JP3592534B2 - 有機けい素化合物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は文献未収載の新規な有機けい素化合物に関するものであり、ポリマー末端等にSi−H基を有するシリルフェニル基を導入するための原料として有用な有機けい素化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来ポリマー末端等にSi−H基を有するシリルフェニル基を導入するための安価な即ち工業的に有利な原料はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の目的のために工業的に有利な原料を得ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
一般式(化2)
【化2】
[ただし、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は水素原子またはハロゲン原子で部分的に置換または非置換の一価炭化水素基、aは1または2]で示される有機けい素化合物。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の有機けい素化合物は一般式(化1)で示される。
本発明における有機けい素化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7のハロゲン原子で部分的に置換または非置換一価炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基あるいはこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子で置換された基である。
【0006】
次に本発明の有機けい素化合物を(化3)〜(化8)で例示するが、これらは例であり、本発明の有機けい素化合物はこれらに限定されるものではない。以下の各化学式においてメチル基はMe、フェニル基はPhと略記する。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0007】
本発明の有機けい素化合物の合成法について以下に説明する。
例えば一般式(化9)または(化10)のシリル化ジハロアニリン誘導体をマグネシウムと反応させ、グリニヤ試薬を調製し、トリオルガノクロロシランと反応させることにより、本発明の化合物を合成することができる。この反応において溶剤としてTHF等のエーテル系溶剤を使用する必要があり、反応温度は40〜70℃が好ましい。ここでXはハロゲン原子である(以下同様)。
【化9】
【化10】
【0008】
本発明の化合物は、ポリマー末端に反応性シリル基を導入するための中間体として有用である。本発明の化合物を末端に導入したポリマーは、ビニル基を有する化合物との白金触媒によるヒドロシリル化反応により硬化物を得ることができる。この硬化物はポリマーの分子量により樹脂、エラストマー、ゲル状物の形態にすることが可能である。これら硬化物は接着剤、ゲル、シーリング材、コーティング材、離型剤などに有用である。
【0009】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げる。
(実施例1)
撹拌機、温度計、ジムロート、滴下ロートを備えた 1,000mlの四つ口フラスコにマグネシウム粉末 26.7g、テトラヒドロフラン500gおよびヨウ素 0.05gを仕込み加熱しながら下記一般式(化11)
【化11】
で示されるシリル化ジクロロアニリン247gを滴下ロートから滴下し、60〜70℃/24時間、反応させることによりグリニヤ試薬を調製した。次いでこれを室温まで冷却した後、ジメチルクロロシラン 94.6gを滴下ロートから滴下した。次いで60〜70℃で2時間熟成した後、生成したマグネシウム塩をろ過し、ろ液を減圧蒸留したところ、沸点 124〜 126℃/4mmHgの留分 68.6gが得られた。この留分を 1H−NMRおよびIRにより分析したところ、下記化合物(化12)であることが確認された。
【化12】
【0010】
1H−NMR分析結果
δ0.25(s,N−Si−CH3 :9H)
δ0.35(s,C−Si−CH3 :6H)
δ3.00(s,N−CH3 :3H)
δ4.48(m,Si−H:1H)
δ6.7 〜 7.1(m,arom:3H)
[赤外線吸収スペクトル]
1581.34cm−1 にaromに由来する特性吸収
2121.31cm−1 にSi Hに由来する特性吸収が各々認められた。
【0011】
次に撹拌機、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した 500ml四つ口フラスコにマグネシウム粉末6.8g、テトラヒドロフラン150gおよびヨウ素 0.02gを仕込み、加熱しながら前記で得られた留分 68.6gを滴下ロートより滴下し、70℃/36時間反応させることによりグリニヤ試薬を調製した。室温まで冷却した後、ジメチルクロロシラン 26.5gを滴下ロートより滴下した。70℃で3時間熟成した後、生成したマグネシウム塩をろ過し、ロ液を減圧蒸留したところ、沸点 129〜 131℃/3mmHgの留分 24.9g(収率:10.1%)が得られた。この留分を 1H−NMR、IRおよび元素分析により分析したところ、下記化合物(化13)であることが確認された。
【化13】
【0012】
( 1H−NMR分析結果)
δ0.45(s,N−Si−CH3 :9H)
δ0.55(s,C−Si−CH3 :12H)
δ3.10(s,N−CH3 :3H)
δ4.4 〜 4.7(m,Si−H:2H)
δ7.1 〜 7.3(m,arom:3H)
[赤外線吸収スペクトル(図1)]
1567.84 cm−1 にaromに由来する特性吸収
2117.46 cm−1 にSi Hに由来する特性吸収が各々認められた。
実測値、理論値ともC:H:N:Si=14:29:1:3であり、これはC14H29NSi3であった。以上の分析結果から(化13)で示される構造式であることが確認された。
【0013】
【発明の効果】
本発明の文献未収載の新規な有機けい素化合物はポリマー末端等に、Si−H基を有するシリルフェニル基を導入するための安価で有用な原料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で合成した本発明の文献未収載の新規な有機けい素化合物の1例である(化13)の赤外吸収スペクトルのチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は文献未収載の新規な有機けい素化合物に関するものであり、ポリマー末端等にSi−H基を有するシリルフェニル基を導入するための原料として有用な有機けい素化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来ポリマー末端等にSi−H基を有するシリルフェニル基を導入するための安価な即ち工業的に有利な原料はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の目的のために工業的に有利な原料を得ることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
一般式(化2)
【化2】
[ただし、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は水素原子またはハロゲン原子で部分的に置換または非置換の一価炭化水素基、aは1または2]で示される有機けい素化合物。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の有機けい素化合物は一般式(化1)で示される。
本発明における有機けい素化合物のR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7のハロゲン原子で部分的に置換または非置換一価炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基などのアリール基あるいはこれらの基の水素原子が部分的にハロゲン原子で置換された基である。
【0006】
次に本発明の有機けい素化合物を(化3)〜(化8)で例示するが、これらは例であり、本発明の有機けい素化合物はこれらに限定されるものではない。以下の各化学式においてメチル基はMe、フェニル基はPhと略記する。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0007】
本発明の有機けい素化合物の合成法について以下に説明する。
例えば一般式(化9)または(化10)のシリル化ジハロアニリン誘導体をマグネシウムと反応させ、グリニヤ試薬を調製し、トリオルガノクロロシランと反応させることにより、本発明の化合物を合成することができる。この反応において溶剤としてTHF等のエーテル系溶剤を使用する必要があり、反応温度は40〜70℃が好ましい。ここでXはハロゲン原子である(以下同様)。
【化9】
【化10】
【0008】
本発明の化合物は、ポリマー末端に反応性シリル基を導入するための中間体として有用である。本発明の化合物を末端に導入したポリマーは、ビニル基を有する化合物との白金触媒によるヒドロシリル化反応により硬化物を得ることができる。この硬化物はポリマーの分子量により樹脂、エラストマー、ゲル状物の形態にすることが可能である。これら硬化物は接着剤、ゲル、シーリング材、コーティング材、離型剤などに有用である。
【0009】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げる。
(実施例1)
撹拌機、温度計、ジムロート、滴下ロートを備えた 1,000mlの四つ口フラスコにマグネシウム粉末 26.7g、テトラヒドロフラン500gおよびヨウ素 0.05gを仕込み加熱しながら下記一般式(化11)
【化11】
で示されるシリル化ジクロロアニリン247gを滴下ロートから滴下し、60〜70℃/24時間、反応させることによりグリニヤ試薬を調製した。次いでこれを室温まで冷却した後、ジメチルクロロシラン 94.6gを滴下ロートから滴下した。次いで60〜70℃で2時間熟成した後、生成したマグネシウム塩をろ過し、ろ液を減圧蒸留したところ、沸点 124〜 126℃/4mmHgの留分 68.6gが得られた。この留分を 1H−NMRおよびIRにより分析したところ、下記化合物(化12)であることが確認された。
【化12】
【0010】
1H−NMR分析結果
δ0.25(s,N−Si−CH3 :9H)
δ0.35(s,C−Si−CH3 :6H)
δ3.00(s,N−CH3 :3H)
δ4.48(m,Si−H:1H)
δ6.7 〜 7.1(m,arom:3H)
[赤外線吸収スペクトル]
1581.34cm−1 にaromに由来する特性吸収
2121.31cm−1 にSi Hに由来する特性吸収が各々認められた。
【0011】
次に撹拌機、温度計、ジムロート、滴下ロートを付した 500ml四つ口フラスコにマグネシウム粉末6.8g、テトラヒドロフラン150gおよびヨウ素 0.02gを仕込み、加熱しながら前記で得られた留分 68.6gを滴下ロートより滴下し、70℃/36時間反応させることによりグリニヤ試薬を調製した。室温まで冷却した後、ジメチルクロロシラン 26.5gを滴下ロートより滴下した。70℃で3時間熟成した後、生成したマグネシウム塩をろ過し、ロ液を減圧蒸留したところ、沸点 129〜 131℃/3mmHgの留分 24.9g(収率:10.1%)が得られた。この留分を 1H−NMR、IRおよび元素分析により分析したところ、下記化合物(化13)であることが確認された。
【化13】
【0012】
( 1H−NMR分析結果)
δ0.45(s,N−Si−CH3 :9H)
δ0.55(s,C−Si−CH3 :12H)
δ3.10(s,N−CH3 :3H)
δ4.4 〜 4.7(m,Si−H:2H)
δ7.1 〜 7.3(m,arom:3H)
[赤外線吸収スペクトル(図1)]
1567.84 cm−1 にaromに由来する特性吸収
2117.46 cm−1 にSi Hに由来する特性吸収が各々認められた。
実測値、理論値ともC:H:N:Si=14:29:1:3であり、これはC14H29NSi3であった。以上の分析結果から(化13)で示される構造式であることが確認された。
【0013】
【発明の効果】
本発明の文献未収載の新規な有機けい素化合物はポリマー末端等に、Si−H基を有するシリルフェニル基を導入するための安価で有用な原料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で合成した本発明の文献未収載の新規な有機けい素化合物の1例である(化13)の赤外吸収スペクトルのチャートである。
Claims (1)
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20166098A JP3592534B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 有機けい素化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20166098A JP3592534B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 有機けい素化合物 |
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JP2000034292A JP2000034292A (ja) | 2000-02-02 |
JP3592534B2 true JP3592534B2 (ja) | 2004-11-24 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP20166098A Expired - Fee Related JP3592534B2 (ja) | 1998-07-16 | 1998-07-16 | 有機けい素化合物 |
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1998
- 1998-07-16 JP JP20166098A patent/JP3592534B2/ja not_active Expired - Fee Related
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