JP3587265B2 - カードリーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プリペイドカード等の磁気カードに記録されたデータを読取るカードリーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のようなカードリーダ装置では、一般に、使用度数(残り度数)を示すために、磁気カードにいわゆるパンチ孔を明けている。このパンチ孔の穿孔制御は、ソレノイドにパンチ孔穿孔用の刃を取付け、ソレノイドをオン/オフ制御して、磁気カード面に対して垂直に刃を出し入れすることにより行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のカードリーダ装置では、単にソレノイドに対してオン/オフ制御信号を供給するだけで、ソレノイドが作動してパンチ孔が穿孔されたか否かを確認することはできなかった。
【0004】
このため、磁気カードのパンチ孔が穿孔されるべき部分に、例えば鉄板等の薄板状の固い物を張り付けて、使用度数を示すパンチ孔が穿孔されないようにするといったような磁気カードの不正使用を見分けることができなかった。
【0005】
また、パンチ孔穿孔用の刃の取換えについては、管理者が単に刃を装着した日を覚えておく等して、所定期間経過後に刃を取換えるようにしており、管理者が装着期間だけで管理していた。このため、パンチ孔を穿孔した回数が非常に少なく、まだ充分に使用し得る刃であっても、所定の装着期間が到来したときは取り換えてしまい、刃の無駄使いがなされていた。
【0006】
本発明は、このような背景の下になされたもので、第1の目的は、磁気カードの不正使用を見分け得るカードリーダ装置を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、パンチ孔穿孔用の刃の適切な交換時期を自動的に管理し得るカードリーダ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1,第2の目的を達成するため、本発明は、磁気カードに対して使用度数を示すパンチ孔を穿孔するパンチ機構を備えたカードリーダ装置において、使用中の磁気カードに対してパンチ孔が穿孔された旨を検知する検知手段と、前記パンチ機構が作動した際に使用中の磁気カードに対してパンチ孔が穿孔された旨が前記検知手段により検知されなかったとき、当該使用中の磁気カードが不正に使用されていると認識する認識手段と、前記磁気カードの使用中における前記パンチ機構の作動回数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された前記パンチ機構の作動回数が所定回数に達したか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により作動回数が所定回数に達したと判別された際、その旨を報知する報知手段とを備え、前記計数手段は、前記パンチ機構が作動した際に、使用中の磁気カードに対して前記検知手段によりパンチ孔が穿孔された旨が検知された場合は、前記作動回数に1だけ加算し、当該パンチ孔が穿孔された旨が検知されなかった場合は、当該作動回数に摩耗度に応じた所定数を加算するように構成されている。
【0011】
【作用】
本発明の認識手段は、パンチ機構が作動した際に使用中の磁気カードに対してパンチ孔が穿孔された旨が検知手段により検知されなかったとき、当該使用中の磁気カードが不正に使用されていると認識する。
また、計数手段は、磁気カードの使用中におけるパンチ機構の作動回数を計数し、判別手段は、計数手段により計数されたパンチ機構の作動回数が所定回数に達したか否かを判別する。そして、報知手段は、判別手段により作動回数が所定回数に達したと判別された際、その旨、すなわちパンチ孔穿孔用の刃の交換時期が到来した旨を報知する。
さらに、計数手段は、パンチ機構の作動回数を計数する場合において、前記パンチ機構が作動した際に、使用中の磁気カードに対して検知手段によりパンチ孔が穿孔された旨が検知された場合は、前記作動回数に1だけ加算し、当該パンチ孔が穿孔された旨が検知されなかった場合は、当該作動回数に摩耗度に応じた所定数を加算する。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1〜図4を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例によるカードリーダ装置の概略構成を示す断面図、図2は、図1の平面図である。なお、本カードリーダ装置は、公衆電話機や乗車券の自動改札機等に内蔵されたものである。
【0017】
図1、図2において、1はカードリーダ装置本体である。2はソレノイドであり、このソレノイド2の駆動軸の先端部分には、磁気カードにパンチ孔を穿孔するための刃3が取付けられており、これらソレノイド2と刃3とによりパンチ機構が構成されている。また、ソレノイド2の駆動軸の他端には、センサ用プレート4が取付けられている。このセンサ用プレート4には、凸部4aが形成されている。なお、ソレノイド2は、後述のダストボックス7と対向する位置に固定的に配置されている。
【0018】
5は、パンチ機構の作動により磁気カードに対してパンチ孔が穿孔されたか否かを検知するためのセンサである。このセンサ5は、発光素子と受光素子とからなるフォトインタラプタにより構成され、ソレノイド2がオフの状態、すなわちソレノイド2の駆動軸が通常の位置にあるときは、発光素子からの光は、センサ用プレート4の凸部4aにより遮られて発光素子に受光されないような位置に取付けられている。すなわち、ソレノイド2がオンされてその駆動軸が降下し、刃3によりパンチ孔が穿孔されると、センサ用プレート4の凸部4aも同時に降下し、これにより発光素子からの光が受光素子により受光されて、パンチ孔が穿孔された旨が検知される。
【0019】
6は、磁気カードに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドであり、ソレノイド2よりも磁気カードの挿入口側の所定位置に固定的に配置されている。7は、パンチ孔を穿孔した際に生成されるパンチ屑をストックするダストボックスである。8は磁気カードを搬送するためのガイドレールである。9は、磁気カードを搬送するための搬送ローラである。
【0020】
図3は、本カードリーダ装置の電気的な概略構成を示すブロック図であり、CPU10、RAM11、ヘッド制御部12、ソレノイド制御部13、およびモータ制御部14、および報知部15を有している。なお、CPU10は、各種処理を実行するためのプログラムがプリセットされたROM10aを内蔵している。また、報知部15は、表示手段、またはブザー等により構成されている。また、CPU10は、本カードリーダ装置が搭載された公衆電話機、乗車券の自動改札機等を制御するためのホストコンピュータHに接続されている。
【0021】
CPU10は、ROM10a内のプログラムに従って、ヘッド制御部12、ソレノイド制御部13、モータ制御部14等を制御することにより、本カードリーダ装置の各種機能を実行する。RAM11は、CPU10が各種処理を行う際にワークエリアとして利用される。なお、このRAM11には、パンチ孔の穿孔動作を計数するための穿孔回数カウンタCが形成されている。
【0022】
ヘッド制御部12は、CPU10の制御の下に、磁気ヘッド6による磁気カードへの使用度数等のデータの読書きを制御する。ソレノイド制御部13は、CPU10の制御の下に、ソレノイド2への通電をオン/オフすることにより、磁気カードに対するパンチ孔の穿孔動作を制御する。モータ制御部14は、CPU10の制御の下に、搬送ローラ9を回転するためのステッピングモータMの駆動を制御することにより、磁気カードの搬送動作、および位置決め動作を制御する。
【0023】
次に、本カードリーダ装置における穿孔動作を図4のフローチャートに従って説明する。なお、CPU10は、例えば、使用度数を算出し、その使用度数に基づいて磁気カードに対する今回のパンチ孔の穿孔位置を求め、当該穿孔位置と刃3とが対向するように磁気カードの位置決めを行った後に、図4の穿孔処理フローに移行する。
【0024】
図4の穿孔処理フローでは、CPU10は、まず、ソレノイド制御部13に対してパンチ孔の穿孔信号(ソレノイドオン信号)を出力して穿孔動作を指示する(ステップS1)。そして、センサ5がオンしたか否かを判別することにより、パンチ孔が穿孔されたか否かを判別する(ステップS2)。その結果、センサ5がオンしてパンチ孔が穿孔されたと判別されたときは、穿孔回数カウンタC内の穿孔回数を“1”だけインクリメントして(ステップS3)、ステップS6に進む。
【0025】
一方、ソレノイドオン信号を出力したにも拘らずセンサ5がオンせず、パンチ孔が穿孔されなかったと判別されたときは、例えば鉄板等の薄板状の固い物を磁気カード張り付けて、使用度数を示すパンチ孔が穿孔されないようにするといったような磁気カードの不正使用が行われたものと見做して、その旨を報知部15の表示手段、ブザー等により警告する(ステップS4)。
【0026】
そして、穿孔回数カウンタC内の穿孔回数を所定数だけインクリメントして
(ステップS5)、ステップS6に進む。なお、所定数だけインクリメントするようにしたのは、鉄板等が磁気カードに張り付けられてパンチ孔が穿孔されなかった場合は、通常よりも刃3の摩耗度が高いと考えられるため、この摩耗度に応じた穿孔回数を加算することにより、刃3の交換時期をより厳格に管理するためである。
【0027】
ステップS6では、穿孔回数カウンタC内の穿孔回数が、刃3の所定の耐用穿孔回数に達したか否かを判別する。その結果、耐用穿孔回数に達したときは、その旨を報知部15の表示手段、ブザー等により報知して、刃3を取換えるよう促して(ステップS7)、メインフローヘリターンする。このように、パンチ孔穿孔用の刃の適切な交換時期を自動的に管理している。
【0028】
一方、耐用穿孔回数に達していないときは、ステップS7をスキップして、そのままメインフローヘリターンする。なお、刃3を取換えたときには、所定の操作により、穿孔回数カウンタC内の穿孔回数を“0”にリセットしておく。
【0029】
なお、本発明は、上記実施例に限定されることなく、例えば、パンチ孔の穿孔状態を検知するためのセンサとしては、フォトインタラプタに限らず、機械的センサや、ソレノイド2がオンされた時の逆起電力を検出するセンサを利用することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁気カードに対して使用度数を示すパンチ孔を穿孔するパンチ機構を備えたカードリーダ装置において、使用中の磁気カードに対してパンチ孔が穿孔された旨を検知する検知手段と、前記パンチ機構が作動した際に使用中の磁気カードに対してパンチ孔が穿孔された旨が前記検知手段により検知されなかったとき、当該使用中の磁気カードが不正に使用されていると認識する認識手段と、前記磁気カードの使用中における前記パンチ機構の作動回数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された前記パンチ機構の作動回数が所定回数に達したか否かを判別する判別手段と、前記判別手段により作動回数が所定回数に達したと判別された際、その旨を報知する報知手段とを備え、前記計数手段は、前記パンチ機構が作動した際に、使用中の磁気カードに対して前記検知手段によりパンチ孔が穿孔された旨が検知された場合は、前記作動回数に1だけ加算し、当該パンチ孔が穿孔された旨が検知されなかった場合は、当該作動回数に摩耗度に応じた所定数を加算することを特徴とするようにしたので、例えば鉄板等の薄板状の硬い物を貼り付けて、使用度数を示すパンチ孔が穿孔されないようにするといったような磁気カードの不正使用を見分けると共に、パンチ孔穿孔用の刃の適切な交換時期を自動的に管理して、刃の無駄使いを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるカードリーダ装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1のカードリーダ装置の平面図である。
【図3】図1のカードリーダ装置の電気的な概略構成を示すブロック図である。
【図4】穿孔動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…ソレノイド
3…刃
4…センサ用プレート
4a…凸部
5…センサ
6…磁気ヘッド
10…CPU
10a…ROM
11…RAM
13…ソレノイド制御部
14…モータ制御部
15…報知部
C…穿孔回数カウンタ
M…ステッピングモータ

Claims (5)

  1. 磁気カードに対して使用度数を示すパンチ孔を穿孔するパンチ機構を備えたカードリーダ装置において、
    使用中の磁気カードに対してパンチ孔が穿孔された旨を検知する検知手段と、
    前記パンチ機構が作動した際に使用中の磁気カードに対してパンチ孔が穿孔された旨が前記検知手段により検知されなかったとき、当該使用中の磁気カードが不正に使用されていると認識する認識手段と、
    前記磁気カードの使用中における前記パンチ機構の作動回数を計数する計数手段と、
    前記計数手段により計数された前記パンチ機構の作動回数が所定回数に達したか否かを判別する判別手段と、
    前記判別手段により作動回数が所定回数に達したと判別された際、その旨を報知する報知手段とを備え
    前記計数手段は、前記パンチ機構が作動した際に、使用中の磁気カードに対して前記検知手段によりパンチ孔が穿孔された旨が検知された場合は、前記作動回数に1だけ加算し、当該パンチ孔が穿孔された旨が検知されなかった場合は、当該作動回数に摩耗度に応じた所定数を加算することを特徴とするカードリーダ装置。
  2. 前記パンチ機構は、ソレノイドと当該ソレノイドに取付けられた刃とにより構成されたことを特徴とする請求項1記載のカードリーダ装置。
  3. 前記検知手段は、前記ソレノイドの駆動軸の駆動状態を光学的に検知するフォトインタラプタにより構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のカードリーダ装置。
  4. 前記検知手段は、前記ソレノイドの駆動軸の駆動状態を機械的に検知する機械的検知手段により構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載のカードリーダ装置。
  5. 前記検知手段は、前記ソレノイドがオンされた際の逆起電力に基づいてパンチ孔が穿孔された旨を検知することを特徴とする請求項1又は2記載のカードリーダ装置。
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