JP3588926B2 - 半導体磁気センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、外部磁界の方向と強度を検出する半導体磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体を用いた固体磁気センサとしては磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗素子やホール効果を利用したホール素子などが代表的である。センサと信号処理回路とのモノリシック集積化は、シリコンホールICなどで実用化されているが、直線性補償、温度補償、多次元信号処理、異常検出など高度の情報処理機能を持つ高機能磁気センサが必要となる。二つのコレクタ電極間の差動電流はチップに平行な磁界方位と強度に依存し、ある範囲で良好な直線性が得られるバイポーラ形磁気トランジスタは、集積回路化が容易な磁気センサである。さらに、4つのコレクタ電極を持つ磁気トランジスタは磁界の水平、垂直の2方向成分に感応する磁気ベクトルセンサとして動作する。
【0003】
図2には従来の半導体磁気センサのチップ断面図と電流線図を示す。この従来の半導体磁気センサはバイポーラ形の磁気トランジスタで横型バイポーラトランジスタである。p基板1にnエピタキシャル層2を積層し、p分離領域4によりn領域3が複数個形成され、n領域3の表面層にp+ 領域21のエミッタ領域とp+ 領域22の複数個のコレクタ領域が形成され、エミッタ領域とコレクタ領域の間にn + 領域23が形成され、n + 領域24と接続してゲート領域を形成している。これらの各領域上にはエミッタ電極25、コレクタ電極26およびゲート電極27が形成される(図では各電極を模式的に線で表した)。つぎに図2を用いて動作原理を説明する。動作の基本原理は荷電粒子に及ぼすローレンツ力(Lorentz Force)であり、一般には次式で与えられる。
【0004】
【数1】
〔但し、a=n,p 符号は+;p(正孔) −;n(電子)〕
【0005】
【数2】
図2に示す様な配置ではトランジスタを動作させると、左右対称に配置されたコレクタ電極26に流れ込む電流は、トランジスタチップ面内に平行な磁界方向と強度に依存し、アンバランスを生じる。図中、点線は外部磁界が無い場合のコレクタ電流IC1(0)、IC2(0)の通電経路の方向を示し、実線はチップ面内に平行(紙面に垂直で紙面表面から裏面に向かって磁力線が走っている)な外部磁場が存在した場合のコレクタ電流IC1(B)、IC2(B)の電流経路の方向を示している。多数個のコレクタ領域(Multcollector)を対称配置した場合で、バイポーラトランジスタの各コレクタ電流の差から磁界の強さと方向を検出する方法である。この場合のfigure of merit Sr は次式で表される。
【0006】
【数3】
〔但し、Bは磁界がある場合、0は磁界が無い場合、IC1:第1コレクタ電流、IC2:第2コレクタ電流〕
前記は従来の磁気センサの一例を示したが、この他に磁気センシング機構として、クーロン力を利用したもの(磁針)、電磁誘導を利用したもの(コイル型磁気ヘッド)、固体内の磁気効果を利用したもの、磁気共鳴を利用したものなど、動作範囲や応用分野に応じて各種考案されている。引用文献としては「センサの辞典」編集;高橋ら,朝倉書店pp52−60などがある。また固体内の磁気効果を利用したものでも、固体材料としてここで説明した半導体の他に磁性体、超伝導体、誘電体などがある。ここで説明した半導体を利用した磁気センサはIC化が容易であるなどの利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図2からわかるように、バイポーラ型の磁気トランジスタ(磁気センサ)を動作させるためには、ベース電流を流す必要があるが、このベース電流も外部磁場によるローレンツ力を受ける。そのため、センシング作用だけでなく駆動作用においても外部磁場の影響を受けることとなる。これは磁界強度および方向を検出する精度を向上させるために素子設計する上で制約となる。また、バイポーラ型トランジスタが抱える本質的な問題として、低消費電力化に限界がある。さらに、センサのみならず、駆動、制御、出力の各機能を集積回路化する上でマッチングをとる上でバイポーラ形では課題が多い。また、デバイスの微細化や高精度化の点でも限界がある。これらをまとめると、磁気センサにおいて解決しなければならない問題点は次のようになる。1)磁界方向の精度(バイポーラ型ではベース電流も磁場の影響を受ける)が悪い2)消費電力(駆動電力)が大きい3)CMOS回路(駆動、制御、出力)とのマッチングが悪い4)デバイスの加工精度が悪い
この発明の目的は、前記の課題を解決して、外部磁場の方向や磁界強度の検出精度の向上と低消費電力化およびCMOS回路とのマッチングを図ることができる半導体磁気センサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、第1導電形の第1領域の表面層に形成された第2導電形の第2領域と、第2領域の表面層に形成された第1導電形の第3領域と、第1領域の表面層に第2領域の周囲に第2領域と隔てられて複数個形成された第1導電形の第4領域と、第3領域と第4領域との間の第2領域上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、第3領域上と断面形状において第3領域に挟まれた第2領域上とに選択的に形成されたソース電極と、前記第4領域それぞれの上に形成されたドレイン電極が形成される構成とする。
【0009】
第2領域の表面形状が円形に形成され、複数個の第4領域が第2領域と同心円に等間隔に配置されることが効果的である。
外部磁場中において、複数個のドレイン電極に流れるドレイン電流の総和をドレイン電極数で割った平均ドレイン電流からの偏りによって外部磁界の方向と強度を検出することができる。
【0010】
前記の構成とすることで、駆動作用が電流駆動から電圧駆動となり、外部磁場の影響であるローレンツ力を駆動作用において受けないようにでき、磁界方向や強度の検出精度を向上できる。また電圧駆動であるため駆動のための消費電力を低減できる。さらに、MOS構造のため微細加工ができ、一層の精度向上を図ることができる。CMOS回路(駆動、制御、出力)とのマッチングの向上を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施例で要部構成図を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)のA−A線で切断した断面図を示す。図1において、p基板1上にnエピタキシャル層2を形成し、nエピタキシャル層2を貫通しp基板1に達するp分離領域4を形成し、p分離領域4に囲まれたnエピタキシャル層2であるn領域3の表面層にpウエル領域5を形成し、pウエル領域5の表面層にn+ ソース領域6を形成する。またn領域3の表面層にpウエル領域5と離してn+ ドレイン領域7を形成し、n+ ソース領域6とn+ ドレイン領域7に挟まれたpウエル領域5およびn領域3の表面上にゲート絶縁膜8を介してゲートポリシリコン膜9が形成される。またn+ ソース領域6上とn+ ソース領域6にはさまれたpウエル領域5上、n+ ドレイン領域7上およびゲートポリシリコン膜9上にはソース電極10、ドレイン電極11およびゲート電極12がアルミニウム(Al)で形成され、ゲートポリシリコン膜9とソース電極10およびドレイン電極11とを絶縁分離することを主目的に層間絶縁膜13が形成される。ゲート絶縁膜8および層間絶縁膜13は酸化膜で形成されることが多い。n+ ドレイン領域7はpウエル領域5と同心円状に等間隔で複数個配置される。図1の構成ではn+ ソース領域6を共通として、n+ ドレイン領域7が12個配置された横型MOSFET構造となっている。勿論、n+ ドレイン領域7の個数はこれに限らない。この構造の動作をつぎに説明する。ドレイン電極にソース電極に対して例えば数十Vの正の電圧を印加して、ソース電極10に対してゲート電極12に+15Vの電圧を印加すると、ゲートポリシリコン膜9にその電圧が伝達され、ゲート絶縁膜8下のpウエル領域5にnチャネルが形成され電子電流14がn+ ソース領域6からn+ ドレイン領域7に向かって放射状に流れ出す(同図(a)の矢印で示す)。n+ ドレイン領域7上に形成されたドレイン電極11に(1)から(12)の番号付けて、それぞれのドレイン電流をIDSj (j=1,2,3・・・・・12)とする。外部磁場が無い場合、ドレイン電流を総和した値IDSを12mAにして各ドレイン電流を実測してみるとIDS1 =IDS2 =・・=IDS12=1mAとなりドレイン電極に測定誤差範囲内(約1%)で同一の電流が流れることが確認された。このことから、外部磁場が無い場合は各ドレイン電極に流れるドレイン電流はその総和電流IDSをドレイン電極数n(ここでは12)で割った値となることが検証された。つぎに、図1(a)の平面内のX方向に0.1Tの強度の磁界を加えた場合、総和電流IDSは12mAと変わらないが、個々のドレイン電極に流れ込む電流値IDSj は表1のように変化した。
【0012】
【表1】
この表1とドレイン電極の対称性を考慮すると、磁場の方向は、
【0013】
【数4】
なる電極を結ぶ線上にあり、
【0014】
【数5】
〔但し、j+1は時計回りにしてjの次の電極、j−1は時計回りにしてjの前の電極〕
を満足するjの方向であることがわかる。表1の場合はドレイン電極番号3と9を結ぶ方向に磁場方向がある。
【0015】
外部磁場の方向をX−Y面内でいろいろ変化させてみた結果、一般化できることがわかった。従って、(1)、(2)式を判定する回路を作り込めば、チップ面に平行な任意の方向の外部磁場の方向が決定できる。また、ドレイン電極数を増せばその方向決定精度を高めることができる。またMOSFET構造とすることで、電圧駆動型にでき、その結果、駆動の外部磁場の影響を排除でき、磁界強度を高精度に測定でき、さらに駆動の消費電力を低減できる。
【0016】
【発明の効果】
この発明によれば、磁気センサである横型トランジスタを従来のバイポーラ型から電圧駆動型のMOS型にすることで、微細加工が可能となり、従来のバイポーラ型のトランジスタのコレクタ電極に相当するドレイン電極の数を従来のコレクタ電極の数より増やすことができ、外部磁場の方向を従来よりも高精度で決定できる。また外部磁場が駆動作用に影響を及ぼさないため高精度な磁界強度の測定ができ、低消費電力化ができる。さらにCMOS回路(駆動、制御、出力)とのマッチングの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例で要部構成図を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線で切断した断面図
【図2】従来の半導体磁気センサのチップ断面図と電流線図
【符号の説明】
1 p基板
2 nエピタキシャル層
3 n領域
4 p分離領域
5 pウエル領域
6 n+ ソース領域
7 n+ ドレイン領域
8 ゲート絶縁膜
9 ゲートポリシリコン膜
10 ソース電極
11 ドレイン電極
12 ゲート電極
13 層間絶縁膜
14 電子電流
21 p+ 領域
22 p+ 領域
23 n+ 領域
24 n+ 領域
25 エミッタ電極
26 コレクタ電極
27 ベース電極
Claims (3)
- 第1導電形の第1領域の表面層に形成された第2導電形の第2領域と、第2領域の表面層に形成された第1導電形の第3領域と、第1領域の表面層に第2領域の周囲に第2領域と隔てられて複数個形成された第1導電形の第4領域と、第3領域と第4領域との間の第2領域上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、第3領域上と断面形状において第3領域に挟まれた第2領域上とに選択的に形成されたソース電極と、前記第4領域それぞれの上に形成されたドレイン電極とを備えたことを特徴とする半導体磁気センサ。
- 第2領域の表面形状が円形に形成され、複数個の第4領域が第2領域と同心円に等間隔に配置されることを特徴とする請求項1記載の半導体磁気センサ。
- 外部磁場中において、複数個のドレイン電極に流れるドレイン電流の総和をドレイン電極数で割った平均ドレイン電流からの偏りで外部磁界の方向と強度を検出することを特徴とする請求項1記載の半導体磁気センサ。
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JP19680896A JP3588926B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 半導体磁気センサ |
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- 1996-07-26 JP JP19680896A patent/JP3588926B2/ja not_active Expired - Fee Related
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