JP3588146B2 - イオン選択性センサおよびその形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、イオン選択性センサ、および化学応答電界効果トランスデューサに関し、より詳しくはそのようなデバイスに使用するための電気界面を設ける方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの環境、例えば、臨床研究所、分析化学研究所、または工業化学研究所において、溶液中に存在する様々なイオン化学種または分析物の濃度を迅速に分析する必要がある。従来そのような分析においては、参照電極が浸漬されている試験溶液にイオン選択性電極を接触させている。このイオン選択性電極と参照電極とを電圧計を介して接続し、溶液中の特定分析物の活量についての電位測定を行なう。既知の濃度の参照溶液または標準溶液を測定して、溶液中の分析物の濃度と活量測定値との相関関係をとることもできる。
【0003】
一般的に、イオン選択性電極は以下の設計にしたがって製造されている。ある従来の設計は、内部酸化還元対参照電極、イオン選択性膜、および該参照電極と該イオン選択性膜とを接触させる内部液体電解質からなるものである。イオン選択性膜は好ましくは、分析すべきイオンと選択的に錯体を形成する(complexing)特定の分子をその中に含有するように製造される。また電解質は好ましくは、比較的高濃度の分析すべきイオンおよび酸化還元対の陰イオン、例えば銀/塩化銀参照電極における塩化物を含む。電位測定は、電圧計により検出される起電力が溶液中の分析物の対数濃度に比例するという原理に基づいている。一般的に既知の濃度の分析物を含む標準溶液を用いてその分析における校正曲線を作成し、試験試料中に含まれる分析物の濃度を校正曲線との比較により求める。しかしながら、そのようなシステムには電極が乾ききってはならない環境にその電極を保持する必要があり、そのシステムは、例えば、プレーナ電極の製造において電極を著しく小型化できない。
【0004】
ヒドロゲル(hydrogel)、すなわち、塩と結合した中性重合体マトリックスが、上述した液体電解質のマトリックスと同様な様式でイオン選択性電極に用いられている。しかしながら、ヒドロゲルは使用中に許容できないほど膨潤してしまう傾向にある。そのような膨潤にはいくつかの有害な影響があり得る。その1つは、ヒドロゲルの上を覆うイオン選択性膜の物理的損傷(結局は破壊)であり、別の影響としては、膨潤数(swell value )が変化するにつれ、ヒドロゲル内の分析物のイオンの濃度が安定せず、結果として分析が不正確になってしまうことである。
【0005】
別のイオン選択性電極の設計には、従来のイオン選択性膜に覆われた参照酸化還元対(例えば、銀/塩化銀電極)が含まれ、「被覆ワイヤ電極」として知られている。そのような設計においては、電極を小型化でき、またプレーナ電極の製造もできるであろう。しかしながら、イオン分析システムにおいては、分析の精度を確実なものとするために、全体の電圧測定回路の物質および相界面での接合電位ができるだけ安定し、再現性のあるものであることが重要である。被覆ワイヤ電極においては、イオン選択性膜/参照酸化還元対の界面の界面接合電位(interface junction potential)が不安定であることが観察されている。この被覆ワイヤ電極には、電子伝導性領域とイオン伝導性領域との間に境界が存在する。この境界には、内部接触溶液がないために、それにまたがる化学平衡または電子平衡がない。そのような境界は当業者に「ブロック(blocked )」界面として知られている。
【0006】
そのような接合電位を安定化させる方法の1つが、本願発明の譲受人に譲渡された系属出願である米国特許出願第07/650,347号、および対応ヨーロッパ特許出願第0498572 A2号に記載されており、その両者をここに引用する。そこには、酸化還元対のイオン化学種と錯体を形成するように計画されたフォーティオフォア(fortiophore )を含むイオン選択性膜と接触している酸化還元対参照が記載されている。
【0007】
米国特許第4,434,249 号は、イオン伝達膜(ion−transfer membranes)の調製、およびアクリルモノマーからなる膜、特に少なくとも2種のアクリルモノマーのコポリマーからなる膜を調製する方法について記載している。特に、メチルメタクリレート(MMA)のような非イオン疎水性物質からなるモノマー成分(>88モル%)と、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物(MAPTAC)のようなイオノゲナス基(ionogenous group)を有するアクリルモノマーからなるモノマー成分(3モル%−12モル%)とを含む膜組成物が記載されている。この特許は、このバルク物質をまたがってイオンを伝達するイオノゲナスモノマーの最適濃度の基準について記載しており、その濃度がこの基準から離れると、伝達量は減少してしまう。2つの異なる伝導領域(例えば、電子領域およびイオン領域)の間の界面としてこのバルク物質を使用することは教示されていない。
【0008】
ここに引用するヨーロッパ特許出願第0325562 A2号は、イオン交換樹脂を電気化学酸化還元対とイオン選択性膜との間に配置し、樹脂を構成する重合体に化学的に結合した、分析すべきイオンに対するイオンを有するようにイオン交換樹脂が選択されるイオン選択性電極について記載している。この出願は、標準的な市販のイオン交換樹脂、例えば、アンバーライト、ドーエックス、およびナフィオン等の使用について教示しており、これらのイオン交換樹脂は一般的に、物質1g当たり約4.3 ミリ等量、すなわち、物質1g当たり約2.5 ×1021の荷電部位の容量を有する。この手法における水性膨潤数または接着特性についてはいずれもこの出願には記載されていないが、一方でイオン交換樹脂は一般的にそのような環境においては許容できないほど、さらに溶解点(the point of dissolving )まで膨潤するので、イオン交換樹脂と不活性基質との間の接着性は一般的に乏しいと思われている。実際に、荷電基を含む多くの重合体物質と他の重合体層または基質との間の接着はしばしば、例えば、シラン化(silated )ポリ塩化ビニルのような中間不活性メッシュ状層により増強しなければならない。
【0009】
イオン選択性膜はまた、イオン選択性電界効果トランジスタにおけるゲート物質として用いられてきた。この技術におていも同様に、電子領域とイオン領域の境界には複雑な状況がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、イオン選択性センサ、イオン選択性電界効果トランスデューサ等における電子領域とイオン領域との間の界面として機能する固体物質であって、この固体物質を使用するどのデバイスにおいても物理的破壊が生じる膨潤値より低く、迅速に平衡状態に達して、再現性のある膨潤値を有し、調製しやすくまた使用しやすく、そして一般的な基体とこの固体物質を使用するデバイスにおいて隣接する層とに良好に接着する固体物質を配合することがこの業界で課題となっている。
【0011】
したがって、本発明の全般的な目的は、調製しやすくまた使用しやすく、一般的な基体および使用する電気化学デバイスにおいて隣接する物質に良好に接着し、そして安定で再現性のある膨潤値を有する物質を使用することにより、電子領域とイオン領域との間のより安定な平衡状態であって、電気化学デバイスにおける接合電位の安定性と再現性を高める平衡状態を設定または維持する手段および方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の前述した目的および他の目的並びに利点は、参照酸化還元対を構成する導電物質、該導電物質上に設けられた固定荷電部位(immobilized charge sites)を有する重合体物質、および該重合体物質を覆うイオン選択性物質からなるイオン選択性センサを形成することにより達成される。好ましくは、重合体物質は、1グラム当たり約1.63×1021未満の固定荷電部位を担持する。イオン選択性センサは導電参照電極物質が配置される基体をさらに含んでもよい。
【0013】
本発明は、参照酸化還元対を構成する導電物質、該導電物質上に設けられた重合体物質、および該重合体物質を覆うイオン選択性物質からなり、前記重合体物質が前記酸化還元対に含まれる移動性イオンの電荷と反対の電荷の固定部位を有することを特徴とするイオン選択性センサを提供する。
【0014】
本発明は、酸化還元対を形成する固体接触参照体(solid contact reference )とイオン選択性センサ等のイオン選択性物質との間に安定で再現性のある電気界面を形成する方法であって、前記固体接触参照物および前記イオン選択性物質の両者と固定荷電部位を有する重合体物質とを接触させる工程を含み、前記重合体物質が1グラム当たり約1.63×1021未満の固定荷電部位を担持することを特徴とする方法を提供する。
【0015】
本発明は、導電物質を用意し、該導電物質の一部を含む酸化還元対を形成し、固定荷電部位を有する重合体物質で前記酸化還元対を被覆し、該重合体物質をイオン選択性物質で覆う各工程からなるイオン選択性センサを形成する方法を提供する。
【0016】
本発明は、酸化還元対を形成する固体接触参照物とイオン選択性センサ等のイオン選択性物質との間に安定で再現性のある電気界面を形成する方法であって、前記固体接触参照物および前記イオン選択性物質の両者と前記酸化還元対に含まれる移動性イオンの電荷と反対の電荷の固定部位を有する重合体物質とを接触させる工程を含む方法を提供する。
【0017】
本発明は、導電物質を用意し、該導電物質の一部を含む酸化還元対を形成し、前記酸化還元対を該酸化還元対に含まれる移動性イオンの電荷と反対の電荷の固定部位を有する重合体物質で被覆し、該重合体物質をイオン選択性物質で覆う各工程からなるイオン選択性センサを形成する方法を提供する。
【0018】
本発明は、化学応答電界効果トランスデューサであって、表面を有する半導体物質の層;該表面において第1のドーピング特性を有する一組の第1の拡散領域;前記表面において前記一組の第1の拡散領域間の部分で第2のドーピング特性を有する第2の拡散領域;前記表面上に設けられた電気絶縁物質;電気絶縁物質上に設けられた固定荷電部位を有し、1グラム当たり約1.63×1021未満の固定荷電部位を担持し、電気絶縁物質により前記第1と第2の拡散領域から隔てられている重合体物質;該重合体物質上に設けられたイオン選択性物質;および試料に露出するための前記イオン選択性物質のある領域を露出したままにしながら、前記化学応答電界効果トランスデューサを試料領域から封じる電気絶縁カプセルからなることを特徴とする化学応答電界効果トランスデューサを提供する。
【0019】
本発明は、化学応答電界効果トランスデューサを製造する方法であって、表面を有する半導体物質の層を用意し、そこに第1のドーピング特性を付与するように前記表面において一組の第1の拡散領域をドーピングし、そこに第2のドーピング特性を付与するように前記一組の第1の拡散領域間の前記表面の部分にある第2の拡散領域をドーピングし、前記第1と第2の拡散領域を電気絶縁物質で覆い、該電気絶縁物質に隣接するように重合体物質を設け、該重合体物質をイオン選択性物質で覆い、試料に露出するために前記イオン選択性物質のある領域を露出したままにしながら、試料領域から前記化学応答電界効果トランスデューサを隔離するように該化学応答電界効果トランスデューサを電気絶縁カプセルで封じ込める各工程からなり、前記重合体物質が固定荷電部位を有し、1グラム当たり約1.63×1021未満の固定荷電部位を担持することを特徴とする方法を提供することも含む。
【0020】
これらと他の目的を鑑みて、当業者には明確なように、本発明は明細書に記載され請求の範囲により包含された構成の組合せにある。
【0021】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1に従来技術の被覆ワイヤイオン選択性センサ10の断面図を示す。このイオン選択性センサ10は、実質的に平板の非導電基体12、およびその上に形成された酸化還元対14を含む。酸化還元対14は一般的に銀のような金属16を含み、その上には塩化銀のような金属塩18が配置されている。イオン選択性膜20はその上に電気化学的に形成されており、一般的に酸化還元対14を覆い、酸化還元対14が覆わず該酸化還元対14を囲む区域13における基体12の区域と接触している。膜20は一般的に、該膜にイオン選択性を付与するイオン選択性化学種を含む重合体膜からなる。そのようなイオン選択性化学種は、例えば、非解離性(non−dissociable )イオン特異性配位子(すなわち、イオノフォア)、または荷電液体イオン交換体の形態をとってもよい。
【0023】
金属16からなる金属のような導電物質から一般的に形成される導線22を、図1に示すように、金属16と接触させるためにその真下にある基体12を貫通させても、もしくは金属16と接触させるために基体12上に配置してもよい。後者の配置(図示せず)によると、導線22は、別の形態において膜20と接触する部分で絶縁物質により一般的に覆われている。これらの形式の両者ともが当業者によく知られている。
【0024】
図1の右側の構成は、イオン選択性センサ10に関連する化学平衡および電気化学平衡の概略を示している。図1に構成において、レベルIは参照酸化還元対14と分析装置を規定している回路の導線22との間の電子的接触を示している。レベルIIは一般的な参照酸化還元対に関連する電気化学平衡を示している。ここで、例えば、Mは銀のような金属を示し、MXは金属塩を示し、Xは塩化物のようなイオンを示す。レベルIII においては、Pは、イオノフォアを含む一般的な重合体物質であるイオン選択性膜20の物質Pと、この模範的な構成における陽イオンである分析物化学種の分析物Aとの間の結合を示している。レベルIVは一般的に分析物Aを含有する水溶液である分析媒体を示している。図1の構成から、電子運搬の形態においてレベルIとレベルIIの間、およびイオン運搬の形態においてレベルIII とレベルIVの間には平衡が存在するが、レベルIIとレベルIII との間には平衡が存在せず、参照酸化還元対14とイオン選択性膜20との間には界面があることが示され、結果として「ブロック」界面となるのが明らかである。上述したように、そのような「ブロック」接合電位は一般的に不安定であり再現性がなく、結果として電気化学分析においては測定が不正確なものとなってしまう。
【0025】
図2は本発明の実施態様の1つによるイオン選択性センサ30の断面図を示している。イオン選択性センサ30は、実質的に平板の非導電基体32上に一般的に形成されており、参照酸化還元対34、該参照酸化還元対34と接触している重合体物質40、および該重合体物質40と接触しているイオン選択性膜42からなる。
【0026】
基体32は、ガラス、セラミック、シリコンウェーハ、プラスチック、重合体樹脂等のようないずれの絶縁物質からなるものであってもよく、特定の基体物質またはその形状は本発明にとっては重要な要件ではない。
【0027】
酸化還元対34は一般的に基体32の一部の上面に配置されており、どのような標準的参照酸化還元対(例えば、金属36および金属塩38)からなるものであってもよい。好ましい実施態様においては、酸化還元対34は銀の層36および該銀の層36と接触し一般的にはその上に亘って形成または配置されている塩化銀の層38からなる。塩化銀の層38は、既知の方法、例えば、標準ミクロ製造技術を用いたプリントにより、もしくは、溶液(例えば、塩化カリウムまたは塩化ナトリウムの濃縮溶液)からのメッキにより形成してもよい。
【0028】
導線39は酸化還元対34と電気的に接触するものであり、基体32を通過させても(図示したように)、もしくは基体32の上に配置しても(図示せず)よい。導線39は、銀、銅、ニッケル、金、白金、亜鉛等のようないかなる導電物質から形成されていてもよく、本発明の好ましい実施態様によると銀、白金、または金からなる。
【0029】
本発明の好ましい実施態様によると、重合体物質40は、酸化還元対34と接触し、この酸化還元対34を完全に覆い、基体32の区域35上に亘って配置されている。他の物質上に重合体物質を配置する既知の方法、例えば、溶解させた重合体または共重合体としての溶液の流延(casting )、酸化還元対および基体上へ直接的な物質の重合または共重合、もしくは重合体物質40のシートの作成と酸化還元対34および基体32上へのそのシートの加圧といったいずれの方法によって重合体物質40を酸化還元対34および基体32上に設けてもよい。本発明の好ましい実施態様によると、重合体物質40は回転流延(spin−casting)または液滴流延(drop−casting)のいずれかにより酸化還元対34および基体32上に溶液を流延する。使用する溶液は、重合体物質40がその溶液に対して溶解性であるどのような溶液(一般的には有機溶媒)であってもよい。
【0030】
重合体物質40は、酸化還元対34および基体32上にフイルムまたはコーティングを形成するのに十分な分子量を有するどのような物質からなっていてもよいが、特性においては、非結晶性であるように十分に低い分子量、一般的には2,000 ダルトンから25,000ダルトンまでの範囲、より一般的には5,000 ダルトンから15,000ダルトンまでの範囲の分子量を有する。
【0031】
好ましくは、重合体物質40は、水と接触すると、安定な膨潤数まで比較的素早くそして再現性をもって平衡状態となる。重合体物質40は、水と接触すると、乾燥重量の5倍以下の重量、好ましくは乾燥重量の約1.5 倍から3倍までの範囲の重量となるように膨潤すべきであり、より好ましくは、水と接触すると、乾燥重量の約2倍以上の重量までは膨潤しない。上述したように、イオン選択性センサまたは他の電気化学デバイスの電子伝導またはイオン伝導に伴う重合体物質の膨潤数が迅速で安定的に平衡状態に達する結果、読出しにおける正確さの点から見て電極全体の平衡が迅速で安定なものとなる。
【0032】
本発明の好ましい実施態様の1つによると、重合体物質40は1グラム当たり約1.63×1021(約2.72ミリ等量/グラムに対応する(meq/g))以下の固定荷電部位を含む。ここに用いているように、1グラム当たりの荷電部位およびmeq/gは、重合体物質40の乾燥重量に関するものである。好ましくは重合物質40は、1グラム当たり約5.5 ×1019から約1.4 ×1021(約0.09から約2.26meq/g)までの範囲の固定荷電部位、より好ましくは1グラム当たり約4.1 ×1020から約1.1 ×1021(約0.09から約2.26meq/g)までの範囲の固定荷電部位、最も好ましくは1グラム当たり約5.5 ×1020から約8.2 ×1020(約0.68から約1.81meq/g)までの範囲の固定荷電部位を含む。グラム当たりの固定荷電部位の数のこれらの好ましい範囲を含む使用条件にしたがって重合体物質40を使用すると、イオン選択性センサ30の全体的な性能が好ましい影響を受けて、特に、膨潤、接着、寿命、および正確さが良好なものとなる。
【0033】
本発明の好ましい別の実施態様によると、重合体物質40は酸化還元対34に含まれる移動性イオンの電荷とは反対の電荷の固定部位を有する。すなわち、一般的な銀/塩化銀の酸化還元対を参照酸化還元対34として用いる場合、重合体物質40は好ましくは、その酸化還元対に含まれる塩化物イオンの電荷と反対である、正の電荷の固定部位を含む。そのような電荷の重合体物質を選択すると、結果として、参照酸化還元対34と重合体物質40との間の平衡が安定する。このことについて、以下さらに記載する。
【0034】
重合体物質40は、少なくとも1つの荷電部位を担持する少なくとも1つのモノマー、および少なくとも1つの不活性モノマーの重合生成物または共重合生成物からなものであってよい。好ましくは、重合体物質40は、陰イオン、陽イオン、または双性イオンの化学種、および一般的には少なくとも1つの他の非イオン化学種の重合生成物からなる。重合体物質40を形成するように重合する化学種に関連することのある荷電部位の非制限の模範的な例としては、スルホネート、カルボンキシレート、ホスホネート、アンモニウム基、第4アンモニウム基、ホスホニウム基、第4ホスホニウム基等が挙げられる。これらの荷電基と釣り合う様々な範囲の対イオンを用いてもよく、本発明のセンサにより分析すべきイオンおよび/または参照酸化還元対に含まれるイオンを好ましくは対イオンとして選択してもよい。
【0035】
重合体物質40として使用するのに適した重合体の模範的な例としては、固定荷電部位を有するポリスチレン、過フッ素化アイオノマー、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼン樹脂、ジビニルナフタレン酸重合体、ビニルピリジニウム塩、第4(quarternized)ビニルベンジルハロゲン化物、1993年4月9日に出願されここに引用する系属出願であって共有の米国特許出願08/045,847号に記載されているようなアクリレート重合体、ニトリル含有重合体、アミド含有重合体等が挙げられる。
【0036】
本発明の重合体物質40を形成する重合または共重合に適したモノマーの特に好ましい群が、米国特許第4,434,249 号および1984年2月28日に出版されC.L.バレストラッセとT.R.ベックによるジャーナルオブエレクトロケミカルソサイエティー、134 、11、2745−2749(1987)に掲載された「アクリルイオン−トランスファー重合体」と題する論文に記載されており、その両者をここに引用する。
【0037】
ある好ましい実施態様によると、重合体物質40は少なくとも1つの荷電アクリルモノマーおよび少なくとも1つの中性アクリルモノマーの共重合生成物からなる。好ましくは、使用する荷電アクリルモノマーは下記の化学式を有する:
【0038】
【化3】
Figure 0003588146
【0039】
ここでRは、水素、炭化水素基およびアルコール基からなる群より選択され、Yは下記の化学式を有する:
【0040】
【化4】
Figure 0003588146
【0041】
ここでRは、ストレート(straight)または枝分れ飽和炭化水素鎖、ストレートまたは枝分れ不飽和炭化水素鎖、およびヒドロキシ官能価を有するストレートまたは枝分れ飽和もしくは不飽和炭化水素鎖からなる群より選択され、R、R、およびRは、水素、炭化水素基、およびアルコール基からなる群より各々が独立して選択され、Zは、ハロゲン化物、アセテート、およびメチルスルフェートイオンからなる群より選択される。
【0042】
より好ましくは、RはHおよびCHからなる群より選択され、Rはストレートまたは枝分れ飽和炭化水素鎖からなる群より選択され、R、R、およびRはHおよびCHからなる群より各々独立して選択され、Zはハロゲン化物である。特に好ましい実施態様によると、R、R、RおよびRは各々CHであり、Rは(CHであり、Zは塩化物である。
【0043】
この実施態様によると、使用する中性アクリルモノマーは、化学式CH=C(R)(COOR)で表される少なくとも1つの成分からなるものであってもよく、ここでRおよびRは、水素、炭化水素、およびアルコールからなる群より各々独立して選択される。好ましくは、Rは水素および低級アルキル基からなる群より選択され、Rは1から20までの炭素原子を有する、線状炭化水素、枝分れ炭化水素および環状炭化水素、並びにアルコールからなる群より選択される。上記記載によると、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル等のような炭化水素基を選択してもよい。
【0044】
ここに用いている、専門用語である、「炭化水素」、「アルキル」、「シクロアルキル」および同様な炭化水素用語は、アルコールおよび水素を含むことを意味するが、水素および/またはアルコールを含む特定の記載もしばしばここに用いる。そのような基の実施例としては、メチル、プロペニル、エチニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0045】
陰イオン、陽イオン、またはフリーラジカルの重合開始剤を含む従来の手段により重合体物質40の共重合を行なってもよい。
【0046】
特に好ましい実施態様において、重合体物質40は、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)およびメチルメタクリレート(MMA)の共重合体からなる。例えば、所定の比率のこれらのモノマーの混合物の重合反応により調製したランダム共重合体を用いてもよく、また上述したモノマー各々で約1から500 モノマー単位のブロックからなるブロック共重合体を調製してもよい。ブロック共重合体は、様々な分子量のブロックのランダム混合物であっても、または用途に応じて比較的狭い範囲の分子量を有するブロック体の混合物であってもよい。好ましくは、MAPTACモノマーとMMAモノマーとの混合物を溶液中で重合させる。
【0047】
上述した本発明の実施態様の1つによると、MAPTACモノマーとMMAモノマーの相対量の比率は、上述した好ましい荷電/グラム(meq/g)の上述した好ましい範囲となるように選択する。1グラム当たり約1.63×1021未満の固定荷電部位を担持する重合体物質を配合するために、MMAに対するMAPTACの重量比が約60/40未満であるMMAとMAPTACからなる混合物を重合させる。1グラム当たり約5.5 ×1019から1.4 ×1021までの範囲の固定荷電部位を含む重合体物質を配合するために、MAPTAC/MMAの重量比が約2/98から約50/50までのMAPTACとMMAを共重合させる。1グラム当たり約4.1 ×1020から1.1 ×1021までの範囲の固定荷電部位を含む重合体物質を配合するために、MAPTAC/MMAの重量比が約15/85から約40/60までのMAPTACとMMAを用いる。1グラム当たり約5.5 ×1020から8.2 ×1020までの範囲の固定荷電部位を含む重合体物質を配合するために、MAPTAC/MMAの重量比が約20/80から約30/70までのMAPTACとMMAを用いる。
【0048】
上述した実施態様によると、重合体物質40は、固定された、正荷電部位、負荷電部位、または正と負の両方の荷電部位を含んでいてもよい。負に荷電されたかまたは正に荷電された固定部位の一方のみが重合体物質40に存在する実施態様によると、重合体物質40に塩を加えることが特に好ましく、これを本発明の範囲に包含する。上述したように、重合体物質40に関連する固定荷電部位の対イオンは、溶液中の分析物イオンまたは参照酸化還元対34に含まれるイオンのいずれかと同一であるように好ましくは選択してもよい。重合体物質40に添加するために選択する塩は、分析物イオンおよび/または参照酸化還元対34に含まれるイオンを含むように好ましくは選択してもよい。例えば、銀/塩化銀酸化還元対34を用いる場合、イオン選択性膜は特定の陽イオンに対して選択性を有し、重合体物質40は固定された正に荷電した部位を含み、分析すべき陽イオンおよび塩化物を含む塩を好ましくは重合体物質40に加えてもよい。
【0049】
重合体物質40にそのような塩を添加すると、一般的に重合体物質40の移動特性に好ましく影響が与えられる。移動の原理が上述した米国特許第4,434,249 号に記載されている。本発明によると、検知するイオンについて理想的な値である1.0 に近い全体の輸率を有するイオン選択性センサ30を製造することが好ましいが、検知するイオンの荷電と反対の荷電のイオンについてゼロの理想値の輸率を有するイオン選択性センサ30を製造することも好ましい。しかしながら、重合体物質40それ自身の内部においては、陽イオンと陰イオンの化学種の両者についての輸率がゼロより大きく、好ましくは約0.1 と約1.0 の間であることが好ましい。
【0050】
いくつかの方法により重合体物質40に塩を添加してもよい。ある方法によると、フリースタンディング(free−standing )重合体として重合体物質40を流延して、所定のサイズに切断し、添加すべき塩を含む水溶液中に浸漬してもよい。一般的に、そのような水溶液は約0.1 Mから0.2 Mまでの範囲の濃度を有する。あるいは、そのような塩の存在下で重合体物質40を重合または共重合させるか、またはイオン選択性センサ30もしくは以下に記載するイオン選択性電界効果トランジスタ40または80の製造中に選択した塩を含む溶液から液滴流延(drop cast )または回転流延(spin cast )してもよい。別の方法によると、重合体物質40を施す前に、酸化還元対34上に塩をスクリーンプリントしてもよい。
【0051】
この実施態様によると、好ましくは重合体物質40の陽イオン輸率と陰イオン輸率とを比較してほぼ2桁の大きさ以内にあるように特定の塩を加える。より好ましくは、陰イオンの輸率に対する陽イオンの輸率の比率または陽イオンの輸率に対する陰イオンの輸率の比率が約6.0 以下であり、さらにより好ましくは約2.6 以下であり最も好ましくは約1.9 以下であるように、特定の塩を加える。好ましい実施態様によると、重合体物質40は、この重合体物質内で陽イオンまたは陰イオンの移動の特異性に悪影響を及ぼすことなくそのような塩を加えるように選択する。
【0052】
本発明の好ましい実施態様によると、イオン選択性物質42は重合体物質40と接触してこれを完全に覆う。イオン選択性物質42の選択は本発明にとっては重要な要件ではない。したがって、物質にイオン選択性を付与する様々な既知のイオン交換体またはイオノフォアを含む様々な既知の物質から選択してもよい。イオン選択性物質42は、所定のサイズに切断され重合体物質40の上面に配置される市販のまたは予備製造された膜であってもよく、製造されて適切な溶液に溶解されそして重合体物質40上に流延されてもよく、もしくは配合され溶液中で重合体物質40上に重合されてもよい。好ましくは、イオン選択性物質42は重合体物質40の上面に溶液から流延された膜である。さらに、イオン選択性ガラス等のような他のイオン選択性物質をイオン選択性物質42として使用することも本発明の範囲に含む。
【0053】
イオン選択性物質42の形成に適した物質の非制限の模範的な例としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、シリコンゴム、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニルと共重合したポリ塩化ビニリデン、ポリビニルブチリル、ポリビニルホルマル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、セルロースエステル、および上述した物質の共重合体、並びにガラスが挙げられる。イオン選択性物質42からなる膜の調製には、o−ニトロフェニル−オクチルエーテル、ジメチルフタレート、ジオクチルフェニル−ホスホネート、ジブチルフタレート、ヘキサメチルホスホアミド、ジブチルアジペート、ジオクチルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、および他の従来の可塑剤のような可塑剤を用いてもよい。
【0054】
上述したように、物質42にイオン選択性を付与するためには、一般的に適切なイオノフォアまたはイオン交換体を用いる。分析すべきイオンに対して選択性のある既知のイオノフォアを用いてもよい。イオノフォアの非制限の模範的な例としては:カリウムについては、バリノマイシン、ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、テトラフェニルボレート、テトラキス(p−クロロフェニル)ボレート;カルシウムについては、ビス(ジデシルホスフェート)、ビス(4−オクチルフェニルホスフェート)、ビス(4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)フェニルホスフェート テトラコサメチルシクロドデカシロキサン、N,N′−ジ(11−エトキシカルボニル)ウンデシル)−N,N′,4,5−テトラメチル−3,6−ジオキサオクタン ジアミド;水素については、トリドデシルアミン,N−メチル N−オクタデシル(1−メチル,2−ヒドロキシ,2−フェニル)エチルアミン、N−オクタデシル3−ヒドロキシn−プロピルアミン、N,N′ビス(アクタデシル エチレン アミン)、p−オクタデシルオキシ−m−クロロフェニルヒドラゾンメソ オキサロニトリル;ナトリウムについては、モネンシン、N,N′,N″−トリヘプチル−N,N′,N″−トリメチル−4,4′,4″−プロピリジントリス−(3−オキサブチルアミド)、N,N,N′,N′−テトラシクロヘキシル−1,2−フェニレンジオキシジアセトアミド、4−オクタデカノイルオキシメチル−N,N,N′,N′,−テトラシクロヘキシル−1,2−フェニレンジオキシジアセトアミド、ビス[(12−クラウン−4)メチル]ドデシルメチルマロネート;リチウンについては、N,N′−ジヘプチル−N,N′,5,5−テトラメチル−3,7−ジオキソノナンジアミド)、12−クラウン−4,6,6−ジベンジル−14クラウン−4;塩化物については、第4塩化アンモニウム,トリブチルスズクロライド等が挙げられる。
【0055】
本発明に関する特定の膜におけるイオン選択性物質を製造するための様々な成分および方法が従来技術において知られており、例えば、1991年8月8日に出願された国際特許出願WO91/11710号、米国特許第4,214,968 号、第3,562,129 号、第3,753,887 号、および第3,856,649 号に記載されており、これらをここに引用する。また、そのような成分および方法は、共有されている系属出願の米国特許第07/650,347号およびヨーロッパ特許出願第0325562A2 号にも同様に記載されており、これらもここに引用する。
【0056】
ここで図2の構成を参照する。これは、本発明のイオン選択性センサに関する好ましい化学平衡を示したものである。レベルVは導線39を通じて酸化還元対34への電流と該酸化還元対34からの電流を示している。レベルVIは、例えば、銀/塩化銀のような酸化還元対34に関連する電気化学平衡を示している。レベルVII は、Pにより示した重合体物質40の部分と酸化還元対34のイオンX(例えば、塩化物イオン)との結合、およびPにより示した重合体物質40の部分と結合した分析すべきイオン(例えば、Aで示した陽イオン)の含有について説明している。固定正荷電部位が重合体物質40と結合しているのであれば、銀/塩化銀が酸化還元対34として選択される場合、Pにより示される結合、並びに分析すべきいかなる陰イオンとの結合が強められる。重合体物質40が固定負荷電部位を有するのであれば、酸化還元対34と関連する電気化学平衡に含まれる正イオンとの結合および/または図2において陽イオンAとして示された正荷電イオンとの結合が強められる。重合体物質40が正または負のいずれかのみに荷電した部位を含むように選択される場合、酸化還元対34と関連した陰イオンと分析物化学種と関連した陽イオンの両者の平衡が存在し(上述したように)、本発明による重合体物質40のグラム当たりの固定荷電部位の好ましい範囲にしたがってこのような結果となるように、固定部位の電荷と同一の電荷のイオンをある程度含有するように好ましくは重合体物質40を選択する。図2の構成のレベルVIIIは、この構成においては陽イオンAである分析すべきイオンと結合するPとして示されるイオン選択性物質42の部分を示す。レベルIXは、模範的な分析物Aを含有する分析物媒質を示し、これは水溶液または有機溶液、血液または血漿、皮膚等からなり、様々な分析物媒質が本発明により製造されるイオン選択性センサにより測定可能である。
【0057】
図2の構成から分かるように、レベルVとレベルVIの間では電子が移動し、図1のレベルIおよびIIに示される従来技術の状態に似ている。レベルVIIIとレベルIXとの間にはイオンが移動し、図1のレベルIII およびIVに示される従来技術の状態に似ている。しかしながら、本発明によると、重合体物質40の部分Pと酸化還元対34(X)の平衡に関連するイオンとの間に結合により補助されて、レベルVIとレベルVII の間でイオンが移動する。
【0058】
さらに、イオン選択性物質42(レベルVIII)の部分Pと重合体物質40(レベルVII )との間で模範的な分析物イオン(A)が移動する形態で、レベルVII とVIIIとの間でイオンが移動する。したがって、イオン選択性センサ30をまたがって「非閉鎖(unblocked )」接合電位となり、イオン化学種の分析における精度が改善される。
【0059】
上述したように、プレーナ電気化学デバイスの製造に通常関係する問題の1つは、層間の接着が不十分なことである。特定のデバイスの寿命、またはデバイス製造の可能性において、しばしば離層が決定要件となる。本発明のイオン選択性センサは、酸化還元対34の上をイオン選択性物質42で覆うように設けられている試料室からなるサンプリングデバイス上に付設されており、この試料室は試料溶液が酸化還元対34の上にあるイオン選択性物質42と接触するように構成されている。模範的な試料室が前述した共有の系属出願である米国特許出願第08/045,847号に記載されている。そのようなサンプリングデバイスにおいて、図2を参照して、ガスケットまたは他の器具が全般的にイオン選択性物質42上で基体32の方向に圧力を加えている。しかしながら、そのようなセンサの一般的なミクロ製造には、単一のチップ上に複数のデバイスを製造し、続いてそのチップのシンギュレーション(singulation ;ダイシング)を行なって複数のセンサを作成し、各々のセンサデバイスを収容する試料デバイスに取り付ける工程を必要とする。そのようなシンギュレーションと分離の結果、様々な層間の接着が不十分である場合には離層が生じるかもしれない。
【0060】
驚くべきことに、本発明の好ましい実施態様による重合体物質40は、重合体物質40と基体32との間、または重合体物質40とイオン選択性物質42との間に補助の結合層を必要としないように、様々な絶縁基体物質および様々なイオン選択性物質に良好に接着することが明らかとなった。
【0061】
層の機械的接着力は、テープ試験、ブリスター試験、引掻きまたは掻取り試験、超音波浴試験およびピール試験を含む方法により特徴付けられる。接着のための単純で効果的な半定量的な試験はテープ試験である。一般的な方法においては、概略を図2に示した本発明により製造したセンサは、複数の電極とともにチップ上に製造されている。市販されている接着テープ(3M)一片を、複数の電極を含むチップ、一般的には5.08cm×5.08cm(2インチ×2インチ)の寸法を有するチップ上に押し付ける。次いでテープを、チップの表面にほぼ垂直な角度で上方にゆっくりと引っ張ることにより取り除く。好ましくは、層間の機械的接着力が良好な場合にはテープが層を破壊することなく引き剥がせるが、接着力が不十分な場合には離層が生じるような接着強度を有するようにテープを選択する。あるいは、そのような試験において、一方の層から他方の層が離層するか、またはいずれかの層が破壊するまで、接着力の強いテープを次々と用いてもよい。本発明のイオン選択性センサのようなセンサを製造する目的は、十分な接着性を有するテープを用いる場合、重合体物質40からイオン選択性物質42が離層するか、または重合体物質40が基体32から離層するよりもむしろ、特にイオン選択性物質42が膜からなる場合のイオン選択性物質42、および/または重合体物質40が破壊されることにある。別の言い方をすると、重合体物質40と基体32との間の接着および重合体物質40とイオン選択性物質42との間の接着が、イオン選択性物質42または重合体物質40いずれかを破壊するのに必要な力よりも強いように、基体32およびイオン選択性物質42と十分に結合するように重合体物質40を選択する。本発明による重合体物質40として選択される物質は、良好な接着特性を示すものである。上述したように、重合体物質が一般的なプレーナ電気化学デバイスにおける絶縁基体または隣接層に対して良好に接着する場合、そのような重合体物質には固定荷電部位が含まれない考えられているという点で、その結果は驚くべきことである。
【0062】
ここで図3を参照する。図3は、化学応答トランスデューサ、具体的に言うと本発明の重合体物質40を含むイオン選択性の電界効果トランジスタ(ISFET)の概略断面図を示している。そのようなトランスデューサ、特にISFETは、フレイザー H.の「イオン選択性電極および分析化学」第2巻、プレナムプレス、ニューヨーク(1979)、上述した米国特許出願第07/650,347号、および米国特許第4,502,938 号に記載されており、ここにこれらを引用する。ここに用いているような電気化学トランスデューサとは、イオン活性とイオン濃度、酵素、基体、抗体、抗原、ホルモン、還元ガス、グルコース、ラクテート、ピルベート、クレアチニン、尿素等の存在と濃度を含む様々な化学特性の別々のまたは同時の検出および/または測定に使用する電界効果デバイスを意味するものである。そのようなデバイスは、フローインジェクション分析中の上述した化学種または他の化学種の測定、臨床または研究室の雰囲気での血液の連続性または断続性オンラインモニタリングに適したフロースルーキュベット装置における信号増幅および/またはプロセシングに好ましく使用してもよい。本発明の重合体物質40を採用することにより好ましく改良し得る適切な装置は、膜のようなイオン選択性物質を使用し、電気領域と化学領域との間の境界をまたがる伝導が好ましくは安定している電気化学をベースにしたいかなるトランスデューサをも含む。
【0063】
ISFETはそのようなトランスデューサを描写的に例示するのに用いられるが、本発明の電気化学トランスデューサはトランジスタの実施態様に限定されるものではないことを理解すべきである。そのようなトランジスタは、金属ゲートを、膜またはガラスのようなイオン選択性物質、該膜に接触する電解質(分析物)溶液、および該電解質溶液と接触する参照電極により置換または拡大させることにより製造され、このとき参照電極はISFETのゲート回路と電気的に接触している。
【0064】
図3はISFET41を示す概略図である。ISFET41は、実質的に平板の絶縁基体44;n型物質またはp型物質であってもよく、絶縁基体44上に配置された好ましい実施態様によるとp型シリコンからなる半導体46;第1のドーピング極性を有する半導体46中に別々に形成される供給源48とドレーン(drain )50を含み、例えば、好ましい実施態様によるとn型シリコンからなる拡散領域;金属のような導電物質から形成されそれぞれ供給源(source)48およびドレーン50と接触している導線52および54;導線52および54が供給源48およびドレーン50と接触している場所を除いた全ての場所で半導体46(およびその中に形成された供給源48およびドレーン50)を被覆している絶縁層56であって、好ましい実施態様によるとSiOからなる絶縁層56;拡散領域上方の絶縁層56上面、またはある実施態様によるウェル57中に形成された供給源48とドレーン50との間にある半導体46のチャンネル51上面に形成された本発明による重合体物質40;重合体物質40上面に形成されたイオン選択性物質42;およびISFET41、特に導線52および54の部分をシーリングし、イオン選択性物質42の部分を露出したままにする封入剤58からなる。供給源48とドレーン50との間の半導体46の領域51は、供給源48およびドレーン50のドーピング極性とは異なるかまたは異なった大きさのいずれかであるドーピング極性を有する。例えば、供給源48およびドレーン50はn型シリコンからなり、一方領域51はp型シリコンからなる。あるいは、供給源48およびドレーン50は特定の極性まで比較的重度にドープされ、領域51はそれと同一の極性まで軽度にドープされる。
【0065】
試料60は分析物またはイオンを含んでいてもいなくてもよいが、この試料60をイオン選択性物質42と接触させる。参照電極62を電解質または分析物溶液60に接触させる。図3に示すように、液体電解質60はイオン選択性物質42および封入剤58と接触しており、ビーカー等のような境界59内に収容されている。接点64は導線52と接触し、接点68は導線54に接触ており、したがって、ISFET41のドレーン回路は、導線52、接点64、導体70、接点68、導線54、ドレーン50、領域51、供給源48および電圧源71を含む。ドレーン回路は、参照電極62と電気的に接触しており、したがって、参照電極62、電解質60、イオン選択性物質42、重合体物質40、および電圧源73はISFET41のゲート回路を閉じている。導体70と電気的に接続されている接点72を半導体46と接触させて、ISFET41のドレーン回路とゲート回路の安定な参照を設けてもよい。
【0066】
図4は、ISFETが重合体物質40を組み込んでいる本発明の第2の実施態様を示している。図3および4に共通の構成部分と特徴は共通の数字で示している。図3と同様に図4において、電界効果トランジスタの金属ゲートをイオン選択性物質42、重合体物質40、電解質または分析物溶液60、および参照電極62で置き換える。図4に示した実施態様はさらに、重合体物質40と絶縁層56との間にイオンバリア層74を設けている。イオンバリア層74は、金、銀、白金、銅、黄銅、亜鉛等、またはそれらの酸化物、もしくは合金のような電導金属からなる。イオンバリア層74として使用するのに適した特に好ましい物質は、Al、Ta、およびSiである。本発明によるISFET41の構成部分に適した模範的な物質、およびそれらの構成部分の模範的な寸法の明細が、前述した米国特許第4,502,938 号に記載されている。
【0067】
図2に関して上述した「非閉鎖」接合電位を、図3および図4のトランスデューサを定義する本発明の実施態様により実現する。
【0068】
イオン選択性センサ30およびISFET40の寸法は本発明にとっては重要な要件ではない。従来の薄膜または厚膜技術により製造したプレーナ電気化学デバイスに一般的な寸法を本発明のセンサおよびISFETに利用することができる。さらに、この上にイオン選択性センサ30が製造されている基体32を図2に示しているけれども、このイオン選択性センサ30は、既知の「浸漬」電極の形状となるように、基体を持たずして製造してもよい。そのような実施態様は、米国特許第3,714,015 号を参照することにより明確に理解されるものであり、この特許をここに引用する。
【0069】
以下の実施例においては、予備試験を用いて本発明のセンサを評価した。記載したこの予備試験は、最終的な精密な評価を意味するものではない。
【0070】
以下の実施例は本発明の利点を説明することを意図したものであり、本発明の全範囲を例示したものではない。例えば、もっぱら厚膜技術を例示しているが、薄膜技術を選択してもよいことが理解されよう;1つの電極デバイスのみを製造しているが、単一のチップ上に複数の電極を含むデバイス、並びに単一のチップ上に複数のトランスデューサを含むデバイスを製造することもできる。さらに、本発明の電極の構成部分における特定の形状および配置を著しく変更してもよく、そのような変更は本発明の範囲に含まれる。これらの変更と他の変更並びにこれらと同等なものは本発明の範囲に含まれることが理解されよう。
【0071】
(実施例1)
この実施例と以下の実施例において、レーザにより筋をつけたセラミックウェハー上に複数の個々の電極をスクリーン印刷し、続いてイオン選択性膜を付着させることによりイオン選択性センサを製造した。複数の個々のセンサチップを作成するために、このセラミックウェハーをレーザによる筋に沿って切断し、1つ1つのウェーハを製造した。この実施例と以下の実施例において説明を単純にするために、単一のチップを製造したかのように方法を記載した。
【0072】
コロラド州、グランドジャンクションのクアーズセラミック社から得られる、約96%のAlおよび約4%の結合剤からなる絶縁複合基体(0.457 cm×1.143 cm)上にイオン選択性センサのベースチップを製造した。1つ1つのウェーハを作成するのに必要なレーザスコア加工技術は、フロリダ州、アルタモンテ スプリングスのレザレリアンス テクノロジーズ社から得られるものである。厚膜付着技術を利用することにより、ニュージャージー州、ノース ブランチのアフィリエイテッド マニュファクチャラー社から得られるフレームを付けたステンレス325 メッシュ/0.1 mmのエマルジョン被覆スクリーンを用いたスクリーン印刷により電導小片(conductive strip)を製造した。銀電導ペーストは、ペンシルベニア州、エルバーソンのメテック社からパーツ番号3571UFとして得られる。約1.52mm×約0.762 mmの寸法を有する楕円形の電極を形成するようにこの電導小片を製造した。製造元の指示にしたがって、マサチューセッツ州、ビラリカのBTUから得られる、3層乾燥機が備え付けられたファストファイア、7層ベルト炉を用いてそのペーストを焼成した。続いて、銀の導体を覆って接触するように、金の導体と接触パッドをスクリーン印刷した。接触パッドは誘電被覆エッジから約2.03mmの長さに亘って延び、約1.66mmの接触区域を有する。金のペーストは、ペンシルベニア州、エルバーソンのメテック社からパーツ番号MTPC10391 として得られる。焼成は、製造元の指示にしたがって行なった。作用電極区域および接触パッドを定義するように、開口部を有する両方の導体に亘って誘電(ガラス)パッシベーションを印刷した。誘電ペースト、パーツ番号9651は、デラウェア州、ウィルミントンのE.I.デュポン社から得られ、製造元の指示にしたがって焼成した。
【0073】
金接触パッドを、マサチューセッツ州、ケンブリッジのグリーン ラバー社から得られるシリコン接着性を有する0.250 インチの削出しTFEフイルムテープでマスキングした。次いで銀電極を、−2.00mAで10分間に亘り0.1 MのKCl中の塩化銀により化学静電的にメッキした。テープを取り除いて脱イオン水でチップを濯ぎ、空気乾燥させた。
【0074】
(実施例2)
以下の方法にしたがって、MAPTACおよびMMAの共重合体を合成した。MAPTACを、600 ppmのMEHQで阻害した50重量パーセントの水溶液として、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッヒ社から購入し、そのまま用いた。MMAをウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッヒ社から購入し、使用前に蒸留した。イソプロピルアルコール(IPA)は、ペンシルベニア州、ピッツバーグのフィッシャーからHPLCグレードのものを購入し、そのまま用いた。無水エタノールをオハイオ州、シンシナティのクオンタム ケミカル社から購入し、そのまま用いた。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をニューヨーク州、ロチェスターのコダック ケミカル社から購入し、使用前に再結晶させた。無水ジエチルエーテルをフィッシャーから購入し、そのまま用いた。重量比で75部のMMAと25部のMAPTACを有する共重合体を以下のように合成した。10mlのIPA、5gの50重量パーセントMAPTACの水溶液および7.5 gのMMAを試験管に加え、次いで隔壁(septum)で覆った。窒素ラインに連結した針を隔壁に挿入し、反応混合物と窒素の泡を約5分間に亘り混合した。次に0.11gのAIBNを反応混合物に加え、これと窒素の泡をさらに20分間に亘り混合した。針を取り除いて、試験管を70℃の水浴中に2.5 時間に亘り配置した。次いで水浴から試験管を取り出して、この試験管にキャップを被せて室温で一晩放置した。ガラスを破壊することにより重合体を試験管から取り出した。重合体の小片を10%の無水エタノール中に溶解させて、無水ジエチルエーテル中に沈殿させ、次いで真空下で30分間に亘り乾燥させた。
【0075】
(実施例3)
1992年1月7日に出願され共有されている、系属出願の米国特許出願第07/81721号にしたがって、シラン化PVCを室内で合成した。実施例2により調製した25/75の重量比であるMAPTAC/MMAを5重量%のエタノール溶液として溶解させた。実施例1により製造したチップを実施例1に記載したように調製し、MAPTAC/MMAを含有するエタノール溶液をそのチップの上面にパスツールピペットを用いてドロップキャストした。室温で乾燥させ、次いで80℃で30分間に亘り乾燥させることにより、エタノールを蒸発させた。生成したMAPTAC/MMAの層は約10mmの厚さを有した。次いでチップに、30秒間に亘り4,000 rpmでテトラヒドロフラン中のシラン化PVC1重量%の溶液を用いてスピンキャストして、80℃で2時間に亘り硬化させた。生成したシラン化PVC層は約1mmの厚さを有した。
【0076】
(実施例4)
水素イオンに選択性を有する膜を含むチップ(pHセンサ)を以下のように製造した。以下の方法にしたがって、実施例3により製造したセンサの上面に水素イオン選択性膜を付着させることによりpHセンサを調製した。テトラヒドロフラン(THF)をウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッヒ社から購入した。トリドデシルアミン(TDDA)をスイス国、バフス(Buchs )のフルカ社から購入した。カリウム テトラキス(p−クロロフェニル)ボレート(KTpClPB)をフルカ社から購入した。ジオクチルフタレート(DOP)をフルカ社から購入した。PVCをフルカ社から購入した。2重量%のTDDA、0.1 重量%のKTpClPB、65重量%のDOP、および33重量%のPVCを含有するTHF中で10重量%の膜溶液を調製した。3.6 mlの膜溶液を、実施例3により製造したチップ上に溶液流延した。THF雰囲気下において室温で約24時間に亘り層を乾燥させた。最終膜厚は約120 mmであった。
【0077】
(実施例5)
カリウムイオンに選択性を有する膜を含むチップを以下のように製造した。バリノマイシン(VAL)をフルカから購入した。ジウンデシルフタレート(DUP)を、ニューヨーク州、オンタリオのサイエンティフィック ポリマー プロダクツ社から購入した。1重量%のVAL、33重量%のPVC、66重量%のDUP、および0.2 重量%のKTpClPBを含有するTHF中で10重量%の膜溶液を配合した。実施例4に記載した方法により、実施例3で製造したチップ上面に膜層を流延した。
【0078】
(実施例6)
ナトリウムイオンに選択性を有する膜を含むチップを以下のように製造した。メチルモネンシンエステル(MMO)を、カルフォルニア州、ラジョラのカルバイオケム社から購入した。o−ニトロフェノールオクチルエーテル(NPOE)をフルカから購入した。
【0079】
2重量%のMMO、30重量%のPVC、67.6重量%のo−NPOE、および0.4 重量%のKTpClPBを含有するTHF中で10重量%の膜溶液を配合した。実施例4に記載した方法により、実施例3で製造したチップ上面に膜層を流延した。
【0080】
(実施例7)
カルシウムイオンに選択性を有する膜を含むチップを以下のように製造した。(R、R)−N、N′−[ビス(11−エトキシカルボニル)ウンデシル]−N、N′−4、5−テトラメチル−3、6−ドクサオクタン ジアミド(ETH1001)をフルカ社から購入した。3.3 重量%のETH1001、1.2 重量%のKTpClPB、30重量%のPVC、および65.6重量%のNPOEを加えることにより、THF中10重量%の溶液を調製した。実施例4に記載した方法により、実施例3により製造したチップ上面に膜層を溶液流延した。
【0081】
(実施例8)
実施例4により製造したチップを用いて、pHセンサについての5日間に亘る全血と血清の研究を行なった。参照酸化還元対のすぐ上にあるイオン選択性膜の区域に全試料溶液をさらすように試料室を構成した。従来の銀/塩化銀参照電極およびpHチップの金接触パッドを高インピーダンスの電圧計に接続し、参照電極を試料溶液に露出した。
【0082】
7つのセンサについて試験を行なった。最初のセンサをpH7の緩衝液中でウェットアップ(wetup )して、初期勾配を求めた。次いでセンサを緩衝液中で約48時間に亘り浸漬した。
【0083】
1日目に、固定干渉法を用いて電位差計選択性係数(potentiometric selectivity coefficient)を求めた。緩衝液は:1)10mM NaOH、130 mM NaCl、10mM トリス;2)190 mM KCl、10mM KOH、10mM トリス;3)60mM LiOH、6.6 mM クエン酸、11.4mM ホウ酸;4)130 mM CaCl、20mM Ca(OH)、10mM トリス;および5)130 mM MgCl、20mM Mg(OH)、10mM トリスであった。各々の溶液のpHは1NのHClを滴下して加えることにより調整した。勾配をその日の終りに求めた。
【0084】
2日目から4日目には、以下の順番で試験工程を行なった:(A) 水性試験(さまざまなpH標準溶液の3重測定と勾配決定);(B) 20個のヒト血清試料のpHを測定した;(C) (A) のような水性試験;(D) 10個のヒト全血試料pH測定と、その後に続く勾配測定(WB1);(E) 第2の血液試料について工程(D) の繰り返し(WB2);(F) 第3の血液試料について工程(D) の繰り返し(WB3);(G) 工程(A) の水性試験の繰り返し。
【0085】
この試験結果を表1に示す。この表には、市販のpHセンサ(チバコーニングダイアグノスティクス社のガラスpH電極200シリーズ)を用いて同一の試料について行なった対照pH試験の結果に対して測定した%cvおよび標準偏差とともに7つのセンサ各々の平均読取値を示している。その結果は、本発明のイオン選択性pHセンサを用いて行なったpH測定の精度が良好であることを示している。固定干渉法(fixed interference method )を用いて、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウムについての本発明のpHセンサの選択性を求めた。
【0086】
(実施例9)
実施例5により製造したチップを使用したカリウムセンサを用いて、5日間の実施例8に記載した全血および血清試料の研究を行なった。4つのカリウムセンサを製造した。1日目に、別々の溶液法を用いて電位差選択性係数を求めた。結果は従来のK電極と同様であった。2日目から4日目において、市販の(マサチューセッツ州、ミッドフィールドのチバコーニングダイアグノスティスク社)644 校正および644 勾配溶液(644 Cal and 644 Slope solution)を用いて工程Aを行なって、pHではなくカリウムを測定したことを除いては、実施例8に記載した順番の試験工程を行なった。この試験の結果を表2および3に示す。この表には、市販のカリウムセンサ(チバコーニングダイアグノスティクス社のガラスカリウム電極200シリーズ)を用いて同一の試料について行なった対照カリウム試験の結果に対して測定した%cvおよび標準偏差とともに4つのセンサ各々の平均読取値を示している。全血および血清の実行可能性試験の精度は良好なものであった。勾配、線形性、および選択性係数もまた良好であった。
【0087】
(実施例10)
実施例6により製造したチップを使用したナトリウムセンサを用いて、5日間の実施例8に記載した全血および血清試料の研究を行なった。実施例8のように試料室を構成した。実施例9に記載した勾配および校正溶液を用いた。対照センサは市販されているナトリウムセンサ(チバコーニングダイアグノスティクス社のガラスナトリウムセンサ200シリーズ)であった。表4は、この実施例により製造した5つのセンサの平均精密値(average precision value )を示している。結果は非常に良好であった。勾配、線形性、および選択性係数もまた良好であった。
【0088】
(実施例11)
実施例7により製造したチップを使用したカルシウムセンサを用いて、5日間の実施例8に記載した全血および血清試料の研究を行なった。5つのセンサを製造した。実施例8のように試料室を構成した。勾配および校正溶液は、チバコーニングダイアグノスティクス社から市販されている634 校正および634 勾配溶液であった。表5は平均精密値を示している。精度は非常に良好であった。線形性、勾配および選択性もまた良好であった。
【0089】
(実施例12)
実施例2により製造したMAPTAC/MMAの膜物質における輸率測定を行なった。実施例3に記載した溶液流延法と同様に、エタノール中の5重量%の溶液からの溶液流延によりフリースタンディング(free−standing )MAPTAC/MMAを形成した。空気乾燥したフリースタンディング膜は約82mmの厚さを有した。膜をNaClの160 mM溶液に約30分間に亘り浸漬し、結果として乾燥重量の約2.1 倍まで膨潤させた。フリースタンディング膜から円形部分を切断し、既知のフィリップス本体に備え付けた。充填溶液は浸漬溶液と同一であり、銀/塩化銀内部参照を用いた。飽和KClカロメル参照電極によりビーカー中でEMF測定を行なった。EMF法により輸率を測定した。それにより、膜のいずれかの側の電解質濃度C1およびC2を用いて膜電位を求める。一方の側のNaClの濃度を160 mMで一定に保ち、他方の側のNaClまたはKNOの濃度C2を変化させた。この既知の方法は、N.ラクシュミナラヤナイアーによる「膜中の輸送現象」、ニューヨーク、アカデミックプレス(1969)に記載されている。結果を表6に示す。試験したフイルム上において、かなりの陽イオンおよび陰イオン輸送が観察された。NaClをKNOと置き換えた場合にも同様な結果が得られたことにより、イオン輸送は非選択的現象であることが分った。
【0090】
(実施例13)
実施例4にしたがってpHセンサを調製した。エタノール中で25/75重量比のMAPTAC/MMAを750 rpmで30秒間に亘りチップ上にスピンキャストした。チップを乾燥させた。実施例4によるチップ上にpH膜を流延させた。ミネソタ州、セントポールの3M者からの6200C永久メンディングテープをチップ上に押し付けて、チップの表面からほぼ直角の角度で上方に引くことによりゆっくりと剥がした。接着性は良好であった。水性性能を40日間に亘って試験して、良好であることがわかった。
【0091】
以上の実施例は本発明の特定の実施態様を説明するために述べたものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。本発明の範囲内のさらなる実施態様および利点(例えば、単一の無機イオン以外の電気活性化学種を測定すること)も当業者には明らかなことである。
【0092】
【表1】
Figure 0003588146
【0093】
【表2】
Figure 0003588146
【0094】
【表3】
Figure 0003588146
【0095】
【表4】
Figure 0003588146
【0096】
【表5】
Figure 0003588146
【0097】
【表6】
Figure 0003588146

【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるイオン選択性電極の断面図
【図2】本発明の一実施態様によるイオン選択性電極の断面図
【図3】本発明の一実施態様によるイオン選択性電界効果トランジスタの断面図
【図4】本発明の別の実施態様によるイオン選択性電界効果トランジスタの断面図
【符号の説明】
10、30 イオン選択性センサ
12、32 非電導基体
14、34 酸化還元対
16、36 金属
18、38 金属塩
20、42 イオン選択性膜
22、39、52、54 導線
40 重合体物質
44 絶縁基体
46 半導体
56 絶縁層
60 電解質
62 参照電極
64、68、72 接点
71、73 電源
74 イオンバリア層

Claims (12)

  1. 金属と、該金属のイオンおよび該金属イオンとは反対の電荷を有するイオンを含む金属塩とから構成される参照酸化還元対;
    前記参照酸化還元対によって担持され、少なくとも1つの荷電モノマーの重合生成物を含み、該荷電モノマーからの正の固定荷電部位、および前記金属塩における金属イオンと反対の電荷を有するイオンと同じイオンである移動性対イオンを有する、重合体物質の層;および
    前記重合体物質の層によって担持された陽イオン選択性膜;を含むイオン選択性センサ。
  2. 前記重合体物質が、メチルメタクリレート(MMA)とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)との共重合体であることを特徴とする、請求項1記載のイオン選択性センサ。
  3. 前記重合体物質が、塩をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載のイオン選択性センサ。
  4. 金属と、該金属のイオンおよび該金属イオンとは反対の電荷を有するイオンを含む金属塩とから構成される参照酸化還元対;
    前記参照酸化還元対によって担持され、少なくとも1つの荷電モノマーの重合生成物を含み、該荷電モノマーからの固定荷電部位、および前記金属塩における金属イオンと反対の電荷を有するイオンと同じイオンである移動性対イオンを有する、アクリレート重合体物質の層;および
    前記アクリレート重合体物質の層によって担持されたイオン選択性膜;を含むイオン選択性センサ。
  5. 前記アクリレート重合体物質が、少なくとも1つの荷電アクリルモノマーと、少なくとも1つの中性アクリルモノマーとの共重合生成物を含むことを特徴とする、請求項4記載のイオン選択性センサ。
  6. 前記金属イオンと反対の電荷を有するイオンがハロゲン化物イオンであることを特徴とする、請求項1から5いずれか1項記載のイオン選択性センサ。
  7. 前記金属イオンと反対の電荷を有するイオンが塩化物イオンであることを特徴とする、請求項6記載のイオン選択性センサ。
  8. 前記金属イオンが銀イオンであることを特徴とする、請求項1から7いずれか1項記載のイオン選択性センサ。
  9. 銀と、銀およびハロゲン化物からなる塩と、から構成される参照酸化還元対;
    前記参照酸化還元対の上に設けられた、少なくとも1つの荷電モノマーの重合生成物を含み、正の固定荷電部位、および移動性ハロゲン化物イオンを有する、アクリレート重合体物質の層;および
    前記アクリレート重合体物質の層によって担持されたイオン選択性膜;を含むイオン選択性センサ。
  10. 前記アクリレート重合体物質が、少なくとも1つの荷電アクリルモノマーと、少なくとも1つの中性アクリルモノマーとの共重合生成物を含むことを特徴とする、請求項9記載のイオン選択性センサ。
  11. 前記アクリレート重合体物質が、メチルメタクリレート(MMA)とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)との共重合体であることを特徴とする、請求項9記載のイオン選択性センサ。
  12. 前記ハロゲン化物イオンが塩化物イオンであることを特徴とする、請求項9から11いずれか1項記載のイオン選択性センサ。
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