JP3587647B2 - 液化ガス流下用ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料缶詰の製造に際して、飲料充填済みの缶をコンベアー上に一列に並べて搬送する間に、各缶内のヘッドスペースに不活性の低温液化ガスを所定量ずつ流下させるために使用される、液化ガス流下用ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
コーヒー,紅茶,緑茶,ウーロン茶,スポーツ飲料,および果汁等の非炭酸飲料を、DI(絞りしごき)缶のような薄肉の胴壁を持つ缶体に充填して缶詰にする際に、飲料を充填した缶内の液面上に、液化窒素や液化アルゴンのような低温不活性な液化ガスを少量添加してから、缶の開口部に缶蓋を巻締めして密封するということが従来から行われている。
【0003】
缶を密封する前に液化ガスを添加する理由については、缶内の飲料液面上に添加された液化ガスが、短時間に気化してその体積が数百倍となることで、缶蓋で密封された缶のヘッドスペース(缶内上部の飲料がない空間部分)の内圧が大気圧よりもかなり高くなり、缶胴壁を内側から外側に向かって押し続けるために、缶胴壁に少しばかりの外圧が加わっても変形しなくなるからである。
【0004】
また、そのような液化ガスの添加により、飲料上に添加された液化ガスの一部が瞬時に気化して体積を増加させ、ヘッドスペースの空気を缶外へ追い出す作用をするので、ヘッドスペースの残存酸素量を減少させる(飲料の酸化による劣化を減少させる)という利点も生じる。
【0005】
上記のように缶のヘッドスペースに不活性な低温液化ガスを少量添加するための液化ガス流下装置において使用される液化ガス流下用ノズルについては、ノズル孔が一個だけ設けられている場合、コンベアーで搬送される飲料充填済みの缶が液化ガス流下装置の下を通過する間に、所定量の液化ガスを缶内に流下させるには、該ノズル孔を大きくする必要がある。
【0006】
その結果、大きなノズル孔から勢いよく流下した液化ガスが、缶内の飲料液面と激しく衝突して、その衝撃で液化ガスの一部が缶外に飛散し、缶内に残る液化ガスの量が不安定になるというような問題を生じる。
【0007】
そのような問題に対して、液化ガス流下装置から流下させた液化ガスを、漏斗と方向変換ノズルを介し、流下方向や流下速度を変えることで消勢して、流下衝突時の衝撃を緩和するようにしたものが、特公平6−59888号公報により従来公知となっており、また、複数のノズル孔を設けることによって液化ガスを複数条の流れに分けて流下させることにより、一条当たりの流下衝突時の衝撃を緩和するようにしたものが、特公昭63−44609号公報により従来公知となっている。
【0008】
上記のような従来公知の液化ガス流下装置の単位時間当たりの液化ガス流下量の制御については、前者では、液化ガスの液面をほぼ一定の高さに制御すると共に、この液化ガス液面上にかかる圧力を一定に維持しつつ、液化ガス流下装置の流下バルブの上下動により単位時間当たりの液化ガス流下量を制御している。
【0009】
一方、後者において、液化ガスの液面をほぼ一定の高さに制御すると共に、この液化ガス液面上にかかる圧力を一定に維持しつつ、製造する缶詰の缶の内容量が大きく変わったことに伴って単位時間当たりの液化ガスの流下量を変える必要がある場合には、ノズル孔の開口数や大きさの異なるノズルと取り替えることによって、液化ガスの流下量を変えている。
【0010】
また、後者において、缶詰製造中の缶詰製造ラインの速度変化に伴って単位時間当たりの液化ガスの流下量を変える必要がある場合には、液化ガス流下装置に予めノズル孔の開口数および大きさが同じ2個のノズルを設けておき、缶詰製造ラインの低速運転時には1個のノズルからだけ液化ガスを流下させ、缶詰製造ラインの高速運転時(低速運転時の2倍の速度の時)には2個のノズルから液化ガスを流下させることによって、液化ガスの流下量を変えている。
【0011】
さらに、流下衝突時の衝撃を緩和するために複数のノズル孔を設けた液化ガス流下用ノズルにおいて、複数のノズル孔を形成したノズルプレートに対して、該ノズル孔を開放するための長孔と該ノズル孔を閉塞するための閉塞面を形成したノズル開閉プレートを相対変位可能に重ねることにより、両プレートを相対変位させてノズルプレートのノズル孔の開度を変えることで、液化ガスの単位時間当たりの流下量を制御するようにしたものが、特開平2−57521号公報により従来公知となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来公知の液化ガス流下用ノズルについては、液化ガスの流下時における飲料液面との衝突の衝撃を緩和して、液化ガスの缶外への飛散を防ぐことは可能であるが、その何れにおいても、缶詰製造ラインの速度が無段階的(曲線的またはスロープ的)に変化するのに対応して液化ガスの流下量を無段階的または連続的に微調整することが困難なものとなっている。
【0013】
すなわち、特公昭63−44609号公報に記載の発明時点では、缶詰製造に使用する缶蓋巻締装置は低速運転時と高速運転時(低速運転時の2倍の速度)の2速タイプのものが殆どであり、飲料充填装置は動力を缶蓋巻締装置から取っていてこれと同期運転するので、缶詰製造ラインの速度は2速のみであり、2個のノズルを装備した液化ガス流下装置で充分に対応することができていた。
【0014】
しかしながら、最近では、低速運転から高速運転までの間の速度が無段階的に変化する缶蓋巻締装置が出現し始め、これを装備した缶詰製造ラインに使用できる液化ガス流下装置が求められるようになってきたのに対して、特公昭63−44609号公報に開示された技術思想ではこれに対応することができない。
【0015】
一方、特開平2−57521号公報に開示された技術思想は、いわば特公昭63−44609号公報に記載の2個のノズルの代わりに多数のノズルを使用し、缶詰製造ラインの速度の変化に対応して液化ガスを流下させるノズルの数を変化させるという考えのものであって、一応ライン速度に対応して液化ガスの流下量を変化させられるものの、単位時間当たりの液化ガスの流下量の変化量が、ノズル1個の流下量(ノズル孔1個の流下量)分ずつ増減するものである。
【0016】
そのようなものでは、液化ガスの流下量の変化は段階的(又は階段的)な変化でしかなく、流下量を無段階的(曲線的またはスロープ的)には変化させられないため、無段階に製造ラインの速度が変化する缶詰製造ラインにおいてこの液化ガス流下装置を使用すれば、それによって製造される缶詰は各缶毎の缶内圧のバラツキが大きいものとなってしまう。
【0017】
本発明は、上記のような複数のノズル孔を形成することにより、液化ガスを複数条の流れに分けて流下させることで、流下された液化ガスと飲料液面との衝突の衝撃を緩和するようにした低温液化ガス流下装置に用いられる液化ガス流下用ノズルにおいて、簡単な構造により、缶詰製造ラインの無段階的な速度変化に追従して、液化ガスの単位時間当たりの流下量を連続的且つ無段階的に変化させることができるような液化ガス流下用ノズルを提供することを課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、液化ガス流下用ノズルが、軸線が上下方向のシリンダーと、該シリンダーに上方から挿入されるプラグとからなり、該プラグの外周面と摺接するシリンダーの内周面に、該シリンダーの上端部から下端部にわたって、液化ガスを通すための溝部が、シリンダーの軸線方向に平行して複数本形成されており、該複数本の溝部のうちの少なくとも一本以上は、その上端から下端に向けて、幅が略一定で、溝底の深さが徐々に浅くなるように傾斜していて、該シリンダーに対して相対的に上下動可能なプラグがその最下端位置に達した状態で、プラグの外周面から外方に突出して形成されたフランジ部により、シリンダーの各溝部の上端開放部が塞がれるように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
また、上記の請求項1に記載した液化ガス流下用ノズルにおいて、上記の請求項2に記載したように、シリンダーに形成されている複数本の溝部の各々が、何れも、その上端から下端に向けて、幅が略一定で、溝底の深さが徐々に浅くなるように傾斜していることを特徴とするものである。
【0021】
また、上記の請求項1又は2に記載した液化ガス流下用ノズルにおいて、上記の請求項3に記載したように、シリンダーの内周面が円筒状であり、シリンダーの内周面に形成されている複数の溝部が、シリンダーの軸心に対して放射状に配置されていることを特徴とするものである。
【0022】
また、上記の請求項1又は2に記載した液化ガス流下用ノズルにおいて、上記の請求項4に記載したように、シリンダーの内周面が、平面壁を有するものであり、シリンダーの内周面に形成されている複数の溝部が、該平面壁に並列的に配置されていることを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液化ガス流下用ノズルの実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る液化ガス流下用ノズルを備えた液化ガス流下装置の概略を示すもので、液化ガス流下装置1は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスの低温液化ガスを、搬送されて来る飲料充填済みの缶の飲料液面上に上方から流下させて供給するために、液化ガスの液面が大気に開放されて(従って、液面上は大気圧とほぼ同じである)且つその液面が一定の高さを保った状態で貯留槽2に貯留されている液化ガスを、それ自体の重量により、常に一定の圧力がかかっている状態で液化ガス流下用ノズル3を通して流下させるものである。(なお、図1は、液化ガスの流下を停止している状態を示している。)
【0025】
すなわち、液化ガス流下装置1には、貯留槽2内と連通する閉鎖空間の液化ガス通路4が、上下方向に延びる内筒部5によって画成されており、該液化ガス通路4の下端は、シリンダー11とプラグ12とからなる本実施形態の液化ガス流下用ノズル3により閉鎖されていて、該ノズル3のプラグ12を下端部に固定したロッド6が、ベローズ7を介して液化ガス通路4の閉鎖状態を維持しつつ、上方から液化ガス通路4中に上下動可能に挿入されている。
【0026】
それにより、ロッド6を上下動させてプラグ12の位置を変えることで、後で詳しく述べるような構造によって、ノズル3の開度が制御されて、貯留槽2内に貯留されている液化ガスが、液化ガス通路4を通して、ノズル3の開度に応じた流量で下方に流下されることとなる。
【0027】
なお、貯留槽2の外側には、貯留されている低温の不活性液化ガスを外気温から断熱するために、真空断熱室8が形成されていると共に、液化ガス通路4の外側には、内筒部5と適当な間隔を置いて設けられた外筒部9により、内筒部5と外筒部9の間に閉鎖空間の真空断熱室10が形成されていて、貯留槽2側の真空断熱室8と液化ガス通路4側の真空断熱室10とは互いに連通されている。
【0028】
また、液化ガス通路4の下端にある液化ガス流下用ノズル3に対応して、低温の液化ガスの流下に伴って大気中の水蒸気が該ノズル3の出口付近に氷結して付着するのを防止するために、電気の熱による防霜用のヒーター13が、外筒部9の下端部外側に対して着脱可能に取り付けられている。
【0029】
図2および図3は、本実施形態の液化ガス流下用ノズル3が使用されている液化ガス流下装置1の下部を示すもので、図2は、液化ガス流下用ノズル3が完全に閉じられている状態を示し、図3は、液化ガス流下用ノズル3が所望の開度で開かれている状態を示している。
【0030】
また、図4および図5は、液化ガス流下装置1に使用されている本実施形態の液化ガス流下用ノズル3について、該ノズル3を構成する各部材を示すもので、図4はシリンダー11を示し、図5はプラグ12を示している。
【0031】
液化ガス流下用ノズル3は、本実施形態では、図4に示すような円筒状のシリンダー11と、図5に示すような中空円柱状のプラグ12により構成されていて、図2および図3に示すように、シリンダー11は、その下端近傍の外周面に形成されたフランジ部11aで、外筒部6の外周面に螺合されるシリンダーキャップ14により、パッキン15と共締めされた状態で液化ガス通路4の底壁に固定されている。
【0032】
一方、プラグ12は、図示していないが、円筒状のロッド6の軸心中空部にその上端が嵌入されることで、該ロッド6の下端に固定されていて、上記のように液化ガス通路4の底壁に固定された円筒状のシリンダー11に対して、シリンダー11の内周面とプラグ12の外周面が摺接するように、上方から上下動可能に挿入されている。
【0033】
また、円筒状のシリンダー11には、その上端面の外側に、リング状のパッキン16が一体的に付設されており、これに対して、プラグ12には、図2に示すような、プラグ12が最下端位置(プラグ12の下端がシリンダー11の下端に達する)まで完全に挿入された状態で、上記のパッキン16と密着するように、その外周面から外方に突出するフランジ部12aが一体的に形成されている。
【0034】
さらに、プラグ12のフランジ部12aよりも下方の外周面と摺接するシリンダー11の内周面には、図4(B)に示すように、シリンダー11の上端部から下端部にわたって、幅が略一定で、上から下に向かって溝底の深さが徐々に浅くなり、下端部付近では極めて僅かな深さとなるような、溝底の傾斜した溝部11bが、本実施形態では、図4(A)に示すように、シリンダー11の円筒状の内周面に、その軸心に対してそれぞれ放射状で等間隔に6〜12本程度(図示したものでは12本)、それぞれシリンダー11の軸線方向に平行して形成されている。
【0035】
上記のような構成を有する本実施形態の液化ガス流下用ノズル3では、図2に示すように、プラグ12がその最下端位置に達するまで完全に挿入された状態では、シリンダー11の上端面に付設されたリング状のパッキン16に、プラグ12のフランジ部12aの下面が密着することで、シリンダー11の各溝部11bの上端開放部は、全てプラグ12のフランジ部12aとパッキン16により塞がれて、該ノズル3は完全に閉じられるため、液化ガス通路4内の液化ガスがノズル3を通して流下することはない。
【0036】
そのような状態からロッド6を適当に上昇させることで、図3に示すように、プラグ12を上方に移動させて停止すると、シリンダー11の上端面(パッキン16)からプラグ12のフランジ部12aが上方に離れて、各溝部11bの上端開放部が液化ガス通路4に連通すると共に、停止したプラグ12の下端位置におけるシリンダー11の各溝部11bの溝底の深さ応じて、各溝部11bが下方に開放される。
【0037】
そのため、液化ガス通路4内の液化ガスは、プラグ12の下端位置での各溝部11bの断面積に応じた流量で、複数本(12本)の各溝部11bを通って均一な糸状に分散された状態で下方に流下することとなり、したがって、シリンダー11に対するプラグ12の位置をロッド6により調整して、下方に開放される各溝部11bの断面積を変えることにより、各溝部11bを通して流下させる液化ガスの流下量を無段階的に連続して変更することができる。
【0038】
上記のような本実施形態の液化ガス流下用ノズル3によれば、流下させる液化ガスを複数本の各溝部11bにより確実に案内させて、均一な糸状に分散させた状態で下方の缶内に流下させることができるため、流下した液化ガスが缶内の飲料液面に衝突する際の衝撃を緩和して、液化ガスの飛散を効果的に防止することができると共に、ロッド6を動かしてプラグ12の位置を変えることで、各溝部11bを通してノズル3から流下させる液化ガスの流下量を、例えば、缶詰製造ラインの速度の無段階的な変化に対応させて無段階的に変化させることができるように、連続的に微量ずつ変化させることができる。
【0039】
実際の缶詰製造ラインに適用する場合の一例について詳細に述べると、プラグ12の位置と単位時間当たりの液化ガスの流下量との関係、および、缶詰製造ラインの速度とその速度で缶詰を製造する場合に必要な単位時間当たりの液化ガスの流下量(製造される缶詰に必要な缶内圧が得られる量)との関係を予め調べておいて、それらをコンピューターに入力しておく一方、その缶詰製造ラインの速度をモニタリングしてコンピューターに送り、その速度に合ったプラグ12の位置を演算して、プラグ12の位置移動を指示する信号を、ロッド6の上端に取り付けたサーボモーター(図示せず)に送り、そのラインの速度でその缶詰を製造する場合に必要な液化ガスの単位時間当たりの流下量が得られる位置にプラグ12を移動させることによって、ノズル3から流下する液化ガスの流下量を、ライン速度の無段階的な変化に対応させて無段階的に変化させることができる。
【0040】
以上、本発明の液化ガス流下用ノズルの一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態で説明したような具体的な構造にのみ限定されるものではなく、例えば、液化ガス流下用ノズルを構成するための各部材(シリンダーおよびプラグ)を、上記の実施形態に示したような形状とは異なるものとして実施することも可能である。
【0041】
すなわち、図6は、本発明の液化ガス流下用ノズルの他の実施形態について、液化ガス流下用ノズル3を構成するためのシリンダー11の部分を示すもので、この実施形態では、シリンダー11の内周面を、横断面形状が長円形で、対向する一対の平面壁を有するものとして、該平面壁のそれぞれに対して、シリンダーの上端部から下端部にわたって溝底が傾斜した溝部11bを、複数本(図示したものでは各平面壁に5本ずつ)並列的に形成したものである。
【0042】
このようにシリンダー11の内周面に平面壁を形成して、該平面壁に複数本の溝部11bを並列的に形成したような実施形態によれば、該平面壁が缶の搬送方向と平行になるように液化ガス流下用ノズル3を設置することで、分散させて流下させる複数条の液化ガスの流れを、幅の狭い範囲に集めることができるため、口径の小さいような缶に対して液化ガスを流下するような場合に好適である。
【0043】
また、上記の各実施形態では、複数本の溝部11bについて全て同じ大きさの溝(溝の幅×溝の深さ)としているが、必ずしもそのようにする必要はなく、また、上記の各実施形態では、全ての溝部11bにおいてシリンダー11の上端部から下端部にわたって溝底を傾斜させているが、複数本の溝部のうちの少なくとも1本以上について溝底を傾斜させれば、残りの溝部をシリンダーの上端部から下端部にわたって溝の深さが等しいものとして実施することも可能である。
【0044】
すなわち、傾斜した溝底を持つ溝部が1本以上あれば、プラグの上下動により液化ガスの単位時間当たりの流下量を無段階的に変化させることは可能である。しかしながら、例えば、多くの溝部の中で、傾斜した溝底を持つ溝部の大きさ(溝の幅×溝の深さ)が他のものとあまり変わらず、傾斜した溝底を持つ溝部が1本しかないような場合には、液化ガスの単位時間当たりの流下量を大きく変化させることができないため、複数本の溝部の大部分を溝底が傾斜したものとする方が効果的であることは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の液化ガス流下用ノズルによれば、液化ガスを均一な糸状に分散させた状態で下方に流下させることができ、流下した液化ガスが缶内の飲料液面に衝突する際の衝撃を緩和して、該液化ガスの飛散を防止することができると共に、分散させて流下させる単位時間当たりの液化ガスの流下量を、簡単な構造により無段階的に変化させることができるため、缶詰製造ラインの無段階的な速度変化に追従して、液化ガスの単位時間当たりの流下量を増減させることができる。
したがって、本発明の液化ガス流下用ノズルを装備した低温液化ガス流下装置を使用すれば、速度変化が無段階的である缶詰製造ラインであっても、製造される缶詰は、各缶毎にその缶内圧が大きくバラツクようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液化ガス流下用ノズルを備えた液化ガス流下装置の全体についての概略を示す説明図。
【図2】図1に示した液化ガス流下装置において、液化ガス流下用ノズルが完全に閉じられている状態を示す断面図。
【図3】図1に示した液化ガス流下装置において、液化ガス流下用ノズルが小さな開度で開かれている状態を示す断面図。
【図4】本発明の液化ガス流下用ノズルの一実施形態について、そのシリンダー部分を示す(A)上面図,および(B)図AのB−B線に沿った縦断面図。
【図5】本発明の液化ガス流下用ノズルの一実施形態について、そのプラグ部分を示す(A)縦断面図,および(B)図AのB−B線に沿った横断面図。
【図6】本発明の液化ガス流下用ノズルの他の実施形態について、そのシリンダー部分を示す(A)上面図,および(B)図AのB−B線に沿った縦断面図。
【符号の説明】
1 液化ガス流下装置
3 液化ガス流下用ノズル
11 (液化ガス流下用ノズルの)シリンダー
11b (シリンダーの)溝部
12 (液化ガス流下用ノズルの)プラグ
12a (プラグの)フランジ部
Claims (4)
- 軸線が上下方向のシリンダーと、該シリンダーに上方から挿入されるプラグとからなり、該プラグの外周面と摺接するシリンダーの内周面に、該シリンダーの上端部から下端部にわたって、液化ガスを通すための溝部が、シリンダーの軸線方向に平行して複数本形成されており、該複数本の溝部のうちの少なくとも一本以上は、その上端から下端に向けて、幅が略一定で、溝底の深さが徐々に浅くなるように傾斜していて、該シリンダーに対して相対的に上下動可能なプラグがその最下端位置に達した状態で、プラグの外周面から外方に突出して形成されたフランジ部により、シリンダーの各溝部の上端開放部が塞がれるように構成されていることを特徴とする液化ガス流下用ノズル。
- シリンダーに形成されている複数本の溝部の各々が、何れも、その上端から下端に向けて、幅が略一定で、溝底の深さが徐々に浅くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の液化ガス流下用ノズル。
- シリンダーの内周面が円筒状であり、シリンダーの内周面に形成されている複数の溝部が、シリンダーの軸心に対して放射状に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液化ガス流下用ノズル。
- シリンダーの内周面が、平面壁を有するものであり、シリンダーの内周面に形成されている複数の溝部が、該平面壁に並列的に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液化ガス流下用ノズル。
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JP4587472B2 (ja) | 粒状体を内容物とする容器入り製品の製造方法 |
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