JP3594665B2 - 延反方法および延反装置ならびに下敷シートへのマーク付与装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動裁断機によって裁断される生地等のシート材料を下敷シート上に広げて積層する延反の際に、下敷シートに裁断されるパーツの識別マークを付与することができるラベリング機能を備える延反方法および延反装置、ならびに下敷シートへのマーク付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、衣服などの繊維2次製品の製造工程では、一般にデザイン工程、マーキング工程、延反工程、裁断工程、縫製工程および仕上工程を経て製品化される。デザイン工程では、衣服全体のデザインから衣服を構成する各パーツのデザインが決定される。マーキング工程では、デザインされた各パーツを生地上に配置する。配置決定の際には、歩留りの向上と、生地が模様を有するときにはその柄合わせも考慮する。パーツの配置が決定すると、必要なパーツを裁断するための生地の長さが1マーク分として決定される。延反工程では、1マーク分の生地を、生産量および裁断装置の能力を考慮して決定される枚数だけ広げて積層する。裁断工程ではマーキング工程で決定された各パーツの配置に従って、延反工程で積層された生地を裁断し、各パーツを分離可能とする。縫製工程では裁断された各パーツを縫合する。仕上工程では、アイロンでプレスしたり、製品検査や包装を行う。
【0003】
生産性向上のために、1マーク分の生地からは多数のパーツが裁断される。しかしながら、裁断されたパーツの形状や大きさは類似したものが多くなり、裁断後の各パーツを取出すピッキング作業時などに、パーツの選別作業に時間がかかり、選別ミスが発生するおそれがある。裁断装置は自動化されて効率的に各パーツを裁断することが可能でも、このような選別作業に人手を要し、生産性を低下させる。
【0004】
選別作業を効率化するための典型的な先行技術では、マーキング工程によって作成されるパーツの配置情報に基づいて、CAD装置からのパーツ形状、各パーツサイズ、パーツ番号等のパーツ情報を表示したマーカーシートをプロッタから出力させ、裁断される生地の最上面にそのマーカーシートを重ねて生地とともに自動裁断する。裁断されたパーツの上面には、マーカーシートのパーツ情報が残るので、パーツのピッキングにおける選別作業を人手で目視によって行う際に、容易に内容を確認して選別ミスの発生を防ぐことができる。
【0005】
さらに特公昭62−25785号公報および特開平3−220363号公報や特開平5−124632号公報などでは、裁断後の選別作業における労力軽減のために、裁断される各パーツに対してラベルを貼付けるラベリング機能を設ける方法が提案されている。特公昭62−25785号公報の先行技術では、裁断テーブルに生地を供給する経路にラベル貼付手段を設け、特開平3−220363号公報の先行技術では、自動裁断機の裁断ヘッドの近傍にラベル貼付手段を設け、裁断データに基づいて裁断作業が実行される間、あるいは裁断動作の開始前後にラベル貼付手段を作動させて各パーツに対してラベルを貼付ける。特開平5−124632号公報の先行技術では、自動裁断機の裁断ヘッド近傍にラベル貼付手段を設け、裁断される生地の積層高さに応じてラベル貼付けの高さが調整可能であり、いかなる積層高さの生地であってもラベル貼付けが行われるように構成される。ラベル貼付けは、また裁断機に積層された生地を供給する延反機側でも行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
CAD装置を使用して出力したマーカーシートを生地の最上面に重ねる先行技術では、マーカーシートを正確に重ねるために手間がかかり、しかも各パーツを裁断した後ではマーカーシートは各パーツの上に載っているだけであるので、裁断後の搬送過程やピッキング過程などで衝撃が加わるとずれたり剥がれたりしやすい。特公昭62−25785号公報および特開平3−220363号公報や特開平5−124632号公報などの自動裁断機でラベルを貼付ける先行技術では、ラベル貼付けの際には裁断動作を停止させる必要があり、装置の稼働率を低下させる原因となる。さらに特開平5−124632号公報の先行技術のように、生地の積層高さに応じて最上位の生地に対して正確にラベルを貼付けるための機能を有する場合は、ラベル貼付手段自体の構造が複雑化し、装置自体のコストが上昇する。このような機構が設けられていないと、生地の積層された最上面に正確にラベルを貼付けることができなくなる。延反工程で、延反された生地の最上位にラベルを貼付ける場合は、ラベルを貼付けている際に延反テーブルが占有され、次の延反作業ができなくなり、延反機の稼働率が低下する。また生地に直接ラベルを貼付けると、生地が接着剤によって汚れるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、上述した先行技術の有する問題に鑑みて、延反される生地の積層高さに影響を受けることなく、また延反装置や裁断装置を停止させて稼働率を低下させることのない延反方法および延反装置ならびに下敷シートへのマーク付与装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、延反テーブル上に下敷シートを広げ、その上に生地を繰出して延反する延反方法において、
予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態に対応して延反条件を決定し、
下敷シートを広げる前に、広げられた状態で下側となる下敷シートの表面に、各パーツの配置位置に対応して各パーツを識別するためのマークを付与するとともに、広げられた状態で上側となる下敷シートの表面に、生地上の各パーツの配置位置と下敷シート上のマーク付与位置との相対的な位置関係を維持するために必要な生地の延反開始位置の基準となるマークを付与することを特徴とする延反方法である。
さらに本発明は、延反テーブル上に下敷シートを広げ、その上に生地を繰出して延反する延反方法において、
予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態に対応して延反条件を決定し、
下敷シートを広げる前に、広げられた状態で下側となる下敷シートの表面に、各パーツの配置位置に対応して各パーツを識別するためのマークを付与し、
各パーツを識別するためのマークまたは生地の延反開始位置の基準となるマークの付与は、下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に連続的に行うことを特徴とする延反方法である。
また本発明の生地の延反開始位置の基準となるマークの付与は、下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に、予め行われることを特徴とする。
さらに本発明は、延反テーブル上に下敷シートを繰出して広げ、その上に生地を繰出して延反する延反装置において、
延反テーブルの一側方に配置される下敷シートの供給手段と、
供給手段から、予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態に対応する長さで下敷シートを繰出す繰出手段と、
供給手段からの繰出手段による下敷シートの繰出し経路の途中に配設され、延反テーブル上に繰出された状態で下側となる一方表面に、各パーツの配置位置に対応して各パーツを識別するためのマークを付与する付与手段と、
供給手段からの繰出手段による下敷シートの繰出し経路の途中に配設され、延反テーブル上に繰出された状態で上側となる他方表面に、生地上の各パーツの配置位置と下敷シート上のマーク付与位置との相対的な位置関係を維持するために必要な生地の延反開始位置の基準となるマークを付与する開始表示手段と、
延反開始位置から、前記繰出手段によって繰出され、延反テーブル上に広げられた下敷シートを、延反条件に従う所定長さで切断する切断手段とを含むことを特徴とする延反装置である。
また本発明は、前記付与手段と延反テーブルとの間に、次に繰出すべき下敷シートを付与手段によってマークが付与された状態で貯留するためのバッファ手段が設けられることを特徴とする。
さらに本発明は、ロール状の下敷シートを支持する支持手段と、
下敷シートを支持手段から繰出す繰出手段と、
繰出された下敷シートに対し、予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態を表す配置データに従って、パーツの配置位置に各パーツを識別するためのマークを付与する付与手段とを含むことを特徴とする下敷シートへのマーク付与装置である。
また本発明の前記付与手段は、各パーツを識別するためのマークを表示したラベルを、各パーツの配置位置に対応する位置に貼付けることを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明に従えば、裁断すべき複数のパーツの配置状態が予め設定され、その配置状態に対応して繰出して延反するための延反条件が決定される。生地の延反前には、下敷シートが延反テーブル上に繰出して広げられる。下敷シートを広げる前に、広げられた状態で下側となる下敷シートの表面に、各パーツの配置状態に対応して各パーツを識別するためのマークが付与される。下敷シートへのマークの付与は、たとえば下敷シート上に生地を繰出して積層する延反作業と並行して次回以降に使用される下敷シートに対して行ったり、予め設定される生産計画などに従ってバッチ式に行っておくことができ、延反作業を中断させて行う必要はない。下敷シートにマークを付与するので、生地の積層高さによる影響を受けずに、確実にマークを保持することができる。下敷シートの下側にマークが付与されるので、下敷シート上に生地が積層されても裏側から容易にマークの内容を確認することができる。特に裁断終了後、切離されたパーツをピッキング作業によって取出した状態では裏側の確認が容易であり、パーツの選別作業を迅速かつ確実に行うことができる。
【0010】
また、下敷シート上には生地上の各パーツの配置位置と下敷シート上のマーク付与位置との相対的な位置関係を維持するために必要な基準位置が表示されるので、下敷シート上に正確に生地を広げて延反することができ、延反された生地の裁断後にパーツとマークとの位置ずれを防ぐことができる。
【0011】
さらに本発明に従えば、裁断すべき複数のパーツの配置状態が予め設定され、その配置状態に対応して繰出して延反するための延反条件が決定される。生地の延反前には、下敷シートが延反テーブル上に繰出して広げられる。下敷シートを広げる前に、広げられた状態で下側となる下敷シートの表面に、各パーツの配置状態に対応して各パーツを識別するためのマークが付与される。下敷シートへのマークの付与は、たとえば下敷シート上に生地を繰出して積層する延反作業と並行して次回以降に使用される下敷シートに対して行ったり、予め設定される生産計画などに従ってバッチ式に行っておくことができ、延反作業を中断させて行う必要はない。下敷シートにマークを付与するので、生地の積層高さによる影響を受けずに、確実にマークを保持することができる。下敷シートの下側にマークが付与されるので、下敷シート上に生地が積層されても裏側から容易にマークの内容を確認することができる。特に裁断終了後、切離されたパーツをピッキング作業によって取出した状態では裏側の確認が容易であり、パーツの選別作業を迅速かつ確実に行うことができる。各パーツを識別するためのマークまたは生地の延反開始位置の基準となるマークの付与は下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に連続的に行うので、延反作業の進行に合わせて効率的に各マークを付与することができる。
【0012】
また本発明に従えば、生地の延反開始位置の基準となるマークの付与は、下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に予め行われるので、延反開始位置の基準となるマークに基づいて正確な位置にパーツの識別のためのマークを付与することができる。基準となるマークは、反射テープなど、自動的な検出が容易なものを使用することができ、延反や裁断の作業の自動化が容易となる。
【0013】
さらに本発明に従えば、延反テーブルの一側方に配置される供給手段から下敷シートを延反テーブル上に繰出手段によって繰出し、繰出経路途中に配設される付与手段によってパーツを識別するためのマークが下敷シートの下側に付与される。下敷シートの上側にはパーツの配置位置とマークの付与位置との相対的関係を維持するための基準位置を表すマークが表示され、切断手段によって所定長さを繰出した下敷シートが切断される。設定長さで切断された下敷シートは延反テーブル上に広げられ、その上に裁断される生地が広げられ、積層される。下敷シートの下側にパーツの識別用のマークが付与されているので、下敷シート上に生地が積層されても、表示内容を容易に確認することができる。
【0014】
また本発明に従えば、付与手段と延反テーブルとの間に、次に繰出すべき下敷シートを付与手段によってマークが付与された状態で貯留するためのバッファ手段が設けられるので、下敷シート上に延反を行っている間に次の下敷シートに対するマーク付与の準備を行うことができる。
【0015】
さらに本発明に従えば、ロール上の下敷シートを支持手段によって支持し、繰出手段によって下敷シートを繰出す際に、予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態を表す配置データに従って、各パーツを識別するためのマークを各パーツの配置位置に付与する。下敷シートへ各パーツの配置位置に対応する識別のためのマークが付与されるので、そのようにして予めマークを付与した下敷シートを延反機上に広げ、裁断後の選別作業の迅速化を図ることができる。このような下敷シートへのマーク付与装置は、延反機と独立に動作させることができ、たとえば予めバッチ処理によって下敷シートに識別のためのマークを付与したりすることによって、複数台の延反機に対して効率よくマークを付与することができる。
【0016】
また本発明に従えば、マークの付与は、マークを表示したラベルを各パーツの配置位置に対応する位置に貼付けることによって行う。下敷シートには、一般に一定間隔で通気孔が設けられており、そのような下敷シートには直接マークを印字等によって表示するよりも、一旦ラベルに印字等によって表示してからそのラベルを貼付ける方が容易かつ確実である。
【0017】
【実施例】
図1は、本発明の第1実施例の概略的な構成を示す。延反機1には延反テーブル2が備えられ、その上をキャリッジ3が走行しながら生地を広げて積層し、積層生地4を形成する。積層生地4は、延反テーブル上に広げられる下敷シート5の上に延反される。延反される生地はキャリッジ3に搭載されるロール状の生地原反6から供給される。生地原反6はキャリッジ3内で解反され、リフタ7から積層生地4の最上面に繰出される。キャリッジ3の下部にはフットプレッサ8が設けられ、下敷シート5を押圧した状態でキャリッジ3を走行させることによって、下敷シート5を延反テーブル2上に引出して広げることができる。広げられた下敷シート5の上側には、原点ラベル9が貼付けられている。原点ラベル9は、下敷シート5上に積層生地4を広げる際の位置の基準となり、さらに下敷シート5および積層生地4を自動裁断機の裁断テーブル上に移動させたときの、自動裁断機における原点位置決めにも使用することができる。原点ラベル9には、たとえば生産のロット番号なども併せて表記することもできる。生地にもラベル表示があれば、容易に照合して整合性を保つことができる。
【0018】
裁断テーブル2の一側方には、下敷シート5にラベルを付与して供給するためのラベル付与装置10が配設される。ラベル付与装置10内には、下敷シート5がロール状の下敷シートロール11として保持され、付与すべきラベルの用紙がラベルロール12として保持される。ラベルロール12は、ロール状の下地用紙に一定の形状に予め裁断されたラベル用紙が一定間隔で貼付けられている。ラベルロール12から下地用紙が引出されると、その上に貼付けられているラベル用紙も引出され、印字ヘッド13で表示すべき内容が印字される。印字は、たとえば感熱方式によって行われる。印字内容は、原点ラベル用とパーツラベル用とで異なる。原点ラベル用では、1マーク分の裁断全体に関連する事項が表示される。パーツラベル用では、裁断される各パーツを識別するためのデータが表示される。
【0019】
下敷シートロール11から下敷シート5を繰出すために、繰出ローラ14が設けられている。繰出された下敷シート5にパーツラベルおよび原点ラベルを貼付けるために、パーツラベルヘッド15および原点ラベルヘッド16が設けられている。パーツラベルヘッド15は、貼付けるラベルの向きを横向きと縦向きとに回転して切換えることができる。ラベルが付与された下敷シート5は、シートガイド17および18を経て送出ローラ19に導かれる。シートガイド17とシートガイド18との間からは、1マーク分の下敷シート5を貯留するバッファである貯留空間20に下敷シート5を導くことができる。貯留空間20に下敷シート5を貯留している間は、送出ローラ19を停止させ、保持状態とする。延反テーブル2上に下敷シート5を送出す際には、送出ローラ19を回転駆動し、貯留空間20に貯留されていた下敷シート5を送出す。送出された下敷シート5の先端付近をキャリッジ3に設けられるフットプレッサ8が押圧しながら延反テーブル2を移動し、下敷シート5を延反テーブル2上に引出して広げることができる。所定の長さの下敷シート5が引出されると、カッタ21が作動され、下敷シート5が切断される。下敷シート5を引出す際の負荷を軽減するために、送出ローラ19にはワンウェイクラッチが取付けられ、引出方向には自由に回転可能となっている。
【0020】
パーツラベルヘッド15は、リニアガイド22によって案内されるアーム23Aの下部に取付けられ、下敷シートロール11から繰出される下敷シート5の繰出方向に垂直な方向、すなわち紙面に垂直な方向に移動可能である。移動中のパーツラベルヘッド15に対する制御信号や電力の供給は、ケーブル支持材23Bを介して行われる。ケーブル支持材23Bはケーブル支持レール24上で支持される。
【0021】
ラベルロール12から繰出された下地用紙は、ラベルと分離された後、巻取リール25によって巻取られる。巻取経路の途中には、テンションセンサ26が設けられ、テンションローラ27を介して巻取リールに巻取られる下地用紙の張力を検出し、張力が低下したら巻取リール25を回転駆動し、張力が基準値を越えたら駆動を停止する。下敷シートロール11は支持ロール28によって回転可能に支持される。
【0022】
下敷シートロール11から繰出された下敷シート5には、延反テーブル2上に広げられた状態で上側の原点ラベル9となる原点ラベル29と、その下側に貼付けられるパーツラベル30が付与される。原点ラベル29もパーツラベル30も、印字ヘッド13によって印字された後、下地用紙と分離されるまでは同様に取扱われる。下地用紙と分離されたラベル31は、パーツラベルヘッド15または原点ラベルヘッド16によって吸着され、所定位置に貼付けられる。原点ラベルヘッド16は一定の位置に原点ラベル29を貼付け、パーツラベルヘッド15は各パーツの配置位置に対応する位置にパーツラベル30を貼付ける。原点ラベル29およびパーツラベル30が貼付けられた下敷シート5の原点ラベルヘッド16側には、シート押え32が設けられる。
【0023】
図2は、図1のラベル付与装置10を右側方から見た状態を示す。図1では便宜上省略したフレーム33,34によって各部分が両側から支持される。ラベル31を印字して下地用紙から分離する部分は、下敷シート5の側方に設けられる。原点ラベルヘッド16は、旋回可能なアームの先端に取付けられ、ラベル31を吸着する位置と下敷シート5の表面に原点ラベル29として貼付ける位置との間を旋回変位可能である。
【0024】
図3は図1のラベル付与装置10のより詳細な構成を示す。ラベル付与装置10に近接して延反機1の支柱35が配置され、床面36との間に脚37が設けられる。ラベル付与装置10と床面36との間にも脚38,39が設けられる。繰出ローラ14および支持ローラ28の回転駆動のために、繰出モータ40およびベルト41が設けられる。パーツラベルヘッド15の移動のために、ヘッド移動モータ42が設けられ、アーム23Aはベルト42Aを介して移動される。カッタ21の駆動のためにカッタ駆動モータ43が設けられる。シート押え32の中間には、パーツラベルヘッド15がパーツラベル30を貼付ける際に裏側から下敷シート5を押えるための裏当て板44が設けられる。裏当て板44を含むシート押え32は、押えばね45によって下敷シート5側に押付けられる。シート押え32は、2点鎖線で示す位置まで大きく開くこともできる。これによって、新たに下敷シートロール11を装着し、その先端を案内する作業が容易になる。送出ローラ19は送出モータ46によって回転駆動される。テンションローラ27は、テンションレバー47の先端に取付けられる。テンションレバー47は、巻取リール25によって巻取られる下地用紙48の張力の変動に応じて揺動変位する。下方には制御ボックス10Aが設けられており、電気的な制御のための装置などを収納可能である。パーツラベルヘッド15には、前進および後退変位用のシリンダ50と、90°の各変位用のアクチュエータ59とが設けられる。シリンダ50へは、ジョイント50Aを介してエアー配管が接続される。
【0025】
図4は、図3のパーツラベルヘッド15および原点ラベルヘッド16に関連する主要部の構成を示す部分的な正面断面図であり、図5は図3のラベルロールから巻取リール25までのラベル31に関連する構成を示す部分的な正面断面図であり、図6は図5に対応する右側面図であり、図7は図3の原点ラベルヘッド16に関連する部分的な平面図である。さらに図8は、図3のラベル付与装置10の右側面図である。
【0026】
図4に示すように、ラベルロール12から下地用紙48に貼付けられた状態で繰出されるラベル31には、印字ヘッド13で原点マークまたは識別マークが印字され、原点ラベル29またはパーツラベル30がそれぞれ形成される。印字ヘッド13の後、ラベル31を添付した下地用紙48はほぼ水平に搬送され、分離板49を経て下地用紙48が急に曲げられる際にラベル31が機械的に分離される。分離されたラベル31は上方に押出され、パーツラベルヘッド15または原点ラベルヘッド16が移動してその表面に吸着する。パーツラベルヘッド15は、シリンダ50によって前進および後退変位し、たとえば5mm前進した状態でパーツラベル30を吸着し、いったん後退して貼付位置まで移動してから、30mm程度前進する。パーツラベルヘッド15への吸気配管はジョイント50Aに接続され、この圧力を検出してパーツラベル30が吸着されたか否かを判断する。
【0027】
図5、図6および図7に示すように、原点ラベルヘッド16はシリンダ51によって前進および後退変位し、旋回アーム52の先端に取付けられ、旋回軸53を中心として180度の旋回変位が可能である。これによって実線で示すラベル吸着位置と、1点鎖線で示すラベル貼付位置との間を相互に移動することができる。旋回変位のために、旋回モータ54が設けられ、プーリ55からベルト56を介して旋回アーム52の旋回変位を行う。図8に示すように、裏当て板44には、原点ラベルヘッド16の旋回変位を許容するように窓57が設けられている。このような窓57が裏当て板44に設けられているので、原点ラベル29を貼付ける際には、下敷シート5の反対側にパーツラベルヘッド15を移動させ、裏側から貼付ける原点ラベル29を押えるようにする。反対に、この窓57が設けられている位置にパーツラベル30を貼付ける必要が生じる場合は、原点ラベルヘッド16が下敷シート5の反対側から押える役割を果す。原点ラベルヘッド16への吸気配管はジョイント16Aに接続され、原点ラベルヘッド16の表面に設けられる吸気孔16Bを介して原点ラベル29を吸着する。同様の吸気孔はパーツラベルヘッド15にも設けられている。シリンダ51へはジョイント51Aからエアーを供給し、原点ラベル29の吸着時および貼付時に前進させ、旋回時は後退させる。
【0028】
図8に示すように、カッタ21は、カッタ駆動モータ43によって駆動されるワイヤ58に連結され、下敷シート5の繰出方向に垂直な方向に往復移動可能である。この往復移動の際に丸刃状のカッタ21を駆動して下敷シート5を切断する。送出ローラ19には、ワンウェイクラッチが設けられ、延反機側への下敷シート5の引出しは自由である。
【0029】
図9は図1に示すキャリッジ3についての構成を示す。キャリッジ3は、延反テーブル2上を走行可能な走行台車60、ロール状の生地原反6から生地を引出す解反部61、引出された生地の歪みを取るための放反部62、放反された生地を繰出す繰出部63を含む。延反テーブル2には、一定間隔でノズル64が設けられ、噴出孔65から空気を噴出し、延反テーブル2上で延反される積層生地4および下敷シート5を下側から浮かすことができる。このキャリッジ3には、フットプレッサ8が設けられ、浮上がった状態の下敷シート5上の積層生地4の表面を押圧保持し、走行台車60を走行させながら下敷シート5とともに積層生地4を搬出することができる。このフットプレッサ8を利用して、下敷シート5を延反テーブル2上に引出して広げることができる。下敷シート5を引出す際は、空気を噴出させない。フットプレッサ8の押圧状態は、シリンダ66によって能動化される。リフタ7にはカッタ67が設けられ、繰出部63から繰出される生地68を所定長さで切断する。キャリッジ3には、原点ラベル9を検出するための原点センサ69も設けられる。原点センサ69は、たとえば光学的に原点ラベル9を検出する。
【0030】
図10は、図1に示す第1実施例を制御するための電気的構成を示す。マイクロコンピュータなどを含んで実現される制御装置70には、パーツ配置状態を表すマーキングデータを入力するための配置データ入力装置71が接続される。制御装置70および配置データ入力装置71は、たとえば図3に示す制御ボックス10A内に収納される。キャリッジ3などに対する制御のための延反機制御装置72からは、延反機の制御状態を表すデータが入力される。制御装置70は、これらの入力データに従って、印字ヘッド13、繰出モータ40、ヘッド移動モータ42、カッタ駆動モータ43、送出モータ46および旋回モータ52を駆動する。パーツラベルヘッド15および原点ラベルヘッド16の吸着圧力は、パーツラベル吸着圧力検出器73および原点ラベル吸着圧力検出器74によってそれぞれ検出され、パーツラベルヘッド制御弁75および原点ラベルヘッド制御弁76によって吸着動作を行う際の圧力が監視される。パーツラベルヘッド制御弁75は、パーツラベルヘッド15への吸気配管への圧力切換弁とシリンダ50の進退ストローク制御弁とアクチュエータ59の角度切換弁とを含む。原点ラベルヘッド制御弁76は、原点ラベルヘッド16への吸気配管への圧力切換弁とシリンダ51の進退切換弁とを含む。
【0031】
図11は図10の制御装置70の動作を示す。新たに下敷シートロール11を装着してステップa1から動作を開始する場合は、ステップa2で下敷シート5を繰出し、ステップa3でラベルシートを繰出し、ステップa4で原点ラベル29の印字を行う。次にステップa5でパーツラベル30の印字を行う。パーツラベル30の印字につれて、原点ラベル29は分離板49側に移動し、下地用紙48と分離されたら原点ラベルヘッド制御弁76を介する制御によって原点ラベルヘッド16に吸着させ、旋回アーム50を旋回させてステップa6で原点ラベル29の貼付けを行う。
【0032】
次にパーツラベルヘッド制御弁75を介する制御によって、パーツラベルヘッド15が分離されたパーツラベル30を吸着し、ヘッド移動モータ42の駆動および繰出モータ40の駆動によってパーツの貼付位置まで移動させ、縦向きに貼付けるときは、パーツラベルヘッド15を90°各変位させ、ステップa7でパーツラベルの貼付けを行う。ステップa8ではラベルを貼付けるべきパーツが終了したか否かを判断する。終了していないときにはステップa9で次のパーツに対するパーツラベル印字を行い、ステップa7に戻る。ステップa7でラベルを貼付けるべきパーツが終了したと判断されるときには、1マーク分のラベルの印字が終了したこととなり、ステップa10で送出ローラ19を回転駆動して、ラベルを貼付けた下敷シート5を延反テーブル2上に送出する。
【0033】
ステップa11では、キャリッジ3のフットプレッサ8によって下敷シート5の先端を保持し、下敷シートの引出を行う。所定長さの下敷シートの引出しが終了すると、ステップa12で送出ローラ19を停止する。ステップa13では、下敷シートの切断をカッタ21によって行う。ステップa14では延反が最後であるか否かを判断する。最後でないと判断されるときには、ステップa15でステップa2からステップa9までと同様のラベル付与の処理を次回以降に延反される下敷シート5に対して行う。このラベル付与と並行して、延反テーブル2上で下敷シート5上に生地の延反を行う。ステップa14で最後でないと判断されるときには、ステップa11以下を繰返す。ステップa14で最後と判断されるときには、ステップa16で動作を終了する。次回以降のラベル付与に必要なデータは、配置データ入力装置71から予め与えられる。
【0034】
図12は、下敷シートと延反生地との位置決めについての考え方を示す。延反テーブル2上に広げられる下敷シート5には、原点ラベル9が貼付けられる。この原点ラベル9は、裁断機における裁断データの座標原点として使用される。このため、原点ラベル9に対応して積層生地4から裁断するパーツ77A,77Bの裁断位置が定まり、対応する位置にパーツラベル30A,30Bを貼付ける必要がある。したがって下敷シート5上に積層生地4を延反する際にも、原点ラベル9が延反開始位置の基準となり、たとえば一定の距離Lだけ離れた位置から延反を開始する。パーツ77A,77Bの形状に応じて、パーツラベル30Aとパーツラベル30Bとは、自動または手動で貼付ける向きを90°変えて指定可能である。
【0035】
図13は、本発明の第2実施例の簡略化した構成を示す。図1に示す第1実施例に対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきは、下敷シートロール11が上方に配置され、下方に繰出された下敷シート5に第1実施例とは逆の順序にラベルを貼付けることである。すなわち、第2実施例では最後に貼付けるパーツラベル30を先に下敷シート5に貼付け、最後に原点ラベル29を貼付けた状態で1マーク分の下敷シート5の準備が完了し、送出ローラ19を停止させて下方の貯留空間20に蓄えておく。延反テーブル2上に下敷シート5を送出す際には、原点ラベル29が貼られた側から送出される。
【0036】
図14は本発明の第3実施例の概略的な構成を示す。本実施例は第1実施例に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきはパーツラベル用とは別に独立した原点用のラベルロール12Aおよび専用の印字ヘッド13Aが設けられており、またカッタ21が貯留空間20よりも上流側に設けられていることである。このように原点ラベル用のラベルロール12Aを独立して設けることによって、裁断機における原点の認識が容易なラベルを使用することができる。またカッタ21で切断された下敷シート5の先端は昇降ガイド78によって、下側のロール79が下降している送出ロール19まで案内される。
【0037】
以上の各実施例では、ラベルにマークを印字してそれを貼付けることによってマークの付与を行っているけれども、マークに対応する印字内容を直接下敷シート5の表面に印字してもよい。たとえばパーツラベルヘッド15および原点ラベルヘッド16に印字機構を装着することによって感熱方式、インクジェット方式などで容易に印字することができる。しかしながら、下敷シート5には裁断機での真空吸着のため一定間隔で通気孔が設けられる場合があり、そのような場合は一旦ラベルに印字してから貼付ける方が確実である。また、原点ラベル9の代わりに、反射テープなどを、下敷シート5の長手方向に一定間隔で貼っておき、その位置を基準としてラベルの付与、延反、裁断の各工程を自動化することもできる。
【0038】
またマークの内容として、バーコードを表示すれば、自動的な読取りが容易であり、裁断後の工程自動化や管理の自動化に寄与する。原点マーク9には、ロット番号など、生産管理用の情報を表示し、生地にも生産管理用のデータを表示すれば、それらの照合によって、確実な管理を容易に行うことができる。
【0039】
図15は、本発明の各実施例による延反方法および延反装置を一連のオンライン伝送路80を介してデザインシステム81、マーキングシステム82、生産管理システム83および自動裁断機84と接続するシステム構成を示す。このようなシステムによって、デザインからパーツの裁断までのオンライン制御が可能となる。パーツラベル30の貼付位置および向きは、マーキングシステム82で指定される。ラベルにはバーコードも表示され、バーコードスキャナ85,86によって読取り可能である。
【0040】
各実施例でラベル付与装置10は、延反機1に付属させて用いているけれども、延反機1と独立した下敷シートへのラベル付与装置として用いることもできる。下敷シートへのラベル付与に要する時間は、一般に延反時間よりは短いので、1台のラベル付与装置から複数台の延反機1に対してラベルを付与した下敷シート5を供給することができる。そのような構成では、脚38,39の代わりにキャスターを設ければ、延反機間の移動が容易になる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、下敷シートを広げる前に、下敷シートの下側となる表面に各パーツの配置位置に対応して識別するためのマークを付与するので、生地の積層高さにかかわらずマークの内容を下敷シートの裏側から容易に確認することができ、裁断後のパーツの選別を迅速かつ確実に行うことができる。下敷シートへのマークの付与は、延反作業中に並行して行うこともできるので、延反作業や裁断作業を停止する必要がなく、延反機や裁断機の稼働率を向上することができる。
【0042】
また、延反開始位置の基準となるマークを下敷シートの上側に表示するので、下敷シートの下側に付与するマークと下敷シートの上側に積層する生地を裁断するパーツとの相対位置の維持が容易であり、裁断された各パーツに対して位置ずれなく識別のためのマークを付与することができる。
【0043】
さらに本発明によれば、下敷シートを広げる前に、下敷シートの下側となる表面に各パーツの配置位置に対応して識別するためのマークを付与するので、生地の積層高さにかかわらずマークの内容を下敷シートの裏側から容易に確認することができ、裁断後のパーツの選別を迅速かつ確実に行うことができる。下敷シートへのマークの付与は、延反作業中に並行して行うこともできるので、延反作業や裁断作業を停止する必要がなく、延反機や裁断機の稼働率を向上することができる。パーツを識別するためのマークまたは延反開始位置の基準となるマークの付与は下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に連続的に行うので、延反機の稼働率を低下させることなく、延反作業の進行に合わせて効率的にマークを付与することができる。
【0044】
また本発明によれば、下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に、延反開始位置の基準となるマークが下敷シート上に予め表示されているので、その位置を基準として各パーツの識別のためのマークの付与を行うことができ、裁断される各パーツの配置位置と表示される識別マークとの相対的な位置関係を維持することが容易である。また反射テープなどを使用して、マークの付与、延反および裁断を自動化する際の検出を容易にすることもできる。
【0045】
さらに本発明によれば、延反装置に供給手段、繰出手段、付与手段、開始表示手段および切断手段を備え、延反テーブル上に繰出して広げる下敷シートの上側に延反開始位置の基準となるマークを付与し、下側に各パーツの配置に対応して各パーツを識別するためのマークを付与することができる。
【0046】
また本発明によれば、付与手段と延反テーブルとの間に、次に繰出すべき下敷シートを貯留するためのバッファ手段が設けられるので、一旦繰出した下敷シート上に生地を延反している際に、並行して下敷シートへのマークの付与を行うことができ、総合的な生産効率を向上させることができる。
【0047】
さらに本発明によれば、ロール上の下敷シートを支持する支持手段と、下敷シート支持手段から繰出す繰出手段と、繰出された下敷シートに対し、パーツの配置位置に各パーツを識別するためのマークを付与する付与手段とを含んで、下敷シートへのマーク付与装置が構成される。このような下敷シートへのマーク付与装置は、たとえば複数台の延反機に対してマークを付与した下敷シートを供給するバッチ処理に好適に用いることができ、設備の稼働効率を向上させることができる。
【0048】
また本発明によれば、マークの付与はラベルの貼付けによって行うので、下敷シートに通気孔が設けられていても、確実にマークの付与を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の概略的な構成を示す簡略化した正面図である。
【図2】第1実施例の右側面図である。
【図3】第1実施例の主要部の正面断面図である。
【図4】第1実施例の部分的な正面断面図である。
【図5】第1実施例の部分的な正面断面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】第1実施例の部分的な平面図である。
【図8】第1実施例の右側面図である。
【図9】第1実施例のキャリッジの正面図である。
【図10】第1実施例の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】第1実施例の動作を示すフローチャートである。
【図12】第1実施例で延反される積層生地と原点マークとの関係を示す簡略化した平面図である。
【図13】本発明の第2実施例の概略的な構成を示す部分的な正面断面図である。
【図14】本発明の第3実施例の概略的な構成を示す簡略化した正面断面図である。
【図15】本発明の各実施例を応用したシステム構成図である。
【符号の説明】
1 延反機
2 延反テーブル
3 キャリッジ
4 積層生地
5 下敷シート
6 生地原反
8 フットプレッサ
9,29 原点ラベル
10 ラベル付与装置
11 下敷シートロール
12,12A ラベルロール
13,13A 印字ヘッド
14 繰出ローラ
15 パーツラベルヘッド
16 原点ラベルヘッド
19 送出ローラ
20 貯留空間
21 カッタ
30,30A,30B パーツラベル
31 ラベル
40 繰出モータ
42 ヘッド移動モータ
44 裏当て板
46 送出モータ
48 下地用紙
49 分離板
52 旋回アーム
54 旋回モータ
70 制御装置
71 配置データ入力装置
72 延反機制御装置
77A,77B パーツ
80 オンライン伝送路
81 デザインシステム
82 マーキングシステム
84 自動裁断機
Claims (7)
- 延反テーブル上に下敷シートを広げ、その上に生地を繰出して延反する延反方法において、
予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態に対応して延反条件を決定し、
下敷シートを広げる前に、広げられた状態で下側となる下敷シートの表面に、各パーツの配置位置に対応して各パーツを識別するためのマークを付与するとともに、広げられた状態で上側となる下敷シートの表面に、生地上の各パーツの配置位置と下敷シート上のマーク付与位置との相対的な位置関係を維持するために必要な生地の延反開始位置の基準となるマークを付与することを特徴とする延反方法。 - 延反テーブル上に下敷シートを広げ、その上に生地を繰出して延反する延反方法において、
予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態に対応して延反条件を決定し、
下敷シートを広げる前に、広げられた状態で下側となる下敷シートの表面に、各パーツの配置位置に対応して各パーツを識別するためのマークを付与し、
各パーツを識別するためのマークまたは生地の延反開始位置の基準となるマークの付与は、下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に連続的に行うことを特徴とする延反方法。 - 生地の延反開始位置の基準となるマークの付与は、下敷シートを延反テーブル上に繰出す前に、予め行われることを特徴とする請求項1記載の延反方法。
- 延反テーブル上に下敷シートを繰出して広げ、その上に生地を繰出して延反する延反装置において、
延反テーブルの一側方に配置される下敷シートの供給手段と、
供給手段から、予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態に対応する長さで下敷シートを繰出す繰出手段と、
供給手段からの繰出手段による下敷シートの繰出し経路の途中に配設され、延反テーブル上に繰出された状態で下側となる一方表面に、各パーツの配置位置に対応して各パーツを識別するためのマークを付与する付与手段と、
供給手段からの繰出手段による下敷シートの繰出し経路の途中に配設され、延反テーブル上に繰出された状態で上側となる他方表面に、生地上の各パーツの配置位置と下敷シート上のマーク付与位置との相対的な位置関係を維持するために必要な生地の延反開始位置の基準となるマークを付与する開始表示手段と、
延反開始位置から、前記繰出手段によって繰出され、延反テーブル上に広げられた下敷シートを、延反条件に従う所定長さで切断する切断手段とを含むことを特徴とする延反装置。 - 前記付与手段と延反テーブルとの間に、次に繰出すべき下敷シートを付与手段によってマークが付与された状態で貯留するためのバッファ手段が設けられることを特徴とする請求項4記載の延反装置。
- ロール状の下敷シートを支持する支持手段と、
下敷シートを支持手段から繰出す繰出手段と、
繰出された下敷シートに対し、予め設定される裁断すべき複数のパーツの配置状態を表す配置データに従って、パーツの配置位置に各パーツを識別するためのマークを付与する付与手段とを含むことを特徴とする下敷シートへのマーク付与装置。 - 前記付与手段は、各パーツを識別するためのマークを表示したラベルを、各パーツの配置位置に対応する位置に貼付けることを特徴とする請求項6記載の下敷シートへのマーク付与装置。
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