JP3580414B2 - 二次電池の充電回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池の充電回路に関し、特に劣化判定機能を備えた二次電池の充電回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
バックアップ用途の二次電池は、通常、待機状態にあり、停電等により商用電源の供給が停止した場合に放電動作を行って負荷への給電を持続させる。商用電源が回復すると、前記二次電池は充電回路で急速に満充電される。満充電後は、再び二次電池はスタンバイ動作に入り、停電に備える。スタンバイ動作中に二次電池を放置すると自己放電により、容量が低減する。このため、トリクル充電によりスタンバイ中の自己放電容量の低下を補う。
【0003】
二次電池(ニッケル・カドミウム電池やニッケル・水素電池等)は過充電により劣化するので、パルス電流によりトリクル充電を行うことが望ましく、パルス電流の平均値が自己放電量に相当する微少な電流となるように設定する。しかし、パルス電流で充電を行った場合においても二次電池の劣化による容量低減は避けられず、二次電池の劣化を監視しながらトリクル充電を行う必要がある。
【0004】
二次電池を満充電後に負荷から切り離した状態とし、たえず微少な電流を流して、自己放電を補う充電方法をトリクル充電と呼称する。トリクル充電用の電流は微少な定電流でも良いが、過充電の影響が少ないとされるパルス電流が推奨される。
【0005】
パルス電流によるトリクル充電を示す従来例として、(a)「トワイセル密閉形ニッケル・水素蓄電池技術資料」−三洋電機株式会社(1999年6月),(b)「Fast Charge IC」−Benchmarq社(1998年Data−Book)、(c)「二次電池の充電方法及び充電装置」−特開平8−182215号等がある。
【0006】
資料の(a)は、トリクル充電時におけるパルス電流のオン・オフ比を具体的に示し、過充電を避けるトリクル充電方法として、パルス充電方法を推奨している。資料の(b)には、パルス充電を行うための制御回路用IC及びこの制御回路用ICを用いた充電回路の構成が示されている。資料の(C)には、急速充電時において、二次電池の寿命末期に発熱量が問題になる場合があるので、パルス電流オン期間とパルス電流オフ期間の電池電圧の差分を持ってパルスのオン・オフ比を変化させる発明が示されている。
【0007】
図8は、従来例におけるの二次電池の充電回路の回路図である。先に説明した資料(特に(b)と(c))に示される充電回路は、基本的には同一であり、図8に示す構成である。図は、充電電圧値、極性及び品質等を変換するDC/DCコンバータ1、DC/DCコンバータ1の出力電流をオン・オフする第一のスイッチSW1、パルス電流の波高値を調整する可変抵抗VR、充電される二次電池2、充電電流を検出するシャント抵抗R(低抵抗)及び制御回路30から構成される。
【0008】
図9は、従来例における二次電池の充電電流を示す図である。図には、資料の(b)に示される急速充電電流、Top−Off充電電流及びトリクル充電電流の概念図が示されている。トリクル充電期間のパルス電流はオン期間が少なく、平均電流(パルス電流の波高値×デューティ比)としては極めて少なくなるように設定される。
【0009】
図10は、従来例における二次電池の充電回路の動作説明フローである。二次電池2が放電後に、急速充電を開始する時を開始点とした動作フローである。
〔S21〕二次電池2を充電回路に接続する。
〔S22〕急速充電を行う。急速充電時には、二次電池2に大きな充電電流を流す必要があるので、第一のスイッチSW1は継続してオン状態、あるいはオフ期間に比べてオン期間の大きなスイッチング状態を保つ。
〔S23〕急速充電により二次電池2の満充電を検出したかどうかをチェックする。急速充電により二次電池2が満充電になったかどうかの判断は、ピーク電圧、−ΔV、最大温度、温度上昇率などを検出して行われる。満充電を検出すればS24に進み、そうでなければS22に戻る。すなわち、二次電池2の満充電が
検出されるまで、急速充電動作を行い、満充電が検出されると次の動作に移る。
【0010】
〔S24〕パルスのデューティ比・周期を変更し、仕上げ(Top−Off)充電を行う。但し、Top−Off充電を省略し、直ちにパルス電流によるトリクル充電状態に移行する場合もある。
〔S25〕パルスのデューティ比・周期を再変更し、トリクル充電を行う。このトリクル充電は、停電や充電回路の故障で二次電池が負荷(図8では省略しているが、通常、二次電池と並列に接続)に放電するまで継続される。
〔S26〕急速充電信号を受信したかどうかをチェックし、受信したらS22に戻り、していなければS26に戻る。すなわち、放電後に二次電池が充電可能な状態に回復すると、充電回路は急速充電状態に移行し、二次電池の急速充電を行う本フローの開始点に戻る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バックアップ用途の二次電池は、充放電期間に比べて、待ち受け時間に相当するトリクル充電期間が極めて長い。従来の発明は、急速充電期間における充電回路構成や充電方法が検討されているが、トリクル充電期間の二次電池の劣化についてはほとんど考慮されていない。
このように従来の充電回路においては、トリクル充電期間における二次電池の劣化判定機能を有しないので、トリクル充電期間中に二次電池が劣化して容量が減少したことを検知できない。このため、実際に二次電池が放電動作を行う非常時におけるバックアップ時間を予測することが困難であった。
【0012】
本発明は、上述したような従来回路の有する欠点に鑑みてなされたもので、パルス電流によるトリクル充電のオフ期間を利用し、二次電池の劣化を判定する回路構成を有する二次電池の充電回路を提供することをその目的とする。すなわち、パルス電流を用いてトリクル充電を行う充電回路の劣化診断回路に係わり、特に二次電池の劣化が進むにつれて放電時の電圧降下が増加する性質を利用した二次電池の劣化判定機能を備えた二次電池の充電回路である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、トリクル充電を行う二次電池の充電回路において、パルス状の制御信号によりトリクル充電電流をオンおよびオフして前記二次電池に出力する第一のスイッチと、前記第一のスイッチの出力側に一端が接続され、かつ、前記二次電池に並列に接続されている第二のスイッチと、前記二次電池の温度および放電電流と関連してこの電池の電圧降下のデータをあらかじめ記憶し、前記第一のスイッチのオンおよびオフをするための前記制御信号をこのスイッチに送り、前記制御信号をカウントし、所定数のこの制御信号をカウント後に、前記二次電池の温度を検出すると共に、前記第一のスイッチのオフ期間中に前記第二のスイッチをオンおよびオフし、前記第二のスイッチのオンで前記二次電池から流れる放電電流とこの電池の電圧降下を検出し、検出した温度および放電電流による電圧降下と、前記あらかじめ記憶している前記二次電池のデータとを基にして、前記二次電池の劣化判定をする制御回路とを有することを特徴とする二次電池の充電回路である。
【0014】
本発明によれば、トリクル充電電流をオンおよびオフする第一のスイッチのオフ期間にオンおよびオフする第二のスイッチによって、放電電流調整用抵抗を介して流れる二次電池の放電電流を調整する。この第二のスイッチによる二次電池の放電電流の調整は二次電池の劣化判定に基づいて行われる。
【0015】
トリクル充電電流を二次電池に流すための第一のスイッチがオフを検出して動作することから、二次電池の放電電流が充電回路の影響を受けることがない。二次電池の容量は、第二のスイッチによる放電動作のために減少するが、この容量の減少量は、第二のスイッチのオン期間と放電電流調整用抵抗を調整して任意に決めることができる。さらに、メモリ効果のある二次電池をリフレッシュさせるために、放電によるパルス電流の平均値をトリクル充電によるパルス電流の平均値より大きくなるように設定することも可能である。
【0016】
第二のスイッチのオン期間には、二次電池の放電電流、電圧降下、温度を測定してデータベースとして記憶し、以前に測定した二次電池のデータベースと比較して劣化の程度を判定可能となる。以前に測定したデータを用いて二次電池の劣化を判定するために、例えば、二次電池の電圧降下を放電電流と温度の関数としてフィッティングし、測定した電圧降下と前記関数で求めた電圧降下とを比較する手段が適用できる。
【0017】
二次電池の劣化は徐々に進むものであるから、一定のトリクル電流のパルス数毎に測定を行うように構成することにより、CPUが保持するデータベースも小さくなり、データの取り込み速度の遅い測定機器を用いることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために本発明の二次電池の充電回路は、二次電池のトリクル充電をパルス電流で行う二次電池の充電回路において、トリクル充電電流をオン・オフする第一のスイッチと、前記第一のスイッチのオフ期間を検出する手段と、該第一のスイッチのオフ期間にオン・オフする第二のスイッチを備え、該第二のスイッチは放電電流調整用抵抗を介して該二次電池に並列に接続されていることに特徴を有している。前記第二のスイッチは、必ず、前記第一のスイッチのオフ期間中にオン・オフを完了するよう動作させることが必要である。
【0019】
また、本発明の二次電池の充電回路は、二次電池の劣化を判定するために、前記第二のスイッチのオン期間に該二次電池の放電電流と、該二次電池の電圧降下と、該二次電池の温度を測定する機能を設け、該放電電流と、該電圧降下と、該温度を順次記憶する記憶回路を備えたCPUを備えていることに特徴を有している。該二次電池の電圧降下は、該二次電池の温度や該二次電池の放電電流の影響を大きく受ける。測定データにより二次電池の劣化を判定する場合には、初期に測定したデータから類似のデータを抽出して、測定データと比較して判定することが可能である。
【0020】
更に、本発明の二次電池の充電回路は、二次電池の劣化を高精度に判定するために、CPUは二次電池の温度または二次電池の放電電流の少なくとも一方により、前記電圧降下を補正する手段と、前記補正手段の出力を記憶回路に追記する手段と、前記補正手段の出力と許容最大値を比較する手段とを有し、基準化したデータ間で劣化を判定することに特徴を有している。
【0021】
また、本発明の二次電池の充電回路は、パルス電流によりトリクル充電が終了する毎に測定を行う必要はない。このため、二次電池のトリクル充電パルスをカウントする機能を有し、特定数のトリクル充電パルスを印加した後に該二次電池の放電電流と、該二次電池の電圧降下と、該二次電池の温度を測定することに特徴を有している。
【0022】
【実施例】
先ず、本発明の原理について説明する。図7は、本発明の原理を説明する説明図である。(a)は、二次電池の内部抵抗と容量の関係を示したグラフである(例えば、N,KATO,K.YAMAMOTO,"Estimation of the Capacity of Nickel-Cadmium Batteries by Measuring Impedance using Electolyte-Deficient Battery Characteristics",Proceedings of lNTELEC’95,pp.772-777)。電池の劣化が進むと内部抵抗は増加し、かつ、容量が減少することを示している。
【0023】
(b)は、二次電池の電圧降下に差異が生じることを示している。すなわち、二次電池の電圧降下は、二次電池の放電電流×内部抵抗に比例するので、劣化の状況により、二次電池の電圧降下に差異が生じる。従って、二次電池の放電電流及び温度が同一の状況下では、二次電池の電圧降下の時間的な推移をデータとして記憶し、初期の取得したデータと現在のデータを比較することにより劣化の程度を判定することができる。
【0024】
また、簡単なデータの補正方法としては、電圧降下(Vd)は、放電電流(I)に比例し、温度(t)のm次の近似多項式で下記のように与えられると仮定する。
Vd/I=a0+a1t+a2t2+−−−−−−−+amtm (1)
Vd,I及びtについて初期データをn個取得した時点で、a0〜amを求めれば、測定対象の二次電池における任意の放電電流及び温度におけるVdを推定することができる。a0〜amを求めるための方法として、最小2乗近似やチェビシエフ近似が一般的に用いられる。
式(1)から求めたVd(Vds)またはVd/I(Rds)と現在の測定データとを比較し、特定の値以上に現在の測定データが式(1)の計算値を上回った場合に、二次電池が劣化したと判定する。
【0025】
また、近似式を求めるのではなく、二次電池の使用初期に取得したn+1個のデータから、これらの点を通る補間を行い、電池の初期データの推定値(VdsまたはRds)とすることができる。補間方法としては、ラグランジュ補間やニュートン補間が適用できる。
【0026】
(実施例1)
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施例における二次電池の充電回路の回路図である。なお、図8と同一符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示しており、説明を省略する。
この実施例では、第二のスイッチSW2と直列に放電電流調整用の可変抵抗VR2を接続し、第一のスイッチSW1のオフ時に第二のスイッチSW2をオンさせるように構成する。図において、第一のスイッチSW1のオン時に、第二のスイッチSW2が同時にオンすると充・放電電流測定用の低抵抗R1は、二次電池2のDC/DCコンバータ1側から流れ込む電流の影響を受け、二次電池2の放電電流のみを正確に測定することができない。そこで、制御回路10には第一のスイッチSW1のオン時には、第二のスイッチSW2を決してオンしないような機構を設ける。このような機構は、制御回路10により実現するものである。
【0027】
図2は、本発明の実施例における制御回路の構成を示す図である。図におけるパルス充電用IC11は、二次電池2を急速充電する機能と、満充電を判定する機能と、Top−Off充電する機能と、パルス電流でトリクル充電する機能と、トリクル充電モードであることを表示する機能を有すれば十分である。従って、市販の充電用IC(例えば、先に述べたBENCHMARQ社のBQ2002シリーズIC)も使用可能である。
【0028】
以下、図2において、第二のスイッチSW2をオン・オフさせる機構について詳述する。パルス充電用IC11から制御信号を第一のスイッチSW1に出力する。パルス充電用IC11がトリクル充電モードに入ると、トリクル充電モード信号を出力する。このため、AND回路12は第一のスイッチSW1のオン信号を出力入力する。AND回路12の出力は、遅延回路14とNOT回路15の順序(あるいはNOT回路15と遅延回路14の順序でも良い)を通して、第一のスイッチSW1のオフ期間に等しく、若干遅れた信号を得る。
【0029】
この信号をカウンタ16のクロック信号として入力し、クロック信号の数が特定数以上になった場合、カウンタ16はワンショットマルチバイブレータ17に出力を送出する。前述した通り、カウンタ信号の前縁部は遅延回路14で遅れるので、第一のスイッチSW1のオフ後に立ち上がるが、後縁部が次の第一のスイッチSW1のオン信号と重なり、第一のスイッチSW1と第二のスイッチSW2が同時にオンする可能性がある。従って、カウンタ16から出る信号の後縁部を前縁部側に近づけるように、ワンショットマルチバイブレータ17でパルス波形を整形する。整形された信号は、バッファ18を通して、第二のスイッチSW2をオン・オフする駆動信号として出力される。なお、バッファ18はワンショットマルチバイブレータ17で第二のスイッチSW2を動作させる時、駆動電力が不足する場合に必要となる。
【0030】
また、図2において第二のスイッチSW2の駆動信号と同期してサンプリング回路19を動作させるように構成しておけば、第二のスイッチSW2のオン時における二次電池2の電圧降下、温度、放電電流を測定することが可能になる。測定したデータは、CPU13に送出され、順次記録されるとともに必要に応じて、CPU13は外部に二次電池の劣化警報を送出する。
【0031】
図3は、本発明の実施例におけるトリクル充電中の動作タイミングと低抵抗の測定電流を示す図である。(a)はスイッチの動作、(b)は測定電流である。すなわち、トリクル充電時の充電電流と放電電流の二次電池2からみた極性とタイミングを示したものである。
モード1:第一のスイッチSW1がオン、第二のスイッチのSW2がオフの期間に充電電流が測定される。
モード2:第一のスイッチSW1がオフ、第二のスイッチのSW2がオフの期間には電流は流れない。
モード3:第一のスイッチSW1がオフ、第二のスイッチのSW2がオンの期間に放電電流が測定される。
モード4:第一のスイッチSW1がオフ、第二のスイッチのSW2がオフの期間には電流は流れない。
【0032】
図4は、本発明の第1実施例における二次電池の充電回路の動作説明フローである。図1に示す本発明の第1実施例における二次電池の充電回路に図2の制御回路10を適用した場合の動作フローである。
〔S1〕パルス充電用IC11からの制御信号を第一のスイッチヘSW1に出力する。
〔S2〕トリクル充電モード信号オンか?オンであればS3に進み、そうでなければS9に進む。
〔S3〕AND回路12が動作する。
〔S4〕遅延回路14,NOT回路15,カウンタ16によりトリクル充電信号の何サイクル毎に第二のスイッチSW2をオンさせるかを決定する。
【0033】
〔S5〕第二のスイッチSW2をオンさせるサイクルか?そうであればS6に進み、そうでなければS4に戻る。
〔S6〕カウンタ16をリセットし、ワンショットマルチバイブレータ17で第二のスイッチSW2のオン・オフ時間幅を決定する。
〔S7〕第二のスイッチSW2にオン・オフ信号送出と同時にオン信号で同期回路20を動作させてサンプリング回路19のゲートを開き、二次電池2の電圧、温度、放電電流をサンプリングする。
〔S8〕サンプリング回路19の取り込んだ信号をCPU13で処理、警報信号を発信する。
〔S9〕AND回路12はオフの状態を維持する。
【0034】
(実施例2)
図5は、本発明の第2実施例における二次電池の充電回路の回路図である。図1に示すように充電電流と放電電流を一個の充・放電電流測定用の低抵抗R1で測定しても良いが、放電電流測定用には、パルス幅が短いので高周波特性が求められることがある。第2実施例は、第二のスイッチSW2と直列に放電電流測定用の低抵抗R2を接続し、別に充電電流測定用の低抵抗R3を設けている。
【0035】
図6は、本発明の第2実施例における二次電池の充電回路の動作説明フローである。
〔S11〕二次電池2を充電回路に接続する。
〔S12〕急速充電を行う。
〔S13〕急速充電により二次電池2の満充電を検出したかどうかをチェックする。検出すればS14に進み、そうでなければS12に戻る。
〔S14〕パルスのデューティ比・周期を変更し、仕上げ(Top−Off)充電を行う。
〔S15〕パルスのデューティ比・周期を再変更し、トリクル充電を行う。
〔S16〕第一のスイッチSW1のオフ期間に第二のスイッチSW2をオン・オフする。
〔S17〕第二のスイッチSW2のオン期間に二次電池2の電流及び電圧検出・記憶装置に保存する。
〔S18〕急速充電信号を受信したかどうかをチェックし、受信したらS12に戻り、していなければS15に戻る。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はパルス電流によるトリクル充電のオフ期間を利用し、二次電池の劣化を判定する回路構成を有するので、トリクル充電期間中に二次電池が劣化して容量が減少したことを検知できる。このため、実際に二次電池が放電動作を行う非常時におけるバックアップ時間を予測することが可能となる。また、本発明によれば、制御信号をカウントし、所定数のこの制御信号をカウント後に、二次電池の温度の検出、二次電池から流れる放電電流と電池の電圧降下との検出を行うので、トリクル充電が終了する毎に測定を行うことを不要にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における二次電池の充電回路の回路図である。
【図2】本発明の実施例における制御回路の構成を示す図である。
【図3】(a),(b)は、本発明の実施例におけるトリクル充電中の動作タイミングと低抵抗の測定電流を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例における二次電池の充電回路の動作説明フローである。
【図5】本発明の第2実施例における二次電池の充電回路の回路図である。
【図6】本発明の第2実施例における二次電池の充電回路の動作説明フローである。
【図7】(a),(b)は、本発明の原理を説明する説明図である。
【図8】従来例における二次電池の充電回路の回路図である。
【図9】従来例における二次電池の充電電流を示す図である。
【図10】従来例における二次電池の充電回路の動作説明フローである。
【符号の説明】
1 DC/DCコンバータ
2 二次電池
10 制御回路
11 パルス充電用IC
12 AND回路
13 CPU
14 遅延回路
15 NOT回路
16 カウンタ
17 ワンショットマルチバイブレータ
18 バッファ
19 サンプリング回路
20 同期回路
30 制御回路
R シャント抵抗
R1 充・放電電流測定用の低抵抗
R2 放電電流測定用の低抵抗
R3 充電電流測定用の低抵抗
SW1 第一のスイッチ
SW2 第二のスイッチ
VR 可変抵抗
VR1 充電電流調整用の可変抵抗
VR2 放電電流調整用の可変抵抗
Claims (1)
- トリクル充電を行う二次電池の充電回路において、
パルス状の制御信号によりトリクル充電電流をオンおよびオフして前記二次電池に出力する第一のスイッチと、
前記第一のスイッチの出力側に一端が接続され、かつ、前記二次電池に並列に接続されている第二のスイッチと、
前記二次電池の温度および放電電流と関連してこの電池の電圧降下のデータをあらかじめ記憶し、前記第一のスイッチのオンおよびオフをするための前記制御信号をこのスイッチに送り、前記制御信号をカウントし、所定数のこの制御信号をカウント後に、前記二次電池の温度を検出すると共に、前記第一のスイッチのオフ期間中に前記第二のスイッチをオンおよびオフし、前記第二のスイッチのオンで前記二次電池から流れる放電電流とこの電池の電圧降下を検出し、検出した温度および放電電流による電圧降下と、前記あらかじめ記憶している前記二次電池のデータとを基にして、前記二次電池の劣化判定をする制御回路と、
を有することを特徴とする二次電池の充電回路。
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