JP3580566B2 - 帯電防止剤 - Google Patents
帯電防止剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3580566B2 JP3580566B2 JP24354793A JP24354793A JP3580566B2 JP 3580566 B2 JP3580566 B2 JP 3580566B2 JP 24354793 A JP24354793 A JP 24354793A JP 24354793 A JP24354793 A JP 24354793A JP 3580566 B2 JP3580566 B2 JP 3580566B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- general formula
- alkyl group
- sulfonate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は帯電防止剤に関し、更に詳しくはビスホスホニウムビススルホネート化合物を有効成分とすることを特徴とする帯電防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、静電気障害を防止する方法はいろいろ提案されているが、多くの場合、帯電防止剤の使用によって解決が図られている。帯電防止剤は、その使用方法によって、外部用帯電防止剤と内部用帯電防止剤に大別される。
外部用帯電防止剤は、外部から吹き付け、浸漬、塗布などの手段によって使用されるもので、ほとんどが水溶性の界面活性剤である。このため経日、洗浄などによって簡単に帯電防止効果がなくなるといった欠点ある。
【0003】
内部用帯電防止剤は、高分子材料中に添加剤を加えることによって使用されるものであるが、添加する材料としては界面活性剤を使用する方法と導電性微粒子を添加する方法とがある。
導電性微粒子としては金属粉やカ−ボン等が使用されているが、これら微粒子を均一に高分子材料中に分散させ導電性を得るにはかなりの量を添加する必要があり、高分子材料の物性が変化する恐れや透明なものが得にくい等の欠点がある。
それに対して、帯電防止剤として用いられる界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、非イオン系がある。その分子中に親水性部分と新油性部分が共存しているため、ある物質の内部に添加しても界面に浸出して出てくるという利点があり、多くの種類の中から適宜選択され、広く応用されている。
【0004】
しかしながら、アニオン系界面活性剤は、相溶性が悪く、均一分散が難しいことや加熱時に分解劣化を生じたりする。また、第4級アンモニウム基を有するカチン系界面活性剤は、帯電防止性には優れているが耐熱性が非常に悪く、極く限定された範囲でしか使用できない。さらに非イオン性界面活性剤は、すぐれた帯電防止性があるが、高分子材料への相溶性熱安定性の低下などの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記事実に鑑み、優れた帯電防止性と高い耐熱性を有した高分子材料用帯電防止剤を得るべく鋭意研究を行った結果、ビスホスホニウムビススルホネート化合物を有効成分とする帯電防止剤が優れた帯電防止性を示すという事実を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明が提供しようとする帯電防止剤は、下記の一般式(1)
【0007】
【化4】
[式中、R1〜R6は炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、アルキル基、アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。 Y は炭素原子数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキレン基、置換または未置換のアリレン基を示し、R7は炭素原子数1〜40の直鎖状または分岐状のアルキル基あるいは一般式(2)
【化5】
(式中、R8は水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基を示す)あるいは一般式(3)
【化6】
(式中、R8は水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基を示す)を示す。]で表わされるビスホスホニウムビススルホネート化合物を有効成分とすることを構成上の特徴とするものである。
【0008】
以下、本発明をさらに詳細に説明をする。
本発明に係るビス(ホスホニウムスルホニウム)塩化合物は、その分子内の主鎖に2ケの有機ホスホニウムカチオン(以下、「ホスホニウムカチオン」という)を有し、またその対イオンとして2ケの有機スルホネートアニオン(以下、「スルホネートアニオン」という)を有する下記の一般式(1)で示されるが、
【0009】
【化7】
【0010】
その式中、R1 〜R6 の具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基等の炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニチル基等のアラルキル基;前記アルキル基、アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換されているものでもよい;等が挙げられる。それらの中でも好ましくは、アルキル基、アリール基、アラルキル基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基である。また、R1 、R2 およびR3は、同一の基でも又は異なっている基であってもよい。
【0011】
Yは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、エチルエチレン基等の直鎖状または分岐状のアルキレン基;フェニレン基、2,3−ジメチルフェニレン基、2,5−ジメチルフェニレン基、p−キシリレン基、m−キシリレン基等の置換または未置換のアリレン基が挙げられる。
【0012】
R7 は水素原子;メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ペンタエイコシル基等の炭素原子数1〜40の直鎖状または分岐状のアルキル基;一般式(2)または一般式(3)のR8 が水素原子;メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基であるアルキルフェニル基およびアルキルナフチル基等が挙げられる。
【0013】
次に、一般式(1)で示されるビスホスホニウムビススルホネートにおいて、ホスホニウムカチオンにつき、 更に具体的に示すと、
エチレンビストリエチルホスホニウム、エチレンビストリn−ブチルホスホニウム、エチレンビストリn−ヘキシルホスホニウム、エチレンビストリn−オクチルホスホニウム、エチレンビストリn−デシルホスホニウム、エチレンビストリn−ドデシルホスホニウム、エチレンビストリn−ヘキサデシルホスホニウム、エチレンビストリn−オクタデシルホスホニウム、エチレンビスオクタデシルジエチルホスホニウム、エチレンビストリ(2−シアノエチル)ホスホニウム、エチレンビストリ(3−ヒドロキシプロピル)ホスホニウム、エチレンビストリベンジルホスホニウム、エチレンビストリフェニルホスホニウム、エチレンビストリクレジルホスホニウム
等が挙げられ、また上記エチレン基をメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、エチルエチレン基、フェニレン基、2,3−ジメチルフェニレン基、2,5−ジメチルフェニレン基、p−キシリレン基、m−キシリレン基等に置き換えたビスホスホニウムカチオンが挙げられる。
【0014】
また、スルホネ−トアニオンとしては、例えば
オクチルスルホネート、デシルスルホネート、ドデシルスルホネート、テトラデシルスルホネート、ヘキサデシルスルホネート、オクタデシルスルホネート、エイコシルスルホネート、ドコシルスルホネート等のアルキルスルホネート;ベンゼンスルホネート、メチルベンゼンスルホネート、ブチルベンゼンスルホネート、オクチルベンゼンスルホネート、デシルベンゼンスルホネート、オクタデシルベンゼンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、テトラデシルベンゼンスルホネート、ヘキサデシルベンゼンスルホネート、オクタデシルベンゼンスルホネート、エイコシルベンゼンホスホネート等のアルキルベンゼンスルホネート;メチルナフチルスホネート、エチルナフチルスルホネート、ジメチルナフチルスルホネート等のアルキルナフチルスルホネート等が挙げられる。
【0015】
本願発明の帯電防止剤であるビスホスホニウムビススルホネート化合物は、上記有機ホスホニウムカチオンと有機スルホネートアニオンとの所望の組合せで構成されるが、特に限定されるものではない。
【0016】
また、その使用にあっては、必要に応じて酸化防止剤、紫外線防止剤、耐候剤、ブロッキング防止剤、顔料、補強剤、滑剤や他の帯電防止剤を配合しても差し支えない。
【0017】
帯電防止剤の製造方法
本発明の帯電防止剤であるビスホスホニウムビススルホネート化合物は、いかなる方法で製造してもよいが、工業的な製法として以下に一例を示す。
【0018】
一般式(4)
【化8】
(式中R1 〜R3 は前記と同義を示す。)及び/又は一般式(5)
【0019】
【化9】
(式中R4 〜R6 は前記と同義を示す。)で表されるトリオルガノホスフィンと、 一般式(6)
【0020】
【化10】
(式中Yは前記と同義を示し、Xはハロゲンを示す。)で表されるジハロゲン化物とを反応させることにより、一般式(7)
【0021】
【化11】
(式中R1 〜R6 、Y、Xは前記と同義を示す。)で表されるビスホスホニウムジハロゲナイドを得る。
【0022】
次いで、一般式(8)
【化12】
(式中R7 は前記と同義を示す。)で表される有機スルホン酸ソーダとを反応させることにより、本発明の帯電防止剤を得ることができる。
【0023】
上記の反応において、一般式(4)及び/または一般式(5)と一般式(6)との化合物との反応は、有機溶媒の存在下または無溶媒下で室温〜150℃、1〜10時間反応を行うのがよい。
有機溶媒を使用する場合は、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
また、トリオルガノホスフィンはジハロゲン化アルキルに対して2倍モル〜5倍モル使用するのがよい。さらに、上記一般式(7)と一般式(8)との化合物の反応は水溶媒中において、室温〜100℃、1〜10時間反応を行うのがよい。また、有機スルホン酸ソーダはビスホスホニウムハロゲナイドに対して、2倍モル〜5倍モル使用するのがよい。
【0024】
本発明に係る帯電防止剤を、高分子材料に付与する方法は、いかなる方法によってもよいが、例えばポリマ−製造時や加工時に上記帯電防止剤を直接、又はマスタ−チップの形として添加混合して用いることができる。これら内部添加法により好ましい帯電防止能を得るためには,成形物に対して本発明の帯電防止剤を0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%が適当である。
【0025】
また、帯電防止能を付与する他の方法としては、本発明に係る帯電防止剤を含有する溶液、分散液、乳化液を浸漬法、スプレ−法、ロ−ラ−コ−ト法、グラビアコ−ト法等各種の手段で実施することが可能である。更に、 必要に応じて被処理面、或はアンカーコート剤の塗布等の化学処理を行ってから塗布してもよい。
なお、本発明に係る化合物は難燃性および抗菌性も有する。
【0026】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに説明をする。
【0027】
<実施例>
表1中に記載した本発明の帯電防止剤a〜gをポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレ−ト(PMMA)、ポリエチレン(PE)のそれぞれに所定量をヘンシェルミキサーにて混合し、射出成型機(3N31A新潟鉄工所製)にて、各々所定の温度で成型し、100mm×100mm×2mのシートを得た。各シートにつき、ブランクと比較し、 外観を評価した後に、20℃×65%RHの恒温恒湿室に一夜放置後、同雰囲気下にて超絶縁抵抗計(SM−5E型、東亜電波工業社製)により表面抵抗を測定した。結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
成型温度は、PCが290℃、PMMAが180℃、PEが200℃でおこなった。外観は各シートについて色相及び透明性を目視観察し、 ブランクと同程度の色相及び透明性を有するものを良とした。
【0030】
<比較例>
表2中に記載した従来の帯電防止剤h〜lを使い、実施例と同様の実験を行い、同様の比較及び測定をした。結果を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る帯電防止剤は、各種の合成樹脂やゴムに対し、表面抵抗及び体積固有抵抗を低下させて導電性を付与するので良好な帯電防止能を発揮させることができる。
また、本発明に係る帯電防止剤は、熱安定性が良いので樹脂やゴムの加工温度において分解することなく耐久性をもって、その効果を持続することができる。
Claims (1)
- 下記の一般式(1)
下記の一般式(1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24354793A JP3580566B2 (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 帯電防止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24354793A JP3580566B2 (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 帯電防止剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0770361A JPH0770361A (ja) | 1995-03-14 |
JP3580566B2 true JP3580566B2 (ja) | 2004-10-27 |
Family
ID=17105501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24354793A Expired - Fee Related JP3580566B2 (ja) | 1993-09-06 | 1993-09-06 | 帯電防止剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3580566B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004210672A (ja) | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Nippon Chem Ind Co Ltd | ビスホスホニウム塩化合物及びその製造方法 |
JP4759343B2 (ja) | 2005-08-19 | 2011-08-31 | 富士フイルム株式会社 | 平版印刷版原版および平版印刷方法 |
JP5452859B2 (ja) * | 2007-11-05 | 2014-03-26 | 富士フイルム株式会社 | 金属研磨用組成物、及び金属研磨方法 |
WO2014006828A1 (ja) * | 2012-07-02 | 2014-01-09 | 広栄化学工業株式会社 | 新規なジホスホニウム塩およびその製造方法 |
KR102122544B1 (ko) * | 2019-09-20 | 2020-06-16 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 2가 양이온 및 1가 음이온을 포함하는 이온성 액체 및 이를 포함하는 윤활제 조성물 |
-
1993
- 1993-09-06 JP JP24354793A patent/JP3580566B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0770361A (ja) | 1995-03-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3933779A (en) | Antistatic polymer blend | |
US3085908A (en) | Aminosilicon treated metals and methods of treatment and production | |
US3364192A (en) | Antistatic polymer compositions containing ammonium phosphates | |
JP3580566B2 (ja) | 帯電防止剤 | |
JPH04502911A (ja) | 第4級アンモニウム帯電防止性化合物 | |
KR920004196B1 (ko) | 표면처리된 폴리오르가노시르세스키옥산 미분말 | |
DE69302427T2 (de) | Siloxan enthaltendes Schutzmittel für Vinyl und Kautschuk an Kraftwagen | |
DE3031598C2 (ja) | ||
CN101094886A (zh) | 制造抗静电剂的方法 | |
JPH0129500B2 (ja) | ||
JP2681517B2 (ja) | 帯電防止剤および樹脂組成物 | |
MXPA01010902A (es) | Agentes antiestatica y composiciones de resina incorporadas en ellos. | |
DE2914538A1 (de) | Waessrige loesung einer sulfonato- organosilanol-verbindung | |
JP2767772B2 (ja) | 合成高分子材料用帯電防止剤 | |
JP2909735B2 (ja) | 耐熱性に優れる樹脂用帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物 | |
EP0309622B1 (en) | Method for reducing build up of electrostatic charges on transparent synthetic macromolecular materials selected from polymethyl methycrylate or polycarbonate | |
JP3115519B2 (ja) | シリコーン樹脂用帯電防止剤 | |
JPH05320625A (ja) | 帯電防止剤組成物 | |
JP6793229B2 (ja) | イオン結合性塩、イオン結合性塩組成物およびこれを含む樹脂組成物 | |
JPH10289794A (ja) | 帯電防止剤 | |
JP3856931B2 (ja) | 帯電防止剤及び高分子材料 | |
KR100454100B1 (ko) | 내부진입형 대전방지성 조성물과 그 제조방법 및 이를이용한 대전방지성 필름 | |
JP2527697B2 (ja) | 合成高分子材料用帯電防止剤 | |
JPH0860140A (ja) | 帯電防止剤 | |
JPH06104818B2 (ja) | 帯電防止剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040309 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040428 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040713 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040720 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |