JP3582292B2 - 照明光学系、およびこれを用いた投写型表示装置 - Google Patents

照明光学系、およびこれを用いた投写型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、色光合成手段を備えた投写型表示装置およびそのための照明光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を投写スクリーンに投写する投写型表示装置には、クロスダイクロイックプリズムが用いられていることが多い。例えば透過型の液晶プロジェクタでは、クロスダイクロイックプリズムは、赤、緑、青の3色の光を合成して同一の方向に出射する色光合成手段として利用される。また、反射型の液晶プロジェクタでは、クロスダイクロイックプリズムは、白色光を赤、緑、青の3色の光に分離する色光分離手段として利用されると共に、変調された3色の光を再度合成して同一の方向に出射する色光合成手段としても利用される。クロスダイクロイックプリズムを用いた投写型表示装置としては、例えば特開平1−302385号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
図20は、投写型表示装置の要部を示す概念図である。この投写型表示装置は、3つの液晶ライトバルブ42,44,46と、クロスダイクロイックプリズム48と、投写レンズ系50とを備えている。クロスダイクロイックプリズム48は、3つの液晶ライトバルブ42,44,46で変調された赤、緑、青の3色の光を合成して、投写レンズ系50の方向に出射する。投写レンズ系50は、合成された光を投写スクリーン52上に結像させる。
【0004】
図21は、クロスダイクロイックプリズム48の一部を分解した斜視図である。クロスダイクロイックプリズム48は、4つの直角プリズムの互いの直角面を、光学接着剤で貼り合わせることによって作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図22は、クロスダイクロイックプリズム48を利用した場合の問題点を示す説明図である。図22(A)に示すように、クロスダイクロイックプリズム48は、4つの直角プリズムの直角面で形成されるX字状の界面において、略X字状に配置された赤色光反射膜60Rと青色光反射膜60Bとを有している。しかし、4つの直角プリズムの隙間には光学接着剤層62が形成されているので、反射膜60R,60Bも、クロスダイクロイックプリズム48の中心軸48aの部分において隙間を有している。
【0006】
クロスダイクロイックプリズム48の中心軸48aを通る光が投写スクリーン52上に投影されると、中心軸48aに起因する暗線が画像中に形成されることがある。図22(B)は、このような暗線DLの一例を示している。この暗線DLは、他の部分とは異なる色がついた、やや暗い線状の領域であり、投写された画像のほぼ中心に形成される。この暗線DLは、中心軸48a付近の反射膜の間隙において光線が散乱されることや、赤色光や青色光が反射されないことに起因していると考えられる。なお、この問題は、赤色反射膜、青色反射膜等の選択反射膜がそれぞれ形成された2種類のダイクロイックミラーをX字状に交差させたクロスダイクロイックミラーにおいても同様に発生する。この場合にも、ミラーの中心軸に起因する暗線が画像中に形成されることとなる。
【0007】
このように、従来の投写型表示装置では、クロスダイクロイックプリズム48やクロスダイクロイックミラーの中心軸によって、投写される画像のほぼ中心に暗線が形成されてしまうことがあるという問題があった。
【0008】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、クロスダイクロイックプリズムやクロスダイクロイックミラー等、X字状に配置された2種類のダイクロイック膜を備えた光学手段の中心軸に起因する暗線を目立たなくすることのできる技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
(課題を解決するための原理の説明)
まずはじめに、課題を解決するための原理を、具体的な例に基づき、図1ないし図4を用いて説明する。図面では、光の進行方向をz方向、光の進行方向(z方向)からみて3時の方向をx方向、12時の方向をy方向として統一してある。また、下記説明に置いて、便宜的に、x方向は行方向、y方向は列方向を表すものとする。なお、下記の原理は、説明を容易にするために具体的な例に基づいて説明を行っているが、本発明はそのような具体的な構成に限定されるものではない。
【0010】
投写型表示装置において、光源からの光を複数の部分光束に分割して照明光の面内照度むらを低減する技術として、WO94/22042号公報に記載されたような、複数の小レンズを有する2つのレンズアレイを用いた照明光学系(インテグレータ光学系という)が知られている。
【0011】
図1は、クロスダイクロイックプリズムを用いた投写型表示装置にインテグレータ光学系を採用した場合の、暗線発生原理を説明する図である。図1(A−1),(B−1)は、x方向の位置が互いに異なる小レンズ10、すなわち、異なる列方向に存在する小レンズ10を通過した光束(図中実線で示す)、および、その中心光軸(図中細かい点線で示す)の追跡図、図1(A−2),(B−2)は投写スクリーン7上の暗線DLa、DLbの形成位置を示す図である。
【0012】
光源(図示省略)から出射された光束は、それぞれ複数の小レンズ10を有する第1と第2のレンズアレイ1,2によって複数の部分光束に分割される。第1と第2のレンズアレイ1,2に設けられた各小レンズ10を通過した光束は、平行化レンズ15によってその中心軸に平行な光束に変換される。平行化レンズ15を通過した部分光束は、液晶ライトバルブ3上で重畳され、その所定領域を均一に照明する。なお、図1においては1枚の液晶ライトバルブ3のみが図示されているが、他の2枚の液晶ライトバルブにおいてもインテグレータ光学系の原理、暗線の発生原理は同様である。
【0013】
図2は第1と第2のレンズアレイ1,2の外観を示す斜視図である。第1のレンズアレイ1,2は、それぞれ略矩形状の輪郭を有する小レンズ10がM行N列のマトリクス状に配置された構成を有している。この例では、M=10,N=8であり、図1(A−1)には2列目の小レンズを通過した部分光束の追跡図、図1(B−1)には7列目の小レンズを通過した部分光束の追跡図が示されていることになる。
【0014】
液晶ライトバルブ3上に重畳された光束は、液晶ライトバルブ3で画像情報に応じた変調を受けた後、クロスダイクロイックプリズム4に入射する。クロスダイクロイックプリズム4から出射された光束は、投写レンズ系6を介して投写スクリーン7上に投影される。
【0015】
図1(A−1),(B−1)にそれぞれ荒い点線で示すように、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5(図中y方向に沿っている)部分を通過する光も、それぞれ投写スクリーン7上のPa,Pbの位置に投影されることとなる。ところが、従来技術において述べたように、この中心軸5付近の反射膜の間隙において光線が散乱されたり、反射されるべき光が反射されなかったりするため、中心軸5付近を通過する光の光量が減少してしまう。よって、図1(A−2),(B−2)に示すように、投写スクリーン7上に周囲よりも輝度の低い部分、すなわち、暗線DLa,DLbが形成されてしまう。
【0016】
ここで、暗線と、第1と第2のレンズアレイ1,2との関係を説明する。図1(A−1)を一部拡大して示してある図3(A)から解るように、液晶ライトバルブ3によって形成された像は、投写レンズ系6によって反転され、かつ拡大されて投写スクリーン7上に投影される。なお、図3(B)は、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5を含むxy平面における断面図である。図3(A),(B)において、r1は、部分光束をクロスダイクロイックプリズム4の中心軸5を含むxy平面で切断したときの、部分光束の断面8の一方の端11から中心軸5までの距離を示し、r2は、部分光束の断面8の他方の端12から中心軸5までの距離を示す。部分光束の断面8の像は、投写レンズ系6によって反転され、かつ拡大されて投写スクリーン7上に投影されるので、投写スクリーン7上における投写領域9の一方の端13から暗線DLaまでの距離R2と投写領域9の他方の端から暗線DLaまでの距離R1との比は、距離r2と距離r1との比に等しい。すなわち、暗線DLaが形成される位置は、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸を含むxy平面における部分光束の断面8が、中心軸5に対してどのような位置に存在するかに依存している。
【0017】
ここで、図1(A−1)と(B−1)とを比較すれば解るように、図1(A−1)と(B−1)とでは、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5を含むxy平面におけるそれぞれの部分光束の断面の位置が異なっている。従って、暗線DLaとDLbとはそれぞれ異なる位置に形成されることとなる。同様に、第1と第2のレンズアレイ1,2のうち、2列目、7列目以外の列に存在する小レンズ10を通過した部分光束の、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5を含むxy平面における断面の位置もそれぞれ異なるため、投写スクリーン7上には、第1と第2のレンズアレイ1,2の列数だけ、すなわち、N本の暗線が形成されることになる。
【0018】
なお、第1と第2のレンズアレイ1,2の同じ列方向位置に並ぶM個の小レンズを通過する部分光束は、図4に示したように、投写スクリーン7上のほぼ等しい位置に暗線DLcを形成する。従って、N本の暗線のそれぞれは、第1と第2のレンズアレイ1,2の同じ列方向位置に並ぶM個の小レンズを通過する部分光束が重なり合って形成されており、その暗度は、それぞれの小レンズ10によって形成される暗線の暗度の総和にほぼ等しい。
【0019】
以上をまとめると、以下の原理が導き出せる。
【0020】
(第1の原理)
まず、第1に、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5に対する部分光束の中心軸の位置が異なれば暗線の形成される位置も異なる。第1と第2のレンズアレイ1,2の異なる列を通過する部分光束は、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5に対する位置が互いに異なるので、異なる位置に暗線を形成する。
【0021】
(第2の原理)
第2に、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5を含むxy平面における部分光束の断面の位置が異なるのは、クロスダイクロイックプリズム4に入射する部分光束の角度が異なるからである(図1参照)。第1と第2のレンズアレイ1,2の異なる列を通過する部分光束は、クロスダイクロイックプリズム4に対して異なる角度で入射するので、中心軸5における部分光束の位置が異なる。
【0022】
従って、クロスダイクロイックプリズム4に入射する部分光束の角度が異なれば、あるいは、液晶ライトバルブ3上に重畳される部分光束の角度が異なれば、暗線の形成される位置も異なることになる。
【0023】
(結論)
先に述べた通り、第1と第2のレンズアレイ1,2の同じ列方向位置に並ぶM個の小レンズを通過する部分光束が、投写スクリーン7上のほぼ等しい位置にそれぞれ暗線を形成することにより、その暗線の暗度は、それぞれの小レンズ10によって形成される暗線の暗度の総和にほぼ等しい。1つの小レンズによって形成される暗線の暗度のほぼM倍となる。従って、このM個の小レンズを通過する部分光束のそれぞれにより形成される暗線が、投写スクリーン7上の異なる位置に形成されるようにすれば良い。すなわち、このようにすれば、暗線の数は増加するものの、1本あたりの暗線の暗度を減少させることが可能となるため、結果として暗線が非常に目立ちにくくなる。なお、M個の小レンズを通過する暗線のすべてが異なる位置に形成されるようにする必要はなく、一部が異なる位置に形成されるようにするだけで十分である。
【0024】
なお、暗線を異なる位置に形成させることは、先に述べた第1の原理、第2の原理のいずれかにより可能である。
【0025】
すなわち、第1の原理に基づけば、同じ列方向位置に並ぶM個の小レンズを通過する部分光束のうち、一部について、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5に対する部分光束の中心軸の位置を他と変化させれば良い。
【0026】
さらに、第2の原理に基づけば、同じ列方向位置に並ぶM個の小レンズを通過する部分光束のうち、一部について、液晶ライトバルブ3上に重畳される部分光束の角度、あるいはクロスダイクロイックプリズム4に入射する部分光束の角度を他と変化させれば良い。
【0027】
本発明は、上記のような原理を追求することによって、前に述べたような従来技術における課題を解決することができたのである。以下に、その手段、および、作用・効果について述べる。
【0028】
(課題を解決するための手段およびその作用・効果)
第1の発明は、
照明光を出射する照明光学系であって、
光源から出射される光束を複数の部分光束に分割するためにマトリクス状に配置された複数の小レンズを有する第1のレンズアレイと、
入射された前記複数の部分光束を反射する反射ミラーと、
前記反射ミラーで反射された前記複数の部分光束のそれぞれの光路上に対応する複数の小レンズを有する第2のレンズアレイとを備え、
前記第2のレンズアレイは、所定の列方向にそってほぼ並ぶ少なくとも1列の小レンズのうち少なくとも1つの行の小レンズが他の行の小レンズから所定の行方向に所定の量だけずれた位置に配置されており、
前記反射ミラーは、前記少なくとも1つの行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する少なくとも1つの反射部と前記他の行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する他の反射部とに区分けされ、該少なくとも1つの反射部で反射した部分光束と該他の反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有していることを特徴とする。
【0029】
第1の発明を適用する投写型表示装置として、照明光を、3色の光に分離する色光分離手段と、3色の光を与えられた画像信号に基づいてそれぞれ変調する3組の光変調手段と、X字状に配置された2種類のダイクロイック膜を備え、このダイクロイック膜が互いに交差する位置に相当する中心軸を有し、3組の光変調手段により変調された3色の光を合成して同一方向に出射する色光合成手段と、この色光合成手段により合成された光を投写面上に投写する投写手段とを備えている投写型表示装置がある。ここで、「所定の列方向」は、色光合成手段の中心軸にほぼ平行な方向である。また、「所定の行方向」は、この中心軸にほぼ平行な方向にほぼ垂直な方向である。また、3組の光変調手段が第1の発明により照明される被照明領域に相当する。このような投写型表示装置では、通常、第1と第2のレンズアレイで分割された複数の部分光束のうちで、列方向に沿ってほぼ並ぶ複数の部分光束の少なくとも1列の部分光束は、被照明領域上をほぼ同じ所定の角度で通過して、色光合成手段の中心軸をスクリーン上のほぼ同じ位置に投影して暗線を形成する。
【0030】
第1の発明を上記投写型表示装置に適用した場合においては、第1のレンズアレイから出射する部分光束で列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の部分光束のうち、反射ミラーの少なくとも1つの反射部で反射して第2のレンズアレイの少なくとも1つの行の小レンズを通過する部分光束が被照明領域に入射する角度と、反射ミラーの他の反射部で反射して第2のレンズアレイの他の行の小レンズを通過する部分光束が被照明領域に入射する角度は異なるため、2種類の部分光束は、クロスダイクロイックプリズムに異なる角度で入射し、さらに、クロスダイクロイックプリズム中のそれぞれ異なる位置を通過する。したがって、上記第1,第2の原理に基づき、列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の部分光束によって色光合成手段の中心軸がほぼ同じ位置に投影されるのを防止できる。この結果、投写される画像に形成される暗線を目立ちにくくすることが可能である。
【0031】
上記第1の発明において、前記第2のレンズアレイは、前記所定の行方向に沿った少なくとも1本の区分線によって、複数の領域に区分されており、前記複数の領域の少なくとも一部の領域が他の領域から前記所定の行方向に所定の量だけずれた位置に配置されており、
前記反射ミラーは、前記少なくとも1部の領域を通過すべき部分光束の反射する少なくとも1つの反射部と前記他の領域を通過すべき部分光束の反射する他の反射部とに区分けされ、該少なくとも1つの反射部で反射した部分光束と該他の反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有しているようにしてもよい。
【0032】
このようにしても、列方向に沿ってほぼ並ぶ1列の部分光束のうち、第2のレンズアレイの一部の領域を通過した部分光束の被照明領域を通過する角度と、他の領域を通過した部分光束の被照明領域を通過する角度とが異なることになる。したがって、上記第1,第2の原理に基づいて、列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の部分光束によって色光合成手段の中心軸がほぼ同じ位置に投影されるのを防止できる。この結果、投写される画像に形成される暗線を目立ちにくくすることが可能である。
【0033】
また、上記第1の発明において、前記第2のレンズアレイは、前記所定の列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の小レンズのうち、奇数行の小レンズと偶数行の小レンズとが、前記所定の行方向に交互に異なる位置に所定の量だけずれて配置されており、
前記反射ミラーは、前記奇数行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する奇数行反射部と前記偶数行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する偶数行反射部とに区分けされ、該奇数行反射部で反射した部分光束と該偶数行反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有しているようにしてもよい。
【0034】
このようにしても、列方向に沿ってほぼ並ぶ1列の部分光束のうち、第1と第2のレンズアレイの奇数行を通過する部分光束が被照明領域を通過する角度と、偶数行を通過する部分光束が被照明領域を通過する角度とが異なることになる。したがって、上記第1,第2の原理に基づいて、列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の部分光束によって色光合成手段の中心軸がほぼ同じ位置に投影されるのを防止できる。この結果、投写される画像に形成される暗線を目立ちにくくすることが可能である。
【0035】
また、上記第1の発明において、前記第2のレンズアレイは、前記所定の列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の小レンズのうち、該少なくとも1列の小レンズを通過した部分光束のうちで比較的大きい光量を有する部分光束が通過する少なくとも1つの小レンズが、前記所定の行方向に沿って他の小レンズとは異なる位置に所定の量だけずれて配置されており、
前記反射ミラーは、前記少なくとも1つの小レンズを通過すべき部分光束の反射する少なくとも1つの反射部と前記他の小レンズを通過すべき部分光束の反射する他の反射部とに区分けされ、該少なくとも1つの反射部で反射した部分光束と該他の反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有しているようにしてもよい。
【0036】
部分光束の光量が比較的大きい部分光束によって形成される暗線の暗度は比較的大きいため、暗線が目立ちやすい。このような部分光束の被照明領域上を通過する角度が他の部分光束被照明領域上を通過する角度が同じであると、投写される画像に形成される暗線がより目立ちやすくなる。したがって、上記のようにすれば、このような比較的光量の大きい部分光束を、他の部分光束の角度とは異なった角度で被照明領域上を通過させることができる。したがって、上記第1,第2の原理に基づいて、列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の部分光束によって色光合成手段の中心軸がほぼ同じ位置に投影されるのを防止できる。この結果、投写される画像に形成される暗線を目立ちにくくすることが可能である。
【0037】
上記の場合において、さらに、前記比較的大きい光量を有する部分光束が前記所定の列方向に沿って複数存在する場合には、さらに、該複数の比較的大きい光量を有する部分光束の通過する複数の小レンズが前記所定の行方向に沿ってそれぞれ異なる位置に所定の量だけずれて配置されており、
前記反射ミラーは、さらに、前記複数の比較的大きい光量を有する部分光束の反射する複数の反射部に区分けされ、該複数の反射部で反射した部分光束の光路がそれぞれ前記所定の行方向に前記所定の量だけそれぞれずれるように段差を有していることが好ましい。
【0038】
上述したように、部分光束の光量が比較的大きい部分光束によって形成される暗線の暗度は比較的大きいため、暗線が目立ちやすい。このような部分光束の被照明領域上を通過する角度が互いに同じであると、投写される画像に形成される暗線がより目立ちやすくなる。したがって、上記のようにすれば、このような比較的光量の大きい部分光束を互いに異なった角度で被照明領域上を通過させることができる。
【0039】
また、上記各場合において、
前記第2のレンズアレイの複数の小レンズのうちで、前記所定の行方向に沿ってほぼ並ぶ複数行の小レンズが複数の組に組分けされ、
同じ組の小レンズは、前記所定の行方向の同じ位置に配置され、
異なる組の小レンズは、前記所定の行方向の互いに異なる位置に配置されているようにしてもよい。
【0040】
このようにしても、列方向に沿ってほぼ並ぶ1列の部分光束のうち、異なる組の小レンズを通過した部分光束毎に被照明領域上を通過する角度が異なるので、列方向に沿ってほぼ並ぶ1列の部分光束によって色光合成手段の中心軸がほぼ同じ位置に投影されるのを防止できる。この結果、投写される画像に形成される暗線を目立ちにくくすることが可能である。
【0041】
このとき、前記複数の組は、それぞれの組を通過する部分光束の光量の総和がほぼ等しくなるように組分けされていることが好ましい。
【0042】
それぞれの組を通過するの部分光束の光量の総和が異なると、それぞれの組を通過する部分光束によって投影される色光合成手段の中心軸に相当する暗線の暗度もそれぞれ異なる。これらの暗線を目立たなくすることが本発明の目的であるが、相対的な比較による光の識別能力は比較的高いため、暗線の暗度が異なることは、暗線を目立たなくさせるという意味からはあまり好ましくない。それぞれの組の部分光束の光量の総和が等しければ、それぞれの組の部分光束による暗線の暗度を等しくすることができる。
【0043】
また、上記各場合において、
前記複数の部分光束のそれぞれについて、前記第1のレンズアレイから前記第2のレンズアレイまでの光学距離が互いに等しくなるように、前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイの複数の小レンズの位置が調整されていることが好ましい。
【0044】
このようにすれば、複数の部分光束のそれぞれが第2のレンズアレイを効率よく通過することができるため、照明光学系の光の利用効率を向上させることができる。
【0045】
上記各場合において、
前記小レンズの行方向の所定のずれ量は、前記小レンズの行方向の幅の約1/2または2/3であり、
前記反射ミラーの段差は、前記小レンズの行方向の幅の約√2/4または√2/3であることが好ましい。
【0046】
このようにすれば、ある行の小レンズを通過する部分光束によって発生する暗線間隔のちょうど中間位置に、その行に対してずれて配置されている行の小レンズを通過する部分光束による暗線を発生させることができる。
【0047】
また、上記各場合において、
前記第2のレンズアレイの出射面側に、さらに、
前記第1のレンズアレイおよび前記第2のレンズアレイの複数の小レンズを通過する複数の部分光束を、前記光変調手段上の照明位置でほぼ重畳結合する重畳結合レンズと、
前記第2のレンズアレイと前記重畳結合手段との間に設けられた偏光変換素子と、を備え、
前記偏光変換素子は、互いに平行な偏光分離膜と反射膜の複数の組を有し、前記第2のレンズアレイの複数の小レンズを通過した複数の部分光束をそれぞれ2種類の直線偏光成分に分離する偏光ビームスプリッタアレイと、
前記偏光ビームスプリッタアレイで分離された前記2種類の直線偏光成分の偏光方向を揃える偏光変換手段と、を備えるようにしてもよい。
【0048】
このようにすれば、ランダムな偏光光を有する照明光を一種類の直線偏光光に変換して利用できるので、光の利用効率を高めることができる。
【0049】
上記変更変換素子を備える場合には、
前記小レンズの行方向の所定のずれ量は、前記小レンズの行方向の幅の約1/4または1/3であり、
前記反射ミラーの段差は、前記小レンズの行方向の幅の約√2/8または√2/6であることがこのましい。
【0050】
第2のレンズアレイから出射した光束は、偏光変換素子の偏光分離膜から出射する直線偏光光と、反射膜から出射する行方向にずれた直線偏光光に変換される。すなわち、偏光変換素子を備える場合には、行方向の部分光束の間隔は、偏光変換素子を備えない場合に対して1/2となる。したがって、上記のようにすれば、ある行の小レンズを通過する部分光束によって発生する暗線間隔のちょうど中間位置に、その行に対してずれて配置されている行の小レンズを通過する部分光束による暗線を発生させることができる。
【0051】
第2の発明は、投写型表示装置であって、
第1の発明による照明光学系と、
前記被照明領域としての光入射面をそれぞれ有し、前記3色の光を与えられた画像信号に基づいてそれぞれ変調する3組の光変調手段と、
前記照明光を3色の光に分離するとともに、前記3組の光変調手段により変調された3色の光を合成して出射する色光分離合成手段と、
を備え、
前記色光分離合成手段は、X字状に配置された2種類のダイクロイック膜を備え、前記ダイクロイック膜が互いに交差する位置に相当する中心軸を前記所定の列方向に沿って有すことを特徴とする。
【0052】
第1の発明による照明光学系を投写型表示装置に用いることによって、第1の発明と同様に、投射された画像に形成される暗線を目立たなくすることができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
A.第1実施例:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図5は、この発明の第1実施例としての投写型表示装置の要部を示す概略平面図である。なお、以下の説明では、光の進行方向をz方向、光の進行方向(z方向)からみて3時の方向をx方向、12時の方向をy方向とする。この投写型表示装置は、照明光学系100と、ダイクロイックミラー210,212と、反射ミラー218,222,224と、入射側レンズ230と、リレーレンズ232と、3枚のフィールドレンズ240,242,244と、3枚の液晶ライトバルブ(液晶パネル)250,252,254と、クロスダイクロイックプリズム260と、投写レンズ系270とを備えている。
【0054】
照明光学系100は、ほぼ平行な光束を出射する光源110と、第1のレンズアレイ120と、段付き反射ミラー160と、第2のレンズアレイ130と、重畳レンズ150とを備えている。照明光学系100は、被照明領域である3枚の液晶ライトバルブ250,252,254をほぼ均一に照明するためのインテグレータ光学系である。
【0055】
光源110は、放射状の光線を出射する放射光源としての光源ランプ112と、光源ランプ112から出射された放射光をほぼ平行な光線束として出射する凹面鏡114とを有している。凹面鏡114としては、放物面鏡を用いることが好ましい。
【0056】
図6は、第1のレンズアレイ120の外観を示す斜視図である。第1のレンズアレイ120は略矩形状の輪郭を有する小レンズ122が直交マトリクス状にM行×N列配列された構成を有している。小レンズ122は、光学的中心と幾何学的中心が同じである同心レンズである。ここで、x方向がレンズアレイの行方向、y方向が列方向に対応している。この例では、M=6,N=4のレンズアレイを示している。第1のレンズアレイ120の各小レンズ122をz方向から見た外形形状は、液晶ライトバルブ250,252,254の表示領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。この実施例では、小レンズ122のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)は4:3に設定されている。第2のレンズアレイ130の構成および機能については後述する。
【0057】
図5に示すように、第1のレンズアレイ120は、光源110の光路上に配置され、第2のレンズアレイ130および重畳レンズ150は、第1のレンズアレイ120にほぼ垂直な方向をむいて配置されている。第1のレンズアレイ120は、光源110からの出射光を複数の部分光束に分割するとともに、各部分光束を集光させる機能を有している。第2のレンズアレイ130は、各部分光束の中心軸をシステム光軸SC(本実施例では、光源光軸LCに等しい)にほぼ平行に揃える機能を有している。段付き反射ミラー160は、第1のレンズアレイ120から出射した部分光束が、第2のレンズアレイ130を通過するように、反射する機能を有している。なお、段付き反射ミラー160の構成および機能については後述する。重畳レンズ150は、第2のレンズアレイから出射したシステム光軸SCに平行な中心軸を有する複数の部分光束を集光して、所定の被照明領域(すなわち液晶ライトバルブ250,252,254)で重畳させる機能を有する。また、フィールドレンズ240,242,244は、照明領域を照明する各部分光束をそれぞれの中心軸に平行な光束に変換する機能を有する。この結果、各液晶ライトバルブ250,252,254は、ほぼ均一に照明される。
【0058】
2枚のダイクロイックミラー210,212は、本発明の色光分離合成手段のうち、重畳レンズ150で集光された白色光を、赤、緑、青の3色の色光に分離する色光分離手段としての機能を有する。第1のダイクロイックミラー210は、照明光学系100から出射された白色光束の赤色光成分を透過させるとともに、青色光成分と緑色光成分とを反射する。第1のダイクロイックミラー210を透過した赤色光は、反射ミラー218で反射され、フィールドレンズ240を通って赤光用の液晶ライトバルブ250に達する。このフィールドレンズ240は、第2のレンズアレイ130から出射された各部分光束をその中心軸に対して平行な光束に変換する。他の液晶ライトバルブの前に設けられたフィールドレンズ242,244も同様である。第1のダイクロイックミラー210で反射された青色光と緑色光のうちで、緑色光は第2のダイクロイックミラー212によって反射され、フィールドレンズ242を通って緑光用の液晶ライトバルブ252に達する。一方、青色光は、第2のダイクロイックミラー212を透過し、入射側レンズ230、リレーレンズ232および反射ミラー222,224を備えたリレーレンズ系を通り、さらにフィールドレンズ244を通って青色光用の液晶ライトバルブ254に達する。なお、青色光にリレーレンズ系が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ230に入射した部分光束をそのまま、出射側レンズ244に伝えるためである。
【0059】
3枚の液晶ライトバルブ250,252,254は、与えられた画像情報(画像信号)に従って、3色の色光をそれぞれ変調して画像を形成する光変調手段としての機能を有する。この液晶ライトバルブは、通常、実際に色光を変調する液晶パネルと、その入/出射面に備える偏光板とで構成されている。クロスダイクロイックプリズム260は、色光分離合成手段のうち、3色の色光を合成してカラー画像を形成する色光合成手段としての機能を有する。なお、クロスダイクロイックプリズム260の構成は、図20および図21で説明したものと同じである。すなわち、クロスダイクロイックプリズム260には、赤光を反射する誘電体多層膜と、青光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を投写するための合成光が形成される。クロスダイクロイックプリズム260で生成された合成光は、投写レンズ系270の方向に出射される。投写レンズ系270は、この合成光を投写スクリーン300上に投写して、カラー画像を表示する投写光学系としての機能を有する。
【0060】
さて、図5に示す第1実施例の投写型表示装置は、先に概説した第2のレンズアレイ130と段付き反射ミラー160の構成に特徴がある。図7は、第2のレンズアレイ130を示す正面図である。この図は光の進行方向(z方向)からみた図である。以下の説明では、レンズアレイの上側を基準に第1,第2,第3…行目とする。z方向からみて左側を基準に第1,第2,第3…列目とする。第2のレンズアレイ130は、図6に示した第1のレンズアレイ120の小レンズ122のそれぞれに対応するように、小レンズ132がマトリクス状にM行×N列(M=6,N=4)配列された構成を有している。ただし、第2のレンズアレイ130の上部130u(第1行目から第3行目まで)は、y方向に伸びる中心線Ly(光源光軸LCを含むy方向中心線)に対してずれ量d3で−x方向にずれた位置に配置されている。また、下部130d(第4行目から第6行目まで)は、中心線Lyに対してずれ量d4で+x方向にずれた位置に配置されている。したがって、上部130uに対する下部130dの相対的なずれ量d2は、中心線Lyを基準としたずれ量d3とずれ量d4の和に等しい。このようなレンズアレイは、2つのレンズアレイをずらして配置することにより実現可能である。ただし、通常は、型成形によって一体成形される場合が多い。
【0061】
図8は、段付き反射ミラー160の構成を示す正面図(A)、底面図(B)および側面図(C)である。この段付き反射ミラー160は、平坦なメインミラー162の上に、1つのサブミラー164を貼り付けたものである。サブミラー164は、メインミラー162のほぼ半分の大きさで厚さhを有している。このサブミラー164は、第2のレンズアレイ130の下部130dを通過するべき部分光束が反射する位置に対応して、メインミラー162のほぼ中心から下端まで水平に貼り付けられている。これらのミラーは、全反射ミラー、または、熱エネルギーを透過させるコールドミラーで構成することができる。さらに、熱エネルギーだけでなく、紫外線を透過させる機能を持たせても良い。このような熱エネルギー、紫外線を透過させる機能を段付き反射ミラー160に持たせることにより、液晶ライトバルブ250,252,254に通常設けられている偏光板等の熱や紫外線による劣化を低減することができる。
【0062】
図9は、第1のレンズアレイ120と第2のレンズアレイ130と段付き反射ミラー160との関係を示す説明図である。説明を容易にするため、第2のレンズアレイ130の任意の列における、上部130uの一つの小レンズ132uと下部130dの一つの小レンズ132dと、これらに対応する第1のレンズアレイ120の小レンズ122と、段付き反射ミラー160のみを拡大して示している。また、小レンズ132uを通過する部分光束を代表してその中心軸L132uを実線で、小レンズ132dを通過する部分光束を代表してその中心軸L132dを破線で示している。なお、1点鎖線は、反射ミラーを段付き反射ミラーとせずに通常の反射ミラーとした場合に、小レンズ122から出射してその通常の反射ミラーの仮想的な反射面160Mで反射する部分光束の中心軸L132を示している。以下、この仮想的な反射面(中心反射面)160Mおよび中心軸L132を基準に説明する。また、小レンズ122から段付き反射ミラー160までの中心軸L132u,L132dが中心軸L132に対してx方向に若干ずれているが、これらの中心軸を明確にするためにずらして描かれているだけであり、実際にはほとんどずれが無い。
【0063】
第1のレンズアレイ120と第2のレンズアレイ130とは図5でも示したように互いに直交する向きにそれぞれ配置されている。段付き反射ミラー160は、第1のレンズアレイ120から出射した部分光束が第2のレンズアレイ130を通過するように、その反射面が第1と第2のレンズアレイ120,130側に面すとともに、それらの入/出射面に対してほぼ45度の傾きを有して配置されている。また段付き反射ミラー160の中心反射面160Mからメインミラー162の反射面までの距離はh1、中心反射面160Mからサブミラー164までの距離はh2である。このとき、第1のレンズアレイ120の小レンズ122から出射した部分光束の中心軸L132u,L132dのうち、部分光束の中心軸L132dは、サブミラー164の反射面で反射して、距離h2の√2倍だけ中心軸L132に対して+x方向にずれることになる。一方、部分光束の中心軸L132uの光路には、サブミラー164は存在していないので、そのまま直進する。そして、メインミラー162の反射面で反射して、距離h1の√2倍だけ中心軸L132に対して−x方向にずれることになる。中心軸L132に対する部分光束の中心軸L132u,132dのずれは、図7で示した第2のレンズアレイ130の上部130uおよび下部130dの中心線Lyに対するずれ量d3,d4にほぼ等しい。そして、図7に示す第2のレンズアレイ130の中心線Lyの位置を、中心軸L132の位置と一致するように調整すれば、これらの部分光束の中心軸L132u,L132dは、上部小レンズ132u、下部小レンズ132dの中心をそれぞれ通過するようにすることができる。この結果、第1のレンズアレイ120から出射した部分光束のほぼ全てを第2のレンズアレイ130に有効に導くことができる。
【0064】
ところで、部分光束の中心軸L132u,L132dの中心軸L132に対するずれ量は、サブミラー164の厚さhに依存して変化する。この関係は、幾何学的に簡単に求めることができる。例えば、部分光束の中心軸L132u,L132dの中心軸L132に対するずれ量を、第2のレンズアレイ130の上部130uおよび下部130dの中心線Lyに対するずれ量d3,d4とすると、以下に示す関係式が成立する。
【0065】
Figure 0003582292
【0066】
ここで、h1は、中心反射面160Mに対するメインミラー162の反射面までの距離である。h2は、中心反射面160Mに対するサブミラー164の反射面までの距離である。また、距離d2は、第2のレンズアレイ130の上部133uと下部133dとの相対的なずれ量である。すなわち、段付き反射ミラー160のサブミラー164の厚さhは、第2のレンズアレイ130の上部133uと下部133dとの相対的なずれ量d2、または、上部130uおよび下部130dの中心線Lyに対するずれ量d3,d4から、上式(1)によって求めることができる。
【0067】
図10は、第1実施例における第1と第2のレンズアレイ120,130および段付き反射ミラー160の機能を示す説明図である。図10は、第2のレンズアレイ130の上部130uにおける第3行目の小レンズ132uおよび下部130dにおける第4行目の小レンズ132dを通過する光束の光路を示している。なお、第1行目と第2行目の小レンズを通過する光束の光路は、第3行目の小レンズを通過する光束の光路とxz平面上に示される光路としては同じである。また、上から第5行目と第6行目の小レンズを通過する光束の光路も、第4行目の小レンズを通過する光束の光路とxz平面上に示される光路としては同じである。なお、説明を容易にするため、図10では、第2のレンズアレイ130の上から第3行目の小レンズ132uのうち第1列目(図7参照)の小レンズ132uを通過する部分光束L34の軌跡を示している。また、上から第4行目の小レンズ132dのうち第1列目の小レンズ132dを通過する部分光束L44の軌跡を示している。また、光源部110からクロスダイクロイックプリズム260までの光路上の主要部のみを示している。なお、第2のレンズアレイ130の第4行目(点線)は、わかりやすくするために、z方向に少しずらして示している。また、第2のレンズアレイ130と重畳レンズ150も、わかりやすくするために離して示している。
【0068】
第1のレンズアレイ120の第3行目で第4列目の小レンズ122によって分割された部分光束L34は、段付き反射ミラー160のメインミラー162で反射して第2のレンズアレイ130の第3行目で第1列目の小レンズ132uを通過し、重畳レンズ150に入射する。また、第1のレンズアレイ120の第4行目で第4列目の小レンズ122によって分割された部分光束L44は、xz平面上に示される部分光束L34の光路とほぼ同じ光路を通過し(図では、x方向に少しずらして示されている)、段付き反射ミラー160のサブミラー164で反射する。反射後の部分光束L44は、部分光束L34の光路に対して+x方向にずれた光路を通過して第2のレンズアレイ130の第4行目で第1列目の小レンズ132dを通過し、重畳レンズ150に入射する。重畳レンズ150に入射した部分光束L34およびL44は、その集光作用によって液晶ライトバルブ252(被照明領域)上のほぼ同じ位置を照明する。このとき、2つの部分光束L34,L44は、それらの中心軸L34cl,L44clが液晶ライトバルブ252内の光変調部すなわち液晶パネル252aの中心を通過するように直進して、クロスダイクロイックプリズム260に入射する。
【0069】
ここで、中心軸L34clおよび中心軸L44clのシステム光軸SCに対する角度を入射角度θ34,θ44とする。このとき、部分光束L34およびL44は、第2のレンズアレイ130から出射して重畳レンズ150のx方向のそれぞれ異なった位置に入射する。したがって、液晶パネル252aに入射する際の部分光束L34の中心軸L34clの入射角度θ34と部分光束L44の中心軸L44clの入射角度θ44とが互いに異なることになる。図10の例では、θ34>θ44となる。この結果、部分光束L34の中心軸L34clと部分光束L44の中心軸L44clとは、クロスダイクロイックプリズム260の中心軸262に対して異なる位置をそれぞれ通過する。先に、第1,第2の原理として述べたように、液晶ライトバルブ250,252,254上に重畳される部分光束の角度が異なれば、クロスダイクロイックプリズム260の中心軸262に対する位置が異なることになり、投写スクリーン300上に暗線の形成される位置も異なることになる。このとき、同じ列方向で分割されたM個の部分光束(本実施例では第1のレンズアレイ120のうちの1列によって分割された部分光束)による暗線は、第2のレンズアレイ130の上部130uと下部130dに対応して2ヶ所に分離される。よって、本実施例によれば、同じ列方向で分割されたM個の部分光束のそれぞれによって形成される暗線が、1ヶ所に集中することがなく、暗線を目立ちにくくすることが可能である。
【0070】
次に、第2のレンズアレイ130における上部130uと下部130dのずらし量について説明する。図11は、第2のレンズアレイ130の上部130uにおける第3行目の小レンズ132uおよび下部130dにおける第4行目の小レンズ132dを通過した部分光束がクロスダイクロイックプリズム260内を通過する様子を示す説明図である。なお、説明を容易にするために必要のない部分は省略している。図に示された実線は、第3行目の第1列目〜第4列目の小レンズ132uを通過した部分光束の中心軸L31cl〜L34clを示している。また、図に示された点線は、第4行目の第1列目〜第4列目の小レンズ132dを通過した部分光束の中心軸L41cl〜L44clを示している。第3行目の小レンズ132uを通過した部分光束の中心軸L31cl〜L34clは、液晶パネル252aの中心を通過してクロスダイクロイックプリズム260に入射し、クロスダイクロイックプリズム260の中心軸262を含み液晶ライトバルブ252に平行な中心平面264上の異なる点P31〜P34を通過する。このとき、暗線発生の原理で説明したように、第3行目の各列の小レンズ132uを通過した部分光束によって発生する暗線は、これらの各通過点と中心軸262との間隔にほぼ比例したピッチで発生する。一方、第4行目の各列の小レンズ132dを通過した各部分光束の中心軸L41cl〜L44clも、液晶パネル252の中心を通過してクロスダイクロイックプリズム260に入射し、中心平面264上の異なる点P41〜P44を通過する。ここで、図10で説明したように、第4行目の各小レンズ132dを通過した各部分光束の中心軸の液晶パネル252aへの入射角度が、第3行目の各小レンズ132uを通過した各部分光束の中心軸の入射角度と異なるため、中心平面264上の点P41〜P44は、点P31〜P34からずれることになる。
【0071】
上述したように、暗線を目立ちにくくするためには、各部分光束による暗線が重ならないことが好ましい。例えば、中心軸L42clの入射角度が中心軸L32clの入射角度と等しくなることはもちろんのこと、中心軸L31clの入射角度と等しくなり、他の列の部分光束による暗線と重なることも好ましくない。したがって、第2のレンズアレイ130の上部130uと下部130dとを、点P41〜P44が、点P31〜P34の各間隔の中間に位置するようにずらす必要がある。ずらし量が少なすぎたり、多すぎたりすると、例えば、ずらしすぎると、他の点と重なってしまうため注意が必要である。特に、できる限り暗線間隔をあけることが好ましく、点P41〜P44が、点P31〜P34の間隔のちょうど中央に位置するようにずらすとよい。例えば、図7に示した第2のレンズアレイ130のずらし量d2を小レンズ132d,132uのx方向の幅d1の1/2とすることが好ましい。こうすれば、点P41〜P44が、点P31〜P34のちょうど中間となるようにすることができる。
【0072】
本実施例における第2のレンズアレイ130の各ずらし量d2,d3,d4および段付き反射ミラー160の厚さh,h1,h2の好ましい関係をまとめると以下のようになる。なお、段付き反射ミラー160の厚さh,h1,h2については、上記(1)式により求めることができる。
【0073】
d2=d1/2,
h=(d1/2)/√2,
d3=d4=d2/2,
h1=h2=(d2/2)/√2 …(2)
但し、d1は小レンズのx方向の幅である。
【0074】
なお、本実施例においては、上記(2)式のずらし量d2と小レンズのx方向の幅d1との関係が重要であり、必ずしもずらし量d3とd4を等しくする必要はない。
【0075】
ところで、第1のレンズアレイ120から段付き反射ミラー160および第2のレンズアレイ130を経由して液晶ライトバルブ250,252,254に至る光学的距離に着目すると、第2のレンズアレイ130の上部130uを通過する部分光束と下部130dを通過する部分光束とでは、段付き反射ミラー160の段差(サブミラー164の厚み)に対応する光学的距離(2√2×h)だけ異なっている。したがって、厳密には、この光学的距離の差に対応させて、第1と第2のレンズアレイ120,130の上部と下部を構成する小レンズの特性、例えば焦点距離やz方向での配置位置等をそれぞれ調整することが望ましい。しかしながら、実際には、この光学的距離の差はわずかであり、これに対応する調整量もわずかである。したがって、これらを無視して、液晶ライトバルブを照明する照明光学系を構成しても、ほとんど問題とはならない。そこで、上記実施例においては、これらの調整を無視している。また、以下に示す実施例においても同様である。
【0076】
B.第2実施例:
図12は、この発明の第2実施例としての投写型表示装置の要部を示す概略平面図である。第2実施例は、第2のレンズアレイ130Aと重畳レンズ150との間に偏光変換素子140を設けた照明光学系100Aを用いた点が異なっている。他の構成要素は、第1実施例と同じである。また、照明光学系100Aから出射される照明光が所定の偏光光である点に違いがあるが、装置としての基本的な機能は同じである。以下では、第1実施例と異なる機能について説明する。
【0077】
図13は、第2のレンズアレイ130Aと偏光変換素子140をz方向からみた正面図である。図13(A)に示した第2のレンズアレイ120の位置は、光源光軸LCを含むy方向中心線Lyを基準にして示している。また図13(B)に示した偏光変換素子140の位置は、システム光軸SCを含むy方向中心線Syを基準に示している。これらの2本の中心線Ly,Syは、x方向に距離d5Aだけずれている。なお、x方向中心線LxおよびSxは、図示の便宜上、第2のレンズアレイ130および偏光変換素子140の各正面図ごとに示されているが、実際には、同じy方向位置で重なっている。すなわち、光源光軸LCとシステム光軸SCとは、y方向位置は同じでx方向位置がずれ量d5Aだけ異なっている。中心線Lyは、第2のレンズアレイ130のy方向中心線に等しい。また、中心線Syは、偏光変換素子140のy方向中心線に等しい。
【0078】
図13(A)に示すように、第2のレンズアレイ130Aの上部130Au(第1行目から第3行目まで)は、中心線Lyに対してずれ量d3Aで−x方向にずれた位置に配置されている。また、下部130Ad(第4行目から第6行目まで)は、中心線Lyに対してずれ量d4Aで+x方向にずれた位置に配置されている。したがって、上部130Auに対する下部130Adの相対的なずれ量d2Aは、中心線Lyを基準としたずれ量d3Aとずれ量d4Aの和に等しい。一方、偏光変換素子140は、図13(B)に示すように、第2のレンズアレイ130Aにおけるずれに対応するように、その上部と下部が中心線Syに対してそれぞれ−x方向および+x方向にずれて配置されている。
【0079】
図14は、偏光変換素子140の構成を示す説明図である。この偏光変換素子140は、図14(A)の斜視図に示すように、偏光ビームスプリッタアレイ141と、選択位相差板142とを備えている。ただし、第2のレンズアレイ130に対応するように第1行目から第3行目までに相当する偏光変換素子と、第4行目から第6行目までに相当する偏光変換素子とが、y方向中心線Syに対してそれぞれ−x方向および+x方向にずれて配置されている。偏光ビームスプリッタアレイ141は、それぞれ断面が平行四辺形の柱状の複数の透光性板材143が、交互に貼り合わされた形状を有している。透光性板材143の界面には、偏光分離膜144と反射膜145とが交互に形成されている。なお、この偏光ビームスプリッタアレイ141は、偏光分離膜144と反射膜145が交互に配置されるように、これらの膜が形成された複数枚の板ガラスを貼り合わせて、所定の角度で斜めに切断することによって作製される。
【0080】
図14(B)に示すように、第2のレンズアレイ130Aを通過したランダムな偏光方向を有する光は、偏光変換素子140の偏光分離膜144の部分に入射され、偏光分離膜144でs偏光光とp偏光光とに分離される。p偏光光は、偏光分離膜144をそのまま透過する。一方、s偏光光は、偏光分離膜144で反射され、さらに反射膜145で反射されて、偏光分離膜144をそのまま透過したp偏光光とほぼ平行な状態で出射される。選択位相差板142は、偏光分離膜144を通過する光の出射面部分にはλ/2位相差層146が形成されており、反射膜145で反射された光の出射面部分にはλ/2位相差層が形成されていない光学素子である。従って、偏光分離膜144を透過したp偏光光は、λ/2位相差層146によってs偏光光に変換されて出射する。この結果、偏光変換素子140に入射したランダムな偏光方向を有する光束は、ほとんどs偏光光に変換されて出射する。なお、偏光変換素子140に入射した光束のうち、ほぼ半分の光束は同じx方向位置から出射し、他の半分は−x方向に偏光分離膜144のx方向の幅Wp(なお、反射膜145のx方向の幅と偏向分離膜144のx方向の幅は互いに等しい)だけずれた位置から出射する。つまり、偏光変換素子140に入射した光束は、入射した光束の間隔を保って出射されるs偏光光束と、その間隔の半分Wpだけ−x方向にずれて出射されるs偏光光束とに変換されることになる。もちろん反射膜145で反射される光の出射面部分だけに選択位相差板142のλ/2位相差層146を形成することにより、偏光変換素子140から出射する光束をほとんどp偏光とすることもできる。
【0081】
再び図13に基づいて説明する。偏光変換素子140のy方向中心線Syは、第2のレンズアレイ130Aのy方向中心線Lyからずれ量d5Aだけ−x方向にずれている。このずれ量d5Aは、偏光変換素子140の偏光分離膜144のx方向の幅Wpの半分Wp/2にほぼ等しい(なお、反射膜145のx方向の幅と偏向分離膜144のx方向の幅は互いに等しい)。図14で説明したように、偏光変換素子140に入射した光束の半分はそのまま通過し、他の半分は膜の幅Wpだけ−x方向にずれた位置から出射される。ここで、偏光変換素子140から出射されるこの2つの光束をひとまとまりの光束として扱うと、偏光変換素子140を光束が通過することによって、光束の中心位置は、−x方向にWp/2だけずれることになる。偏光変換素子140のy方向中心線Syと、第2のレンズアレイ130Aのy方向中心線Lyのずれ量d5Aは、このような偏光変換素子140の入射光束と出射光束の中心のずれに対応している。このように、偏光変換素子140を位置決めすれば、第2のレンズアレイ130Aの各小レンズの中心が偏光分離膜144のx方向の中心にほぼ一致する。したがって各小レンズを通過した分割光束を、偏光分離膜144のほぼ中心に入射させることができ、第2のレンズアレイ130Aを通過した分割光束を効率よく利用することができる。
【0082】
また、前述した第1の実施例(図5)においては、第2のレンズアレイ130の対応する小レンズ132(132u,132d)内に光源110の光源像を結像するように第1のレンズアレイ120の小レンズ122による部分光束が集光されていたが、第2実施例では、偏光変換素子140において第2のレンズアレイ130Aから出射された各部分光束を有効に利用するために、偏光変換素子140の偏光分離膜144(図14)上に光源像を結像するように第1のレンズアレイ120を設定することが好ましい。また、第1のレンズアレイ120から偏光変換素子140の偏光分離膜144までの光学的距離は、第2のレンズアレイ130の上部130uを通過する部分光束と下部130dを通過する部分光束とでは、段付き反射ミラー160の段差に対応する光学的距離だけ異なっている。したがって、この光学的距離の差に対応させて、少なくとも、第1と第2のレンズアレイ120,130および偏光変換素子140の上部と下部を構成する小レンズおよび偏光変換素子のz方向での配置位置をそれぞれ調整することが好ましい。ただし、実際には、この光学的距離の差はわずかであり、これに対応する調整量もわずかである。したがって、これらを無視て、照明光学系を構成しても、ほとんど問題とならない。そこで、上記実施例においては、第1実施例と同様にこれらの調整を無視している。
【0083】
さて、第2実施例と第1実施例の違いは、第2のレンズアレイ130Aと重畳レンズアレイ150との間に偏光変換素子140が配置されていることである。上述したように、偏光変換素子140は、第2のレンズアレイ130Aから入射した光束を所定の偏光光に揃えるとともに、偏光変換素子140に入射した光束の中心位置に対して、偏光変換素子140から出射する光束の中心位置を入射した光束の間隔の半分の間隔Wp/2だけ−x方向にずらす機能を有している。したがって、第1実施例に対して第2実施例では、重畳レンズ150に入射する部分光束のうち同じ行方向の部分光束の間隔が1/2になり、また、部分光束の数が2倍になったものとみなすことができる。よって、第2実施例も、第1実施例と同様に、同じ列方向で分割されたM個の部分光束による暗線は、第2のレンズアレイ130Aの上部130Auと下部130Adに対応して2ヶ所に分離される。すなわち、同じ列方向で分割されたM個の部分光束のそれぞれによって形成される暗線が、1ヶ所に集中することがなく、暗線を目立ちにくくすることが可能である。
【0084】
次に、第2のレンズアレイ130Aにおける上部130Auと下部130Adのずらし量について説明する。第1実施例でも説明したように、暗線を目立ちにくくするためには、各部分光束による暗線が重ならないことが好ましく、できる限り暗線間隔をあけることが望ましい。すなわち、第2実施例においても、第2のレンズアレイ130Aの上部130Auを通過する部分光束による暗線間隔のちょうど中間に下部130Adを通過する部分光束の暗線が形成されるようにすることが好ましい。但し、第2実施例においては、偏光変換素子140の存在によって、行方向における部分光束の実効的な間隔は、上述のように第1実施例の部分光束の行方向における間隔の1/2である。したがって、図13に示した第2のレンズアレイ130Aの上部130Auと下部130Adの相対的なずらし量d2Aは、小レンズ132Aのx方向の幅d1Aの1/2のさらに1/2に(すなわちd1A/4に)設定されることが好ましい。こうすれば、上部130Auの部分光束による暗線間隔のちょうど中間の位置に下部130Adの暗線を形成することができる。
【0085】
第2実施例における第2のレンズアレイ130A、偏光変換素子140の各ずらし量d2A,d3A,d4A,d5Aおよび段付き反射ミラー160の厚さhA,h1A,h2Aの好ましい関係をまとめると以下のようになる。なお、段付き反射ミラー160の厚さhA,h1A,h2Aについては、(1)式に示す厚さh、h1,h2をそれぞれ厚さhA,h1A,h2Aに置き換えることにより求めることができる。
【0086】
d2A=(d1A/2)/2,d5A=(d1A/2)/2,
hA=((d1A/2)/2)/√2,
d3A=d4A=d2A/2,
h1A=h2A=(d2A/2)/√2 …(3)
但し、d1Aは小レンズのx方向の幅である。
【0087】
なお、第2実施例においても、上記(3)式のずらし量d2Aと小レンズのx方向の幅d1Aとの関係が重要であり、必ずしもずらし量d3Aとd4Aとを等しくする必要はない。
【0088】
C.第3実施例:
図15は、第3実施例における第2のレンズアレイ130Bおよび偏光変換素子140Bをz方向からみた正面図である。第3実施例は、第2実施例に対して、第2のレンズアレイ、偏光変換素子および段付き反射ミラーの構成を変更した例である。
【0089】
第2のレンズアレイ130Bは、その奇数行が中心線Lyに対して−x方向にずれ量d3Bだけずれて配置され、偶数行が中心線Lyに対してずれ量d4Bだけ+x方向にずれて配置されている。奇数行に対する偶数行のずれ量d2Bは、中心線Lyを基準としたずれ量d3Bおよびd4Bの和に等しい。
【0090】
偏光変換素子140Bは、第2のレンズアレイ130Bにおけるずれに対応するように、その奇数行と偶数行とが中心線Syに対してそれぞれ−x方向と+x方向とにずれて配置されている。また、第2のレンズアレイ130Bの各小レンズの中心が偏光分離膜144のx方向の中心にほぼ一致するように、中心線Syは、偏光変換素子140の偏光分離膜144あるいは反射膜145のx方向の幅Wpの半分にほぼ等しいずれ量d5Bだけ中心線Lyから−x方向にずれている。
【0091】
図16は、段付き反射ミラー160Bの構成を示す正面図(A)、底面図(B)および側面図(C)である。この段付き反射ミラー160Bは、平坦なメインミラー162Bの上に、3枚のサブミラー164Bを貼り付けたものである。サブミラー164Bは、第2のレンズアレイ130Bの偶数行に対応する大きさで厚さhBを有している。3枚のサブミラー164Bは、第2のレンズアレイ130Bの偶数行を通過するべき部分光束が反射する位置に水平に貼り付けられている。
【0092】
第3実施例においても、第2実施例の場合と同様に、第2のレンズアレイ120Bの奇数行を通過した部分光束と偶数行を通過した部分光束をx方向で相対的にずらすことができる。これにより、液晶ライトバルブ250,252,254に入射する部分光束の入射角度が奇数行を通過する部分光束と偶数行を通過する部分光束とで異なることになる。したがって、同じ列方向に並ぶ部分光束によって形成される暗線を、奇数行の部分光束による暗線と偶数行の部分光束による暗線とに分離することができるので、暗線を目立ちにくくすることができる。
【0093】
また、第3実施例は、以下のような効果も有する。図17は、光軸からの距離(y方向位置)に対する光源部110から出射する光束の光量の関係を示す説明図である。光源部110から出射する光は、ランプ光源112の光軸中心近傍が最も明るく、光軸中心から離れるに従って暗くなる。但し、上下(または左右)対称な分布であるとは限らない。例えば、第2、5行目の明るさを中ぐらいと仮定すると、第3、4行目の明るさは大きく、第1、6行目は小さくなる。そこで、本実施例では、図15に示すように、第1行目と第3行目と第5行目のレンズおよび偏光変換素子を第1組とし、第2行目と第4行目と第6行目のレンズおよび偏光変換素子を第2組として組分けし、第1組と第2組をx方向で異なる位置にずらして配置しているとみることもできる。この結果、ほぼ等しい暗さの暗線が2ヶ所に分離して形成されるため、単に暗線が2ヶ所に分離して形成され、それぞれの暗線の暗さが異なる場合よりも暗線を目立ちにくくすることが可能となる。なお、組分けは、奇数行と偶数行の組に限定されず、各組の部分光束の光量の総和がほぼ等しくなるようにできればよい。例えば、2組ではなく3組の組分けでもよい。また、上下方向で光源の光量変化が対称であれば、第2実施例や第3実施例のように、複数の組同士が、上下の中心に対して互いに対称な位置に配置されるようにすればよい。すなわち、第2のレンズアレイは、同じ列方向に沿って並ぶ複数行の小レンズを、複数の組に組分けし、同じ組の小レンズを行方向の同じ位置に配置し、異なる組の小レンズを行方向の異なる位置に配置するようにすればよい。このとき、それぞれの組を通過する部分光束の総和がほぼ等しくなるように組分けすることが好ましい。
【0094】
なお、第2実施例と第3実施例は、同じ列に並ぶ部分光束によって発生する暗線を2ヶ所に分離する点においては同じである。但し、第2実施例の方が、第3実施例に比べて、第1と第2のレンズアレイおよび偏光変換素子の構成が簡単であるという利点を有する。
【0095】
第1,第2実施例でも説明したように、暗線を目立ちにくくするためには、各部分光束による暗線が重ならないことが好ましく、できる限り暗線間隔をあけることが望ましい。そこで、第3実施例においても、図15に示した第3のレンズアレイ130Bの偶数行と奇数行のずらし量d2Bは、小レンズ132Bのx方向の幅d1Bの1/2のさらに1/2に(すなわちd1B/4に)設定されることが好ましい。こうすれば、奇数行を構成する小レンズの部分光束による暗線間隔のちょうど中間の位置に偶数行を構成する小レンズの部分光束による暗線が形成されるようにすることができる。第3実施例における第2のレンズアレイ130B、偏光変換素子140Bの各ずらし量d2B,d3B,d4B,d5Bおよび段付き反射ミラー160Bの厚さhB,h1B,h2Bの好ましい関係をまとめると以下のようになる。なお、段付き反射ミラー160Bの厚さhB,h1B,h2Bについては、(1)式に示す厚さh、h1,h2をそれぞれ厚さhB,h1B,h2Bに置き換えることにより求めることができる。
【0096】
d2B=(d1B/2)/2,d5B=(d1B/2)/2,
hB=((d1B/2)/2)/√2,
d3B=d4B=d2B/2,
h1B=h2B=(d2B/2)/√2 …(4)
但し、d1Bは小レンズのx方向の幅である。
【0097】
なお、第3実施例においても、上記(4)式のずらし量d2Bと小レンズのx方向の幅d1Bとの関係が重要であり、必ずしもずらし量d3Bとd4Bとを等しくする必要はない。
【0098】
なお、第3実施例は、偏光変換素子140Bを備える投写型表示装置を例に説明しているが、第2実施例に対する第1実施例の関係と同様に、偏光変換素子140Bを備えない場合にも本発明を適用することが可能である。この場合には、第3実施例において偏光変換素子140Bの反射膜145による部分光束が存在しない状態と実質的に等価であり、図15に示した第2のレンズアレイ130Bのずらし量d2Bを小レンズ132B(132Ba,132Bb)のx方向の幅d1Bの1/2とすればよい。偏光変換素子140Bを備えない場合における第2のレンズアレイ130Bの各ずらし量d2B,d3B,d4Bおよび段付き反射ミラー160Bの厚さhB,h1B,h2Bの好ましい関係をまとめると以下のようになる。
【0099】
d2B=d1B/2,
hB=(d1B/2)/√2,
d3B=d4B=d2B/2,
h1B=h2B=(d2B/2)/√2 …(5)
但し、d1Bは小レンズのx方向の幅である。
【0100】
D.第4実施例:
図18は、第4実施例における第2のレンズアレイ130Cおよび偏光変換素子140Cをz方向からみた正面図である。第4実施例も、第2実施例に対して、第2のレンズアレイ、偏光変換素子および段付き反射ミラーの構成を変更した例である。
【0101】
第2のレンズアレイ130Cは、その第3行目が中心線Lyに対して−x方向にずれ量d3Cだけずれて配置され、第4行目が中心線Lyに対して+x方向にずれ量d4Cだけずれて配置されている。第3行目に対する第4行目のずれ量d2Cは中心線Lyを基準としたずれ量d3Cおよびd4Cの和である。
【0102】
偏光変換素子140Cは、第2のレンズアレイ130Cにおけるずれに対応するように、その第3行目と第4行目が中心線Syに対してそれぞれ+x方向および−x方向にずれて配置されている。また、第2のレンズアレイ130Cの各小レンズの中心が偏光分離膜144のx方向の中心にほぼ一致するように、中心線Syは、偏光変換素子140Cの偏光分離膜144あるいは反射膜145のx方向の幅Wpの半分にほぼ等しいずれ量d5Cだけ中心線Lyから−x方向にずれている。
【0103】
図19は、段付き反射ミラー160Cの構成を示す正面図(A)、底面図(B)および側面図(C)である。この段付き反射ミラー160Cは、平坦なメインミラー162Cの上に、3枚のサブミラー164C,166C,168Cを貼り付けたものである。サブミラー164Cは、第2のレンズアレイ130Cの第1行目および第2行目に対応する大きさで厚さh1Cを有している。サブミラー166Cは、第2のレンズアレイ130Cの第5行目および第6行目に対応する大きさで厚さh1Cを有している。サブミラー168Cは、第2のレンズアレイ130Cの第4行目に対応する大きさで厚さhC(=h1C+h2C)を有している。各サブミラーは、それぞれ対応する行の部分光束を反射する。
【0104】
第4実施例においても、第2,第3実施例の場合と同様に、第2のレンズアレイ130Cの第3行目を通過する部分光束と第4行目を通過する部分光束とその他の行を通過する部分光束をx方向で相対的にずらすことができる。したがって、同じ列方向に並ぶ部分光束によって形成される暗線を、第3行目の部分光束による暗線と第4行目の部分光束による暗線とその他の行による暗線の3つに分離することができるので、暗線を目立ちにくくすることができる。なお、使用される光源の光源光軸中心の光量が特に強く、かつ中心から離れると弱いような場合には、光源光軸中心付近の部分光束によって発生した暗線のみが特に目立ちやすい。このような場合には、光源光軸中心付近の部分光束により発生する暗線が重ならないようにしてやればよい。第4実施例は、このような場合に有効な実施例である。
【0105】
第1ないし第3実施例でも説明したように、暗線を目立ちにくくするためには、各部分光束による暗線が重ならないことが好ましく、できる限り暗線間隔をあけることが望ましい。本実施例においては、同じ列の第3行目と第4行目の部分光束による暗線は、他の行の部分光束による暗線に対して±x方向にずれて形成される。したがって、図18に示すずらし量d3C,d4Cの設定値によっては、隣の列の第4行目または第3行目の部分光束による暗線と重なってしまう場合がある。そこで、特に、第3行目および第4行目を除く他の行の部分光束によって形成される暗線間隔を、第3行目の部分光束による暗線と第4行目の部分光束による暗線とでほぼ3等分するようにすることが好ましい。これを達成するには、図18に示した第2のレンズアレイ130Cの第3行目と第4行目のずらし量d2Cを、小レンズ132Cのx方向の幅d1Cの1/3に設定すればよい。こうすれば、第3行目と第4行目およびこれらを除く他の行の部分光束によって形成される暗線間隔がほぼ均等間隔とすることができ、最も暗線間隔を離すことができる。第4実施例における第2のレンズアレイ130C、偏光変換素子140Cの各ずらし量d2C,d3C,d4C,d5Cおよび段付き反射ミラー160Cの厚さhC,h1C,h2Cの好ましい関係をまとめると以下のようになる。なお、段付き反射ミラー160Cの厚さhC,h1C,h2Cについては、(1)式に示す厚さh、h1,h2をそれぞれ厚さhC,h1C,h2Cに置き換えることにより求めることができる。
【0106】
d2C=d1C/3,d3C=d4C=d2C/2,
d5C=d1C/4,
hC=(d1C/3)/√2,
h1C=h2C=(d2C/2)/√2, …(6)
但し、d1Cは小レンズのx方向の幅である。
【0107】
なお、第4実施例においても、上記(6)式のずらし量d3Cとd4Cとを必ずしも等しくする必要はない。しかしながら、第3実施例は、第2のレンズアレイ130Cの第3行目を通過する部分光束と、第4行目を通過する部分光束と、それ以外の行を通過する部分光束とで、暗線を互いに分離する場合の一例である。したがって、第3行目と第4行目との関係を示すずれ量d2Cだけでなく、他の行と第3行目あるいは第4行目との関係を示すずれ量d3Cあるいはd4Cも重要である。
【0108】
また、第4実施例も、偏光変換素子140Cを備える投写型表示装置を例に説明しているが、第2実施例に対する第1実施例の関係と同様に、偏光変換素子140Cを備えない場合にも本発明を適用することが可能である。この場合には、第4実施例において偏光変換素子140Cの反射膜145による部分光束が存在しない状態と実質的に等価であり、図18に示した第2のレンズアレイ130Cのずらし量d2Cを小レンズ132Cのx方向の幅d1Cの2/3とすればよい。偏光変換素子140Cを備えない場合における第2のレンズアレイ130Cの各ずらし量d2C,d3C,d4Cおよび段付き反射ミラー160Cの厚さhC,h1C,h2Cの好ましい関係をまとめると以下のようになる。
【0109】
d2C=d1C×(2/3),d3C=d4C=d2C/2,
hC=(d1C×(2/3))/√2,
h1C=h2C=(d2C/2)/√2, …(7)
但し、d1Cは小レンズのx方向の幅である。
【0110】
ところで、本発明の実施例を第1ないし第4実施例によって説明してきたが、これらの実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0111】
(1)第2のレンズアレイは、各行毎に、または、行方向の区分線に沿って区分された複数の領域毎に、行方向のすべて異なった位置にずらすことも可能である。また、1つの行または1つの領域のみを行方向の異なった位置にずらすことも可能である。さらに、上記実施例では、光源からの光束をマトリクス状の複数の光束に分割していたが、本発明は、少なくともほぼ1列に並ぶ複数の光束に分割する場合にも適用することができる。すなわち、第2のレンズアレイの少なくとも同じ列方向に並ぶ複数行の小レンズのうち、少なくとも1つの行の小レンズを、他の行の小レンズから所定の量だけ行方向にずれた位置に配置すればよい。このとき、このずれた第2の小レンズに、第1のレンズアレイから出射された光束がうまく入射することが望ましい。このためには、例えば、第1と第2のレンズアレイとの間に配置された反射ミラーは、少なくとも1つの行の小レンズを通過すべき部分光束の反射面と他の行の小レンズを通過すべき部分光束の反射面とに段差を設けて、反射後の光路が行方向に互いにずれるようにすればよい。このとき、第2の小レンズを通過した部分光束の被照明領域に入射する入射角度は他の小レンズを通過した部分光束の入射角度とは異なることになる。これによって、クロスダイクロイックプリズムの中心軸に対する部分光束の位置が、少なくとも1つの行の小レンズを通過した部分光束と他の行の小レンズを通過した部分光束とで異なることになって暗線の発生位置を分離することができる。したがって、クロスダイクロイックプリズムに起因して発生する暗線を目立ちにくくすることができる。
【0112】
(2)上記実施例では、透過型の投写型表示装置に本発明を適用した場合の例について説明したが本発明は、反射型の投写型表示装置にも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、液晶ライトバルブ等の光変調手段が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、光変調手段が光を反射するタイプであることを意味している。反射型の投写型表示装置では、クロスダイクロイックプリズムは、白色光を赤、緑、青の3色の光に分離する色光分離手段として利用されると共に、変調された3色の光を再度合成して同一の方向に出射する色光合成手段としても利用される。反射型の投写型表示装置にこの発明を適用した場合にも、透過型の投写型表示装置とほぼ同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロスダイクロイックプリズムを用いた投写型表示装置にインテグレータ光学系を採用した場合の、暗線発生原理を説明する図。
【図2】第1と第2のレンズアレイ1,2の外観を示す斜視図。
【図3】図1(A−1)の一部拡大図、及び、クロスダイクロイックプリズム4の中心軸5を含むxy平面における断面図。
【図4】2つのレンズアレイ1,2のN列目の小レンズを通過した部分光束が投写スクリーン7上に投写される様子を示す概念図。
【図5】この発明の第1実施例としての投写型表示装置の要部を示す概略平面図。
【図6】第1のレンズアレイ120の外観を示す斜視図。
【図7】第2のレンズアレイ130を示す正面図。
【図8】段付き反射ミラー160の構成を示す正面図(A)、底面図(B)および側面図(C)。
【図9】第1のレンズアレイ120と第2のレンズアレイ130と段付き反射ミラー160との関係を示す説明図。
【図10】第1実施例における第1と第2のレンズアレイ120,130および段付き反射ミラー160の機能を示す説明図。
【図11】第2のレンズアレイ130の第3行目と第4行目に対応する部分光束がクロスダイクロイックプリズム260内を通過する様子を示す説明図。
【図12】この発明の第2実施例としての投写型表示装置の要部を示す概略平面図。
【図13】第2のレンズアレイ130Aと偏光変換素子140をz方向からみた正面図。
【図14】偏光変換素子140の構成を示す説明図。
【図15】第3実施例における第2のレンズアレイ130Bおよび偏光変換素子140Bをz方向からみた正面図。
【図16】段付き反射ミラー160Bの構成を示す正面図(A)、底面図(B)および側面図(C)。
【図17】光軸からの距離に対する光源部110から出射する光束の光量の関係を示す説明図。
【図18】第4実施例における第2のレンズアレイ130Cおよび偏光変換素子140Cをz方向からみた正面図。
【図19】段付き反射ミラー160Cの構成を示す正面図(A)、底面図(B)および側面図(C)。
【図20】投写型表示装置の要部を示す概念図。
【図21】クロスダイクロイックプリズム48の一部を分解した斜視図。
【図22】クロスダイクロイックプリズム48を利用した場合の問題点を示す説明図。
【符号の説明】
1…第1のレンズアレイ
2…第2のレンズアレイ
3…液晶ライトバルブ
4…クロスダイクロイックプリズム
5…中心軸
6…投写レンズ系
7…投写スクリーン
8…部分光束の断面
9…投写領域
10…小レンズ
11…部分光束の断面8の一方の端
12…部分光束の断面8の他方の端
13…投写領域9の一方の端
14…投写領域9の他方の端
42,44,46…液晶ライトバルブ
48…クロスダイクロイックプリズム
48a…中心軸
50…投写レンズ系
52…投写スクリーン
60B…青色光反射膜
60R…赤色光反射膜
62…光学接着剤層
100…照明光学系
100A…照明光学系
110…光源
112…光源ランプ
114…凹面鏡
120…第1のレンズアレイ
122…小レンズ
130…第2のレンズアレイ
130A…第2のレンズアレイ
130Ad…下部
130Au…上部
130B…第2のレンズアレイ
130C…第2のレンズアレイ
130d…下部
130u…上部
132…小レンズ
132Au,132Ad…小レンズ
132d…小レンズ
132u…小レンズ
140…偏光変換素子
140B…偏光変換素子
140C…偏光変換素子
141…偏光ビームスプリッタアレイ
142…選択位相差板
143…透光性板材
144…偏光分離膜
145…反射膜
146…λ/2位相差層
150…重畳レンズ
160…段付き反射ミラー
160B…段付き反射ミラー
160C…段付き反射ミラー
160M…仮想的な反射面(中心反射面)
162B…メインミラー
162C…メインミラー
164…サブミラー
164…メインミラー
164B…サブミラー
164C…サブミラー
166C…サブミラー
168C…サブミラー
210,212…ダイクロイックミラー
218,222,224…反射ミラー
230…入射側レンズ
232…リレーレンズ
240,242…フィールドレンズ
244…出射側レンズ(フィールドレンズ)
250,252,254…液晶ライトバルブ
252a…液晶パネル
260…クロスダイクロイックプリズム
262…中心軸
264…中心平面
270…投写レンズ系
300…投写スクリーン

Claims (12)

  1. 照明光を出射する照明光学系であって、
    光源から出射される光束を複数の部分光束に分割するためにマトリクス状に配置された複数の小レンズを有する第1のレンズアレイと、
    入射された前記複数の部分光束を反射する反射ミラーと、
    前記反射ミラーで反射された前記複数の部分光束のそれぞれの光路上に対応する複数の小レンズを有する第2のレンズアレイとを備え、
    前記第2のレンズアレイは、所定の列方向にそってほぼ並ぶ少なくとも1列の小レンズのうち少なくとも1つの行の小レンズが他の行の小レンズから所定の行方向に所定の量だけずれた位置に配置されており、
    前記反射ミラーは、前記少なくとも1つの行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する少なくとも1つの反射部と前記他の行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する他の反射部とに区分けされ、該少なくとも1つの反射部で反射した部分光束と該他の反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有していることを特徴とする
    照明光学系。
  2. 請求項1記載の照明光学系であって、
    前記第2のレンズアレイは、前記所定の行方向に沿った少なくとも1本の区分線によって、複数の領域に区分されており、前記複数の領域の少なくとも一部の領域が他の領域から前記所定の行方向に所定の量だけずれた位置に配置されており、
    前記反射ミラーは、前記少なくとも1部の領域を通過すべき部分光束の反射する少なくとも1つの反射部と前記他の領域を通過すべき部分光束の反射する他の反射部とに区分けされ、該少なくとも1つの反射部で反射した部分光束と該他の反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有していることを特徴とする
    照明光学系。
  3. 請求項1記載の照明光学系であって、
    前記第2のレンズアレイは、前記所定の列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の小レンズのうち、奇数行の小レンズと偶数行の小レンズとが、前記所定の行方向に交互に異なる位置に所定の量だけずれて配置されており、
    前記反射ミラーは、前記奇数行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する奇数行反射部と前記偶数行の小レンズを通過すべき部分光束の反射する偶数行反射部とに区分けされ、該奇数行反射部で反射した部分光束と該偶数行反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有していることを特徴とする
    照明光学系。
  4. 請求項1記載の照明光学系であって、
    前記第2のレンズアレイは、前記所定の列方向に沿ってほぼ並ぶ少なくとも1列の小レンズのうち、該少なくとも1列の小レンズを通過した部分光束のうちで比較的大きい光量を有する部分光束が通過する少なくとも1つの小レンズが、前記所定の行方向に沿って他の小レンズとは異なる位置に所定の量だけずれて配置されており、
    前記反射ミラーは、前記少なくとも1つの小レンズを通過すべき部分光束の反射する少なくとも1つの反射部と前記他の小レンズを通過すべき部分光束の反射する他の反射部とに区分けされ、該少なくとも1つの反射部で反射した部分光束と該他の反射部で反射した部分光束の光路とが前記所定の行方向に前記所定の量だけずれるように段差を有していることを特徴とする
    照明光学系。
  5. 請求項4記載の照明光学系であって、
    前記比較的大きい光量を有する部分光束が前記所定の列方向に沿って複数存在する場合には、さらに、該複数の比較的大きい光量を有する部分光束の通過する複数の小レンズが前記所定の行方向に沿ってそれぞれ異なる位置に所定の量だけずれて配置されており、
    前記反射ミラーは、さらに、前記複数の比較的大きい光量を有する部分光束の反射する複数の反射部に区分けされ、該複数の反射部で反射した部分光束の光路がそれぞれ前記所定の行方向に前記所定の量だけそれぞれずれるように段差を有していることを特徴とする
    照明光学系。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の照明光学系であって、
    前記第2のレンズアレイの複数の小レンズのうちで、前記所定の列方向に沿ってほぼ並ぶ複数行の小レンズが複数の組に組分けされ、
    同じ組の小レンズは、前記所定の行方向の同じ位置に配置され、
    異なる組の小レンズは、前記所定の行方向の互いに異なる位置に配置されていることを特徴とする
    照明光学系。
  7. 前記複数の組は、それぞれの組を通過する部分光束の光量の総和がほぼ等しくなるように組分けされていることを特徴とする請求項6記載の照明光学系。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の照明光学系であって、
    前記複数の部分光束のそれぞれについて、前記第1のレンズアレイから前記第2のレンズアレイまでの光学距離が互いに等しくなるように、前記第1のレンズアレイと前記第2のレンズアレイの複数の小レンズの位置が調整されていることを特徴とする
    照明光学系。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の照明光学系であって、
    前記小レンズの行方向の所定のずれ量は、前記小レンズの行方向の幅の約1/2または2/3であり、
    前記反射ミラーの段差は、前記小レンズの行方向の幅の約√2/4または√2/3であることを特徴とする
    照明光学系。
  10. 請求項1ないし請求項8のいずれか記載の照明光学系であって、
    前記第2のレンズアレイの出射面側に、さらに、
    前記第1のレンズアレイおよび前記第2のレンズアレイの複数の小レンズを通過する複数の部分光束を、前記光変調手段上の照明位置でほぼ重畳結合する重畳結合レンズと、
    前記第2のレンズアレイと前記重畳結合手段との間に設けられた偏光変換素子と、を備え、
    前記偏光変換素子は、互いに平行な偏光分離膜と反射膜の複数の組を有し、前記第2のレンズアレイの複数の小レンズを通過した複数の部分光束をそれぞれ2種類の直線偏光成分に分離する偏光ビームスプリッタアレイと、
    前記偏光ビームスプリッタアレイで分離された前記2種類の直線偏光成分の偏光方向を揃える偏光変換手段と、を備えることを特徴とする
    照明光学系。
  11. 請求項10記載の照明光学系であって、
    前記小レンズの行方向の所定のずれ量は、前記小レンズの行方向の幅の約1/4または1/3であり、
    前記反射ミラーの段差は、前記小レンズの行方向の幅の約√2/8または√2/6であることを特徴とする
    照明光学系。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の照明光学系と、
    前記被照明領域としての光入射面をそれぞれ有し、前記3色の光を与えられた画像信号に基づいてそれぞれ変調する3組の光変調手段と、
    前記照明光を3色の光に分離するとともに、前記3組の光変調手段により変調された3色の光を合成して出射する色光分離合成手段と、
    を備え、
    前記色光分離合成手段は、X字状に配置された2種類のダイクロイック膜を備え、前記ダイクロイック膜が互いに交差する位置に相当する中心軸を前記所定の列方向に沿って有すことを特徴とする
    投写型表示装置。
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