JP3581757B2 - ケイ素含有ペルオキシエステル - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本願発明は、ビニル系単量体のラジカル重合反応の開始剤として有用である新規なるケイ素含有ペルオキシエステル化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル等のビニル単量体のラジカル重合により得られるビニル系重合体の製造においては、近年、品質を維持しつつ高い生産性のもとでこれら重合体を製造するため、重合プロセスにおいては短い反応時間で製造する要求が高まっている。
【0003】
これらビニル系単量体の重合はラジカル反応であり、通常、ラジカル重合開始剤を用いて温度30〜70℃で重合が行われている。これらビニル系単量体の重合反応では重合反応が進行すると重合後期に前述のように重合器内の圧力が降下する。従って、重合器の内圧が所定の圧力まで降下した時点で重合を停止する。使用されるラジカル重合開始剤としては、例えば、塩化ビニル系重合体の製造を例にして説明すると、1) t −ブチルペルオキシネオデカノエート、2)クミルペルオキシネオデカノエート等のペルエステル系化合物や、3) 3,5,5− トリメチルヘキサノイルペルオキシド等のジアシル系化合物や、4)ジ 2− エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等のカーボネート系化合物が従来用いられている。1), 2), 3)の重合開始剤を用いた場合、重合後期 (およそ重合転化率70%以上となった時) になると重合器内の圧力降下が始まる。圧力降下の開始とともに反応速度が急激に低下するので、収率を高めるためには重合時間を長くしなければならないという欠点がある。また、4)の重合開始剤を用いた場合は比較的短時間の反応で塩化ビニル系重合体を高収率で得ることができるが、得られる塩化ビニル系重合体の初期着色性が悪化する欠点があり、高品質の塩化ビニル系重合体を得るのに適当でない。この解決策として、圧力降下が生じる前に重合開始剤を追加添加する方法も提案されているが、この方法を用いると得られる塩化ビニル系重合体のフィッシュアイが増加したり、得られる塩化ビニル系重合体内に残存する重合開始剤が多くなるために初期着色性が悪化する欠点がある。この為、品質の優れた塩化ビニル系重合体を高収率で、かつ短い反応時間で製造することのできるビニル系重合体のラジカル重合開始剤が要求されている。また、本発明はビニル系単量体のラジカル重合開始剤として有用なケイ素含有ペルオキシエステルに関するものであるが、ケイ素含有ペルオキシエステル類がラジカル重合開始剤として使用される例が特開昭60−199897 に開示されている。この特開昭60−199897 には、ポリオルガノシロキサンの紫外線硬化反応用のラジカル重合開始剤として、下記式:
【0004】
【化2】
Figure 0003581757
(式中、 R’ はフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、2,4 −ジクロロフェニル基、p−イソプロピルフェニル基等の置換または非置換のフェニル基であり、 R” は独立にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基などの炭素数1〜6の置換または非置換の1価炭化水素基である)
で表されるケイ素含有ペルオキシエステル化合物が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このケイ素含有ペルオキシエステルは、ベンゼン溶液0.1mol/L における10時間半減期温度が80℃以上であるので、温度が30〜70℃の範囲で行なわれるビニル系単量体の重合に使用すると重合時間を長くしても重合収率が所定値までなかなか上がらない。従って、このケイ素含有ペルオキシエステルを生産性を向上させるために使用するのは不適当である。
【0006】
そこで、本発明の課題は、品質の優れた塩化ビニル系重合体を高収率でかつ短時間で製造することを可能とする、重合開始剤として有用である新規なケイ素含有ペルオキシエステル化合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、上記課題を解決する、重合開始剤として有用である新規化合物として、一般式(1) :
【0008】
【化3】
Figure 0003581757
(式中、 Rおよび Rは同一あるいは異なった炭素数1〜6の直鎖状アルキル基または炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基、 R、 Rおよび Rは同一あるいは異なった炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基または炭素数6〜9のアリール基、 R、 Rおよび Rは同一あるいは異なった炭素数1〜9の直鎖状アルキル基で、 Rと Rと Rの炭素数の総和は11以下)
で表されるケイ素含有ペルオキシエステル化合物を見出した。
【0009】
以下、一般式(1) について説明する。
式中、 Rおよび Rは、互いに同一あるいは異なった炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、即ちメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチルもしくはn−ヘキシル基;または炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基、例えばイソプロピル、sec −ブチル、イソブチル、tert−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル基を表す。好ましくは、メチルおよびエチル基である。
【0010】
、 Rおよび Rは、互いに同一あるいは異なった炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、即ちメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル基;炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基、例えばイソプロピル、sec −ブチル、イソブチル、tert−ブチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル基;または、炭素数6〜9のアリール基、例えばフェニル基等を表す。好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、sec −ブチル、イソブチル、tert−ブチルまたはフェニル基である。
【0011】
、 Rおよび Rは、互いに同一あるいは異なった炭素数1〜9の直鎖状アルキル基、即ちメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルまたはn−ノニル基であり、かつ Rと Rと Rの炭素原子の総和が11以下となるような基である。この R、 Rおよび Rの総和が11を超えると、得られる化合物の粘性が高くなり過ぎて重合器内への供給の際、ポンプで重合器内に圧入することが困難になるなど取り扱いが不便となる。この R、 Rおよび Rの総和は3〜8であることがより好ましい。
【0012】
本願発明のケイ素含有ペルオキシエステル化合物の具体例としては、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレート、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(フェニルジメチルシリル)プロピルペルオキシピバレート、
1,1−ジメチル−3−(フェニルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート、
1,1−ジメチル−3−(フェニルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシピバレート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエート、
1−エチル−1−メチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレート、
1−エチル−1−メチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート、
1−エチル−1−メチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(フェニルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエート、
1−エチル−1−メチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエート等が挙げられる。これらの中でも、ビニル系単量体のラジカル
【0013】
重合の開始剤として特に好ましいものは、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレート、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシピバレート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエート、
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエート、
1−エチル−1−メチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレート、
1−エチル−1−メチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート、
1−エチル−1−メチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエートである。
【0014】
合成
一般式(1) のケイ素含有ペルオキシエステル化合物は、例えば次のようにして合成される。
(I) まず、一般式(2) :
【0015】
【化4】
Figure 0003581757
(式中、 R、 R および Rは前述のとおり)
で示されるトリオルガノシランと、一般式(3) :
【0016】
【化5】
Figure 0003581757
(式中、 Rおよび Rは前述のとおり)
で示されるアリルアルコール化合物とを白金化合物などのヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて一般式(4) :
【0017】
【化6】
Figure 0003581757
(式中、 R、 R、 R、 Rおよび Rは前述のとおり)
で示されるケイ素含有アルコールを得る。
【0018】
反応成分である一般式(2) のトリオルガノシランとしては、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリブチルシラン、トリヘキシルシラン、フェニルジメチルシラン、ジフェニルメチルシラン、ターシャリブチルジメチルシラン、ジターシャリブチルメチルシラン、エチルジメチルシラン、ジエチルメチルシラン等が例示される。
【0019】
一般式(3) のアリルアルコール化合物としては、3−メチル−1−ブテン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、3−メチル−1−ヘキセン−3−オール、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキセン−3−オール等が例示される。
【0020】
通常、一般式(2) のトリオルガノシランと一般式(3) のアリルアルコール化合物との反応割合は、トリオルガノシラン1モル当たり、アリルアルコール化合物0.9〜1.1モルであることが好ましい。
【0021】
ヒドロシリル化触媒としては、例えば白金、塩化白金酸等の白金系触媒が挙げられる。
【0022】
上記の反応は一般に室温〜100 ℃の範囲で行なわれる。また、該反応は無溶媒で行ってもよいし、必要に応じて、例えばトルエン、キシレン、n−ヘキサンなどの有機溶媒中で行ってもよい。
(II)次に、一般式(4) のケイ素含有アルコールを過酸化水素水と硫酸で処理すると、一般式(5) :
【0023】
【化7】
Figure 0003581757
で示されるケイ素含有ヒドロペルオキシドが得られる。この反応は発熱反応であり、室温で行なうのが適当である。
(III) 次に、一般式(5) のケイ素含有ヒドロペルオキシドに、一般式(6) :
【0024】
【化8】
Figure 0003581757
(式中、 R、 Rおよび Rは前述のとおり)
で示される酸クロリドを、反応温度を20℃以下に保ちながら有機溶媒中で反応させることにより目的とする一般式(1) のケイ素含有ペルオキシエステル化合物が得られる。
【0025】
使用される有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサンなどが挙げられる。
【0026】
該一般式(6) の酸クロリドの具体例としては、例えばピバリン酸クロリド、ネオヘプタン酸クロリド、ネオデカン酸クロリド、ネオトリデカン酸クロリド等が挙げられる。
【0027】
こうして一般式(1) のケイ素含有ペルオキシエステル化合物は溶液状態で得られる。該反応溶液を中性になるまで水洗したのち、例えば溶媒を留去するか、適当な有機溶媒から再結晶させることにより単離することができる。
【0028】
有用性
本発明のケイ素含有ペルオキシエステル化合物は、ベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度が30℃〜60℃の範囲にあるので、重合温度が30〜70℃範囲にあるビニル系単量体の重合のラジカル重合開始剤として好適である。その際の重合の形式は特に限定されず、例えば、懸濁重合、乳化重合、塊状重合等が挙げられる。
【0029】
重合温度が約30〜70℃の範囲が好適とされるビニル系単量体は、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等が例示される。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。
【0031】
実施例1
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレートの製造
(1) 撹拌装置、温度計および滴下ロートを備えた500mL の4ツ口フラスコに81.2g (0.943mol)の3−メチル−1−ブテン−3−オールと0.2gの2重量%塩化白金酸含有n−ブタノール溶液を仕込み、撹拌しながら80℃に加熱した。滴下ロートより109.6g(0.943mol)のトリエチルシランを4ツ口フラスコ内に滴下し、滴下終了後約20時間加熱攪拌した。この間、ガスクロマトグラフィー分析により反応の進行を追跡し、反応の進行が停止した段階で上記塩化白金酸含有n−ブタノール溶液を追加して反応を進行させた。得られた反応混合物を減圧蒸留し、 105℃/14〜16torrでの留分として154.9g(0.765mol)の1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルアルコールを得た。
(2) 次に、撹拌装置、温度計および滴下ロートを備えた100mL の4ツ口フラスコに27.5g (0.404mol)の50重量%過酸化水素水溶液を仕込み、撹拌を開始し水冷により温度を20℃以下に保ちながら98重量%の濃硫酸15.6g (0.156mol)を攪拌しながら滴下して混酸を調製した。次に、温度を室温に上げた後、(1) で合成した1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルアルコール20.2 g(0.1mol)を攪拌しながらゆっくり滴下した。滴下終了後、撹拌を8時間続けた後、純水で3回洗浄して過酸化水素と硫酸を除去した。得られた混合物から酢酸エチルで反応生成物を抽出した。得られた抽出液が中性になるまで水洗を行った。水層と分離した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を留去して13.8g (0.063mol)の1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピル−1−ヒドロペルオキシドを得た。
(3) 次に、撹拌装置、温度計および滴下ロートを備えた50mLの4ツ口フラスコに(2) で得られた13.4g (0.061mol)の1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピル−1−ヒドロペルオキシドを仕込み、19.6g (0.147mol)の30重量%水酸化カリウム水溶液を加えて攪拌、混合した。温度を0℃に保ちながら8.4g(0.07mol) のピバリン酸クロリドを攪拌しながら滴下し、さらに撹拌を2時間続けた。その後、反応液を中性になるまで水洗し、無水硫酸ナトリウムで脱水し目的化合物を得た。得られた目的化合物をヨードメトリー法により分析した結果、収量11.9g(0.039mol) 、収率63.9%(アシルフルオリドに対するモル収率)であった。また得られた化合物のマススペクトル、IRスペクトル、NMR スペクトルを分析した結果、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレートであることが確認された。得られた化合物のベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度は49.4℃であり、活性酸素量は5.29%であった。以下に分析結果を示す。
【0032】
マススペクトル分析
Exact Mass:m/z 302.5299
16SiH34 302.5297(計算値)
【0033】
NMR スペクトル分析
【化9】
Figure 0003581757
H −NMR (CDCl
a 0.47〜0.60ppm (m, 8H)
b 0.93ppm (t, 9H, j =8.1Hz)
c 1.25ppm (s, 15H)
d 1.53〜1.60ppm (m, 2H)
【0034】
IR スペクトル分析
IR (neat)
1768cm −1(C=O 伸縮)
1093cm −1(C−O 伸縮)
848cm −1(O−O 伸縮)
なお、上記の活性酸素量(活性酸素濃度)および10時間半減期温度の測定は下記の方法で行った。
【0035】
活性酸素量の測定方法(ヨードメトリー法):「有機過酸化物その化学と工業的利用」有機過酸化物研究グループ編(1952年化学工業社発行)に記載の方法に準じて行った。具体的には、内容積300mL の共栓付三角フラスコにベンゼン30mLを入れ、フラスコ内に二酸化炭素を約30秒導入した後(流量約2.5L/分)、試料(1.5 〜1.8meq)を正確に計量して投入した。次にヨウ化ナトリウム飽和水溶液2mLを加え、次いで塩化第2鉄酢酸水溶液(0.0002重量%FeCl・6HO)70mLを加え、内容物をよく混合した後、暗所に15分間放置した。次に純水80mLを加え、0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で無色になるまで滴定し、併せて同一条件でブランクテストを行うことにより試料中の活性酸素量を求めた。
【0036】
10時間半減期温度の測定方法:試料の0.1mol/Lベンゼン溶液を調製し、これを窒素置換を行ったガラス管内に密封した。次にこのガラス管を所定温度に設定した恒温槽に浸してガラス管内の試料を熱分解し、未分解の試料の濃度の経時変化を前記の活性酸素量の測定方法により求め、下記の熱分解式中、その所定温度における分解速度定数(K)を算出した。
熱分解式:
I=I・exp(−K・t)
[式中、I=1/2I(但し、Iは試料の濃度、Iは初期の試料の濃度である)であり、Kは所定温度(本例では4種の温度で測定)における分解速度定数であり、tは時間(10時間)である]
【0037】
次に、縦軸をln(K)とし、横軸を1/(R・T)とした座標[但し、Rは気体定数、Tは10時間半減期温度]にアレニウスプロットすることにより、その傾きから試料の活性化エネルギー(Ea)を求め、そのy切片から頻度因子(A)を求めた。次にこれらEa及びAを下記の分解速度式に代入して10時間半減期温度(T)を分解速度式:ln(K)=ln(A)−Ea/(R・T)より算出した。以下の活性酸素量および10時間半減期温度の測定はこれと同様の方法で行った。
【0038】
実施例2
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエートの製造
実施例1の(3) において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピル−1−ヒドロペルオキシドの使用量を13.4g (0.061mol)から14.2g (0.065mol)に変更し、ピバリン酸クロリド8.4g(0.07mol) の代わりにネオデカン酸クロリド13.9g(0.073mol) を用いた以外は実施例1と同様にして目的化合物を得た。得られた目的化合物をヨードメトリー法により分析した結果、収量14.9g(0.040mol) 、収率61.5%(アシルフルオリドに対するモル収率)であった。また得られた化合物のマススペクトル、IRスペクトル、NMR スペクトルを分析した結果、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエートであることが確認された。得られた化合物のベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度は42.8℃であり、活性酸素量は4.29%であった。以下に分析結果を示す。
【0039】
マススペクトル分析
Exact Mass:m/z 372.6642
21SiH44 372.6641(計算値)
【0040】
NMR スペクトル分析
【化10】
Figure 0003581757
(式中、Etはエチル基である)
H −NMR (CDCl
a 0.43〜0.58ppm (m, 8H)
b 0.92ppm (t, 9H, j =8.1Hz)
c 1.21ppm (s, 6H)
d 1.27ppm (s, 6H)
e 0.72〜1.66ppm (m, 15H)
【0041】
IR スペクトル分析
IR (neat)
1766cm −1(C=O 伸縮)
1099cm −1(C−O 伸縮)
850cm −1(O−O 伸縮)
【0042】
実施例3
1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエートの製造
実施例1の(3) において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピル−1−ヒドロペルオキシドの使用量を13.4g (0.061mol)から15.7g (0.072mol)に変更し、ピバリン酸クロリド8.4g(0.07mol) の代わりにネオトリデカン酸クロリド18.9g(0.081mol) を用いた以外は実施例1と同様にして目的化合物を得た。得られた目的化合物をヨードメトリー法により分析した結果、収量16.6g(0.040mol) 、収率56.1%(アシルフルオリドに対するモル収率)であった。また得られた化合物のマススペクトル、IRスペクトル、NMR スペクトルを分析した結果、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエートであることが確認された。得られた化合物のベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度は39.5℃であり、活性酸素量は3.86%であった。以下に分析結果を示す。
【0043】
マススペクトル分析
Exact Mass:m/z 414.7449
24SiH50 414.7447(計算値)
【0044】
NMR スペクトル分析
【化11】
Figure 0003581757
(式中、Etはエチル基である)
H −NMR (CDCl
a 0.41〜0.60ppm (m, 8H)
b 0.95ppm (t, 9H, j =8.1Hz)
c 1.25ppm (s, 6H)
d 1.22ppm (s, 6H)
e 0.70〜1.65ppm (s, 21H)
【0045】
IR スペクトル分析
IR (neat)
1770cm −1(C=O 伸縮)
1095cm −1(C−O 伸縮)
851cm −1(O−O 伸縮)
【0046】
実施例4
1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオ キシネオヘプタノエートの製造
実施例1の(1) 〜(2) において、トリエチルシラン109.6g(0.943mol)の代わりにターシャリブチルジメチルシラン106g(0.917mol)を使用した以外は実施例1の(1) 〜(2) と同様の手順で1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピル−1−ヒドロペルオキシドを得た。実施例1の(3) において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピル−1−ヒドロペルオキシド13.4g (0.061mol)の代わりに上記の1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピル−1−ヒドロペルオキシド14.0g (0.064mol)を用い、ピバリン酸クロリド8.4g(0.07mol) の代わりにネオヘプタン酸クロリド10.7g(0.072mol) を用いた以外は実施例1と同様にして目的化合物を得た。得られた目的化合物の収率は72.3%(アシルフルオリドに対するモル収率)であった。また得られた化合物のマススペクトル、IRスペクトル、NMR スペクトルを分析した結果、1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエートであることが確認された。得られた化合物のベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度は46.7℃であり、活性酸素量は4.84%であった。以下に分析結果を示す。
【0047】
マススペクトル分析
Exact Mass:m/z 330.5834
18SiH38 330.5834(計算値)
【0048】
NMR スペクトル分析
【化12】
Figure 0003581757
H −NMR (CDCl
a 0.08ppm (s, 6H)
b 0.61〜0.72ppm (m, 2H)
c 1.02ppm (s, 9H)
d 1.19ppm (s, 6H)
e 1.28ppm (s, 6H)
f 0.82〜0.63ppm (m, 9H)
【0049】
IR スペクトル分析
IR (neat)
1769cm −1(C=O 伸縮)
1093cm −1(C−O 伸縮)
852cm −1(O−O 伸縮)
次に、本例で得られたケイ素含有ペルオキシエステルを塩化ビニル単量体の重合開始剤として使用した応用例およびその比較例を示す。
【0050】
応用例1
内容積2L、内温調節コイル付ステンレス製重合器を用い、重合器内に脱イオン水1300g 、水溶性部分けん化ポリビニルアルコール0.36g 、および水溶性セルロースエーテル0.24g を仕込み、重合器内圧が50mmHg(絶対圧)になるまで排気した後、塩化ビニル単量体400gを仕込んだ。次に重合器の内容物を攪拌しながらコイルに加熱水を通して重合器の内温を57℃(重合温度)に到達するまで昇温させた。表1に示す重合器の内圧(重合時の圧力)となった時点で重合開始剤として1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエート(表1中、TBSNHと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表1に示す添加量、重合器内に注射器で注入し重合を開始した。重合を開始すると同時にコイルに冷却水を通して内温を57℃(重合温度)に保持しながら重合を続行した。重合器の内圧が表1に示した圧力[表1中、重合停止時の重合器内圧(kgf/cm )として表記]まで低下した時点でビスフェノールAの20重量%メタノール溶液0.31g を重合器内に注射器で注入して重合を停止した。次に重合器内のガス(単量体)を排出した後、重合器から塩化ビニル重合体をスラリーとして抜き出した。表1に、重合温度(℃)、重合開始後重合器内圧が下がり始める直前の重合器内圧[表1中、降圧前の重合器内圧(kgf/cm )として表記]、重合器内圧が下がり始めた時点における重合器内圧から重合を停止した時点における重合器内圧にいたるまでの圧力降下速度[表1中、降圧速度(kgf/
cm/hr)) として表記]、重合停止時の重合器内圧[表1中、重合停止時の重合器内圧(kgf/cm )として表記]、重合開始(重合開始剤を投入した時点)から重合器内圧が下がり始めるまでの時間[表1中、降圧までの時間(分)として表記]、降圧開始から重合停止までの時間、重合開始から重合停止までの時間[表1中、合計重合時間(分)として表記]、および得られた塩化ビニル重合体の収率(%)を示す。
【0051】
次に、得られた塩化ビニル重合体について、下記の方法により初期着色性の評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0052】
初期着色性(IC)の評価試験:塩化ビニル重合体100 重量部にラウリル酸スズ1重量部、カドミウム系安定剤0.5 重量部およびDOP 50重量部を配合し、2本ロールミルを用いて150 ℃で5分間混練した後、この組成物を厚さ0.8mm のシートに展延した。次にこのシートを裁断して重ね、4×4×1.5cm の型枠に入れて150 ℃、65〜70kgf/cmで加熱、加圧成形して測定試料を作製した。この測定試料について、光電色彩計(日本電色工業株式会社製)を用いて、JIS Z 8730(1980)に記載されたハンターの色差式の明度指数Lを求め、a値およびb値を測定し、下記の基準で評価した。
Figure 0003581757
【0053】
比較例1
応用例1において、1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエートの代わりに、ターシャリブチルペルオキシネオデカノエート(表1中、TBNDと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表1に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表1に示すような条件で重合を行った以外は応用例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例1と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表1に示す。また上記のTBNDのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表1に併記した。
【0054】
比較例2
応用例1において、1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエートの代わりに、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート(表1中、EHPと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表1に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表1に示すような条件で重合を行った以外は応用例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例1と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表1に示す。また上記のEHPのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表1に併記した。
【0055】
比較例3
応用例1において、1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエートの代わりに、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド(表1中、TMHPと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表1に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表1に示すような条件で重合を行った以外は応用例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例1と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表1に示す。また上記のTMHPのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表1に併記した。
【0056】
【表1】
Figure 0003581757
【0057】
応用例2
応用例1において、重合温度を57℃から60℃に変更し、1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエートの代わりに、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレート(表2中、TESPVと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表2に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表2に示すような条件で重合を行った以外は応用例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例1と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表2に示す。また上記のTESPVのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表2に併記した。
【0058】
比較例4
応用例2において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレートの代わりに、ターシャリブチルペルオキシネオデカノエート(表2中、TBNDと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表2に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表2に示すような条件で重合を行った以外は応用例2と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例2と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表2に示す。また上記のTBNDのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表2に併記した。
【0059】
比較例5
応用例2において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシピバレートの代わりに、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド(表2中、TMHPと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表2に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表2に示すような条件で重合を行った以外は応用例2と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例2と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表2に示す。また上記のTMHPのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表2に併記した。
【0060】
【表2】
Figure 0003581757
【0061】
応用例3
応用例1において、重合温度を57℃から54℃に変更し、1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエートの代わりに、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエート(表3中、TESNDと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表3に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表3に示すような条件で重合を行った以外は応用例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例1と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表3に示す。また上記のTESNDのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表3に併記した。
【0062】
比較例6
応用例3において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエートの代わりに、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート(表3中、EHPと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表3に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表3に示すような条件で重合を行った以外は応用例3と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例3と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表3に示す。また上記のEHPのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表3に併記した。
【0063】
比較例7
応用例3において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオデカノエートの代わりに、クミルペルオキシネオデカノエート(表3中、CNDと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表3に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表3に示すような条件で重合を行った以外は応用例3と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例3と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表3に示す。また上記のCNDのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表3に併記した。
【0064】
応用例4
応用例1において、重合温度を57℃から51℃に変更し、1,1−ジメチル−3−(ターシャリブチルジメチルシリル)プロピルペルオキシネオヘプタノエートの代わりに、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエート(表3中、TESTDと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表3に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表3に示すような条件で重合を行った以外は応用例1と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例1と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表3に示す。また上記のTESTDのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表3に併記した。
【0065】
比較例8
応用例4において、1,1−ジメチル−3−(トリエチルシリル)プロピルペルオキシネオトリデカノエートの代わりに、クミルペルオキシネオデカノエート(表3中、CNDと略記する)の25重量%イソパラフィン溶液を、表3に示す添加量、重合器内に注射器で注入して重合を開始し、表3に示すような条件で重合を行った以外は応用例4と同様にして塩化ビニル重合体を得た。塩化ビニル重合体の収率(%)および応用例4と同様にして行った初期着色性の評価試験の結果を表3に示す。また上記のCNDのベンゼン溶液0.1mol/Lにおける10時間半減期温度を表3に併記した。
【0066】
【表3】
Figure 0003581757
【0067】
【発明の効果】
本発明のケイ素含有ペルオキシエステル化合物は、例えば塩化ビニル系重合体を得るためのラジカル重合開始剤として有用であり、特に初期着色性が優れた成形品を得ることができる品質の優れた塩化ビニル系重合体を高収率でかつ短時間で製造することができる。

Claims (1)

  1. 一般式(1) :
    Figure 0003581757
    (式中、 Rおよび Rは同一あるいは異なった炭素数1〜6の直鎖状アルキル基または炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基、 R、 Rおよび Rは同一あるいは異なった炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基または炭素数6〜9のアリール基、 R、 Rおよび Rは同一あるいは異なった炭素数1〜9の直鎖状アルキル基で、 Rと Rと Rの炭素数の総和は11以下)
    で表されるケイ素含有ペルオキシエステル化合物。
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