JP3588119B2 - 超活性vipアンタゴニスト - Google Patents
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Description
本発明は、一般に一群のポリペプチドに関する。より特定的には、本発明は、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)のアンタゴニストである一群のポリペプチドに関する。さらに、本発明は、VIP関連活性を阻害するためのこれらのポリペプチドの使用に関する。
発明の背景
血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)は、胃腸分泌、胃腸、血管及び呼吸器の平滑筋の弛緩、脂肪細胞内の脂肪分解、脳下垂体ホルモンの分泌及び中枢神経系内への注射後の興奮及び高体温を含めたさまざまな生理学的応答を媒介する広く分布したペプチドホルモンである。(Snedecor and Cochran、統計的方法(Ames,Iowa;ISU Press,p508〜509(1967));Said,Gut Hormones(消化官ホルモン)中(Bloom and Polak(編集)第2版、p379〜384、ニューヨーク;Churchill−Livingston,Inc.(1981))。VIPは、170のアミノ酸残基から成るプレプロホルモンとして合成される(Cuttitta et al,J.Clin.Endo.Met.,67:576−583(1988))。アミド化されたC末端を伴う28のアミノ酸のペプチドであるVIPは、翻訳後処理の結果得られるものである(Said & Mutt,Science,69:1217−1218(1970))。VIPペプチドは、少なくとも2つの機能的領域すなわちレセプタ特異的結合に関与する領域と生物活性に関与する領域を含んでいることが立証されてきた(Gozes and Brenneman、分子神経生物学、201−236(1989))。
VIPのもう1つの生物学的機能は、中枢神経系(CNS)及び末梢神経におけるモジュレータ作用物質としてのものである(Said & Mutt,Science,69:1217−1218(1970))。ラットの脳の中で、VIPはcAMPレベルを高め、皮質、線条、視床下部、海馬、視床及び中脳の中のアデニル酸シクラーゼを刺激する。(Deschodt−Lanckman,et al.,FEBS Lett.,83:76−80(1977);Etgen and Browning,J.Neurosci.,3:2487−2493;Kerwin,et al.,J.Pharm.Pharmacol.,32:561−566(1980);Quick,et al.,Biochem.Pharmacol.,27:2209−2213(1978))。さらにVIPは、陰茎勃起を媒介する神経伝達物質のためのいくつかの基準を満たしている。これは、海綿状平滑筋及び血管を神経支配する神経繊維の中に存在し、勃起中上昇する(Ottesen et al,Br.Med.J.,288:9(1984);Dixon et al.,J.Endocrinol.,100:249(1984))。外因性VIPの注射は、男性の勃起を誘発し(Ottesen et al.,Br.Med.J.,288:9(1984))、陰茎レベルは、インポテンスの男性においては減少していることが立証されてきた(Gu et al.,Lancet,2;315(1984))。VIPは、勃起形成において重要であると思われることから(Anderson et al.J.Physiol.,350;209(1984))、その投与は、陰茎機能不全を緩和する上で一助となるということがわかった(例えば、Gozes,et al.,Endocrlnology,125(4):2945−2949;U.S.特許No.5,147,855 and U.S.特許No.5,217,953)。を参照のこと)。
VIPは同様に、哺乳動物の肺の中で生物学的に活性であり、肺の中でコリン作動性神経細胞に同時に存在が特定されることがわかってきた(Shimosegawa et al.,Reg,Peptides,2:181(1989))。内因性VIPは、気道平滑筋ならびに腺に供給する神経内及び正常な成人の肺内の肺血管の中に存在する(Ley,et al,Cell Tissue Res.,220;238(1981))。VIPは、肺の中で気管支拡張薬として機能する(Diamond,et al.,Am.Rev.Respir.Dis.,128:827−832(1983);Grssnburg,et al.,Thorox,40:715(1985);Morice,et al.,Lancet,1:457−458(1984))。VIPは気管支ぜん息患者の気道内には欠如していることがわかっている(Lebacq−Uetheyden et al.,J.Cell.Biochem.,36:85−96(1988))。
VIPによりひき起こされた作用は、特異的レセプタによって媒介されうる。VIPレセプタは、当初、脳ホモジネートを用いてCNS内で検出され(Robbere cht et al.Eur.J.Biochem.,90:147−154(1978))、より最近では、オートラジオグラフィ研究により大脳皮質、線条、視床下部の視索上核、松果体及び最後野といった離散的脳部域にレセプタの存在が特定された。(Besson,et al.,Peptldes,5:339−340(1984);DeSouza,et al.,Neloosci.Lett.,56:113−120(1985);Shaffer and Moody,Peptides,7:283−288(1986))。VIPレセプタは同様に、肝臓膜内(Bataille et al,Endocrinology(内分泌学)、95:713−721(1974))及びすい臓腺房細胞内(Christophe et al.J.Biol.Chem.,251:4629−4634(1976))でも特徴づけされた。
肺の中のVIPの生物学的作用は同様にラット、マウス、モルモット及びヒトの肺から誘導された原形質膜を用いた結合検定において検出されたVIPレセプタによっても媒介され得る(Christophe,et al.,Peptides,2:253−258(1981);Dickinson,et al.,Peptides 7:791−800(1986);Robberecht,et al.,Peprldes,4:241−250(1982))。インビボオートラジオグラフィ技術及び肺切片を用いて、VIPレセプタは、ラットの肺の肺胞及び上皮そしてヒトの肺の肺動脈平滑筋及び肺胞壁に存在が特定された。(Leroux,et al.,Endocrinology,114:1506−1512(1984);Leys,et al.,FEBS Lett.,199:198−202(1984))。肺のVIPレセプタは、架橋技術を用いて特徴づけされ、67KDaという見かけの分子量を有することがわかった(Lebacq−Verheyden et al.,Mol.Cell.Biol.,8:3129−3135(1988))。さらに、VIPが肺内のアデニル酸シクラーゼ活性を正に調節することも実証されている(Oilerenshaw et al.,N.Engl.J.Med.,320;1244−1248(1989))。
最近、VIPレセプタが悪性肺(ガン)の中に存在することが確認された(Shaffer et al.,ペプチド、8:1101−1106(1987))。肺ガンは、米国で年間約15万人を死に至らしめる重大な公衆衛生問題である(Minna et al.,「ガン:腫瘍学の原則と実践」(De Uita,et al.(編)、p507〜599(1985)中)。従来、肺ガンは、化学及び/又は放射線療法で治療されているが、新しい療法様式の開発に伴って、より生存率を高めることが可能であるかもしれない。肺ガンは、肺ガン症例の約25%を占める小細胞肺ガン(SCLC)と非小細胞肺ガン(NSCLC)に分けることができる。NSCLCは、各々肺ガン症例の約25%を占める腺ガン、大細胞ガンそして扁平上皮ガンにさらに細分することができる。SCLCは、自己分泌増殖因子としてボンベシン/ガストリン放出ペプチド(BN/GRP)を用いる(Cuttitta et al.,Nature,316:828−825(1985))。かくしてSCLCはBN/GRPを合成し分泌し、BN又はGRPは細胞表面レセプタに結合し、SCLCの成長を刺激する。さらに、NSCLCは、形質転換成長因子アルファ(すなわちTGF−alpha)を合成、分泌し、これは今度細胞表面表皮成長因子(EGF)レセプタに結合し、NSCLC成長を刺激する(Imanishi,et al.,J.Natl.Cancer Inst.,81:220−223(1989))。これとは対照的に、VIPレセプタは、SCLC及び(全てNSCLCの一員である3つの主要なタイプの肺ガンすなわち大細胞ガン、扁平上皮細胞ガン及び腺ガンから誘導された細胞の中に存在する(Shaffer et al.,ペプチド、8:1101−1106(1987))。
最近、Gozes et alが、血管作用性腸管ペプチドの機能を変えるために有用であることが証明されたVIPアンタゴニストを開発した。このVIPアンタゴニストは、そのレセプタに対するVIPの結合特性を保持するものの、他の因子の中でも位置6のフェニルアラニン残基を必要とすると信じられている生物活性にとって必要なアミノ酸配列が欠如するように設計されていた。未変性VIPのアミノ酸1−6は、従って、未変性VIPの生物活性を変性し、ペプチドの膜透過性を変更するためニューロテンシンの1セグメントによって置換された。ニューロテンシン内に添加された6つのアミノ酸のうち3つが塩基性である。このことは、この領域内で塩基性残基を全く含まずただ1つの酸性残基しか含んでいない未変性VIPとは好対照を成す。実際、両端に塩基性アミノ酸をもちN末端アミノ酸に隣接してプロリン残基をもつテトラペプチドが膜透過性に対する高い活性にとって不可欠であるという概念は、ニューロテンシン及びその他のペプチドについても正しいものであることが証明されてきた。このように、Gozes et al.により開発されたVIPアンタゴニストは、VIPレセプタ結合に必要なアミノ酸配列(すなわちVIPのアミノ酸7−28)及びニューロテンシンの一部に対応するN末端アミノ酸配列を含むハイブリッド分子である。
研究により、このVIPアンタゴニストがVIP関連活性を有効に拮抗することが示された。より特定的に言うと、このVIPアンタゴニストが、哺乳動物の性的行動に対するVIPの効果を阻害することがわかった(Gozes et al.Endocrinology,125(4):2945−2949;及び米国特許第5217953号参照)。ハイブリッドVIPアンタゴニストが強力にVIP結合(VIP自体よりも高い親和力での)を阻害し、VIPで刺激されるcAMPの蓄積を減衰させ、組織培養内での神経細胞の死滅を誘発することも発見された。(例えばGozes et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,257(8):959−966(1991)を参照のこと)。さらに、このVIPアンタゴニストが、例えば肺腫瘍細胞(すなわちNSCLC細胞)といった腫瘍細胞を支持するVIPレセプタの成長を阻害することも発見された(米国特許第5217953号参照)。
このVIPアンタゴニストはVIP関連活性を有効に拮抗するものの、Gozes et al.によって開発されたVIPハイブリッドアンタゴニストよりもさらに効力が高くかつ細胞内に存在するさまざまなVIPレセプタの間で弁別することのできるVIPアンタゴニストに対する必要性がなおも存在する。本発明はこのようなアンタゴニストを提供することによって、これらの必要性を軽減するものである。
発明の要約
本発明は、一群のポリペプチドに関する。より特定的に言うと、本発明は、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)のアンタゴニストであってしかもR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含むアンタゴニストである一群のポリペプチドに関する。
上述の構造式中、R1及びR2は、独立して選択され、そのうちの少なくとも1方が水素であることを条件として水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルを含む(ただしこれらに限られるわけではない)官能基であり得る。上述の構造式内のX1及びX2は、X2がメチオニンでないことを条件として、天然に発生するアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選択される。
上述の構造式の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニストが好まれる。すなわち、R1がHであり、R2がHであり、X1がノルロイシン残基であり、X2がバリン残基であるアンタゴニストである(以下「NL−ハイブリッドVIPアンタゴニスト」と呼ぶ)。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−;R2がH;X1がノルロイシン残基;X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである(以下「SNL−ハイブリッドVIPアンタゴニスト」と呼ぶ)。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−;R2がH;X2がメチオニン残基であり;X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである(以下「S−ハイブリッドVIPアンタゴニスト」と呼ぶ。さらに同様に好まれるのは、R1がC1〜C20アルキルであり、R2がHで、X2がノルロイシン残基であり、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。ただし、R1,R2,X1及びX2は、本発明のVIPアンタゴニストがLys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asn。というアミノ酸配列以外を有するように選択されるということに留意すべきである。
本発明のVIPアンタゴニストは長さが比較的短かく、標準的には28アミノ酸以下である。従って、溶液方法及び固相方法の両方を含め当業者には周知の数多くの化学的ペプチド合成技術のいずれかを使用してこのようなVIPアンタゴニストを調製することが可能であり、中でも現在好まれているのは固相合成である。本発明のVIPアンタゴニストは、好ましくは上述のもののような化学的ペプチド合成を用いて調製されるが、当業者ならば、例えば組換え技術を含めたその他の手段でこれらを調製することも可能であるということを理解するだろう。
VIPが、cAMP形成の刺激に結びつけられるものと神経細胞の生存の増大に関わるものという、中枢神経系に特異的な2つの離散的結合部位を介して作動する、ということが知られている。さらに特定的に言うと、研究により、低親和力のアデニル酸シクラーゼ関連レセプタ及びVIPの生存促進活性に関連する低発生量の高親和力レセプタの存在が示された。上述の神経細胞生存検定及びVIP誘発のcAMP形成検定の両方から、今や、本発明のVIPアンタゴニストがcAMP関連VIPレセプタと神経細胞生存関連VIPレセプタを識別することができるということが発見された。より特定的に言うと、NL−ハイブリッドVIPアンタゴニストがcAMP関連VIPレセプタと神経細胞生存関連VIPレセプタの両方について親和力をもつことが発見された。同様に、S−ハイブリッドVIPアンタゴニスト及びS−NLハイブリッドVIPアンタゴニストがVIPの神経細胞生存促進活性に関連するVIPレセプタに対しより高い親和力を有することも発見された。さまざまなVIPレセプタを区別し弁別する能力をもつことから、本発明のVIPアンタゴニストは、CNS中のVIPの生理学的機能及びその挙動に対する影響を詳述するべくインビボ研究において使用することができる。
さらに、驚くべきことに、本発明のVIPアンタゴニストが、Gozes et al.によって以前に開発されたVIPアンタゴニストよりも高いレベルで(すなわちより高い効力で)VIP関連活性を阻害することが発見された。より特定的に言うと、ハイブリッドVIPアンタゴニストの位置17でのメチオニン残基がノルロイシン残基で置換された場合、VIP関連活性の阻害においてもとのハイブリッドVIPアンタゴニストよりも10倍も効力が高いVIPアンタゴニスト(すなわち「NL−ハイブリッドアンタゴニスト」)が産生されることが発見された。同様に、ハイブリッドVIPアンタゴニストのN末端にアシルラジカル(すなわち例えばステアリルラジカルといったような脂肪親和性半分)が添加された場合、VIP関連活性を阻害する上でハイブリッドVIPアンタゴニストよりも10倍も効力の高いVIPアンタゴニスト(すなわち「S−ハイブリッドアンタゴニスト」)が産生されるということも発見された。その上、ハイブリッドVIPアンタゴニストの位置17のメチオニン残基がノルロイシン残基されさらにVIPアンタゴニストのN末端にアシルラジカル(すなわち脂肪親和性半分)が添加された場合、VIP関連活性を阻害する上でハイブリッドVIPアンタゴニストより1000倍も効力の高いVIPアンタゴニスト(すなわち「S−NL−ハイブリッドアンタゴニスト」)が産生されるということが発見された。
かくして、本発明のVIPアンタゴニストは哺乳動物におけるVIP関連活性を阻害すなわち拮抗するのに使用することができる。従って、本発明は、哺乳動物におけるVIP関連活性を拮抗する方法において、拮抗作用をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストを哺乳動物に投与する段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる拮抗方法を提供する。
以上及び以下の両方で示すR1,R2,X1及びX2に関する論述は、本発明のこの方法において使用されるVIPアンタゴニストにも充分に適用でき、従ってかかる論述はここでは繰返さない。
より特定的には、1つの態様で本発明は、腫瘍細胞を含むVIPレセプタの成長を阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストと腫瘍細胞を接触させることを含む方法であって、このアンタゴニストが、R1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる阻害方法を提供する。
以上及び以下の両方で示すR1,R2,X1及びX2に関する論述は、本発明のこの方法において使用されるVIPにも充分に適用可能であることから、かかる論述はここでは繰り返さない。しかしながら上述の方法の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニストすなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるものが好まれるということも指摘しておかなくてはならない。同様に好ましいのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
さらにもう1つの態様では、本発明は、神経細胞の死滅を誘発する方法において、神経細胞の死滅をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストと神経細胞を接触させる段階を含んで成る方法であって、アンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供する。
以上及び以下の両方で示すR1,R2,X1及びX2に関する論述は、本発明のこの方法において使用されるVIPにも充分に適用可能であることから、かかる論述はここでは繰り返さない。しかしながら上述の方法の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニストすなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるものが好まれるということも指摘しておかなくてはならない。同様に好ましいのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。又同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X2がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
さらにもう1つの態様では、本発明は、哺乳動物物体内でのVIP誘発されるcAMP形成を阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストを哺乳動物に投与する段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
以上及び以下の両方で示すR1,R2,X1及びX2に関する論述は、本発明のこの方法において使用されるVIPにも充分に適用可能であることから、かかる論述はここでは繰り返さない。しかしながら上述の方法の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニストすなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるものが好まれるということも指摘しておかなくてはならない。
さらにもう1つの態様では、本発明は、哺乳動物の体内の概日リズムを阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストを哺乳動物に投与する段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストが、R1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
以上及び以下の両方で示すR1,R2,X1及びX2に関する論述は、本発明のこの方法において使用されるVIPにも充分に適用可能であることから、かかる論述はここでは繰り返さない。しかしながら上述の方法の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニストすなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるものが好まれるということも指摘しておかなくてはならない。同様に好ましいのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X1がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
さらにもう1つの態様では、本発明は、神経芽細胞腫細胞分裂を阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストと神経芽細胞腫細胞を接触させる段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供する。
以上及び以下の両方で示すR1,R2,X1及びX2に関する論述は、本発明のこの方法において使用されるVIPにも充分に適用可能であることから、かかる論述はここでは繰り返さない。しかしながら上述の方法の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニストすなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるものが好まれるということも指摘しておかなくてはならない。同様に好ましいのは、R1がHで、R2がHで、X1がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。又同様に好ましいのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X1がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
最後に、本発明は、VIP関連活性を阻害するのに充分な量の上述のVIPアンタゴニストの1つ及び薬学的に受容可能な希釈剤、担体または賦形剤を含む、薬学組成物を提供する。このような組成物は、哺乳動物体内でのVIP関連活性及び機能を有効に阻害するのに使用することができる。
本発明のその他の利点、目的、特徴及び実施態様は、以下の記述から明らかになることだろう。
【図面の簡単な説明】
図1。一群のVIP−ニューロテンシンハイブリッドアンタゴニストで処理された脊髄培養内で神経細胞の生存が減少させられた。平板固定から9日目に解離された脊髄細胞に対してハイブリッドアンタゴニスト(白丸)、NL−ハイブリッドアンタゴニスト(黒丸)、S−ハイブリッドアンタゴニスト(白三角)、S−NL−ハイブリッドアンタゴニスト(黒三角)を添加した。処理期間は、9日間で、培地交換はなかった。処理期間の終結時点で、神経細胞を、神経細胞特異的エノラーゼに対する抗血清で免役細胞化学的に同定した。各々0.5mm2の100フイールド内で免役陽性細胞(神経細胞)を計数した。各々の値は4皿の平均である。誤差棒線はSENである。全ての濃度又は10-12M(P<0.01)以上のアンタゴニストで、対照からの有意な減少が観察された。
図2。VIPで刺激されたcAMP形成が、一群のVIPアンタゴニストの存在下で阻害された。1μMのVIPを用いて10分間、星状膠細胞培養をインキュベートし、放射線免疫検定法により、cAMPの蓄積を決定した(Gozes et al.J.Pharmacol.& Exp.Therap.,257:959(1991))。VIPの添加の5分前に星状膠細胞培養内に増大する濃度のアンタゴニストを入れた。1皿あたり0.3mgのタンパク質の割合で、35mmの組織培養皿の中に星状膠細胞を維持した。各々の値は、4回の実験からの8〜10回の測定値の平均である。図1で比較されたものと同じ類似体がここで比較されている。誤差棒線はSEMである。
図3。大グリア細胞からの放射線標識付けされた125I−VIPの移動を介したさまざまなVIPアンタゴニストの結合能力の比較。図1で比較されたものと同じ類似体、すなわちハイブリッドアンタゴニスト(白丸)、NL−ハイブリッドアンタゴニスト(黒丸)、S−ハイブリッドアンタゴニスト(白三角)、S−NL−ハイブリッドアンタゴニスト(黒三角)がここで比較されている。
図4。VIP拮抗作用は、cAMP媒介メカニズムを介して生物時計を混乱させた。ラット新生児(Spragne−Dawley、現地飼育、Yoxheam,Israel)に、連続28日間、VIP類似体を、慢性的に注射した(皮下、一日50μlあたり各類似体5μgずつ)。注射のビヒクルは、0.01Mの酢酸か15%のジメチルスルフォキシド(脂肪親和性ペプチド)のいずれかであった。21日目に、動物を各々別々のカゴの中に入れ、その歩行活動を連続的に測定した。歩行活動パターンは、7日間赤外線検出器を備えた動物監視システムを用いて測定した(A,C,E,G,I)。活動データ内のスペクトルリズム周期は、コンピュータサンプリング周期が短かいことを理由として、特殊な統計的方法により検出した。この方法は、異なる周期(3〜40時間)と正弦波を適合させる確率(P)を使用し、有意なリズム周期を強調するためログ・スケールでI/Pを使用する(B,D,F,H,J。又公示のため提出されたTicher.A.,及びI.E.Ashkenazi;Mattes et al.,Chronobiology Int'l,8:460(1991)を参照のこと)。A.B.対照動物;C,D,NL−ハイブリッド処理;E,F,NL−ハイブリッド+NL−VIP処理、G,H,NL−VIP;I,J,S−NL−ハイブリッド処理。各処理グループには少なくとも4匹の動物が含まれていた。
図5。VIPは、神経芽細胞腫(NMB)の細胞分裂(細胞計数により測定)を増大させる。神経芽細胞腫(NMB)細胞は、5%のCO2,95%の空気から成る湿雰囲気内で、RPMIすなわち10%のウシ胎児血清及びゲンタマイシン(培地100mLあたり原液1mlにつき40mgを10μl)で補足された1640培地、を用いて培養中で成長させられていた。4日に一度0.02MのEDTA及び0.25%のトリプシンを含むPuckの食塩水で細胞を収穫し、遠心分離し、1回につき0.6〜0.7×106の細胞の密度で直径60mmの組織培養皿(CORNING)内にこの細胞を播種した。
分裂促進検定のためには、RPMIすなわち1640培地に10%のウシ胎児血清を加えたものの中で、1回あたり0.2×106の細胞の密度で直径35mmの組織培養皿(CORNING)の中にヒトNM細胞を播種した。播種から一日後に、VIPを培地の中に導入した。VIP処置から2日目(24時間後)に、生活能力についてトリパンブルー染色を用いて、血球計数器で細胞計数を行なった。グラフ上に示されている結果は1回あたりの細胞数×1000である。誤差棒線は標準誤差を表わす。各データポイントについて3−6の複製が計数され、実験は独立して3回くり返された。EC50=5×10-7M。
図6。VIPは神経芽細胞腫細胞内へのチミジンの取込みを増大させる。細胞を、図5に記述された通りに成長させた。播種から1日後、細胞を、24時間のインキュベーション期間中、3H−チミジン(4μCi/皿)とVIPの両方に露呈した。その後、培地を除去し、0.2NのNaOHを35mmの組織培養皿に添加し(0.5mL/皿)、約20分間インキュベートした。細胞懸濁液を、0.3%のポリエチレンイミンに予め浸したGF/Cろ紙を通してろ過した。フィルターを25mLのH2Oと5mLのエタノールで洗浄し、乾燥させ、放射能について計数した。1データポイント、1実験あたり10もの複製を用いて、実験を3回くり返した。誤差棒線は標準誤差を表わす。グラフに示されている結果(取込み)はCPM×105である。EC50=5×10-7M。
図7。神経芽細胞腫(NMB)細胞上のVIPレセプタ。0.1%のウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝溶液(PBS)を用いて4℃で無傷細胞に対し、VIPの結合及び変位実験を行なった。以前の研究作業により、VIPに対する短期間の露呈の結果、分単位の半減期でペプチドレセプタ複合体が透明なエンドソーム小胞内に内在化されるということが示された(Gozes et al.,前出、(1991);Rasselin,et al.,前出(1988))。VIPは、リソソーム内で分解されたか又は、細胞内エフェクタとして役立ったかもしれない。大部分のVIPレセプタは、細胞表面に再循環させた。内在化は組織特異的であり、4℃で遮断された。従って、全ての結合研究は、無傷の細胞上で4℃で行なわれた。経時的実験は、細胞培養中の50pMの125I標識付けされたVIP(35mmの組織培養皿につき0.3mgのタンパク質)を用いた1時間のインキュベーションの間に平衡結合が達成された、ということを示していた。
標識付けされたリガンドは、tyr−22での135I−VIP(2000Ci/mmol,Amersham Corp.Arlington Heights,III)であるか又はNEN(Boston,MA)から購入した類似の活性をもつtyr10ならびにtyr22で標識づけされたヨウ素化VIPであった。代替的には、VIPは、Werner et al.(Biochem.Biophys,Res.Common,133:228−232(1982))によって記述されている手順に従ってヨウ素化された。細胞は、50pMの125I−VIPの添加に先立ち30分間、テスト済みペプチド(10μM−1pM)でインキュベートさせた。(Gozes et al、前出、(1991))。標識づけされたリガンドを、1時間培養と共にインキュベートした。その後、培地を除去し、1mLのPBSの添加及び急速な除去(4℃で)により細胞を3回洗浄した。次に標識づけされた細胞を0.2NのNaOH内で溶解させ、放射能計数のために移した。少なくとも3回実験をくり返し、その各々が3セットを含んでいた。誤差棒線は、標準誤差を表わす。細胞を24時間(丸)及び48時間(三角形)成長させた。より早い時点(平板固定から22時間後)は、平板固定から24時間後に得られるものと同じ結果を表わし、それ以前では細胞はまだ丸く1組織培養平板に適切に付着していなかった)、結合は同じ要領で行なうことができない。結合分析はACCUFITプログラム、Lundon−2競合分析(LUNDONソフトウェアInc.,Chargin Falls,Ohio,USA)によって決定された。曲線適合分析は、最も適合した単一の部位、及び24時間成長させた細胞については0.2μMのKdそして48時間成長させた細胞については2μMのKdを示した。計算上のBmaxは、それぞれ48時間成長させた細胞に比べ24時間成長させた細胞について、1.5×10-14モル/mgと6×10-14モル/mgであった。
図8。神経芽細胞腫細胞内のVIPmRNAの同定。RNAsol方法を用いて、平板固定から24時間後にNMB細胞から全RNAを調製した(Ginna/Biotex Labs.International Inc.,Friendswood,TX)。次に、ヒトVIP−エキソン特異的リボプローブ(前述の32P−UTP標識づけされたもの(Gozes、前出(1987))を用いて、RNAをアガロースゲル電気泳動とノーザンブロットハイブリダイゼーションに付した。結果として得られたオートラジオグラムが示されている。対照として、ブロットを15分間3回、0.1%のSDS,75mMのNaCl,7.5mMのNaCitrateを含む沸とう溶液中で洗浄し、前回のとおり28SのrRNAオリゴヌクレオチドプローブで再度ハイブリッド形成させた(Burbu,et al.,Nucleic Acid.Res.17;7115(1989))。
図9。ハイブリッドVIPアンタゴニストは、VIP誘発された神経芽細胞腫の細胞分裂を阻害する。(A)対照;(B)1μMのVIP;(C)10μMのハイブリッドVIPアンタゴニスト;及び(D)1μMのVIP及び10μMのハイブリッドVIPアンタゴニスト。神経芽細胞腫細胞を図5で記された通りに成長させ、図6で記された通りチミジン取込みを測定した。
図10。ハイブリッドVIPアンタゴニストは、VIP誘発された神経芽細胞腫の細胞分裂を、用量依存的に阻害する。VIPについて図6で記されたものと同じ実験を、今、ハイブリッドVIPアンタゴニストを用いて行なう。唯一の修正は、この実験においてはより多くのチミジンが当初添加されたということである。
定義づけ
「ペプチド」、「ポリペプチド」及び「オリゴペプチド」というのは、1つのアミノ酸のα炭素のカルボキシル基ともう1つのアミノ酸のα炭素のアミノ基の間の擬縮反応により形成されたペプチド結合を通して連鎖されたα炭素をもつアミノ酸(標準的にはL−アミノ酸)の鎖である。鎖の1つの端部にある末端アミノ酸(すなわちアミノ末端)は、遊離アミノ基を有し、一方鎖のもう1方の端部にある末端アミノ酸(すなわちカルボキシ末端)は、遊離カルボキシル基をもつ。かくして「アミノ末端」という語(N末端と略される)は、ペプチドのアミノ末端にあるアミノ酸上の遊離アミノ基、又はペプチド内の任意のその他の場所にあるアミノ酸のα−アミノ基(ペプチド結合に参与する場合のイミノ基)のことを言う。同様に「カルボキシ末端」(C末端と略される)という語は、ペプチドのカルボキシ末端にあるアミノ酸上の遊離カルボキシル基又は、そのペプチド内の任意のその他の場所にあるアミノ酸のカルボキシル基のことを言う。
標準的には、1つのポリペプチドを作り上げているアミノ酸は、アミノ末端から始めてポリペプチドのカルボキシ末端の方向に増大していくように順番に番号づけされる。従って、1つのアミノ酸がもう1つのアミノ酸に「続く」と言われた場合、そのアミノ酸は、「先行する」アミノ酸よりもポリペプチドのカルボキシ末端に近いところに位置づけされている。
ここで使用される「残基」という語は、アミド結合又はアミド結合擬似体によりペプチド内に取込まれているアミノ酸又はアミノ酸擬似体のことを言う。従って、アミノ酸は、天然に発生するアミノ酸であってもよいし、又は相反する制限のないかぎり、天然に発生するアミノ酸に類似の要領で機能する天然アミノ酸の既知の類似体(すなわちアミノ酸擬似体)を包含することもできる。さらに、アミド結合擬似体には、当業者には周知のものであるペプチドバックボーン修飾が含まれる。
「生物学的に活性な」という語は、天然に発生する生物学的分子と相互作用しインビトロ又はインビボでのこれらの分子の機能を活性化するか又は阻害することになるペプチド配列のことを言う。「生物学的に活性な」という語は、本書では、最も一般的には、インビトロ又はインビボの両方でVIP関連活性を不活性化又は阻害する血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストを指すべく使用されている。
「本質的に〜から成る」という語句は、ここでは、この語句が指すVIPアンタゴニストの本質的特性を実質的に変えることになるあらゆる要素を除外するために使用されている。従って、「本質的に…から成る」ポリペプチドという記述は、このポリペプチドの生物活性を実質的に変えることになるあらゆるアミノ酸置換、添加又は欠失を除外するものである。
「接触する」という語句は、ここでは、「〜と組合わされた」、「〜に添加された」、「〜混合された」「〜の上を通過させられた」、「〜とインキュベートされた」、「〜の上を流れた」などと、互換的に用いられる。さらに本発明のVIPアンタゴニストは、例えば、非経口、経口、局所及び吸入経路といった従来のあらゆる方法によって「投与する」ことができる。
「充分な量」又は「有効な量」というのは、問題のVIP関連活性を拮抗するか又は阻害するか又は臨床医又はその他の有資格オブザーバが認知するような客観的に識別できる改善または疾状の客観的軽減のいずれかを提供する、一定の与えられたVIPアンタゴニストの量である。用量範囲は、使用されるVIPアンタゴニスト、拮抗されるべきVIP関連特性、投与経路及び特定のアンタゴニストの効力に応じて変動する。
「特異的に結合する」という語は、アンタゴニストがその活性の経過中に通常露呈されるその他の分子にではなく特定の分子に対してVIPアンタゴニストが結合することを意味する。
「神経芽細胞腫」という語は、主に神経芽細胞から成り、ほとんどの場合最高10才までの幼児及び小児が患う神経系由来の肉腫のことを言う。このような腫瘍の大部分は、自律神経系(交感神経芽腫)又は副腎髄質内に発生する。
「概日リズム」という語は、例えば完全に暗所に隔離された場合といったように環境の日々のリズム変化から隔離されたときに生体が経験する約24時間の周期性を伴う基本的リズムのことを言う。このリズムは、器官がもつ時間を測定する能力を実証するものである。
「日周期リズム」という語は、規則的な明暗周期が存在する24時間サイクルに基づく活動パターンのことを言う。
「生物時計」又は「体内時計」という語は、多くの植物及び動物が時間の感覚を保つことができるようにし、かくしてリズミカルな挙動パターンを可能にする内的メカニズムのことを言う。数多くの生体が、約24時間(概日リズム)の活動サイクルを生成するこのような時計を有しているが、このサイクルは時計をセットする外部の影響(例えばトレーニング)によって影響され得る。生物時計は、睡眠といったような生体活動全体のみならず、変動する代謝率といったような細胞活性パターンにも影響を与える。
本書で言及されているアミノ酸は、以下の通りの簡略呼称により記述される。
発明の詳細な説明及び好ましい実施態様
1つの態様において、本発明は、以下のアミノ酸配列を含む血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストを提供する:R1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。
上述の構造式中、R1及びR2は、独立して選択され、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルを含む(ただしこれらに制限されるわけではない)官能基であってよい。「独立して選択される」という語は、ここでは、2つのR基つまりR1及びR2が同一であっても異なるものであってもよいということを表わすために用いられている(例えばR1及びR2の両方が水素であってもよいし、又R1がC16アシルラジカルでR2が水素であってもよい等々、)。「アルキル」という語は、ここでは、一価の脂肪族炭化水素ラジカルである置換基を指すものとして用いられる。アルキル基は、直鎖であっても有枝鎖であってもよいが、直鎖アルキル基(すなわち、C1〜C20)が好ましい。適当なアルキルラジカルの例としては、次のようなものがあるが、これらに限られるわけではない:メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びイコシル。
「アシル」という語は、ここではヒドロキシ基の除去により有機酸から誘導される有機ラジカルのことを指して用いられる。例えば、アシルラジカル又は「ブチリル」基は、ヒドロキシ基の除去により酪酸から誘導される。同様にして、アシル基「ステアリル」は、ヒドロキシル基の除去により、ステアリン酸から誘導される。本発明に従うと、アシル基は飽和又は不飽和であってよく、1〜20の炭素原子(すなわちC1〜C20)をもつアシル基が好ましい。「飽和した」アシル基というのは、2重又は3重結合を全くもたないものであり、一方、「不飽和」アシル基は、2重又は3重結合をもつものである。適切なアシル基としては、ブチリル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、アラシジル、リノセリルなどが含まれるが、これに限られるわけではない。前述のものに加えて、ヒドロキシル基の除去によりさまざまな有機酸から多くのその他のアシル基を誘導できるということは当業者には直ちに明白になることだろう。
上述の構造式中のX1及びX2は、X2がメチオニンでないことを条件として、天然に発生するアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選択される。「独立して選択される」という語はここでは、2つのX基すなわちX1及びX2が同一であっても異なるものであってもよい(例えばX1及びX2の両方がバリンであってもよい)ということを表わすために使用されている。前述のとおりX1及びX2は、天然に発生するアミノ酸か又は、天然に発生するアミノ酸と類似の要領で機能する天然のアミノ酸の既知の類似体(すなわちアミノ酸擬似体)のいずれであってもよい。本発明のアンタゴニストを形成するために使用できる適切なアミノ酸としては、上述の表Iに列挙されているものが含まれるが、これらに限られるわけではない。
以上の構造式の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニスト、すなわち、R1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるものが好まれる。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16COで、R2がHで、X1がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。同様に好ましいのは、R1がCH3(CH2)16CO−;R2がHで、X1がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。さらに同様に好ましいのは、R1がC1〜C20アルキルで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。さらに、その他の好ましいVIPアンタゴニストは、X1及びX2が、疎水性をもつアミノ酸及びアミノ酸擬似体であるものである。このようなアミノ酸には、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン及びバリンが含まれるが、これらに限られるわけではない(例えば、X1がロイシン、バリン又はフェニルアラニンであり、X2がロイシン、ノルロイシン又はフェニルアラニンである)。しかしながら、本発明のVIPアンタゴニストが以下の組成物以外のものを有するように、R1,R2,X1及びX2が選択されるということも留意すべきである:Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asn。
さらに、本発明のVIPアンタゴニストは、例えば生物活性を増大するためといったその用途においていくつかの利点を提供する可能性がある場合に、保存的であれ非保存的であれ挿入、欠失及び置換といったさまざまな変更を受けることができる、ということは当業者には直ちに明らかになることだろう。保存的置換というのは、例えば1つの疎水性残基をもう1つのものに、又は1つの極性残基をもう1つのものにといったように、1つのアミノ酸を生物学的及び/又は化学的に類似であるもう1つのものと置換することを意味する。置換には、例えばGly,Ala;Val,Ile,Leu;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser,Thr,Lys,Arg;及びPhe,Tyrといった組合せが含まれる。VIPアンタゴニストの生物活性を失なうことなく修飾できる残基は、当業者にとっては既知のものである従来の技術を用いた単一アミノ酸置換、欠失又は挿入によって同定でき、このことは、長さが比較的短かいことを理由に、本発明のVIPアンタゴニストに特に言えることである。さらに、残基の側鎖がもたらす寄与は、特定されたアミノ酸(例えばAla)での体系的走査を介して詳しく調べることができる。
本発明のVIPアンタゴニストは、長さが比較的短かく、標準的にその長さはアミノ酸28個以下である。従って、溶液方法及び固相方法の両方を含め当業者にとっては周知のものである数多くの化学的ペプチド合成技術のいずれかを用いて、このようなVIPアンタゴニストを調製することが実現可能であるが、現在のところ固相合成が好まれている。
特に、ペプチド配列のC末端アミノ酸が不溶性支持体に付着され、それに続いて配列内に残りのアミノ酸が順次添加される固相合成は、本発明のVIPアンタゴニストを調製するための好ましい方法である。固相合成のための技術はBarany and Merrifield,Solid−Phase Peptids Synthests,inペプチド:その分析、合成、生物学、(Gross and Meienhofer(eds.),Academic Press,N.Y.,vol.2,pp.3−284(1980));Merrifield,et al.,J.Am.Chem.Soc.85,2149−2156(1963);and Stewart,et al.,固相ペプチド合成(2nd ed.,Pierce Chem.Co.,Rockford,III(1984))、によって記述されており、これらの教示は本書に参考として内含されている。
固相合成は、適当な固体支持体に対するそのカルボキシ基を介しての保護されたアミノ酸のカップリングにより、ペプチドのカルボキシ末端(例えばC−末端)から開始される。使用される固体支持体は、ペプチド合成手順で利用される試薬に対し実質的に不活性な状態にとどまる一方でカルボキシ基に結合することができるということを条件として、本発明の重要な特徴ではない。例えば、出発材料は、クロロメチル化樹脂又はヒドロキシメチル樹脂に対するベンジルエステルリンケージを介してか又はベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂又はp−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂に対するアミド結合を介してアミノ保護されたアミノ酸を付着させることによって調製することができる。固体支持体として我々にとって適切な材料は、当業者には周知のものであり、以下のものを含むが、これらに限られるわけではない:クロロメチル樹脂又はブロモメチル樹脂といったハロメチル樹脂;ヒドロキシメチル樹脂;4−(α−〔2,4−ジメトキシフェニル〕−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ樹脂といったフェノール樹脂;第3−アルキルオキシカルボニル−ヒドラジド化樹脂など。このような樹脂は、市販されており、その調製方法は、当業者には既知のものである。
本発明のペプチドの酸性形態は、固体支持体としてベンジルエステル樹脂を用いて固相ペプチド合成手順によって調製することができる。対応するアミドは、固体支持体としてベンズヒドリルアミン又はメチルベンズヒドリルアミン樹脂を用いることによって生成できる。当業者ならば、BHA又はMBHA樹脂が使用されるとき、固体支持体からポリペプチドを分割するための無水弗化水素酸での処理が末端アミノ基をもつポリペプチドを生成する、ということを認識するだろう。
合成に用いられる各アミノ酸のα−アミノ基は、反応性α−アミノ酸の機能が関与する副反応を防ぐため、カップリング反応中保護されていなければならない。或る種のアミノ酸は同様に、ポリペプチド合成の間その部位で化学反応が起こるのを防ぐため適切な保護基で保護されていなくてはならない反応性側鎖官能基(例えばスルフヒドリル、アミノ、カルボキシ、ヒドロキシルなど)を内含している。保護基は、当業者にとって周知のものである。例えば、ペプチド:その分析、合成、生物学、第3巻:ペプチド合成における官能基の保護(Gross and Meienhofer(編),Academic Press,N.Y.(1981))を参照されたい(なおその教示は、本書に参考として内含されている)。
適切に選択されたα−アミノ保護基は、カップリング反応中αアミノ機能を不活性にし、側鎖保護基を除去しない条件下でカップリング後に容易に除去でき、ペプチドフラグメントの構造を変更せず、カップリング直前の活性化の時点でのラセミ化を防ぐことになる。同様に、側鎖保護基は、合成中側鎖官能基を不活性にするように選択されなくてはならず、α−アミノ保護基を除去するのに用いられる条件下で安定していなければならず、ポリペプチドの構造を変えない条件下でポリペプチド合成の完了後除去できなくてはならない。
α−アミノ基のための保護基の例としては以下のものが含まれるが、これらに限られるわけではない:芳香族ウレタン型基、例えばフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、カルボベンズオキシ(Cbz)、及びp−クロロベンジルオキシカルボニル、o−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、2,6−ジクロロベンジルオキシカルボニルなどを含む置換されたベンジルオキシカルボニル;脂肪族ウレタン型基、例えばブチルオキシカルボニル(Boc)、t−アミルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボンニル、2−(p−ビフェニリル)−イソプロピルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルなど;及びシクロアルキルウレタン型基、例えばシクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロへプチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)など。現在好ましい実施態様では、フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)が使用されるα−アミノ保護基である。
リシン(Lys)内に存在する側鎖アミノ基については、α−アミノ基の保護のための上述の保護基のいずれもが適している。その上、その他の適切な保護基としては、以下のものが含まれるが、これらに限られるわけではない:ブチルオキシカルボニル(Boc)、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、o−クロロベンジルオキシカルボニル、2,6−ジクロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、o−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、t−アミノオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、シクロへプチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、p−トルエンスルフォニルなど。現在好ましい実施態様においては、Lysのための側鎖アミノ保護基はブチルオキシカルボニル(Boc)である。
アルギニン(Arg)のグアニジノ基の保護の場合、適切な保護基の例としては以下のものがあるが、これらに限られるわけではない:ニトロ、トシル(Tos)、カルボベンズオキシ(Chz)、アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、ブチルオキシカルボニル(Boc)、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルフォニル(Mtr)及び2,2,5,7,8−ペンタメチルクロロマン−6−スルフォニル(PMC)。現在好まれている実施態様では、4−メトキシ−2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルフォニル及び2,2,5,7,8−ペンタメチルクロロマン−6−スルフォニルが、Argのために使用される保護基である。
セリン(Ser)、トレオニン(Thr)又はチロシン(Tyr)の側鎖上のヒドロキシル基は、例えばメチル、エチル及びt−ブチルといったようなC1〜C4アルキルによって、又は例えばp−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、p−クロロベンジル、o−クロロベンジル及び2,6−ジクロロベンジルといった置換されたベンジルによって保護され得る。Ser,Thr及びTyrのための好ましい脂肪族ヒドロキシル保護基は、t−ブチルである。
アスパラギン酸(Asp)のカルボキシル基は、例えば、ベンジル、t−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルなどといった基を用いたエステル化によって保護することができる。Aspについては、t−ブチルが現在好まれる保護基である。
ヒスチジン(His)中の塩基性イミダゾール環は、例えばt−ブトキシメチル(Bom)、ブチルオキシカルボニル(Boc)そしてフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)により保護され得る。好ましい実施態様においては、t−ブトキシメチル(Born)が、使用される保護基である。
アミノ酸のカップリングは、当業者には既知のものであるさまざまな化学により達成できる。標準的なアプローチには、カルボキシル基をポリペプチドフラグメントの遊離N末端アミノ基との反応をより受けやすくすることになる誘導体へとアミノ酸を変換することか、又は、例えばN,N′−ジクロロヘキシルカルボイミド(DCC)又はN,N′−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)といった適切なカップリング剤を使用することが関与している。頻繁に、これらのカップリング反応における触媒としてヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)が利用される。適当な合成化学は、共に本書に参考として内含されている「ペプチド:その分析、構造、生物学、第1巻:ペプチド結合形成方法(Gross and Meienhofer fer(編),Academic Press,N.Y.(1979);及びIzumiya et al.,ペプチド合成(Maruzen Publishing Col.,Ltd.,(1975))に開示されている。
一般に、ポリペプチドの合成は、固体支持体に対してフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)といった保護基によりNα−アミノ位置で保護されているC−末端アミノ酸をまずカップリングすることによって開始される。Fmoc−Asnのカップリングに先立って、Fmoc残基を重合体から除去しなければならない。例えばFmoc−Asnは、撹拌しながら約2時間約25℃でN,N′−ジシクロヘキシルカルボイミド(DCC)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を用いて4−(α−〔2,4−ジメトキシフェニル〕−Fmoc−アミノ−メチル)フェノキシ樹脂にカップリングされ得る。Fmocで保護されたアミノ酸の樹脂支持体に対するカップリングの後、α−アミノ保護基は、室温でDMF中の20%のピペリジンを用いて除去される。
α−アミノ保護基の除去後、残りのFmoc−保護されたアミノ酸は、望ましい順序で段階的にカップリングされる。適切に保護されたアミノ酸は、数多くの供給業者から市販されている(例えばNova(スイス)又はBachem(カリフォルニア))。個々のアミノ酸の段階的添加に対する代替案として、複数のアミノ酸から成る適切に保護されたペプチドフラグメントを同様に「成長する」ポリペプチドにカップリングさせることができる。以上で説明したような適切なカップリング試薬の選択は、当業者には周知のことである。本発明のVIPアンタゴニストは比較的短かいことから、この後者のアプローチ(すなわちセグメント縮合方法)は、最も効率の良いペプチド合成方法ではない。
保護された各々のアミノ酸又はアミノ酸配列は余剰に固相反応装置内に導入され、カップリングは、ジメチルホルムアミド(DMF)、塩化メチレン(CH2Cl2)又はその混合物の培地中で行なわれる。カップリングが不完全である場合、Nα−アミノ基の保護解除及び次のアミノ酸の添加の前にくり返すことができる。カップリング効率は、当業者には周知の数多くの手段によって監視できる。カップリング効率を監視する好ましい方法は、ニンヒドリン反応によるものである。ポリペプチド合成反応は、数多くの市販されたペプチド合成装置を使用して自動的に行なうことができる(例えばBiosearch 9500,Biosearch,San Raphacl.CA)。
約20〜90分間好ましくは60分間、約0℃でアニソール及びジメチルスルフィドの存在下で無水液体フッ化水素(HF)の中で不溶性担体又は固体支持体を撹拌させることで、選択された保護基に応じてほぼ室温で60〜360分間トリフルオロ酢酸(TFA)の1mg/10mL懸濁液を通して連続的に臭化水素(HBr)をバブリングさせること、又は約30〜60分間、90%のトリフルオロ酢酸、5%の水及び5%のトリエチルシランと共に、固相合成のために使用される反応カラムの内部で固体支持体をインキュベートすることによって、ペプチドを分割させ、保護基を除去することかできる。当業者にとって周知のものであるその他の保護解除方法も、使用することができる。
ポリペプチドすなわち本発明のVIPアンタゴニストは、当業者には周知のものであるペプチド精製を用いて反応混合物から分離及び精製することができる。例えば、逆相HPLC、ゲル浸透、イオン交換、サイズ排除、アフィニティ、分配又は向流分配といった既知のクロマトグラフィ手順を用いて、ポリペプチドを精製することができる。本発明のVIPアンタゴニストを合成し精製するのに使用される方法及びプロトコルについての詳細な記述に関しては、以下の例の節を参照されたい。
本発明のVIPアンタゴニストは、好ましくは上述のような化学的ペプチド合成技術を用いて調製又は生成されるが、当業者であれば、例えば組換え型技術を含むその他の手段によってもこれを調製することができるということが理解できるであろう。
もう1つの態様では、本発明は、哺乳動物の体内でVIP関連活性を拮抗する方法において、拮抗作用をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストを哺乳動物に投与する段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
上述の構造式中、R1及びR2は、独立して選択され、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルを含む(ただしこれらに制限されるわけではない)官能基であってよい。「独立して選択される」という語は、ここでは、2つのR基つまりR1及びR2が同一であっても異なるものであってもよいということを表わすために用いられている(例えばR1及びR2の両方が水素であってもよい)。「アルキル」という語は、ここでは、一価の脂肪族炭化水素ラジカルである置換基を指すものとして用いられる。アルキル基は、直鎖であっても有枝鎖であってもよいが、直鎖アルキル基(すなわち、C1〜C20)が好ましい。適当なアルキルラジカルの例としては、次のようなものがあるが、これらに限られるわけではない:メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びイコシル。
「アシル」という語は、ここではヒドロキシ基の除去により有機酸から誘導される有機ラジカルのことを指して用いられる。例えば、アシルラジカル又は「ブチリル」基は、ヒドロキシ基の除去により酪酸から誘導される。同様にして、アシル基「ステアリル」は、ヒドロキシル基の除去により、ステアリン酸から誘導される。本発明に従うと、アシル基は飽和又は不飽和であってよく、1〜20の炭素原子(すなわちC1〜C20)をもつアシル基が好ましい。「飽和した」アシル基というのは、2重又は3重結合を全くもたないものであり、一方、「不飽和」アシル基は、2重又は3重結合をもつものである。適切なアシル基としては、ブチリル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、アラシジル、リノセリルなどが含まれるが、これに限られるわけではない。前述のものに加えて、ヒドロキシル基の除去によりさまざまな有機酸から多くのその他のアシル基を誘導できるということは当業者には直ちに明白になることだろう。
上述の構造式中のX1及びX2は、X2がメチオニンでないことを条件として、天然に発生するアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選択される。「独立して選択される」という語はここでは、2つのX基すなわちX1及びX2が同一であっても異なるものであってもよい(例えばX1及びX2の両方がバリンであってもよい)ということを表わすために使用されている。前述のとおりX1及びX2は、天然に発生するアミノ酸か又は、天然に発生するアミノ酸と類似の要領で機能する天然のアミノ酸の既知の類似体(すなわちアミノ酸擬似体)のいずれであってもよい。本発明のアンタゴニストを形成するために使用できる適切なアミノ酸としては、上述の表Iに列挙されているものが含まれるが、これらに限られるわけではない。
上述の方法の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニスト、すなわち、R1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるものが好まれる。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16COで、R2がHで、X1がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。同様に好ましいのは、R1がCH3(CH2)16CO−;R2がHで、X1がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。さらに同様に好ましいのは、R1がC1〜C20アルキルで、R2がHで、X1がノルロイシン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。さらに、その他の好ましいVIPアンタゴニストは、X1及びX2が、疎水性をもつアミノ酸及びアミノ酸擬似体であるものである。このようなアミノ酸には、ロイシン、ノルロイシン、フェニルアラニン及びバリンが含まれるが、これらに限られるわけではない(例えば、X1がロイシン、バリン又はフェニルアラニンであり、X2がロイシン、ノルロイシン又はフェニルアラニンである)。VIPアンタゴニストが以下の組成物以外のものを有するように、上述の方法において使用されているVIPアンタゴニストのR1,R2,X1及びX2が選択されるということも留意すべきである:Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asn。
さらに、本発明のVIPアンタゴニストは、例えば生物活性を増大するためといったその用途においていくつかの利点を提供する可能性がある場合に、保存的であれ非保存的であれ挿入、欠失及び置換といったさまざまな変更を受けることができる、ということは当業者には直ちに明らかになることだろう。保存的置換というのは、例えば1つの疎水性残基をもう1つのものに、又は1つの極性残基をもう1つのものにといったように、1つのアミノ酸を生物学的及び/又は化学的に類似であるもう1つのものと置換することを意味する。置換には、例えばGly,Ala;Val,Ile,Leu;Asp,Glu;Asn,Gln;Ser,Thr,Lys,Arg;及びPhe,Tyrといった組合せが含まれる。VIPアンタゴニストの生物活性を失なうことなく修飾できる残基は、当業者にとっては既知のものである従来の技術を用いた単一アミノ酸置換、欠失又は挿入によって同定でき、このことは、長さが比較的短かいことを理由に、本発明のVIPアンタゴニストに特に言えることである。さらに、残基の側鎖がもたらす寄与は、特定されたアミノ酸(例えばAla)での体系的走査を介して詳しく調べることができる。
上述のとおり、本発明のVIPアンタゴニストは、VIP関連活性及び機能を阻害するすなわち拮抗するために使用することができる。より特定的に言うと、本発明のVIPアンタゴニストは、腫瘍細胞を含むVIPレセプタの成長を阻害するため、神経細胞の死滅を誘発するため、VIPで誘発されたcAMPの形成又は蓄積を阻害するため;哺乳動物における概日リズムを阻害するため;そして神経芽細胞腫の成長(すなわち細胞分裂)を阻害するためなどに使用することができる。VIP関連活性/機能を阻害するために本発明のVIPアンタゴニストを使用するさまざまな方法の各々について、以下でさらに詳細に説明する。これらの例から、当業者であれば、多数のVIP関連活性を阻害するために本発明のVIPアンタゴニストを類似の要領で使用することができるということを理解することだろう。
従って、1つの態様では、本発明は、腫瘍細胞を含むVIPレセプタの成長を阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストと腫瘍細胞を接触させる段階を含む方法であって、このアンタゴニストが、R1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
R1,R2,X1及びX2に関する前述の論述は、本発明のこの方法で使用されるVIPアンタゴニストにも充分適用できるものであり、従ってこの特定の方法に関して再度反復することはしない。しかしながら、上述の方法において使用されるVIPアンタゴニストのR1,R2,X1及びX2は、VIPアンタゴニストが以下の組成物以外を有するように選択される、ということにも留意すべきである。Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asn。
さらに、上述の方法の範囲内では、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニスト、すなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるものが好まれる。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X2がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
本発明のVIPアンタゴニストは、アンタゴニスト活性を示すためには、VIPレセプタを活性化することなくこのレセプタに結合できなくてはならない。従って、一定の与えられたVIPアンタゴニストのアンタゴニスト活性を評価するためには、結合親和力と同時に結合したレセプタを不活性化するアンタゴニストの能力について検定することが望ましい。
細胞表面タンパク質(すなわちVIPレセプタ)に対する特定のリガンド(すなわちVIPアンタゴニスト)の結合親和力について検定する手段は、当業者には周知のものである。標準的な結合検定においては、推定上のアンタゴニストは固定化され、標識づけされたリガンドに露呈されるか又は代替的には固定化されたレセプタが、標識づけされたリガンド又はアンタゴニストに露呈される。固定化された半分は、未結合の材料があればそれを除去するべく洗浄され、標識は検出される。固定化された標識の量はレセプタと推定上のアンタゴニストの間の結合の度合に比例する。
好ましい一実施態様においては、VIPレセプタ含有細胞が分離され、固定支持体(例えばポリ塩化ビニル板、Dynatch,Arlington,VA)に結合される。放射性(例えば125Iを用いた)の又は螢光的(例えばフルオレセイン又はローダミンを用いた)な標識で標識づけされたアンタゴニストは、結合されたVIPレセプタを含有する細胞に露呈される。洗浄後、細胞は分離され、結合したアンタゴニストの量は、例えばシンチレーションカウンタの中で放射能を測定することによって決定される。
結合は、直接的にか又は未変性VIPと競合して決定される。直接的決定においては、VIPアンタゴニストは標識づけされ、結合したVIPアンタゴニストの量は直接測定される。検定が競合的阻害として行なわれる場合、未変性VIPが標識づけされる。VIPレセプタ含有細胞はこのとき、変動する量の標識づけされていないVIPアンタゴニストの存在下で標識づけされたリガンドに露呈される。VIPアンタゴニストがVIPレセプタに高い対し親和力を有する場合、これは未変性VIPに超過競合し、その結果、未変性VIPによる競合が減少することになる。
かくして、本発明のアンタゴニストとVIPレセプタの間の相互作用は、VIPレセプタ含有腫瘍細胞について行なわれたVIP結合研究において調査された。かかる研究の結果は以下の表IIと図3の中で記されており、これにより、S−ハイブリッドアンタゴニスト及びS−NL−ハイブリッドアンタゴニストが、NSCLS細胞(例えばNCI−H838細胞)内に存在するVIPレセプタに対する125I−VIP結合を阻害する上でハイブリッドアンタゴニストよりも6倍及び25倍効力が高いということが明らかにされている。VIPアンタゴニストを中枢神経系において比較した場合にはさらに複雑な結果が得られ、この場合、ステアリルアンタゴニスト(すなわちS−ハイブリッドVIPアンタゴニスト及びS−NL−ハイブリッドVIPアンタゴニスト)がcAMP(低親和力)VIPレセプタに対するより低い親和力を有し(図2及び3及び以下の論述を参照)かつVIP神経生存関連レセプタに対するより高い親和力を有する(図1及び以下の論述を参照のこと)ことが発見された。
さらに、天然に発生するVIPは、数多くの細胞の中で潜在的な分裂促進因子である。例えば、VIPレセプタは、さまざまな細胞型(例えばNSCLC)上で検出可能であり、これは細胞増殖の強化によりVIPに応答することがわかった。Carpenter,Ann,Rev.Biochem.,56−881−914(1987)。従って、本発明のVIPアンタゴニストのアンタゴニスト活性は、単に適当なVIPレセプタを支持する細胞を不活性化するアンタゴニストの能力を測定することによって決定できる。活性化又は代替的には不活性化を測定する手段は、当業者には周知のものである。
好ましい実施態様においては、活性化又代替的には不活性化は、露呈した細胞によるトリチウム標識チミジンの摂取率を決定することによって測定される。代謝的に活性な細胞は、より大量のチミジンを取り込み、従ってより強いシグナルを呈する。代替的には、特定の標的細胞の成長速度に対するアンタゴニストの効果を測定することによりVIPアンタゴニストの分裂促進活性を検定することができる。細胞成長を行なう方法は、当業者にとって周知のものである。例えばCohen and Carpenter,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),72:1317−1321(1975)を参照のこと。簡単に言うと、この種の検定には、適当なVIPレセプタを支持する細胞系統の培養を樹立することが必要である。細胞は、適当な時間中、推定上のVIPアンタゴニストの存在下又は不在下のいずれかで培養される。当業者にとって周知のものである数多くの手段のいずれかによって周期的に細胞計数をとる。(例えば、サブサンプリング及び手作業計数又はコールタ計数器などを介しての自動式計数)。相対的な分裂促進活性は、細胞増殖速度の比較又はアンタゴニスト無しの細胞培養とアンタゴニストを含む培養中の最終的細胞計数の比較によって決定することができる。
肺腫瘍細胞(例えばNSCLC)といったようなVIPレセプタ含有腫瘍細胞の成長を阻害することに関しては、本発明のVIPアンタゴニストがかかる細胞の成長を有効に阻害することが発見された。その上、驚くべきことに、本発明のVIPアンタゴニストは、Gozes et al.により以前に開発されたVIPアンタゴニスト(以下「ハイブリッドVIPアンタゴニスト」と呼ぶ)よりも高いレベルで(すなわちより高い効力で)VIPレセプタ含有腫瘍細胞の成長を阻害することが発見された。より特定的に言うと、ハイブリッドVIPアンタゴニストの位置17にあるメチオニン残基がノルロイシン残基と置換された場合、VIPレセプタ含有腫瘍細胞の成長を阻害する上でVIPハイブリッドアンタゴニストよりも10倍効力の高いVIPアンタゴニスト(以下「NLハイブリッドアンタゴニスト」と呼ぶ)が産生されるということが発見された。
非小細胞肺ガン(NSCLC)のコロニー形成に対するハイブリッドアンタゴニスト及びNL−ハイブリッドアンタゴニストの効果が比較され、3つのNSCLC細胞系統研究のうちの2つにおいて、NL−ハイブリッドアンタゴニストが細胞成長(すなわち細胞分裂)を阻害する上でもとのハイブリッドアンタゴニストよりも10倍効力が高いということが発見された。以下の表IIに記されている結果は、VIPが、細胞成長の指標である。寒天中の(2〜3倍)のNSCLCコロニー形成の刺激を行なうことを明らかにしている。もとのVIPハイブリッドアンタゴニストは、細胞系統NCI−H1299及びNCI−H226中で約50%のを、又細胞系統NCI−H727中で約98%の細胞成長を阻害する。これとは対照的に、同じ濃度のアンタゴニストを用いて、NL−ハイブリッドアンタゴニストは、細胞系統NCI−H129内で100%の細胞成長を、又、細胞系統NCI−H226内で92%の細胞成長を、そして細胞系統NCI−H727内で88%の細胞成長を阻害する。
さらに、c−fos mRNAを刺激するVIP及びS−ハイブリッドVIPアンタゴニストの能力が検査された。c−fos mRNAはガン細胞増殖についてのマーカーである。このようにしながら、VIPがc−fos mRNAを刺激することが発見された。対照的に、VIPアンタゴニストの存在は、c−fos mRNAを有効に阻害する。このことは、VIPアンタゴニストがVIPと同時投与されるか或いは単独で投与されるかとは無関係に言えることである。(下表IV参照)。
かくして、本発明のVIPアンタゴニストの1つ(例えばNL−ハイブリッドVIPアンタゴニスト)とVIPレセプタ含有腫瘍細胞を接触させることにより、VIPレセプタ含有腫瘍細胞(例えばNSCLC,SCLCなど)の成長を有効に阻害する、すなわち拮抗することができる、ということは容易に明らかとなる。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、神経細胞の死滅を誘発する方法において、神経細胞の死滅をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストと神経細胞を接触させる段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
R1,R2,X1及びX2に関する前述の論述は、本発明のこの方法で使用されるVIPアンタゴニストにも充分適用できるものであり、従ってこの特定の方法に関して再度反復することはしない。しかしながら、上述の方法において使用されるVIPアンタゴニストのR1,R2,X1及びX2は、VIPアンタゴニストが以下の組成物以外を有するように選択される、ということにも留意すべきである。Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asn。
さらに、上述の方法の範囲内では、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニスト、すなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるものが好まれる。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X2がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X1がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
神経細胞機能の検定特に神経細胞の生存に対するVIPアンタゴニストの効果の検定については、例えば細胞培養検定、器官培養検定、全胚半ビボ及びインビボ検定を含め、数多くの異なる検定を使用することができる。これらのさまざまな検定は、一般的代謝活性、神経細胞特異的活性(例えば神経伝達物質の合成及び分解)、電気生理機能、細胞の形態及び生存を評定するのに使用することができる。インビボ検定は、付加的な挙動上の様相を提供する。VIPは、以前に、上述の検定の全てを用いて評定されてきた。(例えばGozes and Brenneman,Molec.Neurobiol.,3:1(1989);Gozes and Brenneman,J.Molec.Neurosci.,4:1(1993)及びGressens,et al.,Nature,362:155(1993)を参照のこと)。
例えば、神経細胞の生存に対するVIPアンタゴニストの効果を評定するためには、解離したマウスの脊髄培養(12日目の胚から得たもの)を、上述の方法を用いて利用した。(例えば、Brenneman et al.,Dev.Brain Res.,9:13(1983);Brenneman,et al.,Dev.Brain Res.15:211(1984);Brenneman et al.,ペプチド、6(2):35(1985);Brenneman et al.,J.Pharmacel.Exp.The rap.,233:402(1985)を参照のこと)。簡単に言うと、細胞を、MEM中の10%のウマ血清、10%のウシ胎児血清の中で細胞を平板固定した。平板固定から1日後、培地を規定の培地成分で補足した5%のウマ血清と交換した。インビトロで9日間経過後、培養を培地交換し、テトロドトキシンの不在下でVIPアンタゴニストで処理した。処理時間は、9日〜14日であり、その後、培養をNSE(神経細胞特異的エノラーゼ、つまり充分定義づけされた神経細胞マーカー)についての免疫細胞化学のために固定した。合計面積50mm2の100のフイールドについて細胞計数を行なった。神経細胞は、処理タイプを知らない状態で計数した。
神経細胞の死滅を誘発することに関しては、驚くべきことに、本発明のVIPアンタゴニストが、Gozes et al.により以前に開発されたVIPアンタゴニスト(すなわち「ハイブリッドVIPアンタゴニスト」)よりも高いレベル(すなわちより大きい効力で)神経細胞の死滅を誘発することが発見された。より特定的に言うと、ハイブリッドVIPアンタゴニストの位置17にあるメチオニン残基がノルロイシン残基で置換された場合、神経細胞の死滅を誘発する上でもとのハイブリッドVIPアンタゴニストより10倍高い効力をもつVIPアンタゴニスト(以下「NL−ハイブリッドアンタゴニスト」と呼ぶ)が産生されるということが発見された。NL−ハイブリッドVIPアンタゴニストを用いると、10-10Mで最大の効果が観察され、一方ハイブリッドVIPアンタゴニストを使用した場合に類似の効果を達成するためには、さらに10倍のアンタゴニストが必要であった。(図1参照)。従って、単一のアミノ酸を変えることにより、中枢神経系において生物活性の10倍の増大が達成される。
同様に、アシルラジカル(すなわち例えばステアリルラジカルといった脂肪親和性半分)がハイブリッドVIPアンタゴニストのN末端に添加された場合、ハイブリッドVIPアンタゴニストよりも神経細胞の死滅を誘発する上で10倍高い効力をもつVIPアンタゴニスト(以下「S−ハイブリッドアンタゴニスト」)が産生されるということも発見された。従って、S−ハイブリッドVIPアンタゴニストは、神経細胞の死滅を誘発するその能力に関して、NL−ハイブリッドアンタゴニストと類似していることがわかった。
その上、ハイブリッドVIPアンタゴニストの位置17にあるメチオニン残基がノルロイシン残基と置換されアシルラジカル(すなわち脂肪親和性半分)がVIPアンタゴニストのN末端に添加された場合、神経細胞の死滅を誘発する上でハイブリッドVIPアンタゴニストよりも100倍高い効力をもつVIPアンタゴニスト(以下「S−NL−ハイブリッドアンタゴニスト」と呼ぶ)が産生される、ということが発見された(図1参照)。従って2つの変化(すなわち位置17のノルロイシン残基及びN末端のアシル残基)の組合せの結果、Gozes et al(前出)により開発されたもとのハイブリッドVIPアンタゴニストに比べ神経細胞を死滅させる上で100倍高い効力と有効性をもつ分子が得られることになる。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、哺乳動物の体内でのVIP誘発されたcAMPの形成を阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストを哺乳動物に投与する段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
R1,R2,X1及びX2に関する前述の論述は、本発明のこの方法で使用されるVIPアンタゴニストにも充分適用できるものであり、従ってこの特定の方法に関して再度反復することはしない。しかしながら、上述の方法において使用されるVIPアンタゴニストのR1,R2,X1及びX2は、VIPアンタゴニストが以下の組成物以外を有するように選択される、ということにも留意すべきである。Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asn。
さらに、上述の方法の範囲内では、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニスト、すなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるようなVIPアンタゴニストが好まれる。
VIPで刺激されたアデニル酸シクラーゼ活性は、中枢神経系のさまざまな部域の中で観察されてきた(Auik et al.,Biochem.Pahrmacol.,27:2209−2213(1973);及びDeschodt Lanckman et al.,FEBS Lett.,93:76−80(1977)。VIPは、例えば生殖細胞及び脳細胞を含むさまざまな組織内でcAMPレベルの増大を生むということがわかっている(Said、「血管作用性腸管ペプチド」、Advancs in Peptide Hormone Secies(ペプチドホルモンの進歩シリーズ)(Raven Press,New York(1982));Magistrotti,et al.,Nature,308:280(1984);Carmera,et al.,Biochem.Biophys.Acta.763:414(1983))。さらに、Gozes et al.により以前に開発されたハイブリッドVIPアンタゴニストは、VIP刺激を受けたグリア細胞内の環式AMP(すなわちcAMP)の蓄積を阻害するすなわち減少させるということがわかった(Gozes et al.,J.Pharmacol.& Exp.The rap.,257:959(1971))。
以上のことをかんがみ、本発明のVIPアンタゴニストがVIP刺激されたcAMP形成に対してもつ効果を比較するために、大グリア細胞が利用された。cAMPの決定については、一般的プロトコルには、アデニル化シクラーゼ活性の測定か又は、Gozes et al.によって以前に記述された(J.Pharmacol.Exp.Therap.,257−959(1991))NEN(New England Nuclear,Boston,MA)からのcAMP決定キットを利用するcAMPに関する放射性免疫検定法の使用のいずれかが関与している。テストのためには、0.5MのNaOHで中和されたHCl(0.05M)抽出物を利用することができる。
さまざまなVIPアンタゴニストを比較するにあたり、NL−ハイブリッドVIPアンタゴニストが、ハイブリッドVIPアンタゴニストと同様に、VIP誘発されたcAMP形成を有効に阻害することがわかった。これとは対照的に、S−ハイブリッドVIPアンタゴニスト及びS−NL−ハイブリッドVIPアンタゴニストは、VIP誘発されるcAMP形成を有効に阻害しないということがわかった。実際、S−NL−VIPアンタゴニストが、ハイブリッドVIPアンタゴニスト又はNL−ハイブリッドVIPアンタゴニストに比べ、VIPに誘発されたcAMPの形成を阻害する上で100分の1の効力しかもたないことがわかった(図2参照)。
その上、VIPが、cAMP形成の刺激に関連するものと神経細胞の生存の増大に関係するものという、中枢神経に特異的な2つの別々の結合部位を介して作用するということがわかっている。より特定的に言うと、研究から、低親和力のアデニル酸シクラーゼ関連レセプタ及びVIPの生存促進活性に結びつけられる高親和力レセプタの存在が明らかにされた。この生存促進活性は、VIPの分泌促進活性ならびに分裂促進活性の両方に関連づけられる。
上述の神経細胞生存検定及びVIP誘発されたcAMP形成検定の両方から、本発明のVIPアンタゴニストがcAMP関連VIPレセプタと神経細胞生存関連VIPレセプタを区別することができるということは直ちに明らかである。より特定的に言うと、NL−ハイブリッドVIPアンタゴニストが、cAMP関連VIPレセプタと神経細胞生存関連VIPレセプタの両方に対する親和力を有することがわかった。これとは対照的に、S−ハイブリッドVIPアンタゴニスト及びS−NL−ハイブリッドVIPアンタゴニストは、VIPの神経細胞生存促進活性に結びつけられるVIPレセプタに対してより高い親和力をもつことがわかっている。さまざまなレセプタの間で区別及び弁別する能力をもつことから、本発明のVIPアンタゴニストは、CNS内でのVIPの生理学的機能及びその挙動に対する影響を明確にするためのインビボ研究において使用することができる。
さらにもう1つの態様では、本発明は、哺乳動物における概日リズムを阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管アンタゴニストを哺乳動物に投与する段階を含んで成る方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
R1,R2,X1及びX2に関する前述の論述は、本発明のこの方法で使用されるVIPアンタゴニストにも充分適用できるものであり、従ってこの特定の方法に関して再度反復することはしない。しかしながら、上述の方法の範囲内で、或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニスト、すなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるものが好まれるということに留意すべきである。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHで、X2がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
VIP合成の主要部位が、生体リズムを制御する脳の部域である視床下部の視床差上核である(Card et al.,Cell and Tissue Res.,252:307(1988))。その上、VIP mRNAが昼/夜サイクル中に振れて、VIP mRNAのピークレベルが夜間に存在する、ということが見極められた(Gozes et al.,Neurosci.Res.Comms.,5:83(1989);Alberts,et al.,Mol.Brain Res.,7:85(1990))。本発明のレセプタ弁別VIPアンタゴニストを用いて、今や、生物時計の維持のためにはVIPに刺激されたcAMP形成が必要とされるということが発見された。
VIPが生物時計の確認に直接関与しているか否かという問題は、さまざまなVIPアンタゴニストを慢性的に毎日注射(皮下)することによってVIP機能を特異的に阻害することにより調査された。図4は、活動データに異なる正弦曲線を適合させる確率によって示される活動リズムの分光分析を示す。対照動物は24時間の周期性を示したが(図4A、活動データ;図4B、分光分析)、本発明のNL−ハイブリッドVIPアンタゴニストの注射は、動物の活動の全体的増加を伴ってこの24時間の周期性を廃止した(図4C及び4D)。これは、NL−ハイブリッドVIPアンタゴニスト及びNL−VIPの同時投与によって逆転させられた(図4B及び4F);NL−VIPは単独では有意な効果をもたらさなかった(図4G及び4H)。これとは対照的に、S−NL−ハイブリッドVIPアンタゴニストの注射は24時間の周期性でいかなる効果ももたらさなかったが、日周期リズムの幾分かの変化が起こり、動物は、発散的周期性を伴って幾分かの散発性活動を示した、ということがわかった(図4I及び4J)。カニューレ挿入及びSCNに対するVIP類似体の直接投与の後、類似の結果が得られた。
上述の結果は、生物時計の決定に対するVIP刺激によるcAMP形成の関与を明確に実証している。実際、本発明のVIPアンタゴニストを用いて得られた結果は、インビボでのリズム性の決定に対するVIP刺激されたcAMPの関与を示している。これらの発見事実は、cAMPがインビトロでSCN内の哺乳動物の概日時計をリセツトすることができるということを示した以前の発見事実(Prosser et al.,J.Neurosci.,9:1073(1989):Prosser and Gillette,Bruin Res.,568:185(1991))と一貫性あるものであった。かくして、本発明のVIPアンタゴニスト(例えばNL−ハイブリッドVIPアンタゴニスト)を有効量だけ哺乳動物に投与することにより、哺乳動物体内の概日リズムを有効に阻害すなわち拮抗することができる、ということは容易に明らかとなる。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、VIP誘発型神経芽細胞腫の細胞分裂を阻害する方法において、阻害をもたらすのに充分な量の血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)アンタゴニストと神経芽細胞腫細胞を接触させる段階を含む方法であって、このアンタゴニストがR1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2。というアミノ酸配列を含んでいる方法を提供している。
R1,R2,X1及びX2に関する前述の論述は、本発明のこの方法で使用されるVIPアンタゴニストにも充分適用できるものであり、従って、この特定の方法に関してここで再度反復することはしない。しかしながら、上述の方法の範囲内では或る種の血管作用性腸管ポリペプチドアンタゴニスト、すなわちR1がHで、R2がHで、X1がノルロイシン残基でX2がバリン残基であるものが好まれるということに留意すべきである。同様に好ましいのは、R1がHで、R2がHで、X1がメチオニン残基で、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。同様に好まれるのは、R1がCH3(CH2)16CO−で、R2がHでX1がメチオニン残基であり、X2がバリン残基であるVIPアンタゴニストである。
交感神経系の腫瘍である神経芽細胞腫は、5才未満の小児に最も多い悪性腫瘍である。これまでの研究は、VIPが神経芽細胞腫細胞系統の細胞分化を誘発するという観察事実に基づいて、VIPが神経芽細胞腫における自己分泌増殖因子でありうるということを示唆した(O'Dorisio,et al.,Regulatory Paptides(調節ペプチド)、37:213−226(1992)。さらに、ヒトの神経芽細胞腫細胞系統(NMB)において、VIPは現在、分裂促進活性を有することが立証されている。
神経芽細胞腫細胞系統の細胞分化、すなわち、神経芽細胞腫細胞分裂に対するVIPアンタゴニストの効果を検定するためには、例えば、直接的細胞計数、チミジン取込み、有系分裂細胞の指標としてのヌクレオチドBRDUを取り込む細胞の決定、そしてガン細胞内では軟寒天内でコロニーを形成する能力及びヌードマウス内での伝幡能力を含めた、数多くの異なる検定を使用することができる。上述の検定の全てが、最近、数多くの研究において使用されてきた(例えばMoody et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:4345(1993);Wollman et al,Brain Rs.,624:339(1993);及びGressens et al.,Nature,362:155(1993)を参照のこと)。
ヒト神経芽細胞腫(NMB)細胞は、当初、生後10カ月の女児の骨髄生検中に得られた(Brodeur,et al.,Cancer(ガン)、40:2256−2263(1977))。この細胞系統を予め検査することにより、近四倍体核型及びN−mycガン遺伝子の増幅が明らかになった(Schwab et al.,Nature,305:245−248(1983))。VIPについて、神経芽細胞腫(細胞系統IMR32)の成長の阻害物質としての潜在的役割が提供され、この効果全般について調査された。この調査の結果は、VIPでの24時間の処理が、細胞計数及びチミジン取込みにより平板固定から48時間後に測定されるとおり、用量依存的な形で、神経芽細胞腫(NMB)の細胞分裂を刺激した、ということを示している(図5及び6を参照、EC50=5×10-7M)。興味深いことに、1μMの濃度で活性ピークが存在し、これはその後減少した。この減少は恐らくは、例えば神経細胞の生存促進といったその他のVIP関係活性において以前に観察された現象(Brenneman,et al.前出、1990;Goze et al.,J.Pharmacol.and Exp.Therap.257:959−966(1991))であるレセプタ減感作によって説明がつく(Rosselin et al.,:血管作用性腸管ペプチドと関連ペプチド(Said and Mutt.(編)Annals.of the N.Y.Acad.Sci.,527:220−237(1988))。
さらに、VIPがこれらの神経芽細胞腫細胞上のレセプタに特異的に結合することがわかり、レセプタ発現が発生的に見極められ、古い細胞(平板固定から48時間後、2μMのKd、図7)に比べてより若い細胞では約10倍高い親和力を示した(平板固定から24時間後、0.2μMのKd)。0.2μMのKdは、VIP刺激型細胞増殖についてのEC50=5×10-7Mに密に対応している(VIPは平板固定から24時間後に添加され、さらに24時間インキュベートされた、図5及び図6)。さらに、24時間経過した培養(Bmax=6×10-14モル/mg:図7)に比べ、48時間経過した培養(Bmax=1.5×10-14モル/mg)のBmaxには4分の1の減少が見られた。実際、平板固定から48時間後(すなわち、利用できるレセプタの減少した数かその低親和力状態にあるとき(図7))にさらに24時間後のインキュベーションのためにVIPが添加された時点で、それは有系分裂を誘発しなかった。その上、ノーザンブロットハイブリダゼーションは、これらの神経芽細胞腫におけるVIP mRNAの存在を示した。図8では、VIP mRNAを表わす2100塩基のバンド(及びおそらくはVIP mRNA前躯体(Gozes et al.,Mol.Brain Res.2:137−148(1987);Gozes et al.,Neuroendocrinolog(神経内分泌学),47:27−31(1988)を表わす高分子量のハイブリッド形成バンドの痕跡)を識別することができる。合わせて考えると、データーは、VIPが神経芽細胞腫増殖の自己分泌調節物質として作用することを示唆している。
さらに、現在、本発明のVIPアンタゴニストが神経芽細胞腫の成長(すなわち細胞分裂)を阻害するのに使用できるものであることが発見された。さらに特定的に言うと、ハイブリッドVIPアンタゴニストは、用量依存的な形で神経芽細胞腫細胞内へのチミジンの取込みを遮断し(図9及び10を参照)、その効果は、レセプタに対するVIPの親和力がより高いものである場合に、より若い神経芽細胞腫細胞においてさらに確固としたものであるということが発見された。かくして、VIPアンタゴニスト(例えばハイブリッドVIPアンタゴニスト又はNL−ハイブリッドVIPアンタゴニスト)と神経芽細胞腫細胞を接触させることにより、神経芽細胞腫細胞の成長すなわち細胞分裂を有効に阻害することができる。
さらにもう1つの態様において、本発明は、VIP関連活性を阻害するのに充分な量の前述のVIPアンタゴニストの1つと、薬学的に受容可能な希釈剤、担体又は賦形剤を含んで成る薬学組成物を提供する。本発明の薬学組成物は、さまざまな薬物送り出し系にて使用するのに適している。本発明で使用するのに適した製剤形態は、本書に参考として内含されているRemington's Pharmaceutical Science(Mack Publishing Company,Phladelphia,PA,第17版(1985))の中に見い出される。さらに、薬物送り出しのための方法についての簡単な再考に関しては、本書に参考として内含されているLanger,Science 249:1527−1533(1990)を参照のこと。
上述の通り、VIPは、神経芽細胞腫及び数多くのガン(例えばNSCLC)の病因学と関連性をもち、VIPが腫瘍発生に関わっていることを示唆している。その上、上述の通り、本発明のVIPアンタゴニストは、VIP誘発型の神経芽細胞腫の細胞分裂を阻害し腫瘍細胞を含むVIPレセプタの成長を阻害することが立証されてきている。かくして、本発明は、薬学的に受容可能な賦形剤と組合わせて上述されたVIPアンタゴニストの1つを含む治療用組成物又は薬剤において、VIPアンタゴニストの量が治療効果を提供するのに充分なものであるような組成物又は薬剤を提供する。
治療的応用分野では、本発明のVIPアンタゴニストは、非経口投与、表面投与、経口投与、局所投与のために意図された薬学組成物の形で実施される。好ましくは、薬学組成物は、非経口的に、例えば、静脈内、皮下、皮内又は筋内投与される。従って、本発明は、受容可能な担体、好ましくは水性担体内に溶解又は懸濁された上述のとおりのVIPアンタゴニストの溶液を含む非経口投与のための組成物を提供する。例えば水、緩衝水、0.4%食塩水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸などを含むさまざまな水性担体を使用することができる。これらの組成物は、従来の周知の殺菌技術により殺菌することができ、又無菌ろ過することもできる。結果として得られた水溶液は、その状態のまま使用するよう梱包されてもよいし或いは凍結乾燥させてもよく、凍結乾燥された調製物は投与前に無菌溶液と組合せられる。組成物は、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、一ラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミンなどといったpH調整剤及び緩衝剤、緊張性調整剤、加湿薬などを含め、生理条件に近づけるのに必要とされるような薬学的に受容可能な補助物質を含むことができる。
固体組成物については、例えば薬学グレードのマンニトール、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、滑石、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどを含む従来の非毒性固体担体を使用することができる。経口投与のためには、一般に有効成分の10〜95%、より好ましくは25%〜75%の濃度で、以上で列挙した担体といったような通常利用される賦形剤のいずれかを取込むことによって、薬学的に受容可能な非毒性組成物が形成される。
エアゾル投与のためには、ポリペプチドは好ましくは、表面活性剤及び推進薬と共に細かく分割された形で供給される。当然のことながら表面活性剤は非毒性で、好ましくは推進薬中で可溶である。かかる作用物質の代表としては、脂肪族多価アルコール又はその環式無水物を伴うカプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレステアリン酸、オレイン酸などの、6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸のエステル又は部分的エステルがある。
混合した又は天然のグリセリドといった混合エステルを利用することができる。例えば鼻腔内送り出しのためのレチシンを用いてのように、望みに応じて担体を内含することもできる。
治療的応用分野では、本発明のVIPアンタゴニストは、VIP関連活性を拮抗(すなわち阻害)するのに充分な量で、患者に投与される。これを達成するのに適切な量が、「治療上有効な用量」として定義づけされる。この用途にとって有効な量は、例えば、利用される特定のVIPアンタゴニスト、阻害又は拮抗されるべきVIP関連活性、投与方法、患者の体重及び全身健康状態及び処方医の判断によって左右されることになる。例えば、腫瘍成長の阻害のためには(例えばNSLC又は神経芽細胞腫)、中実腫瘍内に直接注射される腫瘍100gあたり0.35μg〜3.5μgの範囲内に入るVIPアンタゴニストの量が、治療上有効な量となる。概日リズムの阻害のためには、一日一回(夕方)鼻腔内投与される1〜10mgの用量範囲内に入るVIPアンタゴニストの量が、治療上有効な量となる。
本発明について以下で特定の例を用いてさらに詳細に記述する。以下の例は、例示を目的として提供されており、いかなる形であれ本発明を制限又は規定することを意図したものではない。
例:一般的手順
A.VIPアンタゴニストの合成
本発明のペプチドすなわちVIPアンタゴニストは、手作業ならびに自動の(ABIMEDAMS422ペプチド合成装置)手順を用いて「ペプチド:その分析、合成、生物学」(Gross and Molenhofer(編)Academic Press,N.Y.第2巻、p3〜284(1980))の中のBarany and Merrifieldの「固相ペプチド合成」で記述されているように、固相戦略を用いて合成された。
1.ペプチド合成−手作業手順
スイスのNova社から購入した4−(α−〔2,4−ジメトキシフェニル〕Fmoc−アミノメチル)フェノキシ樹脂上で、上述のBarany and Merrifieldの固相方法の一般原則に従って機械的振とう機の中で手動式で対応するペプチド鎖を組立てた。以下の溶剤は、ドイツのMerck社から購入した分析産物であった:塩化メチレン(CH2Cl2)、N−メチルピロリドン(NMP)及びジメチルホルムアミド(DMF)。トリフルオロ酢酸(TFA)、ジイソプロピル−エチルアミン(DIEA)及びN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)は、米国Aldrich社から購入した。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)は、スイスのNova社から入手した。保護されたアミノ酸誘導体(Fmoc−AA)は全てL−形態のものであり、スイスのBachem社から入手した。フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基により合成を通してNα−アミノ酸官能基が保護された。側鎖官能基は以下のとおり保護された:すなわち、セリン(Ser)、アスパラギン酸(Asp)及びトレオニン(Thr)はt−ブチルで、リシン(Lys)はt−ブチルオキシカルボニルで、アルギニン(Arg)はメトキシトリメチルフェニルスルフォニル(Mtr)で、グルタミン及びアスバラギンはトリチル(Trt)で。
合成は、下記の表IVの段階1及び2に従って(表IV内に概略説明されたプロトコルを参照のこと)、市販の重合体すなわち4−(α−〔2,4−ジメトキシフェニル〕−Fmoc−アミノメチル)フェノキシ樹脂(0.47mmolのアミノ基/g)からのFmoc基の除去によって開始された。2つの反応容器内に入った10gの重合体を利用した。溶剤の体積は、各容器内に20〜25mLであった。ペプチド鎖の組立ては、作用物質としてDCC(0.48g,4mmol)及びHOBt(0.55g,4mmol)を用いて樹脂(5g)に対してFmoc−Asn(0.92g,4mmol)をカップリングすることによって開始させた。カップリングをくり返した。アミノ酸分析により負荷(0.39mmol/g)を決定した。重合体上の未反応残留アミノ基は、CH2Cl2中の無水酢酸(10%)及びジイソプロピルエチルアミン(5%)と反応させることによってキャッピングした。ペプチド鎖の組立ては、表IVで概略説明されているプロトコルに従ってFmoc−Asn−樹脂から出発した。
樹脂1gあたり約5mLの量が用いられたカップリング(すなわち段階5)を除いて、全ての洗浄及び反応のための溶剤は、樹脂1gにつき10mLの量で測定された。全てのカップリングは、各カップリング段階に先立ちDCCによって調製されたFmoc−アミノ酸誘導体のHOBt活性エステルを用いて行なわれた。カップリングのためには、それぞれモル比2:1のFmocアミノ酸1−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル(すなわちFmoc−AA−OBt)と成長するペプチド鎖のαアミノ基を利用した。2分間ピリジン−水中のニンヒドリン溶液中で数mg(すなわち約3mg)の重合体を煮沸することにより、カップリング反応を監視した。確実に完全反応させるため2回以上、Fmoc−アミノ酸のカップリングを反復した。2回目のカップリング又、必要な場合にはその他の付加的なカップリングにおいて、Fmoc−AA−OBtの量の半分が用いられた。次のアミノ酸の添加を目指した続行段階は、陰性のニンヒドリン試験の後に初めて開始された(表IV中のプロトコルの段階15を参照のこと)。概して、各カップリング段階の完了後、残留アミノ基は、塩化メチレン中の無水酢酸(10%)及びジイソプロピルエチルアミン(5%)で樹脂を処理することによってキャッピングされた。
ペプチド鎖の組立ての完了後、普通どおり、DMF中のピペリドンにより、N末端Fmoc保護基を除去した。ステアリル−VIPアンタゴニストの調製のため、新たに遊離したα−アミノ基を、DCC(0.48g,1mmol)とHOBt(0.54g,4mmol)を試薬として用いてステアリン酸(0.74g,4mmol)に対し(各反応容器内で)さらに結合させた。反応は、120分間続行させ2回反復させた。完全に組立てたペプチド鎖を含む樹脂を、プロトコルに従ってCH2Cl2で洗浄し、次に一晩真空下でP2O5上にて乾燥させた。保護基の遮断解除及び樹脂からの(末端ステアリル基を伴う又は伴わない)ペプチドの分割を、以下の通りに達成した:1gの乾燥樹脂を100cc入りフラスコ内に入れ、これに対しチオアニソール(2mL)及びエタンジチオール(2mL)を添加した。混合物を氷浴中で4℃まで冷却し、20mLのトリフルオロ酢酸を添加し、5分後にトリフルオロメタンスルホン酸(2mL)も添加した。混合物を23時間室温で穏やかに撹拌した。
次に反応混合物を4℃まで冷却し、ドライエーテル50mL中に注ぎ込んだ。4℃で60分間撹拌した後、固体材料(樹脂及びペプチド)をscinter漏斗上でろ過し、ドライエーテルで洗浄し、乾燥させ、次に50%の酢酸水溶液(100mL)で抽出した。こうして得られたペプチドを含む溶液を高真空内で濃縮させ、残基(約15ml)をSephadex G25カラム(45×6cm)上に直接装入した。1時間あたり45mLの流量でカラムを0.1Nの酢酸で溶出させた。溶出を274nmで監視した。望まれる分画を含む水溶液を凍結乾燥させることにより、酸分解性分析段階でスカベンジャとして添加される芳香族添加物を含まないペプチドが生成された。収量は白色粉末約400mgであった。
材料は、徹底的な酸加水分解に続くアミノ酸分析により明らかにされるように、所要アミノ酸含有量を示した。
高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)によるさらなる精製をSephadex分画化された産物について実施した。しかしながら、HPLC精製を、粗製ペプチドについて行なうことができる。Merck RP−8カラム(7μM,250×25mmのカラム)上で精製を達成した。ペプチドを水中の35%のアセトニトリル中で適用し、1分あたり10mLの流量で水中35%のアセトニトリル及び0.1%のTFAと水中75%のアセトニトリルの間で打ち立てられた線形勾配で溶出させた。分画を収集し、分析用HPLCによる検査の後、切断を行なった。誘導された分画をプールし凍結乾燥させた。純粋ペプチドの収量は30〜35%であった。
2.ペプチド合成−自動手順
ステアリル末端基を伴う又は伴わないVIPアンタゴニストの合成は、Fmoc戦略を介した市販のプロトコルを用いてABIMEDAMS422合成装置(ABIMED(Langenfeld,Germany)を利用して自動手順によっても達成された。保護されたアミノ酸誘導体は全て、1つの例外すなわち、Fmoc−Arg(Pmc)(PMC=2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルフォニル)がFmoc−Arg(Mtr)に置換したという点を除いて、手作業手順について上で概略説明した通りであった。カップリング剤としてPyBOPすなわちベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートを用いた。ペプチド鎖を上述の通り、4−(〔2′,4′−ジメトキシフェニル〕−Fmoc−アミノエチル)−フェノキシ樹脂(Rink Amide Resin(Nova、スイス)上で組立てた。樹脂からのペプチド鎖の最終的分割ならびに側鎖保護解除を以下の通りに達成した。
3.AMS422で合成されたペプチドの分割
分割混合物
TFA(トリフルオロ酢酸) 90%
水 5%
トリエチルシラン 5%
ペプチドと共に装荷された100gの樹脂を、固相合成のために使用された反応カラムの内部で3mLの分割混合物と共に30分間インキュベートした。30分後、反応混合物を、分割した樹脂から分離し、さらに90分間分割を続行する。氷冷エーテル(すなわち第3ブチルメチルエーテル)で分割したペプチドを沈降させ、濃縮した(4℃,2000rpm)。溶液を傾瀉させ、ペレットを再びエーテルと混合させ、遠心分離した。この段階をもう一度くり返した。水中にペレットを溶解させ、凍結乾燥のために凍結させた。粗製ペプチドの精製を、以上で記述した通りに行なった。
4.R 1 =C 1 〜C 20 アルキルを有するVIPアンタゴニストの合 成
VIPアンタゴニストのペプチド鎖を、上記(1)で記述した通りに、重合体支持体すなわちp−メチルベンズヒドリルアミン(MBHA)樹脂上で組立てる。最後のアミノ酸残基(すなわちヒスチジン)の取込み後、N−α−保護基(t−Boc)をTFAにより除去し、重合体をジイソロプロピルエチルアミン(DIEA)で処理し、洗浄し、ニンヒドリン試験に付す。次に、重合体をエチルアルコール(1g/10mL)内で懸濁させ、対応するアルデヒドR′−CH=O(R′=他の任意のアルデヒドの疎水性半分)を添加し(遊離N末端アミノ基1当量に対し3〜4当量のアルデヒド)、混合物を室温で一晩穏やかに撹拌した。重合体をろ過し、エタノール(3×10mL)で洗浄し、エタノール及びNaBH4内で再懸濁し(シッフ塩基R′−CH=N−−1当量に対して還元剤3〜4当量)、混合物を室温で2時間穏やかに撹拌する。代替的には、NaBH3CN(シッフ塩基1当量に対して3〜4当量)を、(0.1〜0.2mLの酢酸の存在下で)利用することができる。DMF又はNMPといったようなその他の有機溶剤の中で、縮合及び還元反応を実行することもできる。還元反応の完了後に、重合体をろ過し、洗浄し、乾燥させ、上述の通り分割混合物で処理することができる。望ましい最終産物を提供するべく上述のものと同様の要領で粗製産物を精製する。
産物の純度は、分析用HPLC(Merck RP−8,125×4mmのカラム)によって確認され、徹底的な酸加水分解(6NのHCl)に続くアミノ酸分析が、各成分アミノ酸の予想値を提供した。
さまざまな合成ペプチドの分子量は、質量分析法(VG Tofspec,Laser Desorphon Mass Spectrometer,Fison Instruments,England)によって確認された。
B.細胞培養及び免役細胞化学
以前に記述された方法により、ラットの皮質星状膠細胞を調製した(McCarthy and Partlow,Brain Res.,114:391−414(1976);Evans,et al.,J.Neurochem.,43:131−138(1984))。再度平板固定してから3〜5日後に、結合研究を実施した。つねにイーグルMEM中の10%のウシ胎児血清の中に、星状膠細胞培養を維持した。これらの培養の細胞組成を、NSE及びGFAP免疫細胞化学により決定した(Brenneman et al.,J.Cell Biol.,104:1603−1610(1987))。これらの分析は、培養が検出可能なNSE陽性細胞を全く含んでおらず、95%以上の細胞がGFAPに対する血清で染色されたことを示していた。神経細胞機能の検定のためには、CNS由来の組織のいくつかの調製物を利用した。神経細胞の生存に対するさまざまなハイブリッドアンタゴニストの効果を調査するため、以前に記述された方法(Brenneman et al.,Dev.Brain Res.,9:13−27(1983))を用いて、解離されたマウスの脊髄培養(12日目の胚から得られたもの)を使用した。簡単に言うと、MEM中の10%のウマ血清と10%のウシ胎児血清の中で細胞を平板固定した。平板固定から1日目に、培地を、規定の培地成分(Brenneman et al.,前出(1987))で補足された5%のウマ血清に交換した。インビトロで9日経過後に、培養を完全に培地交換し、VIPアンタゴニストで処理した。処理の持続時間は9日目から14日目までで、その後NSE(すなわち充分明確になっている神経細胞マーカーである神経細胞特異的エノラーゼ)についての免疫細胞化学のために培養を固定した。合計面積60mmで100フィールドについて、細胞計数を行なった。処理について知らない状態で、神経細胞を計数した。結合研究についても、類似の細胞調製物を用いた。
Moody et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:4345(1993)により記述されている通りにNSCLC細胞を増殖させ、Wollman et al.,Brain Res.,624:339(1993)により記述されている通りに神経芽細胞腫細胞を増殖させた。
C.放射リガンド結合研究
0.1%のウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝溶液を用いて、4℃で無傷細胞についてVIP結合研究を行なった。以前の研究は、VIPに対する短時間の露呈が、分単位の半減期で、透明なエンドソーム小胞内へのペプチドレセプタ複合体の内在化を結果としてもたらすことを示していた(Boissard et al.,Cancer Res.,46:4406−4413(1986))。VIPはリソソーム内で分解されるか又は細胞内エフェクタとして役立ち得る。大部分のVIPレセプタは、細胞表面まで再循環させられる(Luis et al.,Biochimie,70:1311−1322(1988))。内在化は、組織特異的であり(Artaunis et al.,Am.J.Physiol.,256:G689−G697(1989))、4℃で遮断される(Svobada et al.,Eur.J.Biochem.,176:707−713(1988))。従って、全ての結合研究は、上述のさまざまなCNS調製物からの無傷の細胞について4℃で行なわれた。星状膠細胞培養内にて行なわれた経時的実験は、細胞培養内での50pMの125I−標識づけされたVIP(35mmの組織培養皿1枚につき0.3〜0.5mgのタンパク質)との一時間のインキュベーションの間に平衡結合が達成されることを示した。特異的VIP結合は、1時間と3時間のインキュベーションの間では増大しなかった。しかしながら、3時間のインキュベーション全体を通して、非特異的結合が増大した。標識付けされたリガンドは、New England Nuclear(Boston,MA)から購入した、類似の特異的活性を備えた、tyr22での〔125I〕−VIP(2000Ci/mmol,Amersham Corp.,Arlington Heights,IL)又はtyr10ならびにtyr22で標識づけされたヨウ素化VIPであり、両方について同じ結果が得られた。さらに、我々はVIPをクロラミンT方法を用いて標識づけした。簡単に言うと、クロラミンT(15μg,Sigma chemical Corp.)の存在下で100μgのペプチドを〔125I〕−Na(1mCi,Amersham,Inc)と共にインキュベートさせた。3分後に、異性重亜硫酸ナトリウム(35μg)を添加することにより反応をクエンチングされた。さらに3分後、1%のKI10μLを添加し、Sephadex G−25ゲルろ過により放射性ペプチドから遊離標識付きヨウ素を分離した。1%のウシ血清アルブミンの存在下でリン酸緩衝溶液(PBS)中で溶出を行なった。シリカC−8カラム(RP−8,7μm,250×10mm)を用いた逆相HPLCにより、純度及び分子同一性についてヨウ素化ペプチドを分析した。
50μMの〔125I〕−VIPを添加する前に30分間アンタゴニスト(1pM−10μM)上でいずれかのVIPと共に培養を予備インキュベートした。競合する標識付け無しのペプチドとの0.5時間の予備インキュベーションを行なって、放射性ペプチドの非特異的結合を最小限におさえた。次に、放射性ペプチドの培養と共に、標識づけされたリガンドをインキュベートした。次に、1時間、培養と共に、標識づけされたリガンドをインキュベートし、その後培地を除去し、1mLのリン酸緩衝溶液(4℃)の添加及び迅速な除去によって細胞を3回洗浄した。その後、標識づけした細胞を0.2NのNaOH内で溶解させ、放射能の計数のため移送した。変位曲線の結合パラメータは、ACCUFITプログラム(London Software,Chagrin Falls,OH)によって決定された。このプログラムは、以前に記述された非線形最小二乗回帰分析法を実行する(Feldman,Anal.Biochem.,48:317−338(1972);Linden,J.Cyclic Nucleotide Res.,8:163−172(1982);及びUnnerstall,「神経伝達物質レセプタ分析の諸方法」(Yamamura,Enna and Kuher(編)、Raven Press,New York(1990)中の「結合データのコンピュータ関連分析」)。Kdv,Ki及びKBの値は、平衡条件を仮定して計算した。
D.c−fos mRNA検定
c−fos実験のためには、SCLC細胞を、0.5%のウシ胎児血清を含むSTT培地を用いて培養した。4時間後、細胞を60分間、10nMのBNといったような刺激で処理した。イソチオシアン酸グアニジウム(GIT)方法を用いて分離した。前述の通りに、0.66Mのホルムアルデヒド1%アガロースゲル内で変性RNAを10μg分離させた。RNAの無欠性を評定するため、臭化エチジウムでゲルを処理した。RNAを一晩ニトロセルロース膜上にブロットし、Bethes da Research Laboratorisのランダムプライミングキットを用いて32P−dCTPで標識づけされたc−fosプローブを用いて膜をハイブリッド形成させた。1日80℃でKodax XAR−2フィルムに膜を露呈した。Molecular Dynamics濃度計を用いてオートラジオグラムを分析した。
E.cAMP検定
上述の通り細胞培養の中にラット星状膠細胞を維持した。低温トリクロロ酢酸抽出物(Evans et al.,前出、1984年)から放射性免疫検定法(NENキット、New England Nuclear)により、cAMPの蓄積を測定した。さらに10分間の1μMのVIPとのインキュベーションに先立ち5分間、さまざまなVIPアンタゴニストを星状膠細胞培養と予備インキュベートした。VIP用量応答曲線の平行右方シフトをひき起こすVIPアンタゴニストの能力を測定することにより、アデニル酸シクラーゼでカップリングされたVIPレセプタ及び神経細胞の生存に結びつけられたVIPレセプタ(上記参照)に対するVIPアンタゴニストの親和力を評定した(Mayer,J.Pharmacol.Exp.Ther.,161:116−125((1972))。アゴニストの一定の与えられた濃度の存在及び不在下でのVIPの等活性濃度の比率をCRとしてKa=〔アンタゴニスト〕/(CR−1)という等式から、VIPアンタゴニストに関する解離定数を計算した。刺激曲線の中央点でVIPの等活性濃度(EC)を設定した。
F.チミジンの取込み
チミジン取込みのためには、24時間のインキュベーション期間中細胞を3H−チミジン(4μCi/皿)に露呈した。次に培地を除去し、35mmの組織培養皿(0.5mL/皿)に0.2NのNaOHを付加し、約20分間インキュベートした。0.3%のポリエチレンイミンで予め浸漬したGF/Cろ紙を通して細胞懸濁液をろ過した。フィルターを25mLのH2O及び5mLのエタノールで洗浄し、乾燥し、放射能について計数した。
G.概日運動活動リズム
動物を各々別々のカゴの中に入れ、赤外線検出器の備わった動物監視システムを用いて6〜9日間連続して運動活動を記録した。運動活動リズムの分光分析を、活動データに対し異なる正弦曲線を適合することによって決定した(Matter et al.,Chronoliology Int'1,8:460(1991)を参照のこと)。
以上で言及した刊行物は全てその全体が参考として本書に内含されている。
上述の発明は、明確さ及び理解を期して幾分か詳細に述べられてきたが、この開示を読めば当業者なら、形及び詳細のさまざまな変更を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく加えることができる、ということが理解できるだろう。
Claims (24)
- 下記のアミノ酸配列:
(式中、
R1及びR2は、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルから成るグループの中から独立して選択された一員であり、そして
X1及びX2は、疎水性をもつ天然のアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選ばれた一員である)により示されるアミノ酸配列を含む血管作用性腸管ポリペプチド(但し、Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asnを除く)。 - R1がHであり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第1項に記載の血管作用性腸管ポリペプチド。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり;
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第1項に記載の血管作用性腸管ポリペプチド。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり
R2がHであり、
X1がメチオニン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第1項に記載の血管作用性腸管ポリペプチド。 - 下記アミノ酸配列:
(式中、
R1及びR2は、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルから成るグループの中から独立して選択された一員であり、そして
X1及びX2は、疎水性をもつ天然のアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選ばれた一員である)
により示される血管作用性腸管ポリペプチド(但し、Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asnを除く)を含んで成る、哺乳動物内のVIP関連活性の拮抗剤。 - R1がHであり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり、
X2がバリン残基である、請求の範囲第5項に記載の拮抗剤。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり;
X2がバリン残基である、
請求の範囲第5項に記載の拮抗剤。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり、
R2がHであり、
X1がメチオニン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第5項に記載の拮抗剤。 - 下記のアミノ酸配列:
(式中、
R1及びR2は、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルから成るグループの中から独立して選択された一員であり、そして
X1及びX2は、疎水性をもつ天然のアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選ばれた一員である)
により示される血管作用性腸管ポリペプチド(但し、Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asnを除く)を含んで成る、VIPレセプタを含む腫瘍細胞の成長阻害剤。 - R1がHであり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり、
X2がバリン残基である、請求の範囲第9項に記載の成長阻害剤。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり;
X2がバリン残基である、
請求の範囲第9項に記載の成長阻害剤。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり、
R2がHであり、
X1がメチオニン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第9項に記載の成長阻害剤。 - 前記細胞が非小細胞肺ガン細胞である、請求の範囲第9項〜第12項のいずれか1項に記載の成長阻害剤。
- 下記のアミノ酸配列:
(式中、
R1及びR2は、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルから成るグループの中から独立して選択された一員であり、そして
X1及びX2は、疎水性をもつ天然のアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選ばれた一員である
により示される血管作用性腸管ポリペプチド(但し、Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asnを除く)を含んで成る神経細胞死滅誘発剤。 - R1がHであり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり、
X2がバリン残基である、請求の範囲第14項に記載の誘発剤。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり;
X2がバリン残基である、
請求の範囲第14項に記載の誘発剤。 - R1がCH3(CH2)16CO−であり、
R2がHであり、
X1がメチオニン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第14項に記載の誘発剤。 - R1がHであり、
R2がHであり、
X1がメチオニン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第18項に記載の阻害剤。 - R1がHであり、
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり;
X2がバリン残基である、
請求の範囲第18項に記載の阻害剤。 - 下記アミノ酸配列:神経芽細胞腫の細胞分裂を阻害する方法において、R1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2
(式中、
R1及びR2は、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルから成るグループの中から独立して選択された一員であり、そして
X1及びX2は、疎水性をもつ天然のアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選ばれた一員である)により示される血管作用性腸管ポリペプチドを含んで成る、神経芽細胞腫細胞分裂阻害剤。 - R1がHであり、
R2がHであり、
X1がメチオニン残基であり、
X2がバリン残基である、
請求の範囲第21項に記載の分裂阻害剤。 - R1がHであり;
R2がHであり、
X1がノルロイシン残基であり;
X2がバリン残基である、
請求の範囲第21項に記載の分裂阻害剤。 - 下記アミノ酸配列:R1−Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−X1−Ala−X2−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−AsnNH−R2
(式中、
R1及びR2は、そのうちの少なくとも1つが水素であることを条件として、水素、C1〜C20アルキル及びC1〜C20アシルから成るグループの中から独立して選択された一員であり、そして
X1及びX2は、疎水性をもつ天然のアミノ酸及びアミノ酸擬似体から成るグループの中から独立して選ばれた一員である)により示される血管作用性腸管ポリペプチド(但し、Lys−Pro−Arg−Arg−Pro−Tyr−Thr−Asp−Asn−Tyr−Thr−Arg−Leu−Arg−Lys−Gln−Met−Ala−Val−Lys−Lys−Tyr−Leu−Asn−Ser−Ile−Leu−Asnを除く)を含んで成る、哺乳動物内のVIP関連活性の拮抗、V IPレセプタを含む腫瘍細胞の成長阻害、神経細胞死滅誘 発、哺乳動物における概日リズム阻害または神経芽細胞 腫細胞分裂阻害のための組成物。
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