JP3587520B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、たとえば液晶表示装置を構成するためのアクティブマトリクス基板などに設けられる半導体装置およびその製造方法に関し、さらに詳しく言えば、結晶性ケイ素膜を活性領域とする半導体素子を備える半導体装置およびその製造方法に関する。
近年、大型で高解像度の液晶表示装置、高速で高解像度の密着型イメージセンサー、三次元ICなどへの実現に向けて、ガラス等の絶縁基板上や、絶縁膜上に高性能な半導体素子を形成する試みがなされている。これらの装置に用いられる半導体素子には、薄膜状のケイ素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状のケイ素半導体としては、非晶質ケイ素半導体(a−Si)からなるものと結晶性を有するケイ素半導体からなるものとの2つに大別される。
非晶質ケイ素半導体は作製温度が低く、気相法で比較的容易に作製することが、可能で量産性に富むため、最も一般的に用いられているが、導電性等の物性が結晶性を有するケイ素半導体に比べて劣るため、今後より高速特性を得るためには、結晶性を有するケイ素半導体からなる半導体装置の作製方法の確立が強く求められていた。尚、結晶性を有するケイ素半導体としては、多結晶ケイ素、微結晶ケイ素、結晶成分を含む非晶質ケイ素等が知られている。
これら結晶性を有する薄膜状のケイ素半導体を得る方法としては、主に以下の3つの方法が知られている。
第1の方法は、成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する方法である。
第2の方法は、非晶質の半導体膜を成膜しておき、熱エネルギーを加えることにより結晶性を有せしめる方法である。
第3の方法は、非晶質の半導体膜を成膜しておき、レーザー光などの強光のエネルギーにより結晶性を有せしめる方法である。
しかしながら、第1の方法では、成膜工程と同時に結晶化が進行するので、大粒径の結晶性ケイ素を得ることが難しく、その防止にはケイ素膜の厚膜化が不可欠となる。だが、厚膜化したからといっても基本的には膜厚と同程度の結晶粒径しか得られず、この方法により良好な結晶性を有するケイ素膜を作製することは原理的にまず不可能である。また、成膜温度が600℃以上と高いので、安価なガラス基板が使用できないというコストの問題もある。
また、第2の方法では、第1の方法と比較して比較的大きな結晶粒が得られるが、結晶化に際し600℃以上の高温にて数十時間にわたる加熱処理が必要である。すなわち、安価なガラス基板の使用とスループットの向上を考えると、加熱温度を下げ、さらに短時間で結晶化させるという相反する問題点を同時に解決する必要がある。
このため、現在は、第3の方法が主流となっている。第3の方法では溶融固化過程を利用し結晶化するので、個々の結晶粒内の結晶性は非常に良好である。また、照射光の波長を選ぶことで、アニールの対象であるケイ素膜のみを効率的に加熱し、下層のガラス基板への熱的損傷を防ぐことができると共に、第2の方法のような長時間にわたる処理が必要でない。装置面でも高出力のエキシマレーザーアニール装置などが開発され、大面積基板に対しても対応可能になりつつある。しかし、大面積基板を一括して照射できるだけの出力を有するものは未だ開発されておらず、現在は基板面に対して面積100mm2〜200mm2程度のビームを順次走査することで対応している。この際、特にエキシマレーザーなどのパルスレーザーにおいては、レーザー発振器の安定性が未だ充分でなく、アニールされたケイ素膜において、順次走査に伴う結晶性のばらつき等が生じる。結晶性のばらつきは、その素子特性にそのまま反映され、素子間の特性ばらつきを生じさせる原因となる。
第3の方法における上記問題点を解決する方法が、特開平2−42717公報(特許文献1)および特開平7−92501公報(特許文献2)で提案されている。前者の特開平2−42717公報では、レーザー光を各半導体能動素子領域に1回ずつのみ照射するようにし、順次走査による素子間の特性ばらつきを低減するようにしている。また、後者の特開平7−92501公報では、各半導体素子をレーザー走査方向に対して垂直となるストライプ状に配置することで、同じく順次走査による素子間の特性ばらつきを低減するようにしている。
特開平2−42717公報 特開平7−92501公報
本発明者らは、上記第3の方法における問題点を解決するため、実際に上記第3の方法を用い、複数の薄膜トランジスタを有するアクティブマトリクス基板を様々な条件にて作製し、素子間の均一性を評価した。その結果、前述の特開平2−42717公報および特開平7−92501公報のような方法を用いなくても、強光照射条件、たとえば照射エネルギー密度、走査ピッチおよび基板加熱温度などの条件を最適化し、装置の安定性を高めることで、基板全面において結晶性ケイ素膜の結晶性を均一化できることを見出した。この強光照射条件の最適化によって、素子特性においては、十分使用に耐え得るだけの良好な均一性を有する液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板を得ることができた。
しかし、前述した強光照射条件の最適化による場合には、別の問題が存在する。つまり、各薄膜トランジスタの素子特性が均一なアクティブマトリクス基板を用いて液晶表示装置を作製し、全面点灯させたところ、未だに強光の走査照射に起因すると見られる縞、具体的には強光の走査方向に対して垂直方向の縞が見られた。上記縞は、本発明者らが調べたところ、素子特性に起因するものではないが、ケイ素膜結晶化の際の強光走査方向に起因しており、以前までは素子特性の不均一性に隠れてほとんど表へ現れなかった全く新しいモードの不良であることが判明した。さらに、不良部と正常部との各薄膜トランジスタの静特性(DC駆動による)を見た場合には差は見られなかったが、AC駆動の動特性を調べた際に、ゲートパルスがオフした際に生じるソース信号の引き込み電圧△Vdの差が見られた。
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、強光走査起因による縞状不良を解消できる半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、絶縁性表面を有する基板上にマトリクス状に構成された複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数の薄膜トランジスタを有し、各薄膜トランジスタには画素液晶容量と並列に容量成分がそれぞれ接続されてなる半導体装置において、該薄膜トランジスタのチャネル領域は、レーザー光の走査による照射によって結晶化されたケイ素膜よりなり、該薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜により該容量成分の一方の電極が構成されてなると共に、該薄膜トランジスタのチャネル領域と該容量成分の一方の電極とがレーザー走査方向に対して垂直な同一ラインに沿って配置されており、前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の平均面粗さRa(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の平均面粗さRa(cs)との差の絶対値|Ra(ch)−Ra(cs)|が、その薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の平均面粗さの平均値と、その薄膜トランジスタに対してレーザー走査方向に並ぶ他の薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の平均面粗さRa(cs’)の平均値との差の絶対値よりも小さくなっている。
前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の平均面粗さRa(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の平均面粗さRa(Cs)との差の絶対値|Ra(ch)−Ra(Cs)|が、5nm以下である。
前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の平均面粗さRa(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の平均面粗さRa(Cs)との差の絶対値|Ra(ch)−Ra(Cs)|が、2nm以下である。
前記平均面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値である。
また、本発明の半導体装置は、絶縁性表面を有する基板上にマトリクス状に構成された複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数の薄膜トランジスタを有し、各薄膜トランジスタには画素液晶容量と並列に容量成分がそれぞれ接続されてなる半導体装置において、該薄膜トランジスタのチャネル領域は、レーザー光の走査による照射によって結晶化されたケイ素膜よりなり、該薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜により該容量成分の一方の電極が構成されてなると共に、該薄膜トランジスタのチャネル領域と該容量成分の一方の電極とがレーザー走査方向に対して垂直な同一ラインに沿って配置されており、前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の自乗平均面粗さRms(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の自乗平均面粗さRms(cs)との差の絶対値|Rms(ch)−Rms(cs)|は、その薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の自乗平均面粗さの平均値と、その薄膜トランジスタに対してレーザー走査方向に並ぶ他の薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の自乗平均面粗さの平均値との差の絶対値よりも小さくなっている。
前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の自乗平均面粗さRms(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の自乗平均面粗さRms(Cs)との差の絶対値|Rms(ch)−Rms(Cs)|が、2.5nm以下である。
前記自乗平均面粗さRmsは、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値である。
また、本発明の半導体装置は、絶縁性表面を有する基板上にマトリクス状に構成された複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数の薄膜トランジスタを有し、各薄膜トランジスタには画素液晶容量と並列に容量成分がそれぞれ接続されてなる半導体装置において、該薄膜トランジスタのチャネル領域は、レーザー光の走査による照射によって結晶化されたケイ素膜よりなり、該薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜により該容量成分の一方の電極が構成されてなると共に、該薄膜トランジスタのチャネル領域と該容量成分の一方の電極とがレーザー走査方向に対して垂直な同一ラインに沿って配置されており、該薄膜トランジスタのチャネル領域のフラット面に対する実際の表面積比S/S (ch)と、その薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面におけるフラット面に対する実際の表面積比S/S (Cs)との差の絶対値|S/S 0 (ch)−S/S (Cs)|が、その薄膜トランジスタのチャネル領域およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の表面積比の平均値と、その薄膜トランジスタに対してレーザー走査方向に並ぶ他の薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の表面積比の平均値との差の絶対値よりも小さくなっている
前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の基準面積に対する表面積比S/S0(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の表面積比S/S0(Cs)との差の絶対値|S/S0(ch)−S/S0(Cs)|が、0.15以下である。
前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の基準面積に対する表面積比S/S0(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の表面積比S/S0(Cs)との差の絶対値|S/S0(ch)−S/S0(Cs)|が、0.05以下である。
前記表面積比S/S0は、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値である。
前記容量成分は、前記薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜を下部電極とするとともに、該薄膜トランジスタのゲート電極と同一層を上部電極として、該薄膜トランジスタのゲート絶縁膜と同一層により形成されている。
前記薄膜トランジスタのチャネル領域、および該薄膜トランジスタに接続された該容量成分の一方の電極部を構成する結晶性ケイ素膜の厚さが、20nm以上60nm以下の範囲内である。
前記レーザー光がパルスレーザーであり、該パルスレーザーの走査ピッチPに対して、少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル領域を中心として(1/5)P幅以内のライン上に、該薄膜トランジスタに接続された容量成分の前記電極の面積50%以上の領域が、含まれるよう配置されている。
少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル領域を中心として(1/5)P幅以内のライン上に、そのトランジスタに接続された容量成分の前記電極の面積80%以上の領域が、含まれるよう配置されている。
少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル領域を中心として(1/5)P幅以内のライン上に、そのトランジスタに接続された容量成分の前記電極の全てが含まれるよう配置されている。
以下に、本発明の作用について説明する。
本発明者らは、液晶表示装置において、そのTFTの活性領域を結晶化する際の強光走査照射に起因して発生する横縞を何とか無くせないかと、日夜模索を繰り返した。その結果、ついに、新モードの縞状不良を本発明にて解消できることを見出した。以下に、この縞状不良の発生原因、そして本発明により解決された理由を述べる。
前記縞状不良部と正常部とでは、各薄膜トランジスタの静特性を見た場合には差は見られないが、AC駆動し動特性を調べた際には、ゲートパルスがオフした際に生じるソース信号の引き込み電圧△Vdの差が見られることは前述した。
ここで、液晶表示用アクティブマトリクス基板の各画素部に対する回路図を図5に示す。図中、501はn本目のゲートバスラインであり、502はn+1本目のゲートバスライン、503はソースバスラインである。504はTFTであり、そのゲート電極508がゲートバスライン501に、ソース電極509がソースバスライン503に接続されている。TFT504のドレイン電極510側に画素電極が配置され、液晶による容量(画素液晶容量)CLC505が形成されていると共に、それと並列に補助容量(Cs)506が接続されている。CLC505は、アクティブマトリクス基板と液晶を挟んで対向配設される対向基板との間で形成されるものである。また、Cs506は一方の電極として画素電極を用いており、もう一方の電極としては、図5のように、n+1のゲートバスライン502を用いるか、あるいは図示していないがn−1のゲートバスラインを用いるのが一般的である。さらに、TFT504はMOS構造であるため、実際には点線で示したようなゲートドレイン間で生じる寄生容量Cgd507をもっており、一般にCgdの値は、その面積がTFT504のチャネル面積の半分であるものと見積もって計算される。
さて、ここでゲートバスライン501およびソースバスライン503に図6に示すような信号を印加して、画素を駆動する。図6(A)に示す601はゲート信号、図6(B)に示す602は映像信号であるソース信号、図6(C)に示す603は実際の画素に書き込まれた信号である。すなわち、ゲート信号601は、図5においてゲート電極508での電圧Vg、ソース信号602はソース電極509での電圧Vs、そして信号603はドレイン電極510における電圧Vdを表す。
上記電圧Vdである信号603(図6(C)参照)〜以下のことが理解される。図6(A)に示すゲート信号601のパルスが印加された際には、TFTがオンされて画素側に電流が流れ、徐々に電荷が蓄積される結果、電圧Vdが図6(B)に示すVs602と同電位の方へ変化していると共に、ゲート信号601のパルスがオフされた際には、電圧Vdが604に示された電圧量だけマイナス側に引き込まれているのがわかる。これは、図5におけるCLC505、Cs506、及びCgd507の容量カップリングのために引き起こされる電圧降下現象であり、一般に引き込み電圧△Vdと呼ばれ、次式で表される。
△Vd={Cgd/(CLC+Cs+Cgd)}△Vg
ここで、△Vgはパルスオフの際のゲート電圧変化であり、Cgd/(CLC+Cs+Cgd)の値は特にα値と呼ばれている。
604に示す引き込み電圧△Vdのため、電圧Vdは全体として信号603のようにマイナス方向へシフトする。したがって、対向基板側の電圧(対向電圧)Vcをライン605のようにマイナス側にずらして最適化する必要がある。このとき、理想的には対向電圧Vc606は、引き込み電圧△Vd604と同量となるようにする。対向電圧Vcが最適電圧よりずれると、画面上にフリッカーなどの表示むらを引き起こす原因となる。対向電圧Vcは、基板全面に対してある一定値に設定されるものであり、引き込み電圧△Vdが基板内で局所的にばらつくとその領域で最適対向電圧Vcがずれ、画面上にむらとなって現れる。本発明が解決しようとする縞状不良は、上記原因により起こっていることが判明した。
ここで、△Vdの値を支配するパラメーターは、前記α値であり、CLC、CsおよびCgdが関与する。CLCが基板内で不均一になる原因はほとんどなく、また、縞状むらとして現れていることから、CsおよびCgdが大きく関与している可能性が高い。
図7は、CsおよびCgdの容量が設計値よりずれたときに生じる引き込み電圧△Vdのずれを、シミュレーションした結果である。701はCsのみ容量変化した場合のラインであり、702はCgdのみ容量変化した場合に示すラインである。すなわち、Csの容量が設計値より大きくなると、ライン701に示すように、△Vd(設計値)からのずれ(V)は右上がりの傾きを持って変化しプラス側へずれ、すなわちもともとマイナスの値である△Vdの絶対値は小さくなる。Cgdの容量が設計値より大きくなると、ライン702に示すように△Vd(設計値)からのずれ(V)は右下がりの傾きを持って変化しマイナス側へずれ、△Vdの絶対値は大きくなる。ここで注目すべき点は、Cgdの場合は、Csの場合に比べ容量的には通常1/10以下とはるかに小さいが、△Vdの変動に対しては、非常に大きなパラメータとなることである。そして、703が本発明による場合のラインであり、CsとCgdのそれぞれの容量が共に同方向に変化した際のラインである。すなわち、CsとCgdが共に同方向へ容量変化した場合、それぞれ単独に変化した際のライン701および702からもわかるように、2つの変化が相殺し合って△Vdの値自体は大きく変化しない。
さて、強光により溶融固化により結晶化された結晶性ケイ素膜においては、その融点(1414℃)以上まで瞬時に加熱され、数十nsec.程度の冷却時間にて室温付近まで冷却され固化される。この際、あまりにも固化速度が速いので、ケイ素膜は過冷却状態となり、一瞬にして固化される結果、一般的に結晶粒径は100nm〜200nm程度と非常に小さくなると共に、結晶粒がぶつかり合った点、すなわち結晶粒界は山状に盛り上がる。この現象は、特に3つの結晶粒がぶつかり合った三極点で顕著となる。
図8に、実際に強光照射により結晶化された結晶性ケイ素膜の表面状態を原子間力顕微鏡(AFM)にて検出した結果を示す。図8において、X−Y方向のフルスケールは1μmであり、Z方向のフルスケールは100nmである。このような結晶性ケイ素膜を一方の電極として容量成分を作製した場合、勿論その表面ラフネスにより、容量は設計値より大きくなる方向へとずれることになる。即ち、図7において各容量成分が0よりプラス側にずれることになり、△Vdの値をばらつかせる原因となる。
強光を走査照射して結晶化した場合には、走査方向に対して不均一性が大きくなる。表面ラフネスにより受ける影響は非常にシビアであり、素子特性に影響を及ぼさないレベルの結晶性の不均一性でさえも、その表面ラフネスによっては大きく差が見られる。したがって、素子特性が均一になり、液晶パネルにおいて素子特性起因の縞状むらが見られなくなっても、上記表面ラフネスによる縞は残ったのである。よって、本発明が解決しようとする液晶表示装置に見られる縞状のむらは、TFTのチャネル領域およびそのTFTに接続されたCsのケイ素膜よりなるCs電極を、強光走査照射により結晶化した際の、走査方向に対する表面ラフネス不均一性が引き起こした容量変化に伴う△Vdのずれが原因であることになる。さらに、以上述べたような強光照射により結晶化された結晶性ケイ素膜の表面ラフネスの問題は、その結晶化メカニズム自体に起因するものであり、それを低減あるいは無くすことは非常に困難である。
本発明は、以上の結果および考察から見出されたものであり、各TFTのチャネル領域表面と、その薄膜トランジスタに接続された同一ケイ素層よりなる容量成分の電極表面とが、その表面粗さにおいて概略同一となるよう構成することで、図7のようにCsとCgdを共に同方向に変化させて△Vdのばらつきを抑え、表示むらの発生を防ぐことができる。すなわち、本発明では、結晶性ケイ素膜の表面ラフネスの絶対値や、基板内における表面ラフネスのばらつきをあえて低減せずとも、アクティブマトリクス基板の設計変更などにより上記目的が達成できるのである。
本発明では、ケイ素膜の表面粗さを平均面粗さRaあるいは自乗平均面粗さRmsによって定義する。平均面粗さRaとは、基準面(指定面の高さの平均値となるフラット面)から指定面までの偏差の絶対値を平均した値であり、次式で表される。
Ra=1/S0∬|F(X,Y)−Z0|dXdY
ここで、S0は基準面の面積、Z0は基準面の高さ、F(X,Y)は座標(X,Y)における指定面の高さを表す。また、自乗平均面粗さRmsとは、基準面から指定面までの偏差の自乗を平均した値の平方根であり、次式で表される。
Ra=[1/S0∬{F(X,Y)−Z02dXdY]1/2
さて、実際には、ある程度の△Vdを考えてCs容量が設定されている。CsあるいはCgd容量が設計値よりずれることで△Vdが変動した際に、液晶パネルにおいて縞むらとして確認されるのであるが、実際には設計値に対する△Vdのずれが0.1Vを超えると、液晶の透過率としては最大10%程度変化することになり、誰の目にも縞むらとして確認されることになる。よって、表示上の縞むらをほぼ見えなくするには、△Vdのずれを0.1V以下に抑える必要がある。このためには、図7からわかるように、CsあるいはCgd容量が単独で変化した最悪の場合を考えると、CsあるいはCgd容量の設計値よりの容量増加を15%以下に抑えるか、CsとCgdの両方がそれぞれ容量増加した場合にはその差の絶対値(絶対差)を15%以下に抑える必要がある。また、完全に縞むらを消すためには、△Vdのずれをさらに上記の半分の0.05V以下に抑える必要があり、このためには、CsあるいはCgdが単独で変化した最悪の場合を考えると、CsあるいはCgdの設計値よりの容量増加を5%以下に抑えるか、CsとCgdの両方がそれぞれ容量増加した場合にはその絶対差を同じく5%以下に抑える必要がある。
図9に本発明者らが実験により求めたRaに対する容量増加率の関係を示す。横軸は平均面粗さRa(nm)であり、縦軸は設計容量に対する実際の容量の増加率(%)を示す。図9より、Raを8.5nm以下とすることで容量増加率を上記15%以下に抑えることができるのがわかる。したがって、TFTチャネル領域表面のRa(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRa(Cs)とが、共に8.5nm以下であれば、例え一方がRa〜0程度であっても、縞状むらをほとんど見えなくできる。また、図9より、Raを5nm以下とすることで容量増加率を上記5%以下に抑えることができるのがわかる。よって、TFTチャネル領域表面のRa(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRa(Cs)とが、共に5nm以下であれば、例え一方がRa〜0程度であっても、縞状むらを完全に消すことができる。
さらに、図9より、Raが8.5nm以上の場合でも、TFTチャネル領域表面のRa(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRa(Cs)とにおいて、例えば一方が10nm以下で、もう一方が5nm以上であれば、共に容量増加しその絶対差として上記15%以下にできるのがわかる。したがって、Ra(ch)とRa(Cs)との絶対差|Ra(ch)−Ra(Cs)|が、5nm以下であれば、表示上の縞状むらをほとんど見えなくできる。また、Raが5nm以上の場合でも、TFTチャネル領域表面のRa(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRa(Cs)とにおいて、例えば一方が7nm以下で、もう一方が5nm以上であれば、共に容量増加しその絶対差として上記5%以下にできるのがわかる。したがって、Ra(ch)とRa(Cs)との絶対差|Ra(ch)−Ra(Cs)|が、2nm以下であれば、表示上の縞状むらを完全に消すことができる。
次に、図10に本発明者らが実験により求めたRmsに対する容量増加率の関係を示す。横軸は自乗平均面粗さRms(nm)であり、縦軸は設計容量に対する実際の容量の増加率(%)を示す。図10より、Rmsを10.5nm以下とすることで容量増加率を上記15%以下に抑えることができるのがわかる。したがって、TFTチャネル領域表面のRms(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRms(Cs)とが、共に10.5nm以下であれば、例え一方がRms〜0程度であっても、縞状むらをほとんど見えなくできる。また、図10より、Rmsを6nm以下とすることで容量増加率を上記5%以下に抑えることができるのがわかる。よって、TFTチャネル領域表面のRms(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRms(Cs)とが、共に6nm以下であれば、例え一方がRa〜0程度であっても、縞状むらを完全に消すことができる。
さらに、図10より、Rmsが10.5nm以上の場合でも、TFTチャネル領域表面のRms(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRms(Cs)とにおいて、例えば一方が12nm以下で、もう一方が6nm以上であれば、共に容量増加しその絶対差として上記15%以下にできるのがわかる。したがって、Rms(ch)とRms(Cs)との絶対差|Rms(ch)−Rms(Cs)|が、6nm以下であれば、表示上の縞状むらをほとんど見えなくできる。また、Rmsが6nm以上の場合でも、TFTチャネル領域表面のRms(ch)と、そのTFTに接続された容量成分の電極表面のRms(Cs)とにおいて、例えば一方が8.5nm以下で、もう一方が6nm以上であれば、共に容量増加しその絶対差として上記5%以下にできるのがわかる。したがって、Rms(ch)とRms(Cs)との絶対差|Rms(ch)−Rms(Cs)|が、2.5nm以下であれば、表示上の縞状むらを完全に消すことができる。
前記の平均面粗さRaおよび自乗平均面粗さRmsは、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値であれば、サブnmオーダーまでの測定信頼性があり、本発明の主旨を損なうことはない。
本発明は、図7のようにCsとCgdを共に同方向に変化させて△Vdのばらつきを抑えることができればよいので、上述のように各TFTのチャネル領域表面と、その薄膜トランジスタに接続された同一ケイ素層よりなる容量成分の電極表面とを、その表面粗さにおいて概略同一と規定する以外に、実際にその容量成分に直接影響を与える表面積比において概略同一としてもよい。すなわち、素子設計においては、前記ケイ素膜表面を理想的なフラット面として計算されているが、実際には、上述のように強光照射時に発生する表面ラフネスにより、表面積は増加する。フラット面における表面積(基準面積)S0に対して、実際の表面の表面積をSとすると、本発明における主旨は増加する表面積比S/S0によって示される。
容量成分の一方の電極表面における表面積比S/S0の値は、その容量増加に対してリニアに作用する。また、上述したように、表示上の縞むらをほぼ見えなくするためには、CsあるいはCgdの設計値よりの容量増加を15%以下に抑えるか、CsとCgdの両方がそれぞれ容量増加した場合にはその絶対差を15%以下に抑える必要がある。したがって、薄膜トランジスタのチャネル領域表面の表面積比S/S0(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された容量成分の電極表面の表面積比S/S0(Cs)とが、共に1.15以下の範囲内とすれば、表示上の縞むらをほぼ見えなくすることができる。また、薄膜トランジスタのチャネル領域表面の表面積比S/S0(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された容量成分の電極表面の表面積比S/S0(Cs)とが共に増加した場合には、その絶対差|S/S0(ch)−S/S0(Cs)|を0.15以下とすることで、同じく表示上の縞むらをほぼ見えなくすることができる。
さらに、完全に縞むらを消すためには、上述のように、CsあるいはCgdの設計値よりの容量増加を5%以下に抑えるか、CsとCgdの両方がそれぞれ容量増加した場合にはその絶対差を同じく5%以下に抑える必要がある。したがって、薄膜トランジスタのチャネル領域表面の表面積比S/S0(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された容量成分の電極表面の表面積比S/S0(Cs)とが、共に1.05以下の範囲内であれば、完全に縞むらを消すことができる。また、薄膜トランジスタのチャネル領域表面の表面積比S/S0(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された容量成分の電極表面の表面積比S/S0(Cs)との絶対差|S/S0(ch)−S/S0(Cs)|が、0.05以下とすれば、同じく完全に縞むらを消すことができる。
この場合、表面積比S/S0(ch)およびS/S0(Cs)は、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値であれば、サブnmオーダーまでの測定信頼性があり、本発明の主旨を損なうことはない。
本発明は、特にレーザー等の強光照射による結晶化工程で発生する結晶性ケイ素膜の表面ラフネスを問題としており、現状、ハード面の制限から、該強光照射工程は、小さなビーム面積のものを基板表面に対して走査照射するのが一般的である。したがって、現在最も問題となっているのは、強光走査方向に対する均一性の問題であり、結晶性ケイ素膜表面において、強光走査方向に対して垂直方向に縞状の表面荒れが発生する。すなわち、強光走査方向においては、不均一な表面荒れとなっており、強光走査方向に対して垂直方向では均一に表面荒れが起こっている。このような工程に対して本発明を適用するための素子レイアウトとして、本発明者らは図1あるいは図2に示すような構成とするのが好ましいことを見出した。また、本発明に対する従来例を図11に示す。
図1、図2および図11の各々は、一画素部を基板上方より見たときの平面図である。図1において、101は結晶性ケイ素膜よりなる島領域であり、TFT活性領域とCs容量の一方のCs電極とを構成する。102はNo.nのゲートバスラインであり、そのゲートバスラインの一部は分岐されて図に示されたTFTのゲート電極となっている。103はNo.n+1のゲートバスラインであり、No.nゲートのTFTに接続された前記一方のCs電極とでCs容量を形成する。104はNo.mのソースバスラインであり、101で構成されるTFTのソース領域と接続されている。105はNo.m+1のソースバスラインである。106は画素電極であり、101で構成されるTFTのドレイン領域と接続されている。No.nのゲートバスライン102下部の結晶性ケイ素領域がTFTチャネル領域107であり、No.n+1のゲートバスライン下部の結晶性ケイ素からなる島領域101がCs電極108である。109は結晶性ケイ素膜からなる島領域101の結晶化の際の強光走査方向を示す。図2および図11における各符号は、前記図1にて説明した符号にそれぞれ対応する。
図11に示す従来例では、強光走査方向X09に対して、TFTのチャネル領域X07とそのTFTに接続されたCs電極X08は位置的にずれている。このような状態で強光走査を行うと、上述のようにTFTチャネル領域X07とCs部X08とでその表面ラフネスにおいて不均一性が生じる。その結果、TFTチャネル領域X07の寄生容量Cgdと、Cs電極X08のCs容量との間に容量変化のずれが生じ、表示時の縞状むらとなって現れる。これに対して、本発明では、図1のようにTFTのチャネル領域107とCs電極108を概略同一ライン(図1においてA−A’ライン)上に配置し、さらに強光走査方向109に対して該A−A’ラインが垂直方向となるように配置することで、例え強光走査工程が不均一であり、その走査方向109に対して結晶性ケイ素膜の表面状態が異なったとしても、従来例に見られる前記縞むらを防ぐことができる。さらに、より大きなCs容量が求められる場合には、図2のようにCs電極208の形状配置とすればよい。但し、この際にはTFTのチャネル領域207の中心を通るB−B’ラインに対して、そのTFTに接続されたCs容量を構成するCs電極208を2つに分けた際のそれぞれの電極面積が、概略同一となるよう配置されることが望ましい。なぜなら、強光として特にパルスレーザーを用いた場合において、その走査ピッチPが多少ばらついても、チャネル領域207と少なくとも半分以上の面積のCs電極208部分は同時照射されることになり、CgdとCsとにおいて、問題となるような容量変化のずれを生じさせないからである。
さらに、パルスレーザーを用いて、順次走査を行った場合、その際のレーザー光の走査ピッチPに対して、少なくともTFTのチャネル領域を中心として(1/5)P幅以内のライン上に、そのTFTに接続されたCs電極の面積50%以上の領域が、含まれるよう配置されることが望ましい。なぜなら、本発明者らは、パルスレーザーの走査ピッチPを変化させ、何種類かの結晶性ケイ素膜を作製し、その表面状態を分析した結果、走査ピッチPに対して(1/5)P幅以内の領域はほぼ同様な表面ラフネスをもっており、その幅が(1/5)PからPへと大きくなるに連れ、徐々に変化していることを見つけた。すなわち、走査ピッチに伴う表面ラフネスの不均一性は、数μmオーダー幅で生じているのでは無く、大きなうねりとなって数10μmオーダーで徐々に変化している。但し、走査ピッチPを非常に大きくした場合は、結晶性の面で均一性が劣悪となり、素子として使用することはできない。
したがって、(1/5)P幅以内の領域に、TFTチャネル領域とCs電極の少なくとも面積50%以上の領域とを含ませることで、これらの領域では同様の表面粗さを持ち、容量の増加率がほぼ同一となる。例え、Cs電極の残りの領域が最大にばらついてもその容量変化は30%以下と見積もられるため、Cs全体としては、Cgdとの容量変化差を上述の15%以下に抑えることができ、表示時にはほとんど縞が見えないことになる。
さらに、(1/5)P幅以内の領域に、TFTチャネル領域とCs電極の少なくとも面積80%以上の領域とを含ませることで、これらの領域では同様の表面粗さを持ち、容量の増加率がほぼ同一となる。例え、Cs電極の残りの領域が最大にばらついてもその容量変化は30%以下と見積もられるため、Cs全体としては、Cgdとの容量変化差を上述の5%以下に抑えることができ、表示時には完全に縞むらを消すことができる。
最も望ましいのは、(1/5)P幅以内の領域に、TFTチャネル領域とCs電極の全ての領域とを含ませることで、これらの領域では同様の表面粗さを持ち、容量の増加率がほぼ同一となる。よって、レーザー照射がどのような条件であっても、その走査方向の表面ラフネスの不均一性には一切支配されず、全く縞のない液晶表示パネルを、現状のレーザーアニール装置を用い、簡便な方法にて作製することができる。また、上述したように、(1/5)P幅以内の領域に、TFTチャネル領域とCs電極の少なくとも面積50%以上とを含ませればよいので、TFTチャネル領域およびCs電極の配置方向と強光走査方向とは完全に直交していなくてもよく、面積条件を満足できる範囲内で両方向にずれがあってもよい。また、TFTチャネル領域がCs電極の延長線上から若干ずれていてもよい。
さて、以上述べたCs容量成分は、TFTのチャネル領域と同一層のケイ素膜を下部電極として、該TFTのゲート絶縁膜と同一層によりその容量成分が形成され、該TFTのゲート電極と同一層によりその上部電極が構成されたものであれば、最も少ない面積で大きな容量を形成でき、液晶パネルの開口率を上げることができ、最も望ましい。
また、TFTのチャネル領域、および該TFTに接続されたCs容量成分の一方の電極を構成する結晶性ケイ素膜の厚さは、20nm以上60nm以下の範囲内であることが望ましい。なぜなら、強光照射による結晶性ケイ素膜の表面荒れは、その結晶性ケイ素膜の厚さにほぼ比例して大きくなることが本発明者らの実験によりわかっている。厚さ60nmのものでは、強光照射条件にもよるが、最大高低差はその厚さ60nm以上にも達し、表面状態の制御が困難になる。上限は、前記厚さ60nm程度であり、この厚さ以上では結晶性がある程度良好となる強光照射条件においては表面状態が指数関数的に急激に悪化し、強光照射の最適条件が見出せない。また、逆に厚さ20nm以下では、十分に結晶化されず、また該結晶性ケイ素膜の段切れなど工程上の問題が多発する。
前記強光としては、そのビーム形状が照射面において長尺形状となるように設計されたものを用い、該ビーム形状の長尺方向に対して垂直方向に順次走査することで、前記チャネル領域および前記容量成分の電極部を結晶化することが望ましい。なぜなら、走査照射においては、走査方向に対して垂直方向の均一性は比較的良好なため、その方向へとビームサイズを拡げることで、大型基板などに対して、より均一な処理が可能となり、該工程の処理効率も高くなるからである。
また、前記強光として、波長500nm以下のレーザー光を用いれば、ケイ素膜がその波長域に対して大きな吸収係数を持つため、そのエネルギーを効率的にケイ素膜に与えられ、良好な結晶性ケイ素膜が得られるとともに、下層のガラス基板などへの熱的ダメージも非常に小さくて済む。さらに、これら波長500nm以下のレーザー光の中でも、特に波長308nmのXeClエキシマレーザー光は、発振出力が高く、安定性が高いため、そのビームサイズをある程度拡げることができ、大面積基板のケイ素膜のアニール手段としては最も適している。
本発明を用いることにより、レーザー等の強光を走査照射して半導体装置における半導体素子の領域を結晶化する際に発生する問題点を解決できる半導体装置を得ることができる。よって、この半導体装置を用いることにより、表示時の縞状不良のない、高表示品位の液晶表示装置が作製できる。その結果、高移動度を有する高品質な結晶性ケイ素膜がアクティブマトリクス基板に適用できるようになり、より大型な、あるいはより高解像度な液晶表示装置が実現できると共に、同一基板上にアクティブマトリクス部と周辺駆動回路部を構成するドライバモノリシック型アクティブマトリクス基板を実現でき、モジュールのコンパクト化、高性能化、低コスト化が図れる。
(実施形態1)
本発明を用いた第1の実施形態について説明する。本実施形態は、ガラス基板上に半導体装置としてN型TFTを有するアクティブマトリクス基板を作製する際の工程において、説明を行う。該N型TFTは、液晶表示装置において画素スイッチング素子として機能し、そのドレイン領域側には画素液晶容量と並列に補助容量Csが設けられている。
以下において、図1に示すのが、本実施形態で説明するTFTの平面図である。図3は、図1のA−A’ラインで切った断面から見た作製工程の概要を示す工程断面図であり、図3(A)→図3(E)の順にしたがって作製工程が順次進行する。図3(E)が本実施形態にて作製したTFTおよびCs部の完成図であり、315で示されるのがN型TFT、316で示されるのがCs容量部である。
まず、図3(A)に示すように、ガラス基板301上に、例えばスパッタリング法によって厚さ300nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜302を形成する。この酸化ケイ素からなる下地膜302は、ガラス基板301からの不純物の拡散を防ぐために設けられる。次に、減圧CVD法やプラズマCVD法などによって、厚さ20nm〜60nm、例えば40nmの非晶質ケイ素(a−Si)膜303を成膜する。プラズマCVD法により前記a−Si膜303を成膜した場合には、その膜中に多量の水素を含有し、後のレーザー照射時の膜剥がれの原因となるため、ここで450℃程度の温度で数時間熱処理を行っておく必要がある。
その後、図3(A)に示すように、レーザー光304を照射し、a−Si膜303を結晶化する。このときのレーザー光としては、XeClエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅40nsec)を用いた。レーザー光304の照射条件は、照射時に基板を200℃〜500℃、例えば400℃に加熱し、エネルギー密度200mJ/cm2〜350mJ/cm2、例えば300mJ/cm2とした。レーザー光304は、図1において強光走査方向109の方向に順次走査した。基板面に照射されるレーザービームのサイズは、150mm×lmmの長尺形状とし、その短辺方向を走査方向とした。また、各パルスショット間の基板送り距離(走査ピッチ)Pは、0.1mmとした。このため、a−Si膜303の任意の一点に対して、それぞれ10回レーザー照射されたことになる。この工程により、a−Si膜303はその融点以上に加熱され、溶融し固化することで良好な結晶性を有する結晶性Si膜303aとなる。
次に、前記結晶性Si膜303aの不要な部分を除去することで、図3(B)に示すような素子間分離を行って、後にTFTの活性領域(ソース/ドレイン領域およびチャネル領域を含む)および補助容量Csの下部電極を構成する島状の結晶性Si膜303aを形成する。ここで、島状の結晶性Si膜303aは、図1における島領域101に対応し、本実施形態では、レーザーの強光走査方向109に対するTFTのチャネル幅を4μm、Cs幅を10μmと設計している。このため、前記レーザー走査ピッチpが100μmであるから、(1/5)Pすなわち20μm幅以内の領域に島状の結晶性Si膜、303aが全て含まれることになる。よって、TFTチャネル領域およびCsの全てが(1/5)P幅以内の領域に含まれることになる。
次に、図3(C)に示すように、上記島状の結晶性Si膜303a上にフォトレジストを塗布し、露光・現像してマスク305とする。すなわち、マスク305により、後にTFTのチャネル領域となる部分のみが覆われた状態となっている。そして、イオンドーピング法によって、フォトレジスト305をマスクとして不純物(リン)306を注入する。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3)を用い、加速電圧を5kV〜30kV、例えば15kVとし、ドーズ量を1×1015cm-2〜8×1015cm-2、例えば2×1015cm-2とする。この工程により、不純物が注入された領域308は後のTFT315のソース領域となり、また領域309はTFTのドレイン領域とCs容量部316の下部電極とを形成する。フォトレジスト305にマスクされ不純物306が注入されない領域307は、上述のように後にTFT315のチャネル領域となる。
次に、図3(D)に示すように、フォトレジスト305を除去し、島状の結晶性Si膜303aを覆うように厚さ20nm〜150nm、ここでは100nmの酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜310として成膜する。酸化ケイ素膜の形成には、ここではTEOS(Tetra Ethoxy Ortho Silicate)を原料とし、酸素とともに基板温度150℃〜600℃、好ましくは300℃〜400℃で、RFプラズマCVD法で分解・堆積した。あるいはTEOSを原料としてオゾンガスとともに減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、基板温度を350℃〜600℃、好ましくは400℃〜550℃として形成してもよい。成膜後、ゲート絶縁膜310自身のバルク特性および結晶性ケイ素膜\ゲート絶縁膜の界面特性を向上するために、不活性ガス雰囲気下で400℃〜600℃で数時間のアニールを行った。同時に、このアニール処理により、領域308および309にドーピングされた不純物306が活性化され、領域308および309が低抵抗化された結果、そのシート抵抗は500Ω/□〜800Ω/□となった。
引き続いて、スパッタリング法によって、厚さ300nm〜500nm、例えば400nmのアルミニウムを成膜する。そして、アルミニウム膜をパターニングして、ゲート電極311aとCs容量部316の上部電極311bとを形成する。ここで、ゲート電極311aは、図1における102に対応し、上部電極311bは同様に103に対応する。すなわち、ゲート電極311aは平面的に見ればNo.nのゲートバスライン102であり、Csの上部電極311bはNo.n+1のゲートバスライン103として形成されている。
そして、図3(E)に示すように、厚さ500nm程度の酸化ケイ素膜を層間絶縁膜312として形成する。この酸化ケイ素膜は、TEOSを原料として、これと酸素とのプラズマCVD法、もしくはオゾンとの減圧CVD法あるいは常圧CVD法によって形成すれば、段差被覆性に優れた良好な層間絶縁膜が得られる。
次に、層間絶縁膜312にコンタクトホールを形成して、ソース電極313と画素電極314とを形成する。ソース電極313は、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの二層膜によって形成する。窒化チタン膜は、アルミニウムが半導体層に拡散するのを防止する目的のバリア膜として設けられる。画素電極314はITOなど透明導電膜により形成される。図1において、ソース電極313はソースバスライン104に対応し、画素電極314は106に対応する。
そして最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、1時間程度のアニールを行い、図3(E)に示すTFT315およびCs容量部316を完成させる。該アニール処理により、TFT315の活性領域/ゲート絶縁膜の界面へ水素原子を供給し、TFT特性を劣化させる不対結合手を低減する効果がある。なお、さらにTFT315を保護する目的で、必要な箇所のみプラズマCVD法により形成された窒化ケイ素膜でカバーしてもよい。
以上の実施形態にしたがって作製したTFTは、電界効果移動度で50cm2/Vs〜80cm2/Vs、閾値電圧2V〜3Vという良好な特性を示した。また、TFT315のチャネル領域307とそのCs容量部316の下部電極309は、全く同様な状態にて結晶化されているため、同様の表面状態となっている。実際に、上記実施形態にて作製されたアクティブマトリクス基板において、異なるアドレスの素子の表面粗さを測定すると、平均面粗さRaに対して、あるところではチャネルおよびCs共に4nm〜5nmであり、また、異なるラインのものでは共に6nm〜7nmであった。すなわち、基板全面においてRaはばらついてはいるが、各素子のチャネル表面とCs電極表面のRaは同様の値を示していた。同様のことは自乗平均面粗さRmsと表面積率S/S0にも見られた。
本実施形態にて作製したアクティブマトリクス基板を用い、液晶表示装置を作製し、全面表示を行った結果、かつて見られた縞状の表示むらは完全に消え去り、高表示品位の液晶表示装置が実現できた。
(実施形態2)
本発明を用いた第2の実施形態について説明する。本実施形態でも、ガラス基板上に半導体装置としてN型TFTを有するアクティブマトリクス基板を作製する際の工程において、説明を行う。該N型TFTは、液晶表示装置において画素スイッチング素子として機能し、そのドレイン領域側には画素液晶容量と並列に補助容量Csが設けられている。
本実施形態でも、上述の実施形態1と同様に、その平面図として図1を用いて説明する。図4は、図1のA−A’ラインで切った断面から見た本実施形態の作製工程の概要を示す工程断面図であり、図4(A)→図4(E)の順にしたがって作製工程が順次進行する。図4(E)が本実施形態にて作製したTFTおよびCs部の完成図であり、415で示されるのがN型TFT、416で示されるのがCs容量部である。
まず、図4(A)に示すように、ガラス基板401上に、例えばスパッタリング法によって厚さ300nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜402を形成する。この酸化ケイ素からなる下地膜402は、ガラス基板401からの不純物の拡散を防ぐために設けられる。
次に、減圧CVD法やプラズマCVD法などによって、厚さ20nm〜60nm、例えば30nmの非晶質ケイ素(a−Si)膜403を成膜する。
次に、前記a−Si膜403の不要な部分を除去することで、図4(B)に示すような素子間分離を行って、後にTFTの活性領域(ソース/ドレイン領域およびチャネル領域を含む)および補助容量Csの下部電極を構成する島状のa−Si膜403を形成する。ここで、図1において、島状のa−Si膜403は101に対応し、本実施形態では、レーザーの強光走査方向109に対するTFTのチャネル幅を4μm、Cs幅を10μmと設計している。
次に、図4(B)に示すように、上記島状のa−Si膜403上にフォトレジストを塗布し、露光・現像してマスク405とする。すなわち、マスク405により、後にTFTのチャネル領域となる部分のみが覆われた状態となっている。そして、イオンドーピング法によって、マスク405側から不純物(リン)406を注入する。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3)を用い、加速電圧を5kV〜30kV、例えば15kVとし、ドーズ量を1×1015cm-2〜8×1015cm-2、例えば2×1015cm-2とする。この工程により、不純物が注入された領域408は後のTFT415のソース領域となり、また領域409はTFTのドレイン領域とCs容量部416の下部電極を形成する。マスク405により遮ぎられ不純物406が注入されない領域407は、上述のように後にTFT415のチャネル領域となる。
その後、マスク405を除去する。上記a−Si膜403がプラズマCVD法により形成された場合や、上記のイオンドーピング工程が質量分離されずに行われている場合には、a−Si膜403中に多量の水素元素が含まれており、レーザー結晶化工程前に脱水素処理を行う必要がある。該処理は450℃程度の温度で数時間アニール処理を行えばよい。
次に、図4(C)に示すように、レーザー光404を照射し、島状のa−Si膜403を結晶化し、結晶性Si膜403aとする。このときのレーザー光としては、XeC1エキシマレーザー(波長308nm、パルス幅40nsec)を用いた。レーザー光404の照射条件は、照射時に基板を200℃〜500℃、例えば400℃に加熱し、エネルギー密度200mJ/cm2〜350mJ/cm2、例えば280mJ/cm2とした。レーザー光404は、図1における強光走査方向109の方向に順次走査した。基板面に照射されるレーザービームのサイズは、150mm×1mmの長尺形状とし、その短辺方向を走査方向とした。また、各パルスショット間の基板送り距離(走査ピッチ)Pは、0.05mmとした。このため、a−Si膜403の任意の一点に対して、それぞれ20回レーザー照射されたことになる。この工程により、a−Si膜403はその融点以上に加熱され、溶融し固化することで良好な結晶性を有する結晶性Si膜403aとなると共に、不純物406がドーピングされた領域408、409では不純物が活性化され、低抵抗化される。その結果、領域408、409のシート抵抗は200Ω/□〜500Ω/□となった。
前記レーザーの走査ピッチPが50μmであるから、(1/5)Pすなわち10μm幅以内の領域に図1における島領域101、すなわち結晶性Si膜403aの領域が全て含まれることになる。よって、TFTチャネル部およびそのCs部の全てが(1/5)P幅以内の領域に含まれることになる。
次に、図4(D)に示すように、島状の結晶性Si膜403aを覆うように厚さ20nm〜150nm、ここでは100nmの酸化ケイ素膜をゲート絶縁膜410として成膜する。酸化ケイ素膜の形成には、ここではTEOSを原料とし、酸素とともに基板温度150℃〜600℃、好ましくは300℃〜400℃で、RFプラズマCVD法で分解・堆積した。あるいはTEOSを原料としてオゾンガスとともに減圧CVD法もしくは常圧CVD法によって、基板温度を350℃〜600℃、好ましくは400℃〜550℃として形成してもよい。成膜後、ゲート絶縁膜410自身のバルク特性および結晶性ケイ素膜\ゲート絶縁膜の界面特性を向上するために、不活性ガス雰囲気下で400℃〜600℃で数時間のアニールを行った。引き続いて、スパッタリング法によって、厚さ300nm〜500nm、例えば400nmのアルミニウムを成膜する。そして、アルミニウム膜をパターニングして、ゲート電極411aとCs容量部416の上部電極411bとを形成する。ここで、図1においては、ゲート電極411aは102に対応し、上部電極411bは103に対応する。すなわち、ゲート電極411aは平面的に見ればNo.nのゲートバスライン102であり、Csの上部電極411bはNo.n+1のゲートバスライン103として形成されている。
そして、図4(E)に示すように、厚さ500nm程度の酸化ケイ素膜を層間絶縁膜412として形成する。この酸化ケイ素膜は、TEOSを原料として、これと酸素とのプラズマCVD法、もしくはオゾンとの減圧CVD法あるいは常圧CVD法によって形成すれば、段差被覆性に優れた良好な層間絶縁膜が得られる。
次に、層間絶縁膜412にコンタクトホールを形成して、ソース電極413と画素電極414とを形成する。ソース電極413は、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの二層膜によって形成する。窒化チタン膜は、アルミニウムが半導体層に拡散するのを防止する目的のバリア膜として設けられる。画素電極414はITOなど透明導電膜により形成される。図1において、ソース電極413はソースバスライン104に対応し、画素電極414は106に対応する。
そして最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、1時間程度のアニールを行い、図4(E)に示すTFT415およびCs容量部416を完成させる。該アニール処理により、TFT415の活性領域/ゲート絶縁膜の界面へ水素原子を供給し、TFT特性を劣化させる不対結合手を低減する効果がある。なお、さらにTFT415を保護する目的で、必要な箇所のみプラズマCVD法により形成された窒化ケイ素膜でカバーしてもよい。
以上の実施形態にしたがって作製したTFTは、電界効果移動度で40cm2/Vs〜60cm2/Vs、閾値電圧2V〜3Vという良好な特性を示した。また、TFT415のチャネル領域407とそのCs容量部416の下部電極409は、同様な状態にて結晶化されているため、同様の表面状態となっている。実際に、上記実施形態にて作製されたアクティブマトリクス基板において、異なるアドレスの素子の表面粗さを測定すると、平均面粗さRaに対して、あるところではチャネルおよびCs共に3nm〜5nmであり、また、異なるラインのものでは共に6nm〜8nmであった。すなわち、基板全面においてRaはばらついてはいるが、各素子のチャネル表面とCs電極表面のRaはほぼ同様の値を示していた。同様のことは自乗平均面粗さRmsと表面積比S/S0にも見られた。
本実施形態にて作製したアクティブマトリクス基板を用い、液晶表示装置を作製し、全面表示を行った結果、かつて見られた縞状の表示むらは見られず、高表示品位の液晶表示装置が実現できた。
(実施形態3)
本発明を用いた第3の実施形態について説明する。本実施形態では、実施形態1および実施形態2に比較して、さらにCs容量を拡大したレイアウトにて、ガラス基板上に半導体装置としてN型TFTを有するアクティブマトリクス基板を作製する際の工程において、説明を行う。
以下において、図2に示すのが、本実施形態で説明するTFTの平面図である。図2のB−B’ラインで切った断面から見た作製工程の概要を示す工程断面図として、実施形態1で用いた図3を利用する。そして、実施形態1と同様図3(A)→図3(E)の順にしたがって作製工程が順次進行する。図3(E)が本実施形態にて作製したTFTおよびCs部の完成図であり、315で示されるのがN型TFT、316で示されるのがCs容量部である。
まず、図3(A)に示すように、ガラス基板301上に、例えばスパッタリング法によって厚さ300nm程度の酸化ケイ素からなる下地膜302を形成する。
次に、減圧CVD法やプラズマCVD法などによって、厚さ20nm〜60nm、例えば40nmの非晶質ケイ素(a−Si)膜303を成膜する。プラズマCVD法により前記a−Si膜303を成膜した場合には、その膜中に多量の水素を含有し、後のレーザー照射時の膜剥がれの原因となるため、ここで450℃程度の温度で数時間熱処理を行う。
その後、図3(A)に示すように、レーザー光304を照射し、a−Si膜303を結晶化する。このときのレーザー光としては、XeClエキシマレーザー(波長308nm、パルス幅40nsec)を用いた。レーザー光304の照射条件は、照射時に基板を200℃〜500℃、例えば400℃に加熱し、エネルギ一密度200mJ/cm2〜350mJ/cm2、例えば300mJ/cm2とした。レーザー光304は、図2における強光走査方向209の方向に順次走査した。基板面に照射されるレーザービームのサイズは、150mm×lmmの長尺形状とし、その短辺方向を走査方向とした。また、各パルスショット間の基板送り距離(走査ピッチ)Pは、0.1mmとした。このため、a−Si膜303の任意の一点に対して、それぞれ10回レーザー照射されたことになる。この工程により、a−Si膜303はその融点以上に加熱され、溶融し固化することで良好な結晶性を有する結晶性Si膜303aとなる。
次に、前記結晶性Si膜303aの不要な部分を除去することで、図3(B)に示すような素子間分離を行って、後にTFTの活性領域(ソース/ドレイン領域およびチャネル領域を含む)および補助容量Csの下部電極を構成する島状の結晶性Si膜303aを形成する。ここで、図2において、島状の結晶性Si膜303aは201に対応する。
図2の201において、Csの下部電極となるCs電極208は、No.n+1のゲートバスライン203に沿って、さらに延長されている。したがって、実施形態1で説明した図1のレイアウトに対して、より大きなCs容量が得られる。Cs電極208はTFTチャネル領域207の中心を通るB−B’ラインに対して対称形に配置されており、レーザーの強光走査方向209に対するその長さは40μmと設計されている。また、Cs電極208のゲートバスライン203に沿った幅は10μmで均一であり、ゲートバスライン203からTFTチャネル部207方向へ向かって延びている長さは60μmと設計されている。したがって、Cs電極208全体の面積は1000μm2となっている。
前記レーザーの走査ピッチPが100μmであるから、(1/5)Pすなわち20μm幅以内の領域に、図2のB−B’ラインを中心として、ほとんどの島領域201が含まれることになる。前記(1/5)P幅より外れる島領域201の部分は、Cs電極208端部の20μm×10μmの領域であり、その面積は200μm2である。よって、TFTチャネル部207およびCs電極208の面積80%の領域が(1/5)P幅以内の領域に含まれることになる。
以下、実施形態1と同様の工程を経て、図2および図3(E)に示すN型TFT素子315およびCs容量部316を完成させる。このようにして作製されたCs容量部316の下部電極309では、その表面状態において局所的な差は見られるが、平均するとTFT315のチャネル領域307とほぼ同様な値となる。実際に、本実施形態にて作製したアクティブマトリクス基板を用い、液晶表示装置を作製し、全面表示を行った結果、かつて見られた縞状の表示むらはほとんど見えず、高表示品位の液晶表示装置が実現できた。
以上、本発明に基づく実施形態3例につき具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、本発明は、ケイ素膜表面状態をTFTチャネル部とCs部で同一とすることを主旨としている。したがって、結晶性ケイ素膜を固相結晶化により形成し、その結晶性を向上させるため、さらに高温にて表面酸化アニールした際に発生する結晶性ケイ素膜の表面ラフネスに対しても同様に扱われる。
また、上述の実施形態では、パルスレーザーであるエキシマレーザー照射により、a−Si膜を結晶化する方法を用いた。しかしながら、このときの加熱手段として、本実施形態で用いたエキシマレーザー以外に、連続発振Arレーザーなど他の種類のレーザーを用いても同様の処理が可能である。また、レーザー光の代わりに赤外光、フラッシュランプを使用して短時間に試料を加熱する、いわゆるRTA(ラピッド・サーマル・アニール)などのいわゆるレーザー光と同等の強光を用いてもよい。
第1、第2の実施形態で説明するTFTの平面図である。 第3の実施形態で説明するTFTの平面図である。 第1、第3の実施形態の作製工程を示す工程断面図である。 第2の実施形態の作製工程を示す工程断面図である。 アクティブマトリクス基板の各画素部の回路図を示す。 画素の駆動に用いる各種信号波形を示す図である。 本発明の概要を示し、設計値からのずれ(横軸)と△Vdの設定値からのずれ(縦軸)との関係を示す図である。 結晶性ケイ素膜の表面状態を示す斜視図である。 本発明の実験データを示し、平均面粗さRa(横軸)と設計容量に対する実際の容量の増加率(縦軸)との関係を示す図である。 本発明の実験データを示し、自乗平均面粗さRms(横軸)と設計容量に対する実際の容量の増加率(縦軸)との関係を示す図である。 従来例の画素部を示す平面図である。
符号の説明
101、201 島状の結晶性ケイ素膜
102、202 No.nのゲートバスライン
103、203 No.n+1のゲートバスライン
104、204 No.mのソースバスライン
105、205 No.m+1のソースバスライン
106、206 画素電極
107、207 TFTチャネル領域
108、208 Cs電極
109、209 強光走査方向
301、401 ガラス基板
302、402 下地膜
303、403 非晶質ケイ素膜
304、404 レーザー光
305、405 レジストマスク
306、406 不純物
307、407 TFTチャネル領域
308、408 TFTソース領域
309、409 TFTドレイン領域およびCs下部電極
310、410 ゲート絶縁膜
311a、411a ゲート電極
311b、411b Cs上部電極
312、412 層間絶縁腹
313、413 ソース電極
314、414 画素電極

Claims (17)

  1. 絶縁性表面を有する基板上にマトリクス状に構成された複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数の薄膜トランジスタを有し、各薄膜トランジスタには画素液晶容量と並列に容量成分がそれぞれ接続されてなる半導体装置において、
    該薄膜トランジスタのチャネル領域は、レーザー光の走査による照射によって結晶化されたケイ素膜よりなり、該薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜により該容量成分の一方の電極が構成されてなると共に、該薄膜トランジスタのチャネル領域と該容量成分の一方の電極とがレーザー走査方向に対して垂直な同一ラインに沿って配置されており、
    前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の平均面粗さRa(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の平均面粗さRa(cs)との差の絶対値|Ra(ch)−Ra(cs)|が、その薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の平均面粗さの平均値と、その薄膜トランジスタに対してレーザー走査方向に並ぶ他の薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の平均面粗さRa(cs’)の平均値との差の絶対値よりも小さくなっている、半導体装置。
  2. 前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の平均面粗さRa(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の平均面粗さRa(Cs)との差の絶対値|Ra(ch)−Ra(Cs)|が、5nm以下である請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の平均面粗さRa(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の平均面粗さRa(Cs)との差の絶対値|Ra(ch)−Ra(Cs)|が、2nm以下である請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記平均面粗さRaは、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値である請求項2または3に記載の半導体装置。
  5. 絶縁性表面を有する基板上にマトリクス状に構成された複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数の薄膜トランジスタを有し、各薄膜トランジスタには画素液晶容量と並列に容量成分がそれぞれ接続されてなる半導体装置において、
    該薄膜トランジスタのチャネル領域は、レーザー光の走査による照射によって結晶化されたケイ素膜よりなり、該薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜により該容量成分の一方の電極が構成されてなると共に、該薄膜トランジスタのチャネル領域と該容量成分の一方の電極とがレーザー走査方向に対して垂直な同一ラインに沿って配置されており、
    前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の自乗平均面粗さRms(ch)と、その薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の自乗平均面粗さRms(cs)との差の絶対値|Rms(ch)−Rms(cs)|は、その薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の自乗平均面粗さの平均値と、その薄膜トランジスタに対してレーザー走査方向に並ぶ他の薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の自乗平均面粗さの平均値との差の絶対値よりも小さくなっている、半導体装置。
  6. 前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の自乗平均面粗さRms(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の自乗平均面粗さRms(Cs)との差の絶対値|Rms(ch)−Rms(Cs)|が、6nm以下である請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の自乗平均面粗さRms(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の自乗平均面粗さRms(Cs)との差の絶対値|Rms(ch)−Rms(Cs)|が、2.5nm以下である請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記自乗平均面粗さRmsは、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値である請求項6または7に記載の半導体装置。
  9. 絶縁性表面を有する基板上にマトリクス状に構成された複数の画素電極をそれぞれ駆動する複数の薄膜トランジスタを有し、各薄膜トランジスタには画素液晶容量と並列に容量成分がそれぞれ接続されてなる半導体装置において、
    該薄膜トランジスタのチャネル領域は、レーザー光の走査による照射によって結晶化されたケイ素膜よりなり、該薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜により該容量成分の一方の電極が構成されてなると共に、該薄膜トランジスタのチャネル領域と該容量成分の一方の電極とがレーザー走査方向に対して垂直な同一ラインに沿って配置されており、
    該薄膜トランジスタのチャネル領域のフラット面に対する実際の表面積比S/S (ch)と、その薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面におけるフラット面に対する実際の表面積比S/S (Cs)との差の絶対値|S/S 0 (ch)−S/S (Cs)|が、その薄膜トランジスタのチャネル領域およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の表面積比の平均値と、その薄膜トランジスタに対してレーザー走査方向に並ぶ他の薄膜トランジスタのチャネル領域表面およびその薄膜トランジスタに接続された該容量成分の電極表面の表面積比の平均値との差の絶対値よりも小さくなっている、半導体装置。
  10. 前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の基準面積に対する表面積比S/S(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の表面積比S/S(Cs)との差の絶対値|S/S(ch)−S/S(Cs)|が、0.15以下である請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記薄膜トランジスタのチャネル領域表面の基準面積に対する表面積比S/S(ch)と、該薄膜トランジスタに接続された前記容量成分の電極表面の表面積比S/S(Cs)との差の絶対値|S/S(ch)−S/S(Cs)|が、0.05以下である請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記表面積比S/S0は、原子間力顕微鏡(AFM)にて、10μm□以下の測定エリアに対して測定された値である請求項10または11に記載の半導体装置。
  13. 前記容量成分は、前記薄膜トランジスタのチャネル領域と同一層のケイ素膜を下部電極とするとともに、該薄膜トランジスタのゲート電極と同一層を上部電極として、該薄膜トランジスタのゲート絶縁膜と同一層により形成されている請求項1〜12のいずれか一つに記載の半導体装置。
  14. 前記薄膜トランジスタのチャネル領域、および該薄膜トランジスタに接続された該容量成分の一方の電極部を構成する結晶性ケイ素膜の厚さが、20nm以上60nm以下の範囲内である請求項1〜13のいずれか一つに記載の半導体装置。
  15. 前記レーザー光がパルスレーザーであり、該パルスレーザーの走査ピッチPに対して、少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル領域を中心として(1/5)P幅以内のライン上に、該薄膜トランジスタに接続された容量成分の前記電極の面積50%以上の領域が、含まれるよう配置されている請求項13または14に記載の半導体装置。
  16. 少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル領域を中心として(1/5)P幅以内のライン上に、そのトランジスタに接続された容量成分の前記電極の面積80%以上の領域が、含まれるよう配置されている請求項15に記載の半導体装置。
  17. 少なくとも前記薄膜トランジスタのチャネル領域を中心として(1/5)P幅以内のライン上に、そのトランジスタに接続された容量成分の前記電極の全てが含まれるよう配置されている請求項16に記載の半導体装置。
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