JP3586757B2 - 地図表示装置及び地図状態報知方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図表示装置及び地図状態報知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の地図表示装置の一種であるナビゲーション装置では、該装置を搭載した自動車の位置周辺の地図をモニタ画面に表示するとともに、前記自動車が現在走行している位置を前記地図上に表示している。そのため使用者は、前記モニタ画面に表示された地図を見ることにより、搭乗している自動車の現在地を認識することができる。また最近のナビゲーション装置は、表示された地図をスクロールする機能を有しており、地図を例えば現在地から進行方向へスクロールすることで、やがて到達する箇所を認識することができる。
【0003】
さらに最近のナビゲーション装置には、所望の地点付近の地図の縮尺を大きくすることで前記所望の地点付近をズームアップするとともに、前記所望の地点付近の地図の縮尺を小さくすることで、前記所望の地点付近をズームダウンするズーム機能が備えられている。このズーム機能を用い地図をズームアップすることで、現在地付近や進路上のある地点付近を詳細に知ることができる。
【0004】
また最近のナビゲーション装置では、地図上の土地の状態を認識可能とするため、その土地の状態を表わすのに適切な色で前記地図上に表示する。例えば、海、川、湖などの水の状態は青色で表示され、陸上の山、森、林などは茶色で表示され、平野や盆地は緑色で表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したナビゲーション装置を搭載した自動車が、例えば海岸沿いを走行している場合、次のような問題が生じる。前記自動車が海岸沿いを走行しているときに上述した如き地図上の現在地付近や進路上のある地点付近をズームアップすると、画面の大半が海を示す青色の部分になってしまうことがある。また、前記自動車が湾岸沿いの河口付近を走行しているときに同様にズームアップすると、大河と海を示す青色が画面の8割以上を占有し、使用者が大河と海を識別できなくなり、自車の進行している方角や位置を認識することが困難になることがある。山間部を走行している場合も同様にズームアップすると、画面が茶色一色になり、自車の進行している方角や位置の認識が困難になる。
【0006】
このような場合、使用者は地図の縮尺を小さく変えてズームダウンし、以前使用していた小さな縮尺による広範囲の地図を表示させ自車の位置を再認識した後、再度ズームアップする地図上の位置を選択しなければならない。ただしこのような操作をする際、使用者は自らのズーム位置の選択が適切でなかった場合でも、それを認識することは無い。そのため、例えば画面が全面青色一色になると、それが全面海等であると認識できず、例えば当該ナビゲーション装置がソフトウェア処理中に誤動作したものと誤解してしまう場合がある。
本発明の目的は、地図上に表示される土地の状態を容易に認識できる地図表示装置、地図状態報知方法、並びに記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の地図表示装置及び地図状態報知方法は以下の如く構成されている。
(1)本発明の地図表示装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、この地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を基に所望の土地周辺の地図を表示する地図表示手段と、この地図表示手段で表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められていることを判断する判断手段と、前記判断手段の結果により前記土地の状態を報知する報知手段と、から構成されている。
(2)本発明の地図表示装置は上記(1)に記載の装置であって、かつ前記報知手段は、前記少なくとも一種類の色に対応する土地の状態を示す記号を前記地図表示手段に表示される地図上の前記少なくとも一種類の色に対応する箇所に表示するよう構成されている。
(3)本発明の地図表示装置は上記(1)に記載の装置であって、かつ前記報知手段は、メッセージを表示することで報知するよう構成されている。
(4)本発明の地図表示装置は上記(1)に記載の装置であって、かつ前記報知手段は、音声メッセージにより報知するよう構成されている。
(5)本発明の地図表示装置は上記(1)に記載の装置であって、かつ前記報知手段は、前記地図表示手段により表示された現地図と該現地図が表示される前に先行して表示されていた先行地図を所定期間交互に表示する表示手段を備えている。
(6)本発明の地図表示装置は上記(5)に記載の装置であって、かつ前記所定期間中、前記表示手段で表示される前記現地図と前記先行地図のいずれかを選択することで、以降表示する地図を決定する選択手段を備えている。
(7)本発明の地図表示装置は上記(6)に記載の装置であって、かつ前記選択手段で選択がなされなかった場合、以降前記現地図を表示するよう構成されている。
(8)本発明の地図状態報知方法は、地図情報を基に所望の土地周辺の地図を表示する地図表示工程と、前記地図表示工程で表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められていることを判断する判断工程と、前記判断工程の結果により前記土地の状態を報知する報知工程と、を有する
【0008】
上記手段を講じた結果、それぞれ次のような作用が生じる。
(1)本発明の地図表示装置は、地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められていることを判断し、前記土地の状態を報知するので、使用者は当該地図表示装置の操作時に画面上の地図をスクロールしたり、前記地図の一部を拡大表示させる等の操作を行なったとき、従来であれば画面に道路等が全く無く、例えば海のみ、山のみ、平野のみ等のため一種類の色になり、土地の状態が認識できなかったものが認識できるようになる。よって使用者は、当該地図表示装置がソフトウェア処理中に誤動作した等と誤解することがなくなり、正常に動作していることを認識することができる。このため使用者は、従来のようにズームアップした後再び地図の縮尺を小さく変えてズームダウンし、以前使用していた小さな縮尺による広範囲の地図を表示させ自車の位置を再認識した後、再度ズームアップする地図上の位置を選択する、といった煩雑な操作をする必要がなくなる。
(2)本発明の地図表示装置は、前記報知手段は、前記少なくとも一種類の色に対応する土地の状態を示す記号を前記地図上の前記少なくとも一種類の色に対応する箇所に表示するので、使用者は前記土地の状態を視覚的に知ることができる。
(3)本発明の地図表示装置は、前記報知手段は、メッセージを表示することで報知するので、使用者は前記土地の状態を前記メッセージを読むことで知ることができる。
(4)本発明の地図表示装置は、前記報知手段は、音声メッセージにより報知するので、使用者は前記土地の状態を前記音声メッセージを聞くことにより知ることができる。
(5)本発明の地図表示装置は、前記報知手段は、現地図と先行地図を所定期間交互に表示するので、使用者は現地図と先行地図を交互に見ることができ、それらの差異を認識できる。
(6)本発明の地図表示装置は、所定期間中表示される前記現地図と前記先行地図のいずれかを選択することで、以降表示する地図を決定するので、使用者は状況に応じて以降前記先行地図の一部を拡大した地図を表示することを選択できる。
(7)本発明の地図表示装置は、前記選択手段で選択がなされなかった場合、以降前記現地図を表示するので、使用者は選択操作をせずとも前記先行地図のスクロール後の地図の一部を拡大した地図を表示させることができる。
(8)本発明の地図状態報知方法は、表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められていることを判断し、前記土地の状態を報知するので、使用者は表示画面上の地図をスクロールしたり、前記地図の一部を拡大表示させる等の操作を行なったとき、従来であれば表示画面に道路等が全く無く、例えば海のみ、山のみ、平野のみ等のため一種類の色になり、土地の状態が認識できなかったものが認識できるようになる。よって使用者は、当該方法によるソフトウェア処理中に誤動作した等と誤解することがなくなり、正常に動作していることを認識することができる。このため使用者は、従来のようにズームアップした後再び地図の縮尺を小さく変えてズームダウンし、以前使用していた小さな縮尺による広範囲の地図を表示させ自車の位置を再認識した後、再度ズームアップする地図上の位置を選択する、といった煩雑な操作をする必要がなくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、GPSを利用した自動車用ナビゲーション装置に本発明を適用した場合の第1の実施の形態について、図面を基に説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置の回路構成を示すブロック図である。図1において1はアンテナであり、アンテナ1は車体のルーフ上等に設置されているとともに、GPSブロック2に接続されている。このGPSブロック2はアンテナ1が受信した衛星からのL1帯( 1.57542GHz)のC/Aコードを逆拡散LSIにより復調、解読して現在地の緯度、経度等を割出すものである。
【0011】
GPSブロック2は、グラフィックブロック3に接続されている。このグラフィックブロック3には、主として後述するリモコンユニット20で構成されるキー入力ブロック4、各道路の車線データを有する道路情報及び地名情報からなる地図データを記録した記録媒体であるCD−ROM51が装着されるCDブロック5、CRTやLCDパネルで構成される表示装置を有するモニタブロック6、スピーカで構成される音声出力ブロック7が接続されている。
【0012】
またグラフィックブロック3には、ROM8に格納された動作プログラム及びRAM9に記憶された種々のデータに基づいて装置全体を制御するCPU10が備えられている。またROM8には動作プログラムの他に複数の定型の高速道路背景パターンが固定記憶されている。
【0013】
CPU10は通常の一般道路走行時において、上記GPSブロック2から現在地の緯度、経度データすなわち自己位置データが送られてくると、CPU周辺回路ゲートアレイ(G/A)11を介して現在地周辺の地図データ及び道路データをCDブロック5から呼出すとともに、それらの情報をビデオRAM12を接続したグラフィックコントローラ13を介し、映像信号として上記モニタブロック6に送るよう動作する。これによりモニタブロック6の表示画面に道路地図等が表示される。
【0014】
またCPU10の再生指令のもと、RAM9に記憶されている音声メッセージが音声出力ブロック7のスピーカから出力されるとともに、RAM9に記憶されている表示メッセージがモニタブロック6の表示画面に表示される。なお、前記再生指令はキー入力ブロック4から手動で所定のキー操作を行ない入力することも可能である。
【0015】
図2は上記キー入力ブロック4を主として構成するリモコンユニット20の外観構成を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は上面図である。リモコンユニット20は、リモコン本体ケース21がケーブル40によりキー入力ブロック4に接続されているワイヤードリモートコントローラである。図2の(a)に示すように、リモコン本体ケース21の左側面にはスライドスイッチにより電源のオン/オフを行なう電源スイッチ22が設けられている。
【0016】
また、図2の(b)に示すようにリモコン本体ケース21の上面には、電源LED23、NAVI/CDキー24、TVキー25、FM/DATAキー26、MENUキー27、カーソルキー28、ENTERキー29、ポジションキー(図2の(b)では「POS」と示す)30、縮尺変更/チューニングキー31、MARKキー32、POINTキー33、HOMEキー34、VIDEOキー35、およびSELECTキー36が備えられている。
【0017】
電源LED23は、上記電源スイッチ22により電源がオンとされた際に赤色で点灯する。NAVI/CDキー24は、当該ナビゲーション装置でナビゲーション動作を行なうとき、または本実施の形態では説明を省略するがCDブロック5に音楽用のCDを装着して音楽鑑賞を行なうときに操作するキーである。
【0018】
TVキー25は、本実施の形態では説明を省略するが、グラフィックブロック3に図示しないテレビチューナを接続して上記モニタブロック6にてテレビ鑑賞を行なうときに操作するキーであり、FM/DATAキー26は、同じく本実施の形態では説明を省略するがグラフィックブロック3に図示しないFMチューナを接続して上記モニタブロック6にてFMデータ多重放送による文字データ等を表示させるときに操作するキーである。
【0019】
MENUキー27はメニュー画面の表示を指示するキーであり、カーソルキー28はメニュー画面等でモニタブロック6の表示画面上に表示されるカーソルの上下左右各方向への移動を指示するリング状のキーである。また、ENTERキー29は上記カーソルキー28の移動により表示画面上のカーソルで指し示されるアイコン等を操作指示するためのキーである。
【0020】
ポジションキー30は上記アンテナ1及びGPSブロック2により割出された現在地の緯度、経度等を表示させるためのキーであり、縮尺変更/チューニングキー31はナビゲーション動作時に表示される地図の縮尺の変更指示を行なうとともに、テレビまたはラジオの受信動作時にアップ/ダウンチューニングを指示するキーである。
【0021】
MARKキー32は地図データの任意位置に経路誘導機能での通過位置等をマーキングするためのキー、POINTキー33は経路誘導機能の動作時に目的地の設定及び目的地側への画面スクロール等を指示するキー、HOMEキー34は同じく経路誘導機能の動作時に現在地の設定及び現在地側への画面スクロール等を指示するキーである。VIDEOキー35は本実施の形態では説明を省略するが、グラフィックブロック3に図示しないビデオカメラ等を接続して上記モニタブロック6にてビデオ鑑賞を行なうときに操作するキーである。SELECTキー36は、表示する画面を選択するときに操作するキーである。
【0022】
図3は、CD−ROM51に記憶されている、“画面の色”と“記号”の属性が対応付けられたテーブルを示す図である。“画面の色”は、モニタブロック6の表示画面に表示される地図上の色を示しており、青色が5種類、茶色が2種類、緑色が2種類ある。CD−ROM51には、多種類の色からなる色パレットが記憶されており、“画面の色”の各色はこの色パレットのデータの属性に対応付けられている。CPU10は、前記色パレットのデータを読み出し、地図上に該当する色を表示する。CPU10は、画面に使用されている色と前記テーブルの“画面の色”とを照合し、該当する領域の土地の状態を判断する。なお、上記したCD−ROM51の記憶内容は、ROM8やRAM9に記憶するようにしてもよい。
【0023】
これら複数種の青色、茶色、緑色は、各々色調が異なる。この複数種の色は、山、平野、海、川等、地図上の土地の状態(地形)を示している。また“記号”は図4に示す如きもので、各“画面の色”に対応して地図上に表示される記号である。これらの記号は、地図上の該当する箇所に複数個点在するよう(あるいは一個)表示される。
【0024】
図4は、図3に示した地図表示に用いられる“記号”を示す図である。本実施の形態では、図3に示した海(沿岸)を表す“画面の色”「青1」に対応する“記号”「記号1」が図4の(a)に、海(沿岸以外)を表す“画面の色”「青2」に対応する“記号”「記号2」が図4の(b)に、川を表す“画面の色”「青3」に対応する“記号”「記号3」が図4の(c)に、湖を表す“画面の色”「青4」に対応する“記号”「記号4」が図4の(d)に、池を表す“画面の色”「青5」に対応する“記号”「記号5」が図4の(e)に示されている。
【0025】
また、山を表す“画面の色”「茶1」に対応する“記号”「記号6」が図4の(f)に、林等を表す“画面の色”「茶2」に対応する“記号”「記号7」が図4の(g)に、畑、水田を表す“画面の色”「緑1」に対応する“記号”「記号8」が図4の(h)に、平野、盆地を表す“画面の色”「緑2」に対応する“記号”「記号9」が図4の(i)に、示されている。
【0026】
図5は、モニタブロック6の表示画面に表示される地図を示す図であり、表示画面上の地図をズームアップする第1の例を説明するための図である。5Aは湾岸付近の地図であり、通常モニタブロック6の表示画面に表示される倍率、すなわち予め設定されている最も小さい倍率による地図である。斜線部511(便宜上斜線で示しているが、実際は緑色になる)は陸上の平野を示しており、空白部512(実際は青色になる)は海を示している。モニタブロック6の表示画面に表示される地図は、縮尺変更/チューニングキー31が使用者により操作されることで、その縮尺が変更される。
【0027】
5Aの状態から縮尺変更/チューニングキー31にて縮尺が大きくなるよう段階的に操作されると、所定部(一般に自動車の進行方向上の一点)を中心にして、例えば枠501、502、503、504に示す範囲で順にズームアップされ、各領域が拡大される。また、縮尺変更/チューニングキー31にて縮尺が小さくなるよう段階的に操作されると、枠504、503、502、501に示す範囲で順にズームダウンされ、各領域が縮小される。
【0028】
5Bは、縮尺変更/チューニングキー31にて縮尺が最大になるよう操作され、枠504に示す範囲がズームアップされた状態を示しており、全面が海になっている。このような場合従来のナビゲーション装置では、表示されている地図の全面が海を示す色すなわち青色になり、使用者にとっては、画面に海、湖、池、川等のうちのいずれが表示されているのか、あるいはナビゲーション装置が誤動作したのか識別できなかった。しかし本実施の形態によれば、図5の5Bに示すように画面上に図4の(a)に示した「海(沿岸)」を示す記号513が、複数個等間隔をなすよう点在して表示されるので(あるいは、1個表示される)、使用者は画面全面に海が示されていることを認識できる。
【0029】
5Bは、5Aをズームアップしたものであるが、ズームアップする際の中心付近が海であったため、画面に海だけが表示されている。しかし、画面上に海を示す複数の波状の記号が表示されるので、使用者は画面に海が表示されていることを認識できる。なお画面上には、図示しない東西南北を示す方位磁石のシンボル等も表示できる。
【0030】
図6は、モニタブロック6の表示画面に表示される地図を示す図であり、表示画面上の地図をズームアップする第2の例を説明するための図である。6Aは河口付近の地図であり、通常モニタブロック6の表示画面に表示される倍率、すなわち予め設定されている最も小さい倍率による地図である。斜線部611(便宜上斜線で示しているが、実際は緑色になる)は陸上の平野を示しており、空白部612(実際は青色になる)は海を示しており、空白部613(実際は青色になる)は川を示している。
【0031】
6Aの状態から縮尺変更/チューニングキー31にて縮尺が大きくなるよう段階的に操作されると、所定部(一般に自動車の進行方向上の一点)を中心にして、例えば枠601、602、603に示す範囲で順にズームアップされ、各領域が拡大される。また、縮尺変更/チューニングキー31にて縮尺が小さくなるよう段階的に操作されると、枠603、602、601に示す範囲で順にズームダウンされ、各領域が縮小される。
【0032】
6Bは、縮尺変更/チューニングキー31にて縮尺が最大になるよう操作され、枠603に示す範囲がズームアップされた状態を示しており、陸と海と川が表示されている。すなわち6Bは、河口と湾岸近海が入り組んだ付近を拡大した地図である。このような場合従来のナビゲーション装置では、海と川が画面の大半を占有し青色になっているため、使用者は海と川を識別できず、画面上の海と川の位置関係に誤解を生じる。しかしながら本実施の形態によれば、図6の6Bに示すように画面上に図4の(a)に示した「海(沿岸)」を示す記号614と図4の(c)に示した「川」を示す記号615がそれぞれ複数点在して(あるいは一個)表示されるので、画面上の海と川の位置関係が明確になり、使用者は海と川を識別できる。
【0033】
図7は、本第1の実施の形態によるナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。以下、当該ナビゲーション装置の動作を図7を基に説明する。通常時、モニタブロック6の表示画面には予め設定されている最も小さい倍率による地図が表示されている。まずステップS1で、CPU10は縮尺変更/チューニングキー31が操作されたことを、キー入力ブロック4から検知すると、ステップS2で、その縮尺変更/チューニングキー31の動作に応じて地図画面を拡大、すなわちズームアップする。
【0034】
そしてステップS3で、CPU10はその画面上に100%同色(同属性)の色が表示されているか否かを判定する。ここで100%同色である場合(図5に504で示した状態)、ステップS4で、CPU10はCD−ROM51からその属性(“画面の色”「青1」)に合った記号(“記号”「記号1」)を読み出し、その記号を拡大地図上の該当する箇所に表示する(図5に5Bで示した状態)。また、上記ステップS3で100%同色でない場合、ステップS5で、CPU10は画面の50%以上が、海、川、湖、池の四種類(山、林等や畑、水田、平野、盆地でもよい)のうち二種類以上で占有されているか否かを判定する。
【0035】
ここで占有されている場合(図6に603で示した状態)、ステップS6で、CPU10は各種類(海、川)に対応した記号(“記号”「記号1」、“記号”「記号3」)をCD−ROM51から読み出し、それらの記号をそれぞれ拡大された地図上の該当する箇所に表示する(図6に6Bで示した状態)。また上記ステップS5で、占有されていない場合、ステップS7で、拡大された地図のみを表示し、前述した記号は表示しない。
【0036】
(第2の実施の形態)
以下、GPSを利用した自動車用ナビゲーション装置に本発明を適用した場合の第2の実施の形態について、図面を基に説明する。本第2の実施の形態に係るナビゲーション装置の回路構成は、図1に示したものと同様であり、またリモコンユニット20の外観構成は図2に示したものと同様である。
【0037】
図8は、本第2の実施の形態によるナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。以下、当該ナビゲーション装置の動作を図8を基に説明する。通常時、モニタブロック6の表示画面には予め設定されている最も小さい倍率による地図が表示されている。まずステップS11で、CPU10は縮尺変更/チューニングキー31が操作されたことを、キー入力ブロック4から検知すると、ステップS12で、その縮尺変更/チューニングキー31の動作に応じて地図画面を拡大、すなわちズームアップする。
【0038】
そしてステップS13で、CPU10はその画面上に100%同色(同属性)の色が表示されているか否かを判定する。ここで100%同色である場合(図5に504で示した状態)、ステップS14で、CPU10は拡大された画面と拡大される前の画面とを、1秒毎交互に計10秒間表示する。このとき、前記拡大された画面に上記第1の実施の形態にて図5の5B,図6の6Bに示したように、“画面の色”に対応する“記号”を地図上に表示させるようにしてもよい。
【0039】
次に、ステップS15で、CPU10は前記10秒間以内に、リモコンユニット20のSELECTキー36が操作されることにより、前記拡大された画面と前記拡大される前の画面のどちらかが選択されたかを判定する。なおCPU10は、前記10秒間以内において、前記拡大された画面が表示されてるときにSELECTキー36が押下されると前記拡大された画面が選択され、前記拡大される前の画面表示されてるときにSELECTキー36が押下されると前記拡大される前の画面が選択されたものと判定する。
【0040】
ここで、どちらかが選択された場合、ステップS16で、CPU10はその選択された画面を表示することを確定し、以降その選択された画面を表示する。また、上記ステップS15で選択されない場合、ステップS17で、CPU10は前記拡大された画面を表示する。
【0041】
なお、本実施の形態におけるステップS13の判定を行なわずに、通常のズームアップ操作が行なわれる毎に、拡大された画面(土地の状態を示す“記号”は表示されない)と拡大される前の画面を1秒毎交互に計10秒間表示し、前記10秒以内において、前記拡大された画面が表示されてるときにSELECTキー36が押下されると前記拡大された画面が選択され、前記拡大される前の画面が表示されてるときにSELECTキー36が押下されると前記拡大される前の画面が選択されたものと判定し、以降その選択された画面を表示するようにしてもよい。
【0042】
また、上記各実施の形態では、表示地図上の色が全て土地の状態を示す一種類の色にて占められているか否かを判定するようにしたが、所定割合以上(例えば、80%以上)占められているかを判定するようにしてもよい。
【0043】
また上記各実施の形態では、土地の状態に対応する“記号”を前記地図上に表示することで地図上の土地の状態を報知するようにしたが、それ以外に、RAM9に記憶されている音声メッセージ(例えば、「この画面は全面が海です」)を音声出力ブロック7のスピーカから出力することで報知することもできる。同様に、RAM9に記憶されている表示メッセージ(例えば、“全面海”)をモニタブロック6の表示画面に表示することで報知することもできる。また、これらを適宜組み合わせて報知することもできる。
【0044】
また、海(青色)が表示画面全体に表示された場合、陸地方向を指示するための指示表示を行なうようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、地図を拡大した場合について説明したが、地図をスクロールさせた場合も地図上の土地の状態を報知するものとする。
【0045】
また、上記各実施の形態では、本発明を実現するための動プログラムをROMに記憶する場合について説明したが、装置本体に対して着脱可能な記録媒体、例えばCD−ROM、ICカード等に記憶するようにしてもよい。
【0046】
また、上記各実施の形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した場合について説明したが、例えば地図を表示するパソコン等に適用してもよく、要は地図表示できるものであれば、本発明を適用することができる。
【0047】
なお、本発明は上記各実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施できる。
(実施の形態のまとめ)
実施の形態に示された構成および作用効果をまとめると次の通りである。
[1]実施の形態に示された地図表示装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶手段(51)と、この地図情報記憶手段(51)に記憶されている地図情報を基に所望の土地周辺の地図を表示する地図表示手段(6)と、この地図表示手段(6)で表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められている場合、前記土地の状態を報知する報知手段(6,7)と、から構成されている。
【0048】
このように上記地図表示装置においては、地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められている場合、前記土地の状態を報知するので、使用者は当該地図表示装置の操作時に画面上の地図をスクロールしたり、前記地図の一部を拡大表示させる等の操作を行なったとき、従来であれば画面に道路等が全く無く、例えば海のみ、山のみ、平野のみ等のため一種類の色になり、土地の状態が認識できなかったものが認識できるようになる。よって使用者は、当該地図表示装置がソフトウェア処理中に誤動作した等と誤解することがなくなり、正常に動作していることを認識することができる。このため使用者は、従来のようにズームアップした後再び地図の縮尺を小さく変えてズームダウンし、以前使用していた小さな縮尺による広範囲の地図を表示させ自車の位置を再認識した後、再度ズームアップする地図上の位置を選択する、といった煩雑な操作をする必要がなくなる。
[2]実施の形態に示された地図表示装置は上記[1]に記載の装置であって、かつ前記報知手段(6)は、前記少なくとも一種類の色に対応する土地の状態を示す記号を前記地図表示手段(6)に表示される地図上の前記少なくとも一種類の色に対応する箇所に表示するよう構成されている。
【0049】
このように上記地図表示装置においては、前記報知手段(6)は、前記少なくとも一種類の色に対応する土地の状態を示す記号を前記地図上の前記少なくとも一種類の色に対応する箇所に表示するので、使用者は前記土地の状態を視覚的に知ることができる。
[3]実施の形態に示された地図表示装置は上記[1]に記載の装置であって、かつ前記報知手段(6)は、メッセージを表示することで報知するよう構成されている。
【0050】
このように上記地図表示装置においては、前記報知手段(6)は、メッセージを表示することで報知するので、使用者は前記土地の状態を前記メッセージを読むことで知ることができる。
[4]実施の形態に示された地図表示装置は上記[1]に記載の装置であって、かつ前記報知手段(7)は、音声メッセージにより報知するよう構成されている。
【0051】
このように上記地図表示装置においては、前記報知手段(7)は、音声メッセージにより報知するので、使用者は前記土地の状態を前記音声メッセージを聞くことにより知ることができる。
[5]実施の形態に示された地図表示装置は上記[1]に記載の装置であって、かつ前記報知手段(6)は、前記地図表示手段(6)により表示された現地図と該現地図が表示される前に先行して表示されていた先行地図を所定期間交互に表示する表示手段(6)を備えている。
【0052】
このように上記地図表示装置においては、前記報知手段(6)は、現地図と先行地図を所定期間交互に表示するので、使用者は現地図と先行地図を交互に見ることができ、それらの差異を認識できる。
[6]実施の形態に示された地図表示装置は上記[5]に記載の装置であって、かつ前記所定期間中、前記表示手段(6)で表示される前記現地図と前記先行地図のいずれかを選択することで、以降表示する地図を決定する選択手段(10,36)を備えている。
【0053】
このように上記地図表示装置においては、前記所定期間中表示される前記現地図と前記先行地図のいずれかを選択することで、以降表示する地図を決定するので、使用者は状況に応じて以降前記先行地図の一部を拡大した地図を表示することを選択できる。
[7]実施の形態に示された地図表示装置は上記[6]に記載の装置であって、かつ前記選択手段(10,36)で選択がなされなかった場合、以降前記現地図を表示するよう構成されている。
【0054】
このように上記地図表示装置においては、前記選択手段(10,36)で選択がなされなかった場合、以降前記現地図を表示するので、使用者は選択操作をせずとも前記先行地図のスクロール後の地図の一部を拡大した地図を表示させることができる
【0055】
[8]実施の形態に示された地図状態報知方法は、地図情報を基に所望の土地周辺の地図を表示する地図表示手段(6)で表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められている場合、前記土地の状態を報知する。
【0056】
このように上記地図状態報知方法においては、地図表示手段(6)で表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められている場合、前記土地の状態を報知するので、使用者は表示画面上の地図をスクロールしたり、前記地図の一部を拡大表示させる等の操作を行なったとき、従来であれば表示画面に道路等が全く無く、例えば海のみ、山のみ、平野のみ等のため一種類の色になり、土地の状態が認識できなかったものが認識できるようになる。よって使用者は、当該方法によるソフトウェア処理中に誤動作した等と誤解することがなくなり、正常に動作していることを認識することができる。このため使用者は、従来のようにズームアップした後再び地図の縮尺を小さく変えてズームダウンし、以前使用していた小さな縮尺による広範囲の地図を表示させ自車の位置を再認識した後、再度ズームアップする地図上の位置を選択する、といった煩雑な操作をする必要がなくなる
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、地図上に表示される土地の状態を容易に認識できる地図表示装置及び地図状態報知方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の回路構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係るリモコンユニットの外観構成を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る“土地の状態”と“画面の色”と“記号”が対応付けられたテーブルを示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る地図表示に用いられる“記号”を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る表示画面に表示される地図を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る表示画面に表示される地図を示す図。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…アンテナ
2…GPSブロック
3…グラフィックブロック
4…キー入力ブロック
5…CDブロック
51…CD−ROM
6…モニタブロック
7…音声出力ブロック
8…ROM
9…RAM
10…CPU
11…CPU周辺回路ゲートアレイ(G/A)
12…ビデオRAM
13…グラフィックコントローラ
20…リモコンユニット
21…リモコン本体ケース
22…電源スイッチ
23…電源LED
24…NAVI/CDキー
25…TVキー
26…FM/DATAキー
27…MENUキー
28…カーソルキー
29…ENTERキー
30…ポジションキー
31…縮尺変更/チューニングキー
32…MARKキー
33…POINTキー
34…HOMEキー
35…VIDEOキー
36…SELECTキー

Claims (8)

  1. 地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
    この地図情報記憶手段に記憶されている地図情報を基に所望の土地周辺の地図を表示する地図表示手段と、
    この地図表示手段で表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められていることを判断する判断手段と、
    前記判断手段の結果により前記土地の状態を報知する報知手段と、
    を具備したことを特徴とする地図表示装置。
  2. 前記報知手段は、前記少なくとも一種類の色に対応する土地の状態を示す記号を前記地図表示手段に表示される地図上の前記少なくとも一種類の色に対応する箇所に表示することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
  3. 前記報知手段は、メッセージを表示することで報知することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
  4. 前記報知手段は、音声メッセージにより報知することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
  5. 前記報知手段は、前記地図表示手段により表示された現地図と該現地図が表示される前に先行して表示されていた先行地図を所定期間交互に表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
  6. 前記所定期間中、前記表示手段で表示される前記現地図と前記先行地図のいずれかを選択することで、以降表示する地図を決定する選択手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の地図表示装置。
  7. 前記選択手段で選択がなされなかった場合、以降前記現地図を表示することを特徴とする請求項6に記載の地図表示装置。
  8. 地図情報を基に所望の土地周辺の地図を表示する地図表示工程と、
    前記地図表示工程で表示される地図上の色が、土地の状態を示す少なくとも一種類の色にて所定割合以上占められていることを判断する判断工程と、
    前記判断工程の結果により前記土地の状態を報知する報知工程と、
    を有する地図状態報知方法。
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