JP3586559B2 - サイレンサの取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関用排気ターボ過給機(以下過給機という)等における吸気消音用のサイレンサの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4〜図5はディーゼル機関用過給機の従来技術の1例を示し、図4は過給機及びサイレンサの側面図でサイレンサを過給機から取外した状態、図5は該サイレンサの断面図である。
図4において、1は過給機であり、次のように構成される。即ち、11はエンジンからの排気ガスによって回転区動される排気タービン、12は大気を吸入して加圧し、エンジンに送るコンプレッサで、該排気タービン11とコンプレッサ12とはロータ軸(不図示)によって直結されている。13は該ロータ軸用の軸受(不図示)が収納される軸受箱である。
【0003】
2は吸気を消音するとともに吸気中の異物を捕獲するサイレンサである。該サイレンサ2は、図5に示すように、内部に吸音エレメント24が収納され、ケース25の外側から内部を貫通した複数のボルト21及びナット22によって箱状に組立てられている。
そして該サイレンサ2は、一端がケース25に固定されたバンド15の取付部26を前記コンプレッサ12のコンプレッサケース14の外周取付部に組み合わせ、外側から該バンド15をボルト15aによって締め付けることにより、前記コンプレッサケース14に固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図4〜図5に示す従来技術にかかる過給機1において、サイレンサ2の点検、整備時等を行なう際に該サイレンサ2を過給機1から取外すときには、バンド15の締付けボルト15aを弛めてバンド15とコンプレッサケース14との結合を弛めた後、図4に示すように、該サイレンサ2を軸方向に移動させて、バンド15の取付部26の先端がコンプレッサケース14の端面14aから外れるようにして取り外す。
【0005】
従って、かかる従来技術においては、前記サイレンサ2を取外すため、図4にl にて示すように、前記バンド15の幅、即ち前記取付部26の突出長さに相当する取外し代が必要となり、このためサイレンサ2の取外しのためのスペースが必要となって、過給機の設置スペースが拡大してコンパクト性が阻害されるとともに、上記取外し代が点検、整備作業の障害になるという課題がある。
【0006】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、サイレンサの取外し、取付けのための取付代を短縮することにより、サイレンサを含む過給機の設置スペースを低減してコンパクト化するとともに、点検整備を支障なく施行可能として、整備性が向上された過給機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するため、その第1発明として、ケーシングの外周取付部にバンドによって締め付け固定されるサイレンサにおいて、前記サイレンサの本体部分に含まれ、前記ケーシング側に位置するプレートに、前記バンドの前記締め付け部とは反対側に設けられた延長部をボルトによって着脱自在としたことを特徴とするサイレンサの取付構造を提案する。
【0008】
また第2発明は前記第1発明に加えて、前記プレートの内側に複数のスペーサを固着し、該スペーサの前記本体内側の部位に該本体の外側から本体内を貫通するボルトに螺合されるねじ部を設けるとともに、前記ねじ部とは反対側の部位に前記バンドの取付用ボルトが螺合されるねじ孔を設けてなる。
【0009】
かかる発明によれば、サイレンサをケーシングから取り外す際には、バンドの締め付け用ボルトを弛めて、スペーサのねじ孔から抜き出す。
これによって、バンドがケーシングに固定されたまま、サイレンサの本体部分のみをケーシングから取外すことが可能となる。
【0010】
この際において、サイレンサの本体部分を移動させて、ケーシングから離すには、該本体部分をバンドから外れる程度の量つまりバンドの結合代だけ移動させれば済むので、従来技術に較べてきわめて小さい取外し代で以ってサイレンサを取外すことができ、サイレンサの取外しのためのスペースを縮小することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0012】
図1は過給機及びサイレンサの側面図でサイレンサを過給機から取外した状態、図2は該サイレンサの断面図である。
図1において、1は過給機であり、次のように構成される。11はエンジンからの排気ガスによって回転駆動される排気タービン、12は大気を吸入して加圧し、エンジンに送るコンプレッサで、該排気ガスタービン11とコンプレッサ12とはロータ軸(不図示)によって直結されている。13は該ロータ軸用の軸受(不図示)が収納される軸受箱である。
【0013】
2はサイレンサで、過給機1のコンプレッサ12に導入される吸気の音を消音するとともに、吸気中の異物を捕獲するものである。該サイレンサ2は、図2に示すようにケース25の内部に複数の吸音エレメント24が収納されてなり、本体30とバンド33とに分離可能に構成されている。
即ち、32は前記本体30のプレートであり、該プレート32の内側には複数のスペーサ35が溶接により固定され、該スペーサ35の内周には、両側面から所定深さに亘ってねじ孔35a及び35bが設けられている。
【0014】
そして、前記各スペーサ35の内部側のねじ孔35bには前記本体30内に挿通されたボルト34がねじ込まれるとともに、外部側のねじ孔35aには後述するように、バンド33を締め付けるためのボルト31がねじ込まれている。
【0015】
33はバンドで、一端側延長部33aが前記本体30のケース25の全周と均等に当接可能になるように形成され、他端側には前記コンプレッサケース14の外周に締め付けるための取付部33bが突設されている。15aはバンド締め付け用のボルトである。また該バンド33は前記プレート32の外面に合せられて、前記スペーサ35と同数個のボルト31により該スペーサ35及びプレート32に締付けられている。
【0016】
かかる構成からなる過給機1において、サイレンサ2をコンプレッサケース14から取り外す際には、複数のボルト31を弛めてスペーサ35のねじ孔35aから抜き出すと、サイレンサ2の本体30からバンド33が取り外し可能となる。
そして、バンド33をコンプレッサケース14に残したまま、バンド33の外側のケース25への接合部の長さl だけ本体30を外側(コンプレッサケース14と反対側)に移動させれば、図1に示すように、コンプレッサケース14から容易に取外される。
【0017】
この際において、スペーサ35はサイレンサ本体30の一面を構成するプレート32に固定されるとともに本体30の外側からボルト34によって締め上げられているので、前記のようにボルト31を抜き、バンド33を分離させても該本体30が分解されることはない。
【0018】
従って、かかる実施形態によれば、サイレンサ2の本体30を、バンド33の組み合せ代l だけ移動させれば、サイレンサ2の取り外しが可能となり、従来技術に較べて極めて小さい取外し代で以ってサイレンサ2を取外すことができる。
【0019】
また、前記のようにしてサイレンサの本体30を取り外した後、図1の形態になっているバンド33を取り外すには、従来技術と同様、ボルト15aを弛めて該バンド33をコンプレッサケース14から軸方向に抜き出せばよい。
【0020】
図3は本発明に係るサイレンサ2及び過給機1を搭載したディーゼルエンジンの平面図である。図3において100はエンジン、101は給気管、102は排気管、103は空気冷却器である。
同図に示されるように、サイレンサ2の周りは空気冷却器103及びその取付用部材、給気系の各部材等のエンジン構成部材が隙間なく設置されており、スペース面で大きな制約があるが、本発明に係るサイレンサ2の取外し代Lが従来技術の1/4程度に減少し、これによってサイレンサ2の取外しや点検、整備が大幅に容易化される。
【0021】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、サイレンサケーシングから取外す際には、バンドの締付け用ボルトをプレートに固着されたスペーサのねじ孔から抜き出すことにより、バンドがケーシングに残されたままサイレンサの本体部分のみを容易にケーシングから取り外すことができる。
【0022】
この際において、サイレンサの本体部分をバンドの本体部分への結合代だけ移動させれば、本体部分の取外しが可能となるので、従来技術に較べてきわめて小さい取外し代で以ってサイレンサの取外しが可能となる。
従って、本発明によれば、従来技術に較べてサイレンサ取外しのためのスペースが大幅に縮小されて、前記ケーシングが装着される過給機等の設置スペースが縮小されてコンパクトとなり、また、前記のようにサイレンサの取外しが容易となることによって点検整備作業も容易に、かつその時間も短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる過給機及びサイレンサの側面図(サイレンサの取外し時)である。
【図2】上記実施形態におけるサイレンサの断面図である。
【図3】本発明が適用される過給機を搭載した内燃機関の平面図である。
【図4】従来技術に係る過給機及びサイレンサを示す図1の対応図である。
【図5】従来技術に係るサイレンサを示す図2の対応図である。
【符号の説明】
1 過給機
2 サイレンサ
14 コンプレッサケース
30 サイレンサの本体
31 ボルト(バンド締付用)
32 プレート
33 バンド
33a 取付部
33b 延長部
34 ボルト(本体用)
35 スペーサ

Claims (2)

  1. ケーシングの外周取付部にバンドによって締め付け固定されるサイレンサにおいて、
    前記サイレンサの本体部分に含まれ前記ケーシング側に位置するプレートに、前記バンドの前記締め付け部とは反対側に設けられた延長部をボルトによって着脱自在としたことを特徴とするサイレンサの取付構造。
  2. 前記プレートの内側に複数のスペーサを固着し、該スペーサの前記本体内側の部位に該本体の外側から本体内を貫通するボルトに螺合されるねじ部を設けるとともに、前記ねじ部とは反対側の部位に前記バンドの取付用ボルトが螺合されるねじ孔を設けてなる請求項1記載のサイレンサの取付構造。
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