JP3592763B2 - 横型ピロー包装機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、断面が略円形の被包装物を確実に製袋器に送込むことのできる横型ピロー包装機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種のピロー包装機は、被包装物の形状が不揃いでも連続的な自動包装が可能で、しかも供給される被包装物の形状が変更された場合でも短時間に切換えることが出来るなど汎用性に優れているため、菓子、食品に限らず、薬品、工業部品等、あらゆる物の自動包装に広く採用されており、例えば特開平6−179419号公報に開示されている。
【0003】
図10〜14には、一般的なピロー包装機の、製袋器を中心とした構成が示されている。
【0004】
供給ガイド1に載置された菓子などの被包装物2は、上記供給ガイド1の中央に形成されているスリットから突出すると共に、所定速度で輪転する供給チェーン3に所定間隔置きに取付られている押圧部材4に背面を押圧されて、製袋器5の方向へ摺動移動される。
【0005】
この製袋器5には、斜め上方に横設されたロール状包装シート6から包装シート6aが連続的に供給されており、この包装シート6aが、上記製袋器5を移動中に下方を開口するU字状に屈曲され、次いで、この下端縁の合わせ面6bが送りローラ7に挟まれ、図示しないセンタシールローラで溶着された後、エンドシールカッタの方向へ送られる。
【0006】
上記被包装物2は、上記押圧部材4に押圧されて上記製袋器5に送り込まれると、上記供給ガイド1から三角ガイド9(図13参照)上に移送されて、その先端部分が上記包装部材6aに包み込まれる。また、上部に配設した包装シート押え用ブラシ8により、包装シート6aと被包装物2とが押圧され、上記送りローラ7及びセンタシールローラ(図示せず)に引かれて移送される。
【0007】
一方、押圧部材4は上記供給チェーン3の輪転方向に従って、図の下方へ移動する。この供給チェーン3の供給端部3aには姿勢ガイド10が対設されており、上記押圧部材4は、この姿勢ガイド10に従って下方へ平行移動される。尚、図10中の符号11は、上記包装シート6a内の空気を排除するために、この包装シート6aを上記被包装物2に密着させる搬送ブラシである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記供給チェーン3の供給端部3aは、製袋器5の入口付近、すなわち図13では、三角ガイド9の手前か、或いは同図に示すように三角ガイド9側にやや入り込んだ位置に設定されている。従って、上記供給チェーン3に支持されている押圧部材4は、上記被包装物2を上記製袋器5の入り口まで押圧し、その先は、筒状に形成された包装シート6aに引っ張られて移動する。
【0009】
すなわち、上記横型ピロー包装機で包装される被包装物2の多くは、直方体形状をしており、上記押圧部材4が上記製袋器5の入口付近に到達すれば、上記被包装物2の先端は、上記包装シール6aの筒状に形成された部分に達しているので、後は、この包装シール6aに引っ張られて移送させることができる。
【0010】
しかし、上記被包装物2の形状が比較的小さい場合には、製袋器5の入口付近で押出された勢いで、この製袋器5内を移動させて、筒状の上記包装シート6a内へ係入させなければならなくなる。この場合、被包装物2の形状や重量などが全く同じであれば、上記供給チェーン3の回転速度を調整して、常にほぼ同じ勢いで上記被包装物2を上記製袋器5内へ供給することは可能であるが、例えば、略球形の菓子の様に、形状、重量などが製品ごとに多少ばらつくものでは、常に同じ勢いで送り出すことは困難で、勢い良く供給されるものや、勢いの比較的弱い状態で供給されるものなど、ライン上でばらつきが生じる。
【0011】
その結果、筒状の包装シート中に供給される被包装物2が必ずしも等間隔にはならず、互いに近接し過ぎたり、或いは近接した分、後の被包装物2との間隔が離れ過ぎたりして、筒状の包装シート6aの前後がエンドシールカッタでカット・アンド・シールされるときに、一つの包装体中に二つの被包装物2が入り込んだり、空の包装体が形成される等の不都合が生じる。また、供給される被包装物の間隔が不均衡になると、エンドシールカッタで包装シートの前後がシール及びカットされるときに、被包装物2が上記エンドシールカッタに噛み込まれ易くなり、この被包装物2が菓子等の比較的壊れやすいものであれば、形状が崩れてしまい不良品となる。
【0012】
一方、横型ピロー包装機で包装する被包装物2の形状が比較的小さい場合、供給ガイド1と製袋器5の間に、三角ガイド9を介装し、この供給ガイド1と製袋器5との間から被包装物2が脱落するのを防止している。
【0013】
しかし、図14に示すように、従来の上記三角ガイド9は、上記供給ガイド1と同一平面上に延出されており、従って、水平に配設されているため、被包装物2が略球形或いは円筒形等、断面が略円形のものであれば、移送する際に左右へ揺動し易く、筒状の包装シート6aに供給されたときに、自己の転動により互いの間隔が不均衡になり、上述と同様の問題が生じてしまう。
【0014】
従って、本発明の目的は、被包装物の形状が比較的小さくても、常にほぼ等しい間隔で筒状の包装シート中へ供給することができて、エンドシールカッタでカット・アンド・シールされるときに、包装体中に被包装物を1つずつ確実に収納することができ、この被包装物がエンドシールカッタに噛み込まれることのない横型ピロー包装機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による横型ピロー包装機は、包装シートを連続的に筒状に形成する製袋器と、この製袋器の入口側に三角ガイドを介して連設する供給ガイドと、この供給ガイド及び上記三角ガイドに載置した被包装物を押圧して、この被包装物を上記製袋器へ送込む押圧部材と、この押圧部材を所定間隔ごとに支持する供給チェーンと、上記包装シートの上記被包装物を包込む前後をシール及びカットするエンドシールカッタとを備え、上記被包装物が断面略円形であり、この被包装物の底部を上記三角ガイドの両側を上方へ傾斜させて支持すると共に、上記供給チェーンの供給端部を上記製袋器の上記包装シートを筒状に形成する位置まで近接させ、更に、被包装物の形状に合せた曲率に形成された押え凹部を有する包装シート押え用ブラシを上記製袋器の上部に設けたことを特徴とする。また、上記エンドシールカッタの上流側に、カット・アンド・シール時に、該エンドシールカッタの直前に位置する被包装物が逆戻りするのを防止する固定ブラシが、その毛先を該エンドシール側へ向くように傾斜された状態で取付けられていることを特徴とする。
【0016】
【作用】
この発明では、供給ガイドに載置された被包装物を製袋器の方向へ押圧する押圧部材を所定間隔ごとに支持する供給チェーンの供給端部を、上記製袋器の包装シートを筒状に形成する位置まで近接させたことにより、上記被包装物の形状が比較的小型であっても、押圧部材に押圧されて移送されてくる上記被包装物は筒状に形成された包装シート中に直接、等間隔で供給される。また、上記被包装物の底部を前記三角ガイドの両側を上方へ傾斜させて支持することで、上記被包装物の断面が略円形で合っても左右へ揺動することがなく、安定した姿勢で供給することができる。
さらに、上記被包装物は、製袋器内を、上部を包装シート押え用ブラシにより上記包装シートと共に軽く押圧されて移送される。このとき、上記包装シート押え用ブラシの押え凹部が上記被包装物の形状に合せた曲率に形成されているので、この被包装物が崩れやすい材料で出来ていても無理なく押さえられる。
また、エンドシールカッタが、筒状の包装シートの上記被包装物の間をシール及びカットするとき、このエンドシールカッタの上流側に位置する上記被包装物が、上記エンドシールカッタに押圧されて逆戻りしようとするが、この戻り方向に、上記固定ブラシが、その毛先を上記エンドシールカッタ側へ向けて傾斜した状態で固設されている場合には、ここで、上記被包装物の戻りが規制され、この被包装物の間隔が常に一定の許容範囲内に維持される。
【0017】
【実施例】
以下、図1〜図9に基づいて本発明の実施例を説明する。
図に示す横型ピロー包装機の上流側には、供給ガイド21が配設され、この供給ガイド21の下流に製袋器22が三角ガイド23(図4参照)を介して連設されている。上記供給ガイド21は、載置される断面が略円形状をなす飴玉、玉チョコ、球形シュー菓子等の被包装物24をスライド自在に支持する水平板で、中央にスリット21aが形成されている。上記三角ガイド23は上記供給ガイド21と上記製袋器22との間を連設して、被包装物24を受け渡す際の脱落を防止するもので、図4、図5に示すように、上記被包装物24の底部を保持しやすいように、両側を上方へV字状に傾斜させた状態で配設され、中央には上記スリット21aに連通するスリット23aが形成されている。
【0018】
また、上記供給ガイド21の上記スリット21aの下方には、供給チェーン25が配設されており、この供給チェーン25の供給端部25aが上記三角ガイド23の先端付近まで延出されている。この供給チェーン25には、押圧部材26が所定間隔置きに支持されており、この供給チェーン25の上記供給ガイド21に対設する部分の下方に、上記押圧部材26を水平状態に保持する水平ガイド27が敷設されている。また、上記押圧部材26には押圧ピン26aが突設されており、この押圧部材26が上記水平ガイド27上を摺動するとき、上記押圧ピン26aが上記スリット21a,23aから突出されて、上記被包装物24を押圧する。また、上記供給チェーン25の供給端部25aには、上記押圧部材26を水平状態のまま下方へ退避させる姿勢ガイド28が対設されている。
【0019】
一方、上記製袋器22の入口側の斜め上方には、ロール29が横設されており、このロール29から繰出される包装シート29aが繰出しローラ30等を介して上記製袋器22に送り出される。この製袋器22の下流側には送りローラ31とセンタシールローラ32とが配設され、その下流側にエンドシールカッタ33が配設され、このエンドシールカッタ33の下流側に排出コンベア39が連設されている。
【0020】
上記製袋器22に上記包装シート29aが流入すると、逆U字状に曲げ形成され、その下端縁の合わせ面29bが上記送りローラ31にて密着されて、上記包装シール29aが筒状となり、上記センタシールローラ32で溶着される。上記供給チェーン25の供給端部25aは、この包装シート29aの上記合わせ面29bが密着される位置の直前まで延出されている。
【0021】
さらに、上記製袋器22には包装シート押え用ブラシ34が配設されている。この包装シート押え用ブラシ34は上記被包装物24を上記包装シート29aと共に位置ずれすることなく移送するように、上部を軽く押圧するもので、図6、図7に示す様に、押え凹部34aが上記被包装物24の形状に合せた曲率に形成されている。
【0022】
また、上記製袋器22の下流に、筒状の包装シート29aと上記被包装物24との位置を保持すると共に、この筒状の包装シート29a内の空気を排除する搬送ブラシ35が配設され、さらに、上記エンドシールカッタ33の上流側に、このエンドシールカッタ33直前の上記被包装物24がカット・アンド・シール時に、上記エンドシールカッタ33に押されて逆戻りするのを防止する固定ブラシ36が固設されている。この固定ブラシ36は、その毛先36aが上記エンドシールカッタ33側へ向くように、傾斜された状態で取付けられている。なお、この固定ブラシ36の毛の長さは上記被包装物24の高さの数倍(望ましくは2〜3倍)を有している。
尚、図2中の符号37は完成した包装体である。
【0023】
次に、上記構成による実施例の作用について説明する。
製袋器22にはロール29から包装シート29aが供給されて、逆U字状に曲げ形成され、次いでその下端縁の合わせ面29bが送りローラ31及びセンタシールローラ32に挟み込まれて筒状に形成されると共に、この両ローラ31、32により引っ張られている。
【0024】
一方、上記製袋器22の上流側に連設する供給ガイド21に載置された被包装物24は、その背面を押圧部材26に突設する押圧ピン26aにより押圧され、この押圧部材26を支持する供給チェーン25の輪転速度に従って、上記製袋器22の方向へ移動される。この供給チェーン25は上記包装シート29aが筒状に形成される直前まで延出されており、従って、上記被包装物24は、上記供給ガイド21、三角ガイド23を経て、常に、ほぼ一定の間隔を保持した状態で製袋器22で形成された筒状の包装シート29a内に送り込まれる。また、図4、図5に示すように、上記三角ガイド23がV字状に傾斜されているため、上記被包装物24の底部が左右に揺動することがなく、上記筒状の包装シート29b内に安定した状態で供給される。
【0025】
上記被包装物24は、製袋器22内を、上部を包装シート押え用ブラシ34により上記包装シート29bと共に軽く押圧されて移送される。このとき、上記包装シート押え用ブラシ34の押え凹部34aが上記被包装物24の形状に合せた曲率に形成されているので、この被包装物24が崩れやすい材料で出来ていても無理なく押さえられる。
【0026】
次いで、この被包装物24は上記包装シート29aと共に、搬送ブラシ35を通過する際に空気が除去されて、エンドシールカッタ33の方へ移送される。このエンドシールカッタ33は、上記包装シート29aの移送速度に同期して回転し、上記筒状の包装シート29aの上記被包装物24の間をシール及びカットする。このとき、このエンドシールカッタ33の上流側に位置する上記被包装物24が、上記エンドシールカッタ33に押圧されて逆戻りしようとするが、この戻り方向には、固定ブラシ36が、その毛先36aを上記エンドシールカッタ33側へ向けて傾斜した状態で固設されているため、ここで、上記被包装物24の戻りが規制され、この被包装物24の間隔が常に一定の許容範囲内に維持される。また、この固定ブラシ36の毛の長さが上記被包装物24の径の数倍に設定されているため、この被包装物24を、形を崩すこと無く柔らかく受止めることができる。
【0027】
そして、上記エンドシールカッタ33により筒状包装シート29aが、その前後をカット・アンド・シールされると排出コンベヤ39に完成された包装体37として送り出される。
【0028】
尚、上記供給ガイド21に代えて、図8、図9に示すようなガイドレール41を配設してもよい。この場合、このガイドレール41の幅は、上記被包装物24の径に応じて左右へ揺動しない寸法に設定すると共に、下部に上記被包装物24の底部をしじする三角コーナ42を配設する。これにより、上記被包装物24が移送中に左右に揺動することが防止される。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、供給チェーンの供給端部を製袋器の包装シートを筒状に形成する位置まで近接させたので、被包装物の形状が比較的小さくても、上記包装シートの筒状になる位置まで、常に一定間隔で供給することができるようになり、エンドシールカッタでカット・アンド・シールされるときには、包装体中に被包装物を1つずつ収納することができ、この被包装物がエンドシールカッタに噛み込まれる等の不良率の大幅な低減を図ることができる。
【0030】
また、被包装物が断面略円形でも、この被包装物の底部を前記三角ガイドの両側を上方へ傾斜させて支持することで、この被包装物が上記三角ガイドを移動中に左右に揺動することがなく、従って、姿勢の不安定な被包装物であっても、この被包装物を、常に一定の間隔で筒状の包装シート内に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による横型ピロー包装機の概略側面図である。
【図2】同横型ピロー包装機の概略斜視図である。
【図3】同横型ピロー包装機のエンドシールカッタ周辺の概略側面図である。
【図4】同横型ピロー包装機の三角ガイド周辺の概略平面図である。
【図5】三角ガイド部分の断面図(進行方向を垂直に切断した面)である。
【図6】同横型ピロー包装機の包装シート押え用ブラシ周辺の概略側面図である。
【図7】押え用ブラシ部分の断面図である。
【図8】他の態様の供給ガイドの要部斜視図である。
【図9】図8を正面から見た断面図である。
【図10】従来の横型ピロー包装機の概略側面図である。
【図11】従来の横型ピロー包装機の包装シート押え用ブラシ周辺の概略側面図である。
【図12】押え用ブラシ部分の断面図である。
【図13】従来の包装機の入口側の概略平面図である。
【図14】図13の右側面図である。
【符号の説明】
21 供給ガイド
22 製袋器
23 三角ガイド
24 被包装物
25 供給チェーン
25a 供給端部
26 押圧部材
29a 包装シート
33 エンドシールカッタ
Claims (2)
- 包装シートを連続的に筒状に形成する製袋器と、
この製袋器の入口側に三角ガイドを介して連設する供給ガイドと、
この供給ガイド及び上記三角ガイドに載置した被包装物を押圧して、この被包装物を上記製袋器へ送込む押圧部材と、
この押圧部材を所定間隔ごとに支持する供給チェーンと、
上記包装シートの上記被包装物を包込む前後をシール及びカットするエンドシールカッタとを備え、
上記被包装物が断面略円形であり、この被包装物の底部を上記三角ガイドの両側を上方へ傾斜させて支持すると共に、
上記供給チェーンの供給端部を上記製袋器の上記包装シートを筒状に形成する位置まで近接させ、
更に、被包装物の形状に合せた曲率に形成された押え凹部を有する包装シート押え用ブラシを上記製袋器の上部に設けたことを特徴とする横型ピロー包装機。 - 上記エンドシールカッタの上流側に、カット・アンド・シール時に、該エンドシールカッタの直前に位置する被包装物が逆戻りするのを防止する固定ブラシが、その毛先を該エンドシール側へ向くように傾斜された状態で取付けられている請求項1記載の横型ピロー包装機。
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