JP4090713B2 - ニッケル水素電池の容量推定方法 - Google Patents

ニッケル水素電池の容量推定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はニッケル水素電池の容量推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次電池は充放電を繰り返すことによって劣化し、容量が減少する。容量が基準値以下に減少したら、その電池は交換しなければならない。例えば通信用電源バックアップ用の鉛蓄電池では初期容量の70%、ニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池では初期容量の60%が交換の目安とされている。もし、容量が基準値以下に低下した電池をそのまま使用していると、非常用のバックアップ電源等では、最悪の場合、人命に関わる問題を引き起こし兼ねない。従って、使用している二次電池の容量を常に把握していることが必要となる。
【0003】
しかし、二次電池の容量を正確に測定しようとすれば、通常、長い時間を必要とする。例えば、ニッケル水素電池では、1.0V/セルまで放電させた後、0.1CmAで16時間充電し、1時間の休止後0.2CmAで1.0V/セルまで放電させて、その時の放電容量を測定して、それを実容量とする。ここに、CmAは、公称容量を1時間で割って得る電流値である。そのため、測定には約1日を要することになる。しかも、電池は、容量の測定中には、本来の目的には使えないので、あまり頻繁に容量を実測することは好ましくない。
【0004】
この問題を解決するため、より短時間に二次電池の容量を推定する方法が考案されてきた。例えば鉛蓄電池では、電極内部抵抗と容量の間に成り立つ直線関係を用いて、電極内部抵抗の実測値から容量を推定できる。しかしこの方法を用いるためには、使用する電池ごとにあらかじめ同種類で劣化の程度の異なる電池を多数用意して、電極内部抵抗と容量の関係を求めておかなければならない。またニッケルカドミウム電池でも、電極内部抵抗と容量との間に成り立つ関係式を用いて、電極内部抵抗の実測値から容量を推定する方法が知られている。この方法を用いるためには、未劣化電池の電極内部抵抗と初期容量値のみが必要であって、劣化電池を多数用意して関係式を求める必要がない点ですぐれているが、ニッケルカドミウム電池以外には適用することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が対象とするニッケル水素電池においては、容量が低下するに連れて電極内部抵抗が増加することは知られていたが、電池のサイズ、用途、メーカ等に関わらず一般的に成り立つ定量的な関係は明らかになっておらず、容量の確認には、実際に電池を放電させて、容量を実測するしか方法がない状況であった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ニッケル水素電池の容量を、容量と電極内部抵抗変化との間の相関関係を求めた後は、実容量を測定することなしに、短時間で精度よく推定する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載したように、
ニッケル水素電池の容量推定方法であって、同型のニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量と、同一時間幅の定電流パルス放電における電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス放電によって求めた前記電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0008】
また、本発明においては、請求項2に記載したように、
ニッケル水素電池の容量推定方法であって、同型のニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量と、同一時間幅の定電流パルス充電における電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス充電によって求めた前記電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0009】
また、本発明においては、請求項3に記載したように、
ニッケル水素電池の容量推定方法であって、ニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量を公称容量または未劣化電池の容量で除して得る比容量と、同一時間幅の定電流パルス放電における電極内部抵抗値変化を電解液抵抗の初期値で除して得る規格化電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス放電によって求めた前記規格化電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0010】
また、本発明においては、請求項4に記載したように、
ニッケル水素電池の容量推定方法であって、ニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量を公称容量または未劣化電池の容量で除して得る比容量と、同一時間幅の定電流パルス充電における電極内部抵抗値変化を電解液抵抗の初期値で除して得る規格化電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス充電によって求めた前記規格化電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0011】
また、本発明においては、請求項5に記載したように、
請求項1または請求項3に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記定電流パルス放電において、前記電極内部抵抗値変化が、放電開始直後の電池電圧と放電終了直前の電池電圧との差を前記放電電流値で除して得られる値であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0012】
また、本発明においては、請求項6に記載したように、
請求項2または請求項4に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記定電流パルス充電において、前記電極内部抵抗値変化が、充電終了直前の電池電圧と充電開始直後の電池電圧との差を前記充電電流値で除して得られる値であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0013】
また、本発明においては、請求項7に記載したように、
請求項5または請求項6に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記放電時間または前記充電時間が100ミリ秒以上10秒以下であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0014】
また、本発明においては、請求項8に記載したように、
請求項5または請求項6に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記放電電流値または前記充電電流値が0.5時間率に相当する電流値以上、2時間率に相当する電流値以下であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法を構成する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明を概説するならば、本発明はニッケル水素電池の容量推定方法に関するものであって、例えば、電池を短時間、定電流で放電させるかまたは充電し、電池の容量と、放電または充電における電極内部抵抗値変化との間に成り立つ相関関係を用いて電池の容量を推定する。
【0016】
以下、本発明を、実施の形態例によって説明する。以下においては、ニッケル水素電池を単に電池と呼び、電池電圧を単に電圧と呼ぶ。
【0017】
まず、長時間の使用により劣化した電池、または過充電、高温における充放電、多数の充放電サイクル等により劣化させた同型の電池を用意する。これらの電池を定電流で短時間放電(同一時間幅の定電流パルス放電)させるかまたは短時間充電(同一時間幅の定電流パルス充電)し、放電開始直後と放電終了直前との間の電圧変化または充電終了直前と充電開始直後との間の電圧変化を測定する。また、同型の未劣化電池を用いて、放電開始直後の電圧変化と電流値とから電解液抵抗の初期値を求める。
【0018】
定電流放電の場合の時間と電圧の関係の概念図を図1に、また定電流充電の場合の時間と電圧の関係の概念図を図2に示す。
【0019】
図1に示した定電流放電の場合には、放電開始時刻T1において放電が開始されると、電圧は、放電開始直後に、放電前の開回路電圧Vから電圧Vにまで急激に低下する。この急激な電圧変化、すなわち、放電開始直後の電圧変化をΔV1で表す。その後、放電終了時刻T2までの間は、電圧は緩やかに変化し、放電終了直前の電圧Vに達する。放電終了直後に電圧は急激に上昇するが、すぐには放電前の電圧Vには戻らない。この理由は、電極と電解液とを構成要素とする電池系が放電によって熱力学的に非平衡状態になっていて、その状態がすぐには平衡状態に戻らないことにある。しかし、いずれは電池系が平衡状態に達して、電圧は放電前の電圧Vに戻るから、放電終了直後の電圧変化を電圧Vと電圧Vとの差とし、これをΔV2で表す。
【0020】
図1において、放電開始直後の急激な電圧変化ΔV1は、電解液抵抗(電荷移動抵抗)による電圧低下によるものである。それに対して、その後の放電終了までに起こる緩やかな電圧変化(図から判るように、これはΔV2−ΔV1に等しい)は、主に電極反応による電圧変化、すなわち電極内部抵抗変化による電圧変化である。なお、ΔV2−ΔV1は、図から判るように、放電開始直後の電圧Vと放電終了直前の電圧Vとの差として求められる。
【0021】
本発明は、この主に電極反応による電圧変化ΔV2−ΔV1及びこの電圧変化を放電電流I1で割って得る、放電における電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1と実容量との間に近似的に直線関係が成り立つ、という新たな知見に基づき、なされたものである。
【0022】
このような電極内部抵抗値変化と実容量との間の相関関係は、電池の充電過程においても認められる。
【0023】
図2に示した定電流充電の場合には、充電開始時刻T3において充電が開始されると、電圧は、充電開直後に、充電前の開回路電圧Vから電圧Vにまで急激に上昇する。この急激な電圧変化、すなわち、充電開始直後の電圧変化をΔV1で表す。その後、充電終了時刻T4までの間は、電圧は緩やかに変化し、充電終了直前の電圧Vに達する。充電終了直後に電圧は急激に低下するが、すぐには充電前の電圧Vには戻らない。この理由は、電極と電解液とを構成要素とする電池系が充電によって熱力学的に非平衡状態になっていて、その状態がすぐには平衡状態に戻らないことにある。しかし、いずれは電池系が平衡状態に達して、電圧は充電前の電圧Vに戻るから、充電終了直後の電圧変化を電圧Vと電圧Vとの差とし、これをΔV2で表す。
【0024】
図2において、充電開始直後の急激な電圧の上昇ΔV1は、電解液抵抗による電圧上昇によるものである。それに対して、その後の充電終了までに起こる緩やかな電圧変化(図から判るように、これはΔV2−ΔV1に等しい)は、主に電極反応による電圧変化である。なお、ΔV2−ΔV1は、図から判るように、充電終了直前の電圧Vと充電開始直後の電圧Vとの差として求められる。
【0025】
本発明は、上記の放電の場合と同様に、この充電の場合における、主に電極反応による電圧変化ΔV2−ΔV1及びこの電圧変化を充電電流I1で割って得る、充電における電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1と実容量との間に近似的に直線関係が成り立つ、という新たな知見にも基づいている。
【0026】
本発明においては、相異なる容量を有する複数の同型の電池を用意し、各電池を用いて、電池の実容量と、放電における電極内部抵抗値変化または充電における電極内部抵抗値変化とを実測し、その結果に基づいて、実容量と放電における電極内部抵抗値変化との間の相関関係、または、実容量と充電における電極内部抵抗値変化との間の相関関係を求めた後、その相関関係を用いて電池の容量を推定する。具体的には、上記の相関関係を求めた際に用いた電池と同型の電池を容量推定の対象となる被験電池とし、その放電または充電における電極内部抵抗値変化を、上記の相関関係を求めた場合と同じ条件下での実測によって求め、それによって得た電極内部抵抗値変化に対応する容量を、上記の相関関係によって求め、その容量が被験電池の容量であると推定する。このようにして、上記の相関関係を求めた後は、上記の電極内部抵抗値変化を実測することによって、電池の容量を短時間で精度よく推定することができる。
【0027】
上記の相関関係は、対象とした同型の電池の型に固有のものであり、同型の電池の容量推定のみに適用されるものであったが、この相関関係を、電池の型によらない汎用性のある相関関係に変換することができる。
【0028】
すなわち、実容量を公称容量または未劣化電池の容量で割って比容量に換算し、上記電極内部抵抗値変化を電解液抵抗の初期値すなわち未劣化電池における値で割って規格化電極内部抵抗値変化とすると、上記比容量と、この規格化電極内部抵抗値変化との間の相関関係は、電池の容量や大きさによらない相関関係となる。従って、この相関関係を一度求めておけば、各型の劣化電池を多数用意することなく、各型の電池の電解液抵抗値の初期値だけを測定しておけば、任意の公称容量、サイズの電池の容量が、1回の測定の結果から算出される規格化電極内部抵抗値変化を用い、上記の関係式によって、短時間内に高い精度で推定できる。この方法の具体例については、下記の実施例において説明する。
【0029】
電池容量の推定に必要な定電流充放電における充放電時間は100ミリ秒から10秒程度が適当である。また充放電電流は0.5CmAから2CmA程度が適当であるが、電解液抵抗の初期値の測定に用いる電流値は、他の測定と同一値を用いる必要はなく、より小さい電流値を用いても差し支えない。ここに、CmAは公称容量を1時間で割って得る電流値であり、これを単位として電流を表した場合の数値(例えば、上記の0.5及び2)を時間率と呼ぶ。容量推定の精度を確保するために必要な、電圧変化の測定に必要な時間分解能は1ミリ秒以下である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳述するが、本発明は本実施例に限定されない。
【0031】
Aサイズ、公称容量2500mAhのニッケル水素電池(以下電池1と称する)の初期容量を測定したところ、2560mAhであった。この電池を用い、充電電流250mAで16時間充電した後に、放電電流2.5A(1CmA)で1秒間放電させたときの放電開始直後の電圧変化(図1におけるΔV1に対応)を△V0とすると、その△V0は41mVであった。電池1と同型の電池を7個用意し、それぞれ45℃で250mA、72時間の充電と25℃で500mA、終止電圧1.0Vの放電とを繰り返して劣化させた。容量がおよそ公称値の60%から90%に低下した時点で72時間充電の繰り返しを中止し、電流値2.5A(1CmA)で1秒間パルス放電させた時の電池の閉回路電圧変化を観測した。
【0032】
これによって、このパルス放電における電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1と容量との相関関係が求められので、その相関関係を用いて、電池1と同型の電池の容量を推定することができる。すなわち、容量推定の対象となる、電池1と同型の被験電池の放電における電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1を、上記相関関係を求めた場合と同じ条件下での実測によって求め、それによって得た電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1に対応する容量を、上記の相関関係(この場合には、1次式で表される直線関係で近似される)によって求め、その容量が被験電池の容量であると推定する。ただし、ここで例示した容量推定方法は上記の相関関係を求める際に用いた電池と同型の電池のみに適用されるものである。
【0033】
次にDサイズで公称容量7500mAhのニッケル水素電池(以下電池2と称する)の初期容量を測定したところ、7126mAhであった。この電池を用い、充電電流750mAで16時間充電した後に、放電電流7.5A(1CmA)で1秒間放電させたときの放電開始直後の電圧変化△V0は18mVであった。電池2と同型の電池を7個用意し、それぞれ45℃で750mA、72時間の充電と25℃で400mA、終止電圧1.0Vの放電とを繰り返して劣化させた。容量が公称値のおよそ60%から90%に低下した時点で72時間充電の繰り返しを中止し、電流値7.5A(1CmA)での1秒間パルス放電時の電池の閉回路電圧変化を観測した。
【0034】
これによって、このパルス放電における電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1と容量との相関関係が求められので、その相関関係を用いて、電池2と同型の電池の容量を推定することができる。すなわち、容量推定の対象となる、電池2と同型の被験電池の充電における電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1を、上記相関関係を求めた場合と同じ条件下での実測によって求め、それによって得た電極内部抵抗値変化(ΔV2−ΔV1)/I1に対応する容量を、上記の相関関係(この場合には、1次式で表される直線関係で近似される)によって求め、その容量が被験電池の容量であると推定する。以上に説明したように、上記の相関関係を求めた後は、上記の電極内部抵抗値変化を実測することによって、電池の容量を短時間で精度よく推定することができる。ただし、ここで例示した容量推定方法は上記の相関関係を求める際に用いた電池と同型の電池のみに適用されるものである。
【0035】
次に、上記の相関関係を任意の型の電池に適用できるものに変換する。まず、電池の実容量を公称容量または未劣化電池の容量で割って比容量に変換する。次に、電極内部抵抗値変化(△V2−△V1)/I1を電解液抵抗の初期値、すなわち未劣化電池における値で割って規格化電極内部抵抗値変化に変換する。このような変換を行うと、変換後の比容量と規格化電極内部抵抗値変化との間には電池の型によらない相関関係があることが見いだされる。
【0036】
図3は、電池1及び電池2におけるパルス放電開始直後の電圧変化△V1と放電終了直後の電圧変化△V2とを測定し、その結果から規格化電極内部抵抗値変化((△V2−△V1)/I1)/(△V0/I0)を計算し、それを横軸で表し、縦軸に比容量(実容量を公称容量または未劣化電池容量で割った値)をとってプロットした結果を示したものである。ここでI0は未劣化電圧変化△V0を測定したときの電流値であり、△V0/I0は電解液抵抗の初期値(未劣化電池における値)に等しい。I1は劣化電池の電圧変化△V2−△V1を測定したときの電流値であるが、図3においてはI0とI1が同一であるため、規格化電極内部抵抗値変化、すなわち((△V2−△V1)/I1)/(△V0/I0)を、それに等しい(△V2−△V1)/△V0で表している。なお、すでに図1を用いて説明したように、電圧変化△V2−△V1は放電開始直後の電圧Vと放電終了直前の電圧Vとの差として求められる。
【0037】
電池1と電池2はサイズ、公称容量の異なる電池であるが、図3から明らかなように、規格化電極内部抵抗値変化(△V2−△V1)/△V0(図中の横軸)と比容量(図中の縦軸)との間の相関関係は1次関係式で表される同一の直線関係によって近似される。すなわち、この場合には、電池の比容量と規格化電極内部抵抗値変化との間の関係式が1次式となり、しかも電池1(図中の白丸で表示)と電池2(図中の黒四角で表示)の両方に共通して適用できる。電池1と電池2を同一の直線で近似した場合の回帰率は、0.962であった。
【0038】
次に、既に劣化させた電池1と同型の電池を用いて、25℃、200mAで16時間充電した後、放電パルス幅を10ミリ秒、100ミリ秒、1秒、2秒、5秒、10秒と変えて、その時の規格化電極内部抵抗値変化(△V2−△V1)/△V0と比容量との間に成り立つ直線関係の回帰率を求めたところ、パルス幅10ミリ秒から順に0.929、0.957、0.983、0.987、0.984、0.988となった。従って、放電パルス幅は100ミリ秒以上で10秒以下であれば十分であり、10秒以上放電時間を長くしても精度は上がらない。すなわち、放電時間は100ミリ秒以上10秒以下が適当である。
【0039】
次に、同じく既に劣化させた電池1と同型の電池を用いて、パルス幅は1秒に固定し、放電電流または充電電流値を200mA、400mA、1.0A、2.0Aと変えて規格化電極内部抵抗値変化(△V2−△V1)/△V0と比容量との間に成り立つ直線関係の回帰率を求めたところ、放電では200mAから順に0.904、0.935、0.967、0.983となり、充電では200mAから順に0.911、0.933、0.964、0.979となって、いずれも電流値が大きいほうが精度が高く、また同じ電流値では放電の方が精度が高かった。この場合に、充放電電流値1.0A及び2.0Aは、それぞれ、0.4CmAおよび0.8CmAに対応している。この電流範囲においても、電流値の増加に伴って精度が若干向上しているが、測定装置が出力できる電流値には制限がある等の理由によって、電流値は0.5CmA以上2.0CmA以下が適当である。
【0040】
次に、同じく既に劣化させた電池1と同型の電池を用いて、放電パルス幅を1秒、放電電流を2.5Aとして、放電開始直後の電圧変化を時間分解能を変えて測定した。測定した時間分解能は1マイクロ秒、10マイクロ秒、100マイクロ秒、1ミリ秒、10ミリ秒であった。この時の規格化電極内部抵抗値変化(△V2−△V1)/△V0と比容量との間に成り立つ直線関係の回帰率を求めたところ、時間分解能1マイクロ秒から順に0.983、0.983、0.981、0.978、0.951であった。従って十分な精度で電池の容量を推定するためには1ミリ秒以下の時間分解能が必要であることが判る。
【0041】
図3に例示した規格化電極内部抵抗値変化と比容量との相関関係を用いて、任意の型の電池の比容量及び容量を推定する方法を、図3に示した相関関係を用いる場合を例として、以下に説明する。
【0042】
容量推定の対象となる任意の型の被験電池を、図3に示した相関関係を得る際と同じ条件下で放電させ、その際の電圧変化から、その放電における規格化電極内部抵抗値変化を算出する。この算出には、被験電池と同型の電池の電解液抵抗の初期値(未劣化電池における値)が必要であるが、その値が既に求められていればその値を用い、求められていなければ実測によって求める。このようにして算出した規格化電極内部抵抗値変化に対応する比容量を、図3に示した相関関係によって求め、その比容量が被験電池の比容量であると推定する。このようにして推定された比容量に被験電池と同型の電池の公称容量または未劣化電池の容量を掛ければ被験電池の推定容量となる。このようにして、上記の相関関係を求めた後は、上記の規格化電極内部抵抗値変化を実測によって求めることによって、任意の型の電池の比容量及び容量を短時間で精度よく推定することができる。
【0043】
上記の説明においては、放電または充電における電極内部抵抗値変化として、定電流放電または定電流充電における値を用いていたが、これ以外に、例えば、一定時間、抵抗を通して電池を放電させた場合の電極内部抵抗値変化、あるいは、一定時間、直列抵抗(安全抵抗)を通して、電池を定電圧電源によって充電させた場合の電極内部抵抗値変化を用いても、同様の効果が現れる。
【0044】
以上に説明したように、本発明の劣化判定法により、ニッケル水素電池の容量を、容量と電極内部抵抗変化との間の相関関係を求めた後は、放電によって実測することをせずに、短時間で精度よく推定することが可能となった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の実施によって、ニッケル水素電池の容量を、容量と電極内部抵抗変化との間の相関関係を求めた後は、実容量を測定することなしに、短時間で精度よく推定する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ニッケル水素電池を定電流パルス放電させた場合の電池電圧と時間の関係を示す図である。
【図2】 ニッケル水素電池を定電流パルス充電した場合の電池電圧と時間の関係を示す図である。
【図3】 ニッケル水素電池の比容量と規格化電極内部抵抗値変化との相関関係を示す図である。

Claims (8)

  1. ニッケル水素電池の容量推定方法であって、同型のニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量と、同一時間幅の定電流パルス放電における電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス放電によって求めた前記電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
  2. ニッケル水素電池の容量推定方法であって、同型のニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量と、同一時間幅の定電流パルス充電における電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス充電によって求めた前記電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
  3. ニッケル水素電池の容量推定方法であって、ニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量を公称容量または未劣化電池の容量で除して得る比容量と、同一時間幅の定電流パルス放電における電極内部抵抗値変化を電解液抵抗の初期値で除して得る規格化電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス放電によって求めた前記規格化電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
  4. ニッケル水素電池の容量推定方法であって、ニッケル水素電池のみを対象とし、電池の容量を公称容量または未劣化電池の容量で除して得る比容量と、同一時間幅の定電流パルス充電における電極内部抵抗値変化を電解液抵抗の初期値で除して得る規格化電極内部抵抗値変化との間の直線関係を実測によって求めた後、容量推定の対象となる被験電池を前記定電流パルス充電によって求めた前記規格化電極内部抵抗値変化を用い、前記直線関係によって前記被験電池の容量を推定することを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
  5. 請求項1または請求項3に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記定電流パルス放電において、前記電極内部抵抗値変化が、放電開始直後の電池電圧と放電終了直前の電池電圧との差を前記放電電流値で除して得られる値であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
  6. 請求項2または請求項4に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記定電流パルス充電において、前記電極内部抵抗値変化が、充電終了直前の電池電圧と充電開始直後の電池電圧との差を前記充電電流値で除して得られる値であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記放電時間または前記充電時間が100ミリ秒以上10秒以下であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
  8. 請求項5または請求項6に記載のニッケル水素電池の容量推定方法において、前記放電電流値または前記充電電流値が0.5時間率に相当する電流値以上、2時間率に相当する電流値以下であることを特徴とするニッケル水素電池の容量推定方法。
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