JP3585855B2 - サイドパネル組立ライン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサイドパネルを組立てるサイドパネル組立ラインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のサイドパネル組立ラインとして、特開昭62−263876号公報により、セットステーションとセットステーションの下流側の溶接ステーションと溶接ステーションの下流側の次作業ステーションとを備え、サイドパネルを起立姿勢で横方向から保持可能なセット治具を搭載した第1と第2の2台の治具台車を夫々セットステーションと溶接ステーションとの間及び溶接ステーションと次作業ステーションとの間に往復動自在に設けると共に、溶接ステーションにサイドパネルを起立姿勢で保持する上部と下部のクランプ部材と溶接ロボットとを配置し、第1治具台車によりセットステーションから溶接ステーションに搬送されたサイドパネルを溶接ステーションのクランプ部材に受取らせた状態で溶接ロボットにより溶接し、溶接後サイドパネルを第2治具台車に受渡して次作業ステーションに搬送するようにしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のものでは、2台の治具台車とは別に溶接ステーションにサイドパネル用のクランプ部材を設ける必要があって、設備費が高くなり、また、溶接ステーションでの溶接作業完了後、クランプ部材に保持されるサイドパネルを第2治具台車に受渡して次作業ステーションに搬送する必要があるため、第2治具台車へのサイドパネルの受渡しに要する時間がロスタイムとなって、サイクルタイムが長くなる不具合がある。
【0004】
本発明は、以上の点に鑑み、溶接ステーションにサイドパネル用のクランプ部材を設けずに済むようにして、設備費の低廉化とサイクルタイムの短縮とを図れるようにしたサイドパネル組立ラインを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、セットステーションとセットステーションの下流側の溶接ステーションと溶接ステーションの下流側の次作業ステーションとを備える自動車用サイドパネルの組立ラインにおいて、サイドパネルを起立姿勢で横方向から保持可能なセット治具を搭載した治具台車をセットステーションと溶接ステーションとの間に往復動自在に設けると共に、下部フレームと上部フレームとを有し、下部フレームと上部フレームとの間にこれらフレームに搭載したクランプ部材を介してサイドパネルを起立姿勢で保持可能としたフレーム台車を溶接ステーションと次作業ステーションとの間に往復動自在に設け、溶接ステーションにおいて治具台車からフレーム台車にサイドパネルを受渡し自在とし、溶接ステーションに配置した溶接ロボットにより治具台車からフレーム台車への受渡し前にサイドパネルに仮付溶接を施し、受渡し後にサイドパネルに増打溶接を施すように構成している。
【0006】
本発明によれば、サイドパネルを溶接ステーションから次作業ステーションに搬送する搬送手段を上部と下部のフレームにサイドパネル用のクランプ部材を搭載して成るフレーム台車で構成しているため、溶接ステーションに治具台車が存する状態でフレーム台車を治具台車や治具台車上のセット治具に保持されるサイドパネルとの干渉を生ずることなく溶接ステーションに復動させることができる。そのため、溶接ステーションにおいて治具台車からフレーム台車にサイドパネルを直接受渡すことができ、溶接ステーションにサイドパネル用のクランプ部材を設けずに済む。
【0007】
ここで、治具台車上のセット治具にサイドパネルを保持させた状態では、セット治具が邪魔になってサイドパネルの溶接可能な打点位置が制約される。そこで、治具台車からフレーム台車へのサイドパネルの受渡し前に、必要最小限の打点位置を溶接する仮付け溶接を行い、受渡し後に残りの打点位置を溶接する増打溶接を行う。そして、増打溶接後、サイドパネルをフレーム台車に保持したまま次作業ステーションに搬送できるため、サイクルタイムの短縮を図れる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は自動車の左右のサイドパネルW,Wを組立てるサイドパネル組立ラインを示している。サイドパネルWは、図13に示す如く、アウタスキンWaにアウタスティフナWbとフロントピラーインナWcとセンタピラーインナWdとリヤインナWeといった各種インナ部材を溶接して組立てられる。
【0009】
サイドパネル組立ラインには、ライン上流端から順に投入ステーションST1と第1セットステーションST2と第1溶接ステーションST3と第2セットステーションST4と第2溶接ステーションST5と払出しステーションST6とが直列に配置されている。そして、投入ステーションST1において、該ステーションST1の両側部に配置したアウタ投入ロボット1と塗布ロボット2とにより左右のサイドパネルW,WのアウタスキンWaの投入作業及びアウタスキンWaに対するシーリング剤の塗布作業を行い、第1セットステーションST2において、該ステーションST2の両側部に配置したインナセットロボット3により左右のサイドパネルW,WのアウタスキンWaに対するアウタスティフナWbから成るインナ部材のセット作業を行い、第1溶接ステーションST3において、該ステーションST3の両側部に配置した溶接ロボット4により左右のサイドパネルW,WのアウタスキンWaに対するアウタスティフナWbの溶接作業を行い、第2セットステーションST4において、該ステーションST4の両側部に配置したインナセットロボット5により左右のサイドパネルW,WのアウタスキンWaに対するフロントピラーインナWc、センターピラーインナWd及びリヤインナWeから成るインナ部材のセット作業を行い、第2溶接ステーションST5において、該ステーションST5の両側部に配置した溶接ロボット6により左右のサイドパネルW,WのアウタスキンWaに対する上記インナ部材Wc,Wd,Weの溶接作業を行って左右のサイドパネルW,Wを組立て、払出しステーションST6において、該ステーションST6の両側部に配置した払出しロボット7により左右のサイドパネルW,Wを図外のオーバーヘッドコンベアに払出すようにしている。
【0010】
また、サイドパネル組立ラインには、第1乃至第3の各左右1対のフレーム台車81,82,83と第1と第2の各左右1対の治具台車91,92とが設けられている。そして、第1フレーム台車81を投入ステーションST1と第1セットステーションST2とに往復動自在とし、第1治具台車91を第1セットステーションST2と第1溶接ステーションST3とに往復動自在とし、第2フレーム台車82を第1溶接ステーションST3と第2セットステーションST4とに往復動自在とし、第2治具台車92を第2セットステーションST4と第2溶接ステーションST5とに往復動自在とし、第3フレーム台車を第2溶接ステーションST5と払出しステーションST6とに往復動自在としている。
【0011】
各フレーム台車81,82,83は、図3及び図4に示す如く、ライン長手方向たる前後方向に長手の下部フレーム80と、前後方向に長手の上部フレーム81とを備えている。下部フレーム80には、サイドパネルWの下縁部を把持する前後3個のクランプ部材821,822,823が搭載され、また、上部フレーム81には、左右の各サイドパネルWの上縁部を把持する前後3個のクランプ部材831,832,833が搭載されており、下部フレーム80と上部フレーム82との間にこれらクランプ部材821,822,823,831,832,833を介してサイドパネルWをその車幅方向外側面を横方向内方に向けた内向きの起立姿勢で保持できるようにしている。
【0012】
また、ライン床部に横方向外側の第1下部軌道フレーム101と横方向内側の第2下部軌道フレーム102とを夫々左右対称に各1対に並設すると共に、ラインの上方に複数の支柱11を介して上部軌道フレーム12を左右対称に1対に並設し、左右各側の各フレーム台車81,82,83の下部フレーム80を左右各側の第1下部軌道フレーム101の上面外側部に固定したガイドレール10a,10aに下部フレーム80の前後複数箇所に取付けたリニアガイド80aを介して移動自在に支持し、また、左右各側の各フレーム台車81,82,83の上部フレーム81を左右各側の上部軌道フレーム12に固定したガイドレール12a,12aに上部フレーム81の前後複数箇所に取付けたリニアガイド81aを介して移動自在に支持している。下部フレーム80と上部フレーム81とには、夫々、第1下部軌道フレーム101と上部軌道フレーム12とに固定したラック10b,12bに噛合する出力軸上のピニオン84a,85aを有する駆動源たるモータ84,85が搭載されており、両モータ84,85の同期制御により下部フレーム80と上部フレーム81とが互に同期してライン長手方向に自走されるようにしている。
【0013】
尚、モータ84,85が不用意に停止する停電等の異常時には、各フレーム台車81,82,83の1対の可動フレームたる下部フレーム80と上部フレーム81とが慣性の違いで前後にずれ、このずれによりサイドパネルWが変形したり、クランプ部材821〜833がダメージを受ける可能性がある。そこで、異常時の下部フレーム80と上部フレーム81の前後ずれを防止するために、下部フレーム80の移動軌跡に沿わせて配設した無端状可動部材たる第1歯付きベルト86と、上部フレーム81の移動軌跡に沿わせて配設した無端状可動部材たる第2歯付きベルト87と、第1と第2の両歯付きベルト86,87を互に同期して動くように連結する巻掛け伝動手段88とから成る同期構成を設けている。
【0014】
第1歯付きベルト86は、第1下部軌道フレーム101の横方向外側に各フレーム台車81,82,83の往復動ストロークより若干大きな間隔を存して軸設した前後1対のプーリ86a,86b間に巻掛けされており、下部フレーム80を連結片86cを介して第1歯付きベルト86に連結して、第1歯付きベルト86が下部フレーム80に連動するようにしている。また、第2歯付きベルト87は、上部軌道フレーム12の横方向内側に各フレーム台車81,82,83の往復動ストロークより若干大きな間隔を存して軸設した前後1対のプーリ87a,87b間に巻掛けされており、上部フレーム81を連結片87cを介して第2歯付きベルト87に連結して、第2歯付きベルト87が上部フレーム81に連動するようにしている。巻掛け伝動手段88は、第1と第2の両下部軌道フレーム101,102に跨らせて軸支した回転軸88aと、この回転軸88aの横方向外端に固定した第1歯付きプーリ88bと、回転軸88aの横方向内端に固定した第2歯付きプーリ88cと、支柱11に軸設した同軸上の第3歯付きプーリ88d及び第4歯付きプーリ88eと、第2歯付きプーリ88cと第3歯付きプーリ88dとの間に巻掛けした第3歯付きベルト88fとで構成されており、第1歯付きベルト86をガイドプーリ86d,86dを介して第1歯付きプーリ88bに巻掛けすると共に、第2歯付きベルト87をガイドプーリ87d,87dを介して第4歯付きプーリ88eに巻掛けしている。かくて、停電等の異常時に下部フレーム80と上部フレーム81との一方、例えば、下部フレーム80が慣性力で上部フレーム81に対しオーバーランしようとすると、下部フレーム80の慣性力が第1歯付きベルト86と第1歯付きプーリ88bと回転軸88aと第2歯付きプーリ88cと第3歯付きベルト88fと第3歯付きプーリ88dと第4歯付きプーリ88eと第2歯付きベルト87とを介して上部フレーム81に伝達されて、上部フレーム81が下部フレーム80に追従して動き、両フレーム80,81の前後ずれが防止される。尚、第1乃至第3の各歯付きベルト86,87,88fに代えてチェーンを用いることも可能である。図中86e,87e,88gはテンションプーリである。
【0015】
前記各クランプ部材821〜833は、サイドパネルWの機種変更に対処し得るように、下部フレーム80と上部フレーム81とに位置調整自在に搭載されている。これを詳述するに、下部フレーム80と上部フレーム81とを含む面に略直交する横方向の座標軸をX軸、X軸に直交する上下方向の座標軸をY軸として、下部フレーム80に搭載する前側と中間の各クランプ部材821,822及び上部フレーム81に搭載する前側と中間の各クランプ部材831,832の位置調整機構は、夫々、図3、図5及び図6に示す如く各フレーム80,81に固定したX軸方向に長手のガイド枠82a,83aと、該各ガイド枠82a,83aにサーボモータ82b,83bにより送りねじ機構を介してX軸方向に移動自在に支持されるY軸方向に長手のガイド枠82c,83cと、該各ガイド枠82c,83cにサーボモータ82d,83dにより送りねじ機構を介してY軸方向に移動自在に支持される可動体82e,83eとを有する2軸直交座標型可動機構で構成されており、これら各位置調整機構の可動体82e,83eに上記各クランプ部材821,822,831,832を支持アーム82f,83fを介して取付けている。下部フレーム80に搭載する後側のクランプ部材823の位置調整機構は、図3及び図4に示す如く、下部フレーム80に固定した前後方向に長手のガイド枠82gに、上記可動機構と同様のX軸方向ガイド枠82aとY軸方向ガイド枠82cと可動体82eとを有する2軸直交座標型可動機構をそのX軸方向ガイド枠82aにおいて支持し、サーボモータ82hにより送りねじ機構を介してX軸方向ガイド枠82aを前後方向に移動自在とするように構成されている。また、上部フレーム81に搭載する後側のクランプ部材833の位置調整機構は、図3及び図4に示す如く、上部フレーム81に固定した斜め上下方向に長手のガイド枠83gに、上記可動機構と同様のX軸方向ガイド枠83aとY軸方向ガイド枠83cと可動体83eとを有する2軸直交座標型可動機構をそのX軸方向ガイド枠83aにおいて支持し、シリンダ83hによりX軸方向ガイド枠83aを斜め上下方向に移動自在とするように構成されている。
【0016】
各治具台車91,92は、図7乃至図9に示す如く、前記第1と第2の両下部軌道フレーム101,102の上面に固定したガイドレール10c,10cに下面両側部のリニアガイド90aを介して移動自在に支持される台車本体90上に、サイドパネル用のクランプ部材(図示せず)を複数取付けた、サイドパネルWを夫々内向きの起立姿勢で横方向から保持可能なセット治具91を搭載して成るものに構成されている。そして、台車本体90の一端に、第1下部軌道フレーム101の内側面に固定したラック10dに噛合する出力軸上のピニオン92aを有するモータ92を取付けて、各治具台車91,92をモータ92の作動でガイドレール10cに沿ってライン長手方向に自走させるようにしている。
【0017】
前記セット治具91は、台車本体90上に、各フレーム台車81,82,83との間でのサイドパネルWの受渡しを行う横方向外方の受渡し位置と横方向内方の引込み位置とに進退自在に支持されている。これを詳述するに、台車本体90上に、図9及び図10に示す如く、セット治具91を支持するの支持板93を、台車本体90に固定されるX軸方向に長手の前後複数のガイド枠94に沿ってX軸方向に移動自在に設け、支持板93をサーボモータ95により送りねじ機構95aを介してX軸方向に移動させ、支持板93に支持されるセット治具91をX軸方向外方の受渡し位置とX軸方向内方の引込み位置とに進退させるようにしている。
【0018】
セット治具91はサイドパネルWの機種に応じた専用治具に構成されており、支持板93に設けた複数の治具クランパ96によってセット治具91を支持板93上に着脱自在に支持している。また、各治具台車91,92の前後両端部に夫々シリンダ97aで昇降される昇降レール97,97を設けると共に、セット治具91の前後両端にローラ91a,91aを取付けている。そして、治具交換に際し、セット治具91を引込み位置に退動させこの状態で治具クランパ96をアンクランプして昇降レール97を上昇させ、セット治具91を昇降レール97によりローラ91aを介して支持板93から押し上げるようにしている。
【0019】
サイドパネルWの組立てに際しては、先ず、投入ステーションST1において、左右各側の第1フレーム台車81の下部フレーム80と上部フレーム81との間に各アウタ投入ロボット1により左右の各サイドパネルWのアウタスキンWaを振り込んで、このアウタスキンWaを下部フレーム80と上部フレーム81とに搭載したクランプ部材821,822,823,831,832,833を介して第1フレーム台車81に保持した後、アウタスキンWaに塗布ロボット2によりシーリング剤を塗布する。
【0020】
次に、第1フレーム台車81を第1セットステーションST2に往動させると共に、第1治具台車91を第1セットステーションST2に復動させて、第1治具台車91上のセット治具91を受渡し位置に進出させる。そして、第1フレーム台車81に保持されるアウタスキンWaにインナセットロボット3によりインナ部材の1つであるアウタスティフナWbをセットして、セット治具91にアウタスキンWaをアウタスティフナWbと共に保持し、次に、セット治具91を引込み位置に退動させ、この状態で第1フレーム台車81を投入ステーションST1に復動させると共に、第1治具台車91を第1溶接ステーションST3に往動させ、溶接ロボット4によりアウタスキンWaにアウタスティフナWbを仮付け溶接する。
【0021】
そして、仮付け溶接中に第2フレーム台車82を第1溶接ステーションST3に復動させ、仮付け溶接後、第1治具台車81上のセット治具91を受渡し位置に進出させて、アウタスキンWaを第2フレーム台車82にその下部フレーム80と上部フレーム82とに搭載したクランプ部材821,822,823,831,832,833を介して保持する。次に、セット治具91を引込み位置に退動させ、この状態で第1治具台車81を第1セットステーションST2に復動させると共に、第2フレーム台車82に保持されるアウタスキンWaにアウタスティフナWbを溶接ロボット4により増打溶接する。
【0022】
増打溶接後、第2フレーム台車82を第2セットステーションST4に往動させると共に、第2治具台車92を第2セットステーションST4に復動させて、第2治具台車92上のセット治具91を受渡し位置に進出させる。そして、第2フレーム台車82に保持されるアウタスキンWaにインナセットロボット5によりフロントピラーインナWcとセンタピラーインナWdとリヤインナWeとから成るインナ部材をセットして、セット治具91にアウタスキンWaをこれらインナ部材Wc,Wd,Weと共に保持し、この状態で第2フレーム台車82を第1溶接ステーションST3に復動させると共に、第2治具台車92を第2溶接ステーションST5に往動させ、溶接ロボット6によりアウタスキンWaに上記インナ部材Wc,Wd,Weを仮付け溶接する。
【0023】
そして、仮付け溶接中に、第3フレーム台車83を第2溶接ステーションST5に復動させ、この状態で第2治具台車92上のセット治具91を受渡し位置に進出させて、サイドパネルWを第3フレーム台車83にその下部フレーム80と上部フレーム82とに搭載したクランプ部材821,822,823,831,832,833を介して保持する。次に、セット治具91を引込み位置に退動させ、この状態で第2治具台車92を第2セットステーションST4に復動させると共に、第3フレーム台車83に保持されるサイドパネルWに溶接ロボット6による増打溶接を施す。そして、増打溶接後、第3フレーム台車83を払出しステーションST6に往動させ、払出しロボット6によりサイドパネルWの払出し作業を行う。
【0024】
以上、第1セットステーションST2から第1溶接ステーションST3を経て次作業ステーションたる第2セットステーションST4に至るライン部分と、第2セットステーションST4から第2溶接ステーションST5を経て次作業ステーションたる払出しステーションST6に至るライン部分とに夫々本発明を適用した実施形態について説明したが、セットステーションと溶接ステーションとを1つ宛設け、セットステーションでアウタスキンに全てのインナ部材をセットした後、溶接ステーションでアウタパネルに全てのインナ部材を溶接してサイドパネルを組立て、溶接ステーションの次の払出しステーションでサイドパネルの払出しを行うようにした組立ラインにも同様に本発明を適用できる。
【0025】
また、上記第1実施形態では、各フレーム台車81,82,83と各治具台車91,92とを左右のサイドパネルW,W用として夫々左右1対に設けたが、図11及び図12に示す如く、各フレーム台車81,82,83と各治具台車91,92とを左右のサイドパネルW,Wに兼用可能なタイプの各1台の台車で構成することも可能である。即ち、このものでは、各フレーム台車81,82,83を、左右両側の下部フレーム80,80と、両下部フレーム80,80に跨る門形フレーム89と、門形フレーム89の上部に固定した上部フレーム81とを備えるものに構成し、左右各側の下部フレーム80に左右の各サイドパネルW用の前後3個のクランプ部材821,822,823を搭載すると共に、上部フレーム81に左右の各サイドパネルW用の前後3個のクランプ部材831,832,833を夫々左右1対に搭載し、左右各側の下部フレーム80と上部フレーム81との間にこれらクランプ部材821〜833を介して左右の各サイドパネルWを保持できるようにしている。そして、ライン床部に左右両側の軌道フレーム10,10を並設して、両軌道フレーム10,10の上面外側部に固定したガイドレール10a,10aに左右両側の下部フレーム80,80をリニアガイド80aを介して移動自在に支持すると共に、各下部フレーム80に、各軌道フレーム10の外側面に固定したラック10bに噛合する出力軸上のピニオン84aを有するモータ84を搭載し、該モータ84によりフレーム台車81,82,83がガイドレール10a,10aに沿って自走されるようにしている。クランプ部材821〜833の位置調整機構は上記第1実施形態のものと同様に構成されており、第1実施形態のものと同様の部材に上記と同一の符号を付している。
【0026】
各治具台車91,92は、左右両側の軌道フレーム10,10の上面内側部に固定したガイドレール10c,10cにリニアガイド90aを介して支持される台車本体90上に、左右のサイドパネルW,W用の左右1対のセット治具91,91を夫々左上りのX軸方向と右上りのX軸方向とに進退自在に支持している。他の構成は上記第1実施形態の治具台車と同様であり、第1実施形態のものと同様の部材に上記と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明かなように、本発明によれば、溶接ステーションにサイドパネル用のクランプ部材を設置せずに済み、設備費の低廉化を図れると共に、増打溶接後サイドパネルをフレーム台車に保持したまま次作業ステーションに搬送できるため、サイクルタイムの短縮を図ることもでき、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイドパネル組立ラインの第1実施形態の平面図
【図2】図1のII−II線から見たサイドパネル組立ラインの側面図
【図3】フレーム台車の拡大側面図
【図4】図3の左方から見たフレーム台車の正面図
【図5】図3のV−V線截断面図
【図6】図3のVI−VI線截断面図
【図7】治具台車の拡大側面図
【図8】図7の左方から見た治具台車の正面図
【図9】セット治具を取外した状態の治具台車の平面図
【図10】図9のX−X線截断面図
【図11】第2実施形態のフレーム台車と治具台車の正面図
【図12】図11の右方から見たフレーム台車の側面図
【図13】サイドパネルの分解斜視図
【符号の説明】
W サイドパネル
ST2 第1セットステーション
ST3 第1溶接ステーション
ST4 第2セットステーション(次作業ステーション)
ST5 第2溶接ステーション
ST6 払出しステーション(次作業ステーション)
81,82,83 フレーム台車
80 下部フレーム
81 上部フレーム
821,822,823 下部フレームに搭載したクランプ部材
831,832,833 上部フレームに搭載したクランプ部材
91,92 治具台車
91 セット治具
Claims (1)
- セットステーションとセットステーションの下流側の溶接ステーションと溶接ステーションの下流側の次作業ステーションとを備える自動車用サイドパネルの組立ラインにおいて、
サイドパネルを起立姿勢で横方向から保持可能なセット治具を搭載した治具台車をセットステーションと溶接ステーションとの間に往復動自在に設けると共に、
下部フレームと上部フレームとを有し、下部フレームと上部フレームとの間にこれらフレームに搭載したクランプ部材を介してサイドパネルを起立姿勢で保持可能としたフレーム台車を溶接ステーションと次作業ステーションとの間に往復動自在に設け、
溶接ステーションにおいて治具台車からフレーム台車にサイドパネルを受渡し自在とし、溶接ステーションに配置した溶接ロボットにより治具台車からフレーム台車への受渡し前にサイドパネルに仮付溶接を施し、受渡し後にサイドパネルに増打溶接を施すように構成した、
ことを特徴とするサイドパネル組立ライン。
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