JP3593662B2 - 植物ステロールを含有する炊飯用組成物 - Google Patents
植物ステロールを含有する炊飯用組成物 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水分散性を改良した、植物ステロール含有炊飯用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
β−シトステロールなどの植物ステロールはフィトステロールとも呼ばれ、以前よりコレステロール低下作用があると知られている。しかし植物ステロールの融点は約140℃と高く、又油及び水にも溶解しにくい性質を持っていることから、製剤化は油に懸濁させるか、あるいは粉末、錠剤の形で行われてきた。
【0003】
コレステロールの低下効果を期待するには、ある程度長期にわたりしかもある程度の量の植物ステロールを摂取する必要がある。米食を主食とする日本人には、植物ステロールをご飯より摂取するのが最も有効な手段である。しかし高融点であること、水及び油に溶解しにくい事より、炊飯時に植物ステロールを添加すると炊き上がったご飯の中に未分散、未溶解のものが残り、外観面、味覚面で嗜好性を著しく低下させる。植物ステロールの炊飯時の分散性を、嗜好性を損なわずに、向上させることが必要となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者は、植物ステロールに、分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルを加え打錠する事により、炊飯終了時に植物ステロールが嗜好性を低下させることなく分散せしめることを見出した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルの1種または2種以上の混合物である。本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステルとは砂糖と脂肪酸がエステル結合した乳化剤である。
【0006】
炊飯用組成物中の植物ステロールは重量%で50%を超えると、炊飯時の良好な分散は得られない。また極度に低濃度のときは、一定量の植物ステロールを得るためには大量の炊飯用組成物の添加を要し、実際的でない事に加え、その他の成分による嗜好性の低下を招き、好ましくない。植物ステロールは1−50重量%の範囲が良好であった。
【0007】
炊飯用組成物中の分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルは、それぞれ5重量%を超えると乳化剤特有のフレーバーが炊飯米に残り、嗜好性を低下させる。また著しく低濃度の場合は乳化効果及び分散効果は得られず、0.01−5重量%の添加が有効であった。
【0008】
炊飯用組成物が粉末状の単なる混合物である場合は、炊飯時に植物ステロールの分散は良好なものは得られない。混合物を高圧で、例えば1平方センチメーターあたり2000−6000キログラムで打錠成形することにより得られる。高圧での打錠により混合物の温度が瞬間的に約40℃付近に上昇する。この温度上昇により植物ステロールと乳化剤の結合がより強固になり、乳化剤の作用を高める事ができる。
【0009】
炊飯時の嗜好性を向上させるために、少量の有機酸、糖類、澱粉及びデキストリン、ビタミン類、食物繊維、油脂、調味料等は適宜加える事ができる。
【0010】
【実施例1】
下記配合で炊飯用組成物の粉体混合物を作り、株式会社菊水製作所製打錠機にて圧力1平方センチメーター当たり3000キログラムで打錠し重量0.25グラムの炊飯用組成物を得た。米1合当たり植物ステロールが400mgになるように炊飯用組成物を添加し常法通り炊飯した。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
炊飯後の米飯について、炊飯用組成物の分散状態、つや、風味、食感の官能検査を10名の専門パネラーで行った。
【0018】
官能検査の結果は以下の通りであった。
配合A:炊飯用組成物の分散状態は不良。風味は無添加品に比し甘味強い。
配合B:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味は若干の甘味ある。
配合C:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味は異味が認められる。
配合D:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味上、無添加品と差なし。
配合E:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味上、無添加品と差なし。
配合F:炊飯用組成物の分散きわめて悪い。食感にざらつきが認められる。
【0019】
【実施例2】
実施例1の配合D及び配合Dと同一の配合で打錠前のものについて、それぞれ米1合当たり2グラム添加し常法通り炊飯し、実施例1と同様官能検査を実施した。官能検査結果は以下の通りであった。
配合D :炊飯用組成物の分散状態は良好。風味は無添加品と差なし。
配合Dの粉末混合品 :炊飯用組成物の分散悪く、米飯中に未溶解物が散見される。食感上、若干のざらつきがある。風味は配合Dと差なし。
【発明の属する技術分野】
本発明は水分散性を改良した、植物ステロール含有炊飯用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
β−シトステロールなどの植物ステロールはフィトステロールとも呼ばれ、以前よりコレステロール低下作用があると知られている。しかし植物ステロールの融点は約140℃と高く、又油及び水にも溶解しにくい性質を持っていることから、製剤化は油に懸濁させるか、あるいは粉末、錠剤の形で行われてきた。
【0003】
コレステロールの低下効果を期待するには、ある程度長期にわたりしかもある程度の量の植物ステロールを摂取する必要がある。米食を主食とする日本人には、植物ステロールをご飯より摂取するのが最も有効な手段である。しかし高融点であること、水及び油に溶解しにくい事より、炊飯時に植物ステロールを添加すると炊き上がったご飯の中に未分散、未溶解のものが残り、外観面、味覚面で嗜好性を著しく低下させる。植物ステロールの炊飯時の分散性を、嗜好性を損なわずに、向上させることが必要となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者は、植物ステロールに、分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルを加え打錠する事により、炊飯終了時に植物ステロールが嗜好性を低下させることなく分散せしめることを見出した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル及びグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルの1種または2種以上の混合物である。本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステルとは砂糖と脂肪酸がエステル結合した乳化剤である。
【0006】
炊飯用組成物中の植物ステロールは重量%で50%を超えると、炊飯時の良好な分散は得られない。また極度に低濃度のときは、一定量の植物ステロールを得るためには大量の炊飯用組成物の添加を要し、実際的でない事に加え、その他の成分による嗜好性の低下を招き、好ましくない。植物ステロールは1−50重量%の範囲が良好であった。
【0007】
炊飯用組成物中の分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルは、それぞれ5重量%を超えると乳化剤特有のフレーバーが炊飯米に残り、嗜好性を低下させる。また著しく低濃度の場合は乳化効果及び分散効果は得られず、0.01−5重量%の添加が有効であった。
【0008】
炊飯用組成物が粉末状の単なる混合物である場合は、炊飯時に植物ステロールの分散は良好なものは得られない。混合物を高圧で、例えば1平方センチメーターあたり2000−6000キログラムで打錠成形することにより得られる。高圧での打錠により混合物の温度が瞬間的に約40℃付近に上昇する。この温度上昇により植物ステロールと乳化剤の結合がより強固になり、乳化剤の作用を高める事ができる。
【0009】
炊飯時の嗜好性を向上させるために、少量の有機酸、糖類、澱粉及びデキストリン、ビタミン類、食物繊維、油脂、調味料等は適宜加える事ができる。
【0010】
【実施例1】
下記配合で炊飯用組成物の粉体混合物を作り、株式会社菊水製作所製打錠機にて圧力1平方センチメーター当たり3000キログラムで打錠し重量0.25グラムの炊飯用組成物を得た。米1合当たり植物ステロールが400mgになるように炊飯用組成物を添加し常法通り炊飯した。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
炊飯後の米飯について、炊飯用組成物の分散状態、つや、風味、食感の官能検査を10名の専門パネラーで行った。
【0018】
官能検査の結果は以下の通りであった。
配合A:炊飯用組成物の分散状態は不良。風味は無添加品に比し甘味強い。
配合B:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味は若干の甘味ある。
配合C:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味は異味が認められる。
配合D:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味上、無添加品と差なし。
配合E:炊飯用組成物の分散状態は良好。風味上、無添加品と差なし。
配合F:炊飯用組成物の分散きわめて悪い。食感にざらつきが認められる。
【0019】
【実施例2】
実施例1の配合D及び配合Dと同一の配合で打錠前のものについて、それぞれ米1合当たり2グラム添加し常法通り炊飯し、実施例1と同様官能検査を実施した。官能検査結果は以下の通りであった。
配合D :炊飯用組成物の分散状態は良好。風味は無添加品と差なし。
配合Dの粉末混合品 :炊飯用組成物の分散悪く、米飯中に未溶解物が散見される。食感上、若干のざらつきがある。風味は配合Dと差なし。
Claims (3)
- 植物ステロール、分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを必須成分として含有し、打錠することを特徴とする炊飯用組成物。
- 植物ステロールが1−50重量%、分子内に有機酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステルが0.01−5.0重量%、ショ糖脂肪酸エステルが0.01−5.0重量%である請求項1記載の炊飯用組成物。
- 植物ステロールがβ−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール及びそれらの脂肪酸エステルから選ばれる1種または2種以上である請求項1又は2記載の炊飯用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002225344A JP3593662B2 (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 植物ステロールを含有する炊飯用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002225344A JP3593662B2 (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 植物ステロールを含有する炊飯用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004033189A JP2004033189A (ja) | 2004-02-05 |
JP3593662B2 true JP3593662B2 (ja) | 2004-11-24 |
Family
ID=31711498
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002225344A Expired - Fee Related JP3593662B2 (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 植物ステロールを含有する炊飯用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3593662B2 (ja) |
-
2002
- 2002-07-01 JP JP2002225344A patent/JP3593662B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2004033189A (ja) | 2004-02-05 |
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