JPS6212115B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はカウンター加圧式のびん詰方法及び装
置の改良に関する。

〔従来の技術〕

第１図及び第２図により従来のびん詰方法及び
装置について説明すると、バルブ開閉レバー
（外）１と軸２を介して一体をなすバルブ開閉レ
バー（内）３が、フイラーボウル４の側壁（図示
省略）に回転可能に取付けてある。なお、第１図
に於けるａは閉の位置であり、ｂは開の位置であ
る。５はチヤージングバルブで、バルブ本体
（上）５ａ、バルブ本体（下）５ｂとそれらに挾
み込まれたパツキン６よりなり、バルブ本体
（下）５ｂはステム７と摺動自在の関係にあると
共にバネ８がステム７とバルブ本体（下）５ｂ間
に掛けられており、これによりチヤージングバル
ブ５はバネ８でステム７の上に浮く状態で支えら
れている。５ｃはベント孔であり、又前記チヤー
ジングバルブ５とパツキン６及びステム７で空気
バルブを構成している。ステム７にはカラー９が
固定されており、同カラー９はバネ１０によりス
プリングケース１１の中で上方に賦勢されてい
る。又ステム７の下部にはパツキン１２が内蔵さ
れており、同パツキン１２とスニフトブロツク１
３とにより主液バルブを構成している。スニフト
ブロツク１３内には袋ナツト１４、スニフトステ
ム１５、パツキン１６、バネ１７よりなるスニフ
トバルブと、スニフトオリフイス１８とを内蔵し
ている。又スニフトブロツク１３の下部にはセン
タリングカツプ（外）１９、センタリングカツプ
（内）（ゴム製）２０を設け、これらを取付金具２
１でパツキン２２を介してフイラーボウル４に取
付けてある。更にステム７の下部にはベントチユ
ーブ２３がねじ込んであり、同ベントチユーブ２
３にはスプレツダー２４が取付けられると共に、
同スプレツダー２４の下方にはベントホール２５
が穿設されている。２６はびんでエアシリンダ２
７により下方より押上げられることにより、びん
口はセンタリングカツプ（内）２０に押付けら
れ、同びん口とセンタリングカツプ（内）２０と
の間には洩れが無いようになつている。１１ａは
スプリングケース１１の液通路である。第２図は
バルブ開閉レバー（外）１及びバルブ開閉レバー
（内）３がｂ位置の状態で、前記主液バルブ、空
気バルブを共に開としたびん詰状態を示し、第１
図に対しベントチユーブ２３とステム７はｃ寸法
分だけ上昇しており、チヤージングバルブ５はｄ
寸法分だけ上昇していてこれらの間にはｃ＜ｄの
関係がある。

次に上記びん詰装置のびん詰作用を説明する。
先ずエアシリンダ２７によりびん２６を押し上げ
ると第１図の状態となるが、未だ主液はびんに入
つていない。第１図に於て、バルブ開閉レバー
（外）１、バルブ開閉レバー（内）３をａ位置か
らｂ位置へ動かすとチヤージングバルブ５が上昇
し、同バルブ５の位置のみが第２図の状態とな
る。次いでフイラーボウル４内のカウンタ圧力
（通常２〜４Kg／cm²Ｇ）が矢印２８，２９，３０
の逆向きに流れてびん２６内もフイラーボウル４
内と同一圧力となる。これによりバネ１０がステ
ム７及びベントチユーブ２３を押し上げて第２図
の状態となる。ここで主液は矢印３１，３２，３
３，３４，３５，３６の如く流入し、びん２６内
の気体は矢印３０，２９，２８の如くフイラーボ
ウル４内に戻り、これでびん詰が進行する。次い
でびん内液面３７が上昇してベントホール２５を
塞ぐと、矢印３０の気体の流れは止る。この瞬間
主液の流れもスニフトブロツク１３の上端部矢印
３３の所で切れるが、矢印３４，３５部を流れて
いた主液はびん２６内へ落ち込み、びん２６内液
面は第１図の３８の位置となる。同時に主液はス
テム７の内部にも入り３９の位置まで主液とな
る。ここでバルブ開閉レバー（外）１、（内）３
をａ位置へ戻すと丁度第１図の状態となり、びん
詰後主液バルブ、空気バルブを閉とした状態とな
る。この場合ステム７上部の４０位置とびん上部
の４１位置にはカウンタ圧力がある。又スニフト
ステム１５を矢印４２の方向へ押する、スニフト
バルブが開き４１，４０位置のカウンタ圧力はス
ニフトオリフイス１８で絞られながら大気へ放出
される。即ち、スニフトするので４０，４１位置
は大気圧に徐々に戻る。次にエアシリンダ２７を
下げてびん２６を下降させることによりびん詰作
用は終了する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記びん詰装置において、１台の機械を、数種
の異なる容量のびんのびん詰に兼用して使用する
場合、スニフトオリフイス１８は最大びん詰能力
で運転した場合びん口からの泡立による吹きこぼ
れのないように設定される。このような泡立は、
気泡核が生成し、これが成長して泡となるもの
で、気泡核はびん内の局部的エネルギー疎密によ
つて発生する。気泡核が泡として成長し得るか否
かは液に働く外圧、液に注入されるエネルギー、
エネルギーの供給のされ方、温度等によつて支配
され、一定の条件で発生する泡の総量は一定であ
り、泡の発生速度は有限である。たとえば、ビー
ルをびん詰する場合、びん詰終了から打栓にいた
る間、ビールは大気に解放されたのち打栓されて
も、消費者の手に渡つて抜栓しても、発泡がみら
れる。そのまゝ放置すれば或る時間後、発泡はな
くなる。消費者が入手した打栓されたビールは、
そのまゝでは泡立つていない。打栓時泡立つてい
たものが、その後の発泡による液面上のガス圧の
上昇により、泡がつぶれたためで液面上の圧力は
その後の発泡を抑制している。びん詰時にスニフ
トをゆるやかに行うことにより、液面上のガスは
徐々に圧力低下を来たすが、スニフトを急激に行
えば、液面上のガスにはシヨツク的な減圧をもた
らし、又、このシヨツクはステム内のカウンター
圧力の膨張によるベントチユーブ内液の液中への
ジエツトによるシヨツクを与えることになる。こ
のような液面へのシヨツクは液内を走り、液内の
局部的エネルギーの疎密の度合を増長し、発泡を
促す。この傾向は液面に働く減圧時のガス圧落差
の大きい程大きくなることは云うまでもない。一
方、ガス圧を徐々にぬくということは一たん発生
し又は発生しようとしている泡を抑制する。従つ
て、高圧条件下でガス圧を徐々にぬくということ
は液にシヨツクを与えないという発泡を抑制する
意味を持つ。

以上の理由により、びん内液面上のガス圧を
徐々にぬく必要があるが、容量の異なる大容量び
んと小容量びんに対して最大能力で運転する場
合、液面上ガススペースも異なりスニフトによつ
て液に与えられるシヨツクは変らないので、大容
量びんを対象にして最大能力、すなわちスニフト
オリフイス径及びスニフト時間を設定すれば、小
容量びんの場合、過度の泡の吹きこぼれを発生す
ることになり、製品の液面高さが不揃になる欠点
があつた。

本発明は上記した点に鑑み提案されたもので液
面高さを均一に、かつ、効率的にびん詰すること
のできるびん詰方法及び装置を提供しようとする
ものである。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

まず本発明方法は、びん内をカウンター加圧し
たのち液を充填し、液の充填終了後びん上部空間
のカウンター圧をスニフトオリフイスを形成した
スニフト通路を経て大気へ放出し、しかる後びん
詰バルブよりびんを分離するようにしたびん詰方
法において、前記びん上部空間のカウンター圧を
始めスニフトオリフイスを絞つてゆつくりスニフ
トし、ついでスニフトオリフイスを大きくして急
速にスニフトするようにしたことを特徴とするも
ので、スニフト開始時、スニフトオリフイスを絞
つてゆつくり、カウンター圧力をぬくことにより
液に与えるシヨツクは小さく、これ以上のシヨツ
ク（エネルギー）が与えられなければ泡として成
長すべき気泡核も泡として成長し得ずに終るた
め、その後、急速にスニフトしても、その時のス
ニフトシヨツクを限度として液にエネルギーが供
給されるにすぎず泡立によるびん口からの吹きこ
ぼれを防止し得、びんの容量差に対してはゆつく
りしたスニフトから急速なスニフトへの切換時点
を任意に設定してやることにより、容量の異なる
びんに対しても効率的にびん詰することができ
る。

次に本発明装置は液充填終了後、びん上部空間
のカウンター圧をスニフトオリフイスを形成した
スニフト通路を経て大気へ放出するスニフトバル
ブを備えたカウンター加圧式のびん詰装置におい
て、前記スニフト通路を連通遮断する前記スニフ
トバルブの作動弁体の一端に設けられ前記スニフ
トオリフイスに遊挿される段付形状のスニフトオ
リフイス増減部材と、前記スニフトバルブの作動
弁体の他端に係合して同バルブを軸方向に往復動
させる作動部材とを備え、更に前記スニフトオリ
フイス増減部材をスニフト開始時に前記スニフト
オリフイスとの隙間を絞る大径部と、スニフト終
了時に同隙間を開放する小径部とから構成するこ
とを特徴とするもので、スニフトバルブにスニフ
トオリフイス増減部材を設けることにより、スニ
フト開始時、第１の作動位置で、スニフトオリフ
イスを前記増減部材の大径部で絞つて徐々にスニ
フトし、その後第２の作動位置へ作動させること
によつて同増減部材の小径部とスニフトオリフイ
スの隙間を大きくし、急速にスニフトすることが
できるため、極めて簡単な構成により、容易に容
量の異なるびんに対しても、液面高さを均一に
し、かつ効率よくびん詰することができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を第３図乃至第５図に
基づいて説明する。なお、本実施例においては従
来のものとも相違点のみについて説明する。

図において、１１３はスニフトブロツクで、同
ブロツク内には空間４１に連通する室１１３ａ、
スニフトオリフイス１１３ｂ、室１１３ｃ、大気
に開口する孔１１３ｄによつて形成されるスニフ
ト通路１１４が設けられている。１１５はスニフ
ト通路１１４を連通遮断するためスニフトブロツ
ク１１３に摺動可能に装着されたスニフトステ
ム、１１６は同スニフトステム１１５に装着さ
れ、室１１３ｃのテーパ部に密接するオーリン
グ、１１７はステム１１５をオーリング１１６が
前記テーパ部に密接するよう付勢するばね、１１
５ａはステム１１５と一体に形成され、スニフト
オリフイス１１３ｂ内に遊挿されたスニフトオリ
フイス増減部材で、大径部と小径部を有する段付
形状をなし、以上によりスニフトバルブ１１８が
構成される。１１９はスニフトバルブ作動レバー
で、スニフトブロツク１１３にボルト１２０によ
り回転可能に保持されており、スニフトステム１
１５と係合し、同ステム１１５を停止位置、第１
の作動位置、及び第２の作動位置へ作動する段状
の作動面１１９ａ，１１９ｂ、及び１１９ｃを有
している。

なお、作動レバー１１９は公知の手段により、
後述するように所定の位置で回転され、スニフト
ステム１１５を作動するようになつている。

上記構成において、以下にびん詰作用を説明す
る。びん内への液充填が終了すると、まずレバー
１１９が図示していない手段により回転され、作
動面１１９ｂによつてスニフトステム１１５をば
ね１１７に抗して押し込み、第５図ａに示す停止
位置から、第５図ｂに示す第１の作動位置へ作動
させる。これによつてオーリング１１６がテーパ
部から離れ、スニフト通路１１４は連通状態とな
り、びん上部空間４１のカウンター圧は大気への
放出を開始する。

この状態では、第５図ｂに示すように、スニフ
トオリフイス増減部材１１５ａの大径部がスニフ
トオリフイス１１３ｂ内にあるため、その径差に
よる絞られたオリフイスを形成することになり、
従つて、上記カウンター圧は徐々にゆつくりと圧
力低下し、ステム７内の液はその上部のカウンタ
ー圧の膨張によりベントホールを介して、ゆつく
りびん内の液中に押しだされ、液面に与えるシヨ
ツクを小さくし、発泡を抑制することができる。
このようにゆつくりとスニフトした後、レバー１
１９はさらに回転され、作動面１１９ｃによつ
て、スニフトステム１１５を第５図ｃに示す第２
の作動位置へ作動させる。この状態ではスニフト
オリフイス増減部材１１５ａの大径部はスニフト
オリフイス１１３ｂから抜け、代りに小径部がオ
リフイス１１３ｂ内に位置するため、オリフイス
面積は大きくなり、空間４１のカウンター圧は急
速に大気に解放され、同時にステム７の液はびん
内に排出されると共にステム７上部のカウンター
圧も液中を通つて大気に解放される。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明方法及び装置によれば、
スニフト開始時、スニフトオリフイスを絞つて
徐々にゆつくりスニフトすることにより、液に与
えるシヨツクを小さくできるため、泡として成長
すべき気泡核も泡として成長し得ずに終り、その
後急速にスニフトしても、その時のスニフトシヨ
ツクを限度として、液にエネルギーが供給される
にすぎず、泡立によるびん口からの吹きこぼれを
防止することができる。従つて、びん詰後のびん
液面高さを均一にすることができると共に異なる
容量のびんに対しても、スニフトオリフイスの絞
りから開放への操作時点を適当に設定することに
より、泡立がなく、かつ効率のよいびん詰を行う
ことができる。

また、スニフト通路の洗浄時もスニフトオリフ
イスを大きくしておくことにより洗浄効果を効率
よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のびん詰装置を示す断
面図、第３図は本発明方法及び装置の一実施例を
示す断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図、第
５図ａ，ｂ，ｃは第３図の装置のスニフトオリフ
イス増減部材１１５ａの作動状態説明図である。 １１３ｂ：スニフトオリフイス、１１４：スニ
フト通路、１１５：スニフトステム、１１５ａ：
スニフトオリフイス増減部材、１１８：スニフト
バルブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ びん内をカウンター加圧したのち液を充填
   し、液の充填終了後びん上部空間のカウンター圧
   をスニフトオリフイスを形成したスニフト通路を
   経て大気へ放出し、しかる後びん詰バルブよりび
   んを分離するようにしたびん詰方法において、前
   記びん上部空間のカウンター圧を始めスニフトオ
   リフイスを絞つてゆつくりスニフトし、ついでス
   ニフトオリフイスを大きくして急速にスニフトす
   るようにしたことを特徴とするびん詰方法。 ２ 液充填終了後、びん上部空間のカウンター圧
   をスニフトオリフイスを形成したスニフト通路を
   経て大気へ放出するスニフトバルブを備えたカウ
   ンター加圧式のびん詰装置において、前記スニフ
   ト通路を連通遮断する前記スニフトバルブの作動
   弁体の一端に設けられ前記スニフトオリフイスに
   遊挿される段付形状のスニフトオリフイス増減部
   材と、前記スニフトバルブの作動弁体の他端に係
   合して同バルブを軸方向に往復動させる作動部材
   とを備え、更に前記スニフトオリフイス増減部材
   をスニフト開始時に前記スニフトオリフイスとの
   隙間を絞る大径部と、スニフト終了時に同隙間を
   開放する小径部とから構成することを特徴とする
   びん詰装置。