JP3585023B2 - 架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液の製造方法 - Google Patents

架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塗料、粘着剤、接着剤、人工皮革、合成皮革、インキ用ワニス、コーティング剤及びこれらの改質剤、樹脂、エラストマーの改質剤、並びに顔料分散剤等として有益な溶液安定性に優れた架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリウレタンエラストマーは非水系溶媒中でポリオールとポリイソシアネート等を反応させる公知の方法で製造され、塗料、接着剤、人工皮革、合成皮革、インキ用ワニス等の用途に大量に使用されている。
ポリウレタンエラストマーの強度、耐熱性、及び耐溶剤性を向上させる方法として、ポリウレタンエラストマーに架橋剤等を添加して架橋構造を形成する方法が汎用的に用いられている。
しかし、この方法は架橋剤添加後のポットライフが短いことや架橋温度が高い等の問題点があり、これらの欠点を解決するためにポリウレタンエラストマー中に架橋構造を組み込んだ手法も検討されているが、溶液の安定性が保持できなかったり、架橋密度を高めると該エラストマーの合成過程でゲル化等が生じる問題が有り満足する架橋構造を有するポリウレタンエラストマーの溶液は得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の問題点が解決され、塗料、粘着剤、接着剤、人工皮革、合成皮革、インキ用ワニス及びこれらの改質剤、樹脂、エラストマーの改質剤、並びに顔料分散剤等として有用な、長期にわたって安定な溶液状態を保持する、架橋構造を有するポリウレタン溶液を提供することである。本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、溶媒中に溶解した2官能のアミノ基を有するプレポリマーと3官能以上のアミン化合物の混合物にジイソシアネート化合物を添加、反応させて架橋構造部分がウレア結合で構成されたポリウレアウレタンを、架橋密度と架橋間のポリマー鎖の分子量及び分岐ポリマー鎖の量を制御して合成し、架橋部分の溶媒和に効果的なアルコール系溶媒を必須成分として架橋ポリウレアウレタンの溶液に添加することにより、溶液安定性に優れた架橋構造を有するポリウレアウレタンの溶液が得られることを知見して本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、アルコール系溶媒を含む又は含まない溶媒中で、官能基数が2のポリオール化合物とジイソシアネート化合物とを官能基比が1<NCO/OH≦2となる条件で反応させてイソシアネート基含有プレポリマー(1)を合成し、次に、該プレポリマー(1)と官能基数が2のジアミン化合物とを官能基比がNH2/NCO=2となる条件で反応させて2官能のアミノ基含有プレポリマー(2)を合成し、更に、該2官能のアミノ基含有プレポリマー(2)と官能基数が3以上のポリアミン化合物とジイソシアネート化合物とを官能基比が0.6≦NCO/NH2<1.0となる条件で反応させ、溶媒がアルコール系溶媒を含まない場合には反応終了後の反応溶液にアルコール系溶媒を添加することを特徴とする架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明のポリウレアウレタン溶液は、溶媒中に溶解したポリウレアウレタンが架橋構造を有するポリウレアウレタンであり、架橋構造部分がウレア結合で構成されおり、溶液中のアルコール形容媒によって該架橋部分が溶媒和することによって安定な溶液を形成していることが特徴である。
【0006】
即ち、架橋構造を有するポリウレアウレタンが溶媒中で安定な溶液を形成するのは、架橋部分及び架橋間のポリマー鎖が溶媒により溶媒和されると共に、運動の自由度の大きい架橋間のポリマー鎖及び分岐ポリマー鎖が溶媒中に配向するとともに、溶液に添加されたアルコール系溶媒により架橋部分のウレア結合間の凝集が防止され、溶媒和が高められることにより、ゲル化の無い安定な溶液が形成されるものと思われる。
【0007】
本発明の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液は、例えば、以下の方法で合成することができる。
第一段階(イソシアネート基を有するプレポリマーの合成)
架橋間ポリマー鎖及び分岐ポリマー鎖の形成に使用されるポリオールは、2官能のジオールであり、好ましい分子量は500〜5,000である。
該ジオールとジイソシアネート化合物との反応は、イソシアネート基(NCO)と水酸基(OH)との官能基比が1<NCO/OH≦2となる条件で溶媒中で行い、生成するイソシアネート基を有するプレポリマー(1)の分子量を制御する。
【0008】
第二段階(2官能のアミノ基含有プレポリマーの合成)
第一段階で得られるイソシアネート基を有するプレポリマー(1)と官能基数が2のジアミン化合物を官能基比がNH/NCO=2となる条件で反応させて2官能のアミノ基含有プレポリマー(2)を合成する。
【0009】
第三段階(架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液の合成)
第二段階で得られる2官能のアミノ基含有プレポリマー(2)に官能基数が3以上のポリアミン化合物を添加する。好ましい該ポリアミンの添加量は、官能基比でアミノ基含有プレポリマー(2)のNH/該ポリアミン化合物のNHが0.25〜12となる範囲である。
次にこの混合溶液にジイソシアネート化合物を宮能基比が0.6≦NCO/NH<1.0、好ましくは0.8≦NC0/NH<0.96となる範囲で添加して反応させ、架橋構造を有するポリウレアウレタンの溶液を得る。
【0010】
上記の三段階の合成反応によるポリウレアウレタンの合成は、例えば、攪拌機付きのジャケット式合成釜等の反応容器を用い、原料成分の濃度を溶媒で30〜60重量%程度に調整し、反応温度30℃〜80℃程度で攪拌下に行う。反応温度は、上記の範囲に限定されるものでなく、又、溶媒、反応容器や撹拌の形態、撹拌力等も特に限定されるものでない。
【0011】
又、上記の三段階の合成反応で得られる本発明の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液の溶媒中には、必須成分として10重量%以上のアルコール系溶媒を含有することが必要である。アルコール系溶媒は合成前に使用する溶媒に添加しても、又、合成後のポリウレアウレタンを含む溶液に添加してもよく、いずれの添加法によっても本発明の目的は達成される。
【0012】
架橋構造を有するポリウレアウレタンの溶液が、常温でゲル化、分離、白濁及び粘度変化のない安定な溶液状態を保持するためには、架橋密度、架橋間のポリマー鎖の分子量及び分岐ポリマー鎖の分子量をバランスさせることが重要である。
上記の第一段階の合成反応で得られるイソシアネート基を有するプレポリマー(1)は、イソシアネート基と水酸基との官能基比が1<NCO/OH≦2となる条件で反応させることにより分子量を制御する。好ましい架橋点間の分子量は2,000〜20,000の範囲であるが、特に限定されない。
【0013】
上記の第三段階の反応で架橋ポリウレアウレタンを生成させるために2官能のアミノ基含有プレポリマー(2)に官能基数が3以上のポリアミン化合物とジイソシアネート化合物を添加する。
該アミノ基含有プレポリマー(2)に対する官能基数が3以上のポリアミン化合物の添加量により架橋密度を制御する。該ポリアミンの好ましい添加量は、官能基比でアミノ基含有プレポリマーのNH/官能基数が3以上のポリアミン化合物のNHが0.25〜12の範囲である。この官能基比が0.25未満では、架橋密度が高すぎて溶液中で凝集が生じ均一な安定した溶液が得られず、該官能基比が12を超えると溶液の安定性は得られるが架橋密度が低く本発明の目的である物性の良いポリウレアウレタンが得られ難い。
【0014】
該アミノ基含有プレポリマー(2)と官能基数が3以上のポリアミン化合物の混合液に対するジイソシアネート化合物の添加量により架橋間ポリマー鎖及び分岐ポリマー鎖の量を制御する。上記の混合溶液に添加するジイソシアネート化合物の好ましい添加量は、官能基比が0.6≦NCO/NH<l.0となる範囲であり、更に好ましくは官能基比が0.8≦NCO/NH<0.96となる範囲である。該官能基比が0.6未満では架橋構造が形成され難く、該官能基比が1.0を超えるとと溶液の安定性に重要な役割を果たしている分岐ポリマー鎖が殆ど無くなり、溶液の安定性が得られず、溶液はゲル化傾向となる。
【0015】
更に、架橋部分の溶媒和を高め、溶液の安定性を保持するために溶媒としてアルコール系溶媒が溶液の溶媒中に10重量%以上含まれることが必要である。含有量が10重量%未満では充分な溶媒和効果が得られ難く、低温でゲル化を生じる。好ましい含有量は、架橋密度により左右されるが、通常、20〜50重量%である。アルコール系溶媒はポリウレアウレタンの合成反応を阻害しないものであればいずれも使用可能であり、特に限定されない。
【0016】
以上のように、本発明では架橋構造を有するポリウレアウレタンの安定な溶液の形成に、架橋密度、架橋間ポリマー鎖及び分岐ポリマー鎖の分子量、分岐ポリマー鎖の量、溶媒中のアルコールが関与していることから、本発明の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液は、該ポリウレアウレタンの架橋部分のウレア結合の凝集が、該結合へのアルコール系溶媒の配向により防止されるとともに、架橋間ポリマー鎖及び分岐ポリマー鎖が溶媒和することにより溶液中の安定性が促進された構造を形成していると見ることができる。従って、本発明の安定性はそれぞれのバランスの上で成り立っていると考えられる。
【0017】
以下に架橋構造を有するポリウレアウレタンの原料成分について説明する。
本発明で使用されるポリオールは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、バレロラクトンポリオール、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、ペンタンジオール、ノナンジオール等の2官能性ポリオールが挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用することができる。
【0018】
本発明で使用されるアミン化合物は、2官能性のジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、へキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピレンジアン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロへキサン、4,4−ジアミノシクロヘキシルメタン、ジアミノベンゼン、m−キシレンジアミン等が、3官能性以上のポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリオキシエチレントリアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0019】
本発明で使用されるポリイソシアネート化合物の例として、脂肪族系ジイソシアネートとしてはへキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、およびリジンジイソシアネート等が、脂環族系ジイソシアネートとしてはメチルシクロヘキサン−2,4(又はr2,6)−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、およびイソホロンジイソシアネート等が、芳香族系ジイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が、芳香脂肪族系ジイソシアネートとしてはキシリレンジイソシアネート、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネート等の2個のイソシアネート基を有する化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0020】
本発明に使用される非水系溶媒としては、炭化水素系、エーテル系、アセタール系、ケトン系、アルデヒド系、エステル系、含窒素化合物、含硫黄化合物及びアルコール系等が使用できる。
具体例としては、ブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、ドデシルベンゼン、石油エーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、シクロへキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が、アルコール系溶媒としては、3−メチル−3−メトキシブタノール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
本発明では、上記の原料成分を上記の非水溶媒を用い、前記の三段階の反応をの公知の方法で行うことによって、架橋構造を有するポリウレアウレタンの安定な溶液を得ることができる。
以上のようにして得られる本発明の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液は、溶媒和された架橋構造を有するポリウレアウレタンで構成されているために、このポリウレアウレタン溶液を用いることによって耐熱性の高い、性能の優れた透明な塗膜を得ることができる。更に、本発明の架橋構造を有するポリウレアウレタンは、その分岐ポリマー鎖の末端に官能性を有するアミノ基が存在しているために、該アミノ基とイソシアネート化合物及びエポキシ化合物等とを容易に反応させることができ、又、被塗布物に塗布した場合には、接着性が著しく向上する効果を有する。
【0022】
本発明の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液の粘度及び物性は、架橋間ポリマー鎖及び分岐ポリマー鎖の分子量、構造(原料組成)及び分岐ポリマー鎖の含有比率や架橋密度等で決定されるが、直鎖状のポリウレタン溶液に比較して低粘度で、物性の良好なものが得られ易い特徴がある。これらの特徴を生かすことにより、従来の技術では困難であった幅広い用途展開が可能である。
これらの特徴を有する本発明の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液は、塗料やインキのベヒクル、粘着剤、接着剤、各種のコーティング剤、樹脂、エラストマー等の改質剤、顔料分散剤等として有用である。
例えば、軽包装印刷に使用される汎用ラミネート用グラビアインキのベヒクルとしての要求特性は、印刷適性としては、溶剤に対する溶解性が良いこと及び低粘度であることである。ボイル、レトルト用途としては、軟化温度が高いこと、酸化処理オレフィンフィルム・ナイロンフィルムに対ずる接着性の良いことなどがあり、本発明品はこれらの用途に有用である。
【0023】
【実施例】
次に製造例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、文中の部及び%は特に断りのない限り重量基準である。又、NCO/OH及びNCO/NHの官能基比はモル比である。
【0024】
(イソシアネート末端プレポリマー(1)の製造)
製造例1(イソシアネート末端プレポリマー(PP−1)の製造)
水酸基価80の2官能のネオペンチルグリコールアジペート100部と酢酸エチル13.5部とを攪拌機付き合成釜に仕込み、上記ポリオールを溶解した。この溶液に、攪拌下に温度を80℃に制御しながら、官能基比がNCO/OH=4/3になるように予め用意したイソホロンジイソシアネート21.14部を添加し、この条件で6時間反応を行い合成を完結した。次に酢酸エチル47.1部、メチルエチルケトン60.6部を加え濃度を50%に調整し、NCO基を0.83%有し、重量平均分子量5088のイソシアネート末端プレポリマー(PP−1)の溶液を得た。
【0025】
製造例2(イソシアネート末端プレポリマー(PP−2)の製造)
水酸基価112の2官能の3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート100部と酢酸エチル14.4部とを攪拌機付き合成釜に仕込み、上記ポリオールを溶解した。この溶液に、攪拌下に温度を80℃に制御しながら、官能基比がNCO/OH=4/3になるように予め用意したイソホロンジイソシアネート29.59部を添加し、この条件で6時間反応を行い、合成を完結した。次に酢酸エチル50.4部、メチルエチルケトン64.8部を加え濃度を50%に調整し、NCO基を1.08%有し、重量平均分子量3888のイソシアネート末端プレポリマー(PP−2)の溶液を得た。
【0026】
製造例3(イソシアネート末端プレポリマー(PP−3)の製造)
水酸基価33.1の2官能のネオペンチルグリコールアジペート100部と酢酸エチル12.1部とを攪拌機付き合成釜に仕込み、上記ポリオールを溶解した。この溶液に、攪拌下に温度を80℃に制御しながら、官能基比がNCO/OH=4/3になるように予め用意したイソホロンジイソシアネート8.74部を添加し、この条件で6時間反応を行い合成を完結した。次に酢酸エチル42.3部、メチルエチルケトン54.4部を加え濃度を50%に調整し、NCO基を0.38%有し、重量平均分子量11040のイソシアネート末端プレポリマー(PP−3)の溶液を得た。
【0027】
製造例4(イソシアネート末端プレポリマーPP−4の製造)
水酸基価80の2官能のネオペンチルグリコールアジペート100部、1,4−ブタンジオール1.61部と酢酸エチル13.9部とを攪拌機付き合成釜に仕込み上記ポリオールを溶解した。この溶液に、攪拌下に温度を80℃に制御しながら、官能基比がNCO/OH=6/5(IPDI/ネオペンチルグリコールアジペート/1,4−ブタンジオール=6/4/lモル比)になるように予め用意したイソホロンジイソシアネート(IPDI)23.79部を添加し、この条件で6時間反応を行い合成を完結した。次に酢酸エチル48.8部、メチルエチルケトン62.7部を加え濃度を50%に調整し、NCO基を0.60%有し、重量平均分子量7022のイソシアネート末端プレポリマー(PP−4)の溶液を得た。
【0028】
製造例5(イソシアネート末端プレポリマーPP−5の製造)
水酸基価80の2官能のネオペンチルグリコールアジペート100部と酢酸エチル13部とを攪拌機付き合成釜に仕込み上記ポリオールを溶解した。この溶液に、攪拌下に温度を80℃に制御しながら、官能基比がNCO/OH=6/5になるように予め用意したイソホロンジイソシアネート19.02部を添加し、この条件で6時間反応を行い合成を完結した。次に酢酸エチル46.5部、メチルエチルケトン59.5部を加え濃度を50%に調整し、NCO基を0.50%有し、重量平均分子量8332のイソシアネート末端プレポリマー(PP−5)の溶液を得た。
【0029】
(アミン末端プレポリマーの製造)
製造例6(アミン末端プレポリマー(NPP−1)の製造)
イソホロンジアミン8.09部、酢酸エチル36.4部とメチルエチルケトン36.4部とを攪拌機付き合成釜に仕込み溶解した。この溶液に、攪拌下に温度を30℃に制御しながら、官能基比がNCO/NH=1/2になるように予め用意したイソシアネート末端プレポリマー(PP−1)の242.3部を添加し、この条件で30分間反応を行い合成を完結し、濃度40%、アミン価が147.6μeq/gで、重量平均分子量5428のアミン末端プレポリマー(NPP−1)の溶液を得た。
【00030】
製造例7〜10(アミン末端プレポリマー(NPP−2〜NPP−5)の製造)
イソシアネート末端プレポリマー(PP−1)を該プレポリマー(PP−2〜PP−5)に代える以外は製造例6の条件でアミン末端プレポリマー(NPP−2〜NPP−5)を製造した。表1にNPP−1〜NPP−5にそれぞれの原料組成を示す。
【0031】
表1:アミン末端プレポリマーの製造組成(部)
Figure 0003585023
(注)IPDA:イソホロンジアミン
EAc:酢酸エチル
MEK:メチルエチルケトン
NPG/AA:ネオペンチルグリコールアジペート
MPD/AA:3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート
OHV:水酸基価
1,4−BD:1,4−ブタンジオール
IPDI:イソホロンジイソシアネート
【0032】
実施例1
アミン末端プレポリマー/ポリオキシプロピレントリアミンの官能基(NH)比が0.74/0.26となるように、アミン末端プレポリマー(NPP−1)245部、アミン価6330μeq/gのポリオキシプロピレントリアミン2部、酢酸エチル24.4部、メチルエチルケトン24.4部及びイソプロピルアルコール48.9部を攪拌機付き合成釜に仕込み混合した。この溶液に、攪拌下、温度を60℃に制御しながら、官能基比がNCO/NH=0.9となるように予め用意したイソホロンジイソシアネート4.88部を添加し、この条件で2時間反応を行い、合成を完結し、濃度30%、アミン価が14.0μeq/g、粘度4500mPa・s(25℃)の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液(CPU−1)を得た。この溶液は保存安定性に優れ、25℃で3ヶ月間放置後も粘度変化の無い安定な溶液状態を示した。又、この溶液から得られた皮膜は210℃の融点(コフラーホットベンチによる測定)を示し、耐熱性に優れるとともに、酸化処理オレフィンフィルム・ナイロンフィルムに対する接着性が良好であり、グラビアインキのベヒクルや塗料用途に有用である。
【0033】
実施例2
アミン末端プレポリマー/ポリオキシプロピレントリアミンの官能基(NH)比が0.40/0.60となるように、アミン末端プレポリマー(NPP−2)225部、アミン価6330μeq/gのポリオキシプロピレントリアミン10部、酢酸エチル35.9部、メチルエチルケトン35.9部及びイソプロピルアルコール51.7部を攪拌機付き合成釜に仕込み混合した。この溶液に、攪拌下、温度を60℃に制御しながら、官能基比がNCO/NH=0.92とるように予め用意したイソホロンジイソシアネート10.82部を添加し、この条件で2時間反応を行い合成を完結し、濃度30%、アミン価が23.0μeq/g、粘度2250mPa・s(25℃)の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液(CPU−2)を得た。この溶液は保存安定性に優れ、25℃で3ヶ月間放置後も粘度変化の無い安定な溶液状態を示した。又、この溶液から得られた皮膜は220℃の融点(コフラーホットベンチによる側定)を示し、耐熱性に優れるとともに、酸化処理オレフィンフィルム・ナイロンフィルムに対する接着性が良好であり、グラビアインキのベヒクルや塗料用途に有用である。
【0034】
実施例3
アミン末端プレポリマー/ポリオキシプロピレントリアミンの官能基(NH)比が0.73/0.27となるように、アミン末端プレポリマー(NPP−3)247.5部、アミン価6330μeq/gのポリオキシプロピレントリアミン1部、酢酸エチル6.7部、メチルエチルケトン6.7部及びイソプロピルアルコール80.4部を攪拌機付き合成釜に仕込み混合した。この溶液に、攪拌下、温度を60℃に制御しながら、官能基比がNCO/NH=0.9となるように予め用意したイソホロンジイソシアネート2.37部を添加し、この条件で2時間反応を行い合成を完結し、濃度30%、アミン価が6.9μeq/g、粘度1240mPa・s(25℃)の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液CPU−3を得た。この溶液は保存安定性に優れ、25℃で3ヶ月間放置後も粘度変化の無い安定な溶液状態を示した。又、この溶液から得られた皮膜は215℃の融点(コフラーホットペンチによる勘定)を示し、耐熱性に優れるとともに、酸化処理オレフィンフィルム・ナイロンフィルムに対する接着性が良好でありグラビアインキのべヒクルや塗料用途に有用である。
【0035】
実施例4
アミン末端プレポリマー/ポリオキシプロピレントリアミンの官能基(NH)比が0.81/0.19となるように、アミン末端プレポリマー(NPP−4)247.5部、アミン価6330μeq/gのポリオキシプロピレントリアミン1部、酢酸エチル22.2部、メチルエチルケトン22.2部及びイソプロピルアルコール48.2部を攪拌機付き合成釜に仕込み混合した。この溶液に、攪拌下、温度を60℃に制御しながら、官能基比がNCO/NH=0.9となるように予め用意したイソホロンジイソシアネート3.32を添加し、この条件で2時間反応を行い合成を完結し、濃度30%、アミン価が9.7μeq/g、粘度852mPa・s(25℃)の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液(CPU−4)を得た。この溶液は保存安定性に優れ、25℃で3ヶ月間放置後も粘度変化の無い安定な溶液状態を示した。又、この溶液から得られた皮膜は195℃の融点(コフラーホットベンチによる測定)を示し、耐熱性に優れるとともに、酸化処理オレフィンフィルム・ナイロンフィルムに対する接着性が良好でありグラビアインキのベヒクルや塗料用途に有用である。
【0036】
実施例5
アミン末端プレポリマー/ポリオキシプロピレントリアミンの官能基(NH)比が0.72/0.28となるように、アミン末端プレポリマー(NPP−5)243.9部、アミン価29136μeq/gのジエチレントリアミン0.30部、酢酸エチル21.1部、メチルエチルケトン21.1部及びイソプロピルアルコール47.1部を攪拌機付き合成釜に仕込み混合した。この溶液に、攪拌下、温度を60℃に制御しながら、官能基比がNCO/NH=0.9となるように予め用意したイソホロンジイソシアネート3.12部を添加し、この条件で2時間反応を行い合成を完結し、濃度30%、アミン価が9.3μeq/g、粘度2580mPa・s(25℃)の架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液(CPU−5)を得た。この溶液は保存安定性に優れ、25℃で3ヶ月間放置後も粘度変化の無い安定な溶液状態を示した。又、この溶液から得られた皮膜は210℃の融点(コフラーホットベンチによる測定)を示し、耐熱性に優れるとともに、酸化処理オレフィンフィルム・ナイロンフィルムに対する接着性が良好であり、グラビアインキのベヒクルや塗料用途に有用である。
【0037】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、長期間保存しても粘度変化やゲル化等のない溶液安定性に優れた架橋構造を有するポリウレアウレタンの溶液が提供される。このポリウレアウレタン溶液は、塗料やインキのベヒクル、粘着剤、接着剤、各種のコ−ティング剤、樹脂、エラストマー等の改質剤、顔料分散剤等として有用である。

Claims (1)

  1. アルコール系溶媒を含む又は含まない溶媒中で、官能基数が2のポリオール化合物とジイソシアネート化合物とを官能基比が1<NCO/OH≦2となる条件で反応させてイソシアネート基含有プレポリマー(1)を合成し、次に、該プレポリマー(1)と官能基数が2のジアミン化合物とを官能基比がNH2/NCO=2となる条件で反応させて2官能のアミノ基含有プレポリマー(2)を合成し、更に、該2官能のアミノ基含有プレポリマー(2)と官能基数が3以上のポリアミン化合物とジイソシアネート化合物とを官能基比が0.6≦NCO/NH2<1.0となる条件で反応させ、溶媒がアルコール系溶媒を含まない場合には反応終了後の反応溶液にアルコール系溶媒を添加することを特徴とする架橋構造を有するポリウレアウレタン溶液の製造方法。
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