JP3594818B2 - 射出成形機のホッパ孔構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機のホッパ孔の形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機において、ペレット状の樹脂をスクリュに供給するホッパ孔の形状は、円筒状または角筒状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
インラインスクリュ方式の射出成形機の場合、フライトを有するスクリュが、スクリュ孔に対して直角方向に設けられた円筒状または角筒状のホッパ孔の下方を摺動するので、射出工程および保圧工程においてスクリュが前進する際に、スクリュのフライトとホッパ孔との間にペレット状の樹脂が噛み込まれることは避けられない。しかも、複数個のペレットが噛み込まれることがある。
【0004】
前記保圧工程では、スクリュを回転させないのが一般的なため、ホッパ孔部にペレット状の樹脂が噛み込まれた時、その状態でスクリュが前進すると、ペレット状の樹脂を押しつぶすための力が必要となり、この力がスクリュとシリンダの摺動抵抗となる。
【0005】
また、保圧工程の実質樹脂圧を毎ショット安定させるために、スクリュ後方からの油圧または機械的な保圧力を一定に制御して、スクリュ先端の溶融樹脂に実質保圧力を作用させている。しかし、スクリュ後方からの保圧力をいくら一定に制御しても、ホッパ孔部でペレット状の樹脂が噛み込まれると、上記摺動抵抗が発生し、溶融樹脂に作用する実質保圧力が低下する。
【0006】
ペレット状の樹脂の噛み込みの有無によって実質保圧力が変動する結果、成形品の重量および品質が変動する。この現象は、例えば、図4に示すように、スクリュ2のフライト3の角度とホッパ孔4の角度がほぼ平行になる位置が存在するため、スクリュ2が前進する時にペレット状の樹脂5が噛み込みやすく、しかも複数個のペレットを噛み込むことがあり得、特にこの場合は、保圧時の樹脂圧が大きく低下するので、成形品重量および品質のばらつきが大きく発生する結果となる。
【0007】
本発明は、ペレット状の樹脂がスクリュのフライトとホッパ孔との間に噛み込まれても、複数個のペレットが噛み込まれることを防ぎ、スクリュとシリンダの摺動抵抗の変動を低減することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を次のようにして解決した。すなわち、ホッパ孔の内周とスクリュ孔の交差する角部の内、スクリュ先端方向の角部の角度をスクリュのフライトのねじれ角とは逆方向に5°〜40°として、スクリュのフライトとホッパ孔とのなす角度を大きくし、ホッパ孔部にペレット状の樹脂が噛み込まれても、スクリュのフライトに沿って滑り、移動できるようした。これにより、複数個のペレット状の樹脂が噛み込まれることがなくなり、保圧工程の樹脂圧のばらつきをなくす、または小さくすることで成形品重量および品質のばらつきを低減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明による射出成形機のホッパ孔部の縦断面図である。同図に示すように、スクリュシリンダ1の後部外周部には、ホッパ部シリンダ1aが取り付けられている。両シリンダ1,1aを貫通して、スクリュシリンダ1のスクリュ孔1bと連通するホッパ孔4が設けられている。スクリュ孔1b内には、フライト3を有するスクリュ2が回転可能および前後動可能に設けられている。ホッパ部シリンダ1aの上部には、ホッパ(図示せず)が取り付けられている。
【0011】
図2は、本発明の一実施例を示す、図1のA−A線に沿ってみた拡大図である。同図に示すように、円筒状のホッパ孔4に、スクリュ2のフライト3のねじれ角度αとは逆方向の角度βをとったポケット部4aがスクリュ孔1bに連通して設けられている。
【0012】
図3は、本発明の他の実施例を示す、図1のA−A線に沿ってみた拡大図である。本実施例では、上記円筒状のホッパ孔4に代えて角筒状のホッパ孔4としている。この角筒状のホッパ孔4に、スクリュ2のフライト3のねじれ角度αとは逆方向の角度βをとったポケット部4aがスクリュ孔1bに連通して設けられている。
【0013】
上記両実施例において、ホッパ孔4の内周とスクリュ孔1bの交差する角部の内、スクリュ先端方向の当該角部の角度であるβを、スクリュ2のフライト3のねじれ角αとは逆方向に5°〜40°にすることが望ましい。
【0014】
また、前記ねじれ角αと前記角度βを加算した角度(α+β)が20°〜55°になるように前記角度βが定められることが望ましい。
【0015】
次に、動作を説明する
ホッパに貯えられたペレット状の樹脂5は、ホッパ孔4を通過してスクリュ2に供給される。スクリュ2の回転によって樹脂は、スクリュ前方に輸送されると共に、スクリュシリンダ1に配置されたヒーターの熱およびスクリュ2内でのせん断発熱によって溶融されスクリュ先端に貯えられる。スクリュ先端に貯えられた溶融樹脂は、スクリュ2をスクリュ先端方向に移動する射出工程によって金型内に充填され、その後、スクリュ2を所定の時間、所定圧力で加圧する保圧工程を経て冷却され、成形される。
【0016】
上記保圧工程中に、図2または図3に示すように、スクリュ2が前進して、スクリュ2のフライト3がポケット部4aとクロスする位置にきて、ペレット状の樹脂5が噛み込まれる状態になった場合、スクリュ2のフライト3とホッパ孔4のポケット部4aとのクロスする角度(α+β)が大きいために、ペレット状の樹脂5はスクリュフライト3に沿って図中下方に滑る結果、噛み込まれることはなくなる。または、噛み込まれる頻度は従来に比べて大幅に低減する。もし、噛み込まれても複数個噛み込まれることはなくなる。
【0017】
【実施例】
スクリュのフライトとホッパ孔との間にペレット状の樹脂が噛み込まれた時、ペレット状の樹脂のスクリュのフライトに沿って滑り始める角度(α+β)を調査した結果、滑り始める角度(α+β)は、樹脂材料によって大きく異なっており、10°〜40°であった。
【0018】
また、スクリュのねじれ角αは、一般的なスクリュピッチがスクリュ外径と同じ場合、17°であり、スクリュのフライトに沿って滑るホッパ孔部の最大角度βは23°になる。なお、βは大きい程、ペレット状の樹脂は噛み込まれにくいが、βを大きく取ることは、樹脂を混練するために必要なスクリュ孔の長さを短縮する弊害がある。βを15°とした実験結果では、従来の円筒状のホッパ穴に比べて成形品の重量のばらつきが1/2に低減した。βの最適値は、スクリュ形状、樹脂材料、樹脂の形状などによって異なり、大きすぎることの弊害などを包含した最適値は5〜40°となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、上述したように、複数個のペレット状の樹脂が噛み込まれることがなくなるため、保圧工程中のスクリュ後方からの油圧または機械的な保圧力が正確にスクリュ先端の溶融樹脂に伝達されるので、成形品重量および品質が安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形機のホッパ孔部の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す、図1のA−A線に沿ってみた拡大図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す、図1のA−A線に沿ってみた拡大図である。
【図4】従来のホッパ孔とスクリュのフライトの角度の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 スクリュシリンダ
1a ホッパ部シリンダ
1b スクリュ孔
2 スクリュ
3 フライト
4 ホッパ孔
4a ポケット部
5 ペレット状の樹脂
Claims (4)
- 射出成形機のスクリュシリンダ(1)のホッパ孔(4)において、該ホッパ孔(4)の内周とスクリュ孔(1b)の交差する角部の内、スクリュ先端方向の角部の角度(β)を、スクリュ(2)のフライト(3)のねじれ角(α)とは逆方向に5°〜40°にしたことを特徴とする射出成形機のホッパ孔構造。
- 前記ねじれ角(α)と前記角度(β)を加算した角度(α+β)が20°〜55°になるように前記角度(β)が定められることを特徴とする請求項1記載の射出成形機のホッパ孔構造。
- 前記ホッパ孔(4)が円筒状であることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形機のホッパ孔構造。
- 前記ホッパ孔(4)が角筒状であることを特徴とする請求項1または2記載の射出成形機のホッパ孔構造。
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- 1998-10-30 JP JP31087898A patent/JP3594818B2/ja not_active Expired - Fee Related
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