JP3584974B2 - 太陽電池モジュールパネル - Google Patents
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/52—PV systems with concentrators
Description
【産業上の利用分野】
本発明は太陽電池モジュールパネルに関し、特に光入射側における光の反射による光公害などを防止する太陽電池モジュールパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、クリーンエネルギーの利用がますます叫ばれるようになり、それに伴い太陽電池の利用の促進が図られている。その一方で、太陽電池の量産化に相まって製造コストの低減化が進みつつある。太陽電池の利用の一つに家屋の屋根に瓦やスレートなどの代わりに太陽電池モジュールパネルを配設したり、あるいは屋根の上に太陽電池モジュールパネルを配設したり、更にビルなどの外壁に太陽電池モジュールパネルを配設することが提案されている。
【0003】
かかる太陽電池モジュールパネルは透光性保護板と裏面カバーとの間に複数の光半導体素子を樹脂で封止して構成されたものである。この透光性保護板は透明なガラスであるが、太陽電池モジュールパネルは全体として鏡面を成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このため、太陽電池モジュールパネルを屋根やビルの外壁に配設した場合、太陽と太陽電池モジュールパネルとの角度によっては太陽光が反射して隣接する家屋の中を照らしたり、あるいは道路を走行中の自動車を強烈に照らす恐れがあり、一種の光公害や交通事故などの原因となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは上記問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0006】
本発明に係る太陽電池モジュールパネルの要旨とするところは、少なくとも第1の電極層と光半導体層と第2の電極層とを積層して成る光半導体素子を複数、直列及び/又は並列に接続した光半導体素子群を、少なくとも該光入射側に透光性保護板を配設するとともに該裏面側に裏面カバーを配設して構成された太陽電池モジュールパネルにおいて、該透光性保護板上に相溶性がなく且つ屈折率のことなる2種類以上の樹脂を混合した乱反射層を形成したことにある。
【0007】
【作用】
本発明に係る太陽電池モジュールパネルは光入射側が光を乱反射させるように構成されている。すなわち、太陽電池モジュールパネルの光入射側である透光性保護板の表面に相溶性がなく且つ屈折率のことなる2種類以上の樹脂を混合して構成された乱反射層を形成することにより、屈折率の異なる樹脂の層の界面が不定形な場合、この界面において光の屈折及び反射が発生し、太陽電池モジュールパネルに入射してきた光を不特定の方向に反射させるように構成されている。したがって、太陽電池モジュールパネルに入射する太陽光はその一部は直接的にあるいは乱反射しながら光半導体素子に入射して発電に寄与し、また一部はそのまま外部に乱反射して散乱させられる。乱反射して散乱させられた太陽光は平行光線ではないため、太陽電池モジュールパネルから反射される光は全体にぼやけた状態となり、自動車の運転手の目を眩ませるようなことはない。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る太陽電池モジュールパネルの実施例を詳しく説明する。
【0009】
図1(a)に示すように、太陽電池モジュールパネル10は概略、複数の光半導体素子12を直列及び/又は並列に接続した光半導体素子12群を、その光入射側に透光性保護板14を配設するとともにその裏面側に裏面カバー16を配設して、透明樹脂18により封止し、更に透光性保護板14の上に、図1(b)に示すように相溶性がなく且つ屈折率のことなる2種類以上の樹脂40,41を混合して構成された乱反射層20を設けて構成されている。なお、符号22は機枠であり、透光性保護板14や透明樹脂18、裏面カバー16などを保持するとともに、構成された太陽電池モジュールパネル10を屋根の架台などに取り付けるためのものである。
【0010】
ここで、光半導体素子12は所定の電圧と電流を得るために、ワイヤーボンディングにより必要に応じて直列に接続されるとともに並列に接続されている。光半導体素子12は単結晶、多結晶、あるいは非晶質によって構成された光半導体素子12が用いられる。一例として、図2(a)に示すように、単結晶の光半導体素子12はシリコン結晶板24の表面に透明電極26が被着されるとともにその裏面にクロムCrなどの金属電極28が被着されて構成されている。かかる構成の光半導体素子12が複数接続されて、太陽電池モジュールパネルが構成されるのである。
【0011】
また、非晶質の光半導体素子12は同図2(b)に示すように、絶縁基板である透光性絶縁基板30の上に第1の電極層として透明電極32と、光電変換を行う光半導体層34と、第2の電極層として金属電極36がそれぞれ所定のパターン形状に積層され、これら透明電極32と光半導体層34と金属電極36から成る単位光半導体素子38が直列にあるいは並列に接続されて、一つの光半導体素子12が構成されている。更に、これらの上には必要に応じて絶縁保護膜が被着されている。かかる構成の光半導体素子12が複数接続されて、太陽電池モジュールパネルが構成されるのである。
【0012】
なお、より具体的に非晶質から成る光半導体素子12はガラス基板などの透光性絶縁基板30の上に透明電極32が被着され、透明電極32は光を透過し得るようにITOやSnO2あるいはそれらの積層体であるITO/SnO2などが用いられ、所定のパターン形状に形成されている。パターン化された透明電極32の上には光半導体層34が被着され、この光半導体層34についても透明電極32に対応してパターン化されている。光半導体層34は主として非晶質シリコン半導体層によって構成され、この非晶質シリコン半導体層は非晶質シリコンa−Si,水素化非晶質シリコンa−Si:H,水素化非晶質シリコンカーバイドa−SiC:H,非晶質シリコンナイトライドなどの他、シリコンと炭素、ゲルマニウム、スズなどの他の元素との合金から成る非晶質シリコン系半導体の非晶質あるいは微結晶をpin型、nip型、ni型、pn型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ接合型、ショットキーバリアー型あるいはこれらを組み合わせた型などに構成した半導体層が用いられる。その他、光半導体層34はCdS系、GaAs系、InP系などであっても良く、なんら限定されない。更に、これらパターン化された光半導体層34の上には金属電極36が常法により被着され、金属電極36は透明電極32及び光半導体層34に対応してパターン化されていて、それぞれ単位光半導体素子38を構成し、全体として一つの光半導体素子12を構成しているのである。
【0013】
以上の構成に係る光半導体素子12が複数直列・並列に接続されていて、この光半導体素子12群の光入射側、すなわち透明電極26,32側に透光性保護板を配設した後、透明樹脂を充填して光半導体素子12群を固着封止し、更にその裏面側すなわち金属電極28,36側の樹脂の表面に裏面カバーを貼着して構成される。透明樹脂としてはシリコン、エチレンビニルアセテート、ポリビニルブチラートなどが用いられ、また裏面カバーとしてはフッソ系樹脂フィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム、あるいはアルミニウムAlなどの金属箔をラミネートした三層構造のフィルムなどが用いられる。
【0014】
光半導体素子12群が透光性保護板14と裏面カバー16との間に樹脂封止された後、この透光性保護板14の上に乱反射層20が形成されて、本発明に係る太陽電池モジュールパネル10が構成される。
【0015】
以上の構成に係る太陽電池モジュールパネル10の光入射側である乱反射層20に入射した太陽光は、その一部は乱反射層20を透過して直接に、あるいは屈折率のことなる2種類以上の樹脂40,41によって屈折させられたり反射させられたりしつつ光半導体素子12に達し、発電に寄与することになる。また、入射した太陽光42の一部は乱反射層20の表面や屈折率のことなる2種類以上の樹脂40,41によって反射させられ、外部に放射される。その際、屈折率のことなる2種類以上の樹脂40,41によって反射された光は方向性がなく、拡散させられるため、太陽電池モジュールパネル10から反射される光は全体としてぼやけたものとなり、いわゆる光公害は解消又は緩和される。
【0016】
本発明の太陽電池モジュールパネルは、スーパーストレート構造及びサブストレート構造の太陽電池モジュールパネルについても適用し得るものである。また、従来の太陽電池モジュールパネルはシリコン単結晶のウエファーを用いて構成した光半導体素子を使用することを前提とした構造であり、非晶質系の光半導体素子については単結晶系の構造をそのまま利用して構成している。ところが、非晶質系の光半導体素子は通常、透光性絶縁基板を使用することから、この透光性絶縁基板を前述の透光性保護板として使用したり、あるいは透光性絶縁基板とは反対側に設けられるカバーガラスを前述の透光性保護板として使用することも可能である。
【0017】
たとえば、透光性絶縁基板の上に透明電極と非晶質光半導体層と金属電極をそれぞれ所定のパターンに積層形成した後、形成された光半導体素子側を樹脂により封止するとともにその上に樹脂フィルムなどの保護部材を貼着する一方、透光性絶縁基板に乱反射層を形成して本発明に係る太陽電池モジュールパネルを構成しても良い。
【0018】
以上、本発明に係る太陽電池モジュールパネルの実施例を種々説明したが、上述の実施例に限定されるものではない。また、本発明は上述の実施例を適宜組み合わせて実施することも可能であり、更に、本発明の実施にあたり、耐湿性などの耐候性や耐久性などを向上させるために、封止樹脂の層や透光性保護板(カバーガラス)などの厚みを厚くしたり、機枠の構造などを適宜設計することは可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明に係る太陽電池モジュールパネルは、太陽光の入射側になる透光性保護板に相溶性がなく且つ屈折率のことなる2種類以上の樹脂を混合して構成された乱反射層を設けて構成しているため、太陽電池モジュールパネルの表面から反射された太陽光が集中的に地上を走る自動車を照らしたり、隣接するビルや家屋の中を照らしたりするなどのいわゆる光公害を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールパネルの説明図であり、同図(a)は要部拡大説明図であり、同図(b)は乱反射層の拡大図である。
【図2】本発明に係る太陽電池モジュールパネルに用いられる光半導体素子の実施例を示す要部拡大断面説明図であり、同図(a)は単結晶系の光半導体素子を示す図、同図(b)は非晶質系の光半導体素子を示す図である。
【符号の説明】
10:太陽電池モジュールパネル
12:光半導体素子
14:透光性保護板
16:裏面カバー
18,40,41:樹脂
20:乱反射層
22:機枠
24:シリコン結晶板(光半導体層)
26,32:透明電極
28,36:金属電極
38:単位光半導体素子
39:界面
42:太陽光
Claims (1)
- 少なくとも第1の電極層と光半導体層と第2の電極層とを積層して成る光半導体素子を複数、直列及び/又は並列に接続した光半導体素子群を、少なくとも該光入射側に透光性保護板を配設するとともに該裏面側に裏面カバーを配設して構成された太陽電池モジュールパネルにおいて、該透光性保護板上に相溶性がなく且つ屈折率のことなる2種類以上の樹脂を混合し、該樹脂の層の界面が不定形である乱反射層を形成したことを特徴とする太陽電池モジュールパネル。
Priority Applications (1)
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JP2001009757A JP3584974B2 (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 太陽電池モジュールパネル |
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-
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- 2001-01-18 JP JP2001009757A patent/JP3584974B2/ja not_active Expired - Lifetime
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