
先の各実施の形態では、各APからは1つの接続形態でシステムにつながる形態を説明した。本実施の形態では、1つのAPから複数のインタフェースを用い、例えば、異なる通信優先度で、それぞれデータを通信する場合の優先度に関する属性設定を説明する。
図67は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
図において、通信機器100内の通信処理部102における設定属性106に通信優先度である場合、設定属性としての優先度の個数分、例えば、高、中、低とある場合は3個分、通信処理部102のNIC102d部と、また、SW103を準備しておく。そして、通信機器100内のOS起動時に、予めどのNIC102dでどの優先度の通信データを通信するかを決めておき、ある通信優先度、例えば、高優先度の属性の通信データがAP101から送出されると、その設定属性の、例えば高通信優先度に対応した高優先度NIC102dと、高優先度SW103とを選択して送信する。
図67の場合、通信機器100内で定義された通信優先度はN個であり、通信処理部102内に通信優先度を表す設定属性106がN個存在し、NIC102dもN個存在する。また、ネットワークを形成するSW103も、N個存在する。
【0123】
AP101が通信データを送信し、通信処理部102で送信された通信データに対応する設定属性を付与し、付与した設定属性の通信優先度に対応するNIC102dを使用して、通信データを他の通信機器100へ送信する動作を、図68のフローチャートを用いて説明する。
AP101から通信データが送信されると、ステップ2300aで、通信処理部102が通信データを受け取り、対応する設定属性106を付与する。ステップ2300bで、付与された設定属性106に対応する通信優先度を知る。ステップ2300cでは、取得した通信優先度を参照し、予めOS起動時等に決められている通信優先度毎に、対応するNIC102dを選択して、通信データを渡す。ステップ2300dでは、選択されたNIC102d経由で通信データをSW103に向け送信して処理は終了する。
なお、図67では、説明を簡単にするため、通信処理を行っているAP101を1種類のみとしたが、その数は任意数であってもよい。
【0124】
上述の具体例としての通信事例を説明する。
図69は、通信に使用するために定義されている通信優先度が、低優先度、中優先度、高優先度の3種類だった場合の通信形態を示した図で、AP101から高優先度通信であるCh通信118、中優先度通信のCm通信117、低優先度通信のCl通信116の3種が発生している。この場合の通信機器100には、使用するNIC102dとして、NIC1とNIC2とNIC3の3つが設置されており、NIC1が高優先度通信、NIC2が中優先度通信、NIC3が低優先度通信を扱う。また、SW103も3つ設置されており、SW1は高優先度通信、SW2は中優先度通信、SW3は低優先度通信を扱う。
ここで、AP101からのCh通信118は、高優先度通信の設定属性106を付与され、NIC1 102dよりSW1 103を通って送信される。また、Cm通信117は、中優先度通信の設定属性106を付与され、NIC2 103dよりSW2 103を通って送信される。また、Cl通信116は、低優先度通信の設定属性106を付与され、NIC3 103dよりSW3 103を通って送信される。また、AP101で、更に通信が発生した場合、またはそれ以外のアプリケーションから通信が発生した場合でも、この3種類のどれかの通信優先度を使用して通信するので、Ch通信118またはCm通信117またはCl通信116のどれかの内部的経路を用いて、通信データが送信されることになる。各経路を通る通信データは、付与された通信優先度に対応して通る経路を分割されるので、お互いの通信経路は独立となり、他の通信に対して何ら影響も与えないし、また、何ら影響も受けない。また、これらの通信と同等の優先度を持つ通信が発生した場合、同じ優先度の通信間で個々の通信処理に費やす時間が均等に分割されるだけであり、他の優先度の通信に対しては何ら影響を与えない。
なお、各優先度の通信の具体的な内容は、先の実施の形態で述べたようにシステムで決まる。
【0125】
実施の形態15.
先の実施の形態14では、APからの優先度の違いによってNICとSWで構成される経路を分離し、それぞれ設定属性を区別して通信する場合を説明した。本実施の形態では、通信優先度ではなくて、通信データの違いで経路を分離して通信する場合を説明する。
図70は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
通信処理部102の設定属性106が通信データの種類に基づく属性要求による場合、予め通信機器100の通信で使用する通信データの種類の数分、例えば、制御用のコードデータ、画像イメージデータ、音声データの3種類なら3個分、通信処理部102のNIC102d部とSW103を準備しておく。
図71は、図70のシステムの動作を示すフローチャートである。
これらの図に基づく動作の詳細は、先の実施の形態で述べた動作と同様であるので、記述を省略する。
【0126】
上述の具体例としての通信事例は、先の実施の形態14の図69で示したシステムと同じであるが、例えば、高優先度通信のCh通信118が制御用最重要通信、中優先度通信のCm通信117がマルチメディア用通信、低優先度通信のCl通信116がファイル転送などの一般情報処理用通信とし、また、設定属性を対応する属性であるとすればよい。
【0127】
実施の形態16.
先の実施の形態14,15では、APからの通信優先度、通信データの違いに対応して、それぞれ別個のNICとSWを用意して通信する場合を説明した。本実施の形態では、それらをまとめてNIC、SW毎に適切な通信量となるよう調整して、属性設定して通信を行う場合を説明する。
図72は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
通信機器100内の通信処理部102における設定属性106が通信優先度に関するものである場合、予めネットワーク内のSW103とNIC102dを複数準備しておき、通信機器100での通信で使用する通信優先度の総数を次式の
(SW103が処理可能な優先度数)×(配置するNIC102dの総数)
と定義する。
そして、通信機器100で定義した上述式の通信優先度を、配置するNIC102dの総数で除して、1つのNIC102dが対応する優先度数を求め、NIC102dの数分の通信優先度グループを作成し、通信優先度グループ毎に1つのNIC102dとSW103を割り当てる。AP101から所定の通信優先度で設定属性106が付与された通信データが送信されると、この付与された通信優先度に対応した通信優先度グループの通信を受け持つNIC102dとSW103を選択して、通信データを送信する。
図72の場合は、SW103で許容可能な優先度をm段階として、配置されるNIC102dの総数をN、また、配置されるSW103の総数をNとした場合には、
通信優先度グループ数n=N
となる。こうして、NIC102dに割り振られる通信優先度グループと通信機器100内で使用する通信優先度の関係は、
NIC1 102d:通信優先度グループ1:1,2,・・・,m
NIC2 102d:通信優先度グループ2:2m−m+1,2m−m+2,・・・,2m−m+m
NIC3 102d:通信優先度グループ3:3m−m+1,3m−m+2,・・・,3m−m+m
Figure 0003595143
NICN 102d:通信優先度グループn:nm−m+1,nm−m+2,・・・,nm−m+m
となる。
図73は、図72のシステムの動作を示すフローチャートである。
これら図72,図73に基づく動作の詳細は、先の実施の形態で述べたことから明らかであるので、記述を省略する。
【0128】
実施の形態17.
先の実施の形態16の変化として、優先度の総数をNICの数で予め分割するのではなく、上位の優先度のグループから順次NICを割り当てていき、同一優先度内での競合による影響を減らした場合を説明する。
図74は、本実施の形態におけるネットワークシステムを示した図である。
通信機器100内の通信処理部102における設定属性106が通信優先度に関連するものである場合、予めネットワーク内のSW103とNIC102dを複数準備しておき、通信機器100での通信で使用する通信優先度の総数を次式の
(SW103が処理可能な優先度数)×(配置するNIC102dの総数)
と定義する。
そして、通信機器100で定義した上述式による通信優先度を、配置するNIC102dに対して上位の優先度から順に各々別のNIC102dを占有するように通信グループを作成して、作成した通信グループ毎に1つのNIC102dとSW103を割り当てる。
この後、AP101からある通信優先度で設定属性106が付与された通信データが送信されると、付与された通信優先度に対応した通信優先度グループのNIC102dとSW103が選択されて通信データが送信する。図74の場合、SW103で許容可能な優先度をm段階として、配置されるNIC102dの総数をN、また、配置されるSW103の総数をNとした場合、
通信優先度グループ数n=N
となる。こうして、NIC102dに割り振られる通信優先度グループと通信機器100内で使用する通信優先度の関係は、
NIC1 102d:通信優先度グループ1:1,n+1,・・・,(m−1)n+1
NIC2 102d:通信優先度グループ2:2,n+2,・・・,(m−1)n+2
NIC3 102d:通信優先度グループ3:3,n+3,・・・,(m−1)n+3
Figure 0003595143
NICN 102d:通信優先度グループn:(m−m)n+n,(m−(m−1))n+n,・・・,(m−1)n+n
となる。
【0129】
なお、図74では、説明を簡単にするため、通信処理を行っているAP101は、1種類であるとして説明したが、AP101は任意の個数存在しても同様の動作となることは明らかである。本実施の形態における処理は、実施の形態16と同等であるため、説明は省略する。
【0130】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、通信機器内にデータ送受信の通信処理を行う通信処理部とは別に、通信制御部OSとしてプログラムの管理を行う通信制御部を設けて、APまたは接続形態等の複数の接続情報よる通信優先度に関する属性要求に基づいてシステムで予め決めた選択を行い、通信処理部に属性設定して、この設定属性に基づいて通信処理し、通信処理部は、優先度の高いAPからの送受信要求があると、あらためてAP間の通信量を調整するので、ユーザは、通信制御に関するプログラム詳細を理解しないまでも、単に優先指定するだけでシステム側から適切な通信優先度を選択して通信し、通信データの衝突を回避し、通信の質を制御できる効果がある。
即ち、第1の従来技術が持つ問題点に対しては、通信制御部のI/FをネットワークI/F部に依存しない共通的なI/Fとすることができ、設計にかかるオーバヘッドを軽減できる。また、通信優先度などの属性は、予めOS構築時にシステムとして効果的に決定でき、異なるAP間での属性の調停が容易となる。更に、異なる通信機器間でも属性の交換ができるため、相互に属性の調停ができる。こうして、当初からまたは運用中も通信制御部のOSにより統一した属性管理が実施できるため、通信機器異常、ネットワークシステム異常の早期検出が可能となる。また、データ衝突による輻輳を回避することが可能となる。
【0131】
第2の従来技術が持つ問題点に対しては、OS内部に通信制御部と通信処理部はが実装されているので、通信機器上のアプリケーションと実行時間を分割することなく、動作させられるので、データの滞溜を防止し、ネットワークに対して円滑に送信することができる。また、仮想プロトコルを用いず、実際の送受信に使用するプロトコルを用いているので、仮想プロトコルと実通信プロトコルの変換処理は必要なく、冗長な処理時間を削減できる。新しく通信媒体用デバイスドライバ構築時に、属性設定、属性通知のためのインタフェース及びそれらの属性受け渡しに関するデバイスドライバ内部処理を追加設計するだけでよく、煩雑なプロトコル変換のための作業や、ネットワーク制御部を設計するなどの開発コストが抑えられるという効果がある。
【0132】
第3の従来技術が持つ問題点に対しては、通信処理部は仮想プロトコルを用いておらず、実際の送受信に使用するプロトコルを用いるため、仮想プロトコルと実通信プロトコルの変換処理が必要なく、冗長な処理時間が削減できる。また、通信品質の制御は、OS内部に保持される属性によって通信制御部から通信処理部に指示し、通信処理は、この設定属性に基づいて通信処理を行えばよいので、ユーザアプリケーションによる不用意な通信品質の指定と制御を防止できる。また、ネットワークシステムに接続されている通信機器間で設定属性の交換ができるようにしたので、他の通信機器が行っている通信の属性が判り、かつ、その設定属性を用いてネットワーク上で協調した通信が行える効果がある。
【0134】
また更に、設定属性の選択を複数の属性要求を組み合わせて決定するようにしたので、先の効果に加えて、システムからの多様な通信優先度の選択条件に柔軟に対処して個々のシステム要求に合わせられる効果がある。
【0135】
また更に、システムの運用途中での属性要求の変更を受けて、属性設定を変更するようにしたので、加えて、通信途中の周囲条件の変更に柔軟に対処でき、絶えずユーザが望む最適通信システムを構築できる効果がある。
【0136】
また更に、APによって属性要求に制限を設けたので、加えて、システムが想定していないユーザからの不正な属性設定を防止して、通信機器での不用意な通信処理の混乱を防いで高品質のネットワークを維持できる効果がある。
【0137】
また更に、複数の属性を設定する設定ファイルを設けて一括して属性設定するようにしたので、加えて、通信機器内での制御の統制がとれ、また属性設定の漏れが防げる効果がある。
【0138】
また更に、送信側と交信相手の属性設定を合致させるようにしたので、加えて、システムとしてバランスのとれた通信処理が行える効果がある。
【0139】
また更に、受信側と交信相手の属性設定を合致させるようにしたので、加えて、受信側のユーザ主導のシステムとして通信処理が行える効果がある。
【0140】
また更に、交信処理としてAPの実行速度まで指定するようにしたので、加えて、アプリケーションのレベルの処理時間まで含めて統制のとれたシステムを構築できる効果がある。
【0141】
また更に、設定属性毎に、またはそのグループ毎に物理的に別の接続経路を設けたので、加えて、通信優先度の異なる通信を独立に扱うことができて、通信処理の柔軟性と信頼性を保つ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における簡略化したネットワークシステム構成図と本発明の基本動作の概念を示す図である。
【図2】本発明における通信処理部が行う通信データ送信時の動作フローチャート図である。
【図3】本発明における通信処理部が行う通信データ受信時の動作フローチャート図である。
【図4】本発明におけるSWが行う通信データ受信から通信データ送信までの動作フローチャート図である。
【図5】本発明において通信制御部に属性要求が入力された時の動作フローチャート図である。
【図6】本発明において通信制御部が設定属性を出力する時の動作フローチャート図である。
【図7】本発明において統計管理部が他の構成要素へ統計情報を開示する時の動作フローチャート図である。
【図8】実施の形態1において具体通信事例として低優先度通信のみ実行時の通信システム図である。
【図9】実施の形態1において具体通信事例として低優先度と中優先度と高優先度の通信実行時の通信システム図である。
【図10】実施の形態1において具体通信事例として高優先度通信が終了した時のシステム図である。
【図11】実施の形態1において具体通信事例として70%帯域の通信実行時の通信システム図である。
【図12】実施の形態1において具体通信事例として70%帯域の通信に40%,20%帯域の通信が発生した時の通信システム図である。
【図13】実施の形態1において具体通信事例として70%帯域の通信が終了した時の通信システム図である。
【図14】本発明の実施の形態2におけるネットワーク構成図である。
【図15】実施の形態2においてAP単位で設定される属性の通信データへの付与動作のフローチャート図である。
【図16】実施の形態2において具体通信事例として低優先度通信のみ実行時の通信システム図である。
【図17】実施の形態2において具体通信事例として低優先度通信に高優先度通信が発生した時の通信システム図である。
【図18】実施の形態2において具体通信事例として25%帯域の通信のみ実行時の通信システム図である。
【図19】実施の形態2において具体通信事例として25%帯域の通信に60%帯域の通信が発生した時の通信システム図である。
【図20】本発明の実施の形態3におけるネットワーク構成図である。
【図21】実施の形態3においてAPが用いる仮想ポート単位での通信データに対する属性付与動作フローチャート図である。
【図22】実施の形態3において具体通信事例として低優先度通信のみ実行時の通信システム図である。
【図23】実施の形態3において具体通信事例として低優先度通信に高優先度通信が発生した時の通信システム図である。
【図24】実施の形態3において具体通信事例として25%帯域の通信のみ実行時の通信システム図である。
【図25】実施の形態3において具体通信事例として25%帯域の通信に60%帯域の通信が発生した時の通信システム図である。
【図26】本発明の実施の形態4におけるネットワーク構成図である。
【図27】実施の形態4において送信側APと受信側APによる仮想ポートの組み合わせて決まるフローに基づいて属性付与を行う動作フローチャート図である。
【図28】実施の形態4において具体通信事例として低優先度通信のみ実行時の通信システム図である。
【図29】実施の形態4において具体通信事例として低優先度通信に高優先度通信が発生した時の通信システム図である。
【図30】実施の形態4において具体通信事例として25%帯域の通信のみ実行時の通信システム図である。
【図31】実施の形態4において具体通信事例として25%帯域の通信に60%帯域の通信が発生した時の通信システム図である。
【図32】本発明の実施の形態5におけるネットワーク構成図である。
【図33】実施の形態5においてAPが使用する通信プロトコル単位に基づいて通信データへ属性付与する動作フローチャート図である。
【図34】実施の形態5において具体通信事例として低優先度通信のみ実行時の通信システム図である。
【図35】実施の形態5において具体通信事例として低優先度通信に高優先度通信が発生した時の通信システム図である。
【図36】実施の形態5において具体通信事例として25%帯域の通信のみ実行時の通信システム図である。
【図37】実施の形態5において具体通信事例として25%帯域の通信に60%帯域の通信が発生した時の通信システム図である。
【図38】本発明の実施の形態6におけるネットワーク構成図である。
【図39】実施の形態6においてNIC単位の通信に基づいて属性付与する動作フローチャート図である。
【図40】実施の形態6において具体通信事例として低優先度通信のみ実行時の通信システム図である。
【図41】実施の形態6において具体通信事例として低優先度通信に高優先度通信が発生した時の通信システム図である。
【図42】実施の形態6において具体通信事例として25%帯域の通信のみ実行時の通信システム図である。
【図43】実施の形態6において具体通信事例として25%帯域の通信に60%帯域の通信が発生した時の通信システム図である。
【図44】本発明の実施の形態7におけるネットワーク構成図である。
【図45】実施の形態7においてAP通信中に動的に入力された属性を変更設定する動作フローチャート図である。
【図46】実施の形態7において属性変更通知があった時の通信制御部の動作フローチャート図である。
【図47】実施の形態7において具体通信事例として低優先度通信と高優先度通信が発生した時の通信システム図である。
【図48】実施の形態7において具体通信事例として通信の属性が変更された時の通信システム図である。
【図49】実施の形態7において具体通信事例として各々30%と80%帯域の通信が発生した時の通信システム図である。
【図50】実施の形態7において具体通信事例として通信の属性が変更された場合の通信システム図である。
【図51】本発明の実施の形態8における属性の入力を所定権限を持つAPに限定した動作フローチャート図である。
【図52】実施の形態8において具体通信事例を示すシステム図である。
【図53】本発明の実施の形態9におけるネットワーク構成図である。
【図54】実施の形態9においてOS起動時の属性設定ファイル読み出し動作と属性設定動作のフローチャート図である。
【図55】本発明の実施の形態10におけるネットワーク構成図である。
【図56】実施の形態10において写像による属性選択と属性設定の動作を示すフローチャート図である。
【図57】本発明の実施の形態11におけるネットワーク構成図である。
【図58】実施の形態11において写像による属性選択と属性設定の動作を示すフローチャート図である。
【図59】本発明の実施の形態12におけるネットワーク構成図である。
【図60】実施の形態12においてAPの実行優先度に基づく写像選択と属性設定の動作を示すフローチャート図である。
【図61】実施の形態12において属性の受信と属性設定と変換返送と実行優先度変更動作のフローチャート図である。
【図62】本発明の実施の形態13におけるネットワーク構成図である。
【図63】実施の形態13において属性変更と新規属性設定と設定属性の送信動作のフローチャート図である。
【図64】実施の形態13において具体事例として高優先度通信発生時の属性の交換形態を示す図である。
【図65】実施の形態13において具体事例として高優先度通信に低優先度通信が発生した時の属性の交換形態を示す図である。
【図66】実施の形態13において具体事例として属性交換が終了した段階を示す図である。
【図67】本発明の実施の形態14におけるネットワーク構成図である。
【図68】実施の形態14においてAPの送信と属性付与と付与属性に基づくNIC使用の送信する動作を示すフローチャート図である。
【図69】実施の形態14において具体事例として3種類の優先度通信を実行時の通信システム図である。
【図70】本発明の実施の形態15におけるネットワーク構成図である。
【図71】実施の形態15においてAPの送信と属性付与と付与属性に基づくNIC使用による送信動作のフローチャート図である。
【図72】本発明の実施の形態16におけるネットワーク構成図である。
【図73】実施の形態16においてAPの送信と属性付与と対応通信優先度に基づくNIC使用による送信動作のフローチャート図である。
【図74】本発明の実施の形態17におけるネットワーク構成図である。
【図75】第1の従来例におけるPACE機構を用いた通信の概念図である。
【図76】第2の従来例における分散異機種ネットワーク通信の概念図である。
【図77】第3の従来例における協調作業用ワークステーションの概念図である。
【符号の説明】
1 通信計算機を含む通信機器、2 ユーザアプリケーション、3 通信処理部、3a 通信処理部内のプログラムインタフェース部、3b 通信処理部内の通信プロトコル処理部、3c 通信処理部内のデバイスドライバ部、3d 通信処理部内のネットワークインタフェース部、4 ネットワーク接続機器、10 通信を実施する任意の機種の計算機、11 通信マネージャ(Communication Manager )、12 ローカルエリアネットワーク、13 広域ネットワーク、20アプリケーション・プログラム、21 呼び出しマネージャ、22 アプリケーション・プログラミングインタフェース、23 資源、24 論理装置、25共用セットマネージャ、26 トークンマネージャ、27 論理チャネルマネージャ、28 データ通信マネージャ、29 ネットワークマネージャ、30 装置ドライバインタフェース、31 トークンリング装置ドライバ、32 ISDN装置ドライバ、33 RS232C装置ドライバ、34 その他の装置ドライバ、100 通信制御部を備えた通信計算機を含む通信機器、101 通信制御部との入出力処理を含んだユーザアプリケーション、102 通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部、102a 通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部内のプログラムインタフェース部、102b 通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部内の通信プロトコル処理部、102c 通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部内のデバイスドライバ部、102d 通信制御部との入出力処理を含んだ通信処理部内のネットワークインタフェース部、103複数の通信優先度に基づいた通信の優先処理を実施することが可能なネットワーク接続機器、104 通信制御部、104a 通信制御部のプログラムインタフェース部、104b 通信制御部のミドルウェア構成部、104c 通信制御部のオペレーティング・システム内蔵部、105 通信制御部との入出力処理を含んだオペレーティング・システム内の他の管理部、106 通信制御部より通信処理部に設定された設定属性、107 APが通信に使用する仮想ポート、108 送信側APが使用する仮想ポートと受信側APが仮想ポートで規定されるフロー、109 APが通信に使用する通信プロトコル、110 通信制御部内で管理されている選択・記録属性、111 通信機器に接続されている2次記憶装置、112 2次記憶装置内に格納されている属性設定ファイル、113 属性設定ファイル内に記述されている属性、114 オペレーティング・システム内の他の管理部で収集された通信統計情報、115 オペレーティング・システム内の他の管理部で収集された通信統計情報を用いて統計管理を実施する情報収集用ユーザアプリケーション、116 低優先度通信、117 中優先度通信、118 高優先度通信、119 通信媒体の対全帯域幅が70%帯域の通信、120 通信媒体の対全帯域幅が20%帯域の通信、121 通信媒体の全帯域幅に対して40%帯域の通信、122 属性aが設定される通信、123 属性bが設定される通信、124 属性変更要求。

Claims (9)

  1. 他のネットワーク接続機器との間でアプリケーション・プログラム(AP)のデータを送受信する通信機器内に上記APのデータ送受信の通信処理を行う通信処理部とは別に
    上記APからの通信優先度関連の属性要求を検出する属性要求解析手段と、上記属性要求からシステムで予め定められた通信優先度の属性を定める優先度属性選択手段と、上記定められた通信優先度の属性を上記通信処理部に設定する属性設定手段、とを備えた通信制御部を設け、
    上記通信優先度関連の属性要求の検出は、APが通信に使用する接続形態や、APが要求する接続情報の、複数情報を属性要求として検出して、
    上記システムにおける通信優先度相当の属性の選択は、上記複数の属性要求の組合わせに基づいて定めるようにし、
    上記通信処理部は、上記通信制御部から設定された上記APの送受信が競合すると、所定の割合で上記APの送受信を割付けて通信処理を行うようにしたことを特徴とする通信属性設定・通信量処理通信機器
  2. 通信優先度関連の属性要求の検出は、APの送受信中にも行い、上記属性要求の内容変更を検出すると、上記属性要求の内容変更に基づいて以降の通信優先度相当の設定を動的に変更するようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
  3. 通信優先度関連の属性要求の検出が、APからの接続要求を解析して行う場合は、上記APがシステムで予め要求を許容されているAPである場合に限定して検出されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
  4. 属性要求に基づく優先度相当の属性の選択は、1つのAPの送信元の通信機器における属性要求によって定めて、他の送信及び受信の通信機器での設定属性は上記1つのAPの送信元の属性の選択に従うようにしたことを特徴とする請求項記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
  5. 属性要求に基づく優先度相当の属性の選択は、受信先の通信機器における属性要求によって定めて、送信元の通信機器には上記属性の選択の結果を返送するようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
  6. 優先度相当の属性の選択は、APの実行優先度の属性を定めるようにして、上記定めたAPの実行優先度を送信相互の通信機器に通知して属性設定を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
  7. 優先度相当の属性の選択は、送信側のAPの実行優先度を属性要求であると検出して、上記送信側APの属性要求に基づいてAPの実行優先度を定めるようにしたことを特徴とする請求項6記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
  8. 通信優先度関連の属性要求の検出は、1つのAPから複数の属性要求がある場合は複数の設定属性と接続経路を設定し、通信処理部は異なる上記属性要求を識別する識別子対応に上記複数の接続経路を使用して通信を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
  9. 1つのAPからの異なる属性要求をあらわす識別子を所定のグループにまとめて複数の接続経路を設定し、通信処理部は上記識別子により対応する接続経路を使用して通信を行うようにしたことを特徴とする請求項8記載の通信属性設定・通信量処理通信機器
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