JP3593663B2 - 保護被覆 - Google Patents
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Description
ガスタービンの構成部分、特にその燃焼器の近く及び下流における内部構成部分は、高温に対して高い強度と耐食性が要求されるということが随分前から認識されていた。
そのような構成部分に、高温に対する充分な強度を与えるために、スーパアロイ材の耐負荷構造を設けることは公知である。使用する典型的なスーパアロイ(例えば、IN100、IN718、IN738、MAR−M002、MAR−M247、CMSX−4、PWA1480及びPWA1484という商品名で知られているもの)は、Ni、CoおよびFeをベースとし、特別な応用要求に基づくスーパアロイである。FeとCoをベースとするスーパアロイは、強化された固溶体であることが多い。Niベースのアロイは主成分としてNiを含み、所定量のCr、Co、Fe、Mo、WあるいはTaを含むことが多く、強化された固溶体あるいはデポジション(析出)であることが多い。Niベースの強化デポジション・アロイは、ガスタービン構成部分に広く使用され、しばしばAl、TiあるいはNbが含まれていて適当な熱処理中にデポジットされた第2の相を生じる。ガスタービン構成部分に使用されるNiベース強化デポジション・スーパアロイの例としては、INCO 713、B−1900、IN100、MAR−M 200、MAR−M 247という商品名をもつものが知られている。Coベースのスーパアロイの例としては、MAR−M 509及びHaynes 188があり、FeベースのスーパアロイとしてはIncoloy 802及びIncoloy 903がある。スーパアロイのガスタービン構成部分は、時には圧延あるいは鋳造され、あるいはまたよりひどい動作状態のために、方向強化され、あるいは単結晶構造の形にされてよい。
スーパアロイそれ自体は通常腐食性/酸化性の稼働中雰囲気に耐えることができないので、耐食材でスーパアロイ構成部分を被覆することは常識となっている。
1つの方法はスーパアロイをアルミ化することである。これは通常いわゆるパック・アルミナイジング法を用いて、あるいは物理的蒸着によって達成される。これらの方法は、Niベースのスーパアロイの場合にNiAlのようなアルミ化物を形成するためのスーパアロイへのAl拡散に関連する。稼働中、Al2O3の表面層が下の物質を保護するために形成されるが、これは熱膨張および収縮によって剥離する傾向がある。これは、Alを外方に拡散することによって徐々に修復され、最終的に、ある特別な場所にもはや充分なAlがなくて剥離物質に置換された時に、スーパアロイ構成部分は迅速な局所的腐食を生じやすい。クローム化物あるいはシリコン化物を含む表面層を形成するために、クロームおよびシリコンを共に、あるいはどちらか単独に、それのみを、あるいはアルミニウムを付加して、スーパアロイに拡散することは好ましいことである。以下、主としてアルミナイジングについて言及するが、この言及は、必要な変更を加えてクロマイジング及び/またはシリコナイジングに代替的に言及しているものと解釈すべきである、と理解されたい。
もう1つの方法は、例えば、MCrAlY、MCrAlHf、MCrAlYHf、MCrAlYHfSi及びMCrAlTaYの上塗りでスーパアロイを被覆することである。ここでMはCo、Ni、Feあるいはそれらの混合である。Y、SiあるいはHfの添加はAl2O3が表面から剥離することを防ぎ、構成部分の寿命延長を助ける。この上塗り材料は、プラズマスプレー、あるいは例えば我々が英国特許GB−B−2167446に記載したような共デポジション方法で塗布することができる。通常、これらの材料で構成部分を被覆して厚さ75−200μmあるいはそれ以上の層を形成する。この被覆方法は高価であるが、この程度の厚さで構成部分を被覆すると寿命を充分に延長することができるので、このコストを正当化する。
この程度の厚さの層に関するさらなる問題としては、より近代的なガスタービンにおいては稼働中の条件が、徐々に、より極端になるので、この層は熱機械的な疲労割れを生じやすく、これは、特に被覆が例えばタービン・ブレードのような薄壁中空のスーパアロイ構成部分に塗布されると被覆の割れがブレード事故を起こすので、極めて望ましくない。
米国特許USP4,897,315は単結晶Niベーススーパアロイ上へのNiCoCrAlYの0.001インチ(25.4μm)厚の上塗りプラズマ・スプレーを記載している。プラズマ・デポジションの後、被覆はガラス・ビーズ・ピーニングされ、パック・セメンテーション混合でアルミ化され、最後に拡散及び析出を経て熱処理工程に置かれる。この明細書は、MCrAlY被覆の好適な塗布方法は、プラズマ・スプレーによることであると指摘している。しかしこの明細書はまた、一般的な記述として、MCrAlYは例えばプラズマ・スプレー、電子ビーム蒸着、電気メッキ、スパッタリング、あるいはスラリ・デポジションで塗布することができると述べている。この先行技術におけるピーニング作用の1つの理由は、このようにデポジットしたMCrAlYが特に滑らかでないからであると思われる。
米国特許UPS4,897,315はMCrAlYをデポジットする別の方法に言及しているが、耐食性および耐熱サイクル性の両方に優れている被覆を生成することができる特別な方法については公知ではない。公知のメッキ方法はどれも、生成する被覆が多孔性すぎていくつかの部分では厚さ調整が悪く、或いは熱サイクル下では敏感で割れを生じると信じられている。
我々は、我々の英国特許GB−B−2254338において、24時間にわたって1平方センチメートル当たり3mAの電流密度及び70g/lの浴粉末濃度で、50と125μmの間の厚さをもつ被覆を生成するためのCoCrAlY共デポジット方法を開示している。英国特許GB−B−2254338に記載しているいくつかのメッキ・パラメータは本発明を示すために以下に設定した例で使用したものに似た大きさであるけれども、それらの間の差異は、実用上生成される被覆の構造に顕著な効果を与えると信じられる。英国特許GB−B−2254338は特に被覆複合や突然の形状変化という問題を克服するための装置や方法を目的としていて、本発明が解決すべき問題として設定したと同じ問題を解決することを目的としているのではない。
本発明は従来技術の問題を軽減することを目的とし、特に、多孔性でなく、良好な厚さ制御をもって全ての箇所が滑らかであり、そして熱サイクルに対して非敏感で割れを生じ難い被覆生成方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の特徴によれば、CrAlM2の粒子を含有する浴から電解デポジションによって金属マトリックスM1を該粒子と共デポジットするようにデポジットする工程を含む基板への被覆生成方法であって、M1はNi、あるいはCo、あるいはFe、あるいはこれら元素の2つあるいは全てであり、M2はY、Si、Ti、Hf、Ta、Nb、Mn、Pt、稀土類元素、あるいはこれら元素の2つ以上の元素であり、上記デポジションは1平方センチメートル当たり3mAより小さい電流密度で行われる、基板への被覆生成方法が提供される。
本発明の第2の特徴によれば、CrAlM2の粒子を含有する浴から電解デポジションによって金属マトリックスM1を該粒子と層状に共デポジットするようにデポジットする工程を含む基板への被覆生成方法であって、M1はNi、あるいはCo、あるいはFe、あるいはこれら元素の2つあるいは全てであり、M2はY、Si、Ti、Hf、Ta、Nb、Mn、Pt、稀土類元素、あるいはこれら元素の2つ以上の元素であり、上記デポジションは1平方センチメートル当たり5mAより小さい電流密度で行い、前記層は50μmより薄い厚さを有する、基板への被覆生成方法が提供される。
本発明の第3の特徴によれば、CrAlM2の粒子を含有する浴から電解デポジションによって金属マトリックスM1を該粒子と共デポジットするようにデポジットする工程を含む基板への被覆生成方法であって、M1はNi、あるいはCo、あるいはFe、あるいはこれら元素の2つあるいは全てであり、M2はY、Si、Ti、Hf、Ta、Nb、Mn、Pt、稀土類元素、あるいはこれら元素の2つ以上の元素であり、上記デポジションは1平方センチメートル当たり5mAより小さい電流密度と40g/lより小さい粒子浴負荷で行われる、基板への被覆生成方法が提供される。
上記各態様において、その態様の特徴として言及していないが、その方法は1平方センチメートル当たり3mAより小さい電流密度で実施することが好ましい。同様に、マトリックス物質と粒子とは厚さが50μmより薄い層状に共デポジットされるのが好ましく、またそのデポジションは50g/lより小さい粒子浴負荷で実施されるのが好ましい。
本発明において、我々は、その被覆方法において比較的小さい電流密度が特に重要なパラメータであることを発見した。本発明以前、多くのメッキ方法においては電流密度が特に重要であるとは考えられず、そしてそれが重要であると考えられる所では、特に大きい電流密度でメッキすることが望ましいと考えられてきた。例えば、米国特許USP5,064,510を参照されたい。そこには、1平方センチメートル当たり50から80mAの電流密度が用いられ、100μm/hから150μm/hまでの範囲内の高デポジション速度で実施するのが有利であると述べられている。
業界には、比較的小さい電流密度を用いることに対する偏見があると思われ、その理由については、小さい電流密度では被覆工程が遅く、全体のコスト・アップにつながるという一つの説明があること以外正確にはわからない。
本発明においては、我々は1平方センチメートル当りの電流密度を2.5mAより小さく選択する。ある環境では1平方センチメートル当り約2mAより小さい電流密度がより好ましく、1平方センチメートル当り約1mAの電流密度というのがその1例である。
本発明に用いる比較的小さい電流密度において、我々は、より小さい粒子が選択的に組み込まれる(例えば<15μm粉末を用いると、>10μm粒子は<10μm粒子ほど選択的に組み込まれない)という点で、デポジットされた被覆における粒子構成は浴中における構成と異なる傾向に注目する。これは、特に驚くべきことである。それは、ファラデーの法則及びストークスの式に基づく理論(J.Foster他の論文「粒子の共デポジションによるマルチ・コンポーネント・アロイ被覆の生成」、トランザクションズ・オブ・インスティチュート・オブ・メタル・フィニシング、Vol.63、No.3−4、pp.115−119、1985参照)において、適当な条件の電流密度と撹拌を用いれば、粒径が大きくなればなる程、粉末の特別な部分をデポジットされた被覆中に組込むのに必要な浴負荷が小さくなるからである。従って、より大きい粒子を選択的にメッキしたいと期待されるかもしれないが、我々は比較的小さい電流密度で反対のことが起こることを発見した。実用上生じるこの現象は、本発明において遂行可能であり、かつ従来技術の諸問題を克服する優れた被覆のためであると少なくとも部分的には思われる。
一実施例において、M1はCoを含む。これは特に滑らかな被覆を促すのに助けとなる。もし被覆中にNiが存在するのが望ましいならば、共デポジットされた物質の頂上に、あるいは共デポジション工程の前に基板に直接Niのフラッシュを電気メッキする。このNiのフラッシュは約5μmの厚さでよい。
金属マトリックス材及び粒子は、共デポジットして25μmより薄い厚さの層を形成することが好ましい。特に好ましい実施例においては、この層は約15μmの厚さであってよい。しかし、この層は15ミクロンの厚さより小さくてもよく、約12あるいは10μm(あるいはそれより薄く)というのがその例である。多くの応用では、この層の厚さは5μm以上が好ましく、10μm以上が特に好ましい。しかし、ある応用では、この層の厚さは15μmより大であってよい。
上述したように、デポジションは40g/lより少ない粒子の浴負荷で実施するのが好ましい。より好ましくは、約30g/lあるいはそれより低い浴負荷が用いられる。さらに好ましくは、約20g/lあるいはそれより低い浴負荷が用いられる。特に好ましい実施例では約10g/lの浴負荷が用いられているが、それより低い浴負荷、例えば約1g/lが注目されている。これらの比較的低い浴負荷はデポジットされた被覆が多孔状かつ粗に形成されないことを確実にしている。
粒子は球状であってよく、例えばノズル式アトマイザのような噴霧器を用いて形成してもよい。
好ましくは、浴中の粒子は<15μm、<12μmあるいは<10μmの粉末を含んでいてよい。
好ましい一実施例においては、浴中の粒子の分布は、15と12μmの間が25%、12と10μmの間が45%、10μmより下が30%である。我々は、驚いたことには、そして期待しなかったことであるが、比較的低い電流密度によるメッキによって、小さい粒子が選択的に基板上にデポジットされるということを発見した。浴中の上記粉末分布が用いられると、デポジットされた被覆における分布(デポジット中の粉末の重量パーセント)は、<10μmが45%、10と12μmの間が55%、12と15μmの間が0%となる。
良好な被覆は、この改良工程を組込んだ方法、好ましくは改良工程が共デポジション工程に含まれた方法で得ることができる。
一実施例においては、粒子の単層のみあるいは2層を含む保護物質の層が共デポジットされる。例えば、15μmより小さい粒径をもつ粉末が浴中に懸濁していると、この改良によって、望み通り、実質的に連続する12あるいは10μmの単層粒子(デポジットされた最も大きい粒子のサイズはそれぞれ12あるいは10μmである)を沈下することができる(実際には与えられた所望の厚さの被覆に対して、この所望の厚さよりも大きい粒径を有する粉末を使用する見込みはないのであるが)。別の好ましい方法では、4−8μmの粉末を用いて、ほぼ10、12、15あるいは20ミクロン厚の2層あるいは3層が望み通り生成される。
一実施例において、共デポジション物質が付与されるべき基板は、ガスタービンの構成部分を含むスーパアロイ構成部分を含む。他の実施例では、共デポジション物質はスーパアロイ構成部分の表面にメッキされたNiフラッシュ(例えば2μm厚さ)の頂上に付与してよい。
共デポジション後、共デポジットされた物質は40%より多くの粒子、ある応用では45%を越える粒子からなる。
共デポジション工程の間、ガス、例えば空気あるいは不活性ガスを、浴中のある領域では溶液中で概ね上方への還流が生じ第2の領域では概ね下方への還流が生じるような場所へ注入してもよい。基板は共デポジションの間この第2の領域に置かれる。共デポジションの間、基板(あるいは部品を形成する構成部分)を水平な軸、あるいは水平成分をもつ軸のまわりで回転させてもよい。我々の英国特許GB−B−2182055に記載した電気溶着装置を用いることができる。
ある場合には、基板を水平成分をもつ第1の軸のまわりに回転させ、そして第1の軸と平行でない第2の軸のまわりに回転させてもよい。第1の軸のまわりでの回転のサイクルは、高い角速度と低い角速度の各周期を含んでいてよい。第2の軸は第1の軸に垂直であり、かつ/あるいは、それと交差していてよい。第1の軸のまわりの回転のサイクルは回転と停止が交互に行なわれてもよい。基板が水平成分をもつ1つの軸のまわりのみ回転する時には、回転のサイクルは高い角速度と低い角速度の各周期を含んでいてよく、回転については、回転と停止とが交互に行なわれてよい。基板の取扱いは我々の英国特許GB−B−2221921に記載された方法に従って行なうことができる。
最も好適な実施例においては、共デポジット物質は例えばパックあるいは気相アルミナイジングによって実質的にアルミ化される。共デポジション工程とアルミナイジング工程との間に前拡散熱処理工程が含まれる。アルミナイジング工程に続いて後拡散熱処理を行い、好ましくはそれに続いて時効硬化工程を行う。
アルミナイジング工程の前あるいは後、好ましくは前に、プラチナ・デポジション工程が含まれていてよい。プラチナ・デポジション工程は、共デポジション物質の頂上においてプラチナ層(5から10μmの厚さ領域内)をメッキする工程を含む。前拡散工程は、好ましくは、共デポジション物質(そして、場合によっては、もしプラチナ層があれば、そのプラチナ層)を真空中でほぼ1時間1000℃から1100℃の間の温度にさらす工程とを含む。パック・アルミナイジング工程を用いる時には、これは好ましくは、ほぼ6時間ほぼ900℃で生じる。後拡散工程は、好ましくは、アルミ化された被覆を真空中でほぼ1時間ほぼ1100℃の温度にさらす工程を含む。時効硬化工程は、好ましくは、後拡散された被覆を真空中でほぼ16時間ほぼ870℃の温度にさらす工程を含む。
一つの好適な方法は、実質的に15μm厚の共デポジション物質層を基板に付与し、続いてアルミナイジングあるいはプラチナ・アルミナイジングを行い、そして熱処理を行なう方法である。熱処理後のスーパアロイ上の被覆物質の全厚さは好ましくは75μmより薄くする。
基板はガスタービン構成部分の何らかのガス洗浄基板、例えばブレードのエーロホイル、基部あるいはカバー部分を含んでいてよい。
上記した共デポジション物質のアルミナイジングあるいはプラチナ・アルミナイジングに付加的に、あるいはそれに代えて、例えば柱状物質の熱障壁層を最終層としてデポジットしてもよい。この熱障壁は、例えばイットリア安定化ジルコニアのようなセラミック物質を含んでもよい。
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1、第2、及び第3の態様の何れか1つあるいはそれ以上による構成部分の基板を被覆することを含むガスタービン構成部分の製造あるいはオーバホール方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、本発明の第4の態様によって製造しあるいはオーバホールした構成部分を含むガスタービン構成部分あるいはガスタービンが提供される。
本発明の第6の態様によれば、本発明の第5の態様によるガスタービンを含む車両あるいは固定装置が提供される。本発明のこの態様による車両は、例えば航空機あるいは水上又は陸上車両を含んでよい。
本発明は種々の方法で実施できるが、添付図面を参照して1つの被覆方法を例示的に説明する。
その図面において、
第1図は被覆装置の斜視図、
第2図はその装置の立側図、
第3図はその装置の立正面図、
第4図はメッキすべき物品が吊される治具の斜視図である。
図示の装置は、長方形の上方部分2と下方に先細りの下方部分3とを有する容器1を備え、この下方部分3は、一方の側面4が上方部分の一側面5と連続するようにゆがめられた逆ピラミッド形状になっている。
容器1は容器の側面4及び5に平行な垂直面内に存在する仕切り6を有し、仕切り6はその側縁7及び8のところで、隣接する容器の垂直面及び傾斜面と接触している。このようにして仕切り6は容器を大きなワーク領域9と小さいリターン領域11に分割している。仕切り6はその底部の水平縁12が容器の底の上方のところで終端してワーク領域9とリターン領域11の間の相互接続13を行なっている。仕切り6の頂部はその水平縁14が容器1の頂部の縁より下のところで終端している。
リターン領域11の底のところに、空気流入口15があり、これには空気ポンプ(図示せず)が接続されている。ワーク領域9には治具21が載置され、その治具21に被覆を施すべき工作物が載置される。治具21は工作物を容器内で以下により詳細に述べる方法で移動させるように配置されている。
装置を電解メッキに使用する時には、ワーク領域に吊された陽極に対して、治具21上に載置された工作物に電圧を印加するための導体が設けられる。
装置を使用するには、工作物上に被覆を共デポジットするために、上記したように容器内に位置決めされた治具21に工作物を載置する。治具の位置決めの前あるいは後で、仕切り6の上縁14の上方の高さ17のところまで容器に、共デポジットすべき粒子を含むメッキ溶液を充たす。空気が流入口15に注入され、これがリターン領域11を上昇し、溶液とその中の粒子を上昇させる。リターン領域の頂部で空気は脱出し、溶液と粒子は仕切り上縁14によって形成されて頭を垂れた広い堰をあふれ出し治具21上の工作物を越えて流れ落ちる。ワーク領域9の底で粒子は澱み、容器の傾斜側面を相互接続13のところへ向けて滑り落ち、そしてそこで再び溶液中に混じり循環させられる。
ワーク領域9内で下方に移動する粒子が工作物に出会うと、それらは工作物上に沈澱し、そこでそれらは同時にメッキされつつある金属内に埋め込まれる。
図4に示すように、そして英国特許GB−B−2254338に記載するように、被覆すべき工作物は容器1内に吊り下げられた図4の治具21上に載置される。治具は図2、3では簡単化された形で示されているが、図1では明瞭にするために除外されている。治具21は容器1の頂部に嵌合されるデッキ22と、一端に向かう従属台脚23と、他端における一対の従属案内24とから成る。案内24は対向する案内路を有し、その案内路内を横断ヘッド25が滑動するようになっている。横断ヘッド25は垂直ラック26を担持していて、垂直ラック26はデッキ22内の孔27を介して上方に突き抜け逆転可能な電動機29によって駆動されるピニオン28と噛み合っている。デッキ22は垂直軸32を駆動する第2の電動機31を支持しており、この垂直軸32はベベル・ピニオン33を担持している。ベベル・ピニオン33は、台脚23に載置されたスピンドル35の一端に固定されたクラウン歯車34に係合している。スピンドル35の他端はユニバーサル・ジョイント36を介して軸37の一端に接続され、軸37の他端は横断ヘッド25の中の球面軸受38によって担持されている。
軸37はそれに堅固に取付けられた複数個のスプールを担持しているが、図4には1つのスプール39のみが示されている。スプール39は軸37の軸を含む平面内に延在し、スプールの長さ方向の軸は軸37の軸と角αをなしている。スプール39には被覆されるべきガスタービン・ブレード42が3つスプールの長さ方向に離間されて載置されている。ブレードの長手方向の軸はスプール39の長さ方向の軸に垂直に上記平面内に延在していて、軸37の軸と(90−α)゜の角を形成している。
デッキ22上には電動機制御器43が載置されていて、ライン44及び45を介して各電動機29及び31に接続されている。制御器43は電動機31を一方向のみに駆動/停止して軸37を形式的水平軸(x−軸)のまわりに回転させるよう設計されている。制御器43はまた電動機29を両方向に交互に駆動して横断ヘッド25を往復運動させると共に、x−軸のまわりの回転にユニバーサル・ジョイント36の回転軸(y−軸)のまわりの振動回転を重畳させるよう設計されている。
角度αと、電動機29及び31によって実行される各サイクルのパラメータとは被覆されつつある工作物に適切なように選択され、被覆されるべき全ての表面が充分な時間概ね上を向いて、降下してくる適正な負荷の粒子がデポジットする時にメッキされた金属内に組込まれるように受取ることを確実にする。被覆とその生成の方法の1つの特別な例を、以下に例示として説明する。
例
エーロホイル部43を有するガスタービン・ブレード42の上に被覆が施される。エーロホイル部43はその一端に基部44を有し、他端にカバー部45を有している。基部とカバーのプラットフォームは共にエーロホイル部の軸とほぼ70゜の角度をもって延長しており、基部とカバー部の端面はブレードの部分をなしているリングの周に対してそれぞれ30゜と40゜の角度をなして延長している。この構造をもったブレードの角度αは70゜である。
ブレードのエーロホイル部とプラットフォーム部の上に18.32重量パーセントのCr、8.25重量パーセントのAl、0.457重量パーセントのY、及び残部のコバルトを含む被覆が生成されるように意図されている。前記Cr、Al、Y及びコバルトの被覆を生成するために、浴には1リットル当り400グラムのCoSO4・7H2Oと、1リットル当り15グラムのNaClと、1リットル当り20グラムのほう酸H3BO3を含むコバルト・メッキ液が充たされる。浴はpH4.5、温度45℃に維持される。浴には、また、5−15μmの粒径分布をもち、67.8重量パーセントのクローム、30.1重量パーセントのアルミニウム、及び1.7重量パーセントのイットリウムからなる粉末を1リットル当り10グラムの濃度になるまで入れる。粉末の粒径分布はパーセントで示すと、0−2μmが0.01、2−4μmが0.05、4−6μmが0.13、6−8μmが4.43、8−10μmが43.61、10−12μmが51.77である。
被覆を施す前に、メッキされない基部とカバー部の部分にはワックス・マクスを施し、他の表面にはコバルトメッキに適切な従来の準備処理を施す。
ブレードはその軸(図4を参照)が治具50に水平なx−軸と20゜の角度をなすように治具50に固定する。メッキの間、治具のx−軸は、x−軸に垂直なy−軸のまわりで±25゜の振動運動をさせられる。この振動運動の1サイクルは3分間である。同時に、治具はx−軸のまわりに単一方向に360゜にわたって回転させられる。完全に1回転する1サイクルは10分間である。しかしこのx−軸のまわりの回転とは、3秒間回転する毎に10秒間停止する断続回転運動である。
メッキは、ほぼ12μmの厚さの被覆を生成するのに充分な時間1平方センチメートル当り1.5アンペヤの電流密度をもって実施される。
エーロホイル部と基部及びカバーのプラットフォームとを被い、そして組込んだ粉末の0.27重量部分を持つ優れた品質の被覆が生成される。
小さい粒子が選択的にメッキされ、>12μmの粒径の粒子が実質的に全然デポジットされず、それより大きい(すなわち12μmと15μmの間の)粒子はメッキ液の中に残る。被覆されたブレードを治具から取除いた後、マスキングが取去られる。
被覆表面は、その後その上に電気メッキによってプラチナを10μmデポジットしてプラチナ・アルミ化してよく、真空中において1000−1100℃で1時間前拡散し、900℃で6時間パック・アルミナイジングし、真空中において1100℃で1時間後拡散し、そして真空中において870℃で16時間時効硬化する。パック・アルミナイジング工程は、例えば欧州特許EP−A−0024802に記載されているように周期的に圧力を変化させる工程を含んでよい。
パラジウムあるいはルテニウムをプラチナの代わりに、あるいはプラチナと共に用いてもよい。
特に好ましいM2元素は、Y、Hf及びSiである。
本発明に従って生成される被覆は良好な耐酸化性及び耐熱疲労性を有する。
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- CrAlM2の粒子を含有する浴から電解デポジションによって金属マトリックスM1を該粒子と共デポジットするようにデポジットする工程を含む基板への被覆生成方法であって、M1はNi、Co及びFeからなる群から選ばれた少なくとも1つの元素であり、M2はY、Si、Ti、Hf、Ta、Nb、Mn、Pt及び稀土類元素からなる群から選ばれた少なくとも1つの元素であり、上記デポジションは1平方センチメートル当たり3mAより小さい電流密度で行われる、基板への被覆生成方法。
- CrAlM2の粒子を含有する浴から電解デポジションによって金属マトリックスM1を該粒子と層状に共デポジットするようにデポジットする工程を含む基板への被覆生成方法であって、M1はNi、Co及びFeからなる群から選ばれた少なくとも1つの元素、M2はY、Si、Ti、Hf、Ta、Nb、Mn、Pt及び稀土類元素からなる群から選ばれた少なくとも1つの元素であり、上記デポジションは1平方センチメートル当たり5mAより小さい電流密度で行い、前記層は50μmより薄い厚さを有する、基板への被覆生成方法。
- CrAlM2の粒子を含有する浴から電解デポジションによって金属マトリックスM1を該粒子と共デポジットするようにデポジットする工程を含む基板への被覆生成方法であって、M1はNi、Co及びFeからなる群から選ばれた少なくとも1つの元素であり、M2はY、Si、Ti、Hf、Ta、Nb、Mn、Pt及び稀土類元素からなる群から選ばれた少なくとも1つの元素であり、上記デポジションは1平方センチメートル当たり5mAより小さい電流密度と40g/lより小さい粒子浴負荷で行われる、基板への被覆生成方法。
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