JP3590226B2 - 光モジュ−ル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光コネクタに関し、特に筒状のスリーブを有し、そのスリーブの筒状内部で光ファイバや光導波路等の光学素子が光学的に結合する光コネクタを有する光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザを信号光源とする光通信の進歩に伴い、数ギガヘルツを越える高速、高密度な信号伝送が実用化されている。この高速、高密度の信号伝送に用いられる光部品の1つに、半導体レーザへの反射戻り光を防止する目的で使用される光アイソレータがある。光アイソレータには、特定の偏波方向の光以外は透過させない偏波依存型光アイソレータと、任意の偏波方向の光をすべて透過させる偏波無依存型の光アイソレータとがある。このうち、後者の偏波無依存型の光アイソレータは、信号伝送系の中継光増幅器等に用いられ、今後大きな需要が見込まれている。
【0003】
従来より、光ファイバどうし、あるいは光ファイバと光導波路等の光学素子とを結合する際に使用する光コネクタには、結合面での反射戻り光を防止するために、この光アイソレータ、特に偏波無依存型の光アイソレータを介して接続する構成としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の偏波無依存型の光アイソレータは、ファラデー回転子と複数の複屈折偏光板を用いて構成される。そのために、それを用いて製作される光コネクタは、以下のような問題があった。
【0005】
(1)部品点数が多く、各構成部品を精密に光学調整しなければならないために、工数が多く、組立が煩雑であり時間がかかる。
【0006】
(2)光アイソレータ部での構成部品が多いために、これに接続する光ファイバ間、あるいは光ファイバと光学素子間の光の伝達空間が長くなり、光軸調整が非常に困難で、結合損失が大きくなり、設置後も安定性に欠ける。
【0007】
(3)光導波路等の光学素子を光アイソレータに接続する際に、直接光アイソレータに接続することができないために、測定器、通信装置内に光コネクタを組み込むと大きく場所を取りすぎる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点に鑑みて本発明は、筒状のスリーブを有し、該スリ−ブ内部で光ファイバと光アイソレータとを光学的に結合させる光コネクタを有する光モジュールにおいて、前記スリーブの一端に、一体化した光アイソレータとレンズ、光ファイバ内蔵のフェルールの順で、かつ前記光ファイバが前記スリーブ内で光ファイバ付きのフェルールと接続されるように挿設してなり、上記レンズにて光軸方向から数度離れる方向に戻り光を放射して除去し、前記スリーブの一端で光導波路と前記光アイソレータとをシリコンプラットフォームによって接続し、前記光ファイバ付きのフェルールを他端から挿入して、前記光ファイバ内蔵のフェルールと光学的に結合して構成されることを特徴とするものである。
また、筒状のスリーブを有し、該スリ−ブ内部で光ファイバと光アイソレータとを光学的に結合させる光コネクタを有する光モジュールにおいて、前記スリーブの一端に、一体化した光アイソレータとコア拡大光ファイバ内臓のフェルールとが接続され、かつ前記コア拡大光ファイバが前記スリーブ内で光ファイバ付きのフェルールと接続されるように挿設してなり、上記コア拡大光ファイバにて光軸方向から数度離れる方向に戻り光を放射して除去し、前記スリーブの一端で光導波路と前記光アイソレータとをシリコンプラットフォームによって接続し、前記光ファイバ付きのフェルールを他端から挿入して、前記コア拡大光ファイバ内蔵のフェルールと光学的に結合して構成されることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1(a)は、本発明の光コネクタのスリーブ内に挿設される光アイソレータ付フェルールを示す構成図で、偏波無依存型の光アイソレータ1、フェルール2より構成される。これらを一体にして構成することで光アイソレータ付フェルール5が製作される。
【0012】
光アイソレータ1は、偏光子にルチル結晶等の分離型偏光子を用いたもので、それをクサビ型に構成、又は、波長板と共に使用する事で偏光無依存型光アイソレータとして機能するものである。本実施例での光アイソレータ1は、それらの光学素子を固着、一体化して構成したもので、各素子どうしの固着には、光透過性の接着剤、もしくはハンダガラス等が用いられる。この光アイソレータ1のサイズとしては、伝搬光の領域のみをカバーすれば良い為、サイズが小さくても十分である。また、ファラデー回転子には、通常周囲に磁石を設ける必要があるが、ガーネット自体が磁化されているガーネットを用いれば、磁石無しでも構成出来る。このように、ファラデー回転子と複数の複屈折偏光素子を光学調整した後、一体化して構成される偏波無依存型の光アイソレータを用いることで、スリーブ内に設置する時に光学調整の必要がなく、かつ光ファイバと光学素子間の光の伝達空間が短くなる。
【0013】
フェルール2は、レンズ3、光ファイバ4よりなり、レンズ3が光アイソレータ1に接続されてなる。レンズ3としては、レンズ機能を有する素子であればよく、例えば、図1に示すように屈折率分布型マルチモードファイバを使ったタイプのものが挙げられる。レンズ3と光ファイバ4の接続には、接着剤もしくは加熱融着される。なお、図1(a)に示した以外のものでも機能が同じならば、他の素子を使っても何ら差し支えない。
【0014】
また、本実施例では、フェルール2をレンズ3と光ファイバ4で構成したが、図1(b)に示すように、コア拡大光ファイバ4'を用いてもよく、その場合にはコア拡大光ファイバ4'のレンズ機能を有する面を光アイソレータ1に結合させれば良い。
【0015】
図2(a)は、図1(a)に示した光アイソレータ付フェルール5を用いて光コネクタを製作して光ファイバと光導波路との接続実装を行った状態を示す図で、光アイソレータ付フェルール5をスリーブ6内の一端に設置して、光ファイバ4をフェルール7を取り付けた光ファイバ8に光学的に結合し、光アイソレータ1を光導波路11に直接接続して固定したものを示す図である。光アイソレータ付フェルール5を入れたスリーブ6は、V溝等の位置固定用基板10上に固定実装される。その基板10と光導波路11側端面をアライメント調整により、最適な位置調整し、接着固定する。このように、一体化した偏波無依存型の光アイソレータ1の一端にレンズ3またはレンズ作用を有するコア拡大光ファイバ4'を接続することにより、光ファイバ4やコア拡大光ファイバ4'と光導波路11間での光の焦点を収束させることが可能となり、光アイソレータ1に光導波路11を直接接続することができる。
【0016】
図2(b)は、図2(a)の光アイソレータ付フェルール5付近の接続部構造の拡大図で、光が光ファイバ8から光導波路11に進む場合を説明する。光導波路11側の光は、光アイソレータ1により、最初のクサビプリズムの出射側で偏光方向が直交する2成分に分離され、ファラデー回転子で各45度同方向に回転し、次のプリズムに入射、直進、導波路に入射する。また、戻り光は、ガーネットの非相反性により、逆方向の偏光方向が90度異なる偏光となる為、結晶内の導波光の屈折率が変わり、出射光が、光軸方向から数度離れる方向に出射され、コア内を伝搬する導波光にならず、放射される。これにより、戻り光が除去されるようになる。
【0017】
次に、本発明を用いた応用例について説明する。
【0018】
図3(a)は、本発明による光コネクタ9を用いた光ファイバ増幅器用部品を示す平面図で、光コネクタ9はA部の入射部および出射部となる端面に装着されている。このように、基板12上に光導波路構造で方向性結合器を2個パラレルに設置し、各光導波路端面側に薄膜状の電極を置き、その上に励起光源素子、モニター用PD素子を設置し、各光導波路と結合する事で光ファイバ増幅器の光回路部を一つの部品で構成する事が出来る。図3(b)は、図3(a)の光ファイバ増幅器用部品を用いた光モジュールの実装外観図で、表面実装したLD素子と複数のPD素子を内部に搭載し、電気的な接続が必要な為、DIP型パッケージに搭載した構造となっている。
【0019】
なお、増幅器として使用する場合に、Erドープファイバは、図3上の右側の光コネクタ9のフェルール13,14間に固定すればよい。このように、光アイソレータ付フェルールと光導波路端面にシリコンプラットフォームを持つ導波路型素子と組み合わせる事で、このような簡易な構成で小型光ファイバ増幅器が構成できる。
【0020】
図4(a)は、図3で示した光増幅器モジュールの光回路構成図である。点線内が内部で、この図からわかるように、前方励起型の光ファイバー増幅器が構成されている。PD1は入力光モニター用PD、PD2は、出力反射光モニター用PD、PD3は、出力光モニター用PDである。
【0021】
図4(b)は、光ファイバー増幅器を構成した場合の平面図であり、光コネクタ9が配置されている側にErドープファイバ15を接続すれば光ファイバー増幅器として構成する事ができる。
【0022】
なお、本発明によるモジュールは、ここで示した実施例のみならず、後方励起型ファイバ増幅器モジュール、双方向型送受信光モジュール等多種、多様な光モジュールに適用出来る事は言うまでもない。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光モジュールによれば、組立が簡単で、光軸調整が容易で、結合損失が小さく、しかも直接光アイソレータに光導波路を接続することができるために、装置全体の小型化を実現できる光モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光モジュールの光コネクタのスリーブ内に挿設される光アイソレータ付フェルールを示す構成図である。
【図2】(a)は、図1に示した光アイソレータ付フェルールを用いた本発明の光コネクタを示す構成図で、(b)は、(a)の光アイソレータ付フェルール付近の拡大図である。
【図3】(a)は、本発明による光モジュールの光コネクタを用いた光ファイバ増幅器用部品を示す平面図で、(b)は、(a)の光ファイバ増幅器用部品を用いた光モジュールの実装外観図である。
【図4】(a)は、図3で示した光増幅器モジュールの光回路構成図であり、(b)は、光ファイバ増幅器を構成した場合の平面図である。
【符号の説明】
1:光アイソレータ
2,7:フェルール
3:レンズ
4:光ファイバ
4':コア拡大光ファイバ
5:光アイソレータ付フェルール
6:スリーブ
8:光ファイバ
9:光コネクタ
10,12:基板
11:光導波路
13,14:光導波路
15:Erドープファイバ

Claims (2)

  1. 筒状のスリーブを有し、該スリ−ブ内部で光ファイバと光アイソレータとを光学的に結合させる光コネクタを有する光モジュールにおいて、前記スリーブの一端に一体化した光アイソレータを有し、レンズおよび光ファイバをこの順に内蔵した光アイソレータ付フェルールが、前記スリーブ内で光ファイバ付きのフェルールと接続されるように挿設してなり、上記レンズにて光軸方向から数度離れる方向に戻り光を放射して除去し、前記スリーブの一端で光導波路と前記光アイソレータとをシリコンプラットフォームによって接続し、前記光ファイバ付きのフェルールを他端から挿入して、前記光アイソレータ付フェルールと光学的に結合して構成されることを特徴とする光モジュール。
  2. 筒状のスリーブを有し、該スリ−ブ内部で光ファイバと光アイソレータとを光学的に結合させる光コネクタを有する光モジュールにおいて、前記スリーブの一端に一体化した光アイソレータを有し、コア拡大光ファイバを内臓した光アイソレータ付フェルールが、前記スリーブ内で光ファイバ付きのフェルールと接続されるように挿設してなり、上記コア拡大光ファイバにて光軸方向から数度離れる方向に戻り光を放射して除去し、前記スリーブの一端で光導波路と前記光アイソレータとをシリコンプラットフォームによって接続し、前記光ファイバ付きのフェルールを他端から挿入して、前記光アイソレータ付フェルールと光学的に結合して構成されることを特徴とする光モジュール。
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