JP3584308B2 - 超純水製造用イオン吸着膜の破過モニタリング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超純水の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、超純水製造装置のユースポイント直前に設けられていたイオン吸着膜の破過をより正確に予測する方法、及びこの方法を利用した超純水の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造産業において、不純物を高度に除去した超純水は必須のアイテムである。超純水は、一般に、1次系純水製造装置及び2次系純水製造装置(サブシステム)を経て製造され、不純物の定量も困難である程の純度を有する。上記サブシステムには、1種または2種以上のイオン交換樹脂が用いられている。
【0003】
さらに、超純水が含む超微量成分が半導体デバイスに与える影響は、デバイスの集積度が高くなると、無視できなくなり、従来の超純水より高い純度を有する超純水の必要性も検討さている。例えば、サブシステムで製造された超純水は配管を経てユースポイントに供給されるが、サブシステムとユースポイント間の配管は、長いときには数百メートルに及ぶ場合がある。そのため、この配管から微粒子(パーティクル)や金属イオン成分等の不純物が超純水に僅かではあるが混入し、デバイスの特性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0004】
このような状況に対処する手段として、ユースポイント直前で、超純水をさらに処理するユースポイントモジュールシステムが提案さている(特開平8−89954号公報)。
このユースポイントモジュールシステムは、膜内部にイオン交換基を有する高分子鎖が保持されている中空糸状多孔膜であって、膜1g当たり0.2〜10ミリ当量のイオン交換基を有し、平均孔径0.01〜1μmの中空糸状多孔膜を充填したモジュールをユースポイント直前に配置したものである。即ち、イオン交換樹脂を多孔膜化したものである。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
上記イオン吸着膜モジュールは、超純水製造装置のユースポイント直前に設けられ、破過前に、新品に交換される。超純水の品質に対する要求は極めて厳しく、破過経過後のイオン吸着膜が使用されることは、デバイスの物性に多大の悪影響を及ぼすからである。
【0006】
ところが、上記イオン吸着膜の実際の破過時間は、流量が一定の場合、超純水製造用のサブシステム(2次系純水製造装置)から得られる水質により変化する。このような状況下で、イオン吸着膜の交換を破過の直前に行うことは難しく、超純水の品質低下によるデバイス物性の悪化を回避するため、実際の破過よりかなり前にイオン吸着膜を交換する必要がある。
また、超純水の純度(水質)は、現存の分析機器の精度では検出できない程度にまで高められている。そのため、超純水自体の分析から、イオン吸着膜の破過を予測することは事実上困難であり、ユースポイント直前に設けらるイオン吸着膜の寿命を監視することはできなかった。
また、実用上、実際の破過に限りなく近い時期にイオン吸着膜を交換できれば、生産効率は高まる。
【0007】
そこで本発明の目的は、超純水製造に使用されるイオン吸着膜の破過を予測できる新たな方法及びその方法を利用してイオン吸着膜を有効利用できる超純水の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、超純水製造装置のユースポイント直前において用いられるイオン吸着膜の破過をモニタリングする方法であって、モニタリングすべきイオン吸着膜(A)と同じ性能を有するイオン吸着膜(B)をイオン吸着膜(A)と並列に設け、このイオン吸着膜(B)に被精製水を接触させ、捕獲された不純物量からイオン吸着膜(A)の破過到達時期を予測することを特徴とする方法に関する。
さらに本発明は、超純水製造装置のユースポイント直前においてイオン吸着膜を用いる超純水の製造方法であって、上記の方法を利用して予測される破過前に上記イオン吸着膜を交換することを特徴とする方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、超純水製造装置のユースポイント直前において用いられるイオン吸着膜の破過をモニタリングする方法である。超純水製造装置のユースポイント直前において用いられるイオン吸着膜には特に制限はない。例えば、膜内部にイオン交換機能を有する高分子鎖が保持されている多孔膜であって、膜1g当たり0.2〜10ミリ当量のイオン交換基を有し、平均孔径0.01〜1μmの多孔膜を充填したモジュールであるイオン吸着膜モジュールを挙げることができる。このようなイオン吸着膜モジュールとしては、例えば、特開平8−89954号公報に開示されているものを挙げることができる。より具体的には、イオン吸着膜として、例えば、アニオン交換機能を有するアニオン吸着膜、カチオン交換機能を有するカチオン吸着膜、キレート形成基を有するキレート膜等を挙げることができる。
【0010】
アニオン吸着膜は、アニオン交換基として4級アミンを有するものであり、例えば、クロロメチルスチレンを4級化したアニオン交換基を有する膜が好適に用いられる。但し、ピリジン系やイミダゾール系などの複素環の窒素原子を4級化したアニオン交換基もアニオン吸着膜として使用可能である。カチオン吸着膜としては、カチオン交換基として、例えば、スルホン酸基、リン酸基、またはカルボキシル基等を有する膜を挙げることができる。キレート膜としては、キレート形成基として、水中の金属イオンとキレートを形成する機能を持った官能基である、例えば、イミノジ酢酸基、メルカプト基、エチレンジアミンなどを有する膜を挙げることができる。
【0011】
上記イオン吸着膜は、膜1gあたり0.2〜10ミリ当量のイオン交換基(キレート膜の場合にはキレ−ト形成基)を有し、好ましくは0.5〜5ミリ等量のイオン交換基あるいはキレ−ト形成基を有する。これは、イオン交換基またはキレ−ト形成基の量が膜1gあたり0.2ミリ当量未満では、イオン等に対する吸着容量が減少し、交換頻度が増大するため好ましくないからである。また、イオン交換基あるいはキレ−ト形成基の量が膜1gあたり10ミリ当量を超えると、膜の寸法変化が大きくなり、強度が低下するため、長時間使用に耐えられなくなる傾向がある。また、イオン吸着膜は、平均孔径が0.01〜1μmの多孔膜であることが適当であり、好ましくは平均孔径が0.05〜0.5μmの範囲である。平均孔径が0.01μm未満では、膜透過抵抗が大きくなり、1μmを超えると微粒子の除去性能が不十分になるとうい不都合がある。なお平均孔径は、ASTM、F316−70に記載されているエアフロー法と呼ばれる方法で得られた値である。
また、膜1gあたりとは、比較的巨視的に膜全体を見た値であり、ある一部分の膜について言っているものではない。その測定方法は、アニオン交換基を保持した膜の場合、得られた膜について、1N水酸化ナトリウム溶液を十分量通水し、アニオン交換基をOH型にした後、乾燥重量を測定し、再び、水に濡らした後、1NのNaCl水溶液を通水して、Clイオンを吸着させた後、1N硝酸カリウム溶液を十分量通水し、透過液について、沈殿適定し、Clイオン吸着量を求め、該Cl吸着量を膜乾燥重量で割った値としてアニオン交換基保持量を求める。
【0012】
カチオン交換基を保持した膜の場合は、1N塩酸で、H型にした後、やはり、0.1NのNaCl水溶液を通水して、Naイオンを吸着させ、通水後の液について、中和適定を行い、Naイオン吸着量を求め、イオン交換基量を求めた。キレート形成基を保持した膜の場合は、1N塩酸で、H型にした後、100ppmの硫酸銅溶液を通水して、Cuイオンを吸着させ、1N塩酸で脱着し、脱着液について、原子吸光法で銅イオン濃度を求め、キレート形成基量を求めた。
【0013】
上記イオン吸着膜は、その種類により、除去できる物質の種類や濃度が異なる。例えば、アニオン吸着膜の場合、微粒子及びアニオン類、イオン状シリカ、コロイド成分、及び一部の遷移金属類を極低濃度まで除去することができる。カチオン吸着膜の場合、微粒子及びアルカリ及びアルカリ土類金属、遷移金属類、及びカチオン成分を極低濃度まで除去することができる。キレ−ト膜の場合、微粒子及び遷移金属類を極低濃度まで除去することが可能であり、除去機構上、一度捕らえた金属を離しにくいという特徴を持つ。アルカリ金属の除去が必要ない場合はキレ−ト膜の使用が望ましい。
【0014】
さらに、超純水に要求される純度等を考慮して、上記イオン吸着膜を2種以上組み合わせて使用することもある。例えば、カチオン吸着膜とアニオン吸着膜とを組み合わせると微粒子、アルカリ金属及びアルカリ土類金属、遷移金属類、カチオン成分、アニオン成分、並びにコロイド成分を極低濃度まで除去することができる。
【0015】
本発明の方法では、モニタリングすべきイオン吸着膜(A)と同じ性能を有するイオン吸着膜(B)を用いる。ここでイオン吸着膜の性能とは、膜1g当たりのイオン交換基の量及び多孔膜の場合、平均孔径を意味する。イオン交換基の量、及び多孔膜の場合、さらに平均孔径が同等であれば、そのほかの点は異なってもよい。例えば、後述するように、モニタリングすべきイオン吸着膜(A)とイオン吸着膜(B)の膜面積は異なっても良い。
このようなイオン吸着膜(B)をモニタリングすべきイオン吸着膜(A)と並列に設ける。この状態をイオン吸着膜がカチオン吸着膜である場合を例に図1に示す。イオン吸着膜(B)はイオン吸着膜(A)のバイパスとなり、イオン吸着膜(A)と同質の被精製水である超純水が接触させられる。これにより、イオン吸着膜(A)において捕獲されるであろう不純物がイオン吸着膜(B)においても捕獲される。
【0016】
イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物量は、破壊または非破壊検査により測定される。
イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物量は、例えば、イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物を物理化学的に脱離し、脱離した不純物を常法により定量することにより求めることができる。例えば、カチオン吸着膜の場合、膜に吸着した不純物を少量の硝酸や硫酸等の酸で溶離することができる。アニオン吸着膜の場合、アニオンやコロイドを溶離させる場合はアンモニア等のアルカリあるいは高濃度の塩で溶離することができ、金属を溶離する場合は硝酸や硫酸等の酸を溶離液として用いることができる。キレ−ト膜の場合、硝酸や硫酸等の酸で溶離することができる。それぞれ、溶離した液体の分析をすることで不純物量を定量することができる。不純物の溶離は膜を装置から取り外して行っても、取り付けたまま行ってもよい。
【0017】
不純物の分析方法としては、不純物が金属の場合、例えば、原子吸光光度法やICP質量分析装置やICP発光等の分析装置を用いることができる。不純物がシリカの場合、例えば、原子吸光光度法やICP質量分析装置、ICP発光、イオンクロマトグラフィーを用いることができる。不純物がハロゲンやフッ素の場合、例えば、イオンクロマトグラフィーやICP−発光、ICP−MSを用いることができる。
これらの分析の結果からイオン吸着膜(B)に捕獲された不純物の定量を行ない、その吸着量から吸着サイト(イオン交換基)の何%が不純物の吸着により使用されているかが推定できる。さらにこの結果により、イオン吸着膜(A)に捕獲されているであろう不純物量が推定でき、同時に不純物の吸着によるイオン吸着膜(A)の吸着サイトの使用率が推定できる。なお、吸着サイトの使用率と破過との関係(吸着サイトの何%が使用された時点で破過が起こるかの関係)を別途調べておくことで、上記イオン吸着膜(A)の吸着サイト使用率の推定結果から、イオン吸着膜(A)の破過が起こる時期を予測することができる。
吸着サイトの使用率と破過との関係は、例えば、別途用意した液(実際にイオン吸着膜(A)に通水する水そのものか、あるいはそれに近い不純物濃度のモデル水)をイオン吸着膜に通水し、破過が生じた時点で通水をやめ、該イオン吸着膜に吸着させた不純物の量を前述の方法にて定量して破過時点での吸着サイト使用率を決定することで実施できる。破過が起こったかどうかの判定は、例えばイオン吸着膜の濾過水を清浄なシリコン基板の表面に連続して接触させ、随時該シリコン基板上の不純物の付着量を測定していくことで実施することができる。
【0018】
また、イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物量は、イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物を脱離することなく定量することにより求めることもできる。例えば、膜に不純物が付着した状態のままで分析する方法としては、例えば、蛍光X線や、オ−ジェ電子分光分析器(AES)、2次イオン質量分析装置(SIMS)、X線光電子分光光度装置(XPS,ESCA)等を挙げることができる。分析結果から、不純物の吸着量を求め、上記と同様にイオン吸着膜の寿命を推定できる。即ちイオン吸着膜(B)に捕獲された不純物量からイオン吸着膜(A)に捕獲されているであろう不純物量を推測し、その破過到達時期を予測することができる。
【0019】
尚、モニタリングする対象の不純物としては、例えば、金属類、シリカ、ハロゲン(特に、フッ素)等を挙げることができ、モニタリングすべき不純物の種類に応じて上記分析方法を選択することができる。
【0020】
本発明のモニタリング方法において、イオン吸着膜(B)への単位膜当たりの被精製水の接触量を、イオン吸着膜(A)への単位膜当たりの被精製水の接触量より多くすることができる。これにより、単位膜当たりのイオン吸着膜(B)への不純物負荷量を増やし、不純物の定量を容易にすることができる。
また、本発明のモニタリング方法において、イオン吸着膜(B)の膜面積をイオン吸着膜(A)の膜面積より小さくすることもできる。この場合も上記と同様に、単位膜当たりのイオン吸着膜(B)への不純物負荷量を増やし、不純物の定量を容易にすることができる。
イオン吸着膜(B)への被精製水の接触量と膜面積の小型化を組み合わせることもできる。
【0021】
上記本発明は、超純水製造装置のユースポイント直前においてイオン吸着膜を用いる超純水の製造方法も包含する。イオン吸着膜は、上記で説明したとおりである。また、超純水製造装置のユースポイントとは、1次系純水製造装置及び2次系純水製造装置(サブシステム)を経て供給された超純水でウエハ洗浄を行うところである。
本発明の方法では、上記本発明のモニタリング方法を利用して予測される破過前に上記イオン吸着膜を交換する。
【0022】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、本実施例で用いたイオン吸着膜は、T. Hori et al., J. Membr. Sci., 132(1997) 203−211記載の方法に従って作製した。
実施例1
図1に示すように、超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインにNaの吸着サイトが0.12mol/モジュールのカチオン吸着膜(イオン交換容量1.6mmol/g、孔径0.1μm)を2系列設置した。そのうち1系列をイオン吸着膜の交換時期を決定するための不純物測定用として3ヶ月通水を行った。不純物測定用の膜に付着した不純物を酸で脱離した後、脱離された不純物の内、NaについてICP−MSを用いて分析した。その結果、Na量は3.2mmol/モジュールであり、吸着サイト使用は2.7%であった。吸着サイトの30%が使用されるであろう時期を交換時期と仮定すれば、交換時期は使用開始後約33ヶ月であった。結果を表1にまとめて示す。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例2
図1に示すように、超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインに、Feの吸着サイトが0.28mol/モジュールのカチオン吸着膜(イオン交換容量1.6mmol/g、孔径0.1μm)を2系列設置した。そのうち1系列をイオン吸着膜の交換時期を決定するための不純物測定用として3ヶ月通水を行った。不純物測定用の膜に付着した不純物を酸で脱離した後、脱離された不純物のうち遷移金属であるをICP−MSによって分析した。その結果及び実施例1と同様にして推定された交換時期を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】
実施例3
図2に示すように、超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインに、シリカの吸着サイトが0.05mol/モジュールのアニオン吸着膜(イオン交換容量2.6mmol/g、孔径0.1μm)を2系列設置した。そのうち1系列をイオン吸着膜の交換時期を決定するための不純物測定用として3ヶ月通水を行った。不純物測定用の膜に付着した不純物をアルカリで脱離した後、脱離された不純物のうちシリカをICP−MSによって分析した。その結果及び実施例1と同様にして推定された交換時期を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
実施例4
図2に示すように、超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインに、Clの吸着サイトが0.16mol/モジュールのアニオン吸着膜(イオン交換容量2.6mmol/g、孔径0.1μm)を2系列設置した。そのうち1系列をイオン吸着膜の交換時期を決定するための不純物測定用として3ヶ月通水を行った。不純物測定用の膜に付着した不純物をアルカリで脱離した後、脱離された不純物のうちハロゲン(Cl)をイオンクロマトによって分析した。その結果及び実施例1と同様にして推定された交換時期を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
実施例5
図2に示すように、超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインにフッ素の吸着サイトが0.14mol/モジュールのアニオン吸着膜(イオン交換容量2.6mmol/g、孔径0.1μm)を2系列設置した。そのうち1系列をイオン吸着膜の交換時期を決定するための不純物測定用として3ヶ月通水を行った。不純物測定用の膜に付着した不純物をアルカリで脱離した後、脱離された不純物のうちフッ素をイオンクロマトによって分析した。その結果及び実施例1と同様にして推定された交換時期を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
実施例6
図2に示すうように超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインにFeの吸着サイトが0.3mol/モジュールのカチオン吸着膜(イオン交換容量1.6mmol/g、孔径0.1μm)を2系列設置した。そのうち1系列をイオン吸着膜の交換時期を決定するための不純物測定用として3ヶ月通水を行った。不純物測定用の膜に付着したFeの量を蛍光X線によって分析した。その結果及び実施例1と同様にして推定された交換時期を表6に示す。
【0033】
【表6】
【0034】
実施例7
図2に示すように、超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインにFeの吸着サイトが0.3mol/モジュールのカチオン吸着膜(イオン交換容量1.6mmol/g、孔径0.1μm)を2系列設置した。そのうち1系列をイオン吸着膜の交換時期を決定するための不純物測定用に使用するために洗浄用のイオン吸着膜の1.2倍の通水速度で3ヶ月通水を行った。不純物測定用の膜に付着した不純物を酸で脱離した後、脱離された不純物のうちFeをICP−MSによって分析した。その結果及び実施例1と同様にして推定された交換時期を表7に示す。
【0035】
【表7】
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、超純水製造に使用されるイオン吸着膜の破過を予測できる新たな方法を提供することができ、さらにこの方法を利用してイオン吸着膜を有効利用した超純水の製造方法を提供することができる。
これにより、ブレ−ク前に膜の交換が可能となり、デバイス特性を悪化させる要因となる不純物が確実に除去された清浄な超純水の安定供給ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインにカチオン吸着膜を(A)(B)2系列設置した場合の概略説明図。
【図2】超純水システムのユ−スポイント配管のメインル−プから分岐された洗浄ラインにアニオン吸着膜を(A)(B)2系列設置した場合の概略説明図。
Claims (7)
- 超純水製造装置のユースポイント直前において用いられるイオン吸着膜の破過をモニタリングする方法であって、
モニタリングすべきイオン吸着膜(以下、イオン吸着膜(A)という)と同じ性能を有するイオン吸着膜(以下、イオン吸着膜(B)という)をイオン吸着膜(A)と並列に設け、このイオン吸着膜(B)に被精製水を接触させ、捕獲された不純物量からイオン吸着膜(A)の破過到達時期を予測することを特徴とする方法。 - イオン吸着膜が、膜内部にイオン交換機能を有する高分子鎖が保持されている多孔膜であって、膜1g当たり0.2〜10ミリ当量のイオン交換基を有し、平均孔径0.01〜1μmの多孔膜を充填したモジュールである請求項1に記載の方法。
- イオン吸着膜(B)への単位膜当たりの被精製水の接触量を、イオン吸着膜(A)への単位膜当たりの被精製水の接触量より多くする請求項1または2に記載の方法。
- イオン吸着膜(B)の膜面積をイオン吸着膜(A)の膜面積より小さくする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物量を、イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物を脱離し、脱離した不純物を定量することにより求める請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物量を、イオン吸着膜(B)に捕獲された不純物を脱離することなく定量することにより求める請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 超純水製造装置のユースポイント直前においてイオン吸着膜を用いる超純水の製造方法であって、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を利用して予測される破過前に上記イオン吸着膜を交換することを特徴とする方法。
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