JP3594844B2 - ボウリングのピン配置制御装置およびその連結ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ボウリングのピン配置の制御を行う装置およびその連結ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なボウリング場には、レーン後端部のピン配置位置にピンを配置するピンセッターマシンと、投球後のピンの状態を検出してボウリングのスコア処理を行う自動ボウリングスコア装置とを設けている。
【0003】
上記ピンセッターマシンは、1投目のピンとして10本のピンをレーン後端部のピン配置位置に新たに配置する機能(1投目ピン配置手段)と、ボールの投球を検出したとき、ピン配置位置に直立しているピンを把持して持ち上げ、残ピンおよび転倒しているピンを除去する機構(以下「レーキ」という。)で掃引(以下、「スイープ」という。)し、その後に、持ち上げているピンを再配置する機能(2投目ピン配置手段)を備えている。
【0004】
このような従来の一般的なピンセッターマシンでは、1投目のために10本のピンを立てて、ストライクにならなかったときの2投目のために、残留したピンを再配置する、という基本機能を備えているだけであるため、ボウリングの基本的なゲームしか行えなかった。
【0005】
これに対して、ピン配置の自由度を高めて、多様性に富んだボウリングゲームを行えるようにするため、指定した任意のピンパターンでピン配置を行えるようにしたピンセッターマシンも開発され、使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、任意のピンパターンの配置が可能となれば、例えばスペアを狙う投球練習を極めて効率的に行えるようになる。また、いわゆる10ピンボウリング以外に、ピン配置パターンのバリエーションを変えて新たなボウリングゲームを行うことも可能となる。
【0007】
上記ピン配置パターンを任意に設定できるようにした従来のピンセッターマシンは、倒れて掃き集められたピンを所定の高さまで運び上げるピンエレベータ、そのピンを所定位置まで運ぶピンシュータ、そのピンをピン設定テーブルの所定の位置に供給するディストリビュータなどから構成されている。しかし、ピン設定テーブルの任意の位置にピンを供給するためのディストリビュータは大掛りで、全体の構成が複雑で大型であり、マシン自体が高価なものとなっていた。
【0008】
一方、このような任意のピン配置パターンでピンの配置ができないピンセッターマシンを設置しているボウリング場にとって、既設のピンセッターマシンを廃棄して上記任意のピン配置パターンの設定が可能なピンセッターマシンに置き換えることは、撤去および再設置に要する時間と費用の面で実質的に無理があった。しかも、従来から用いられている10ピンボウリングの基本機能のみを備えたピンセッターマシンはその大半をメカニカルな制御によって動作する堅牢なマシンであるため、早々に壊れるものではなく、磨耗などが生じても、その箇所の部品のみを交換すれば継続使用が可能であるため、新たなマシンへの置き換えをますます困難なものとしていた。
【0009】
この発明の目的は、いわゆる10ピンボウリングを行う基本的な機能のみを備えたピンセッターマシンを新たなピンセッターマシンに置き換えることなく、任意のピン配置パターンでのピン配置を可能としたボウリングのピン配置制御装置およびその装置で用いる連結ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のボウリングのピン配置制御装置は、ボウリングピンの首部を挟むシザーと、このシザーの開閉動作を行うリンク機構と、前記シザーと前記リンク機構間に設けられる連結ユニット、とを備え、前記連結ユニットは、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定するロック機構とを備える。
【0011】
また、この発明のボウリングのピン配置制御装置用連結ユニットは、ボウリングピンの首部を挟むシザーとこのシザーの開閉動作を行うリンク機構との間に設けられ、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定するロック機構とを備える。
【0012】
以上の構成によれば、ソレノイドの通電と非通電の選択により、10本のピンのどれを配置するかを設定できる。これにより、例えば任意のピン配置パターンでの投球練習モードの設定が可能となり、スペア練習などが容易にできる。しかも複雑な機構が不要で、シザーとリンク機構の連結部にソレノイドを備える連結ユニットを設けるだけでよいため、ピンセッターマシン全体を、ピン設定テーブルの任意の位置にピンを供給するディストリビュータを備えた新たなピンセッターマシンに置き換えることなく、任意のピン配置パターンでピン配置を行うことのできるマシンとして利用できる。
【0013】
また、この発明のボウリングのピン配置制御装置のロック機構は、前記リンク機構のロッド周囲に設けられた溝に対向して設けられ、前記シザーに取り付けられ前記ロッド周囲を覆うパイプと、このパイプに保持された複数個のボールと、を備え、前記ソレノイドの作動に応じて前記ボールを前記溝にはめたりはめなかったりして、前記パイプと前記ロッドとをラッチ状態にしたり非ラッチ状態にする。
【0014】
また、この発明のボウリングのピン配置制御用連結ユニットのロック機構は、前記リンク機構のロッド周囲に設けられた溝に対向して設けられ、前記シザーに取り付けられ前記ロッド周囲を覆うパイプと、このパイプに保持された複数個のボールと、を備え、前記ソレノイドの作動に応じて前記ボールを前記溝にはめたりはめなかったりして、前記パイプと前記ロッドとをラッチ状態にしたり非ラッチ状態にする。
【0015】
また、他の態様として、前記ロック機構は、前記リンク機構に取り付けられ前記ソレノイドの非通電または通電に応じて該ソレノイドの作動部に当接または当接しないことでスライドロック状態またはスライドフリー状態となるスライド部材を有し、このスライド部材は直進移動をシザーの回転移動に変換する変換機構にピン結合され、前記ソレノイドの作動に応じて前記スライド部材をスライドフリー状態にしたりスライドロック状態にしたりして、前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定する。
【0016】
また、さらに他の態様として、前記ロック機構は、前記リンク機構に設けられたピンが入る長孔を有し直進移動を回転運動に変換して前記シザーに与える変換機構に連結されたスライド板と、前記ソレノイドの非通電または通電に応じて前記長孔へ入っている前記ピンを該長孔への結合状態または非結合状態とするピン結合板と、を備え、前記ソレノイドの作動に応じて前記ピンを前記長孔への結合状態にしたり非結合状態にしたりして、前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定する、
以上のような機構にすることによって、既に設置されているリンク機構とシザーとを大幅に改良する必要がなく、ロック機構を容易に設けることができる。したがって、現存するピンセッターマシンに対し短期間に低コストで組み込むことができる。
【0017】
また、この発明のボウリングのピン配置制御装置は、任意のピン配置パターンを設定するピン配置パターン設定手段と、設定されたピン配置パターンに応じて前記ソレノイドの非通電または通電状態を設定する手段と、を備える。
【0018】
この構成により、ピン配置パターンをボウラが任意に設定出来、多様なスペア練習が簡単にできるようになる。
【0019】
また、この発明のボウリングのピン配置制御装置は、前記ピン配置パターン設定手段を、ピン配置パターンを 画面上で入力する手段で構成する。これにより、画面上でピン配置パターンが簡単に設定できるようになる。
【0020】
また、この発明のボウリングのピン配置制御装置は、前記ピン配置パターン設定手段を、予め記憶されている ピン配置パターンの中から選択する手段で構成する。これにより、例えばスペア練習用の典型的なピン配置パターンの中から、挑戦しようとする所望のピン配置パターンを選択するだけで、その設定を容易に行えるようになる。
【0021】
また、この発明のボウリングのピン配置制御装置は、コインまたは価値を記憶したカードなどの媒体の投入を受け入れる手段と、その媒体の投入が行われたときに前記ピン配置パターンの入力を可能にする手段を備える。
【0022】
この構成により、投球練習などを有料にすることが簡単にできる。
【0023】
また、この発明に係るボウリングのピン配置制御装置は、ピン配置起動信号を受けたとき、配置されているピンを把持して持ち上げ、レーキをスイープし、その後に前記持ち上げたピンを再配置するピンセッターマシンを備えたボウリングのピン配置制御装置において、前記ピンを持ち上げる際に、外部から与えられたピン配置パターンに対応したピンのみを把持する選択的ピン把持機構を設ける。
【0024】
このように、選択的ピン把持機構の作用により、上記ピン配置起動信号に応じてピンを把持し持ち上げる際に、外部から与えられたピン配置パターンに対応したピンのみを把持するため、それに続くレーキのスイープによって、持ち上げられなかったピンが一掃され、その後のピンの再配置によって、設定したピン配置パターンでピンが配置されることになる。
【0025】
このように、一旦配置されたピンを把持して持ち上げる際に、必要なピンのみを把持する機構を設けるだけでよいため、従来のようなピン設定テーブルの任意の位置にピンを供給するディストリビュータが不要となり、全体に極めて簡単な構成で、任意のピン配置パターンでの配置が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態に係るボウリングのピン配置制御装置の機構部分の構成を図1〜図6を参照して説明する。
【0027】
図1は、新たに配置すべきピンを保持するピンホルダと共に設けられているピン把持機構部分を示す図である。従来からボウリング場に設置されている多くのピンセッターマシンは細部を除いて概ねこの図1に示すものと同様の機構を備えており、図1に示す装置では、連結ユニット7a〜7jが図2以下に示す新規な構造のユニットとなっている。後述のように、この新規な構造のユニットは装置全体がすでにすえつけられている状態で簡単に取り付けることができる。この連結ユニット7a〜7jは、後述するように電気信号によってロッド3a〜3dと回動体2a〜2jの連動状態とその解除状態(フリーな状態)を設定することができる。
【0028】
図1において、1a〜1jは1番ピンから10番ピンまでの直立しているピンの首部をそれぞれ挟むシザーであり、回動体2a〜2jにそれぞれ連結している。これらの回動体2a〜2jは図における一方端(図における左端)が回動中心であり、他方端が連結ユニット7a〜7j部分でロッド3a,3b,3c,3dにそれぞれ連結している。また、これらのロッド3a,3b,3c,3dの一方端(図における下端)は回動体4a,4b,4c,4dの一端に連結している。回動体4a〜4dの他方端はロッド5に連結している。これらの回動体4a〜4dはそのほぼ中央部を回動中心として回動する。したがって、ロッド5をその軸方向(図における左右方向)に移動させることによって、回動体4a〜4dが回動し、ロッド3a〜3dがほぼそれらの軸方向に移動する。今、連結ユニット7a〜7jが全て連動状態に設定されているとすると、ロッド3a〜3dが軸方向に移動することによって、ロッドに連結している回動体2a〜2jがそれぞれ回動して、シザー1a〜1jがそれぞれ開閉することになる。具体的には、ロッド5を図における右方向に所定量移動させることによって、シザー1a〜1jは全て開き、ロッド5を図における左方向に移動させることによって、シザー1a〜1jは全て閉じる。ロッド5の一端には引っ張りバネのスプリング6を取り付けているため、ロッド5は図における右方向に引っ張られ、シザー1a〜1jは通常開状態となる。
【0029】
連結ユニット7a〜7jのそれぞれは、個別に連動状態からフリーな状態に切り替えることができる。また、フリーな状態から連動状態に切り替えることもできる。フリーな状態では、ロッド3a〜3dが移動してもシザー1a〜1jは開閉動作しない。この連結ユニットの状態の切り替えは、そのユニットに含まれるソレノイドへの通電と非通電の選択で可能である。
【0030】
以上の構成により、連結ユニット7a〜7jに選択的に電気信号を流すことにより、ロッド5の移動によるシザー1a〜1jの開閉制御を選択的に行わせることができる。
【0031】
図2は図1に示したロッド3dと回動体2gとの連結部分(連結ユニット7g)の構造を示す組立状態での斜視図、図3はその分解斜視図である。図2,3において13はリンクロッドであり、11はそのロッド保持部である。また、19はリンクロッド13を挿通させるパイプであり、このパイプの所定箇所にボールラッチ内周部20を設けている。18はそのボールラッチ外周部であり、ボールラッチ内周部20に設けた孔に複数個のボール21を挿入し、ボールラッチ外周部18を取り付けることによってボールラッチ部分を構成している。このボールラッチ部分は、後述のようにリンクロッド13に設けている溝に対向して配置されている。このボールにより連動状態とフリーな状態とを切り替える機構部分を、この明細書では「ボールラッチ」という。17はボールラッチ外周部18を軸方向に駆動するソレノイドであり、ソレノイド保持部16を介してパイプ19に固定している。さらに14はパイプ保持部であり、このパイプ保持部14にシェルキャップ15を取り付けている。このパイプ保持部14の孔に回動体2gの一方端に連結しているリンクスタッド25を挿入している。
【0032】
図4は上記ボールラッチ部分の作用を示す一部破断図である。図4において24はソレノイド17の復帰用スプリングであり、ソレノイド17の非通電状態で図4の(A)に示すように、ボールラッチ外周部18を図における左方向に変位させる。ソレノイド17の通電状態では図4の(B)に示すように、ボールラッチ外周部18を図における右方向に変位させる。このソレノイドの状態によって、連結ユニットは以降に述べるように異なった動作を行う。
【0033】
〔ソレノイド非通電時〕
22はボールラッチ外周部18の内面に設けた溝、23はリンクロッド13の周囲に設けた溝であり、図4の(A)に示す状態は、リンクロッドの溝23にボール21が嵌まり込んでいる状態を示している。このボール21はボールラッチ内周部20に設けた孔の内部に納まっているため、(A)の状態でリンクロッド13の溝23とボールラッチ内周部20とがボール21を介して結合保持(ラッチ)される。ボールラッチ内周部20は、図2,3に示したようにパイプ19を介してパイプ保持部14と一体となっているため、結局、図1に示した回動体2gはリンク機構に連動して変位することになる。
【0034】
〔ソレノイド通電時〕
ソレノイド17に通電を行い、図4の(B)に示すようにボールラッチ外周部18を図における右側に変位させれば、ボール21はボールラッチ外周部18の内周面の溝22へ移動可能となり、リンクロッド13が図において左方向に変位したときに、ボール21はリンクロッド13の溝23からはずれる。したがってこの状態でパイプ19はリンクロッド13からフリーな状態となる。
【0035】
図2〜図4に示した例では、図1における7番ピン用のロッド3d部分について示したが、他の回動体2a〜2f,2h〜2jの可動端に上記のパイプ19、ボールラッチ(18,20,21)、ソレノイド17、ソレノイド保持部16、パイプ保持部14およびシェルキャップ15による連結ユニットがそれぞれ同様にして設けられている。
【0036】
従来のピン把持機構は、リンクロッド13に、適当な部材を付してリンクスタッド25を連結させているだけであったが、これを上記連結ユニットに置き換えることにより、選択的ピン把持機構を構成する。
【0037】
図32はリンクロッド13にリンクスタッド25を連結させる従来のピン把持機構の一例を示す。この構造は 既にボウリング場に設置されている装置に使用されている一つの例であり、リンクロッド13にピン状のリンクスタッド25を連動状態で連結させるだけの構造を備える。種々の理由から、ピン把持機構には図32に示すような構造のものが、10本のピンすべてに対応して採用されていない場合もあるが、一般に、10本のピン、またはそれに近い本数のピンに対応して、図32に示すような、リンクロッド13とリンクスタッド25の連結構造が設けられている。そこで、この連結のための部材を取り外して、上記連結ユニットを取り付けることで、簡単に選択的ピン把持機構を構成することができる。
【0038】
以上に示した選択的ピン把持機構によって、全ピン(10本のピン)が配置されている状態から、任意のピンのみを把持して再配置する場合、全てのソレノイドに通電させない状態(すなわち図4(A)に示す連動状態)で、まず図5に示すようにロッド5を開側に移動させて、すべてのシザーを開き、シザーが直立ピンの首部の高さになるまでピンホルダを下降させる。その後、例えば2,4,7,8,10番ピンを配置したくないとすれば、それらのピン用のソレノイドを通電させた状態(すなわち図4(B)に示すフリーの状態)で、ロッド5を閉側に移動させる。これにより図6のように2,4,7,8,10番ピンのシザーは開いた状態を維持し、配置したいその他の1,3,5,6,9番ピンのシザーのみが閉じることになる。その後、ピンホルダを上昇させて、レーキにより残留している直立ピン(2,4,7,8,10番ピン)をスイープし、再びピンホルダを下降させて、ロッド5を開側に移動させる。このとき、2,4,7,8,10番ピンに対応しているフリーなシザーはロッド5の移動に無関係に開いた状態を維持しているが、1,3,5,6,9番ピンに対応している連動状態のシザーはロッドの移動とともに開く。こうして、すべてのシザーを開き、再びピンホルダを上昇させることによって、目的の1,3,5,6,9番ピンを配置することができる。
【0039】
なお、2,4,7,8,10番ピンに対応するソレノイドは、この段階ではまだ通電状態にある。そこで、1,3,5,6,9番ピンを配置してからシザーを開こうとする(ロッド5を開側に移動することで)とき、2,4,7,8,10番ピンに対応するソレノイドへの通電を停止する。このとき、ロッド5の開側への移動によってリンクロッド13がシザー開状態の位置に向かって(図4における右方向へ)移動していて、溝23がボール21の位置にあるから、ソレノイド17の復帰用スプリング24の力がボールラッチ外周部18を図における左方向へ押すように加わったとき、ボール21が溝23に嵌まり込むと同時に、ボールラッチ外周部18が図4における左方向へ変位し、(A)に示す連動状態に戻る。なお、シザーが開くまでに上記ソレノイドへの通電を停止してもよい。この場合には、先ず図4において、ソレノイド17の復帰用スプリング24の力がボールラッチ外周部18を図における左方向へ押すように加わる。その後、ロッド5の開側への移動によってリンクロッド13がシザー開状態の位置に向かって(図4における右方向へ)移動するから、溝23がボール21の位置まで移動した際、ボール21が溝23に嵌まり込むと同時に、ボールラッチ外周部18が復帰用スプリング24の押圧力により図4における左方向へ変位し、(A)に示す連動状態に戻る。
【0040】
図7は、他の実施形態を示している。この例では、リンク機構については図1に示す構造とほぼ同様であるが、リンク機構とシザー間に設けられる連結ユニットの構造が上記の実施形態のものと異なっている。また、リンク機構については、図のハッチングで示すように断面がL字型の金具を用いている。リンク機構の構造は図2のそれとほぼ同じであるため、ここでは説明を省略する。図7は、図1のリンク機構のロッド3d′(棒状ロッドではなく、L字型金具のロッドであるため符合3dに「′」を付加している)とそれに連結されるシザー1g′の部分を示している。他のロッドとシザーの連結部分についても同様である。
【0041】
図7において、リンク機構のロッド3d′には、スライド部材100とソレノイド101が図外のビスにより取り付けられている。スライド部材100は本発明のロック機構であり、図8に示すような構造にある。また、図9に同スライド部材100の一部断面構造図を示す。スライド部材100は、底部にピン100aをネジ止めしたスライド板100bと、スライド板100bがスライドするボールベアリング固定枠100cと、このボールベアリング固定枠100cとスライド板100bとの間に置かれた複数のボールベアリング100dと、スライド板100bのスライド移動範囲を規制するためのストッパー100eと、で構成されている。図9に示すように、ボールベアリング固定枠100cはトンネル状の形状にあり、この両側部はボールベアリング100dが滑るように内側に湾曲している。また、スライド板100bは上方へ突出する突起部100b(1)、100b(2)を両端に設け、その間には上方へ突出するスライド板本体部100b(3)を設けている。このスライド板本体部100b(3)は、ボールベアリング固定枠100cの内側に挿入され、その両側部はボールベアリング100dが滑るように内側に湾曲している。したがって、ボールベアリング100dは、ボールベアリング固定枠100cの両側部とスライド板本体部100b(3)の両側部間に狭持されることとなり、ボールベアリング固定枠100cに対してスライド板本体部100b(3)がロッド3d′の長手方向にスライド自在となる。
【0042】
また、ストッパー100eは、両端に下方へ突出する突起部100e(1)と100e(2)とを有し、このストッパー100eは、両方の突起部間にスライド板100bの突起部100b(1)が位置するようにロッド3d′に取り付けられる。このため、スライド板100bが自由にスライド出来る状態では、そのスライド範囲は、突起部100b(1)がストッパー100eの突起部100e(1)に当たる位置(図8(B)に示す状態)から突起部100e(2)に当たる位置(図8(A)に示す状態)までである。
【0043】
ソレノイド101は、L字型のソレノイド固定板102にビス止めされ、その作動部101aは、ソレノイド101のオン/オフに応じて縮退または伸長する。この作動部101aは、スライド板100bが図8(B)に示すように最左位置にまで移動している状態で且つソレノイド101がオフしていると、ロッド3d′の下方にまで伸長しスライド板本体部100bの突起100b(2)に当接する。この状態では、スライド板100bの突起100b(1)がストッパー100eの突起100e(1)に規制されると同時に、同スライド板100bの突起100b(2)がソレノイド101の作動部101aに規制され、その結果、同スライド板100bは左右にスライドすることが出来ない。図8(B)はこの状態を示し、スライドロック状態という。
【0044】
一方、この図8(B)に示す状態から、ソレノイド101をオンすると、同ソレノイド101の作動部101aが上方へ縮退し、作動部101aによるスライド板100bの突起100b(2)の規制がなくなる。このため、スライド板100は、突起100b(1)がストッパー100eの突起100e(1)と100e(2)間で移動できる範囲でスライド出来るようになる。図8(A)がこの状態であり、この状態をスライドフリー状態という。
【0045】
図7(A)において、シザー1g′(図1のシザー1gに比較して形状が少し異なるため符合1gに「′」を付加している)の支点部には上記スライド部材100に取り付けられているピン100aの直進移動をシザー1g′の回転移動に変換するための変換機構200が設けられている。
【0046】
この変換機構200は、シザー1g′に開けられた長孔200aと、この長孔200aに係合するピン200bと、このピン200bを保持するピン支持体200cと、このピン支持体200cに回転部200dでピン結合され、スライド部材100に取り付けられているピン100aで結合される孔200eを有する腕部200fとで構成される。腕部200fは、さらに、その端部がピン200gで図外のシャーシに保持され、この位置で回転自在である。
【0047】
図7(A)では、ソレノイド101がオフしており、それによってその作動部101aがスライド部材100のスライド動作をロックするスライドロック状態となっているから、変換機構200は、スライド部材100の直進移動に応じて、常にその直進移動を回転移動に変換する。したがって、図7(A)に示す状態からロッド3d′が図の矢印符合A方向に直進移動すると、変換機構200の腕部200fが時計方向に回転してピン支持体200cが図の矢印符合B方向(同図の右上方向)に移動するから、長孔200aをピン200bが滑りながら移動し、その結果、図7(B)に示すようにシザー1g′が開く。また、図7(B)に示す状態からロッド3d′が図の矢印符合C方向に直進移動すると、変換機構200の腕部200fが反時計方向に回転してピン支持体200cが図の矢印符合D方向(同図の左下方向)に移動するから、長孔200aをピン200bが滑りながら移動し、その結果、図7(A)に示すようにシザー1g′が閉じる。こうして、ロッド3d′とシザー1g′間を連動状態に設定することが出来る。
【0048】
次に、ソレノイド101をオンして、スライド部材をスライドフリー状態にすると、ロッド3d′を直進移動しても、スライド板100bがボールベアリング固定枠100cに対してスライドするから、変換機構200は作動しない。図10(A)は、スライド部材をスライドフリー状態にしたときのスライド部材及び変換機構の動作を示している。同図(A)は、ロッド3d′をC方向に直進移動した場合を示し、同図(B)は、ロッド3d′をA方向に直進移動した場合を示す。いずれの場合も、ロッド3d′の直進移動に応じてスライド部材100がスライドするため、変換機構200も作動せず、したがって、シザー1g′は開いた状態を保持している。この図10(A)の状態がロッド3d′とシザー1g′を連動させない、フリーな状態である。
【0049】
以上のように、図7の連動状態と、図10のフリーな状態を、ソレノイド101のオン/オフによって簡単に設定できる。また、スライド部材100の連結ユニットを用意すれば、既に設置されているボウリングのピン配置制御装置にこの連結ユニットを取り付ける作業だけで、後述するような制御により、簡単に上記の連動状態とフリーな状態を設定することが出来る。
【0050】
なお、スライド部材100と変換機構200とは、ピン100aによりダイレクトに連結しているが、ピン100aと変換機構200の孔200e間に適当なリンクを介在させることで、ピン100aと変換機構200とを間接的に連結することも可能である。
【0051】
本実施形態では、図7の連動状態と図10のフリーな状態は、それぞれ、先に説明した実施形態の図4(A)の連動状態と図4(B)のフリーな状態に対応している。したがって、ソレノイドの制御については、どちらの実施形態においても同じように行なわれ、ピンの選択的な把持も同じように行われる。このようにして、先の実施形態と同様な選択的ピン把持機構が構成される。
【0052】
図11は、さらに他の実施形態を示している。
【0053】
本実施形態では、2つのシザー1g′がピン310で回動自在に連結され、また、直進移動をシザー1g′の回転運動に変換するリンク(変換機構)310がそれぞれのシザー1g′に取り付けられている。リンク310には直進移動する細長状のスライド板302がピン303で連結され、このスライド板302が同図の左右方向に直進移動することによりリンク310を介して回転力がシザー1g′に加わり、それによりシザー1g′が開閉動作する。
【0054】
本実施形態でのロック機構は、上記スライド板302と、ソレノイド301のオン/オフに応じて揺動するピン結合板304とで構成される。スライド板302は、そのやや左側に長孔305を有し、この長孔305に断面が中空矩形状のロッド3d′に取り付けられているピン300が嵌合している。また、ピン結合板304は、その右端面に窪みが形成され、この窪みの部分がピン結合板304の揺動に応じて長孔305の一部を覆ったり、長孔305から逃げたりするように配置されている。また、このピン結合板304は、揺動中心306でスライド板302にピン結合され、左下の角部がソレノイド301の作動部の先端にピン307で回転自在に結合されている。
【0055】
上記の構成で、ソレノイド301がオフしているときには、図11(A)に示すようにピン結合板304の左端部がスライド板302の長孔305の一部を覆う。この状態では、ロッド3d′に取り付けられているピン300は、ピン結合板304が長孔305の一部を覆っているために、長孔305に完全な結合状態となっている。したがって、ロッド3d′が図11(A)の矢印符合A方向に移動すれば、それに応じてスライド板302も同じ方向(A方向)に直進移動し、これにより、シザー1g′は図11(B)のように開く。また、図11(B)の状態から、ロッド3d′を同図の矢印符合C方向に移動すれば、それに応じてスライド板302も同じ方向(C方向)に直進移動し、これにより、シザー1g′は図11(A)のように閉じる。すなわち、シザー1g′とロッド3d′とが連動状態となる。
【0056】
一方、図11(B)の状態で、ソレノイド301がオンすると、図12(A)のように、ピン結合板304が反時計方向に回転し、このピン結合板304が長孔305を覆わなくなる。その結果、長孔305に対するピン300の非結合状態となり、図12(A)の状態からロッド3d′が矢印符合C方向に直進移動しても、長孔305内でピン300が移動するだけで、スライド板302は直進移動しない。このため、図12(B)のように、シザー1g′は開いたままである。同様に、図12(B)からロッド3d′が矢印符合A方向に移動してもスライド板302は直進移動しないからシザー1g′は開いたままである。この図12に示す状態はシザー1d′とロッド3d′間のフリーな状態である。
【0057】
このように、本実施形態でも、シザー1d′とロッド3d′間の連動状態とフリーな状態をソレノイド301のオン/オフにより簡単に設定することが出来る。また、このような構成は、スライド板302、ピン結合板304及びバネ309からなるユニットと、ソレノイド301とから簡単に実現出来るため既存の装置に容易に組み付けることが可能である。
【0058】
なお、本実施形態では、図11の連動状態と図12のフリーな状態は、それぞれ、先に説明した実施形態の図4(A)の連動状態と図4(B)のフリーな状態に対応している。したがって、ソレノイドの制御については、どちらの実施形態においても同じように行なわれ、ピンの選択的な把持も同じように行われる。このようにして、先の実施形態と同様な選択的ピン把持機構が構成される。
【0059】
以上に示した各ソレノイドは、後述するマシン制御回路によって制御されるが、このマシン制御回路の電源がオフ状態であるとき、上記各ソレノイドは非通電状態となるので、上記リンク機構に連動して各シザーが動く。したがって、マシン制御回路の電源をオフしたり、その機能をオフすることで、上記ボールラッチとソレノイドを用いた連結ユニットは、従来の連結ユニットと同じ機能を持つものとなるから、通常のゲームを行うことができる。
【0060】
次に、上記ピン配置制御装置を用いてボウリングの投球練習および通常ゲームを行えるようにしたボウリングのピン配置制御システムの構成を、図13〜図14を参照して説明する。通常ゲームモードは、最初の投球前に10本のピンを配置し、1投目でストライクとならない場合には2投目を投げることができる通常のモードである。投球練習モードは、最初の投球前に任意のピン配置パターンを設定してスペア練習をできるモードである。この発明では、既にボウリング場に設置されているピンセッターマシンの機能を変更するものではない。ピンセッターマシンの機能は、初期状態のとき10ピンを配置し、この初期状態からピン配置起動信号(例えば通常のゲームで、10フレームの3回目の投球を行ったときにストライクがとれずにピンが残った場合、そのピンを払うためにリセットボタンを押すが、このリセットボタンを押したときにピンセッターマシンへ与えられる信号であり、マシンリセット信号とも呼ばれている。)を受けると、シザーを下げて、立っているピンを持ち上げ、倒れているピンをスイープし、持ち上げたピンの再配置を行う、というものである。この発明では、投球練習モードに設定されると、ピンセッターマシンのこの機能を変更することなく、ピンセッターマシンに対して各ソレノイドの導通と非導通の信号と「みせかけ」のピン配置起動信号を送る。ピンセッターマシンは、実際の投球が行われていなくても、この「みせかけ」のピン配置起動信号を受けることで、初期状態から直ぐに上記の動作を行う。このとき、各ソレノイドの導通と非導通の信号により、設定されたピン配置状態にする。これにより、ボウラは最初からスペア練習を行うことができる。
【0061】
図13はシステム全体の構成を示すブロック図である。ここで、各コンソールはレーン毎に設けていて、このコンソールに後述するプリンタ/コインボックスおよびピンセッターマシンをそれぞれ接続している。また、これらの複数のコンソールとフロント管理装置およびオフィスユニットをそれぞれローカルエリアネットワーク(LAN)を介して接続している。フロント管理装置はフロントに設けたホスト装置であり、ボウラ(顧客)の受付処理、所定のコンソールの制御および各コンソールでの利用状況の管理を行う。オフィスユニットは事務所に設けていて、その他の顧客管理や運営管理の処理を行う。
【0062】
なお、プリンタ/コインボックスを図13のようにコンソール毎に設ければ、フロント管理装置との連係を必ずしも行う必要はなく、各コンソールがそれぞれ独立して動作するようにしてもよい。また、料金の管理およびスコアプリントを全てフロント管理装置側で行う場合には、「プリンタ/コインボックス」をコンソール側に設ける必要はない。
【0063】
図14はコンソールおよびプリンタ/コインボックスの外観図である。コンソールの正面にはタッチパネル付きモニタ40を設けていて、ボウラは必要に応じてその表示内容にしたがってタッチ操作を行う。プリンタ/コインボックスにはコイン投入口42およびプリント紙受け41を前面に設けている。
【0064】
図15はコンソールおよびプリンタ/コインボックスの構成を示すブロック図である。CPU51はROM52に予め書き込んだプログラムを実行する。RAM53はそのプログラムの実行に際して各種データの一時記憶などのワーキングエリアとして用いる。LANインタフェース54はローカルエリアネットワークの制御を行う。
【0065】
タッチパネルインタフェース55はタッチパネル付きモニタのタッチパネルの入力操作を検出する。CPU51はこのタッチパネルインタフェース55を介してタッチ操作内容を読み取る。表示インタフェース56はタッチパネル付きモニタのモニタ40aに対して表示信号を与える。この表示インタフェース56には表示用メモリおよびその内容から表示信号を生成する回路を備えていて、CPU51は上記表示用メモリに表示すべきデータを書き込む。
【0066】
周辺機器インタフェース57はプリンタ/コインボックスの制御を行う。プリンタ/コインボックスのコインセレクタは、投入されたコインの種別の読み取りおよび選別を行い、CPU51は周辺機器インタフェース57を介して、投入された金額を読み取る。なお、ここで示した例では、コインを受け入れるようにしたが、価値を記憶したICメモリカードや磁気カードなどのコイン以外の媒体を受け入れるようにしてもよい。価値を記憶したカードとしては、クレジットカードまたは銀行口座からの引き落としが可能なカードを使用することも可能である。このようなカードを受け入れる場合は、プリンタ/コインボックス部分にカードリーダ/ライタを設け、CPU51は挿入されたカードの価値を、周辺機器インタフェース57を介して読み取り、投球数などに応じた価値だけカードから減じるようにする。プリンタ/コインボックスのプリンタはスコアなどをプリントアウトする。CPU51は周辺機器インタフェース57を介してプリンタへ印字データを出力する。
【0067】
通信インタフェース58はピンセッターマシン側に設けるマシン制御回路71との間で通信制御を行う。CPU51はこの通信インタフェース58を介して、マシン制御回路71へ所定のコマンドを出力する。サウンド再生回路59は幾つかの効果音や合成音声などの再生を行う回路であり、CPU51は再生すべき効果音や合成音声のデータをこのサウンド再生回路59へ与えることによって、スピーカ60からその出力を行う。
【0068】
ボール通過センサ62は投球されたボールがレーン上を通過したことを検出するセンサであり、CPU51はインタフェース61を介してその検出結果を読み取る。ピン用カメラ64はピン配置位置を撮像するカメラであり、画像処置回路63はその撮像信号から、所定位置における直立ピンを検出する。
【0069】
また、図15に示すように、マシン制御回路71には演出効果制御回路72を接続していて、コンソールから受け取った演出効果用のコマンドを演出効果制御回路72へ与えるようにしている。この演出効果制御回路72には、ピン配置位置にまず配置される10本のピンを隠すとともに、所定のピン配置パターンのピンが煙の中から現れたかのように演出するためのスモークマシン73およびピン配置位置を照明する照明灯74を接続している。
【0070】
図16はマシン制御回路の構成を示すブロック図である。ここで、通信インタフェース81はコンソールとの間で通信制御を行い、コンソールから与えられる各種コマンドを受ける。コントローラ82はそのコマンドに応じて、ピンセッターマシンへピン配置を行わせるためのピン配置起動信号を与える。また、上記演出効果制御回路へ起動信号を与える。さらに、ピン配置パターンに応じてドライバ83を駆動する。ドライバ83は前記連結ユニットに設けた10個のソレノイドを通電制御する。
【0071】
上記マシン制御回路は、ピンセッターマシンに設けた選択的ピン把持機構の10個のソレノイドに対して通電制御を行い、ピンセッターマシンに対してピン配置起動信号を与えることによって、ピンセッターマシンに所定のピン配置を行わせる。基本的には次の手順となる。
【0072】
通常、ピンセッターマシンは10本のピンを配置して、1投目の投球を待っている状態が初期状態であり、通常のボウリングゲーム(通常ゲームモード)であれば、ボウラはこの状態で1投目の投球を行うことになる。(この10本のピン配置動作を以下「1投目のピン配置」という。)しかし、スペア練習を行う投球練習モードでは上記10本のピンが配置されている状態では、実際にはボウラは投球を行わない。この10本のピン配置から所定のピン配置パターンになってから投球が行われる。
【0073】
投球練習モードのとき、マシン制御回路は、この状態で、配置したくないピンに対応するソレノイドを通電させて、そのソレノイドに対応する連結ユニットをフリーな状態にする。そして、ピンセッターマシンに対して「みせかけ」のピン配置起動信号を与える。このピン配置起動信号はピンセッターマシンにとっては、通常ゲームモードの10本のピン配置状態で1投目の投球が行われて、投球されたボールがピンセッターマシンに到達したときに発生される信号である。したがって、この投球練習モードで「みせかけ」のピン配置起動信号を受けると、ピンセッターマシンは10本のピン配置状態での1投目の投球が行われたものと見なして、2投目のためのピン再配置の動作を行う(このピン配置動作を以下「2投目のピン配置」という。)。すなわち、ピンセッターマシンは、前記ピン把持機構により10本のピンを把持し、持ち上げ、レーキでスイープしてピンを再び下ろして配置する、という一連の動作を自動的に行う。しかし実際には、マシン制御回路により通電されているソレノイドに対応するピンは把持されないままレーキによりスイープされ、残りの実際に把持されたピンが再配置される。そして、ピンセッターマシンは通常ゲームモードにおいての2投目の投球を待つことになる。しかし、ボウラにとっては2投目という訳ではなく、今回配置された所定ピン配置パターンのピンに対して最初の投球となる。
【0074】
図17は、投球練習モードでの上記マシン制御回路71のコントローラ82の処理手順を示すフローチャートである。まず、コンソールからコマンドを受信する。投球練習モードに設定されている場合は、このコマンドとしてピン配置パターン設定コマンドとピン配置コマンドを、この順に受信する。受信したコマンドがピン配置パターン設定コマンドであれば、それに続くピン配置パターンデータを格納する(n11→n12→n13→n14)。受信したコマンドがピン配置コマンドであれば、既にコンソールから与えられている上記ピン配置パターンに応じてソレノイドを駆動し、ピンセッターマシンに対して「みせかけ」のピン配置起動信号を与える(n15→n16)。上述のとおり、ピンセッターマシンは10本のピンを配置して、1投目の投球を待っている状態が初期状態であるため、コンソールから上記ピン配置コマンドを受信するまでに既に10本のピンが配置されている。したがって、ステップn15,n16の処理で、ピンセッターマシンに「2投目のピン配置」動作を行わせることによって、上記所定のピン配置パターンのピン配置が行われることになる。尚、前述したように、「みせかけ」のピン配置起動信号を与えた後、所定の時間を待ってすべてのソレノイドへの通電を停止する(n17→n18)。この所定の時間は、所定のピンが持ち上げられ、レーキでスイープされてピンが再び下ろされて、シザーが開こうとするまでの時間である。この操作によりすべての連結ユニットが連動状態に戻る。
【0075】
図18は、コンソールの表示内容の例を示す図である。プリンタ/コインボックスのコイン投入口から、予め定められた所定額のコインが投入されると、(A)に示すような初期画面を表示する。ここで10本分のピンの配列位置をタッチすることによって、ピン配置パターンを設定する。希望のピン配置パターンとなれば、「設定完了」ボタンをタッチすることによりプレイを開始する。また、スペア練習用のピン配置パターンとしては予め幾つかのパターンを記憶していて、「次のパターンへ」ボタンをタッチすることにより、そのピン配置パターンを表示する。この「次のパターンへ」ボタンをタッチする毎に、上記の記憶しているピン配置パターンを順に読み出して表示する。また、「前のパターンへ」ボタンをタッチすると、直前に表示されたピン配置パターンの表示に戻る。そして、この「前のパターンへ」ボタンをタッチする毎に、上記の記憶しているピン配置パターンを逆順に順次表示する。「次のパターンへ」ボタンまたは「前のパターンへ」ボタンで読み出したピン配置パターンを部分的に変更する場合には、表示されているピンの配列位置をタッチすることによって、ピン配置パターンを変更する。希望のピン配置パターンとなれば、「設定完了」ボタンをタッチすることによりプレイを開始する。
【0076】
投球が行われたとき、残ピンを(B)に示すように立体的にグラフィカルに表示する。これにより、所定ピン配置パターンによるスペアの練習を効果的に行うことができる。
【0077】
なお、図18に示した例ではタッチパネルの操作によって所望のピン配置パターンを設定するものであったが、入力部をキースイッチで構成してもよい。
【0078】
図19および図20は、このコンソールの処理手順を示すフローチャートである。まず、コインの投入を待ち 、所定額の投入が行われたなら投球練習モードが設定され、図18に示したような初期画面の表示を行い、タッチパネルの読み取りを行う(n21→n22→n23)。図20は上記タッチパネルの読み取り処理の手順を示すフローチャートである。いずれかのピンの位置がタッチされたなら、該当ピンの選択状態/非選択状態の反転を行う(n41→n42→n43)。図18(A)において、黒丸は選択状態を、白丸は非選択状態を表している。また、「次のパターンへ」ボタンの位置がタッチされたなら、上述したように、そのボタン位置がタッチされる毎に、予め記憶しているピン配置パターンを順に表示する(n44→n45)。同様に、「前のパターンへ」ボタンの位置がタッチされたなら、上述したように、そのボタン位置がタッチされる毎に、予め記憶しているピン配置パターンを逆順で表示する(n46→n47)。これらの操作によって所望のピンの設定が行われた後、「設定完了ボタン」がタッチされたなら、そのピン配置パターンを記憶する(n48→n50)。
【0079】
その後、図19に示すように、今回のタッチパネル操作により設定されたピン配置パターンデータ(上記ステ ップn50で記憶されたピン配置パターンデータ)をピン配置パターン設定コマンドとしてマシン制御回路へ送信する(n24)。続いてマシン制御回路へピン配置コマンドを送信する(n25)。これによりマシン制御回路は、図17に示した制御によりピンセッターマシンを制御して、設定されたピン配置パターンのピン配置を行わせる。その後、ボウラによる投球を待つ(n26)。投球が行われたなら、投球数をカウントし、現在のピンの状態を図18(B)のように表示してスコア計数とその表示を行う(n27→n28→n29)。
【0080】
この投球により、ピンセッターマシンは、それ自体が持つ機能により「1投目のピン配置」動作を行う。すなわち、この投球によるボールの到達により、ピンセッターマシンは2投目の投球がなされたものと見なして新たな10本のピンを配置する動作を自動的に行う。
【0081】
その後、タッチパネルの読み取りを行う(n31)。もし、ここでボウラがタッチパネルを操作して新たなピン配置パターンを設定したなら、上記10本のピンの配置に要する時間を待って、マシン制御回路へ再びピン配置パターン設定コマンドおよびピン配置コマンドを送信する(n31→n32→n33→n24→n25)。例えば、図18に示したピン配置パターンから、6番ピンの位置がタッチされ、「設定完了」ボタンがタッチされたなら、1番、3番、4番、6番、10番ピンが配置される。
【0082】
ここでボウラがタッチパネルの操作を行わなかった場合や、設定完了ボタンをタッチするまでに時間切れとなった場合(図20のn49→RETURN)には、ピン配置パターンが変更されていないので、上記10本のピンの配置に要する時間の経過後、マシン制御回路へピン配置コマンドのみを送信する(n32→n33→n25)。これにより、再び同じピン配置パターンのピン配置が行われ、ボウラは投球を行う。もし、予め定められた投球数の投球を終えたなら、処理を終了し、次のコインの投入を待つ(n30→n21)。
【0083】
以上のようにして、スペアの練習を効果的に行うことができる。
【0084】
次に、コンソールにいわゆるパンチアウトゲームの機能を持たせた例を図21〜図26を参照して説明する。
【0085】
図21はコンソールでの表示例を示す図である。この例では、ピン配置パターンの異なる6つのステージをそれぞれ3投以内でクリアしていき、合計10投以内ですべてのステージがクリアできるか否かを競うものである。例えば、図21に示した状態でステージ1の3本のピン(黒丸で示すピン)をクリアした時、図22に示すような表示を行う。
【0086】
6つのステージを終了したとき、または投球可能な数の投球を終了したとき、図23に示すようなスコアをプリントする。
【0087】
図24および図25は、上記ゲームのコンソールにおける処理手順を示すフローチャートである。
【0088】
まず、コインの投入が行われたなら、コインブロッカ(コイン投入口を閉塞する機構)をオンし、ピンセッターマシンのマシン電源をオンする(n51→n52)。そして、ステージカウントの値を初期値1に設定し、図21や図22に示したような、現在のステージカウントの値に応じたゲーム進行画面を表示する(n53→n54)。そして、該当ステージのピン配置パターンデータの設定コマンドおよびピン配置コマンドをマシン制御回路へ送信する(n55→n56)。これにより、マシン制御回路はピンセッターマシンを制御して、設定されたピン配置パターンでピンの配置を行わせる。続いて、投球待ちタイマをスタートさせ、投球を待つ(n57→n58)。投球が行われれば、投球可能数を1つ減じる(n58→n60)。また、投球が行われないまま時間切れとなった場合も、投球可能数を1つ減じる(n59→n60)。
【0089】
その後、図25に示すように、投球可能数が0でなければ、次に現在のステージがクリアされたか、また最終ステージがクリアされたか否かの判定を行う(n61→n62→n63)。最終ステージ以外のステージでクリアがなされたなら、ステージカウントを+1する(n64)。現在のステージで3投以内でクリアされなかった場合にもステージカウントを+1する(n66→n64)。このように所定のピン配置パターンでピンが配置された状態でボールが投球されたなら、ピンセッターマシンは独自に次の1投目のピンとして10本のピンを新たに配置する。したがって、その10本のピンの配置に要する時間を待って、次のステージについての処理を同様に行う(n65→n54→・・・)。投球可能数が0となれば、または最終ステージをクリアしたなら、図23に示したようなスコアを印字し、ゲーム終了画面を表示する(n67→n68)。この画面の表示で再ゲームボタンがタッチされたなら、コインブロッカを再びオフして次のコイン投入に備え、処理を終了する(n69→n71)。また再ゲームボタンがタッチされなければ、そのままマシン電源をオフし、コインブロッカをオフする(n70→n71)。
【0090】
図26は、このゲーム機能を実行する際のマシン制御回路のコントローラが行うピン配置制御に関する処理手順の例を示すフローチャートである。ここでステップn11〜n16は図17に示したものと同様である。すなわち、1投目のための10本のピンが既に配置されている状態で、ピン配置パターンに応じてソレノイドを駆動し、2投目のピン配置を行うための起動信号をピンセッターマシンへ与えた後(n11〜n16)、そのピン配置が完了するに要する時間を待って、スモークマシンを駆動してピンセット位置付近にスモークを発生させる(n81→n82)。同時に効果音を出力する(n83)。
【0091】
上記スモークマシンはスモーク用液をセラミックヒータ等で加熱して0.25〜60μm程度の微粒子状に気化させ、所定の空気圧で排気するようにしたものである。
【0092】
このように2投目のピン配置が完了したときにスモークを発生させることにより、これから倒すべきピンがいよいよ出現した、ということの演出をボウラに与えることになる。
【0093】
尚、スモークを発生させること以外に、レーザ光でピン配置位置またはその周辺部に所定のパターンを描くようにしてもよい。
【0094】
図27および図28は、上記ゲームのコンソールにおける他の処理手順を示すフローチャートである。これは、図24,19に対してステップ(n56−1)、(n56−2)および(n64−1)を付加したものである。すなわちピン配置コマンドをマシン制御回路へ送信した後、そのコマンドによって2投目のピンが配置されるに要する時間を待って、(目標とするピンが配置された状態で、)そのピン配置位置を明るく照明する(n56→n56−1→n56−2)。
【0095】
また、実際に投球が行われたとき、ピンセッターマシンが独自に1投目のピンを配置する前に、照明の切り替えによって、ピン配置位置の実際のピン配置状態が分からない(判読しにくい)ようにする。すなわち仮想的に隠す(n64−1)。そして、その1投目の配置が完了するに要する時間を待って、所定配置パターンでのピン配置を設定する(n65→n54→n55→n56→・・・)。
【0096】
このように、2投目のピンが配置されるまで、ピン配置位置を実質的に隠すことによって、投球によって実際には倒すことのない1投目のピンが配置される状態をボウラが見ることがなく、ボウラに誤解を与えることがない。
【0097】
尚、照明の変更によってピン配置位置を仮想的に隠すこと以外に、所定のタイミングでピン配置位置の前方にスクリーンを垂れさせて、1投目のピンを実際に隠すようにしてもよい。
【0098】
次に、実質的にピンセッターマシンに直接接続したマシン制御回路のみを用いたシステムの例を、図29〜図31を参照して説明する。
【0099】
図29は操作部とマシン制御回路の構成を示すブロック図である。この操作部はコンソールの近傍に配置されるが、既設のボウリングスコアラーとしてのコンソールとは連動していない。またマシン制御回路はピンセッターマシン側に配置され、両者はシリアル通信ケーブルを介して接続されている。
【0100】
操作部のCPU11はROM12に予め書き込んだプログラムを実行する。RAM13はそのプログラムの実行に際してボウラによる操作内容の一時記憶などのワーキングエリアとして用いる。操作パネル15は1〜10番ピンの配置形状に配置されたキースイッチと、その操作位置を表示するLEDを備えていて、CPU11はインタフェース14を介して操作内容を読み取り、操作に応じてLEDを点灯/消灯させる。通信インタフェース16はマシン制御回路との間で通信制御を行う。
【0101】
マシン制御回路のCPU21はROM22に予め書き込んだプログラムを実行する。RAM23はそのプログラムの実行に際してピン配置パターンデータの一時記憶などのワーキングエリアとして用いる。通信インタフェース24は操作部との間で通信制御を行う。ボール通過センサ26は投球されたボールがレーン上を通過したことを検出するセンサであり、CPU21はインタフェース25を介してその検出結果を読み取る。また、CPU21はインタフェース27を介してピンセッターマシンに対して「2投目のピン配置」のためのピン配置起動信号を出力する。ドライバ28は、既に説明した10個のソレノイドを駆動する回路であり、CPU21はインタフェース27を介してドライバ28に信号を出力することにより、所定のソレノイドを駆動する。
【0102】
図30は操作部の処理手順を示すフローチャートである。まず、ボウラによるキースイッチの操作を読み取り、該当のスイッチ部のLEDを点灯させる。(LEDが点灯状態のキースイッチが操作されたなら、そのLEDを消灯させる。)そして、設定完了キーが操作されたなら、LEDが点灯しているキースイッチに相当するピンが選択されたものとして、そのピン配置パターンデータをマシン制御回路へ転送する。
【0103】
図31はマシン制御回路の処理手順を示すフローチャートである。まず、操作部からのピン配置パターンデータの転送を待つ。このデータを受信すれば、それを格納し、ピン配置パターンに応じてソレノイドを駆動し、ピンセッターマシンに対してピン配置起動信号を与える。これにより、ピンセッターマシンは所定のピン配置パターンでピンを配置する。その後、所定時間を待ってすべてのソレノイドへの通電を停止する。この所定の時間は、所定のピンが持ち上げられ、レーキでスイープされてピンが再び下ろされて、シザーが開こうとするまでの時間である。この操作によりすべての連結ユニットが連動状態に戻る。その後、ボウラにより実際に投球が行われたことを検出したなら、ピンセッターマシンが1投目のピンとして10本のピンを配置するに要する時間を待って、再びピン配置パターンに応じてソレノイドを駆動し、ピンセッターマシンに対してピン配置起動信号を与える。これにより、ピンセッターマシンは再度所定のピン配置パターンでピンを配置する。以降、操作部から新たなピン配置パターンデータを受信するまでは同様の処理を繰り返す。
【0104】
【発明の効果】
この発明のボウリングのピン配置制御装置によれば以下の効果を奏する。
【0105】
・ソレノイドの通電と非通電の選択により、10本のピンのどれを配置するかを設定できる。これにより、例えば任意のピン配置パターンでの投球練習モードの設定が可能となり、スペア練習などが容易にできる。しかも複雑な機構が不要で、シザーとリンク機構の連結部にソレノイドを備える連結ユニットを設けるだけでよいため、ピンセッターマシン全体を、ピン設定テーブルの任意の位置にピンを供給するディストリビュータを備えた新たなピンセッターマシンに置き換えることなく、任意のピン配置パターンでピン配置を行うことのできるマシンとして利用できる。
【0106】
・既に設置されているリンク機構とシザーとを大幅に改良する必要がなく、ロック機構を容易に設けることができる。したがって、現存するピンセッターマシンに対し短期間に低コストで組み込むことができる。
【0107】
・ピン配置パターンをボウラが任意に設定出来、多様なスペア練習が簡単にできるようになる。
【0108】
・画面上でピン配置パターンが簡単に設定できるようになる。
【0109】
・例えばスペア練習用の典型的なピン配置パターンの中から、挑戦しようとする所望のピン配置パターンを選択するだけで、その設定を容易に行えるようになる。
【0110】
・投球練習などを有料にすることが簡単にできる。
【0111】
・一旦配置されたピンを把持して持ち上げる際に、必要なピンのみを把持する機構を設けるだけで、任意のピン配置パターンでピンの配置が行えるため、従来のようなピン設定テーブルの任意の位置にピンを供給するディストリビュータが不要となり、全体に極めて簡単な構成で、任意のピン配置パターンでの配置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピン把持機構の構成を示す図
【図2】同機構のロッドおよび連結ユニット部分の構成を示す図
【図3】同部分の分解斜視図
【図4】同部分の動作状態を示す図
【図5】ピン把持機構の動作状態を示す図
【図6】ピン把持機構の動作状態を示す図
【図7】ピン把持機構の他の実施形態の構成を示す図
【図8】同ピン把持機構の動作状態を示す図
【図9】同ピン把持機構の一部断面斜視図を示す図
【図10】同ピン把持機構の動作状態を示す図
【図11】さらに他の実施形態のピン把持機構の動作状態を示す図
【図12】同ピン把持機構の動作状態を示す図
【図13】ボウリングのピン配置制御システム全体の構成を示すブロック図
【図14】コンソールおよびプリンタ/コインボックスの外観図
【図15】コンソールとそれに接続される各部の構成を示すブロック図
【図16】マシン制御回路の構成を示すブロック図
【図17】マシン制御回路のコントローラの処理手順を示すフローチャート
【図18】コンソールでの表示例を示す図
【図19】コンソールの処理手順を示すフローチャート
【図20】コンソールの処理手順を示すフローチャート
【図21】コンソールにおけるゲーム機能実行中の表示例を示す図
【図22】コンソールにおけるゲーム機能実行中の表示例を示す図
【図23】スコアのプリント例を示す図
【図24】コンソールの処理手順を示すフローチャート
【図25】図17に続く処理手順を示すフローチャート
【図26】マシン制御回路のコントローラの処理手順を示すフローチャート
【図27】コンソールの他の処理手順を示すフローチャート
【図28】図20に続く処理手順を示すフローチャート
【図29】操作部とマシン制御回路の構成を示すブロック図
【図30】操作部の処理手順を示すフローチャート
【図31】マシン制御回路の処理手順を示すフローチャート
【図32】一般に使用されているピン把持機構の一部の構成を示す図
【符号の説明】
1−シザー
2−回動体
3−ロッド
4−回動体
5−ロッド
6−スプリング
7−連結ユニット
11−ロッド保持部
12−シェルキャップ
13−リンクロッド
14−パイプ保持部
15−シェルキャップ
16−ソレノイド保持部
17−ソレノイド
18−ボールラッチ外周部
19−パイプ
20−ボールラッチ内周部
21−ボール
22,23−溝
24−復帰用スプリング
25−リンクスタッド
40−タッチパネル付きモニタ
41−プリント紙受け
42−コイン投入口
Claims (10)
- ボウリングピンの首部を挟むシザーと、
このシザーの開閉動作を行うリンク機構と、
前記シザーと前記リンク機構間に設けられる連結ユニット、とを備え、
前記連結ユニットは、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定するロック機構とを備える、ボウリングのピン配置制御装置であって、
前記ロック機構は、前記リンク機構のロッド周囲に設けられた溝に対向して設けられ、前記シザーに取り付けられ前記ロッド周囲を覆うパイプと、このパイプに保持された複数個のボールと、を備え、前記ソレノイドの作動に応じて前記ボールを前記溝にはめたりはめなかったりして、前記パイプと前記ロッドとをラッチ状態にしたり非ラッチ状態にする、ボウリングのピン配置制御装置。 - ボウリングピンの首部を挟むシザーと、
このシザーの開閉動作を行うリンク機構と、
前記シザーと前記リンク機構間に設けられる連結ユニット、とを備え、
前記連結ユニットは、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定するロック機構とを備える、ボウリングのピン配置制御装置であって、
前記ロック機構は、前記リンク機構に取り付けられ前記ソレノイドの非通電または通電に応じて該ソレノイドの作動部に当接または当接しないことでスライドロック状態またはスライドフリー状態となるスライド部材を有し、このスライド部材は直進移動をシザーの回転移動に変換する変換機構にピン結合され、前記ソレノイドの作動に応じて前記スライド部材をスライドフリー状態にしたりスライドロック状態にしたりして、前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定する、ボウリングのピン配置制御装置。 - ボウリングピンの首部を挟むシザーと、
このシザーの開閉動作を行うリンク機構と、
前記シザーと前記リンク機構間に設けられる連結ユニット、とを備え、
前記連結ユニットは、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定するロック機構とを備える、ボウリングのピン配置制御装置であって、
前記ロック機構は、前記リンク機構に設けられたピンが入る長孔を有し直進移動を回転運動に変換して前記シザーに与える変換機構に連結されたスライド板と、前記ソレノイドの非通電または通電に応じて前記長孔へ入っている前記ピンを該長孔への結合状態または非結合状態とするピン結合板と、を備え、前記ソレノイドの作動に応じて前記ピンを前記長孔への結合状態にしたり非結合状態にしたりして、前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定する、ボウリングのピン配置制御装置。。 - ボウリングピンの首部を挟むシザーとこのシザーの開閉動作を行うリンク機構との間に設けられ、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定するロック機構とを備える、ボウリングのピン配置制御用連結ユニットであって、
前記ロック機構は、前記リンク機構のロッド周囲に設けられた溝に対向して設けられ、前記シザーに取り付けられ前記ロッド周囲を覆うパイプと、このパイプに保持された複数個のボールと、を備え、前記ソレノイドの作動に応じて前記ボールを前記溝にはめたりはめなかったりして、前記パイプと前記ロッドとをラッチ状態にしたり非ラッチ状態にする、ボウリングのピン配置制御用連結ユニット。 - ボウリングピンの首部を挟むシザーとこのシザーの開閉動作を行うリンク機構との間に設けられ、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリ ーな状態に設定するロック機構とを備える、ボウリングのピン配置制御用連結ユニットであって、
前記ロック機構は、前記リンク機構に取り付けられ前記ソレノイドの非通電または通電に応じて該ソレノイドの作動部に当接または当接しないことでスライドロック状態またはスライドフリー状態となるスライド部材を有し、このスライド部材は直進移動をシザーの回転移動に変換する変換機構にピン結合され、前記ソレノイドの作動に応じて前記スライド部材をスライドフリー状態にしたりスライドロック状態にしたりして、前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定する、ボウリングのピン配置制御用連結ユニット。 - ボウリングピンの首部を挟むシザーとこのシザーの開閉動作を行うリンク機構との間に設けられ、電気的に選択的に非通電または通電に設定されるソレノイドと、このソレノイドの作動状態に応じて前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定するロック機構とを備える、ボウリングのピン配置制御用連結ユニットであって、
前記ロック機構は、前記リンク機構に設けられたピンが入る長孔を有し直進移動を回転運動に変換して前記シザーに与える変換機構に連結されたスライド板と、前記ソレノイドの非通電または通電に応じて前記長孔へ入っている前記ピンを該長孔への結合状態または非結合状態とするピン結合板と、を備え、前記ソレノイドの作動に応じて前記ピンを前記長孔への結合状態にしたり非結合状態にしたりして、前記シザーと前記リンク機構間を連動状態またはフリーな状態に設定する、ピン配置制御用連結ユニット。 - 任意のピン配置パターンを設定するピン配置パターン設定手段と、設定されたピン配置パターンに応じて前記ソレノイドの非通電または通電状態を設定する手段と、を備える請求項1〜3のいずれかに記載のボウリングのピン配置制御装置。
- 前記ピン配置パターン設定手段は、ピン配置パターンを画面上で入力する手段で構成される、請求項7記載のボウリングのピン配置制御装置。
- 前記ピン配置パターン設定手段は、予め記憶されているピン配置パターンの中から選択する手段で構成される、請求項7記載のボウリングのピン配置制御装置。
- コインまたは価値を記憶したカードなどの媒体の投入を受け入れる手段と、その媒体の投入が行われたときに前記ピン配置パターンの入力または選択を可能にする手段を備える、請求項8または9記載のボウリングのピン配置制御装置。
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-
1999
- 1999-08-06 JP JP22444799A patent/JP3594844B2/ja not_active Expired - Fee Related
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