JP3587706B2 - 連発式結紮用デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、胃や食道の静脈瘤および粘膜、内痔核の結紮術などに適用される結紮術用の補助具であって、簡便な操作により安全かつ確実に処置することができる結紮具に関する。
【0002】
【従来の技術】
胃や食道の静脈瘤の治療法として、近年、食道静脈瘤術(以下EVLという)が用いられるようになってきた。
EVLとは、図8に示すように内視鏡(28)の先端部に装着したシリンダー部(29)の内部に静脈瘤(30)を吸引し、予めシリンダー部の先端周囲に環着していた結紮リング(12)を鉗子孔から挿入したワイヤー操作で取り外して吸引されてポリープ状となった静脈瘤の根元部位に掛け、結紮用結紮リングのゴムの収縮力により機械的に静脈瘤を結紮して荒廃させる手技である。
【0003】
従来、このEVLに使用する結紮具として、図7の様に内視鏡(28)の先端部分を嵌入する装着部(31)に固定されたシリンダー部(29)の内側に、結紮リング(12)を嵌着したスライド筒(9)を面摺動可能に装着し、該スライド筒(9)を内視鏡(28)の鉗子孔(32)を通したトリップワイヤー(33)に固定した構造のもの(アメリカ合衆国特許第4,735,194号)が使用されてきた。
この構造では、トリップワイヤー(33)を手前に引くとスライド筒(9)が後退し、シリンダー部(29)の先端部が結紮リング(12)を押し外して離脱する仕組みになっている。
【0004】
一方、EVLに使用する前記とは異なるエアー駆動を用いた結紮具として図6の様に、結紮リング(12)を嵌着した内筒(2)と外筒(3)の中間に、後端にシールリング(15)を付設したスライド筒(9)を配し、それらにより形成された気密空間の後端に小孔を設けて流体チューブ(16)を接続した構造のものも使用されている。
この構造では、シリンジ(34)からコネクタ(35)、流体チューブ(16)を通して空気を圧入し、スライド筒(9)を突き出して結紮リング(12)を離脱する仕組みになっている。
【0005】
このような内視鏡結紮用具を用いるEVLは、従前の硬化療法のように多量の硬化剤を使用する必要がなく、患者に対する副作用が少ない安全性の高い治療方法であるうえ、治療時の手技に特に難しいテクニックを要さずに簡便な操作で安全な結紮処置が可能なことから、この治療を実施する施設が急速に増加している。
【0006】
しかし、何れの結紮具においても内筒に1個の結紮リングしか装着されていないので複数の静脈瘤の結紮処置を行う場合には、その都度内視鏡を体腔外に出して、結紮リングを装着し再度体腔内に挿入し該処置を行わなければならない。
このため、複数の静脈瘤の結紮処置を施すには、静脈瘤の数だけ内視鏡を体腔内から出し入れしなければならず治療時間がかかるうえ患者に相当の苦痛を与えていた。
【0007】
かかる問題を解決すべく、内視鏡を体腔内に挿入した状態で連続して結紮処置を行うことが可能な結紮具が多数提案されているが(例えば、特開平8−10217号公報、特表平8−502198号公報、特表平9−500811号公報、日本国特許第2561223号、日本国特許第2657427号、アメリカ合衆国特許第5,398,844号、アメリカ合衆国特許第5,462,559号)、これらは図7と同様ワイヤーを用いた結紮具であり、内視鏡の鉗子孔の1本が使用不能となる、内視鏡を強く反転させた場合トリップワイヤーを強く引いても力が上手く先端に伝わらず結紮リングを落下できないことがある、1個の結紮リングが離脱したときの操作上の手応えがつかみにくく、結紮リングの不離脱や不意の複数同時離脱が発生する可能性があるといった問題は依然解決されない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の内視鏡的連発式結紮デバイスの問題点である、
1)内視鏡の鉗子孔の1本が使用不能となる。
2)内視鏡を強く反転させた場合トリップワイヤーを強く引いても力が上手く先端に伝わらず結紮リングを落下できないことがある。
3)1個の結紮リングが離脱したときの操作上の手応えがつかみにくく、結紮リングの不離脱や不意の複数同時離脱が発生する可能性がある。
を解決するために多くの検討を行った結果なされたもので、その目的とするところは、内視鏡を体腔内に挿入した状態で連続して結紮処置を行い、安全かつ確実に処置できる連発式結紮具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明の連発式結紮用デバイスは、内視鏡に装着されたデバイス内へ流体を圧送し、該デバイスに収納された結紮リングを離脱させ、患部に結紮を行う連発式結紮用デバイスにおいて、内視鏡の先端に装着される円筒状の内筒と、内筒の外側に複数個の結紮リングを直列に収納する空間を有して二重筒状に位置する外筒と、外筒の先端を内筒側へ折曲して内筒の先端との間に1個の結紮リングを通過可能なスリットを形成する先端壁と、内筒と外筒との中間部を連結する中央壁と、外筒の後端と連結する後端壁とからなり、先端壁、内筒、中央壁および外筒で囲まれた第1加圧部には、摺動可能なリング状のスライド筒を有し、スライド筒を境に、先端側に結紮リング収納室を、後端側に第1シリンダ室を配置し、また、後端壁、内筒、中央壁および外筒で囲まれた第2加圧部には、前記スリットを開閉するスライド蓋と連結されたスライド蓋ピストン部を有し、スライド蓋ピストン部を境に、先端側に第2シリンダ室を、後端側に逆荷重発生室を配置し、第1シリンダ室および第2シリンダ室には、それぞれ流体を圧送する機構が連結されたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の連発式結紮用デバイスを詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例となる連発式結紮用デバイスの詳細断面図、図2〜図5は、本発明の連発式結紮用デバイスの動作を示す詳細断面図である。
本発明による連発式結紮用デバイス(1)は、図1のように、内視鏡の先端に装着される円筒状の内筒(2)、内筒(2)の外側に結紮リングを収納する空間を有して、同心状に位置する円筒状の外筒(3)、外筒(3)の先端を内筒(2)側へ折曲した先端壁(4)及び内筒(2)と外筒(3)とを連結する環状の中央壁(5)とで囲まれた円環状の密閉空間である第1加圧部(6)と、第1加圧部(6)より後方に位置し、内筒(2)、外筒(3)、中央壁(5)及び内筒(2)と外筒(3)との後端を連結する環状の後端壁(7)とで囲まれた筒状の気密空間である第2加圧部(8)とで構成される。
【0011】
円環状空間の第1加圧部(6)には、円環状空間をデバイス(1)中心軸に沿って平行に摺動可能なリング状のスライド筒(9)が挿入されてあり、スライド筒(9)を境に、先端側に円環状空間である結紮リング収納室(10)、後端側に同じく円環状空間である第1シリンダ室(11)を配置する。
結紮リング収納室(10)にはリング状の弾性体である結紮リング(12)がデバイス(1)の中心軸方向に直列に複数個収納される。
結紮リング(12)の通常状態時の内径は内筒(2)の外径よりはるかに小さなもので、デバイス内に装着する際は延ばされ、内筒(2)に装着される径まで引き延ばされ、緊張状態になる。
結紮リング(12)の装着数は、限定はなく用途に合わせて適量決定すればよい。
例えば、食道静脈瘤結紮処置用として考慮した場合は、1回の治療に多くて8回の結紮を実施するので、8個の結紮リング(12)の装着が好適である。
【0012】
外部に対し密閉されている結紮リング収納室(10)は、内筒(2)の最先端の円周上には少なくとも結紮リング(12)1個が通過可能な幅のスリット(13)が設けられており、更にスリット(13)の開口内周方向直下には筒状で任意にデバイス(1)の中心軸に沿って平行に移動可能なスライド蓋(14)が付設される。
スライド蓋(14)は、スリット(13)の開閉が目的であり、デバイス(1)先端方向に移動させることで、スリット(13)を塞ぎ、結紮リング収納室(10)を完全密閉状態とする閉状態とし、また、デバイス(1)後端方向に移動させることでスリット(13)を介して結紮リング収納室(10)を一部外部と連通させる開状態とする。
本実施例では、図1に示すように、スライド蓋(14)の移動制限を、先端方向への移動時には、スライド蓋(14)の先端が、先端壁(4)に接触するまでとし、このときが前述の閉状態とし、後端方向への移動時には、スライド蓋(14)後端が後端壁(7)に接触するまでとし、このときが前述の開状態となる構造をなしている。
なお、スライド蓋(14)の作動機構については後述する。
【0013】
第1シリンダ室(11)は、スライド筒(9)の直近の後端方向側に気密性を保つための第1シールリング(15)を有し、更に第1シールリング(15)の後端方向側に、デバイス(1)外表面から接続された第1流体チューブ(16)のその内腔と連通する空間を有する。
第1流体チューブ(16)の後端部にはシリンジ等を接続する第1ルアーコネクター(17)が接続され、これにより、第1シリンダ(11)は第1流体チューブ(16)、第1ルアーコネクター(17)を介して外部と連通する構造をなす。
【0014】
スライド蓋(14)は、術者により任意かつ遠隔的に開閉動作がなされるものであり、本実施例では、円環状空間の第2加圧部(8)を設け、第2加圧部(8)は、デバイス(1)中心軸方向に移動可能で且つスライド蓋(14)と連結されたスライド蓋ピストン部(18)を有し、スライド蓋ピストン部(18)を境に、先端側に円環状空間である第2シリンダ室(19)、後端側に同じく円環状空間である逆荷重発生室(20)を配置する。
【0015】
第2シリンダ室(19)は、スライド蓋ピストン部(18)の直近の先端方向側に気密性を保つための第2シールリング(21)を有し、更に第2シールリング(21)の先端方向側に、デバイス(1)外表面から接続された第2流体チューブ(22)のその内腔と連通する空間を有する。
第2流体チューブ(22)の後端部にはシリンジ等を接続する第2ルアーコネクター(23)が接続され、これにより、第2シリンダ(19)は第2流体チューブ(22)、第2ルアーコネクター(23)を介して外部と連通する構造をなす。
【0016】
逆荷重発生室(20)には、圧縮されたコイルスプリング(24)が収納され、その先端と後端はスライド蓋ピストン部(18)と後端壁(7)にそれぞれ接触している。
【0017】
スライド蓋(14)の後方内周側には後端壁(7)と連結されたガイド筒(25)が付設され、ガイド筒(25)と内筒(2)との間隙をスライド蓋(14)が移動できるようになっており、更にガイド筒(25)の内周側、及びデバイス(1)後方部には柔軟素材で形成される円環状の固定部(26)が付設される。
更に固定部(26)のガイド筒(25)の先端側にはリブ状のストッパー(27)が設けてあり、これで内視鏡(28)のデバイス(1)への挿入深さを規制する。
【0018】
図2〜図5により本発明によるデバイス(1)の動作を説明する。
使用直前のデバイス(1)内の初期状態は、図1に示すように、スライド蓋(14)は前述の閉状態で、直列に配列された複数個の結紮リング(12)の内、最前の結紮リング(12)1個のみが、スリット(13)に脱落し、スリット(13)直下のスライド蓋(14)先端に装着されている状態とする。
そして本発明のデバイス(1)を内視鏡(28)の最先端部にストッパー(27)に当接するまで深く装着し、患者の口腔経由で食道、あるいは胃に挿入し、患部である静脈瘤にデバイス(1)開口先端をかぶせ、内視鏡(28)のチャンネルより吸引を行う。
この吸引により静脈瘤が内視鏡(28)先端面、スライド蓋(14)で囲まれた空間に引き寄せられ、図2の状態になる。
次に、第2ルアーコネクター(23)にシリンジを用い、空気あるいは水を注入すると、第2シリンダ室(19)の内圧が高まり第2シールリング(21)がデバイス(1)後端方向に押されスライド蓋ピストン部(18)とそれに連結するスライド蓋(14)が後端方向に移動し、同時にコイルスプリング(24)が圧縮されていく状態になる。
スライド蓋(14)が後端壁(7)に接触するまで移動すると、図3のように、スリット(13)が前述の開状態になり、スライド蓋(14)先端に装着されていた最前部の結紮リング(12)1個のみが、デバイス(1)中心軸方向に縮みながら脱落し、静脈瘤を結紮する。
このときスライド蓋(14)後端部が後端壁(7)に接触し、移動が強制的に止められるので、術者は、特別な注入量調節等なしで、シリンジによる流体注入の手応えが固くなることのみで結紮リング(12)の脱落終了を知ることができる。
結紮後、シリンジを抜き、第2シリンダ(19)内の圧力を常圧に戻すと、図4のように圧縮されたコイルスプリング(24)の反動でスライド蓋(14)が先端方向に移動し、スリット(13)が前述の閉状態に戻る。
【0019】
更に次の結紮を行う際は、第1ルアーコネクター(17)にシリンジを用い、空気あるいは水を注入し、第1シリンダ室(11)の内圧を上昇させ、第1シールリング(15)がデバイス(1)先端方向に押されスライド筒(9)とそれに近接する最後端側の結紮リング(12)が同方向に押されると、更にそれに伴い結紮リング収納室(6)内に配列された残りの結紮リング(12)全てが先端方向に移動する。
最先端の結紮リング(12)がスリット(13)に達すると、図5のように最先端の結紮リング(12)1個のみが収縮してスリット(13)内に脱落し、スリット(13)直下のスライド蓋(14)先端部に装着される状態になる。
このとき最先端の結紮リング(12)が先端壁(4)に接触し、移動が強制的に止められるので、術者は、特別な注入量調節等なしで、シリンジによる流体注入の手応えが固くなることのみで結紮リング(12)がスライド蓋(14)先端部に装着されている状態であることを知ることができる。
続いて、次の患部の静脈瘤粘膜を吸引し終えたら、前述同様に結紮リング(12)を離脱、収縮させ、静脈瘤粘膜を結紮する。
以上の操作を繰り返すことにより、第1ルアーコネクター(17)と第2ルアーコネクター(23)への交互の流体注入を行うのみで、あらかじめ結紮リング収納室(6)に収納しておいた結紮リング(12)の数量分の連続結紮が可能になる。
【0020】
本発明の連発式結紮用デバイスを内視鏡に装着する際は、デバイス(1)を内視鏡(28)の先端に被せて固定するが、デバイス(1)が内視鏡(28)から外れにくいことと、静脈瘤を負圧で吸引したときにエアーが漏れにくいといった条件が必要である。
また、デバイス(1)の固定部(26)は、内視鏡(28)に嵌合接合するためのものであるが、内視鏡(28)との嵌合がきつ過ぎると内視鏡(28)が故障する原因になり易いため、適度な柔軟性とシール性を持った材料を用いるのがよい。
この条件を満足する材料であれば特に限定はなく、例えば軟質プラスチック、ゴム等が特に好適である。
【0021】
内筒(2)、外筒(3)、先端壁(4)、中間壁(5)、後端壁(7)、スライド筒(9)およびスライド蓋ピストン部(18)は、高い寸法精度と、スライド筒(9)およびスライド蓋ピストン部(18)を移動させる際に達する第1シリンダ室(11)および第2シリンダ室(19)の内圧に十分耐えうる機械的強度を必要とするため、硬質樹脂が適当であり、更には操作性の向上のために透明であることが要求される。
ここで、第1シリンダ室(11)の到達する内圧は、結紮リング収納室(10)内の結紮リング(12)、スライド筒(9)及びシールリング(15)を先端方向に移動させる際の負荷値と、第1シリンダ室(11)の断面積により決定される。
本実施例では、結紮リング(12)を8個と、スライド筒(9)及びシールリング(15)を移動させる際の負荷値は10kgf程度であり、第1シリンダ室(11)の断面積は、0.7cm2であるので、内圧は、14kgf/cm2以上必要となり、安全性を考慮し、30kgf/cm2程度の耐内圧強度を確保することとしている。
また、第2シリンダ室(19)は、スライド蓋(14)先端に固定された結紮リング(12)1個と、スライド蓋(14)及び、コイルスプリング(24)を圧縮させる際に発生する負荷力が2kgf/cm2程度であり、第2シリンダ室(19)の断面積は、0.7cm2であるので、内圧は、3kgf/cm2以上必要となり、安全性を考慮し、6kgf/cm2程度の耐内圧強度を確保することとしている。
材質は、これらの要求事項を満足すれば特に限定はないが、その例としてポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
【0022】
スライド蓋(14)は、その先端部で結紮リング(12)を装着するので、その締めつける力に耐えうる強度、ガイド筒(25)は、内視鏡(28)または患部からの外力によって、著しい変形を来さない程度の強度が必要であり、これらには硬質樹脂が適当であり、要求事項を満足すれば特に限定はないが、その例としてポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
サイズ的には、挿入性、患部のある胃または食道内での方向転換のしやすさを考慮するとできるだけコンパクトであることが必要であり、限定はないが、本実施例ではデバイス(1)の外径が16.5mm程度、固定部(26)を含めた全長で25mm程度としている。
また、本実施例ではこれらの部品を、生産性を考慮して、外筒(3)と先端壁(4)、内筒(2)と中央壁(5)、後端壁(7)とガイド筒(25)、スライド蓋(14)とスライド蓋ピストン部(18)をそれぞれ一体の射出成形品とし、可動部であるスライド蓋(14)とスライド蓋ピストン部(18)を除き、これらの一体成形品は接着、または超音波溶着で接合するのが好ましい。
【0023】
第1シールリング(15)と第2シールリング(21)は前述の到達する内圧においても十分な気密性を保ち、且つスライド性の良い材料が必要である。
このようなものには、例えばシリコーンゴム、イソプレンゴム等のゴムや軟質プラスチック等が好適である。
【0024】
コイルスプリング(24)は、スリット(13)を閉状態とする際にはその反発力のみでスライド蓋(14)と第2シールリング(21)を先端方向に移動でき、開状態とする際には第2シリンダ室(19)からスライド蓋ピストン部(18)を経て伝わる荷重力にて十分圧縮可能であるバネ定数であることが必要であり、スライド蓋(14)、第2シールリング(21)およびスライド蓋ピストン部(18)の摺動抵抗、そして第2シリンダ室(19)の発生荷重力を十分考慮する。
材質には限定はないが、耐腐食性、強度に優れるステンレスが好適である。
また、本実施例ではスプリングにてスライド蓋(14)を閉じているが、この動作手段には限定はなく、第2シリンダ室(19)をシリンジ等にて負圧にし、スライド蓋(14)およびスライド蓋ピストン部(18)を先端方向へ移動する手段、あるいは、第2シリンダ室(19)同様のシリンダ室をスライド蓋ピストン部(18)の後端方向側へ追加し、その加圧による発生荷重力で先端方向へ移動する手段でもよい。
【0025】
デバイス(1)に付設される第1流体チューブ(16)および第2流体チューブ(22)は柔軟でなおかつ内視鏡操作時、よれたり折れ曲がったりしない強度、また流体を送入し流体回路内を加圧した際に破損、著しい膨張が発生しない程度の耐圧性を考慮しなければならない。
このような条件を満足する材料であれば特に制限はないが、例えばナイロン、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂等が好適である。
【0026】
第1ルアーコネクター(17)と第2ルアーコネクター(23)は、第1流体チューブ(16)、第2流体チューブ(22)と術者がデバイス(1)内を加圧するためのシリンジとを結ぶ手段であり、簡単に互いを着脱可能であり、かつ、前記の到達する流体回路内圧においても気密性を保ち、外れないことが要求される。
本実施例では、ロック機構付きのテーパー嵌合接合を挙げるが限定はない。
【0027】
【発明の効果】
本発明の連発式結紮用デバイスを使用すれば、術者の簡単なシリンジ操作により結紮リングの離脱結紮が確実に行え、結紮リングの不離脱や不意の複数同時離脱のない正確で、安全な患部結紮が可能になり、内視鏡の鉗子孔が使用可能で、内視鏡を強く反転させた場合でも結紮リングの離脱が確実にできるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる連発式結紮用デバイスに内視鏡に装着した状態の詳細断面図である。
【図2】本発明の連発式結紮用デバイスの動作を示す内視鏡に装着した状態の詳細断面図である。
【図3】本発明の連発式結紮用デバイスの動作を示す内視鏡に装着した状態の詳細断面図である。
【図4】本発明の連発式結紮用デバイスの動作を示す内視鏡に装着した状態の詳細断面図である。
【図5】本発明の連発式結紮用デバイスの動作を示す内視鏡に装着した状態の詳細断面図である。
【図6】従来の内視鏡的結紮具を示す図である。
【図7】従来の内視鏡的結紮具を示す図である。
【図8】従来の内視鏡的結紮具の使用状況を示す図である
【符号の説明】
1 デバイス
2 内筒
3 外筒
4 先端壁
5 中央壁
6 第1加圧部
7 後端壁
8 第2加圧部
9 スライド筒
10 結紮リング収納室
11 第1シリンダ室
12 結紮リング
13 スリット
14 スライド蓋
15 第1シールリング
16 第1流体チューブ
17 第1ルアーコネクター
18 スライド蓋ピストン部
19 第2シリンダ室
20 逆荷重発生室
21 第2シールリング
22 第2流体チューブ
23 第2ルアーコネクター
24 コイルスプリング
25 ガイド筒
26 固定部
27 ストッパー
28 内視鏡
29 シリンダー部
30 静脈瘤
31 装着部
32 鉗子孔
33 トリップワイヤー
34 シリンジ
35 コネクター
Claims (1)
- 内視鏡に装着されたデバイス内へ流体を圧送し、該デバイスに収納された結紮リングを離脱させ、患部に結紮を行う連発式結紮用デバイスにおいて、内視鏡の先端に装着される円筒状の内筒と、内筒の外側に複数個の結紮リングを直列に収納する空間を有して二重筒状に位置する外筒と、外筒の先端を内筒側へ折曲して内筒の先端との間に1個の結紮リングを通過可能なスリットを形成する先端壁と、内筒と外筒との中間部を連結する中央壁と、外筒の後端と連結する後端壁とからなり、先端壁、内筒、中央壁および外筒で囲まれた第1加圧部には、摺動可能なリング状のスライド筒を有し、スライド筒を境に、先端側に結紮リング収納室を、後端側に第1シリンダ室を配置し、また、後端壁、内筒、中央壁および外筒で囲まれた第2加圧部には、前記スリットを開閉するスライド蓋と連結されたスライド蓋ピストン部を有し、スライド蓋ピストン部を境に、先端側に第2シリンダ室を、後端側に逆荷重発生室を配置し、第1シリンダ室および第2シリンダ室には、それぞれ流体を圧送する機構が連結されたことを特徴とする連発式結紮用デバイス。
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