JP3592342B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は使用に供する前の保存状態ならびに使用初期の感光体の劣化が防止された電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体には、いままでSe、CdS、ZnO等の無機材料が用いられてきたが、近年それに匹敵する特性を示す有機材料を用いた電子写真感光体が開発、実用化されるようになってきた。この利点として安価、大量生産性等が挙げられるが、有機物であるがゆえに材料の劣化を免れることはできない。
一方、無機系、有機系材料を問わず下引き層、保護層等が設けられるが、これらの多くは部分的に有機物で設けられるため、同様に材料の劣化を生ずることは避けられない。このような材料の劣化機構について多くは判っていないが、光照射によるもの、電子の通過によるもの、反応性ガス(NOx、SOx、O3等)によるもの等が考えられる。
この様な材料の劣化、とりわけ酸化を防ぐ目的で特定の酸化防止剤を感光層中に添加することが知られている。たとえば、特開昭57−122444、特開昭61−156052、特開昭62−265666、特開昭63−18356、特開昭64−44451等に記載されている。
しかしながら、これらの発明においては、感光層中に酸化防止剤を含有しており、保存という観点からは感光体の保存期間中に感光体中の酸化防止剤が酸化劣化してしまい保存に耐えなくなったり、逆に感光体中に必要以上の酸化防止剤を添加した場合、その使用時に静電特性に悪影響を及ぼしてしまい、この点における改善が強く望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、酸化性環境下での保存を経ても異常画像の発生しない電子写真感光体を提供することにある。
本発明の別の目的は、使用初期における感光体の劣化を生じない電子写真感光体を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、安価かつ効果的な保存状態を実現できる電子写真感光体を提供することにある。
本発明の更に別の目的は保存形態によらず常に効果的保存を実現できる電子写真感光体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積層した電子写真感光体において、感光体製造後、電子写真装置に搭載するまでの間、感光体表面に酸化防止剤を付着させておくことを特徴とする電子写真感光体。
(2)電荷発生層に含有される電荷発生物質がアゾ顔料であることを特徴とする前記(1)の電子写真感光体。
(3)感光体の表面に保護層を設けたことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の電子写真感光体。
(4)導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積層した電子写真感光体の保管方法において、感光体製造後、電子写真装置に搭載するまでの間、感光体表面に酸化防止剤を付着させておくことを特徴とする電子写真感光体の保管方法。
即ち、電子写真感光体特に有機材料を構成要素とした電子写真感光体は環境特性とりわけ反応性ガス(NOx、SOx、O3など)により帯電性の低下や異常画像を生ずることがある。この原因については明らかになっていないが、おそらく材料の劣化を伴っていると推定される。
一方、このような感光体の酸化劣化を防ぐべく、感光層中に酸化防止剤を添加することが、上述したように公知であるが、酸化性環境下の保存においては該酸化防止剤が酸化・変質し、実際の感光体使用時に静電的悪影響を及ぼしたり、逆に保存性を向上させるべく多量の酸化防止剤を感光層中に加えると、使用時の静電特性上、例えば残留電位の発生等の副作用を生じてしまう。
【0005】
本発明者らは、感光体表面に酸化防止剤を付着させることによって、上記問題点を解決でき、更に、感光体の使用初期における劣化を防止できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明によれば、高価な感光体保存方法(例えば、不活性ガスで密封した感光体保存容器)を用いなくとも、感光体を安価かつ効果的に保存できる。
また、感光体の保存形態(実機内部あるいは外部あるいはカセット、保存容器の密閉度など)によらず、常に効果的な保存が可能となる。
このような酸化防止剤を、電子写真感光体に付着させる方法としては、酸化防止剤粉末を、感光体表面にそのまま添付し、付着させる方法、マイクロカプセル化した酸化防止剤を感光体表面に添付し付着させる方法、酸化防止剤粉末やマイクロカプセル化した酸化防止剤を感光体を静電気力で付着させる方法、酸化防止剤を適当な溶媒に溶解し、適当な方法によって感光体表面に塗布、乾燥させ、付着させる方法、などを挙げることができる。
【0006】
次に、本発明に使用できる酸化防止剤を示す。
本発明に使用できる酸化防止剤として、プラスチック、ゴム、石油、油脂類の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤として、公知の材料すべて用いることが出来るが、とりわけ、次に示す化合物群より選ばれる材料が好ましく使用できる。
【0007】
(1)特開昭57−122444号公報に記載のフェノール類、
特開昭60−188956号公報に記載のフェノール誘導体及び
特開昭63−18356号公報に記載のビンダードフェノール類。
【0008】
(2)特開昭57−122444号公報に記載のパラフェニレンジアミン類、
特開昭60−188956号公報に記載のパラフェニレンジアミン誘導体
及び特開昭63−18356号公報に記載のパラフェニレンジアミン類。
【0009】
(3)特開昭57−122444号公報に記載のハイドロキノン類、
特開昭60−188956号公報に記載のハイドロキノン誘導体及び
特開昭63−18356号公報に記載のハイドロキノン類。
【0010】
(4)特開昭57−188956号公報に記載のイオウ化合物及び
特開昭63−18356号公報に記載の有機イオウ化合物類。
【0011】
(5)特開昭57−122444号公報に記載の有機リン化合物及び
特開昭63−18356号公報に記載の有機リン化合物類。
【0012】
(6)特開昭57−122444号公報に記載のヒドロキシアニソール類。
【0013】
(7)特開昭63−18355号公報に記載の特定の骨格構造を有するピペリジン誘導体及びオキソピペラジン誘導体。
【0014】
(8)特開昭60−188956号公報に記載のカロチン類、アミン類、トコフェロール類、Ni(II)錯体、スルフィド類等。
【0015】
(9)米国特許第1968906号明細書及びJ.Am.Chem.Soc.55,1224(1933年)に記載の下記一般式(I)で示される化合物。
【化1】
(式中、R1〜R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ビロキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基,アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、また置換アミノ基、イミノ基、複素環基、スルホキシド基、スルホニル基、アシル基、アゾ基を表わす。)
【0016】
(10)下記一般式(II)で示される化合物。
【化2】
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルアシルアミノ基、アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルギモイル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、アリールアシルオキシ基、シリル基又は複素環基を表わす。
但し、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも1つは炭素原子数の総和が4以上の基である。)
【0017】
(11)下記一般式(III)で示される化合物。
【化3】
(式中、R5は、−C−CnH2n+1−m(R9)mを表わし、R6は炭素末4〜20の置換または無置換のアルキル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはR5を表わし、またR9と結合して炭素数5〜10の環を形成してもよいが、R7とR8は同時に水素であることはなく、R9は置換または無置換のアリール基、アリールチオ基、アリールオキシ基、アリールアシルアミノ基、アリールカルバモイル基、アリールスルフォニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールアシルオキシ基、アリールアミノ基、アリールスルホンアミド基、アリールスルホニルオキシ基を表わし、nは1〜5を表わし、mは1または2を表わす。)、
【0018】
(12)下記一般式(IV)で示される化合物。
【化4】
(式中、Ar1、Ar2は置換または無置換のアリール基、アリールチオ基、アリールオキシ基、ベンジル基、フタルイミド基を表わし、R10、R11は水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アルキルアミノ基、アルキルカルバモイル基を表わす。)
【0019】
(13)下記一般式(V)で示される化合物。
【化5】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルアシルアミノ基、アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルギモイル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、アリールアシルオキシ基、シリル基又は複素環基を表わす。
【0020】
(14)下記一般式(VI)で示される化合物。
【化6】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルアシルアミノ基、アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルギモイル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、アリールアシルオキシ基、シリル基又は複素環基を表わす。
【0021】
(15)下記一般式(VII)で示される化合物。
【化7】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルアシルアミノ基、アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルギモイル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、アリールアシルオキシ基、シリル基又は複素環基を表わす。
【0022】
(16)下記一般式(VIII)で示される化合物。
【化8】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルアシルアミノ基、アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルギモイル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、アリールアシルオキシ基、シリル基又は複素環基を表わす。
【0023】
(17)下記一般式(IX)で示される化合物。
【化9】
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルキルアシルアミノ基、アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルギモイル基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、アリールアシルオキシ基、シリル基又は複素環基を表わす。
以下に、一般式(I)〜(IX)の化合物の具体例を示すが、これらのものに限定されないことはもちろんである。
〔一般式(I)の化合物の具体例〕
【表1−(1)】
【表1−(2)】
〔一般式(II)の化合物の具体例〕
【表2−(1)】
【表2−(2)】
【表2−(3)】
【表2−(4)】
【表2−(5)】
【表2−(6)】
【表2−(7)】
【表2−(8)】
【表2−(9)】
【表2−(10)】
【表2−(11)】
【表2−(12)】
【表2−(13)】
【表2−(14)】
【表2−(15)】
【表2−(16)】
【表2−(17)】
【表2−(18)】
【表2−(19)】
【表2−(20)】
【表2−(21)】
【表2−(22)】
【表2−(23)】
【表2−(24)】
【表2−(25)】
【表2−(26)】
【表2−(27)】
【表2−(28)】
【表2−(29)】
【表2−(30)】
【表2−(31)】
【表2−(32)】
〔一般式(III)の化合物の具体例〕
【表3−(1)】
【表3−(2)】
【表3−(3)】
【表3−(4)】
【表3−(5)】
【表3−(6)】
【表3−(7)】
〔一般式(IV)の化合物の具体例〕
【表4−(1)】
【表4−(2)】
〔一般式(V)の化合物の具体例〕
【表5−(1)】
【表5−(2)】
【表5−(3)】
【表5−(4)】
【表5−(5)】
【表5−(6)】
【表5−(7)】
【表5−(8)】
【表5−(9)】
【表5−(10)】
【表5−(11)】
【表5−(12)】
【表5−(13)】
〔一般式(VI)の化合物の具体例〕
【表6−(1)】
【表6−(2)】
〔一般式(VII)の化合物の具体例〕
【表7−(1)】
【表7−(2)】
【表7−(3)】
【表7−(4)】
【表7−(5)】
【表7−(6)】
【表7−(7)】
〔一般式(VIII)の化合物の具体例〕
【表8−(1)】
【表8−(2)】
【表8−(3)】
【表8−(4)】
【表8−(5)】
〔一般式(IX)の化合物の具体例〕
【表9−(1)】
【表9−(2)】
【0024】
また、本発明の対象となる感光体は、以下の通り。図1(A)、(B)は導電性基体11上に電荷発生層121、電荷輸送層122の積層からなる感光層12が設けられた感光体、図2は図1に示した感光体の導電性基体11と感光層12との間に中間層13が設けられたタイプのもの、図3(A)、(B)は図1又は図2に示した感光体の感光層12上に保護層14が設けられたタイプのものを表わしている。
【0025】
導電性基体11としては、体積抵抗1013Ωcm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板およびそれらをD.I.,I.I,押出し、引抜き等の工法で液管化後、切削、超仕上げ、研磨等で表面処理した管等を使用することができる。
【0026】
積層タイプの有機系感光層(電荷発生層121及び電荷輸送層122からなる)について述べると、電荷発生層121は電荷発生物質を主材料とした層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。
バインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。
【0027】
電荷発生物質としては、例えば、シーアイピグメントブルー25〔カラーインデックス(CI)21180〕、シーアイピグメントレッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド3(CI45210)、さらに、ポリフィリン骨格を有するフタロシアニン系顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−95033号公報に記載)、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−133455号公報に記載)、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料(特開昭53−132547号公報に記載)、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−21728号公報に記載)、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−12742号公報に記載)、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−22834号公報に記載)、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17733号公報に記載)、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−2129号公報に記載)、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料(特開昭54−17734号公報に記載)、さらに、シーアイピグメントブルー16(CI74100)等のフタロシアニン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI73410)、シーアイバッドダイ(CI73030)等のインジゴ系顔料、アルゴスカーレットB(バイオレット社製)、インダンスレンスカーレットR(バイエル社製)等のベリレン系顔料などが挙げられる。
これら電荷発生物質の中でもアゾ顔料が好適である。
【0028】
これらの電荷発生物質は単独で、あるいは2種以上併用して用いられる。
バインダー樹脂は、電荷発生物質100重量部に対して0〜100重量部用いるのが適当であり、好ましくは0〜50重量部である。
電荷発生層121は、電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂とともに、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、ジオキサン、ジクロルエタン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより形成できる。
塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
電荷発生層121の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0029】
電荷輸送層122は、電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層121、導電性基体11又は中間層13上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
【0030】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体等の電子供与性物質が挙げられる。
【0031】
電子輸送物質としては、たとえば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノンジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電荷輸送物質は単独で又は2種以上が混合して用いられる。
【0032】
バインダー樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共合重体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレンなどが用いられる。
電荷輸送層122の厚さは、5〜50μm程度が適当である。
【0033】
また、電子写真感光体は、図2及び図3(B)にみられるように、導電性基体11と感光層12との間に中間層13を設けることにより、感光体としての効果を一層向上させることが可能であり、また接着性を改良することもできる。
【0034】
中間層13には、SiO、Al2O2等の無機材料を蒸着、スパッタリング、陽極酸化などの方法で設けたものや、ポリアミド樹脂(特開昭58−30757号、特開昭58−98739号などの公報に記載)、アルコール可溶性ナイロン樹脂(特開昭60−196766号公報に記載)、水溶性ポリビニルブチラール樹脂(特開昭60−232553号公報に記載)、ポリビニルブチラール樹脂(特開昭58−106549号公報に記載)、ポリビニルアルコールなどの樹脂層を用いることができる。
この中間層13にはZnO、TiO2、ZnSなどの顔料粒子が適当量分散されていてもよく、また、中間層13としてシランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
中間層13の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0035】
これまでにあげた感光体には、必要に応じて、その感光層12上に保護層14が設けられる(図3(A)、(B))。
保護層14に使用される樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニル共重合体樹脂、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンフタレート、ポリイミド、メタクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0036】
この保護層14には、耐摩耗性の観点から、添加剤としてポリテトラフロロエチレン樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂を添加し、摩擦係数を下げ耐摩耗性並びに耐傷化性の向上を図ることができ、また酸化チタン、酸化類、チタン酸カリウムの無機化合物を前記樹脂中に分散しても耐摩耗性が向上する。
保護層14の膜厚は、0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0038】
比較例1
Al蒸着したポリエステルフィルム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥して各々0.2μm厚の下引き層0.3μm厚の電荷発生層および22μm厚の電荷輸送層を形成し、比較例の感光体を作成した。
〔下引き層塗工液〕
メタノール 80部
n−ブタノール 20部
アルコール可溶性ナイロン(アラミンCM−8000,東レ製) 3部
上記組成のメタノール/n−ブタノール混合溶媒にアルコール可溶性ナイロンを溶解し、下引き層塗工液を作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造のアゾ顔料
【化10】
シクロヘキサン 100部
テトラヒドロフラン 50部
〔電荷輸送層塗工液〕
ジクロロメタン 83部
ポリカーボネート(パンライトK−1300、帝人化成製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化11】
以上の感光体を接地用導電層処工し、ベルト接合して実装用の感光体とした。
【0039】
実施例1〜9
比較例1の感光体上に表11に示す酸化防止剤をそのまま付着させて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例1〜9および比較例1の各感光体をLP−4080用カセットに着装し、二酸化チッ素暴露試験機中で、NO2濃度5ppm、25℃、湿度35%の条件下に5日間放置した。その後、リコー製レーザープリンターLP−4080でプリントを行ない、画像部の画像濃度をマクベス濃度計で測定し、1枚目と1000枚目の値を表10に示す。
【表10】
【0040】
比較例2
直径40mmのアルミニウム・シリンダー上にプラズマCVD法により厚さ.5μmのアモルファスシリコン(a−Si:H)層を設け、電荷発生層とした。次いでこの上に下記組成の電荷輸送層塗工液を塗布・乾燥して20μmの電荷輸送層を形成し、比較例の電子写真感光体を作成した。
〔電荷輸送層塗工液〕
トルエン 320部
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−200、三菱ガス化学製)10部
下記構造式の電荷輸送物質 49部
【化12】
【0041】
実施例10〜18
比較例2の感光体を−5.3kVの放電々圧を有するコロナ帯電器にて均一帯電を施し、すぐに暗所で表12の酸化防止剤をその感光体表面に付着させ、本発明の電子写真感光体を作成した。
実施例10〜18および比較例2の各感光体をLP−1060用カセットに着装し、オゾン暴露試験機中でオゾン濃度5ppm、35℃で5日間放置した。
その後リコー製レーザープリンターLP−1060、SP−3にてプリントを行ない、画像の地肌部の汚れを目視にて5段階に評価した。ただしランク5を良、ランク1を否とする。結果を表11に示す。
【表11】
【0042】
比較例3
直径60mmのアルミシリンダー上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、電荷発生層用塗工液、保護層用塗工液を順次、塗布、乾燥して各々17μm厚の電荷輸送層、0.5μm厚の電荷発生層および2μm厚の保護層を形成し、比較例3の電子写真感光体を作成した。
〔電荷輸送層塗工液〕
クロロホルム 9部
ポリエステル(バイロン200、東洋紡製) 1部
下記構造式の電荷輸送物質 1部
クロロホルムにポリエステル、電荷輸送物質を溶解し、電荷輸送層塗工液を作成した。
【化13】
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式のアゾ顔料 6部
【化14】
ポリビニルブチラール
(積水化学工業(株)エスレックBL−1) 1部
シクロヘキサン 200部
2−ブタン 50部
〔保護層用塗工液〕
スチレン−メチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチル
メタクリレート−トリフロロエチルメタクリレート共重合体 10部
導電性酸化チタン 8部
トルエン 100部
n−ブタノール 50部
【0043】
実施例19〜27
比較例3の感光体上に表13に示す各酸化防止剤を、ポリメタクリル酸メチルでマイクロカプセル化したものを付着させ、本発明の電子写真感光体を得た。
実施例19〜27および比較例3の各感光体を遮光用黒色紙でおおい、ダンボール箱に収納し、30℃、90%の環境下に1ケ月間放置した。
次に、各感光体を特開昭60−100167号公報に開示されている測定装置を用い、以下のように評価した。+5.7kVの放電電圧で20秒間コロナ帯電を施し、その後20秒間暗減衰させて、次いで10luxのタングステン光を照射した。
この時の帯電開始1秒後と20秒後の表面電位V1(V)、V20(V)および暗減衰20秒後の表面電位V40(V)を測定し、また、V40を半分の電位に光減衰させるのに必要な露光量E1/2(lux・sec)を測定した。なお、暗減衰率(D.D)は、次式で定義される。
D.D=V40/V20
更に、上記条件の帯電と露光を同時に30分間行なって疲労させた後、再び前記と同様の測定を行なった。
試験結果を表12に示すが測定はすべて常温常湿下で行なった。
【表12】
【0044】
比較例4
直径80mmのアルミシリンダー上に、真空蒸着法によって厚さ60μmのAS−Se感光層を設けた。この上に下記組成の保護層塗工液を塗布・乾燥して3μm厚の保護層を形成し、比較例4の感光体を作成した。
〔保護層塗工液〕
スチレン−メタクリル酸−Nメチロールメタクリルアミド樹脂 10部
酸化アンチモン10%含有酸化スズ 30部
トルエン 80部
n−ブタノール 70部
【0045】
実施例28〜36
比較例4の感光体を、表14に示す各酸化防止剤を3重量パーセント含むアセトン溶液に、浸漬後引き上げて乾燥し、本発明の電子写真感光体を得た。
実施例28〜36および比較例4の各感光体をリコピーFT−6550に塔載し、ただちに30℃、90%の環境下に持ち込み、そのまま2週間放置した。その後、同環境下にて複写を行ない、画像に発生する像流れ現象を目視で5段階に評価した。たたし、ランク5は像流れが発生しないことを表わし、ランク1は著しく発生することを意味する。結果を表13に示す。
【表13】
【0046】
実施例37
以上に感光体の構成を示す。
φ80mmのAlドラム上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥して、各々0.2μm厚の下引き層0.3μm厚の電荷発生層および22μm厚の電荷輸送層を形成し、本発明の感光体を作成した。
〔下引き層塗工液〕
メタノール 80部
n−ブタノール 20部
アルコール可溶性ナイロン(アラミンCM−8000、東レ製) 3部
上記組成のメタノール/n−ブタノール混合溶媒にアルコール可溶性ナイロンを溶解し、下引き層塗工液を作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式のアゾ顔料 2部
【化15】
シクロヘキサン 100部
テトラヒドロフラン 50部
以上を混合し、20時間ボールミリングしたものを塗工液とした。
〔電荷輸送層塗工液〕
ジクロロメタン 83部
ポリカーボネート(パンライトK−1300、帝人化成製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
シリコンオイル(KF−50、信越化学工業製) 0.002部
【化16】
ジクロロメタンにポリカーボネート、電荷輸送物質、シリコンオイルを溶解し電荷輸送層塗工液を作成した。
次に電子写真用紙の構成を示す。
亜硫酸及びソーダ木パルプをそれぞれ500gずつ叩解機に入れ、水を加えて濃度を4%として、これに粘土250g、ロジン酸ソーダ溶液を順次加え、硫酸アルミニウム5g加え、最後に化合物No(II)−124の酸化防止剤を10g加え、3時間叩解した。以上の液を長網式抄紙機を用いて濾した後、プレス、乾燥工程を経て、適当な大きさに裁断した。
前記感光体を複写機リコーイマジオ320を用いて10000枚のランニング試験を行なった(25℃、60%RH)。この際、上記電子写真用紙をランニング用紙として用いた。評価は10000枚目の画像を評価した。
【0047】
比較例5
実施例1の電子写真用紙に酸化防止剤を添加しない以外は全く同様に評価した(感光体は同じ)。
実施例37の電子写真用紙を用いた場合、正常な画像であったが比較例5の場合、10000枚目の画像は白ポチを生じていた。
【0048】
実施例38
以下に感光体の構成を示す。
Al蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層用塗工液に順次、塗布・乾燥して各々0.3μm厚の下引き層、0.2μm厚の電荷発生層および19μm厚の電荷輸送層を形成した。
〔下引き層塗工液〕
水 35部
メタノール 50部
水溶性ポリビニルアルコール
(エスレックW−201、積水化学製) 15部
上記組成水/メタノール混合溶媒に水溶性ポリビニルブチラールを溶解し、下引き層塗工液を作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式のアゾ顔料 5部
【化17】
ポリビニルブチラール
(積水化学工業(株)製、エスレックBM0−S) 2部
シクロヘキサノン 300部
2−ブタノン 200部
以上を混合し、36時間ボールミリングしたものを塗工液とした。
〔電荷輸送層塗工液〕
1,2−ジクロロエタン 83部
ポリエステル(バイロン200,東洋紡製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
シリコンオイル(KF−54、信越化学工業製) 0.002部
ジクロロエタンにポリエステル、電荷輸送物質、シリコンオイル溶解し電荷輸送層塗工液を作成した。
【化18】
以上作成した感光体のベルト接合を行ない、実装用の感光体とした。
次に電子写真用紙の構成を示す。
実施例37において電子写真用紙に用いた酸化防止剤を化合物No(II)−201の酸化防止剤に代えた以外は同様に作成した。
【0049】
比較例6
電子写真用紙に酸化防止剤を添加しない以外は同様に作製し、評価した(感光体は、実施例37と同じ)。
前記感光体を複写機リコーマイリコピーM5に塔載し、30℃、90%RHの環境下で、3000枚のランニングテストを行なった。実施例38の電子写真用紙は普通紙50枚につき1枚流した。3001枚目の画像において、実施例38の電子写真用紙を用いた場合、1枚目とかかわらず良好であったが、比較例6の場合地汚れが発生した。
【0050】
実施例39
以下に感光体の構成を記す。
φ40mmのAlドラムを下記の条件にて下引き層を形成した後、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、中間層用塗工液、保護層用塗工液を順次、塗布乾燥し、各々0.3μm厚の電荷発生層、20μmの電荷輸送層、0.2μm厚の中間層、2μmの保護層を形成した。
〔下引き層形成条件〕
導電性基体を陽極に用い、15%硫酸溶液中で15分間電解処理し、導電性基体上に陽極酸化皮膜を形成した。さらにこの基体を濃度6g/l、液温70℃の酢酸ニッケル溶液中に5分間浸漬させて封孔処理を行った。なお、基体上に形成された酸化皮膜の膜厚は6μmであった。
〔電荷発生層用塗工液〕
ε型銅フタロシアニン 3部
ポリサルホン(日産化学(株)製、P−1700) 1部
シクロヘキサン 60部
2−ブタノン 40部
以上を混合し、30時間、ボールミリングしたものを塗工液とした。
〔電荷輸送層用塗工液〕
ジクロロメタン 100部
ポリカーボネート(レキサン141、GE製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 10部
シリコンオイル 0.2部
ジクロロメタンにポリカーボネート、電荷輸送物質、シリコンオイルに溶解して電荷輸送層塗工液を作成した。
【化19】
〔中間層用塗工液〕
可溶性ナイロン(東レ(株)製、アラミンCM−4000) 3部
メタノール 100部
〔中間層用塗工液〕
St−MMA−2−HEMA共重合体 10部
酸化スズ(三菱金属) 5部
トルエン 100部
セロソルブアセテート 60部
メチルブチルケトン 40部
以上をボールミリング60時間行なった後ポリイソシアネート(住友バイエル製、スミジュールHT)2部を加え塗工液とした。
次に電子写真用紙の構成を示す。
実施例37の電子写真用紙に用いた酸化防止剤を化合物No(III)−6の酸化防止剤に代えた以外は同様に作成した。
【0051】
比較例7
電子写真用紙に酸化防止剤を添加しない以外は同様に作成し評価した(感光体は実施例39と同じ)。
以上の様に作成した感光体をレーザープリンターリコーLP1060−SP3改造機に塔載し、30℃、90%RHの環境下で5000枚のランニングを行なった。この際、実施例3の電子写真用紙はランニング用紙として流し続けた。評価は1枚目、5000枚終了後の現像部のドラム評面電位を電位計にて測定し、以下の結果を得た。
【表14】
【0052】
実施例40
以下に感光体の構成を示す。
Ni蒸着したマイラーフィルム上に、下記組成の電荷輸送層用塗工液、電荷発生層用塗工液、保護層用塗工液を順次、塗布、乾燥して各々20μm厚の電荷輸送層0.5μmの電荷発生層および2μm厚の保護層を形成した。
〔電荷輸送層塗工液〕
クロロホルム 9部
ポリエステル(バイロン200、東洋紡製) 1部
下記構造式の電荷輸送物質 1部
シリコンオイル(KF−50、信越化学工業製) 0.02部
クロロホルムポリエステル、電荷輸送物質、シリコンオイルを溶解し、電荷輸送層塗工液を作成した。
【化20】
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式のアゾ顔料 6部
【化21】
ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)エスレックBL−1) 1部
シクロヘキサン 200部
2−ブタノン 50部
以上を混合し、20時間ボールミリングしたものを塗工液とした。
〔保護層用塗工液〕
スチレン−メチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチル
メタクリレート−トリクロロエチルメタクリレート共重合体 10部
導電性酸化チタン 8部
トルエン 100部
n−ブタノール 50部
以上を混合し、ボールミリング36時間したものを塗工液とした。
以上作成した感光体にベルト接合処理を行ない実装用の感光体とした。
次に電子写真用紙の構成を示す。
実施例37の電子写真用紙に用いた酸化防止剤を化合物No(IV)−1の酸化防止剤に代えた以外は、同様に作成した。
【0053】
比較例8
電子写真用紙に酸化防止剤を添加しない以外は同様に作成し評価した(感光体は実施例39と同じ)。
以上の様に作成した感光体をレーザープリンターリコーLP3320−SP4を正帯電にて使用できる様に改造したものに塔載し、15℃、30%の環境下で3000枚のランニングを行なった。実施例40の電子写真用紙は普通紙、100枚につき1枚流した。3000枚目の画像において、実施例40の電子写真用紙を用いた場合1枚目と変わらず良好であったが、比較例8の場合、地汚れが発生した。
【0054】
実施例41
以下に感光体の構成を示す。
φ80mmのAlドラム上に、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液、中間層用塗工液を順次、塗布、乾燥して各々0.2μm厚の電荷発生層、20μm厚の電荷輸送層、0.2μm厚の中間層を形成した。更にその上に、真空薄膜作成法により、下記の保護層を形成した。
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のアゾ顔料 2部
【化22】
フェノキシ樹脂(UCC社製、VYHH) 1部
シクロヘキサノン 150部
2−ブタノン 150部
以上を混合し、36hrsボールミリングしたものを塗工液とした。
〔電荷輸送層塗工液〕
テトラヒドロフラン 100部
ポラカーボネート(パンライトC−1400、帝人化成製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 9部
シリコンオイル(KF−50、信越化学工業製) 0.1部
テトラヒドロフランにポリカーボネート、電荷輸送物質、シリコンオイルを溶解し電荷輸送層塗工液を作成した。
【化23】
〔中間層塗工液〕
可溶性ナイロン(東レ(株)製アミランCM−4000) 2部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
〔保護層〕
プラズマCVDによりa−c薄膜を形成した。
使用ガス:水素、ブタジエン、四フッ化炭素
次に電子写真用紙の構成を示す。
塗被用原紙に以下の塗工液をロールコーターを用いて両面に5μmずつ塗布乾燥し、電子写真用紙を得た。
テトラヒドロフラン 100部
Uポリマー(ユニチカ) 5部
化合物No(III)−13の酸化防止剤 25部
【0055】
比較例9
実施例41の包装紙より、酸化防止剤を除いた他は、すべて同様に評価した(感光体は同じ)。
以上の様に作成した感光体を複写機リコピーFT4800に塔載し、30℃90%の環境下で8000枚のランニング試験を行なった。実施例41の電子写真用紙は、普通紙80枚につき1枚流した。8000枚目の画像を評価した。8000枚目の画像において、実施例41の電子写真用紙を用いた場合1枚目と変わらず良好であったが、比較例9の場合、画像ボケが発生した。
【0056】
実施例42
以下に感光体の構成を示す。
Al蒸着したシームレスポリイミドフィルム上に、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布・乾燥して各々0.3μm厚の電荷発生証および25μmの電荷輸送層を形成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式のアゾ顔料 5部
【化24】
ポリビニルブチラール
(電気化学工業(株)製デンカブチラール#4000−1) 1部
シクロヘキサノン 300部
以上を混合し、ボールミリング48時間したものを塗工液とした。
〔電荷輸送層塗工液〕
トルエン 320部
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ−200、三菱ガス化学製)70部
下記構造式の電荷輸送物質 49部
シリコンオイル(KF−54、信越化学工業製) 0.01部
トルエンにポリカーボネート、電荷輸送物質、シリコンオイルを溶解し、電荷輸送層塗工液を作成した。
【化25】
次に電子写真用紙の構成を示す。
塗被用原紙に以下の塗工液をエアーナイフコーターを用いて片面に10μm塗布・乾燥し、電子写真用紙を得た。
蒸留水 190部
ポリビニルアルコール 5部
化合物No(II)−135の酸化防止剤 20部
以上を混合・分散し塗工液とした。
前記感光体を複写機リコピーFT−2050を用いて5000枚のランニング試験を行なった(25℃、60%RH)。この際、上記電子写真用紙を塗布面が感光体側になるようにランニング用紙として用いた。評価は、5000枚目の画像の黒ベタ部の画像濃度を市販のマクベス濃度計で測定した。
【0057】
比較例10
実施例42の電子写真用紙に酸化防止剤を添加しない以外は全く同様に評価し、以下の結果を得た。
【表15】
【0058】
実施例43
以下に感光体の構成を示す。
φ120mmのAlドラムに、下記組成の下引き層を形成し、さらにその上に下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥し各々0.1μm厚の下引き層を順次、塗布乾燥し、各々0.1μm厚の下引き層、0.2μm厚の電荷発生層、18μm厚の電荷輸送層を形成した。
〔下引き層塗工液〕
SnO2より成る下引き層をスパッタ装置により基板上に作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造のアゾ顔料 5部
【化26】
ポリビニルブチラール(UCC社製:XYHL) 2部
テトラヒドロフラン 400部
エチルセルソルブ 200部
以上を混合し、アトライターにより10hrs分散したものを塗工液とした。
〔電荷輸送層塗工液〕
テトラヒドロフラン 83部
ポリアリレート(U−ポリマー、U−100、ユニチカ製) 10部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
シリコンオイル 0.002部
テトラヒドロフランにポリアリレート、電荷輸送物質、シリコンオイルを溶解し電荷輸送層塗工液を作成した。
【化27】
次に電子写真用紙の構成を示す。
塗被用原紙に、以下の塗工液をエアーナイフコーターを用いて片面に7μm塗布、乾燥し電子写真用紙を得た。
蒸留水 200部
ポリビニルアルコール 3部
化合物No(II)−63の酸化防止剤 20部
以上を混合、分散し塗工液とした。
【0059】
比較例11
実施例43の電子写真用紙により、酸化防止剤を除いた他は、すべて同様に評価した(感光体は同じ)。
前記感光体を複写機アーテージ5330を用いて5000枚のランニング試験を行なった(15℃、30%RH)。この際、上記電子写真用紙を普通紙50枚につき塗布面が感光体側になる様に1枚流した。評価は5000枚目の画像評価とした。実施例43の電子写真用紙を用いた場合、5000枚目は、1枚目と同様に良好な画像を与えたが、比較例11の場合、白ベタ部に地汚れを生じた。
【0060】
実施例44
以下に感光体の構成を記す。
Al蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥し、各々0.2μm厚の電荷発生層及び24μmの電荷輸送層を形成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式のアゾ顔料 5部
【化28】
ポリカーボネート(帝人製パンライト1250) 2部
テトラヒドロフラン 500部
以上を混合し、15時間アトライターにより分散したものを塗工液とした。
〔電荷輸送層塗工液〕
ジクロロメタン 75部
ポリカーボネート(パンライトK−1300、帝人化成製) 5部
ポリカーボネート(ユーピロンZ−200、三菱ガス化学製) 5部
下記構造式の電荷輸送物質 8部
シリコンオイル(KF−50、信越化学工業製) 0.1部
ジクロロメタンにポリカーボネート、電荷輸送物質、シリコンオイルを溶解し、電荷輸送層塗工液を作成した。
【化29】
以上を作成後、ベルト接合処理により実装用の感光体とした。
次に電子写真用紙の構成を示す。
塗被用原紙に、以下の塗工液をロールコーターを用いて片面5μm塗布、乾燥し電子写真用紙を得た。
テトラヒドロフラン 200部
塩ビ−酢ビ共重合体 10部
化合物No(II)−48の酸化防止剤 20部
以上を混合・溶解し塗工液とした。
【0061】
比較例12
実施例44の電子写真用紙により、酸化防止剤を除いた他は、すべて同様に評価した(感光体は同じ)。
前記感光体を複写機リコピーFT2050の現像部の感光体表面電位が測定出来る様に改造した装置を用いて6000枚のランニング試験を行なった。この際、上記電子写真用紙をランニング用紙として用いた。評価は1枚目と6000枚目の表面電位を測定し、以下の結果を得た。
【表16】
【0062】
実施例45
以下に感光体の構成を示す。
φ80mmのAlドラムに、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送用塗工液を順次、塗布・乾燥し、各々0.2μm厚の下引き層、0.1μm厚の電荷発生層および21μm厚の電荷輸送層を形成した。
〔下引き層塗工液〕
水 200部
メタノール 100部
ポリビニルアルコール(デンカポバールH−20、電気化学工業製)2部
上記組成水/メタノール混合溶媒にポリビニルアルコールを溶解し、下引き塗工液を作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式のアゾ顔料 5部
【化30】
ポリエステル(東洋紡積(株)製バイロン300) 0.5部
シクロヘキサノン 300部
4−メチル−2−ペンタノン 100部
以上を混合し、36時間ボールミリングしたものを塗工液とした。
〔電荷輸送層塗工液〕
モノクロロベンゼン 40部
ポリカーボネート(ユーピロンZ−300、三菱ガス化学製) 6部
下記構造式の電荷輸送物質 5部
シリコンオイル(KF−50、信越化学工業製) 0.1部
モノクロロベンゼンにポリカーボネート、電荷輸送物質、シリコンオイルを溶解し電荷輸送層塗工液を作成した。
【化31】
次に電子写真用紙の構成を示す。
実施例41にて作成した電子写真用紙に以下の塗工液をロールコーターを用いて片面に5μm塗布・乾燥し電子写真用紙を得た。
メタノール 100部
アルコール可溶性ナイロン(東レ:CM−8000) 10部
化合物No(II)−2の酸化防止剤 30部
以上を混合溶解し塗工液とした。
【0063】
比較例13
実施例45の電子写真用紙より、酸化防止剤を除いた他は、すべて同様に評価した(感光体は同じ)。
前記感光体を複写機リコピーFT−4820を用いて5000枚のランニング試験を行なった(25℃、40%)。この際、上記電子写真用紙を塗布面が感光体側になる様に普通紙100枚につき1枚流した。評価は、1枚目及び5000枚目の画像の黒ベタ部の画像濃度を市販のマクベス濃度計で測定し、以下の結果を得た。
【表17】
【0064】
実施例46
アルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次、塗布・乾燥して各々0.2μm厚の電荷発生層および22μm厚の電荷輸送層を形成し本発明の電子写真感光体を作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式の電荷発生物質 4部
【化32】
シクロヘキサノン 200部
2−ブタノン 150部
〔電荷輸送層塗工液〕
下記構造式の電荷輸送物質 7部
【化33】
ポリアリレート(ユニチカ(株)U−100) 9部
テトラヒドロフラン 80部
以上作成した感光体のベルト接合を行ない、実装用の感光体とした。
次に部材の構成について述べる。
化合物No(X)−1の昇華性酸化防止剤 50部
AIBN 5部
ポリスチレン原料 100部
以上混合したものを押出機で100℃に加熱・溶融し、大気中に押し出して発泡して切断後所定の形状寸法に成形した。
前記感光体及び部材を複写機FT2050に塔載し、3000枚のランニング試験を行なった。(25%、60%RH)。評価は3000枚目の画像を評価した。
【0065】
比較例14
実施例46の部材より昇華性酸化防止剤を添加しない以外は、全く同様に評価した。
実施例46の部材を用いた場合には、1枚目と同様に、3000枚目も良好な画像を与えたが、比較例19の場合地汚れが発生した。
【0066】
実施例47
ハステロイ導電層を設けたポリエチレンテレフタレートフィルム上に、下記組成の下引層塗工液、電荷発生層塗工液および電荷輸送層塗工液を順次・塗布・乾燥して、各々2μmの下引層、0.3μmの電荷発生層および18μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作成した。
〔下引層塗工液〕
二酸化チタン 10部
ポリエステル(東洋紡績(株)バイロン200) 1部
トルイレン−2,4−ジイソシアネート 0.2部
2−ブタノン 100部
4−メチル−2−ペンタノン 70部
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式の電荷発生物質 4部
【化34】
ポリビニルブチラール樹脂 1部
(電気化学工業(株)製デンカブチラール#4000−1)
シクロヘキサノン 300部
2−ブタノン 50部
〔電荷輸送層塗工液〕
下記構造式の電荷輸送物質 9部
【化35】
ポリカーボネート(帝人化成(株)製パンライトK−1300) 10部
テトラヒドロフラン 80部
以上作成した感光体のベルト接合を行ない、実装用の感光体とした。
次に、部材の構成について述べる。
化合物No(X)−20の昇華性酸化防止剤 40部
ポリ塩化ビニル 100部
アゾジカルボンアミド 5部
以上混合したものを130℃な加熱・溶融したものを中空でポリプロピレン容器にコーティング成形した。
前記感光体及び部材を複写機FT2050の現像部直前の黒ベタ部に表面電位計をセットできる様に改造した装置に塔載した。30℃、90%の環境下で4000枚のランニングテストを行なった。評価は1枚目と4000枚の表面電位を測定した。
【0067】
比較例15
実施例47の部材を塔載しない以外は、同様に評価し以下の結果を得た。
【表18】
【0068】
実施例48
φ80のAl円筒状支持体上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液および保護層塗工液を順次、塗布・乾燥して各々0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層および5μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式の電荷発生物質 3部
【化36】
ポリビニルブチラール(UCC社 XYHL) 0.5部
シクロヘキサノン 100部
テトラヒドロフラン 100部
〔電荷輸送層塗工液〕
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化37】
ポリエステル(東洋紡績(株)製バイロン200) 10部
テトラヒドロフラン 70部
〔保護層塗工液〕
スチレン−メチルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート−トリフロロエチレンメタクリレート共重合体 70部
導電性酸化チタン 90部
トルエン 220部
n−ブタノール 60部
次に、部材の構成について述べる。
化合物No(X)−16の昇華性酸化防止剤 30部
クロロプレンゴム 80部
ジニトロソペンタメチレンラトラミン 5部
以上混合したものを120℃に加熱後、加圧成形により成形した。
前記感光体及び部材を複写記リコピーFT4820に塔載し30℃、90%の環境下で10000枚のランニングテストを行なった。評価は1枚目、1000枚目の画像を評価した。
【0069】
比較例16
実施例48の部材より昇華性酸化防止剤を除いた以外は同様の評価をした。実施例48の画像は、1枚目、10000枚目ともに良好な画像を与えたが、比較例16の場合、10000枚目にて画像流れが発生した。
【0070】
実施例49
φ60のAl円筒状支持体上に、下記組成の電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液および保護層塗工液を順次、塗布・乾燥して各々0.2μmの電荷発生層、19μmの電荷輸送層および3μmの保護層を形成し、本発明の電子写真感光体を作成した。
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式の電荷発生物質 4部
【化38】
ポリビニルブチラール
(積水化学工業(株)製エスレックBM−S) 2部
トルイレン−2,4−ジイソシアネート 0.1部
シクロヘキサノン 400部
2−ブタノン 100部
〔電荷輸送層塗工液〕
下記構造式の電荷輸送物質 9部
【化39】
ポリカーボネート(帝人化成(株)製、パンライトK−1300)11部
塩化メチレン 80部
〔保護層塗工液〕
スチレン−メチルメタクリレート−3−ヒドロキシプロピルトリ
メトキシシラン共重合体 80部
酸化錫 90部
トルエン 170部
2−ブタノン 100部
次に部材の構成について述べる。
化合物No(X)−3の昇華性酸化防止剤 20部
SBR 70部
パラトルエンスルホニルヒドラジド 6部
以上を混合後、加圧成形により成形した。
前記感光体及び部材をレーザープリンターLP1060−sp3に塔載し、15℃、30%の環境下で7000枚のランニングテストを行なった。評価は、7000枚目の画像にて評価した。
【0071】
比較例17
実施例50の部材を塔載しない以外は、同様の評価をした。
実施例54の画像は、1枚目と同様7000枚目も良好な画像を与えたが、比較例22の場合、クリーニングブレードの劣化により欠けを生じ、画像に黒スジが発生した。
【0072】
実施例51
実施例49と同じ支持体上に下記組成の下引層塗工液、電荷発生層塗工液および電荷輸送層塗工液を順次、塗布、乾燥して各々0.3μmの下引層、0.2μmの電荷発生層および20μmの電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光体を作成した。
〔下引層塗工液〕
水溶性ポリビニルブチラールの25%水溶液
(積水化学工業(株)製エスレックW−201) 50部
水 150部
メタノール 200部
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式の電荷発生物質 5部
【化40】
ポリエステル(東洋紡績(株)製バイロン200) 2部
トルイレン−2,4−ジイソシアネート 0.1部
テトラヒドロフラン 200部
4−メチル−2−ペンタノン 300部
〔電荷輸送層塗工液〕
下記構造式の電荷輸送物質 8部
【化41】
ポリカーボネート(帝人化成(株)製パンライトL−1250) 10部
テトラヒドロフラン 70部
次に、部材の構成について述べる。
化合物No(X)−7の昇華性酸化防止剤 40部
ポリエチレン 100部
発泡剤(FE−507、永和化成工業) 7部
以上を混合後、押出成形により成形した。
前記感光体及び部材を複写機リコピーFT4820に塔載した。30℃、90%にて10000枚のランニングテストを行なった。評価は、画像黒ベタ部のI.D.を市販のマクベス濃度計にて測定した。
【0073】
比較例18
実施例51の部材より酸化防止剤を除いた他は、すべて同様に評価し、以下の結果を得た。
【表19】
【0074】
【発明の効果】
本発明の感光体は、くり返し使用により高感度をそこなう事なく、帯電電位の低下を抑制する事が可能となる。すなわち、ポジ−ポジ現像においては画像濃度の低下を防ぐネガ−ネガ現像においては地肌部の汚れを防止できる。
又、本発明の感光体は、複写機等の中における耐環境性(耐反応ガス性)にも優れるため、高耐久どかつ異常画像の発生も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる単層型電子写真感光体の模式断面図。
【図2】(A)及び(B)は本発明の対象となる積層型電子写真感光体の模式断面図。
【図3】本発明の対象となる中間層を設けた電子写真感光体の模式断面図。
【図4】(A)及び(B)は本発明の対象となる保護層を設けた電子写真感光体の模式断面図。
Claims (4)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積層した電子写真感光体において、感光体製造後、電子写真装置に搭載するまでの間、感光体表面に酸化防止剤を付着させておくことを特徴とする電子写真感光体。
- 電荷発生層に含有される電荷発生物質がアゾ顔料であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 感光体の表面に保護層を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を積層した電子写真感光体の保管方法において、感光体製造後、電子写真装置に搭載するまでの間、感光体表面に酸化防止剤を付着させておくことを特徴とする電子写真感光体の保管方法。
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