JP3585141B2 - 超電導磁石装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴イメ−ジング装置(以下、MRI装置という。)に適した超電導磁石装置に係り、特に、広い開口を有することで被検者に開放感を与え、また、術者に対しては被検者へのアクセスを容易にするとともに、磁場漏洩が少なく、かつ、製造コストを低減した超電導磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6には、第1の従来例として、水平磁場方式の超電導磁石装置を示す。この超電導磁石装置1は、従来のMRI装置で多く使用されてきた筒型形状の磁石であり、直径の小さい主コイル2と直径の大きいシ−ルドコイル3とから構成されており、水平方向(Z軸方向)の磁場を発生させる。通常、コイル2、3は超電導線材を用いて作られているので、所定の温度(例えば、合金系超電導体の場合には液体ヘリウム温度(4.2K)、酸化物超電導体の場合には液体窒素温度(77K)から10K程度)にまで冷却する必要がある。そのため、コイル2、3は真空容器5や熱シ−ルド(図示せず。)及び冷媒容器6(液体ヘリウムなどの冷媒を使用)などから構成される冷却容器4の中に保持される。また、温度を低く保つために冷凍機(図示せず。)を用いて、熱シ−ルドの温度を一定に維持したり、冷媒の蒸発量を低減させたりしている。最近では、冷凍機の性能が向上してきており、超電導コイルを直接冷凍機で冷却することによって、冷媒容器6を使用しない場合もある。
【0003】
この構成の超電導磁石装置では、撮影のため被検者の入る撮影空間7(均一磁場領域に相当)が狭く、周囲を囲まれているために被検者に閉塞感を与える。このため、時には、装置内に入ることを被検者に拒否される場合もあった。また、装置の外部から術者が被検者にアクセスすることも困難であった。
【0004】
図7には、第2の従来例として鉄による磁路を用いた超電導磁石装置を示す。この超電導磁石装置は、USPNo.5194810に開示されているもので、第1の従来例の問題点である閉塞感や被検者へのアクセス困難に関し改善したものである。
この磁石は、上下に配置した冷却容器4(図7では、外側の真空容器5を示している。)内に配置した超電導コイルにより均一磁場領域7に磁場を発生させている。その超電導コイルの内側には、良好な磁場均一度を得るために、強磁性体からなる磁場均一化手段8が設けられている。更に、上下の超電導コイルが発生する磁束の帰路として、鉄板9と鉄ヨ−ク10が設けられている。また、鉄ヨ−ク10は、磁束路の役割と共に上下の構造体を機械的に支持する働きをしている。これらの材料には、機械的な強度や原価の面から一般に鉄が用いられている。
【0005】
この第2の従来例の場合には、四方が開放されているので、被検者は閉塞感を受けずに済み、術者も容易に被検者にアクセスできる。また、鉄ヨ−ク10によって磁束の帰路があるために磁束が遠くにまで広がらず、磁場漏洩を少なくできる。
【0006】
しかし、磁場均一化手段8として一般的に用いられる鉄は、磁場に対してヒステリシス特性を持つために、磁場均一化手段8の近くに配置した傾斜磁場コイル(図示せず。)が発生するパルス磁場が磁場均一化手段8内の磁場分布に影響を与える。これが磁場均一化手段8内部の磁場分布にまで影響するために、高精度な信号計測の妨げになる可能性があった。これに対しては、磁場均一化手段8に電気伝導度の低い材質を用いるなどの手段が講じられてきているがパルス磁場の強度が強い場合には十分な効果が得られていなかった。
【0007】
また、鉄の磁化特性(B−H特性)は温度依存性を持つため、鉄の温度が変化すると、MRI装置にとって重要な因子である磁場均一度が変動する要因となる。図7のような構造では、傾斜磁場コイルを磁場均一化手段8の近くに設置することが一般的であり、傾斜磁場コイルを駆動することにより発生する熱で磁場均一化手段8が加熱されるため、磁場均一化手段8の温度が変動しやすく、磁場均一度の変動の抑制が困難である。
【0008】
図8には、第3の従来例として、強磁性体で周囲を囲んだ超電導磁石装置を示す。この超電導磁石装置は、第2の従来例の問題点を解消したもので、特願平08−19503号に開示されている。図8(a)はこの超電導磁石装置の外観図、図8(b)はその縦断面図である。
図8において、超電導コイル2として通常よく使用されているNbTi線材を想定して、冷却容器4内に液体ヘリウムを収納する冷媒容器6が設けられている。装置中央の均一磁場領域7を挾んで上下対称に円形の超電導コイル2が設置されている。それに対応して、冷却容器4(及び真空容器5)も円筒形状のものが上下対称に設置され、2個の冷却容器4はその間に配した支柱11によって所定の距離を維持して支持される。更に、装置の外周には外部強磁性体群13、すなわち円板状外部強磁性体13A、円筒状外部強磁性体13B、柱状外部強磁性体13Cが配置されている。このように、超電導コイル2の周囲を外部強磁性体群13で囲むことにより、装置外部に発生する磁束について磁路が形成されるので、漏洩磁場が遠方にまで拡がることを抑制できる。
【0009】
一方、この例では超電導コイル2の配置と電流量を適切に選択することで、均一磁場領域7内の磁場を均一にしている。被検者の開放感を得るためには、超電導コイル2相互間の距離を広くし、かつ、超電導コイル2の直径を小さくする必要がある。しかし、この例でこの目標を達成するためには、磁場均一度を得るために超電導コイル2に要求される起磁力は膨大なものとなり、原価の上昇につながる。また、より高次の不整磁場が発生するため、これを消去して均一な磁場を得るために超電導コイル2の個数を増やす必要がある。このことも装置の原価上昇につながる要因となる。更に、超電導コイル2の各々に加わる電磁力も起磁力に応じて大きくなるので、構造的にも厳しい条件が要求されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来例では、被検者に開放感を与える広い開口を備えた超電導磁石装置であって、広い均一磁場領域を持ち、高い磁場強度と時間的に安定な静磁場を発生できる装置を低廉な原価で製造することは難しかった。
従って、本発明では、上記の問題を解決し、広い開口を備え、漏洩磁場が少なく、高い磁場強度をもち、時間的に安定で、かつ、広い均一磁場領域を得ることができる超電導磁石装置を低廉な原価で提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は次の解決手段によって達成される。
本発明の超電導磁石装置は、超電導特性を有する物質から構成され、有限の領域に第1の方向に向かう均一磁場を発生させるための電流を流す静磁場発生源2組が、該静磁場発生源を超電導特性を示す温度まで冷却し、維持するための冷却容器に1組ずつ収容されて、前記均一磁場領域を間に挾んで対向して配置され、外部への漏洩磁場を抑制するために前記冷却容器の周囲に強磁性体で構成された外部強磁性体群が配置され、前記均一磁場領域の周囲の前記第1の方向に直交する方向に少なくとも1箇所以上の開放面を有する超電導磁石装置において、前記冷却容器の内部の前記静磁場発生源の近傍に、強磁性体からなる1個以上の内部強磁性体(以下、内部強磁性体群という。)を配置することにより、前記均一磁場領域の内部の磁場分布を補正するものである(請求項1)。
この構成では、超電導物質から構成された静磁場発生源2組を冷却容器に収容して、均一磁場領域を基準にして対向配置したことにより、開放性の高い超電導磁石が得られ、冷却容器の外周にこれを囲むように外部強磁性体群を配置したことにより装置の外部における漏洩磁場は低減され、更に静磁場発生源の近傍に内部強磁性体群を配置したことにより静磁場発生源が発生する磁束密度分布が補正されるので、その結果として均一磁場領域の磁場分布の補正をすることができ、磁場均一度を向上させることができる。
【0012】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記静磁場発生源、並びに前記外部強磁性体群に含まれかつ磁気的に結合された円板状外部強磁性体及び円筒状外部強磁性体のそれぞれの組が、前記均一磁場領域からほぼ等距離の位置に配置されているものである(請求項2)。
この構成では、超電導磁石装置の冷却容器を囲む外部強磁性体群は円板状のものと円筒状のものを含み、両者は磁気的に結合されて椀状の外部強磁性体を構成して冷却容器の外周、すなわち、静磁場発生源の外周に配置されることになり、静磁場発生源からの漏洩磁場を低減させる。
【0013】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記外部強磁性体群には更に1本以上の柱状外部強磁性体が含まれ、該柱状外部強磁性体により前記円筒状外部強磁性体が磁気的に結合されている(請求項3)。
この構成では、対向して配置された外部強磁性体間を柱状外部強磁性体で磁気的に結合することにより、前記静磁場発生源が発生する磁束の外部帰路が形成され、装置外部の漏洩磁場の低減に効果がある。
【0014】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記静磁場発生源及び前記内部強磁性体群が前記第1の方向を中心軸とする軸対称形状である(請求項4)。
この構成により、均一磁場領域には第1の方向を中心軸とする軸対称の磁場が形成される。
【0015】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記内部強磁性体群は外形がほぼ平坦な円板形状を有する円板状内部強磁性体を含み、かつ、前記静磁場発生源の構成要素の一部若しくは全部が前記円板状内部強磁性体の面からほぼ等距離の位置に平行に配置されている(請求項5)。
この構成では、内部強磁性体をほぼ平坦な円板形状にすることで、超電導コイルを同一平面内に配置することができるので、超電導コイルの固定、保持を容易に行うことができる。
【0016】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記円板状内部強磁性体はその厚さが径方向の位置によって変化するものである(請求項6)。
この構成では、静磁場発生源が発生する磁束密度分布に応じて、円板状内部強磁性体の厚さを径方向の位置によって変化させることができるので、両者を組合せて均一磁場領域の磁場分布を調整することができる。
【0017】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記静磁場発生源の構成要素のほぼ全部が、前記円板状内部強磁性体よりも前記均一磁場領域に近い側に配置されている(請求項7)。
この構成では、静磁場発生源の磁場の発生効率が高くなり、静磁場発生源に流す電流量を少なくすることができる。
【0018】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記内部強磁性体群のうちの一部の内部強磁性体が、前記静磁場発生源を前記冷却容器内で保持する保持手段の少なくとも一部を兼ねるものである(請求項8)。
この構成では、内部強磁性体が強磁性体としての機能と、静磁場発生源の保持手段の機能を兼ねることになるので、装置の製造コスト低減に寄与する。
【0019】
本発明の超電導磁石装置では更に、前記内部強磁性体群のうちの一部の内部強磁性体が、前記冷却容器の少なくとも一部を兼ねるものである(請求項9)。 この構成では、内部強磁性体が強磁性体としての機能と、冷却容器の外壁の機能を兼ねることになるので、装置の製造コスト低減に寄与する。
【0020】
本発明の磁気共鳴イメ−ジング装置は上記の本発明の超電導磁石装置を用いたものである(請求項10)。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
本発明の超電導磁石装置の第1の実施例を図1に示す。図1において、本発明の超電導磁石装置21は、均一磁場領域28を間に挾んで対向して配置された超電導コイル22と、この超電導コイル22を超電導特性を示す状態に冷却する冷却容器23と、対向する冷却容器23を所定の間隔をとって支持する支柱27と、冷却容器23を囲んで漏洩磁場を低減させる外部強磁性体群29〜31と、超電導コイル22の外側に配置した円板形状の内部強磁性体26とから構成されている。
【0022】
装置外周部に配置される外部強磁性体群29〜31は、図8の第3の従来例において説明した外部強磁性体群と基本的に同じものである。この外部強磁性体群29〜31は、超電導コイル22によって装置外部に発生する漏洩磁場を効果的に低減させている。より具体的に説明すると、図示の如く、上下の冷却容器23の周囲を円板状外部強磁性体29と円筒状外部強磁性体30で包囲し、更に上下の円筒状外部強磁性体30間を柱状外部強磁性体31によって磁気的につなぐ構造になっている。円板状外部強磁性体29と円筒状外部強磁性体30の間も磁気的につながっている。この外部強磁性体群29〜31の材質としては、磁気的に強磁性を示すものであれば種々のものを採用できるが、磁気的特性、コスト、機械的強度等を考慮した場合、一般には鉄が望ましい。このように、装置の周囲を外部強磁性体群29〜31で囲むことにより、装置外部に発生する磁束について磁路が形成されるので、漏洩磁場が遠方にまで拡がることを抑制できる。
【0023】
また、冷却容器23は、熱の対流を防ぐために冷却部全体を内包する真空容器24と、熱の輻射を防ぐための熱シ−ルド(図示せず。)と、真空容器24内に配置された冷媒容器25などで構成されている。冷媒容器25内に、均一磁場領域28に磁場を発生する超電導コイル22が収納されている。更に、図1では簡単のために省略したが、冷媒容器25内には、超電導コイル22を保持する保持手段も含まれている。
【0024】
円形の超電導コイル22は、装置中央の均一磁場領域28を挾んで上下に対称に配置されている。それに対応して、冷却容器23も円筒状のものが上下対称に設置され、両冷却容器23はその間にある支柱27によって所定の距離を維持して支持される。この支柱27は、機械的に上下の冷却容器23を支える働きをしているが、必要に応じて、上下の液体ヘリウムの入った冷媒容器25を熱的に接続させる働きを持たせても良い。そうすることで、冷凍機を上下に1台ずつ設ける必要がなくなり、システムに1台の冷凍機で間に合わせることが可能になる。また、支柱27の本数も図示の2本に限定する必要はなく、3本、4本と増やすこともできるし、開放感を得るために、片持ちの1本の支柱としてもよい。
【0025】
図1には、各超電導コイル22の組として2組の超電導コイル22A,22Bが示されているが、その働きは装置中央部分の均一磁場領域28に高い磁場強度でかつ均一度の良い静磁場を発生させることである。実施例では、更に冷媒容器25内に内部強磁性体26が配置されている。この内部強磁性体26は、超電導コイル22の発生する磁束密度を高める働きをするので、超電導コイル22に流す電流値が低くても高い磁場強度を得ることができる。逆に、超電導コイル22に流す電流量を同じ程度にした場合には、超電導コイル22の直径を小さくしても同程度の磁場均一度が得られるので、装置の直径を小形化できる。
【0026】
また、本実施例では、内部強磁性体26を円板形状にすることで加工は容易となるが、その形状を最適化し外周形状を変形させることで磁場分布の補正効果を高めることができる。従って、超電導コイル22だけを使う場合に比べて、超電導コイル22の数を少なくすることができる。また、内部強磁性体26を平坦にすることで超電導コイル22を同一平面内に配置することが可能となるので、超電導コイル22の固定、保持を容易に行うことができる。
【0027】
また、第2の従来例と異なり、本実施例では、内部強磁性体26の外側に円板状外部強磁性体29を配置しているので、内部強磁性体26が磁気的に飽和しても装置外部へ漏洩磁場が拡がる恐れはない。一般的に磁気的な飽和領域に近い方が、磁場強度が変化したときの透磁率の変化が少ないので、安定した生産が行いやすくなるという利点がある。
【0028】
更に、内部強磁性体26の透磁率は一般に温度により変化するために、第2の従来例の如く磁場均一化手段8が室温にさらされると室温の変動により磁場均一度にも変化が生じ、MRI装置としては不適当である。本実施例では、内部強磁性体26は熱の発生源である傾斜磁場コイルからの距離が大きく、また、温度変動の少ない冷却容器23内に収納されているために、温度的に安定なので、時間的にも安定な磁場均一度が得られる。
【0029】
内部強磁性体26の材質としては、高い飽和磁束密度特性が得られることから、純鉄を用いるのが一般的である。しかし、コスト的により安価な低炭素鋼等を使用することも可能である。
【0030】
また、超電導コイルの個数は図1に示した2組に限定することはなく、内部強磁性体26との組み合わせ、磁場の不均一成分と製造原価との兼ね合い等を考慮して最適となるように決定できる。
【0031】
更に、超電導コイル22は内部強磁性体26よりも均一磁場領域28に近い側に配置した方が、磁場の発生効率は一般的に高くなるために、超電導コイル22の電流量を少なくすることができる。
【0032】
柱状外部強磁性体31の本数は必要に応じて何本でもよいが、一般には支柱27の本数と同数にすることによって、被検者の入る撮影空間が外観上広く感じられる利点がある。
【0033】
本発明の超電導磁石装置の第2の実施例を図2に示す。本実施例では、複数の内部強磁性体(以下、内部強磁性体群という。)26を用いることで、積極的に磁場均一度を制御することを行っている。具体的には、円板状内部強磁性体26Aに加えて、その均一磁場領域28に面する側に小円板状内部強磁性体26Bとリング状内部強磁性体26Cを配置することにより、径方向に強磁性体の厚さを変えている。このような構成にすることにより、必要とする磁場の不均一な成分を効果的に消去できる。強磁性体の形状によって磁場均一度を制御できるので、超電導コイル22の形状や電流量に対する制限も緩くなる。従って、図2のように直径の異なる超電導コイル22を同一平面上に置いたような単純な配置にしても、所定の磁場均一度を得ることが可能である。このことは、製造工程が容易になるため、製造原価の低減につながる。
また、内部強磁性体26A,26Bの中央部に開口32を設けてリング状にすることにより、均一磁場領域28の磁場均一度を制御することも可能である。
また、超電導コイルの個数は図1に示した2組に限定することはなく、内部強磁性体26との組み合わせ、磁場の不均一成分と製造原価との兼ね合い等を考慮して最適となるように決定できる。
【0031】
更に、超電導コイル22は内部強磁性体26よりも均一磁場領域28に近い側に配置した方が、磁場の発生効率は一般的に高くなるために、超電導コイル22の電流量を少なくすることができる。
【0034】
柱状外部強磁性体31の本数は必要に応じて何本でもよいが、一般には支柱27の本数と同数にすることによって、被検者の入る撮影空間が外観上広く感じられる利点がある。
【0035】
本発明の超電導磁石装置の第2の実施例を図2に示す。本実施例では、複数の内部強磁性体(以下、内部強磁性体群という。)26を用いることで、積極的に磁場均一度を制御することを行っている。具体的には、円板状内部強磁性体26Aに加えて、その均一磁場領域28に面する側に小円板状内部強磁性体26Bとリング状内部強磁性体26Cを配置することにより、径方向に強磁性体の厚さを変えている。このような構成にすることにより、必要とする磁場の不均一な成分を効果的に消去できる。強磁性体の形状によって磁場均一度を制御できるので、超電導コイル22の形状や電流量に対する制限も緩くなる。従って、図2のように直径の異なる超電導コイル22を同一平面上に置いたような単純な配置にしても、所定の磁場均一度を得ることが可能である。このことは、製造工程が容易になるため、製造原価の低減につながる。
また、内部強磁性体26A,26Bの中央部に開口32を設けてリング状にすることにより、均一磁場領域28の磁場均一度を制御することも可能である。
【0036】
本発明の超電導磁石装置の第3の実施例を図3に示す。本実施例では、内部強磁性体群26の厚さを制御する方法として、超電導コイルを配置している側とは逆側の厚さを変化させている。図3では、内部強磁性体群26の周辺部と中央部を厚くしている。このような構成にすることにより、内部強磁性体群26の位置に関係なく、任意の直径の超電導コイル22を同一面内に配置できるので、超電導コイル22の設計の選択範囲が広がる。
【0037】
本発明の超電導磁石装置の第4の実施例を図4に示す。本実施例では、内部強磁性体群26を冷媒容器25の構成要素の一部として兼用している。このような構成にすることにより、超電導磁石装置21の寸法を小形化することができる。また、図4では冷媒容器25の一部として用いるが、真空容器24の一部に用いることも可能である。更に、この内部強磁性体群26を超電導コイル22を支持する機構に用いることも可能であり、この場合には、構成部品の点数の削減による原価低減が期待できる。
【0038】
本発明の超電導磁石装置の第5の実施例を図5に示す。本実施例では、直径の異なる複数個の内部強磁性体26を超電導磁石装置21の中心軸方向にその高さ寸法をオ−バ−ラップさせて配置している。図5では大径リング状内部強磁性体26Dと小径リング状内部強磁性体26Eとがその高さ寸法の一部をオ−バ−ラップして配列されている。このように構成することにより、中央部や外周部のみならず、径方向の任意の場所についても強磁性体の量を任意に選択することができるので、磁場均一度の制御をより容易に行うことができる。
【0039】
以上述べた如く、超電導磁石装置の冷却容器23内に配置した内部強磁性体26と超電導コイル22の形状及び配列位置を適切に選択することで、従来品に比べて少ない量の超電導コイルで超電導磁石を構成することができる。冷却容器23内の内部強磁性体26については、使用する強磁性体の分量や形状についての制限はなく、均一磁場領域の磁場分布や加工工数などを考慮して最も経済的になるように選択することができる。ただし、強磁性体を多量に使用しすぎると、これを保持するための機構が大形化する。このため、冷却容器23外部からの熱侵入量が増加し、冷却系の負担が大きくなるので、冷却能力とのバランスを考慮して、強磁性体の使用量を決める必要がある。
【0040】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、広い開口を備え、磁場漏洩が少なく、高い磁場強度で、時間的に安定で、かつ、広い均一磁場領域を得られる超電導磁石装置を低廉な製造原価で提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導磁石装置の第1の実施例。
【図2】本発明の超電導磁石装置の第2の実施例。
【図3】本発明の超電導磁石装置の第3の実施例。
【図4】本発明の超電導磁石装置の第4の実施例。
【図5】本発明の超電導磁石装置の第5の実施例。
【図6】第1の従来例である水平磁場方式の超電導磁石装置。
【図7】第2の従来例である鉄による磁路を用いた超電導磁石装置。
【図8】第3の従来例である強磁性体で周囲を囲んだ超電導磁石装置。
【符号の説明】
21…超電導磁石装置、22,22A,22B…超電導コイル、23…冷却容器、24…真空容器、25…冷媒容器、26,26A,26B,26C,26D,26E…内部強磁性体、27…支柱、28…均一磁場領域、29,30,31…外部強磁性体、32…開口

Claims (8)

  1. 超電導特性を有する物質から構成され、有限の領域に第1の方向に向かう均一磁場を発生させるための電流を流す静磁場発生源2組が、該静磁場発生源を超電導特性を示す温度まで冷却し、維持するための冷却容器に1組ずつ収容されて、前記均一磁場領域を間に挾んで対向して配置され、外部への漏洩磁場を抑制するために前記冷却容器の周囲に強磁性体で構成された外部強磁性体群が配置され、前記均一磁場領域の周囲の前記第1の方向に直交する方向に少なくとも1箇所以上の開放面を有する超電導磁石装置において、前記冷却容器の内部の前記静磁場発生源の近傍に、強磁性体からなる1個以上の内部強磁性体(以下、内部強磁性体群という。)を配置することにより、前記均一磁場領域の内部の磁場分布を補正することを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 請求項1記載の超電導磁石装置において、前記静磁場発生源、並びに前記外部強磁性体群に含まれかつ磁気的に結合された円板状外部強磁性体及び円筒状外部強磁性体のそれぞれの組が、前記均一磁場領域からほぼ等距離の位置に配置されていることを特徴とする超電導磁石装置。
  3. 請求項2記載の超電導磁石装置において、前記外部強磁性体群には更に1本以上の柱状外部強磁性体が含まれ、該柱状外部強磁性体により前記円筒状外部強磁性体が磁気的に結合されていることを特徴とする超電導磁石装置。
  4. 請求項1及至3記載の超電導磁石装置において、前記内部強磁性体群は外形がほぼ平坦な円板形状を有する円板状内部強磁性体を含み、かつ、前記静磁場発生源の構成要素の一部若しくは全部が前記円板状内部強磁性体の面からほぼ等距離の位置に平行に配置されていることを特徴とする超電導磁石装置。
  5. 請求項4記載の超電導磁石装置において、前記円板状内部強磁性体はその厚さが径方向の位置によって変化することを特徴とする超電導磁石装置。
  6. 請求項1及至5記載の超電導磁石装置において、前記内部強磁性体群のうちの一部の内部強磁性体が、前記静磁場発生源を前記冷却容器内で保持する保持手段の少なくとも一部を兼ねることを特徴とする超電導磁石装置。
  7. 請求項1及至6記載の超電導磁石装置において、前記内部強磁性体群のうちの一部の内部強磁性体が、前記冷却容器の少なくとも一部を兼ねることを特徴とする超電導磁石装置。
  8. 請求項1及至7記載の超電導磁石装置を用いた磁気共鳴イメ−ジング装置。
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