JP3589696B2 - 多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した 遺伝子の発現の定量的測定方法 - Google Patents

多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した 遺伝子の発現の定量的測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、逆転写並びにポリメラ−ゼ連鎖反応(PCR)による増幅の後の細胞のRNAレベルを定量的に測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PCRの技法は、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,965,188号に一般的に記載されている。PCRの技法は、一般に、核酸分子内の核酸配列に含まれる任意所望の特定の核酸配列を増幅する過程を含む。PCR法は、核酸の別々の相補的な系統(strains)を、過剰量の2種のオリゴヌクレオチドプライマ−で処理する工程を含む。これらのプライマ−を伸長させて、相補的なプライマ−伸長生成物を形成し、このプライマ−伸長生成物を、所望の核酸配列を合成する際の鋳型として作用させる。
【0003】
PCRの過程は、同時且つステップワイズに進行し、所望の回数だけ繰り返すことができるので、所望の核酸配列を高レベルまで増幅させることができる。PCR法によれば、各DNA系統上のプライマ−の間のDNA配列が、DNA並びに選択されたサンプルの残りの部分の上で選択的に増幅される。PCR法を用いることにより、DNAの所望の領域を特異的に増幅させることができる。
【0004】
PCRによって得られる生成物の収量は、ある不特定数のサイクルに亘って指数的に増加するものの、理由は不明であるが、ある時点で反応が限定されるようになり、PCR生成物が未知の割合で増加するようになる。その結果、同一のサンプルを同時に増幅した場合でも、増幅生成物の収量が6倍も異なることが報告されている(ギリランド(G.Gilliland)ら、米国科学アカデミ−紀要(Proc.Natl.Acad.Sci)87:2725−2729、1990)。これらの刊行物を初めとする参考文献は、本発明の背景、そして場合によっては、本発明の実施方法を更に詳しく説明するために引用したものであり、本発明は、これらをすべて参考文献として包含するものである。
【0005】
従って、PCRサイクルをある回数繰り返した後は、標的DNAの初期濃度を、外挿によって正確に決定することはできない。PCRを定量的に進行させる目的で、さまざまな研究者が、指数的増幅が進行することが分かっているサイクル数だけ増幅したサンプルの分析を行なってきた(ホリコシ(T.Horikoshi)ら、癌研究(Cancer Res.)52、108−116(1992);ヌ−ナン(K.E.Noonan)ら、米国科学アカデミ−紀要(Proc.Natl.Acad.Sci)87:7160−7164(1990);マ−フィ−(L.D.Murphy)ら、生化学(Biochemistry)29:10351−10356、1990;ケ−ル(P.C.Carre)ら、臨床研究雑誌(J.Clin.Invest.)88、1802−1810(1991);チェリ−(J.Chelly)ら、欧州生化学雑誌(Eur.J.Biochem.)187:691−698(1990);アブス(S.Abbs)ら、医学遺伝学雑誌(J.Med.Genet)29:191−196(1992);フェルドマン(A.M.Feldman)ら、サ−キュレ−ション(Circulation)83:1866−1872(1991))。
【0006】
こうした分析は一般に、PCRの早い段階、即ち、PCR生成物の測定を、臭化エチディウムで染色したゲルを分光光度計やデンシトメ−タ−で分析することによってではなく、放射標識したプロ−ブ並びにオ−トラジオグラフィ−を使用することによって行なうことができる段階で行なわれたものである。放射能の使用は不便且つ高価であり、安全上の問題も生じる。また、指数的フェ−ズを各実験条件ごとに画定する必要があるので、更に時間や材料が必要となる。
【0007】
拮抗(competitive)PCRも開発されており、この方法では、PCRを単一塩基突然変異拮抗鋳型の存在下で行ない(ギリランド(G.Gilliland)ら、上掲;ベッカ−−アンドレ(Becker−Andre)ら、核酸研究(Nucleic Acids Res.)17:9437−9446(1989))、既知量の拮抗鋳型を未知量の標的配列と共に増幅する。拮抗鋳型は、標的配列と同一である配列で(単一塩基突然変異、あるいは、配列の一部の欠失の場合を除く)、増幅に当たって標的cDNA(相補性DNA)と同じプライマ−を使用し、標的cDNAと同じ効率で増幅する。スタ−ト時の標的/標準の比は、全増幅の過程を通じて保持され、指数フェ−ズが終了した後についても、この比が保たれる。
【0008】
拮抗PCRは、シ−バ−ト(P.D.Siebert)ら、ネイチャ−(Nature)359:557−558(1992);シ−バ−ト(P.D.Siebert)ら、バイオ技術(Bio Techniques)14:244−249(1993);及び、クロンテック・ブロ−シャ−(Clontech Brochure)、1993、逆転写酵素PCR(RT−PCR)の中で一般に論じられている。しかし、拮抗PCR単独では、スタ−ト時の鋳型の量のばらつきを適切に制御することができない。サンプルの劣化やピペット時の誤差によって、こうしたばらつきは容易に生じる。
【0009】
ノ−ザン分析を使用して遺伝子の発現を測定する場合には、同一ブロットを、標的遺伝子と組織サンプル間でばらつきがあったり、刺激に応答して変化したりすることがないとされるハウスキ−ピング遺伝子の両方についてプロ−ブすることによって、こうした問題を解決することができる。ハウスキ−ピング遺伝子は、標的遺伝子の相対的な発現を測定する際の分母として作用するのである。
【0010】
この考え方を応用する目的で、他の研究者は、PCRによる増幅を別々の試験管内で行なった。しかし、これらの2種の遺伝子を別々の試験管内で増幅すると、試験管ごとの増幅条件のばらつきやピペット時の誤差を避けることができない。上掲のヌ−ナン(K.E.Noonan)らには、標的遺伝子とハウスキ−ピング遺伝子を同一の試験管内で増幅する非拮抗多重PCRも記載されているが、この方法は、増幅物ごとの指数範囲を決定するのに標準曲線を作成する必要があるので好都合とは言い難い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上述の欠点をいずれも有さず、標準的な訓練を受けた技術者が実施することのできる、遺伝子の発現の定量的な測定方法が必要とされている。本発明は、任意のPCR法と共に使用することができ、単純且つ簡単に実施することのできる技法を提供することによって、当業界のかかる必要性に答えることを課題とするものである。本発明は、DNA分析やPCR技法に対するこれまでに発表されているアプロ−チを大幅に改善するものである。
【0012】
即ち、本発明の目的は、遺伝子の発現を定量的に測定する優れた方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、商業的に実施するのに適した、PCRに基づく遺伝子の発現の定量的な測定方法を提供することにある。
こうした目的を始めとする本発明の種々の目的、並びに、本発明の種々の特徴やそれに付随する利点は、以下の詳細な記載を添付図面と関連づけて読むことによって一層よく理解されるはずである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る方法は、PCRによる増幅方法を改善したもので、「標的遺伝子」、「ハウスキ−ピング遺伝子」、並びに、これらの各遺伝子と拮抗する鋳型を同時に増幅させるものである。本発明における「標的DNA配列」並びに「標的遺伝子」という用語は、その遺伝子あるいはDNA配列を選択的に増幅することを意図されている目標遺伝子のことを総称するものである。
【0014】
「ハウスキ−ピング遺伝子」という用語は、PCRの反応一回当りのRNAの量の内部標準として適当な遺伝子のことを意味する。総論として、本発明で最も重要なのは、標的遺伝子に対するプライマ−、ハウスキ−ピング遺伝子に対するプライマ−、そして標的遺伝子並びにハウスキ−ピング遺伝子の突然変異生成物から成る2種の内部標準突然変異拮抗鋳型に対するプライマ−を同時に使用することである。これらの突然変異拮抗鋳型における突然変異は、点突然変異、挿入、欠失などであってよい。
【0015】
広義には、本発明は、cDNA分子の異種混合物中に存在する所定のcDNA分子の特定の領域内の標的DNA配列の量を定量する方法に関する。2種以上の標的遺伝子及び/又は2種以上のハウスキ−ピング遺伝子を使用することもできるが、こうした追加の標的遺伝子及び/又はハウスキ−ピング遺伝子を定量する場合には、この追加分の標的遺伝子及び/又はハウスキ−ピング遺伝子の突然変異生成物である内部標準突然変異拮抗鋳型を更に使用することが必要になると理解されたい。
【0016】
また、突然変異拮抗鋳型は、標的配列に対応するヌクレオチドに対して突然変異を生じたヌクレオチドを少なくとも1個有するものであると理解されたい。なお、本発明を成功裡に実施する上で要求されることは、ハウスキ−ピング遺伝子の配列に対応するヌクレオチドと相補的なヌクレオチド1個のみが突然変異を生じていることである。しかし、もっと長い欠失、挿入、あるいは変異も本発明において有用であると考えられる。
【0017】
標的遺伝子のプライマ−(標的遺伝子の天然型鋳型と突然変異拮抗鋳型の両方に対するプライマ−の役目を果たす)、ハウスキ−ピング遺伝子のプライマ−(ハウスキ−ピング遺伝子の天然型鋳型と突然変異拮抗鋳型の両方に対するプライマ−の役目を果たす)、標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型、並びにハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型を、標的遺伝子並びにハウスキ−ピング遺伝子の双方のDNAを含む天然cDNAと共に、PCRで増幅する。
【0018】
このPCRの過程で、cDNA生成物として、1)標的遺伝子及びハウスキ−ピング遺伝子の天然型cDNA、並びに、2)標的遺伝子及びハウスキ−ピング遺伝子の突然変異型拮抗鋳型が得られる。このcDNA生成物を、cDNA生成物の単離に適した方法を使用することによって単離する。標的遺伝子をコピ−する天然型cDNAの量、並びに、標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型をコ−ドする突然変異型cDNAの量を、ハウスキ−ピング遺伝子をコ−ドする天然型cDNAの量、並びに、ハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型をコ−ドする突然変異型cDNAの量と比較して測定することによって、天然型cDNA生成物と突然変異型cDNA生成物の相対的な存在量を決定する。
【0019】
本発明の別の観点は、標的DNA配列の量を決定する際にPCR法で使用する新規な核酸プライマ−分子に関する。
本発明では、「サンプル」という用語は、植物、個体、あるいはイン・ビトロの細胞培養の成分から単離した組織、あるいは、液体のサンプルのことを一般に指称するものである。
【0020】
プライマ−、核酸、及び、オリゴヌクレオチドという用語は、ポリリボヌクレオチド及びポリデオキシリボヌクレオチドのことを指称するものであり、これらの用語のいずれを使用するかによって配列の長さを区別する意図はなく、これらの用語は、分子の一次構造を説明するものであると理解されたい。これらの用語には、二本鎖及び一本鎖RNA、並びに、二本鎖及び一本鎖DNAが包含される。これらのオリゴヌクレオチドは、任意の現存の、即ち、天然の配列から誘導することができ、任意の方法で生成することができる。
【0021】
また、オリゴヌクレオチドは化学合成、逆転写、DNA複製、並びに、これらの生成法の組み合わせによって生成することもできると理解されたい。「プライマ−」という用語は、条件がプライマ−伸長生成物の合成に適している場合に、相補的な鎖に沿った合成の開始地点として作用し得るオリゴヌクレオチドのことを一般に指称するものである。合成条件としては、4種の各デオキシリボヌクレオチド3燐酸、並びに、少なくとも1種の重合誘導剤、例えば逆転写酵素、あるいは、DNAポリメラ−ゼが存在することが挙げられる。
【0022】
これらの各反応物質は、適当な緩衝液中に存在させ、この緩衝液は、補因子である成分、あるいは、種々の適当な温度下でのpH等の条件に影響を及ぼす成分を含有することもできる。プライマ−は一本鎖の配列として増幅効率を最適化するのが好ましいものの、本発明で二本鎖配列を用いることも可能であると理解されたい。
【0023】
「標的遺伝子」、「配列」、あるいは「標的核酸配列」という用語は、オリゴヌクレオチド中の増幅、及び/又は、検出せんとする領域のことを意味する。標的配列は、増幅過程で使用されるプライマ−配列の間に位置していると理解されたい。
【0024】
本発明の一実施態様では、遺伝子の定量的な発現を、a)少なくとも1種の目標とする標的遺伝子、及び、少なくとも1種のハウスキ−ピング遺伝子のcDNA、並びに、b)目標とする標的遺伝子及びハウスキ−ピング遺伝子のcDNAが、制限エンドヌクレア−ゼ認識部位の欠失、あるいは、創出を生じるような塩基突然変異を生じた生成物である内部標準突然変異拮抗鋳型を、多重拮抗PCRで増幅することによって測定する。
【0025】
本発明の別の実施態様の方法は、a)少なくとも1種の目標とする標的遺伝子、及び、少なくとも1種のハウスキ−ピング遺伝子のcDNA、並びに、b)制限酵素で切断されるべき長さに予め人為的に短縮された目標とする標的遺伝子、及び、ハウスキ−ピング遺伝子の配列を有する突然変異拮抗鋳型を、PCRで増幅する工程から成る。これらの短縮された配列は、PCRによる増幅で使用する標的遺伝子、並びに、ハウスキ−ピング遺伝子のプライマ−の両方と相同な各配列を保持している。
【0026】
サンプル細胞あるいは組織から抽出したRNAを逆転写する。cDNAの連続希釈液を、標的遺伝子、及び、ハウスキ−ピング遺伝子と相同な各オリゴヌクレオチド、並びに、定量済みの内部標準突然変異拮抗鋳型の存在下でPCRによって増幅する。増幅したDNAを、制限エンドヌクレア−ゼで消化し、エチジウムブロマイドで染色したアガロ−スゲル上で電気泳動を行ない、天然型生成物を突然変異型生成物から分離する。デンシトメトリ−を行なって、各バンドを定量する。
【0027】
標的遺伝子のハウスキ−ピング遺伝子に対する相対的な発現を測定するこの技法は、同一の内部標準マスタ−混合物、並びに、希釈液を用いて実施した実験に関しては、正確で再現性がある。相対的な遺伝子の発現の比の平均値からの変異は、25%以内である。この技法は、遺伝子の発現の変化を測定するのに有用である。この方法は、調べるサンプルの量が限られていたり、遺伝子の発現レベルが低かったりする場合に特に有用である。
【0028】
【実施例】
以下本発明の好適な実施例につき説明する。
長年に亘って、遺伝子の発現は、RNAをノ−ザン法、あるいは、ドットブロット検定で定量することによって測定されてきた。こうした技法では、各測定について、RNAの量として10個以上の細胞から得られる量が必要とされる。生検では、組織学的診断に必要な数の細胞しか得られないことも多く、こうした場合、細胞の数は10個にはるかに満たない。最近開発されたPCR法では、細胞100個程度のレベルのRNAでも測定が可能である。しかし、今日までに発表されている技法では、定性的な測定しか行なうことができず、定量的な測定は行なうことができなかった。
【0029】
本発明は、多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応による増幅を使用して、遺伝子発現の定量的な測定を簡素化し、改善する方法に関するものである。サンプルから抽出したDNAを逆転写し、次に、ハウスキ−ピング遺伝子と目的とする標的遺伝子の双方のプライマ−の存在下でPCRによって増幅する。
【0030】
遺伝子の発現は、一種以上の標的遺伝子の量を、ハウスキ−ピング遺伝子の量と比較することによって測定する。本発明で使用することのできるハウスキ−ピング遺伝子としては種々のものがあり、例えば、ノ−ザン法で遺伝子の発現を検定する際に内部標準として使用されてきたハウスキ−ピング遺伝子、例えばGAPDH、β−アクチン、28S RNA、及び、18S RNA、及び、リボ核タンパク質(デヴロ−(Devereaux)ら、核酸研究(Nucleic
Acids Res.)12:387(1984);バルブ−(Barbu)ら、核酸研究(Nucleic Acids Res.)17:7115(1989))を使用することができる。
【0031】
本発明の一実施態様では、ハウスキ−ピング遺伝子中に存在する、既知の制限エンドヌクレア−ゼ認識部位を含む任意の配列、又は既知の制限エンドヌクレア−ゼ認識部位に対して1ないし2塩基対のミスマッチ(相違)を含む任意の配列と相同な合成オリゴヌクレオチドを使用することができる。こうした制限エンドヌクレア−ゼ認識部位を用いるのは、天然に生じている部位を非認識部位に突然変異させるか、ミスマッチ部位をマッチ部位に突然変異させるかして、いずれにしても、内部標準突然変異拮抗鋳型に適した突然変異配列を生成させるためである。
【0032】
特定の別の遺伝子を分析するのに使用するハウスキ−ピング遺伝子中の特定の部位は、この別の遺伝子中に存在するマッチ部位並びにミスマッチ部位に応じて決まる。一つの決定要因は、ハウスキ−ピング遺伝子及び標的遺伝子から生成するDNA断片のサイズである。これらの断片は、ゲル電気泳動の際に十分に分離することが望ましい。
【0033】
また、本発明では、ハウスキ−ピング遺伝子として用いる遺伝子に含まれる配列に対して相同な配列を含む全てのオリゴヌクレオチドを使用することができる。この種の相同な配列を使用して、セリ(Celi)ら、核酸研究(Nucleic Acids Res.)21:1047(1993)に記載された方法に従って、ハウスキ−ピング遺伝子に対する人為的に短縮した拮抗鋳型、即ち、予め人為的に、制限酵素で切断されるべき長さに短縮した突然変異拮抗鋳型を生成する
ことができる。
【0034】
任意の既知の認識部位に対する1塩基対ないし2塩基対のミスマッチを有する配列を特定してマッチさせる際には、ジェネティクス・コンピュ−タ・グル−プ(Genetics Computer Group)のソフトウェアパッケ−ジ内のマップ(Map)プログラムを使用することができる(デヴロ−(Devereaux)ら、上掲)。各遺伝子についてのcDNA配列が得られ、各遺伝子が、任意の既知の制限エンドヌクレア−ゼに対する1乃至2塩基のミスマッチを有する配列とのマッチの存在について評価される。本発明では、こうした認識配列のいずれか、あるいは、こうした認識配列と1ないし2塩基対のミスマッチを有する配列を含むすべての遺伝子を使用することが可能である。
【0035】
本発明の多重拮抗PCRでは(突然変異標準の任意の所定のマスタ−混合物並びに希釈液について)、再現性のある標的遺伝子/ハウスキ−ピング遺伝子の比が得られる。RNAの量が増えると、「天然型生成物の量」対「出発RNAの合計量」の関係が線形のままで推移しなくなるので、増幅が反応を通じて指数的に推移していないことは明らかである(図3)。
【0036】
しかし、各遺伝子に対する突然変異拮抗鋳型を使用すると、標準遺伝子/ハウスキ−ピング遺伝子の比は一定値に保たれる。この量的な結果は、各遺伝子について、「天然型/突然変異型鋳型の比」対「出発RNAの合計量」が線形の関係を有することによって示される(図4)。このことから突然変異拮抗鋳型の内部対照の有用性が示され、相対的な遺伝子発現量を増幅の指数フェ−ズ内のみで定量する必要がなくなる。
【0037】
同一実験内の各サンプル間で比に再現性があるので、使用する希釈チュ−ブの数が少なくて済む。遺伝子の発現を測定するに当たっては、チュ−ブ1本のみ必要で、このチュ−ブ内ですべてのバンドを定量することができる。このことによって手順が簡素化され、一回に多くの異なったサンプルを評価することが可能となる。
【0038】
本発明の一実施態様では、突然変異型生成物を天然型生成物から分離するのに使用する制限エンドヌクレア−ゼ認識部位を選択することができる。更に、制限エンドヌクレア−ゼで消化した後に生じるPCR生成物の最終的な長さも、考慮すべき要素である。特定の実施態様では、ポリアクリルアミドゲルよりはアガロ−スゲルを使用する方が好ましいものの、その際には、適切な分離を行なう上で、DNA断片のサイズの差が大きいこと(約50〜100塩基対の差)が要求される。
【0039】
本発明の方法は、標的遺伝子とハウスキ−ピング遺伝子の双方に対して同一の認識部位を使用することによって、更に簡素化が可能である。EcoRI部位が適当であることが多い。本発明の特定の実施態様では、EcoRI、あるいは、BamHIでの消化によって天然GAPDHから分離するGAPDH拮抗鋳型を作成した。しかし、もっと多くの遺伝子で用いることのできるEcoRI、あるいは、他の制限エンドヌクレア−ゼでの消化による分離もあり得ると理解されたい。
【0040】
突然変異標準の相異なるマスタ−混合物、並びに、希釈液を使用して、BEP2DのcDNAについて行なった研究では、標的/ハウスキ−ピング(GSH−Px/GAPDH)遺伝子の発現の比に大きなばらつき(200倍以下)が見られた。別々に逆転写を行なったサンプルでも同様の結果が得られたので、この工程で導入されたばらつきは小さいものである。
【0041】
いずれの反応条件の差異も、突然変異拮抗鋳型の増幅と天然鋳型の増幅に同等に影響を及ぼすので、この両者の比は一定のまま保たれる。従って、このばらつきは、反応中の内部標準突然変異拮抗鋳型の量の差によって生じたものである可能性が高い。突然変異拮抗鋳型の濃度は極めて低く(フェンプトモル範囲)、反応中に存在する分子の数に何らかの変化があれば大きな誤差が生じてしまう。
【0042】
本発明の方法は、内部標準突然変異拮抗鋳型の同一のマスタ−混合物を使用した各サンプル間で再現性があることによって示されるように、いずれの所定の研究でも正確である。従って、好適実施態様では、比較サンプルも、内部標準突然変異拮抗鋳型の同一のマスタ−混合物と同一の希釈液を使用して同時に調べるのが望ましい。
【0043】
好適実施態様では、反応混合物は以下のものを含有する。a)ハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型、b)目標とする標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型、c)ハウスキ−ピング遺伝子をPCRで増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマ−、d)目標とする標的遺伝子をPCRで増幅するためのオリゴヌクレオチドプライマ−、e)反応緩衝液、及びf)試験サンプル由来のcDNA。
【0044】
また、各実験のPCR条件は、例えば、反応混合物100μl当たり、1×PCR緩衝液(例えば、50mMKCl、10mMトリス−HC1、1.5mMMgCl)、標的遺伝子並びにハウスキ−ピング遺伝子をコ−ドするプライマ−(各25ピコモル)、0.2mMのdNTP(A、T、C、G)、及び、一定量の各突然変異拮抗鋳型を含むマスタ−混合物を使用することによって標準化するのが好ましい。
【0045】
増幅を行なう前に、反応液100μl当たり、タック(Taq)DNAポリメラ−ゼ(2.5単位)を加えておく。PCRによる増幅は、94℃で1分、60℃で1分、そして72℃で1分、35〜38サイクルに亘って実施するか、あるいは、増幅する特定の領域に最適な条件で行なう。増幅の後、PCR生成物を10分加熱してから徐々に冷却して、なるべく多くのヘテロ二量体が形成されるようにするのが好適である。
【0046】
ヒグチ(Higuchi)に従って突然変異を導入した拮抗鋳型を使用した反応に際しては、各PCRチュ−ブのサンプル(40μl)を、制限エンドヌクレア−ゼで12〜16時間消化する。生成物をエチディウムブロマイドで染色した、3%ヌ−シ−ブ(Nusieve)、1%LEアガロ−スのゲル上で、60Vにて2〜3時間電気泳動にかける。ポラロイド(Polaroid)665ポジ/ネガインスタントフィルムを使用して、ゲルのネガ写真を撮影する。
【0047】
このネガ写真を、例えば、ザイネ−・ソフトレ−ザ−走査デンシトメ−タ−・モデルSLR2D/1D(Zeineh Soft Laser Scanning Densitometer Model SLR 2D/1D)で、ザイネ−1Dオ−トステップオ−バ−・ビデオフォレ−シス・プログラム・ソフトウェア(Zeineh 1D Autostepover Videophoresis Program Software)(バイオメド・インストルメンツ(Biomed Instruments)、米国カリフォルニア州フラ−トン(Fullerton))を使用して、デンシトメトリ−に供する。
【0048】
あるいは、染色ゲルを、デジタルカメラを使用して直接デンシトメトリ−で評価するか、自動配列決定用ゲル(例えばアプライド・バイオシステムス社(Applied Biosystems,Inc.)より入手可能)で評価する。各曲線の下側の面積を計算し、定量に使用する。バンドの相対的なサイズ、並びにヘテロ二量体の形成に関して補正を行なう。結果を標的遺伝子対ハウスキ−ピング遺伝子の相対的な比として表す。
【0049】
多重拮抗PCRを用いると、遺伝子の発現の優れた定量を簡便に行なうことができる。極めて少量の組織あるいは細胞のサンプルであっても、放射標識に頼ることなく、遺伝子の発現を定量することができる。その結果、多重逆転写PCRは費用が安くてすみ、放射標識より安全に使用することができる。結果は、突然変異内部標準拮抗鋳型の同一のマスタ−混合物、並びに、希釈液を使用した場合については再現性がある。
【0050】
本発明の方法では、既知あるいは潜在的なハウスキ−ピング遺伝子(例えばGAPDH、β−アクチン、28S RNA、18S RNA、並びに、すべてのリボ核タンパク質遺伝子。但しこれらに限定されない。)のcDNAの核鎖と相同で、制限エンドヌクレア−ゼ認識部位配列を含むか、制限エンドヌクレア−ゼ認識配列に対して1ないし2塩基対のミスマッチを有する全てのオリゴヌクレオチドが、本発明を実施する上で有用であると理解されたい。このオリゴヌクレオチドは、定量的PCRで使用するハウスキ−ピング遺伝子の拮抗鋳型を調製する際に使用するものである。
【0051】
また、本発明の方法では、既知あるいは潜在的なハウスキ−ピング遺伝子(例えばGAPDH、β−アクチン、28S RNA、18S RNA、並びにすべてのリボ核タンパク質遺伝子、但しこれらに限定されない)中の配列と相同な配列を含む全てのオリゴヌクレオチドが、人為的に短縮された拮抗鋳型を生成する上で有用であると理解されたい。このオリゴヌクレオチドは、本発明で使用するハウスキ−ピング遺伝子の拮抗鋳型を調製するのに使用するものである。
【0052】
本発明の技法の用途としては、例えばa)内視鏡による生検(ブラシあるいはピンセット)、針吸引、及び、骨髄生検によって得られた組織からの遺伝子の発現の評価、d)遷移トランスフェクション分析におけるリポ−タ−遺伝子の発現の定量、並びに、c)遺伝子治療後のトランスフェクトされた遺伝子の定量が考えられる。
【0053】
モラレスら(M.J.Morales及びD.I.Gottlied)(遷移トランスフェクション分析におけるレポ−タ−遺伝子の発現をポリメラ−ゼ連鎖反応に基づいて検出・定量する方法(A polymerase chain
reaction−based method for detection
and quantification of reporter gene
expression in transient transfectionassays)、分析生化学(Analytical Biochemistry)、210、188−194(1993)に記載された方法でもレポ−タ−遺伝子からの転写を測定することができるが、この方法では、分析で生じるRNAの量の差に起因するばらつきを制御することはできない。
【0054】
本発明の方法は、外在性のレポ−タ−遺伝子と内在性のハウスキ−ピング遺伝子、例えばトランスフェクトされた細胞由来のGAPDH RNAを同時に評価するのに更に有用である。
【0055】
嚢胞性繊維症貫膜伝導調節遺伝子(cystic fibrosis transmembrane conductance regurator gene CFTR)中の数多くの相異なる突然変異が疾患に付随していることが報告されているものの、疾患に付随する最も一般的な突然変異は、508の位置での3つの塩基の欠失である。最近述べられた方法(チャ−(R.S.Cha、H.Zarbl、P.Keohavong、W.G.Thilly)、マッチ増幅突然変異分析:c−Haras遺伝子に対する適用(match amplification mutation assay(MAMA):application to the c−Ha ras gene)、PCRの方法と応用(PCR methods and applications)、2:14−20(1992))を使用すると、異常な508欠失遺伝子のみ、あるいは、正常なCFTR遺伝子のみの増幅を生じるオリゴヌクレオチドプライマ−を調製することができる。
【0056】
本発明の方法を使用すると、細胞1個当たりの外在性CFTR遺伝子の相対的な量を測定することができると考えられる。異常CFTRの量を何等かの内部標準と比較することなしには、トランスフェクションの効率を定量することはできないはずである。サンプルはあまりに少量で、RNAをノ−ザン分析によって測定するのは無理である。
【0057】
本発明の方法は、外在性の正常ジストロフィン遺伝子を、内在性の突然変異遺伝子の存在下で選択的に増幅するPCRシステムを開発する上で有用である。ジストロフィンの場合、比較的大きな欠失の結果として疾患が生じる。数種の異なった欠失が報告されている。本発明の方法を用いると、トランスフェクトされた正常遺伝子を選択的に増幅する各種のPCRシステムを開発することができ、そのいずれの場合についても、異常遺伝子と同様に構成的である。この増幅は、プライマ−を欠失領域に隣接して配置することによって行なうことができる。
また、本発明の方法では、2種以上の遺伝子の評価を同時に行なうこともできると理解されたい。
【0058】
方法
ファルマシア(米国ニュ−ジャ−ジ−州、ピスキャッタウェ−(Piscataway))から入手した精製デオキシリボヌクレオチドを希釈して、10mMの原液とした。組換えテルムス・アクアティクス(Thermus aquaticus)のDNAポリメラ−ゼ(タックポリメラ−ゼ)、トリ骨髄芽球症ウィルス(AMV)の逆転写酵素、及び、リボヌクレア−ゼ阻害剤(RNasin)は、プロメガ(Promega)(米国ウィスコンシン州、マディソン(Madison))から入手した。EcoRI酵素は、USB(米国オハイオ州、クリ−ブランド)から入手した。
【0059】
プライマ−は、アプライド・バイオ・システムズのモデル391PCRメ−トEP TM合成装置(Model 391 PCR−Mate EP TM Synthesizer)で調製した。PCRは、パ−キンズ・エルマ−・セタス(Perkins,Elmer,Cetus)のDNAサ−マル・サイクラ−480(DNA Thermal Cycler 480)を用いて行なった。使用した他の緩衝液並びに溶液は、種々のソ−スから入手し、分子生物学用の等級のものを使用した。
【0060】
研究は、ヒトパピロ−マウィルスで不死化したヒト気管支上皮細胞系(BEP2D)(ウィリ−(Willey)ら、癌研究(Cancer Res.)51:5370−5377、1990)を用いて行なった。
【0061】
RNAの単離は以下のようにして実施した。RNAの単離はチョムクジンスキ−ら(Chomczynski及びSacchi)、分析生化学(Analytical Biochemistry)、162、156−159、1987)に記載された方法によって行なった。BEP2D細胞系の入ったフラスコから、培養液を取り出した。直ちに、GIT(4.0Mチオシアン酸グアニジニウム、0.1MトリスC1(pH7.5)、1%β−メルカプトエタノ−ル)緩衝液を細胞上に注いだ(約500μl/BEP2D細胞500〜1000万個)。
【0062】
次に、溶解した細胞の入った各500μlのGIT緩衝液を、1.5mlの微量遠心分離管に移した。各微量遠心分離管に50μlの2M酢酸ナトリウム(pH4、500μl)の水で飽和させたフェノ−ル、そして100mlのクロロホルム−イソアミルアルコ−ル混合物(49:1)を順次加えた。微量遠心分離管を十分に振とうし、氷上に15分間載置し、14,000RPMにて20分間4℃で微量遠心分離を行なった。各遠心分離管の水性層を、新たな微量遠心分離管に移し、上記抽出過程を繰り返した。
【0063】
再度、各遠心分離管の水性層を、新たな微量遠心分離管にイソプロパノ−ル(500μl)と共に移し、−70℃に15分間保った。次に、この微量遠心分離管を、14,000RPMにて20分間4℃で微量遠心分離した。RNAを70%エタノ−ルで2回洗浄し、減圧下で乾燥した。RNAを0.1%のジエチルピロカ−ボネ−ト(DEPC)で処理したHOに吸収させ、分光光度計(ギルフォ−ド機器(Gilford Instrument)の分光光度計(Spectrophotometer)260)で定量した。
【0064】
逆転写は、以下のようにして実施した。抽出したRNAを、滅菌した微量遠心分離管に入れた。1μgのRNAのそれぞれに、0.2mgのオリゴdTを加えた。このものを65℃で5分間加熱し、氷の上に1分間載置し、2μlの1mMdNTP、2μlの逆転写酵素(RT)緩衝液(500mMトリス、400mMKC1、および80mM MgC1)、0.5μlのRNasin、及び、1μlのAMV逆転写酵素(9,500単位/ミリリットル)を加えた。このものを42℃にて1時間インキュベ−トし、80℃に10分間加熱して反応を停止させた。得られたcDNAを、−20℃にて保存した。
【0065】
プライマ−並びに突然変異内部標準拮抗鋳型の調製は、以下のようにして実施した。理想配列は、オリゴ−TMプライマ−分析ソフトウェア(Oligo−TM Primer Analysis Software)(ナショナル・バイオサイエンシズ(National Biosciences)、米国ミネソタ州ハメル(Hamel))を使用して同定した。プライマ−は、アプライド・バイオ・システムズのモデル391PCRメ−トDNA合成装置を使用して調製した。プライマ−の配列は以下の通りである。
【0066】
グルタチオンペルオキシダ−ゼ(GSH−Px)(チャダ(Chada)ら、ジェノミクス(Genomics):268−271、1990)
天然鋳型並びに突然変異鋳型の双方を増幅するに当たって使用した「外側」のプライマ−からは、長さが354塩基対の生成物が生じる。
【0067】
「外側」の鋳型は、
配列番号1(チャダ(Chada)ら、ジェノミクス(Genomics):268−271、1990)
Pos.241 5’−GGGCCTGGTGGTGCTTCGGCT−3’(コ−ド配列)(クロ−ニングされた配列の241−261の塩基に対応する)、並びに、
配列番号2(チャダ(Chada)ら、ジェノミクス(Genomics):268−271、1990)
Pos.574 5’−CAATGGTCTGGAAGCGGCGGC−3’(アンチコ−ドセンス)(574−594の塩基とアニ−リングする)
である。
【0068】
突然変異内部標準を合成するのに使用する「内側」のプライマ−は、天然のcDNA塩基対(下線を施したもの)を変化させることによって、EcoRI制限エンドヌクレア−ゼ認識部位(GAATTC)を除去する。
【0069】
この「内側」のプライマ−は、
配列番号3(チャダ(Chada)ら、ジェノミクス(Genomics):268−271、1990)
Pos.309 5’−ATTCT GATTC CCTCAAGTACGTCCGGCCT−3’(コ−ドセンス)、並びに、
配列番号4(チャダ(Chada)ら、ジェノミクス(Genomics):268−271、1990)
Pos.309 3’−TAAGA CTAAG GGAGTTCATGCAGGCCGGA−5’(アンチコ−ドセンス)
である。
【0070】
双方のプライマ−とも、クロ−ニングされた配列の309−338の塩基に対応する。突然変異は、センス鎖の316の位置に位置する天然のAがTによって置換されることによって生じるものである。天然GSH−Pxを制限エンドヌクレア−ゼで消化すると、280並びに74塩基対の生成物が生じる。
【0071】
グリセルアルデヒド3燐酸デヒドロゲナ−ゼ(GAPDH)(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids Res.)13:2485−2502、1985)
天然鋳型並びに突然変異鋳型の双方を増幅するに当たって使用した「外側」のプライマ−からは、長さが788あるいは790塩基対の生成物が生じる。
【0072】
この「外側」の鋳型は、
配列番号5(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.46 5’−GGTCGGAGTCAACGGATTTGGTCG−3’(コ−ドセンス)(クロ−ニングされた配列の9−32の塩基に対応する)、並びに、
配列番号6(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.812 5’−CCTCCGACGCCTGCTTCACCAC−3’(アンチコ−ドセンス)(777−798の塩基とアニ−リングする)
である。
【0073】
突然変異拮抗鋳型を合成するのに使用する「内側」のプライマ−は、天然のcDNA塩基対1つ(下線を施したもの)を変化させることによって、EcoRI制限エンドヌクレア−ゼ認識部位(GAATTC)を創出する。
【0074】
この「内側」のプライマ−は、
配列番号7(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.234 5’−TGATCAATG GAATC CCATCACCA−3’(コ−ドセンス)、並びに
配列番号8(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.234 3’−ACTAGTTAC CTTAG GGTAGTGGT−5’(アンチコ−ドセンス)
である。
【0075】
双方のプライマ−とも、クロ−ニングされた配列の199−222の塩基に対する。突然変異は、センス鎖の211の位置に位置する天然のAがTによって置換されることによって生じるものである。突然変異GAPDHを制限エンドヌクレア−ゼで消化すると、588並びに200塩基対の生成物が生じる。
【0076】
別の突然変異GAPDH鋳型を使用して、いくつかの実験を行なった。この鋳型には、新規なBamHI制限部位が導入されている。
天然鋳型並びに突然変異拮抗鋳型の双方を増幅するに当たって使用した「外側」のプライマ−からは、長さが634塩基対の生成物が生じる。
【0077】
この「外側」の鋳型は、
配列番号9(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.200 5’−CATGGCACCGTCAAGGCTGAGAAC−3’(コ−ドセンス)(クロ−ニングされた配列の165−188の塩基に対応する)、並びに、
配列番号10(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.813 5’−CCTCCGACGCCTGCTTCACCAC−3’(アンチコ−ドセンス)(777−798の塩基とアニ−リングする)
である。
【0078】
突然変異拮抗鋳型を合成するのに使用する「内側」のプライマ−は、天然のcDNA塩基対1つ(下線を施したもの)を変化させることによって、BamHI制限エンドヌクレア−ゼ認識部位(GGATTC)を創出する。
【0079】
この「内側」のプライマ−は、
配列番号11(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.368 5’−CAGGGG GGACC AAAAGGGTCATCAT−3’(コ−ドセンス)、並びに、
配列番号12(ツォ−(Tso)ら、核酸研究(Nucleic Acids
Res.)13:2485−2502、1985)
Pos.368 3’−GTCCCC CCTGG TTTTCCCAGTAGTA−5’(アンチコ−ドセンス)
である。
【0080】
双方のプライマ−とも、クロ−ニングされた配列の333−358の塩基に対応する。突然変異は、センス鎖の342の位置に位置する天然のGがTによって置換されることによって生じるものである。突然変異GAPDHを制限エンドヌクレア−ゼで消化すると、460塩基対並びに174塩基対の生成物が生じる。
【0081】
突然変異拮抗鋳型は、ヒグチ(Higuchi)ら、核酸研究(Nucleic Acids Res.)16:73517367、1988に記載され、部位特異的突然変異誘発によって調製した。単一塩基が突然変異を生じた結果、EcoRI制限エンドヌクレア−ゼ認識部位が創出(GAPDH)あるいは欠失(GSH−Px)した。(BamHI部位を導入した突然変異GAPDHを使用した実験も行なった。)。突然変異生成物のそれぞれについて、「外側」のプライマ−と「内側」の単一塩基ミスマッチプライマ−を使用した2種の初期ポリメラ−ゼ連鎖反応を行なうと、2種の重複したDNA断片が生じる。(GSH−Pxについてはプライマ−1及び4、並びに、2及び3、そしてGAPDHについてはプライマ−5及び8、並びに、6及び7。)
【0082】
この重複DNA断片を、臭化エチディウムで染色した3%ヌ−シ−ヴ(Nusieve)、1%LEアガロ−スゲルで電気泳動にかけた。バンドを切り出し、ミリポア ウルトラフリ−−MC0.45μMフィルタ−(日本ミリポア工業株式会社、米沢)を使用して精製した。精製したDNAをエタノ−ルで沈殿させ、洗浄し、減圧下で乾燥させて、100μlの滅菌HOに吸収させた。2種の各重複DNA断片1μlを、外側のプライマ−のみを使用してPCRで増幅した。最初のPCRサイクルはプライマ−を用いずに実施し、ヘテロ二量体を形成させた。全突然変異生成物を、こうして形成し、増幅した。
【0083】
突然変異PCR生成物を、上記のようにしてゲルで精製し、再度増幅して、バルク生成物を形成した。そしてバルク生成物をゲルで精製して、分光光度計で測定した。突然変異生成物をアットモル範囲まで希釈して拮抗鋳型として使用した。1μg/mlのニシン精子DNA(ロフストランド(Loftstrand)、米国メリ−ランド州、ベセスダ(Bethesda))を担体として使用した。各突然変異鋳型のサンプルを、制限エンドヌクレア−ゼで消化して、コンタミネ−ションを確実に防止した。
【0084】
PCRの条件は以下の通りとした。PCRの条件は、各実験について、反応混合物100μl当たり、1×PCR緩衝液(50mMのKC1、10mMのトリス−HC1(pH9.0)、1.5mMのMgC1)、25ピコモルのGSH−Px及びGAPDHをコ−ドするプライマ−、0.2mMのdNTP(A、T、C、G)、並びに、一定量の双方の内部標準を含有するマスタ−混合物を使用することによって標準化した。増幅の前に、100μlの反応混合物について2.5単位のタックDNAポリメラ−ゼを加えた。BEP2D細胞系から得たcDNAを連続希釈し、サンプルPCRの試験管に加えた。いずれの実験でも、鋳型を含まず、天然のcDNAのみ、あるいは突然変異型の標準のみを含む対照用の試験管を増幅して、コンタミネ−ションあるいは酵素の消化が完全に進行しているかどうかについてチェックした。
【0085】
PCRによる増幅を、94℃で1分間、60℃で1分間、72℃で1分間、35サイクルに亘って実施した。増幅の後、PCR生成物を10分間加熱して、ヘテロ二量体の形成が最大となるようにした。
【0086】
生成物の定量は以下のようにして実施した。各PCR試験管のサンプル(40μl)を、EcoRI制限エンドヌクレア−ゼで12〜16時間に亘って消化した。(新規なBamHI制限部位を有する突然変異GAPDHを使用して実施した実験も、BamHI制限エンドヌクレア−ゼで4〜5時間に亘って消化した。)。これらの生成物を、臭化エチディウムで染色した3%ヌ−シ−ヴ(Nusieve)、1%LEアガロ−スゲルで、60Vにて2〜3時間電気泳動を行なうことによって単離した。ポラロイド(Polaroid)665ポジ/ネガインスタントフィルムを使用して、ゲルのネガ写真を撮影した。
【0087】
ネガ写真をデンシトメトリ−で調べた(ザイネ−・ソフト・レ−ザ−・走査型デンシトメ−タ−・モデルSLR 2D/1D(Zeineh Soft Laser Scanning Densitometer Model SLR
2D/1D)でザイネ−1D・オ−トステップオ−バ−・ビデオフォレ−シス・プログラム・ソフトウェア−(Zeineh 1D AutostepoverVideophoresis Program Software)を使用。米国カリフォルニア州フラ−トン(Fullerton)、バイオメッド・インストルメンツ(Biomed Instruments))。各曲線の下側の面積を計算し、定量に使用した。相対的なバンドのサイズ、並びに、ヘテロ二量体の形成に関して、補正を行なった。デ−タは、GSH−Px対GAPDHの相対的な比として表した。
【0088】
2つめの一連の実験では、セリ(Celi)の方法に従って調製した拮抗鋳型を用いた多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応(MC RT−PCR)を実施して、β−ナフトフラボンに暴露したBEP2D細胞中のシトクロムp450(CYP)IAI遺伝子を評価した。CYPIAI遺伝子の発現の誘導は、セリ(Celi)の拮抗鋳型を用いたMCRT−PCRとノ−ザン分析の双方を使用して評価した。
【0089】
拮抗鋳型は、CYPIAI遺伝子とGAPDH遺伝子の双方に対して調製したGAPDHに対する拮抗鋳型を調製するのに使用したプライマ−は、 配列番号13(トクナガ(Tokunaga)ら、癌研究(Cancer Res.)47:5616−5619、1990)
Pos.75 5’−GGT CGG AGT CAA CGG ATT TGG TCG−3’Pos.94、並びに、
配列番号14(トクナガ(Tokunaga)ら、癌研究(Cancer Res.)47:5616−5619、1990)
【化1】
であった。
【0090】
拮抗鋳型と天然鋳型の双方を増幅するために、配列番号13と共に使用した低位の外側プライマ−は、
配列番号15(トクナガ(Tokunaga)ら、癌研究(Cancer Res.)47:5616−5619、1990)
Pos.842 5’−CCT CCG ACG CCT GCT TCA
CC−3’Pos.822
であった。
【0091】
CYPIAIに対する拮抗鋳型を調製するのに使用したプライマ−は、
配列番号16(ジェイスワル(Jaiswal)ら、サイエンス(Science)228:80−83、1989)
Pos.1241 5’−CAT CCC CCA CAG CAC AAC AAG−3’Pos.1262、並びに、
配列番号17(ジェイスワル(Jaiswal)ら、サイエンス(Science)228:80−83、1989)
【化2】
であった。
【0092】
拮抗鋳型と天然鋳型の双方を増幅するために、配列番号16と共に使用した低位の外側プライマ−は、
配列番号18(ジェイスワル(Jaiswal)ら、サイエンス(Science)228:80−83、1989)
Pos.1575 5’−ACA GCA GGC ATG CTT CAT
GG−3’Pos.1555
であった。
【0093】
PCRによる増幅に際しての条件は、アニ−リング温度を55℃とし、増幅を38サイクルに亘って行なった以外は、ヒグチ(Higuchi)法によってGAPDH及びGSH−Pxに対して調製した拮抗鋳型を使用した実験について記載したのと同一とした。
前もって制限エンドヌクレア−ゼで消化しておかなくても、天然鋳型と拮抗鋳型が分離するので、サンプルはPCR反応管から直接取り出して、臭化エチディウムで染色した3%ヌ−シ−ヴ(Nusieve)、1%LEアガロ−スゲルに加えた。ポラロイド665ポジ/ネガインスタントフィルムを使用して、ゲルのネガ写真を撮影し、このネガ写真をデンシトメ−タ−で解析することによって、生成物を定量することができた。
【0094】
β−ナフトフラボン(10μM)と共に各種の時間に亘ってインキュベ−トしたBEP2D細胞から採取したRNAは、1%LEホルムアルデヒド変性用ゲルで電気泳動を行なってノ−ザン分析を行なうか、上述のようにMC RT−PCRで増幅した。ノ−ザン分析に際しては、RNAをジ−ンスクリ−ン(Gene Screen)に移した後、フィルタ−を32PでラベルしたCYPIAI cDNAとハイブリダイズした。
【0095】
結果
PCRによる定量に使用した手順を図1に図式的に示す。BEP2DのcDNAの連続希釈液(RNA合計量で0.25μgから0.05μg)を、それぞれ一定量の単一塩基突然変異内部標準(各10アットモル)と共に増幅してから、上述したようにして分析に供した。図2に示すゲルのネガ写真をデンシトメトリ−で分析して、各バンドを定量した。
【0096】
各曲線の下側の面積を使用して、天然型生成物/突然変異型生成物の相対的な比を計算した。相対的なバンドのサイズに関して補正を行なった(即ち、突然変異型GAPDHは、天然型GAPDHと比較する際には788/588を乗じ、天然型GSH−Pxは、突然変異型GSH−Pxと比較する際には354/280を乗じた)。PCRの後、生成物を100℃に10分間加熱してから徐々に冷却することによってヘテロ二量体の形成が最大となるようにした。
【0097】
ヘテロ二量体の最大化の後、ヘテロ二量体の形成はこうした条件下では二項分布に従うので、デンシトメトリ−のデ−タを二次方程式を使って解析することによって、各生成物の量を決定した(ギリランド(Gilliland)ら、米国科学アカデミ−紀要(Proc.Natl.Acad.Sci)87:2725−2729、1990、ベッカ−−アンドレ(Becker−Andre)ら、核酸研究(Nucleic Acids Res.)17:9437−9446、1989)。
【0098】
最終的な値は、天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Pxの天然型GAPDH/突然変異型GAPDHに対する比率として表した。天然型生成物の量(任意のデンシトメトリ−の単位)を出発RNA合計量に対してプロットしたグラフである図3は、GSH−Px(白抜きの四角)、並びに、GAPDH(黒塗りの四角)のいずれについても線形に留まらなかったが、天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Pxの比を出発RNA合計量に対してプロットしたグラフ、並びに、天然型GAPDH/突然変異型GAPDHの比を出発RNA合計量に対してプロットしたグラフは、いずれの遺伝子についても線形であった。
【0099】
出発RNAが少量であると(GSH−PxとGAPDHの双方の最初の3つの四角)、反応は全過程を通じて指数的に推移するものの、RNAの量が増加すると、反応は増幅のある時点で非指数的となり、生じる生成物の量は、非制限的な反応の場合に期待されるより少なくなる。各直線は、増幅の全過程を通じて増幅が指数的に推移した場合に形成されたはずの理論上のPCR生成物(GSH−PxあるいはGAPDH)の量を示したものである。
【0100】
各サンプル管から得られた比(2.17:1、2.14:1,2.00:1、1.76:1、2.46:1、2.71:1、及び、1.92:1)を平均することによって、天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Pxの天然型GAPDH/突然変異型GAPDHに対する比の平均値として2.17:1を、標準偏差として0.33を得た。標準偏差から25%以上の変異を示す値はなかった。
【0101】
この技法のばらつきを検定するために、突然変異標準とマスタ−混合物の各種の希釈液を使用して、上記の実験を繰り返し実施した。各サンプル管から得られた比(1:9.09、1:8.13、1:9.43、1:8.13、1:6.62、1:8.77、1:7.69、1:10.00、1:7.58及び1:7.04)を平均したところ、天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Pxの天然型GAPDH/突然変異型GAPDHに対する比の平均値として1:8.25が、標準偏差として1.07が得られた。標準偏差から22%以上の変異を示す値はなかった。この結果から、この技法の精度が裏付けられ、また、突然変異標準の新たな希釈液を含有する新たなマスタ−混合物を使用した場合のばらつきが具体的に示される。
【0102】
同一のマスタ−混合物並びに突然変異標準の希釈液を使用した場合のサンプル間のばらつきを検定するために、BEP2DのRNAを3つの別々のフラスコから独立に抽出し、逆転写してcDNAとした。cDNAの粗希釈(5倍)のみを行なった。各検定について、4本のPCR管を調べた。得られた天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Pxの天然型GAPDH/突然変異型GAPDHに対する比は15.01:1、17.69:1、及び、21.76:1(平均=18.15、標準偏差=3.40)であった。3つの値はいずれも平均値からの変異が20%以内であった。この結果は、独立に逆転写される一方、同一のマスタ−混合物並びに内部標準希釈液を用いて増幅されるサンプルを比較する場合における、この技法の精度を裏付けるものである。
BEP2DのRNAをノ−ザン法で分析したところ、GSH−Px/GAPDH mRNAの比は約1:8であった。
【0103】
実施例
BEP2DのRNAの連続希釈液を、一定量の単一塩基突然変異内部標準拮抗鋳型(各10アットモル)と共に増幅してから評価した。ゲルのネガ写真(図2に示す)をデンシトメトリ−で分析して、各バンドを定量した。
【0104】
バンドをデンシトメトリ−で測定した際に得られた各曲線の下側の面積を用いて、天然型生成物/突然変異型生成物の比を以下のようにして計算した。デ−タは1回に1遺伝子宛から評価した。相対的なバンドのサイズに関して補正を行なった(突然変異型GAPDHは、天然型GAPDHと比較する際には788/588を乗じ、天然型GSH−Pxは、突然変異型GSH−Pxと比較する際には354/280を乗じた)。PCRの間には、プライマ−が制限要素である条件下では、相同な配列を有する異種の一本鎖同士がアニ−ルしてヘテロ二量体を形成し得る(ギリランドら(G.Gilliland、S.Perrin、K.Blanchard及びH.F.Bunn)、米国科学アカデミ−紀要(Proc.Natl.Acad.Sci)87:2725−2729、1990)。
【0105】
本発明の場合のように異種の鎖が1塩基対のみ異なっている場合には、この異種の鎖は、下記の枡目に示すようにランダムにアニ−リングする(ギリランド(G.Gilliland)ら、上掲;トムソンら(J.D.Thompson、I.Brodsky、及び、J.J.Yunis)、血液(Blood)79:1629−1635、1992)。
【表1】
Figure 0003589696
【0106】
ここで、N=再アニ−リング前の一本鎖天然型生成物の割合、M=再アニ−リング前の一本鎖突然変異型生成物の割合、NN(あるいはN)=再アニ−リング後の二本鎖天然型生成物の割合、2NM=再アニ−リング後に生じたヘテロ二量体の割合、そしてMM(あるいはM)=再アニ−リング後の二本鎖突然変異型生成物の割合である。
【0107】
ヘテロ二量体は制限酵素によって切断されず、電気泳動で未消化のホモ二量体と同じ移動を示したので、間接的に計数した。従って、デンシトメトリ−では、ヘテロ二量体は未消化のホモ二量体と一緒に読み取った。上記の枡目の分布に基づいて生成物を定量するため、PCRの後に、ヘテロ二量体が確実にランダムに形成されるように(上掲ギリランド(G.Gilliland)ら、及びトムソン(J.D.Thompson)ら、における方法による)、生成物を100℃で10分間加熱してから徐々に冷却した。
【0108】
GAPDHについては、天然型生成物(NN)もヘテロ二量体(NM)もEcoRIで切断されなかった。従って、大型のバンドは天然型GAPDHホモ二量体(NM)とNMヘテロ二量体の両方を示すものであった。このバンドの割合は、算術的には上記の枡目に従ってN+2NMであり、一方、EcoRIで切断されたバンドの割合はMであった。従って、PCR前に天然型(N)鋳型と突然変異型(M)鋳型の量が等しい(1:1)場合には、ヘテロ二量体をランダムに形成させた後の見かけの比は3:1〔(N+2NM):M〕となる筈である。このことを更に説明するために、第1サンプルレ−ン(図5)のデンシトメトリ−の生デ−タを表2に示す。このデ−タを数学的に処理したところ、最終的に下記の比が得られた。
【0109】
の値は分かっており(2,214)、N+2NMの値も分かっている(10,095)。こうした情報からMを計算し(47.05)、二次式(aX+bX+c=0):N+2N(47.05)−10,095=0
でNを求めた。
Nを求めるに当たっては、二次式(N=−b±√(b−4ac)/2a)を使用した。この場合、a=1、b=94.1、c=10,095であるので、N=63.89である。目的とする情報はN/Mであるので、63.89/47.10、即ち、1.36/1である。(PCR後に存在していた一本鎖DNAの割合を求めたが、これらはPCR前に存在していた対応する二本鎖DNAの割合と同一である。)
【0110】
デンシトメトリ−の値は相対的なものなので、二次式を使用する不都合を省くべく、各バンドに、加算すると1となる、即ち、(N+2NM)+M=1となる比例したデンシトメトリ−値を割り当てて、
式:(N+2NM)+M=(N+M)=1、よって、N+M=1
を解くこともできる。この場合、各バンドに割り当てる1の各相対的部分は、それぞれのデンシトメトリ−値によって決定する(表2)。
【0111】
【表2】
Figure 0003589696
【0112】
双方のバンドのデンシトメトリ−値の合計は12,309(10,095+2,214)なので、大きい方のバンド(N+2NM)の相対的な割合は0.82(10,095/12,309)となり、小さい方のバンド(M)の相対的な割合は0.18(2,214/12,309)となる。従って、突然変異型GAPDHホモ二量体(M)の割合は0.18となり、一本鎖突然変異型GAPDH(M)の割合は0.424となる。N+M=1であるので、一本鎖天然型GAPDH(N)の割合は、1−0.424、即ち、0.576となり、天然型生成物の突然変異生成物型に対する比は、先に計算したように、0.576/0.424、即ち、1.36/1となる。
【0113】
次に、上記表2のGAPDHの値と同じレ−ンの天然、並びに、突然変異GSH−Pxのデンシトメトリ−値を使用して同じ計算を実施し、下記の結果を得た。
=0.558、N=0.747、そしてM=1−0.747=0.253天然型/突然変異型の比を計算し下記の結果を得た。
天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Px=0.747/0.253=2.95/1
天然型GAPDH/突然変異型GAPDH=0.576/0.424=1.36/1
そして、最終的な比率を計算し、下記の結果を得た。
天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Px:天然型GAPDH/突然変異型GAPDH=2.95/1.36=2.17/1
【0114】
上述のように、最終的な値は、天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Px:天然型GAPDH/突然変異型GAPDHの比率として表した。天然型生成物の量(デンシトメトリ−の単位は任意)と出発RNAの合計量との関係は、(図3に示したように)GSH−PxについてもGAPDHについても線形のまま推移することはなかったにもかかわらず、天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Px:天然型GAPDH/突然変異型GAPDHの比と出発RNAの合計量との関係は、(図4に示すように)いずれの遺伝子についても線形で推移した。各サンプル管で得られた天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Px:天然型GAPDH/突然変異型GAPDHの比(2.17:1、2.14:1、2.00:1、1.76:1、2.46:1、2.71:1、及び、1.92:1)を平均することによって、平均値として2.17:1を、標準偏差として0.33を得た。平均値から25%以上の変異を示す値はなかった。
【0115】
この技法のばらつきを検定するために、突然変異標準とマスタ−混合物の各種の希釈液を使用して、上記の実験を繰り返し実施した。各サンプル管で得られた天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Px:天然型GAPDH/突然変異型GAPDHの比(1:9.09、1:8.13、1:9.43、1:8.13、1:6.62、1:8.77、1:7.69、1:10.00、1:7.58、及び、1:7.04)を平均したところ、平均値として1:8.25が、標準偏差として1.07が得られた。標準偏差から22%以上の変異を示す値はなかった。
【0116】
同一のマスタ−混合物並びに突然変異標準の希釈液を使用した場合のサンプル間のばらつきを検定するために(新規なBamHI制限部位を有する突然変異型GAPDHを使用)、BEP2DのRNAを3つの別々のフラスコから独立に抽出し、逆転写してcDNAとした。cDNAの5倍希釈を行なった。各検定について、4本のPCR管を調べた。得られた天然型GSH−Px/突然変異型GSH−Pxの天然型GAPDH/突然変異型GAPDHに対する比は15.01:1、17.69:1、及び、21.76:1(平均=18.15、標準偏差=3.40)であった。3つの値はいずれも平均値からの変異が20%以内であった。
【0117】
図5に示すように、CYPIAI遺伝子の発現は、ノ−ザン分析でもMC RT−PCR分析でも、ほぼ同程度であることが観察された。天然cDNA、並びに、拮抗鋳型cDNAを表すGAPDHハウスキ−ピング遺伝子の各バンドを比較すると、対象細胞由来のサンプル5μlのレ−ンと、β−ナフトフラボンに暴露した細胞由来のサンプル3μlのレ−ン上に、ほぼ同一量のcDNAが位置していることが明らかである。このように、どのレ−ン上に同一量のcDNAが位置しているかを測定すると、天然型のCYPIAI遺伝子を表すバンドが、対象細胞由来のcDNAを含むレ−ンと比べて、β−ナフトフラボンに暴露した細胞由来のcDNAを含むレ−ンで遙かに強力に現れていることが明らかとなる。
【0118】
Figure 0003589696
Figure 0003589696
【0119】
Figure 0003589696
【0120】
Figure 0003589696
【0121】
Figure 0003589696
【0122】
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【0123】
Figure 0003589696
【0124】
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【0125】
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【0126】
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【0127】
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【0128】
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【0129】
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【0130】
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【0131】
Figure 0003589696
Figure 0003589696
【0132】
Figure 0003589696
Figure 0003589696
【0133】
Figure 0003589696
Figure 0003589696
【0134】
Figure 0003589696
Figure 0003589696
【0135】
Figure 0003589696
Figure 0003589696
【0136】
Figure 0003589696
Figure 0003589696
【0137】
【発明の効果】
本発明は上述した通りであって、任意のPCR法と共に実施することができ、しかも当業界において通常の知識を有する者であれば容易に実施をすることができ、以て遺伝子診断技術の発展、応用に寄与するところ極めて大なる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】標的遺伝子の相対的な発現量をPCRで定量する際の作業手順を図式的に示した図である。
【図2】BEP2DのcDNAの連続希釈液(RNA合計量は0.25μg−0.05μg)を、一定量の単一塩基突然変異内部標準(各10アットモル)と共に増殖し、EcoR1制限エンドヌクレア−ゼで消化し、アガロ−スゲルで電気泳動を行なったものを示すものである。
【図3】天然型生成物(GSH−Px(白抜きの四角)及びGAPDH(黒塗りの四角))をRNA合計量に対して示したグラフである。
【図4】天然増幅生成物/突然変異増幅生成物(GSH−Px(白抜きの四角)及びGAPDH(黒塗りの四角))をRNA合計量に対して示したグラフである。
【図5】(a)はBEP2D細胞から得たRNAを、対照である0.1%DMSOで処理したもの、あるいは、β−ナフトフラボンで処理してシトクロムp4501A1(CYP1A1)を誘導したもののノ−ザン分析の結果を示すものであり、(b)は、(a)と同一の細胞から得たcDNAの連続希釈液からPCRで増幅したDNAを示すものである。

Claims (14)

  1. 遺伝子の発現を定量的に測定するに当たり、
    1)少なくとも1種の標的遺伝子の、少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマ−、
    2)少なくとも1種のハウスキ−ピング遺伝子の、少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマ−、
    3)前記標的遺伝子の標的配列に対応するヌクレオチドに対して突然変異を生じたヌクレオチドを少なくとも1個有する前記標的遺伝子の少なくとも1種の突然変異拮抗鋳型、
    4)前記ハウスキ−ピング遺伝子の標的配列に対応するヌクレオチドに対して突然変異を生じたヌクレオチドを少なくとも1個有する前記ハウスキーピング遺伝子の少なくとも1種の突然変異拮抗鋳型、及び、
    5)前記標的遺伝子と前記ハウスキ−ピング遺伝子の双方のDNAをコ−ドする天然型cDNA
    の混合物をポリメラ−ゼ連鎖反応によって同時に増幅して、前記標的遺伝子及びハウスキ−ピング遺伝子の天然型cDNAと、前記標的遺伝子及びハウスキ−ピング遺伝子の突然変異型cDNAとから成るポリメラ−ゼ連鎖反応cDNA生成物を形成する工程と、
    前記cDNA生成物を単離する工程と、
    前記標的遺伝子をコ−ドする天然型cDNAの量、並びに、前記標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型をコ−ドする突然変異型cDNAの量を、前記ハウスキ−ピング遺伝子をコ−ドする天然型cDNAの量、並びに、前記ハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型をコ−ドする突然変異型cDNAの量と比較することによって、前記天然型cDNA生成物と前記突然変異型cDNA生成物の相対的存在量を検出する工程とから成ることを特徴とする多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  2. 前記標的遺伝子並びに前記ハウスキ−ピング遺伝子の各突然変異拮抗鋳型が、
    1)前記標的遺伝子、あるいは、ハウスキ−ピング遺伝子のそれぞれと相同な配列を含む少なくとも1種のオリゴヌクレオチドから成り、そして、
    2)少なくとも一つの既知の制限エンドヌクレア−ゼ認識部位配列、あるいは、制限エンドヌクレア−ゼ認識配列の点突然変異を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  3. 前記点突然変異が、天然型鋳型と拮抗鋳型の間における1あるいは2塩基対の違いを含むことを特徴とする請求項2に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  4. 前記点突然変異によって、EcoRI制限エンドヌクレア−ゼ認識部位が増加又は減少することを特徴とする請求項3に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  5. 前記標的遺伝子とハウスキ−ピング遺伝子が、同じ制限酵素に対し共通の認識部位を有するものであることを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  6. 前記cDNA生成物の単離を、前記cDNA生成物を制限酵素で消化し、その後、消化したcDNA生成物を電気泳動にかけて、天然型cDNA生成物を突然変異型cDNA生成物から分離することによって行なうことを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  7. 前記標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型によってEcoRI制限部位の欠失が生じ、前記ハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型によってEcoRI制限部位の創出が生じることを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  8. 前記cDNA生成物の消化を、EcoRIを用いて行なうことを特徴とする請求項6に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  9. 前記標的遺伝子並びにハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型が、制限酵素で切断されるべき長さに予め人為的に短縮された拮抗鋳型であることを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  10. ポリメラ−ゼ連鎖反応による増幅を、天然型鋳型の1本鎖と拮抗鋳型の異種起源の1本鎖を含む二種らせん分子で形成されたヘテロ二量体の形成が最大となる点まで進行させることを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  11. 前記少なくとも1種のハウスキ−ピング遺伝子が、グリセルアルデヒド燐酸デヒドロゲナ−ゼ(GAPDH)、β−アクチン又はリボソ−ムRNA、あるいは、リボソ−ムタンパク質RNAより成る群から選ばれるものであることを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  12. 前記突然変異拮抗鋳型を、部位特異的突然変異誘発によって生成することを特徴とする請求項1に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  13. 遺伝子の発現を定量的に測定するに当たって、
    a)少なくとも1種のハウスキ−ピング遺伝子の、少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマ−を合成し、
    b)少なくとも1種の標的遺伝子の、少なくとも1対のオリゴヌクレオチドプライマ−を合成し、
    c)前記ハウスキ−ピング遺伝子の少なくとも1種の突然変異拮抗鋳型を合成し、
    d)前記標的遺伝子の少なくとも1種の突然変異拮抗鋳型を合成し、
    e)サンプル細胞あるいはウィリオンから、RNA配列の少なくとも一部を単離し、
    f)前記RNA配列を逆転写して少なくとも1種の天然型cDNAを得、
    g)前記天然型cDNAのポリメラ−ゼ連鎖反応による増幅を、前記標的遺伝子のオリゴヌクレオチドプライマ−、前記ハウスキ−ピング遺伝子のオリゴヌクレオチドプライマ−、並びに、所定量のハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型及び標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型の存在下で行ない、
    h)上記工程g)で得られた増幅cDNA生成物を、少なくとも1種の制限酵素で消化し、
    i)消化したcDNAを電気泳動にかけ、エチジウムブロマイドで染色し、そして増幅した標的遺伝子及び増幅したハウスキ−ピング遺伝子を、増幅した標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型及び増幅したハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型から分離し、そして、
    j)前記標的遺伝子並びに標的遺伝子の突然変異拮抗鋳型の量を、前記ハウスキ−ピング遺伝子、並びに、ハウスキ−ピング遺伝子の突然変異拮抗鋳型の量に対して比較することによって、前記標的遺伝子の前記ハウスキ−ピング遺伝子に対する相対的な発現量を測定することを特徴とする多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
  14. 予め人為的に、制限酵素で消化されるべき長さに短縮した鋳型を前記突然変異拮抗鋳型として用いて、増幅したcDNAを制限酵素で消化しなくて済むようにしたことを特徴とする請求項14に記載の多重拮抗逆転写酵素ポリメラ−ゼ連鎖反応を使用した遺伝子の発現の定量的測定方法。
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