JP3593045B2 - バンパ取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バンパ取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5及び図6は従来のバンパ取付構造の一例を示すもので、図5は車幅方向左側のサイドレールの前端部とバンパとを取り付けている箇所の上面視、図6はその側面視(図5のVI−VI矢視)の図面である。
【0003】
ここに図示している如く、大型トラックなどの車両においては、バンパ1と左右のサイドレール2(図中では左側のみを示す)の前端部との間をバンパステー3を介し直接的に取り付けるようにしており、より具体的には、コの字状断面のチャンネル材から成るサイドレール2の前端部に、その側面部と底面部のみを前方に延長した如きブラケット部分2aを一体的に形成しておき、このブラケット部分2aの側面にバンパステー3の後端部を重ね合わせてボルト締結し、該バンパステー3の前端部を車幅方向外側に屈曲させてバンパ1の後面に沿わせた状態で該バンパ1とボルト締結するようになっていた。
【0004】
尚、図中4は左右のサイドレール2の前端部間を車幅方向に連結しているクロスメンバを示しており、このクロスメンバ4は、コの字状断面のチャンネル材により構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来構造においては、車両の衝突時にバンパ1にかかる衝突エネルギーの大半がバンパステー3を介しサイドレール2に直接的に伝達されてしまい、該サイドレール2に変形が生じて車体の損傷が大きくなる虞れがあった。
【0006】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、衝突時にバンパにかかる衝突エネルギーを良好に吸収して車体の損傷を軽減し得るようにしたバンパ取付構造を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、左右のサイドレールの前端部間を車幅方向に連結しているクロスメンバの両端部前面に、閉断面を成して車両前後方向に延びる衝撃吸収部材を、前記左右のサイドレールのウェブより車幅方向内側で且つ上下のフランジ間に収まるように装着し、前記衝撃吸収部材の前面に、該前面の開口部分を塞いで車幅方向外側へ張り出し且つその外側端を車両後方へ向け略L字型に屈曲して車両前後方向に沿う起立面を成すようにしたブラケットを装着し、該ブラケットの車両前後方向に沿う起立面に、バンパを後面側から支えるバンパステーを装着したことを特徴とするバンパ取付構造、に係るものである。
【0008】
而して、このようにすれば、車両の衝突時にバンパにかかる衝突エネルギーが、バンパステーを介しブラケットの車両前後方向に沿う起立面に入力されて該起立面を後方へ引っ張るような力として作用するので、衝撃吸収部材の前面には後方へ圧縮しようとする力が若干オフセットされた方向から作用し、これにより衝撃吸収部材が周辺構造に先立って座屈変形されることになり、この衝撃吸収部材の座屈変形により衝突エネルギーが大幅に吸収される結果、大きな衝突エネルギーがサイドレールに直接的に作用してしまうことが回避される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1〜図4は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図1は本形態例のバンパ取付構造の上面視、図2はその側面視(図1のII−II矢視)、図3は図2のIII−III矢視、図4は図2のIV−IV矢視の図面であり、前述した図5及び図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0011】
ここに図示している如く、本形態例においては、従来構造にて左右のサイドレール2の前端部に一体的に形成していたブラケット部分を廃止し、左右のサイドレール2の前端部間を車幅方向に連結しているコの字状断面のチャンネル材から成るクロスメンバ4の両端部前面に、閉断面を成して車両前後方向に延びる円筒形状のクラッシュボックス5(衝撃吸収部材)が取付座7を介し装着されるようになっている。
【0012】
ここで、このクラッシュボックス5は、比較的薄肉で形成されていて、前方からの強い外力に対し座屈変形し易い構造としてあり、この座屈変形により前方からの外力のエネルギーを吸収し得るようにしてある。
【0013】
また、クラッシュボックス5の後端部とクロスメンバ4の端部前面との間に介装される取付座7は、例えば、図3に示す如き略矩形状を成して四隅をクロスメンバ4の端部前面に対しボルト締結されるようになっており、クラッシュボックス5の後端部に対しては、左右のサイドレール2のウェブより車幅方向内側で且つ上下のフランジ間に収まるようにして溶接してある。
【0014】
そして、前記クラッシュボックス5の前面には、該前面の開口部分を塞いで車幅方向外側へ張り出し且つその外側端を車両後方へ向け略L字型(図1参照)に屈曲して車両前後方向に沿う起立面6aを成すようにしたブラケット6が装着されている。
【0015】
更に、このブラケット6の車両前後方向に沿う起立面6aには、バンパステー3の後端部が重ね合わされてボルト締結されるようになっており、該バンパステー3の前端部が車幅方向外側に屈曲してバンパ1の後面に沿わされた状態で該バンパ1とボルト締結されるようになっている。
【0016】
尚、前記ブラケット6については、適宜に図示しないリブなどを縁部に付設して補強するようにしても良い。
【0017】
而して、このような構造を採用すれば、車両の衝突時にバンパ1にかかる衝突エネルギーが、バンパステー3を介しブラケット6の車両前後方向に沿う起立面6aに入力されて該起立面6aを後方へ引っ張るような力として作用するので、クラッシュボックス5の前面には後方へ圧縮しようとする力が若干オフセットされた方向から作用し、これによりクラッシュボックス5が周辺構造に先立って座屈変形されることになり、このクラッシュボックス5の座屈変形により衝突エネルギーが大幅に吸収される結果、大きな衝突エネルギーがサイドレール2に直接的に作用してしまうことが回避される。
【0018】
従って、上記形態例によれば、衝突時にバンパ1にかかる衝突エネルギーをクラッシュボックス5を座屈変形させることで良好に吸収させることができ、大きな衝突エネルギーがサイドレール2に直接的に作用してしまう虞れを未然に回避することができるので、衝突時に車体に生じる損傷を従来より大幅に軽減することができる。
【0019】
尚、本発明のバンパ取付構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、衝撃吸収部材の閉断面の形状は図示する例に限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0020】
【発明の効果】
上記した本発明のバンパ取付構造によれば、衝突時にバンパにかかる衝突エネルギーを衝撃吸収部材を座屈変形させることで良好に吸収させることができ、大きな衝突エネルギーがサイドレールに直接的に作用してしまう虞れを未然に回避することができるので、衝突時に車体に生じる損傷を従来より大幅に軽減することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す一部を破断した上面図である。
【図2】図1のII−II方向の矢視図である。
【図3】図2のIII−III方向の矢視図である。
【図4】図2のIV−IV方向の矢視図である。
【図5】従来例を示す一部を破断した上面図である。
【図6】図5のVI−VI方向の矢視図である。
【符号の説明】
1 バンパ
2 サイドレール
3 バンパステー
4 クロスメンバ
5 クラッシュボックス(衝撃吸収部材)
6 ブラケット
6a 起立面
Claims (1)
- 左右のサイドレールの前端部間を車幅方向に連結しているクロスメンバの両端部前面に、閉断面を成して車両前後方向に延びる衝撃吸収部材を、前記左右のサイドレールのウェブより車幅方向内側で且つ上下のフランジ間に収まるように装着し、前記衝撃吸収部材の前面に、該前面の開口部分を塞いで車幅方向外側へ張り出し且つその外側端を車両後方へ向け略L字型に屈曲して車両前後方向に沿う起立面を成すようにしたブラケットを装着し、該ブラケットの車両前後方向に沿う起立面に、バンパを後面側から支えるバンパステーを装着したことを特徴とするバンパ取付構造。
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