JP3588186B2 - 光起電力装置及び光電変換装置の製造方法 - Google Patents
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光起電力装置及び光電変換装置の製造方法に関し、更に詳しく述べると、半導体光活性層上に形成される電極膜のパタ−ニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光起電力装置において、半導体光活性層上に形成される電極膜パタ−ニング方法に関しては、例えば、特開平4−33379号に開示されている。ここには、基板上に第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層を構成する第2導電膜を積層形成した後、所望の第2電極層と同一パターンの樹脂膜を第2導電膜上に形成する。そして、この樹脂膜をレジスト膜として、樹脂膜が形成されない部分から露出する第2導電膜をエッチング除去することによって、所望のパターンの第2電極層にパタ−ニングするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体光活性層上に形成される電極膜のパタ−ニング方法に関して、上記従来例とは異なる容易な方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の光起電力装置の製造方法は、第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体からなる複数の発電領域を電気接続した光起電力装置の製造方法であって、絶縁表面を有する基板上に第1接続部を有する第1電極層を分割配置する工程と、この第1電極層上を含んで前記絶縁表面の略全面に半導体光活性層を形成する工程と、前記半導体光活性層上に、隣接する発電領域の前記第1電極層の第1接続部の上まで延在する第2接続部を有する第2電極層が形成される以外の部分に紫外線硬化型樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜上を含んで前記絶縁表面の略全面に、前記第2電極層を構成する第2導電膜を形成する工程と、前記樹脂膜を溶解する溶液にて前記樹脂膜を溶解して除去することによって、前記樹脂膜上に形成された前記第2導電膜をも除去して、前記第2導電層を分割形成する工程と、前記半導体光活性層を間に挟んで位置する前記第1接続部と、前記第2接続部とを電気接続する工程と、からなることを特徴とする。
【0005】
また、本発明の光電変換装置の製造方法は、絶縁表面を有する基板上に、第1電極層、半導体光活性層及び前記基板より小面積の第2電極層を積層してなる光電変換装置の製造方法であって、前記絶縁表面上に第1電極層を配置する工程と、この第1電極層上を含んで前記絶縁表面の略全面に半導体光活性層を形成する工程と、前記第2電極層が形成される以外の部分に紫外線硬化型樹脂膜を、前記半導体光活性層上に形成する工程と、前記樹脂膜上を含んで前記絶縁表面の略全面に、前記第2電極層を構成する第2導電膜を形成する工程と、前記樹脂膜を溶解する溶液にて前記樹脂膜を溶解して除去することによって、前記樹脂膜上に形成された前記第2導電膜をも除去して、前記第2導電層を分割形成する工程と、からなることを特徴とする。
【0006】
【実施例】
以下に、第1の構造の光起電力装置における本発明の第1実施例である製造方法を、図1〜4を用いて詳細に説明する。
【0007】
まず、図1において、1はガラス、耐熱プラスチック等から成る透光性の絶縁基板、2a〜2cは、基板1の長手方向に配列され、後述する第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体で構成される発電領域である。
【0008】
そして、図1に示す工程において、発電領域2a〜2cに対応した第1電極層3a〜3cが分割配置される。第1電極層3b、3cの各々は、これらに隣接する発電領域2a、2bの下側に延在する第1接続部3be、3ceを有し、また、第1電極層3aは、発電領域2aから下側に延出する出力延出部3atを有している。更には、発電領域2cの下側には、第1電極層と同一材料から成る島状出力部3ctが配置される。
【0009】
ここで、第1電極層3a〜3cは、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電膜(厚さ約0.3〜1.0μm)か らなる。
【0010】
次に、図2に示す工程においては、第1電極層2a〜3c上を含んで基板1の略全面に、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイド、アモルファスシリコンゲルマニウム等をpnまたはpinに積層した半導体光活性層4(厚さ約0.3〜1.0μm)を形成する。
【0011】
次に、図3に示す工程では、半導体光活性層4上において、第1電極層3b、3cの第1接続部3be、3ceの上まで延在する第2接続部5ae、5beを有する第2電極層5a、5bが形成される部分、発電領域2cに対応した第2電極層5cとこれより延出した出力端子6が形成される部分、発電領域2aの下側で出力端子7が形成される部分以外の領域に、紫外線硬化型樹脂材料をスクリーン印刷法等でパタ−ニング印刷し、紫外線を照射して硬化し約20μmの樹脂膜8(図において斜線で示す部分)を形成する。
【0012】
次の工程(図示なし)において、樹脂膜8上を含んで基板1の略全面に、第2電極層を構成する金属からなる第2導電膜5を形成する。その後、この基板1を、樹脂膜8を溶解できる溶液中に浸して、樹脂膜8を溶解・除去することによって、樹脂膜8上に形成された第2導電膜5をも同時に除去する。これにより、第2接続部5ae、5beを有する第2電極層5a、5b、第2電極層5cとこれより延出した出力端子6、出力端子7が分割形成される。
【0013】
ここで、エッチング溶液としては、紫外線硬化型樹脂膜8を溶解できると共に、第2導電膜が溶解しないエッチング溶液でなくてはならない。例えば、樹脂膜として、互応化学工業(株)のPLAS FINE PER−173Bを用いた場合は、エッチング液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いる。そして、第2導電膜としては、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に溶解しない材料である銅、ニッケル、チタン、タングステン又は銀等が利用できる。
【0014】
更に、エッチング液として、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、樹脂膜を溶解除去した後、下地の発電領域間に存在するアモルファスシリコン系の半導体光活性層をもハーフエッチング又は全部エッチングすることができ、これにより、発電領域間での漏れ電流を低減でき、良好な特性を得ることができる。
【0015】
また、樹脂膜として、熱硬化型樹脂を用いて同製造方法で、光起電力装置を製造する比較実験を行ってみた。熱硬化型樹脂材料をスクリーン印刷法でパタ−ニング印刷し、50℃、15分間の熱を加えて硬化を行った。この後のエッチング液で熱硬化型樹脂を溶解除去する工程において、熱硬化型樹脂を完全に除去することができず、半導体光活性層上に残留してしまった。この残留した熱硬化型樹脂は、完成した光起電力装置の受光面側から観察でき、外観上好ましくない。そして、この残留する熱硬化型樹脂によって、下地の半導体光活性層をエッチング液でエッチングすることができず、従って、発電領域間の漏れ電流により特性も良くない。加えて、残留した熱硬化樹脂は、長期信頼性においても、水分が付着しやすい等の理由により、悪影響を与える。ここで、熱硬化型樹脂が、半導体光活性層上に残留してしまう理由としては、熱により硬化することにより、樹脂が半導体光活性層に強固に付着するためと考えられる。
【0016】
次に、図4に示す工程においては、出力端子7、第2接続部5ae、5be、出力端子6上に、直線的に発電領域の配列方向に沿って、レーザビームや電子ビーム等のエネルギービームを照射することにより、各々の下に位置する出力延出部3at、第1電極層の第1接続部3be、3ce、島状出力部3ctと溶着され、電気接続される。これにより、光起電力装置が完成し、各発電領域が直列接続されると共に、出力端子6、7から出力を取り出すことができる。なお、島状出力部3ctは、出力端子6の抵抗を低減する役割をする。また、上記のように第2電極層を形成後溶着により直列接続する方法に代わって、半導体光活性層を形成後に、第1接続部3be、3ce上の半導体光活性層をエネルギービームにより除去し、その後ここに第2接続部5ae、5beを形成することにより、直列接続する方法を用いてもよい。
【0017】
一方、第2の構造の光起電力装置における本発明の第2実施例である製造方法を、図5〜8を用いて詳細に説明する。
【0018】
まず、図5において、11はガラス、耐熱プラスチック等から成る透光性の絶縁基板、12a〜12cは、基板1の長手方向に配列され、後述する第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体で構成される矩形状の発電領域である。
【0019】
そして、図5に示す工程において、発電領域12a〜12cに対応した矩形状の第1電極層13a〜13cが分割配置される。第1電極層13b、13cの各々は、これらに隣接する発電領域12a、12bに臨む左辺側に第1接続部13be、13ceを有し、また、第1電極層13aは、その左辺側に出力延出部13atを有している。更には、発電領域12cの右側には、第1電極層と同一材料から成る帯状出力部13ctが配置される。
【0020】
ここで、第1電極層13a〜13cは、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電膜(厚さ約0.3〜1.0μm )からなる。
【0021】
次に、図6に示す工程においては、第1電極層12a〜13c上を含んで基板11の略全面に、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイド、アモルファスシリコンゲルマニウム等をpnまたはpinに積層した半導体光活性層14(厚さ約0.3〜1.0μm)を形成する。
【0022】
次に、図7に示す工程では、半導体光活性層14上において、第1電極層13b、13cの第1接続部13be、13ceの上まで延在する第2接続部15ae、15beを有する第2電極層15a、15bが形成される部分、発電領域2cに対応した第2電極層15cとここより延出した出力端子16が形成される部分、発電領域12aの左側に位置する出力端子17が形成される部分以外の領域に、紫外線硬化型樹脂材料をスクリーン印刷法等でパタ−ニング印刷し、紫外線を照射して硬化し約20μmの樹脂膜18(図において斜線で示す部分)を形成する。
【0023】
次の工程(図示なし)において、樹脂膜18上を含んで基板11の上方の略全面に、第2電極層を構成する金属からなる第2導電膜15を形成する。その後、この基板11を、樹脂膜18を溶解できる溶液中に浸して、樹脂膜18を溶解・除去することによって、樹脂膜18上に形成された第2導電膜5をも同時に除去する。これにより、第2接続部15ae、15beを有する第2電極層15a、15b、第2電極層15cとここより延出した出力端子16、出力端子17が分割形成される。
【0024】
紫外線硬化型樹脂膜及びエッチング液としては、第1実施例と同様、互応化学工業(株)のPLAS FINE PER−173B及び水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いる。そして、第2導電膜としても、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に溶解しない材料である銅、ニッケル、チタン、タングステン又は銀等が利用できる。
【0025】
更に、エッチング液として、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、樹脂膜を溶解除去した後、下地の発電領域間に存在するアモルファスシリコン系の半導体光活性層をもハーフエッチング又は全部エッチングすることができ、これにより、発電領域間での漏れ電流を低減でき、良好な特性を得ることができる。また、熱硬化型樹脂を用いて同製造方法で、光起電力装置を製造する比較実験を行ってみたところ、上述の第1実施例にて説明したことと同じ問題が発生した。
【0026】
次に、図8に示す工程においては、第2接続部15ae、15be上に、基板11の側辺方向に沿って、レーザビームや電子ビーム等のエネルギービームを照射することにより、各々の下に位置する第1電極層の第1接続部13be、13ceと溶着される。そして、出力端子17上にも、基板11の側辺方向に沿って、エネルギービームを照射することにより、これの下に位置する出力延出部13atと溶着される。また、出力端子16上にも、基板11の側辺方向に沿って、エネルギービームを照射することにより、これの下に位置する帯状出力部13ctと溶着され、帯状出力部13ctは、出力端子7の抵抗を低減する役割をする。
【0027】
これにより、光起電力装置が完成し、各発電領域が直列接続されると共に、出力端子16、17から出力を取り出すことができる。また、このように第2電極層を形成後溶着により直列接続する方法に代わって、半導体光活性層を形成後に、第1接続部13be、13ce上の半導体光活性層をエネルギービームにより除去し、その後ここに第2接続部15ae、15beを形成することにより、直列接続する方法を用いてもよい。
【0028】
また、上記の両実施例においては、光起電力装置の製造方法を説明したが、本発明を、第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体からなる光電変換装置の第2電極層のパタ−ニングにも用いることができる。
【0029】
更には、上記の両実施例においては、第2電極層を透明として、この側より光を入射しているが、第1電極層と基板とを透明として、この側より光を入射させてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、以上の説明のように、紫外線硬化型樹脂膜を用いて第2電極層をパタ−ニングしているので、半導体光活性層上にこの樹脂が残留することがなく、従って、完成した光起電力装置の受光面側からの外観、長期信頼性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における第1工程を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施例における第2工程を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例における第3工程を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施例における第4工程を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施例における第1工程を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施例における第2工程を示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施例における第3工程を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施例における第4工程を示す平面図である。
【符号の説明】
1、11 基板
2a〜2c、12a〜12c 発電領域
3a〜3c、13a〜13c 第1電極層
3be、3ce、13be、13ce 第1接続部
4、14 半導体光活性層
5a〜5c、15a〜15c 第2電極層
5ae、5be、15ae、15be 第2接続部
8、18 紫外線硬化型樹脂膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、光起電力装置及び光電変換装置の製造方法に関し、更に詳しく述べると、半導体光活性層上に形成される電極膜のパタ−ニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光起電力装置において、半導体光活性層上に形成される電極膜パタ−ニング方法に関しては、例えば、特開平4−33379号に開示されている。ここには、基板上に第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層を構成する第2導電膜を積層形成した後、所望の第2電極層と同一パターンの樹脂膜を第2導電膜上に形成する。そして、この樹脂膜をレジスト膜として、樹脂膜が形成されない部分から露出する第2導電膜をエッチング除去することによって、所望のパターンの第2電極層にパタ−ニングするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体光活性層上に形成される電極膜のパタ−ニング方法に関して、上記従来例とは異なる容易な方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の光起電力装置の製造方法は、第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体からなる複数の発電領域を電気接続した光起電力装置の製造方法であって、絶縁表面を有する基板上に第1接続部を有する第1電極層を分割配置する工程と、この第1電極層上を含んで前記絶縁表面の略全面に半導体光活性層を形成する工程と、前記半導体光活性層上に、隣接する発電領域の前記第1電極層の第1接続部の上まで延在する第2接続部を有する第2電極層が形成される以外の部分に紫外線硬化型樹脂膜を形成する工程と、前記樹脂膜上を含んで前記絶縁表面の略全面に、前記第2電極層を構成する第2導電膜を形成する工程と、前記樹脂膜を溶解する溶液にて前記樹脂膜を溶解して除去することによって、前記樹脂膜上に形成された前記第2導電膜をも除去して、前記第2導電層を分割形成する工程と、前記半導体光活性層を間に挟んで位置する前記第1接続部と、前記第2接続部とを電気接続する工程と、からなることを特徴とする。
【0005】
また、本発明の光電変換装置の製造方法は、絶縁表面を有する基板上に、第1電極層、半導体光活性層及び前記基板より小面積の第2電極層を積層してなる光電変換装置の製造方法であって、前記絶縁表面上に第1電極層を配置する工程と、この第1電極層上を含んで前記絶縁表面の略全面に半導体光活性層を形成する工程と、前記第2電極層が形成される以外の部分に紫外線硬化型樹脂膜を、前記半導体光活性層上に形成する工程と、前記樹脂膜上を含んで前記絶縁表面の略全面に、前記第2電極層を構成する第2導電膜を形成する工程と、前記樹脂膜を溶解する溶液にて前記樹脂膜を溶解して除去することによって、前記樹脂膜上に形成された前記第2導電膜をも除去して、前記第2導電層を分割形成する工程と、からなることを特徴とする。
【0006】
【実施例】
以下に、第1の構造の光起電力装置における本発明の第1実施例である製造方法を、図1〜4を用いて詳細に説明する。
【0007】
まず、図1において、1はガラス、耐熱プラスチック等から成る透光性の絶縁基板、2a〜2cは、基板1の長手方向に配列され、後述する第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体で構成される発電領域である。
【0008】
そして、図1に示す工程において、発電領域2a〜2cに対応した第1電極層3a〜3cが分割配置される。第1電極層3b、3cの各々は、これらに隣接する発電領域2a、2bの下側に延在する第1接続部3be、3ceを有し、また、第1電極層3aは、発電領域2aから下側に延出する出力延出部3atを有している。更には、発電領域2cの下側には、第1電極層と同一材料から成る島状出力部3ctが配置される。
【0009】
ここで、第1電極層3a〜3cは、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電膜(厚さ約0.3〜1.0μm)か らなる。
【0010】
次に、図2に示す工程においては、第1電極層2a〜3c上を含んで基板1の略全面に、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイド、アモルファスシリコンゲルマニウム等をpnまたはpinに積層した半導体光活性層4(厚さ約0.3〜1.0μm)を形成する。
【0011】
次に、図3に示す工程では、半導体光活性層4上において、第1電極層3b、3cの第1接続部3be、3ceの上まで延在する第2接続部5ae、5beを有する第2電極層5a、5bが形成される部分、発電領域2cに対応した第2電極層5cとこれより延出した出力端子6が形成される部分、発電領域2aの下側で出力端子7が形成される部分以外の領域に、紫外線硬化型樹脂材料をスクリーン印刷法等でパタ−ニング印刷し、紫外線を照射して硬化し約20μmの樹脂膜8(図において斜線で示す部分)を形成する。
【0012】
次の工程(図示なし)において、樹脂膜8上を含んで基板1の略全面に、第2電極層を構成する金属からなる第2導電膜5を形成する。その後、この基板1を、樹脂膜8を溶解できる溶液中に浸して、樹脂膜8を溶解・除去することによって、樹脂膜8上に形成された第2導電膜5をも同時に除去する。これにより、第2接続部5ae、5beを有する第2電極層5a、5b、第2電極層5cとこれより延出した出力端子6、出力端子7が分割形成される。
【0013】
ここで、エッチング溶液としては、紫外線硬化型樹脂膜8を溶解できると共に、第2導電膜が溶解しないエッチング溶液でなくてはならない。例えば、樹脂膜として、互応化学工業(株)のPLAS FINE PER−173Bを用いた場合は、エッチング液としては、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いる。そして、第2導電膜としては、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に溶解しない材料である銅、ニッケル、チタン、タングステン又は銀等が利用できる。
【0014】
更に、エッチング液として、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、樹脂膜を溶解除去した後、下地の発電領域間に存在するアモルファスシリコン系の半導体光活性層をもハーフエッチング又は全部エッチングすることができ、これにより、発電領域間での漏れ電流を低減でき、良好な特性を得ることができる。
【0015】
また、樹脂膜として、熱硬化型樹脂を用いて同製造方法で、光起電力装置を製造する比較実験を行ってみた。熱硬化型樹脂材料をスクリーン印刷法でパタ−ニング印刷し、50℃、15分間の熱を加えて硬化を行った。この後のエッチング液で熱硬化型樹脂を溶解除去する工程において、熱硬化型樹脂を完全に除去することができず、半導体光活性層上に残留してしまった。この残留した熱硬化型樹脂は、完成した光起電力装置の受光面側から観察でき、外観上好ましくない。そして、この残留する熱硬化型樹脂によって、下地の半導体光活性層をエッチング液でエッチングすることができず、従って、発電領域間の漏れ電流により特性も良くない。加えて、残留した熱硬化樹脂は、長期信頼性においても、水分が付着しやすい等の理由により、悪影響を与える。ここで、熱硬化型樹脂が、半導体光活性層上に残留してしまう理由としては、熱により硬化することにより、樹脂が半導体光活性層に強固に付着するためと考えられる。
【0016】
次に、図4に示す工程においては、出力端子7、第2接続部5ae、5be、出力端子6上に、直線的に発電領域の配列方向に沿って、レーザビームや電子ビーム等のエネルギービームを照射することにより、各々の下に位置する出力延出部3at、第1電極層の第1接続部3be、3ce、島状出力部3ctと溶着され、電気接続される。これにより、光起電力装置が完成し、各発電領域が直列接続されると共に、出力端子6、7から出力を取り出すことができる。なお、島状出力部3ctは、出力端子6の抵抗を低減する役割をする。また、上記のように第2電極層を形成後溶着により直列接続する方法に代わって、半導体光活性層を形成後に、第1接続部3be、3ce上の半導体光活性層をエネルギービームにより除去し、その後ここに第2接続部5ae、5beを形成することにより、直列接続する方法を用いてもよい。
【0017】
一方、第2の構造の光起電力装置における本発明の第2実施例である製造方法を、図5〜8を用いて詳細に説明する。
【0018】
まず、図5において、11はガラス、耐熱プラスチック等から成る透光性の絶縁基板、12a〜12cは、基板1の長手方向に配列され、後述する第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体で構成される矩形状の発電領域である。
【0019】
そして、図5に示す工程において、発電領域12a〜12cに対応した矩形状の第1電極層13a〜13cが分割配置される。第1電極層13b、13cの各々は、これらに隣接する発電領域12a、12bに臨む左辺側に第1接続部13be、13ceを有し、また、第1電極層13aは、その左辺側に出力延出部13atを有している。更には、発電領域12cの右側には、第1電極層と同一材料から成る帯状出力部13ctが配置される。
【0020】
ここで、第1電極層13a〜13cは、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電膜(厚さ約0.3〜1.0μm )からなる。
【0021】
次に、図6に示す工程においては、第1電極層12a〜13c上を含んで基板11の略全面に、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイド、アモルファスシリコンゲルマニウム等をpnまたはpinに積層した半導体光活性層14(厚さ約0.3〜1.0μm)を形成する。
【0022】
次に、図7に示す工程では、半導体光活性層14上において、第1電極層13b、13cの第1接続部13be、13ceの上まで延在する第2接続部15ae、15beを有する第2電極層15a、15bが形成される部分、発電領域2cに対応した第2電極層15cとここより延出した出力端子16が形成される部分、発電領域12aの左側に位置する出力端子17が形成される部分以外の領域に、紫外線硬化型樹脂材料をスクリーン印刷法等でパタ−ニング印刷し、紫外線を照射して硬化し約20μmの樹脂膜18(図において斜線で示す部分)を形成する。
【0023】
次の工程(図示なし)において、樹脂膜18上を含んで基板11の上方の略全面に、第2電極層を構成する金属からなる第2導電膜15を形成する。その後、この基板11を、樹脂膜18を溶解できる溶液中に浸して、樹脂膜18を溶解・除去することによって、樹脂膜18上に形成された第2導電膜5をも同時に除去する。これにより、第2接続部15ae、15beを有する第2電極層15a、15b、第2電極層15cとここより延出した出力端子16、出力端子17が分割形成される。
【0024】
紫外線硬化型樹脂膜及びエッチング液としては、第1実施例と同様、互応化学工業(株)のPLAS FINE PER−173B及び水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いる。そして、第2導電膜としても、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液に溶解しない材料である銅、ニッケル、チタン、タングステン又は銀等が利用できる。
【0025】
更に、エッチング液として、水酸化ナトリウム水溶液を用いた場合には、樹脂膜を溶解除去した後、下地の発電領域間に存在するアモルファスシリコン系の半導体光活性層をもハーフエッチング又は全部エッチングすることができ、これにより、発電領域間での漏れ電流を低減でき、良好な特性を得ることができる。また、熱硬化型樹脂を用いて同製造方法で、光起電力装置を製造する比較実験を行ってみたところ、上述の第1実施例にて説明したことと同じ問題が発生した。
【0026】
次に、図8に示す工程においては、第2接続部15ae、15be上に、基板11の側辺方向に沿って、レーザビームや電子ビーム等のエネルギービームを照射することにより、各々の下に位置する第1電極層の第1接続部13be、13ceと溶着される。そして、出力端子17上にも、基板11の側辺方向に沿って、エネルギービームを照射することにより、これの下に位置する出力延出部13atと溶着される。また、出力端子16上にも、基板11の側辺方向に沿って、エネルギービームを照射することにより、これの下に位置する帯状出力部13ctと溶着され、帯状出力部13ctは、出力端子7の抵抗を低減する役割をする。
【0027】
これにより、光起電力装置が完成し、各発電領域が直列接続されると共に、出力端子16、17から出力を取り出すことができる。また、このように第2電極層を形成後溶着により直列接続する方法に代わって、半導体光活性層を形成後に、第1接続部13be、13ce上の半導体光活性層をエネルギービームにより除去し、その後ここに第2接続部15ae、15beを形成することにより、直列接続する方法を用いてもよい。
【0028】
また、上記の両実施例においては、光起電力装置の製造方法を説明したが、本発明を、第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体からなる光電変換装置の第2電極層のパタ−ニングにも用いることができる。
【0029】
更には、上記の両実施例においては、第2電極層を透明として、この側より光を入射しているが、第1電極層と基板とを透明として、この側より光を入射させてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明の製造方法は、以上の説明のように、紫外線硬化型樹脂膜を用いて第2電極層をパタ−ニングしているので、半導体光活性層上にこの樹脂が残留することがなく、従って、完成した光起電力装置の受光面側からの外観、長期信頼性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における第1工程を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施例における第2工程を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施例における第3工程を示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施例における第4工程を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施例における第1工程を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施例における第2工程を示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施例における第3工程を示す平面図である。
【図8】本発明の第2実施例における第4工程を示す平面図である。
【符号の説明】
1、11 基板
2a〜2c、12a〜12c 発電領域
3a〜3c、13a〜13c 第1電極層
3be、3ce、13be、13ce 第1接続部
4、14 半導体光活性層
5a〜5c、15a〜15c 第2電極層
5ae、5be、15ae、15be 第2接続部
8、18 紫外線硬化型樹脂膜
Claims (2)
- 第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体からなる複数の発電領域を電気接続した光起電力装置の製造方法であって、
絶縁表面を有する基板上に第1接続部を有する第1電極層を分割配置する工程と、
この第1電極層上を含んで前記絶縁表面の略全面に半導体光活性層を形成する工程と、
前記半導体光活性層上に、隣接する発電領域の前記第1電極層の前記第1接続部の上まで延在する第2接続部を有する第2電極層が形成される以外の部分に紫外線硬化型樹脂膜を形成する工程と、
前記樹脂膜上を含んで前記絶縁表面の略全面に、前記第2電極層を構成する第2導電膜を形成する工程と、
前記樹脂膜を溶解する溶液にて前記樹脂膜を溶解して除去することによって、前記樹脂膜上に形成された前記第2導電膜をも除去して、前記第2導電層を分割形成する工程と、
前記半導体光活性層を間に挟んで位置する前記第1接続部と、前記第2接続部とを電気接続する工程と、からなることを特徴とする光起電力装置の製造方法。 - 絶縁表面を有する基板上に、第1電極層、半導体光活性層及び前記基板より小面積の第2電極層を積層してなる光電変換装置の製造方法であって、
前記絶縁表面上に第1電極層を配置する工程と、
この第1電極層上を含んで前記絶縁表面の略全面に半導体光活性層を形成する工程と、
前記第2電極層が形成される以外の部分に紫外線硬化型樹脂膜を、前記半導体光活性層上に形成する工程と、
前記樹脂膜上を含んで前記絶縁表面の略全面に、前記第2電極層を構成する第2導電膜を形成する工程と、
前記樹脂膜を溶解する溶液にて前記樹脂膜を溶解して除去することによって、前記樹脂膜上に形成された前記第2導電膜をも除去して、前記第2導電層を分割形成する工程と、からなることを特徴とする光電変換装置の製造方法。
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- 1996-03-27 JP JP07240196A patent/JP3588186B2/ja not_active Expired - Fee Related
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