JP3594751B2 - 生体物質含有液凍結乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の微粒子化のための二流体ノズル用いた生体物質含有液凍結乾燥装置に関し、特に低圧力で所望の微粒子サイズが得られ、生体物質含有液の微粒子化に適した二流体ノズル用いた生体物質含有液凍結乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の他の微粒子化の方法としては、1)一流体の油圧式噴霧ノズル、2)二流体噴射ノズルがあった。1)は気体を使わないで液体を加圧し、旋回(螺旋)状通路を通して小口径の噴口から噴出させる方法、2)は高速気体を使って流体を吹きちぎり、破砕し、噴口で微粒子化する。
しかし、いずれの場合も噴霧粒子径が0.1mm程度であり、より小さい微粒子の噴霧には適用できない。また、生体細胞を含有する液体や、圧力に敏感な成分や構成物を含有する液体を対象とする場合には、前者のノズルでは高圧流体故にノズル内部でシェアストレスを受け、後者は高速気体によって何回も流体を砕く工程があるので、いずれもダメージが大きいため使えない。
【0003】
また、最近では3)超音波ノズルも開発されているが、噴霧の到達距離が噴霧粒子の運動量のみに依存するため、到達距離が小さいうえ、超音波ノズル噴出口からは原理的に粒子1個づつしか発生させられないため、ごく微量のサンプルしか処理できず、量産には適していない。また、到達距離を大きくするには別途送風手段を必要とし、装置が大がかりになるという欠点があった。
これらのノズルに対し、液体噴射口と、液体噴射口を取り囲む位置に形成された環状の過流室と、渦巻き状に渦流室に延びて渦流室内に高速旋回流を生成すべく渦流室に高速気流を導入する複数の旋回導孔と、前記渦流室の前記流体噴射口の前方に焦点を持つ先細り円錐形の高速渦流を噴射形成する環状の気体噴射口と、を備え、数10ミクロンの微粒子化が可能な二流体ノズルが特公平4−21551号公報に記載されている。しかし、この気体を高速旋回流とする二流体ノズルも、微粒子化する液体が、生体細胞などの圧力に敏感な成分や構成物を含有する液体を対象とする場合には、圧力によるダメージが生じ、使える範囲が限定される。
【0004】
一方、生体物質含有液を凍結するための装置としては、従来より、液体窒素中に気体を利用して滴下させることによって血液を微粒子化させて凍結させる装置があった。例えば、佐藤知義による「Droplet Freezingによる赤血球凍結保存の研究」北海道医学雑誌、第58巻、第2号、第144〜153頁(1983)に記述がある。
この装置は内径0.4mmのポリエチレン製内管とこれを包む内径3mmの外套管よりなる二重管から構成される。内管から血液を、外套管から気体を導入し、ベルヌーイの原理を用いて前記内管出力端部に負圧を発生させて血液を前記内管出力端に導入し、その下に置かれた液体窒素中に滴下するものである。滴下された血液の粒子サイズは、前記内管の直径で決まり、滴下速度は、外套管に流す気体の流量で決まってくる。
【0005】
ところが、従来の粒子化して血液を凍結する装置では、ベルヌーイの原理を用いた単純な負圧方式であるため、微粒子化コントロールが不十分である。また粒子サイズが0.7mm〜2.8mmと大きく、また0.5mm以下の粒子の形成は不可能であり、0.5mmのサイズの粒子の場合でもその制御が難しいため、赤血球などの血液細胞の生存率が著しく悪い(溶血率が高い)という欠点があった。また凍結させた血液を乾燥させるためには、別の乾燥装置に移す操作が必要であり、煩雑であるばかりでなく、凍結装置から乾燥装置へ移動させる間に凍結血液の滅菌性を保つことが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は微粒子化対象の液体の性質や微粒子化の粒径範囲に応じて、広く微粒子化が可能で、生物細胞を含有する液体にも適用可能な低圧力で所望の微粒子サイズが得られる二流体ノズル用いて連続的な凍結乾燥が可能な生体物質含有液凍結乾燥装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置は、生体物質含有液を供給する生体物質含有液供給機構と、この生体物質含有液供給機構から供給された生体物質含有液とキャリアガスを混合噴霧する二流体ノズルと、この二流体ノズルから噴霧された生体物質含有液を凍結させる凍結機構と、前記二流体ノズルに洗浄液または気体を流して前記二流体ノズル内部に付着した生体物質含有液を洗浄するノズル内部洗浄機構と、凍結した生体物質含有液を収容・保存する容器と、この容器内の水分を昇華させる乾燥機構を備え、前記二流体ノズルは、液体と気体とを高速で混合して液体を微粒子化する二流体ノズルであって、液体を噴射する第1の噴射孔と気体を噴射する第2の噴射孔とを有し、第1の噴射孔の外周に第2の噴射孔が設けられ、これら第1および第2の噴射孔の少なくとも前方部分には、気体および液体をそれぞれ旋回流とする旋回手段が設けられ、前記二流体ノズルに隣接して加熱部を設けたことを特徴とする。
前記旋回手段が、キャリアガスおよび生体物質含有液の旋回流を互いに逆回転方向とするように構成してもよい。
前記第1の噴射孔の先端の噴射口の近傍に各旋回手段が設けてもよい。
前記二流体ノズルは、その近傍に螺旋状溝または螺旋状フィンが設けられた液体噴射口と、液体噴射口を取り囲む位置に形成された環状の渦流室と、渦巻き状に渦流室に延びて渦流室内に高速旋回流を生成すべく渦流室に高速気流を導入する複数の旋回導孔と、前記渦流室の前記液体噴射口の前方に焦点を持つ先細り円錐形の高速渦流を噴射形成する環状の気体噴射口とを備えるように構成してもよい
前記二流体ノズル表面を洗浄するノズル表面洗浄機構を設けてもよい。
前記凍結機構は冷媒を用いた冷却機構を備え、該冷却機構は、凍結される生体物質含有液と該冷媒とを間接的に接触させる機構を備えた構成としてもよい。
前記生体物質含有液供給機構は、生体物質含有液を二流体ノズルへ圧入する圧力印加部を備えた構成としてもよい。
前記凍結機構は、前記容器から排気されたガスを滅菌する滅菌機構、前記容器から排気されたガスを殺菌する殺菌機構、前記容器から排気されたガスから液体を除去する吸水フィルタ機構のうち少なくとも1つを有する構成としてもよい。
前記容器は、冷媒と直接または間接的に接する構造体からなる構成としてもよい。前記容器の内部のすべてまたはその一部にはっ水性のある部材を用いた構成としてもよい。
前記乾燥機構は、該容器を加熱する加熱手段を備えた構成としてもよい。前記二流体ノズルを加熱する加熱用ヒータと、該二流体ノズルの温度を検知する温度センサと、該二流体ノズルを一定の温度範囲内に制御する温度制御部を備えた構成としてもよい。
前記二流体ノズルと、前記加熱用ヒータと、前記温度センサとが同一ハウジング内に収納されてなるノズルアッセンブリを備えた構成としてもよい。
前記ノズルアッセンブリに、前記容器内に噴霧されたキャリアガスを前記容器外に排気する排気手段が具備された構成としてもよい。
前記ノズルアッセンブリと前記容器の一方または両方を上下、左右、および回転のうちの少なくとも一方向に移動させて、前記ノズルアッセンブリの容器への挿入および抜脱を行うノズル着脱機構を備えた構成としてもよい。
前記乾燥機構は、前記ノズルアッセンブリが抜脱された容器内部を真空乾燥するような構成としてもよい。
真空乾燥時の前記容器の温度を制御する容器温度制御機構を備えた構成としてもよい。
前記容器温度制御機構は、加熱用ヒータと冷却機構の少なくとも一方を備えた構成としてもよい。
前記温度制御機構は、ペルチエ素子を具備した構成としてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の二流体ノズルは、気体噴射孔のみならず、微粒子化される液体を噴射する液体噴射孔にも、旋回手段を設けたことを特徴としている。
液体噴射孔に設ける旋回手段としては、螺旋(スパイラル)状溝または螺旋状フィンが好ましい。具体的には、液体噴射孔の少なくとも前方部分の内壁に螺旋状溝または螺旋状フィンを設けてもよいし、内壁に螺旋状溝または螺旋状フィンが形成された筒状部材を液体噴射孔の少なくとも前方部分に嵌合させてもよい。
【0009】
一方、気体噴射孔の旋回手段としては、例えば、特公平4−21551号公報記載されたような旋回手段、すなわち液体噴射孔の先端の液体噴射口を取り囲む位置まで渦巻き状に延びて高速旋回流を生成すべく渦流室に高速気流を導入する複数の旋回導孔が好ましく用いられる。
そして好ましくは、前記液体噴射孔と気体噴射孔のそれぞれに設けられた旋回手段は互いに逆回転方向とし、また前記液体噴射孔と気体噴射孔のそれぞれに設けられた旋回手段は、上記液体噴射口に隣接されて設けられる。
【0010】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1ないし図3は、本発明の二流体ノズルの一例を示すものである。
この二流体ノズルは、ノズル中子Aとノズル外筒部Bとから概略構成されている。
ノズル中子Aは先端頭部101と中間部102と基部103とからなる概略円筒状のものであってその内部には液体が導かれる空洞が形成されている。
【0011】
基部103の後方の液体導入孔104の内壁面にはネジ105が形成され、このネジ105により液体供給用のチューブ等が液密に接続されるようになっている。基部103の前端部分は円筒状の中間部102につながっており、前記基部103の液体導入孔104からつづくやや細径の液体送給孔106が形成されている。この中間部102の先端は拡径された先端頭部101となっておりこの先端頭部101の内部には円柱状の液体噴射口107が形成され、この液体噴射口107は中間部102の液体送給孔106につながっており、液体送給孔106と液体噴射口107で液体噴射孔を構成している。液体噴射口107は、液体送給孔106よりも縮径され、その先端部分が外部に開口している。これら液体送給孔106および液体噴射口107の内面には旋回手段としての螺旋状溝108が形成されている。
【0012】
また先端頭部101の外形は切頭円錐状となっており、その傾斜外周面には旋回手段となる複数の気体導溝117が図2に示すように形成されている。これらの気体導溝は、互いに直角の角度をもって刻まれており、その先端部分が前記液体噴射口103の外周に形成された環状の渦流室110にまで延びている。
この渦流室110は先端頭部101に形成された気体噴射口111の外方にこれを取り囲むように形成されたもので、先端頭部101の先端部分を円周溝状に切り欠いて作られている。この渦流室110の前方は狭い間隙とされた環状の気体噴射口111につづいている。
【0013】
一方ノズル外筒部Bは、このノズル中子Aの外周に設けられた略円筒状のものであって、ノズル中子AとはOリング109を介してその基部112においてねじ結合されている。またこのノズル外筒部Bはその内径がノズル中子Aの中間部102の外径よりも大きくなっており、これによってノズル中子Aとの間に円筒状の気体送給路113が形成されている。さらにノズル外筒部Bの中間部分には気体送給孔114が穿設されこの気体送給孔114は気体送給路113に連通している。気体送給孔114には図示しない気体送給パイプとねじ結合できるようにねじ115が形成されている。
【0014】
ノズル外筒部Bの先端116部の内側の形状は、ノズル中子Aの先端頭部101の外形と完全に嵌合する形状となっており、この嵌合によりノズル中子Aに形成された気体導溝が4個の旋回導孔117となり渦流室110および気体噴射口111が形成されるようになっている。このように、本二流体ノズルの気体噴射孔は、気体送給路113、旋回導孔117、渦流室110、気体噴射口111から構成されている。
【0015】
さらにノズル中子Aの液体送給孔106および液体噴射口107の内面に形成された螺旋状溝108の旋回方向と4個の旋回導孔117の旋回方向とが互いに逆回転方向となるようにそれぞれの旋回方向が定められている。
【0016】
本実施例においては、旋回手段として液体噴射孔106と液体噴射口107に螺旋状溝108を形成した例を示したが、これに代えて螺旋状フィンを形成してもよい。螺旋状溝または螺旋状の旋回方向は、気体噴射口111の旋回導孔117の旋回方向とは逆方向回転にした方が好ましく、また、螺旋状溝または螺旋状フィンは、少なくとも液体噴射口107に接する部位に設けた方がよいが、その他は特に限定されない。例えば、全内周にわたって設けられてもよく、一部であっても、また螺旋状溝(または螺旋状フィン)が軸方向にグレーティングがかけられたものでもよい。また流体供給側に延長して設けられたものであってもよい。また液体送給孔106および液体噴射口107は同径としてもよい。
【0017】
また、図2には、4条の旋回導孔117を形成した例を示したが、その数、形状は問わない。例えば、各旋回導孔117どうしのなす角度を90℃以外の角度としてもよいし、各旋回導孔は等間隔としなくともよい。また各旋回導孔の孔の形状を先細形状としてもよく、大きさの異なる旋回導孔を組み合わせてもよい。あるいはこれらのバリエーションの組み合わせであってもよい。
螺旋状溝(または螺旋状フィン)は通常のねじ切りと同様機械加工等によって容易に実現できるものであって、実現容易かつその設計範囲も広い。
【0018】
図4ないし図6に、旋回手段として前記液体送給孔および液体噴射口に設けた溝または螺旋状の例を示す。
図4は、液体送給孔106および液体噴射口107の内壁に螺旋状溝108を設けた例を示す。螺旋状溝108は流体の性質によって深さおよびピッチを変えればよい。
【0019】
図5および図6は、液体送給孔106および液体噴射口107の内壁に螺旋状溝に変えて螺旋状フィン118を設けた例を示す。螺旋状フィン118の形状は、図5の例では断面矩形状、図6の例ではフィンの先端が鋭利形状となっている。これらの螺旋状フィン118も、流体の性質によって高さおよびピッチを変えればよい。螺旋状フィン118は必ずしも二流体ノズルと同じ材料から構成しなくてもよいし、その製造方法も機械加工のみならず、サイズの大きい場合にはインジェクション(射出成型)などの手段を用いてもよい。
あるいは、旋回手段として、液体噴射口107、あるいは液体噴射口107と液体送給孔106の前端部分に嵌合する形状の筒状部材119の内壁に螺旋状溝または螺旋状フィンを形成し、この筒状部材119を図7に示すように液体噴射口107に挿入してもよい。
【0020】
上述の構成の二流体ノズルにおいては、旋回導孔により高速渦流気体を生じさせるとともに、好ましくは互いに逆回転方向になる螺旋状溝または螺旋状フィンにより液体渦流を生じさせて渦流室において互いの相互作用によって流体を噴霧化できる。
このとき、前記渦流室110の作用は以下に記す2点にあると考えられる。すなわち第1の点は、前記旋回導孔117からの流れを集めることによってより強力な渦流とする効果、第2の点は、前記渦流室110の構造から明らかなように、まずくぼみによって発生する局部的な負圧によって前述の集中した渦流を引き込むとともに、前記気体噴射口付近に近づくにつれて気体の導孔が狭くなっているため、ベルヌーイの定理より前記気体噴射口111付近においてより高速流を発生せしめ、その結果噴射された前記液体は周辺に集められ、前記渦流気体の粉砕効果を高める。その結果、同一流体で同一加圧気体圧力でもより粉砕する効果が大きくなる。
【0021】
上記構成の二流体ノズルは、微粒子化対象の液体の性質や微粒子化の粒径範囲に応じて、広く微粒子化が可能な二流体ノズルとなる。とりわけ、生物細胞を含有する液体にも適用可能な低圧力で所望の微粒子サイズが得られる。
なお、本発明の二流体ノズルを用いて液体の微粒子化に用いられる気体は、乾燥した高純度窒素、乾燥空気、不活性ガス等特に限定されない。しかし、一般に微生物の領域では、好気性菌や嫌気性菌、好酸菌や好塩菌などの特定の雰囲気に影響を受けるのもがあるので、目的に応じて使い分けるのが望ましい。
【0022】
次に上記構成の二流体ノズルを用いた本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置について、図面に基づいて説明する。
本発明において、生体物質とは、血漿、血清のほか、糖類や、アルブミン、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone、PVP)などのバイオポリマ、酸及び塩、浸透圧調整物質、代謝調整物質などの生体適合物質、およびヒトやその他の哺乳類などの細胞を含む生物細胞を含有する。生物細胞としては、赤血球、血小板、各種リンパ球を含む白血球細胞、骨髄幹細胞、末梢血幹細胞、卵細胞、肝組織などの臓器組織、等を含む。
【0023】
図8は、本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置の構成の一例を示す概略図である。
図8で、生体物質含有液を凍結させるための凍結機構1は、生体物質含有液とキャリアガスを混合噴霧するための二流体ノズル2と、凍結させた生体物質含有液を収容・保存するための容器3と、容器3から排気されるキャリアガスを放出するためのキャリアガス後処理部4により概略構成されており、二流体ノズル2は容器3内部に設けられて構成されている。前記二流体ノズル2には、噴霧される生体物質含有液を供給するための生体物質含有液供給機構5と、キャリアガス供給機構11と、ノズル内部洗浄機構6が並列して接続されている。そして前記容器3には該容器113内の水分を昇華させるための乾燥機構7が接続されている。
【0024】
以下、本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置の一実施例について、図9に基づいてさらに詳しく説明する。
(二流体ノズル)
前記二流体ノズル2は、生体物質含有液とキャリアガスを容器3内部に混合噴霧するためのものであり、上述した構成の二流体ノズルが使用される。
生体物質含有液の微粒子化における粒子サイズコントロールは、第1に二流体ノズル2のノズル径を変えることにより行うことができる。すなわち混合・噴霧される生体物質含有液は、二流体ノズル2のノズル径に依存して異なる粒子サイズ(血球等の生物細胞が複数集まったクラスタサイズ)となって飛散する。例えば、ノズル径1.2mmの二流体ノズル2を使った場合、キャリアガスの圧力と生体物質含有液の流量に依存する関係となり、生体物質含有液の流量を1−20cc/分項とし、キャリアガス圧力0.5−6kg/cmの範囲とすれば、平均粒径が数ミクロンから40ミクロン程度までのサイズの粒子サイズが得られる。二流体ノズル2のノズル径が大きくなると、粒子サイズは大きくなり、粒子サイズと生体物質含有液混合液の処理量の制御が可能である。
加えて、この二流体ノズルを使うと該細胞を含む生体物質含有液を微粒子化することができ、粒子サイズの分布が狭く、サイズのそろった微粒子化が可能となる。
【0025】
(加熱部)
前記二流体ノズル2には、これに隣接して、またはその周囲に加熱部8が設けられている。この加熱部8は、必要に応じて一時生体物質含有液の供給を止めたとき、二流体ノズルが氷結して連続的な生体物質含有液の再供給が困難となることを防止し、生体物質含有液を連続して凍結処理させるためのものである。又、生体細胞を構成する脂質は、一般に生体温度以下(かつ0℃以上)にガラス転移点(Tg)を有し、Tg以下ではガラス化するため、少なくとも二流体ノズル部ではTg以上生体温度以下で微粒子化が行われなければならない。また生体温度を越えると細胞が破壊して死に至ることもあるので、概略生体温度以下が望ましい。例えば、ヒトの赤血球の場合は、15℃付近であるため、15℃以上40℃以下、好ましくは20℃以上37℃以下に制御する必要がある。
加熱部8としては、通常の各種のヒータ、あるいは各種の加熱素子等であればよく、二流体ノズル2での氷結を防止できるものであればよい。
なおキャリアガス排気機構9(後述)付近にも、ヒーター等の加熱部材を設ければ(図示せず)、氷結による容器内圧の上昇を防止できるのでより好ましい。
【0026】
(洗浄機構)
二流体ノズル2に隣接して、ノズル表面洗浄機構10が設けられている。これは、必要に応じて一時生体物質含有液の供給を止めたとき、または新しいロットの生体物質含有液を処理する際、二流体ノズル2の表面を洗浄するためのものであり、これにより二流体ノズルの目詰まり等を防ぎ、生体物質含有液を連続的に凍結処理することができる。ノズル洗浄部としては、ワイプ等の物理的な手法を用いたもの、前記二流体ノズル全体を移動させ(図示せず)洗浄液を使用して洗浄するもの、あるいはそれらの両方を使うものであってもよい。
【0027】
(キャリアガス供給部)
前記二流体ノズル2には、キャリアガス供給部11が接続されている。キャリアガス供給部11は、キャリアガスを貯蔵するキャリアガスボンベ12と、キャリアガスをキャリアガスボンベから二流体ノズルへ供給するためのキャリアガス供給管13と、キャリアガス供給管13に設けられたキャリアガス供給バルブ14から構成されている。そして供給されるキャリアガスの圧力と流量は、減圧弁とフローメータ(図示せず)で制御できるようになっている。
【0028】
(生体物質含有液供給機構)
生体物質含有液供給機構5は、供給する生体物質含有液を充填するための生体物質含有液充填容器15と、生体物質含有液充填容器15から前記二流体ノズル2へ生体物質含有液を供給するための生体物質含有液供給管16と、生体物質含有液供給管に設けられた生体物質含有液供給バルブ17とから構成されている。また本実施例においてノズル内部洗浄機構6は洗浄液溜め18からなり、生体物質含有液供給機構5と一体化されており、生体物質含有液充填容器15と洗浄液溜め18には、圧力印加部19が接続されている。この圧力印加部19は必要に応じて生体物質含有液と洗浄液の一方または両方の圧力と流量を制御するためのものである。
生体物質含有液の洗浄液の一方または両方の圧力と流量を制御する方法としては、例えば、通常5kg/cm以下、好ましくは3kg/cm以下の圧力となるように制御することが好ましく、その手段は自 動、半自動、手動のいずれでもよい。同様に、該キャリアガスと該液体の圧力と流量もそれぞれ独立に、またはある相関をもった適当な値で供給される。
【0029】
前記ノズル内部洗浄機構6は、二流体ノズル2内部及び生体物質含有液供給管16の洗浄を行うためのもので、生体物質含有液の供給を止め、洗浄液溜め18から洗浄液を供給し、例えば該容器4と同様な構成の洗浄用容器(図示せず)に噴射することによって行うことができるようになっている。
また、ノズル内部洗浄機構6としては、洗浄液に代えて、気体を流す構成としてもよい。この場合の気体としては、キャリアガスと同種あるいは異種の乾燥ガスなどが用いられる。
特に大量の生体物質含有液の凍結乾を連続的に行う場合、例えば、大きな容器に大量の生体物質含有液を噴霧して凍結乾燥を行う場合、多数の容器に生体物質含有液を分注して凍結乾燥を行う場合、あるいは組成の異なる生体物質含有液を連続して凍結乾燥を行う場合には、二流体ノズル2内部あるいは生体物質含有液供給管16内部を適宜洗浄することが必要であり、このノズル内部洗浄機構が不可欠なものとなる。
【0030】
(容器)
容器3は、容器3内部を密閉可能とする容器蓋20を備えており、密閉状態で二流体ノズル2の先端が容器内に設置されるようになっている。
容器3の構成としては、冷媒21に直接接触された容器自体の内部に、飛散噴霧された生体物質含有液が蓄積されるような構成であってもよいし、また容器3内壁部に密着してプラスティック等のフレキシブルな素材からなるフレキシブル容器(図示せず)が配置されて、このフレキシブル容器内部に飛散噴霧された生体物質含有液が蓄積され、該フレキシブル容器は冷媒と間接的に接触するような構成であってもよい。
後者の場合、該容器内壁に接して配置されるフレキシブル容器としては通常使用されている輸血用プラスティックバッグ素材を好適に用いることができる。このような輸血用プラスティックバッグを使用することは、凍結及び/または乾燥処理の後、外気に触れることなく取り出して、別の保存容器(図示せず)に貯蔵できる等、乾燥・保存の一連の製造に適するばかりでなく、大量・低価格化にも通じる。
【0031】
容器3は金属性であっても、他の素材であってもよく、要は熱伝導のよい材料で構成されたものであればよいが、容器3や容器3の内部に設けられる部材のすべてまたはその一部、特にノズル面や蓋の部分には、液体に対するはっ水性、または超はっ水性を持つ材料の使用が望ましい。はっ水性、または超はっ水性材料とは、水に対する接触角110度以上、または140度を越える物質をいい、例えばフッ素系材料やシリコン系材料、及びそれらの複合体で構成される。
【0032】
(冷却機構)
前記凍結機構は、冷媒21を用いた冷却機構22を備えており、容器3を冷媒21により冷却できるようになっている。
冷却機構22としては、液体窒素、液体ヘリウム、液体二酸化炭素、または他の冷媒を保持またはフローを利用したものであって、混合噴霧された生体物質含有液を、容器3を介して急速に冷却可能な機構であればよいが、冷媒21としては液体窒素等が好ましく使用される。液体窒素は、−196℃付近の極低温であるので、これを冷媒21に用いることにより混合噴霧された生体物質含有液を容器3を介して効果的に冷却することができる。
また生体物質含有液の凍結処理後、昇華過程を高効率で行なうためには、該容器3を加熱するための手段(図示せず)を設けられていてもよい。その加熱手段は通常のものでよい。
【0033】
(キャリアガス後処理部)
前記容器蓋20を貫通して設けられたキャリアガス排気機構9を介して、容器3内部とキャリアガス後処理部4がバルブ23により開閉可能に接続されている。キャリアガス後処理部4は、キャリアガスフィルタ24,25から構成され、バルブ23を解放したときにキャリアガスが容器3内から、キャリアガス排気機構9、キャリアガスフィルタ24、キャリアガスフィルタ25の順に通過して、含有していた液体や雑菌などが除去された後、キャリアガス放出端26から排出されるようになっている。
キャリアガスフィルタ24は、50mOsM(ミリオズモル)以下の浸透圧の水溶液または水、及び/または消毒液中をバブリングさせる構造体で構成してもよい。該水溶液及び/または消毒液は、凍結用容器に捕らえられなかった生体物質含有液を溶解または溶血させ、及び/または滅菌消毒することを意図するものである。具体的には、該消毒液としては例えば、次亜塩素酸ソーダなどが使用される。
キャリアガスフィルタ25は、消毒用フィルタまたはエアフィルタとしてもよい。
【0034】
(乾燥機構)
前記容器の蓋を貫通して設けられた脱気管27を介して、容器3内部と真空ポンプ28がバルブ29により開閉可能に接続されており、バルブ29を開いて、真空ポンプ28を作動させれば、容器3内部で飛散噴霧された生体物質含有液を乾燥できるようになっている。
【0035】
次に本発明の装置を用いて、細胞を含む血液成分(以下血液と略記する)を凍結乾燥する方法について説明する。
凍結される血液は、以下に述べる前処理を経て使用することが好ましい。まず採血された血液から遠心分離等の方法によってたとえばヘマトクリット値55〜90%の濃厚赤血球を得る。ついで濃厚赤血球と前処理液とを適当量混合(混和)する。前処理液の例としては、例えば、先願の特願平7−32718号に記載されている通り、糖類、バイオポリマー、又は酸若しくは酸の塩のうち少なくとも1種類を含有してなる溶液でよい。濃厚赤血球と前処理液の混合の手段としては、常法でよく、例えばかくはん、振とう等がある。また、混合の手段も当該血液を前処理液に注入する方法でも、その逆の方法であってもよい。好ましくは、該血液中に前処理液を混和しながら加える。
【0036】
前記前処理液に含まれる糖類の例としては、マンノース、キシロース、グルコース、トレハロース、スクロース、マルトースから選ばれた糖類を少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。
また前記前処理液に含まれるバイオポリマーの例としては、デキストラン、リン酸エステル塩、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルブミンから選ばれたバイオポリマーを少なくとも1種類以上含むものが挙げられる。
また、前記前処理液に含まれる酸若しくは酸の塩の例としては、フィチン酸(別名、イノシトールヘキサりん酸:IHP)、ピロりん酸塩、アデノシン三りん酸(ATP)、2,3−ジホスホグリセリン(2,3−DPG)、から選ばれた物質を少なくとも一種類以上含むものが挙げられる。
前処理液のpHについては、4から9の間に制御する。好ましくは7.0〜8.0の間とする。例えばりん酸水素二ナトリウム(NaHPO)とりん酸二水素カリウム(KHPO)からなる緩衝液に生理的電解質物質を加えたりん酸バッファに、前記糖類、バイオポリマー、酸若しくは酸の塩のいずれか1種類以上を添加して、最終的に、そのpHが4から9の間、好ましくは7.0〜8.0の間にくるようにする。
【0037】
こうして前処理された血液を、血液充填容器15に充填する。ついで、キャリアガスと血液を各々バルブ14,17の操作により二流体ノズル2へ供給し、容器3内へ混合噴霧する。ここでキャリアガスの圧力と流量は減圧弁とフローメータ(図示せず)で制御し、血液の供給圧力と流量も同様に圧力印加部19によって制御する。圧力印加部19によりキャリアガスと血液の圧力と流量はそれぞれ独立に、またはある相関をもった適当な値で供給される。
こうして容器3内へ混合噴霧された血液は、微粒子状、好ましくは数10ミクロン径の微粒子状となって、容器3の内壁に付着し瞬間急激に凍結される。
【0038】
前記噴霧された微粒子状液体のうち、キャリアガスはキャリアガス排気機構9を経てキャリアガスフィルタ24、25へと導かれ、凍結用容器に捕らえられなかった血液が溶血され、かつ/または滅菌消毒された後、大気中に排気される。容器内での微粒子化及び凍結処理の後、キャリアガス及び血液供給のためのバルブ14、17とキャリアガス排気のためのバルブ23を閉じる。ついで容器3を冷却機構22と分離する。ついで脱気管27のバルブ29を開き、真空ポンプ28によって脱気する。このとき、凍結された血液は氷点下にあり、特に冷媒に液体窒素を用いた場合には初期には極低温にあるので、いわゆる昇華過程で脱水化される。また必要に応じて昇華の効率を高めるため、容器3をヒータ等(図示せず)で加熱してもよい。
【0039】
以上の手順で血液の凍結及び乾燥が終了し、凍結乾燥血液を得ることができる。こうして得られた凍結乾燥血液は、例えば一般の冷蔵庫(温度5℃)で保存すれば良く、使用時に、例えば前記前処理液と同様の組成の戻し液で戻し、生理食塩水などで洗浄後、実際の輸血に供することができる。
以上、本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置について、血液成分の凍結乾燥を例にとって説明したが、その他の生体物質含有液、例えば、リンパ液や、組織液や、あるいは組織の一部を含む液体などについても同様にして凍結乾燥を行うことができる。
【0040】
図10ないし図13は、本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置の別の好適な実施態様を示すものである。
図10ないし図13に示した装置は、二流体ノズル2での氷結を防止するための前記加熱部8(加熱用ヒータ31)に、該加熱用ヒータ31の温度を検知するための温度センサ32および該加熱用ヒータ31の温度を所定の温度範囲内に制御するための温度制御部33が接続され、かつ二流体ノズル2と、加熱用ヒータ31と、温度センサ32とが同一のハウジング34内に収納されてノズルアッセンブリ35を形成した装置の一例を示しており、図10はノズルアッセンブリ35の斜視図、図11はノズルアッセンブリ35の断面図、図12はこのノズルアッセンブリ35を備えた装置の側面図である。
【0041】
ハウジング34は、上下に開口した略円筒体で、好ましくは金属製のものである。ハウジング34の底部(先端部)は略円錐状となっており、ハウジング34の中間部には複数の通気孔36…が穿設され、ハウジング34の上方開口部には、Oリング37を挟んで該上方開口部にキャップ38が嵌合され、ハウジング内部に空間部41が形成されている。
ハウジング34の底部中央には、二流体ノズル2がその先端を下方に向けて嵌合されている。またキャップ38には、5つの孔が穿孔され、各々キャリアガス供給管13と生体物質含有液供給管16、排気機構(排気管)9、センサ導線39、ヒータ導線40が挿通されている。このうち前記キャリアガス供給管13と生体物質含有液供給管16はさらに下方まで延びて二流体ノズル2の基端側に接続されており、センサ導線39は後述する温度センサ32に、ヒータ導線40は加熱ヒータ31に各々接続されている。
【0042】
図10および図11に示した例でも、図9に示した例と同様に、キャリアガス供給管13の他方の端はキャリアガスボンベに、生体物質含有液供給管16の他方の端は生体物質含有液充填容器および/または洗浄液溜めに、また排気管9はキャリアガス後処理部に接続されている(図示せず)。
ハウジング34に穿設された通気孔36…は、噴霧後のキャリアガスを容器外へ排気するために容器内部からハウジング内部の空間部41へ導くためのものである。すなわち、通気孔36…と排気管9によりハウジング34内外が連通しており、排気管9は排気機構(図示せず)に接続されているので、図11で矢印で示すように、通気孔36…、ハウジング内部空間部41、排気管9を経て、噴霧したキャリアガスを容器3外に排気させる排気路42が形成されている。この排気路42を設けることにより、小さな密閉容器中への噴霧が可能となる。大きな容器中に噴霧する場合には通気孔36…または排気管9の数を増やしても良い。
【0043】
加熱用ヒータ31は、二流体ノズル2の外周面と、ハウジング内部空間部41に面した生体物質含有液供給管16の外周面にコイル状に巻着されつつ上方に延びて、ヒータ導線40を介して温度制御部33に接続されている。加熱用ヒータ31は、極低温に冷やされた容器に対向している二流体ノズル2の氷結防止を主たる目的としているので、図11に示すように二流体ノズル2の周囲に密に巻着されることが好ましいが、前述したように細胞を構成する脂質のガラス転移点Tgを考慮するとTg以上で生体細胞温度以下、好ましくは20〜37℃の範囲に制御する必要がある。また、加熱用ヒータ31をその上方の生体物質含有液供給管16の周囲に巻着することで、排気路42の加熱も実現し、排気路42の氷結防止を兼ねることができる。
【0044】
前記温度センサ32は二流体ノズル2の先端付近に位置するように設けられるとともに、センサ導線39を介して温度制御部33に接続され、二流体ノズル2の先端の温度を検知して温度制御部33に信号を送るようになっている。温度制御部33は、温度センサ32からの信号を受け、所定の設定温度との差を検出して、所定の温度範囲、通常は0℃以上かつ40℃以下、好ましくは生体細胞を構成する脂質のTg以上生体細胞の温度以下、例えばヒトの赤血球の場合には20℃以上37℃以下に入るように加熱用ヒータ31に供給する電流を制御する。その制御方式はいずれの方法でもよく、たとえばPID制御であっても良い。こうして二流体ノズル2が適当な温度を保持するように制御され、生体物質含有液の二流体ノズル2中での凍結を防止できるようになっている。
【0045】
容器3は、容器固定具46で固定される。一方、ハウジング34は、アーム43に支持されており、このアーム43は回転支柱44、モータ45などに接続されていて(図12参照)、モータ45を駆動させて、回転支柱44およびアーム43を介してノズルアッセンブリ35を上下、左右、回転の少なくともいずれか一方向に移動させることができるようになっていて、ノズルアッセンブリ35の容器3への挿入および抜脱を行うようになっている。
ここでノズルアッセンブリ35は、容器固定具46の上方から、アーム43の下降に伴って、パッキング(Oリング)47を挟んで、容器3上方開口部に挿入される構造となっており、生体物質含有液とキャリアガスの混合噴霧時には、パッキング47によって容器3内の密閉が保たれる。このため生体物質含有液噴霧のため同伴したキャリアガスは、生体物質含有液凍結の後、前記排気路42、すなわち通気孔36…、ハウジング内部空間部41、排気管9を通って排気されるという流体の流れが実現される。その間二流体ノズル2は常に一定の温度範囲に保って制御されているため、凍結することなく安定な噴霧動作を提供できる。
【0046】
図12は、一連の操作で複数の容器3に分注して同時に真空乾燥を行うことのできる装置の一例を示している。
図12に示す装置は、冷媒槽48と蓋49からなるチャンバ50と、チャンバ50の内部に取り付けられた容器固定具46、ノズルアッセンブリ35、ノズルアッセンブリの着脱を行うノズル着脱機構51、真空乾燥時の容器の温度を制御する容器温度制御機構53から概略構成されている。
容器固定具46は、図13に示すように、複数の容器取付孔52…が穿孔された板状のもので、チャンバ50内部中央付近に水平に取り付けられている。容器取付孔52…には、ネジ部が形成されていて、容器がこのネジ部との螺合により、少なくとも容器3先端が冷媒21に浸るような位置に取り付けられるようになっている。このように容器固定具46に複数の容器取付孔52…が形成されているので、複数の容器(図示せず)の取り付けが可能になっている。
容器取付孔52…の個数は任意の数に設定でき、その配置も同一円周上に限られず、直線上、曲線上に配置した構成であっても良い。
【0047】
ノズル着脱機構51は、アーム43、回転支柱44、モータ45から構成されている。ノズルアッセンブリ35は、上述のごとく、アーム43で支持されるとともに、アーム43は回転支柱44、モータ45によって上下移動、左右移動、回転が可能になっていて、ノズルアッセンブリ35の所定の容器上への位置決め、挿入、抜脱、隣の容器上へ位置決めの動作を連続して繰り返すように構成されている。図13に示した例では、容器3…は容器取付具46上に同一円周上に配置されているので、アーム43の上下移動および回転により、連続してノズルアッセンブリ35の挿入、抜脱を行うことができる。
さらに図12に示した装置には図示しない乾燥機構が接続されていて、チャンバ50内部全体の真空乾燥ができるようになっている。あるいは、噴霧・凍結終了後、前記ノズルアッセンブリ35をはずした個々の容器3に、チューブが挿通された蓋(図示せず)をはめるキャッピング機構(図示せず)を設けて、このチューブに乾燥機構を接続して、容器3内部を真空乾燥できるように構成しても良い。
【0048】
真空乾燥時に容器3の温度を制御するための、容器温度制御機構53としては、凍結時に用いた液体窒素などの冷媒をそのまま用いることもできるが、好ましくはペルチエ素子などを用いて温度を制御する方法であっても良い。この温度制御は真空乾燥時の昇華過程の実行と効率を決めるパラメータであり、一般に昇華が行われる温度範囲であれば温度が高いほど効率はよいので必要に応じてヒータ等の加熱手段と併用して用いられても良い。ペルチエ素子にはこれに電流を供給する手段が接続されている(図示せず)。
【0049】
次に図10ないし図12に示すノズルアッセンブリ35の使用方法について説明する。
まず容器3を冷媒21に浸るようにして取り付け、モータ45を駆動して、回転支柱44とアーム43を動かしてノズルアッセンブリ35を位置決めして挿入する。
上述の方法で前処理され、シリンジ、血液パック等の生体物質含有液充填容器に充填された生体物質含有液は、生体物質含有液供給管16を介して、またキャリアガスはボンベなどの供給部からキャリアガス供給管13を介して、二流体ノズル2に供給し、容器3内に噴霧する。
【0050】
容器3は噴霧の間は冷媒21によって、0℃以下に、好ましくは液体窒素を用いて−196℃に冷却されており、噴霧される生体物質含有液は0〜40℃の温度から、−196℃へと超急冷速度による瞬間凍結が実現する。同時に排気管9に取り付けられたバルブ(図示せず)を開くと、噴霧された流体(生体物質含有液)の一部であるキャリアガスは、図11において矢印に示すように容器3内部から、ハウジング34に形成された通気孔36…、ハウジング内部空間部41、排気管9を経て排気される。
噴霧終了後、アーム43の上方移動により、ノズルアッセンブリ35を容器から抜き、ついでアーム43と回転支柱44を回転させて、隣接する容器の上方で位置決めした後、アーム43を下降させて容器にノズルアッセンブリ35を挿入し、同様の操作を繰り返す。こうして各容器中への噴霧が断続的に実行される。最後の容器への噴霧が終了し、ノズルアッセンブリ35を最後の容器から抜いた後、乾燥機構を作動させバルブを開くことによって、各容器を取り付けたままチャンバ内を一斉に真空乾燥する。
【0051】
あるいは、キャッピング機構を備えた装置の場合は、このキャッピング機構を作動させてチューブが挿通された蓋を容器上方の開口部にはめ、このチューブに乾燥機構7を接続して、容器内部を真空乾燥してもよい。
真空乾燥時にも必要に応じて、凍結時の冷媒21を用いて0℃以下で温度制御するかあるいは、ペルチエ素子などを用いて温度を制御する。一般に昇華が行われる温度範囲であれば温度が高いほど効率はよいので必要に応じてヒータ等の加熱手段と併用しても良い。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1ないし図3に示した構成の二流体ノズル(液体噴射口径1.5mm、螺旋状溝ピッチ2mm、螺旋状溝深さ0.8mm)を作製した。この二流体ノズルを用い、気体は乾燥した高純度窒素を用いて、気体圧力を変化させて、ヘマトクリット40%から60%の赤血球浮遊液の微粒子化を行った。
生成した微粒子の粒径の計測をレーザ光散乱を用いた粒度分布測定装置を用いて行った。この測定原理は公知のものであり、微粒子化した粒子にレーザ光をあて、粒子から散乱した散乱パターンをディテクタで検出し、このパターンに合う粒度分布関数(ロージン・ラムラー関数、等)を求め、その最適パラメータを計算で求めた。
平均粒径と加圧気体圧力の関係は、図14において大きく略四片形で囲んだa領域(a1領域、a2領域、a3領域)の範囲となった。
【0053】
一方、比較例として特公平4−21551号公報記載の二流体ノズル(噴射口の口径1.2mm)を使用し、同様の実験を行った。液体には水およびヘマトクリット40%から60%の赤血球浮遊液を用いた。気体圧力と平均粒径の関係を示すと、図14において、水ではb領域(右上がり斜線で示した領域)、ヘマトクリット40%から60%の赤血球浮遊液ではc領域(縦線で示した領域)となった。
c領域における加圧気体圧力3kg/cm以上の場合は室温で微粒子化したあとすぐに容器に回収した(凍結乾燥せず)が、赤血球細胞膜が壊れて中のヘモグロビンが出てしまう、いわゆる溶血が多く、回収率が低下したことから、生体細胞を有する液を対象とした場合には不適当であることかわかった。従って、上記赤血球浮遊液の場合、加圧気体圧力が0.8−3kg/cmの範囲で平均粒径15ミクロン程度の微粒子化が可能であった。しかも、噴射口の口径を大きくすれば微粒子粒径は大きくできることから、前記従来の二流体ノズルを用いても、0.8−3kg/cmの範囲の気体加圧圧力の条件で15ミクロン程度以上の平均粒径の微粒子化が可能であることがわかった。
【0054】
図14において、a領域は本発明の実施例の二流体ノズルを用いたヘマトクリット40%から60%の赤血球浮遊液の微粒子化で得られた範囲、c領域は従来の二流体ノズルを用いたヘマトクリット40%から60%の赤血球浮遊液の微粒子化で得られた範囲を示すが、これらを比較すると、a1領域(右下がり斜線で示した範囲)とa2領域(交差斜線で示した範囲)が、本発明の実施例の二流体ノズル(液体噴射口の口径1.5mmのもの)で初めて達成できた微粒子化の範囲である。
【0055】
一見してわかるように、噴射口の口径を大きくしても加圧気体圧力が0.1から3kg/cmと、従来の二流体ノズルに比べて微粒子化の実現可能性が広がる(a1領域)。さらに噴射口の口径を大きくしても加圧気体圧力が0.1から0.8kg/cmと低い範囲(a2領域)で、微粒子化が可能である。このように、本発明の実施例の二流体ノズルでは大きさが異なる各生物細胞に応じた微粒子化が可能であることがわかる。ちなみに、生物細胞の代表的なサイズ(直径)は人の赤血球(erythrocyte)は7−8ミクロン、リンパ球(lymphocyte)が11−15ミクロン、単球(monocyte)が15−20ミクロン、マウスの卵細胞(oocyte)は約50ミクロン程度である。さらに従来の二流体ノズルでは、水の微粒子化においてもb領域の範囲までしか粒子サイズを下げられないのに対し、a1領域はb領域の粒子サイズの下限を下回る範囲を含み、しかもその範囲は低い気体圧力で実現していることから、低圧力で粒子サイズが小さい微粒子化が可能であるという本発明の実施例の二流体ノズルの特性が確かめられた。
【0056】
また、当然のこととして噴射口の口径を大きくすれば、従来の二流体ノズルで実現可能な範囲の微粒子化もできる(a3領域(a領域からa1領域とa2領域を除いた範囲))が、その場合も、同じ気体圧力でより平均粒径の小さい微粒子が得られる。
例えば、ヘマトクリット値40%から60%の赤血球浮遊液を用いた場合、加圧気体圧力1kg/cm2の場合、液体噴射口近傍に旋回手段を有していない従来型の二流体ノズル(液体噴射口径1.2mm)を使用した場合には、平均粒径30μmであったが、本発明の二流体ノズル(液体噴射口径1.5mm、螺旋状溝ピッチ2mm、螺旋状溝深さ0.8mm)を使用した場合には、平均粒径が20−30%低下することが確かめられた。ここで、螺旋状溝の深さまたは螺旋状フィンの高さは、微粒子化する目的、流体の性質、含有物の種類によって、種々の値をとり得る設計パラメータである。
【0057】
本発明の実施例の二流体ノズルが従来のものと比べて特に微粒子化の効果が顕著であるのは、気体の旋回流と液体の渦流とが逆回転方向となっているため、同じ加圧気体圧力では液体シェアする力が効果的に作用して液体の粉砕効果が大きいためであると考えられる。また、同一粒径を発生する場合は、より小さい加圧気体圧力で微粒子化が可能となる。これは、生物細胞を対象とする場合にはとくに有効である。
以上述べたように、図14のa1領域は、従来の二流体ノズルでは微粒子化が不可能な領域であり、本発明の二流体ノズルの有用、有効性が発揮される範囲である。また、a2領域も従来の二流体ノズルでは微粒子化が不可能な領域であり、とくに低加圧気体圧力の条件で微粒子化が可能となり、この二流体ノズルの有用、有効性が発揮される範囲である。したがってa1領域とa2領域は生体細胞を含有する液、とくにソフトハンドエリングが必要な卵細胞や壊れやすい細胞の微粒子化に最適である。
さらに、本二流体ノズルは、従来の二流体ノズルでも達成可能なa3領域での微粒子化も可能であるので、微粒子化における広い範囲での条件設定が可能である。
【0058】
【発明の効果】
【0059】
また本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置によれば、凍結乾燥生体物質含有液の滅菌性を維持しながら、一貫かつ連続的に生体物質含有液を凍結乾燥できる生体物質含有液凍結乾燥装置を得ることができるとともに、前記構成の二流体ノズルにより、目的とする生体物質の性質、粒径に合わせた条件で微粒子化を行うので、凍結乾燥中の生体物質の破壊、活性の低下を防止できる。
【0060】
また二流体ノズルに加熱部を設けることにより、二流体ノズルの氷結を防止できるので、生体物質含有液の連続的な凍結乾燥が容易となる。また二流体ノズル内部または生体物質含有液供給管を洗浄するノズル内部洗浄機構や、ノズル表面をノズル表面洗浄機構を設けることにより、ノズルや管の目詰まりを防ぎ、生体物質含有液の連続的な凍結乾燥が容易となる。
また、生体物質含有液の凍結乾燥容器が乾燥後は保存容器ともなるため、簡便でかつ滅菌構造をとり得る。
また容器を加熱する機構を備えた乾燥機構を用いれば、昇華過程を高効率で行うことができる。
【0061】
また、本発明の生体物質含有液凍結乾燥製造装置においては、前記二流体ノズルを加熱する加熱用ヒータと、該二流体ノズルの温度を検知する温度センサと、該二流体ノズルを一定の温度範囲内に制御する温度制御部を備えることにより、二流体ノズルを0℃〜40℃、好ましくは20〜37℃の安定な温度範囲下に保持することができ、連続または断続的な噴霧による製造が容易となる。さらに、前記二流体ノズルと、前記加熱用ヒータと、前記温度センサとが同一ハウジング内に収納されてなるノズルアッセンブリを構成することにより、容器への二流体ノズル、加熱用ヒータ、温度センサの着脱を簡便かつ迅速に行うことができ、生体物質含有液の凍結乾燥を連続的、効率的に行うことができる。
前記ノズルアッセンブリに、前記容器内に噴霧されたキャリアガスを前記容器外に排気する排気機構を具備することにより、小さな密閉容器中への噴霧が可能となる。
【0062】
前記ノズルアッセンブリと前記容器の一方または両方を上下、左右、および回転のうちの少なくとも一方向に移動させて、前記ノズルアッセンブリの容器への挿入および抜脱を行うノズル着脱機構を構成することにより、複数の容器内への生体物質含有液の凍結乾燥を効率的に行うことができる。
前記乾燥機構を、前記ノズルアッセンブリが抜脱された容器内部を真空乾燥するように構成することにより、複数の容器について、凍結と乾燥を連続して行うことができ、複数の容器内への生体物質含有液の凍結乾燥を効率的に行うことができる。また、真空乾燥時の前記容器の温度を制御する容器温度制御機構、特に加熱用ヒータと冷却機構の少なくとも一方を備えた容器温度制御機構を設けることにより、昇華の効率を上げることができる。
【0063】
本発明の凍結乾燥製造装置を用いれば、生体物質含有液の混合噴霧において、精密な粒子サイズコントロールが可能であるので、例えば得られた凍結乾燥血液は、溶血率が低く、輸血用血液の材料として適したものとなる。したがって例えば、自分の血液を保存しておいて必要なときに輸血する、いわゆる自己血輸血や、まれな血液型をもつ人が万一の場合に備えて貯血するまれ血、又は一般の輸血用血液、及びこれらの血液成分などの、長期保存に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二流体ノズルの一例を示す軸方向の断面図である。
【図2】図1で示した二流体ノズルをX−X’方向に切断した一部断面図である。
【図3】図1で示した二流体ノズルの先端部分を拡大した断面図である。
【図4】液体噴射孔および液体噴射口に設けた螺旋状溝の一例を示す断面図である。
【図5】液体噴射孔および液体噴射口に設けた螺旋状フィンの一例を示す断面図である。
【図6】液体噴射孔および液体噴射口に設けた螺旋状フィンの別の例を示す断面図である。
【図7】螺旋状フィンが形成された筒状部材を液体噴射口に挿入した例を示す断面図である。
【図8】本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置の構成を示すための概略図である。
【図9】本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置の一実施例を示す構成図である。
【図10】本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置に用いられるノズルアッセンブリの一例を示す斜視図である。
【図11】図10に示したノズルアッセンブリを容器に挿入した様子を示す一部断面図である。
【図12】本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置の一実施例を示すもので、容器およびノズルアッセンブリの位置関係を示す側面図である。
【図13】本発明の生体物質含有液凍結乾燥装置の一実施例を示すもので、容器固定具の平面図である。
【図14】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…凍結機構、2…二流体ノズル、3…容器、4…キャリアガス後処理部、
5…生物細胞含有液供給機構、6…ノズル内部洗浄機構、
7…乾燥機構、8…加熱部、
9…排気機構(排気管)、10…ノズル表面洗浄機構、
11…キャリアガス供給部、19…圧力印加部、
21…冷媒、22…冷却機構、
24…キャリアガスフィルタ、25…キャリアガスフィルタ、
31…加熱用ヒータ、32…温度センサ、33…温度制御部、
34…ハウジング、35…ノズルアッセンブリ、36…通気孔、
51…ノズル着脱機構、53…容器温度制御機構
106…液体送給孔、107…液体噴射口、108…螺旋状溝、
110…渦流室、111…気体噴射口、
117…旋回導孔、118…螺旋状フィン

Claims (19)

  1. 生体物質含有液の凍結及び乾燥を行う生体物質含有液凍結乾燥装置において、
    生体物質含有液を供給する生体物質含有液供給機構と、この生体物質含有液供給機構から供給された生体物質含有液とキャリアガスを高速で混合して生体物質含有液を微粒子化する二流体ノズルと、この微粒子化された生体物質含有液を凍結させる凍結機構と、前記二流体ノズルに洗浄液または気体を流して前記二流体ノズル内部に付着した生体物質含有液を洗浄するノズル内部洗浄機構と、凍結した生体物質含有液を収容・保存する容器と、この容器内の水分を昇華させる乾燥機構を備え、
    前記二流体ノズルは、生体物質含有液を噴射する第1の噴射孔とキャリアガスを噴射する第2の噴射孔とを有し、第1の噴射孔の外周に第2の噴射孔が設けられ、これら第1および第2の噴射孔の少なくとも前方部分には、キャリアガスおよび生体物質含有液をそれぞれ旋回流とする旋回手段が設けられ、前記二流体ノズルに隣接して加熱部を設けたことを特徴とする生体物質含有液凍結乾燥装置。
  2. 前記旋回手段が、キャリアガスおよび生体物質含有液の旋回流を互いに逆回転方向とする請求項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  3. 前記第1の噴射孔の先端の噴射口の近傍に各旋回手段が設けられていることを特徴とする請求項または記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  4. 前記二流体ノズルは、その近傍に螺旋状溝または螺旋状フィンが設けられた液体噴射口と、液体噴射口を取り囲む位置に形成された環状の渦流室と、渦巻き状に渦流室に延びて渦流室内に高速旋回流を生成すべく渦流室に高速気流を導入する複数の旋回導孔と、前記渦流室の前記液体噴射口の前方に焦点を持つ先細り円錐形の高速渦流を噴射形成する環状の気体噴射口とを備えたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  5. 前記二流体ノズル表面を洗浄するノズル表面洗浄機構を設けたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  6. 前記凍結機構は冷媒を用いた冷却機構を備え、該冷却機構は、凍結される生体物質含有液と該冷媒とを間接的に接触させる機構を備えたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  7. 前記生体物質含有液供給機構は、生体物質含有液を二流体ノズルへ圧入する圧力印加部を備えたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  8. 前記凍結機構は、前記容器から排気されたガスを滅菌する滅菌機構、前記容器から排気されたガスを殺菌する殺菌機構、前記容器から排気されたガスから液体を除去する吸水フィルタ機構のうち少なくとも1つを有することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  9. 前記容器は、冷媒と直接または間接的に接する構造体からなることを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  10. 前記容器の内部のすべてまたはその一部にはっ水性のある部材を用いたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  11. 前記乾燥機構は、該容器を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項ないし1のいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  12. 前記二流体ノズルを加熱する加熱用ヒータと、該二流体ノズルの温度を検知する温度センサと、該二流体ノズルを一定の温度範囲内に制御する温度制御部を備えたことを特徴とする請求項ないし1のいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  13. 前記二流体ノズルと、前記加熱用ヒータと、前記温度センサとが同一ハウジング内に収納されてなるノズルアッセンブリを備えたことを特徴とする請求項1記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  14. 前記ノズルアッセンブリに、前記容器内に噴霧されたキャリアガスを前記容器外に排気する排気手段が具備されたことを特徴とする請求項1記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  15. 前記ノズルアッセンブリと前記容器の一方または両方を上下、左右、および回転のうちの少なくとも一方向に移動させて、前記ノズルアッセンブリの容器への挿入および抜脱を行うノズル着脱機構を備えたことを特徴とする請求項1または1記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  16. 前記乾燥機構は、前記ノズルアッセンブリが抜脱された容器内部を真空乾燥するように構成されたことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  17. 真空乾燥時の前記容器の温度を制御する容器温度制御機構を備えたことを特徴とする請求項ないし16のいずれか1項記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  18. 前記容器温度制御機構は、加熱用ヒータと冷却機構の少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項17記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
  19. 前記温度制御機構は、ペルチエ素子を具備したことを特徴とする請求項17ないし18記載の生体物質含有液凍結乾燥装置。
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