JP3580327B2 - 排水ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は排水ポンプ、特に空調機に装備される排水ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
空調機の室内ユニットは、冷房運転時に熱交換器に空気中の水分が凝縮して付着し、熱交換器の下方に設けられるドレンパン内に滴下する。このドレンパン内に溜ったドレン水を排水するために排水ポンプが装備される。この排水ポンプに関しては、従来各種のものが提案されており、この種のポンプとして次のものがある。即ち、下部に吸込口を形成し、上部を開口すると共に、側方に吐出口を設けたハウジング内に羽根を回転自在に設け、この羽根をハウジングの開口の上部にカバーを介して固定したモータにより回転させている。そのモータの回転軸は、カバーを回転自在に貫通して羽根の軸部に連結され、上記カバーには大気とハウジングとを連通する貫通孔が設けられている。これにより、モータを駆動して、羽根が回転すると、ドレンパン内に貯溜したドレン水は、吸込口の羽根の下端から吸込まれ、遠心力により、ハウジング内面に沿って揚水され、ケーシングの吐出口から外部に吐出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の排水ポンプにおいては、ドレン水が流入して排水が始まると騒音が発生する問題点を有している。これは、羽根の周囲に液体内から気泡が発生し、この気泡の羽根やハウジングの内面等への衝突に基づくものである。
本発明は上記問題点を解消する排水ポンプを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の排水ポンプに使用されるモータと、モータの駆動軸に連結される回転羽根と、回転羽根を収容するポンプハウジングとを有する排水ポンプであって、回転羽根は、モータの駆動軸に連結される軸部と、軸部の外周から径方向へ延びる複数の平板状の大径羽根と、大径羽根に連続して形成される平板状の小径羽根とを備え、大径羽根の外周部を連結する外側円筒壁部材と、大径羽根の上縁部に沿って上記円筒壁部材と連続して外側円筒壁部材の上端部から径方向内側へ延びる環状部材と、環状部材の内周端から環状部材に連続して外側円筒壁部材に対向して延びる内側円筒壁部材によって形成される空間を設けてなるものである。また、この回転羽根は、モータの駆動軸に連結される軸部と、軸部の外周から径方向へ延びる複数の平板状の大径羽根と、大径羽根に連続して形成される平板状の小径羽根とを備え、大径羽根の外周部を連結する外側円筒壁部材と、大径羽根の上縁部に沿って外側円筒壁部材の上端部から径方向内側へ延びる環状部材によって形成される空間を設けてなるものでもよい。
【0005】
【作用】
かかる羽根を備えた排水ポンプは、上記部材によって形成される空間により、上記気泡によって発生する騒音を遮蔽することとなり、騒音は減少する。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の排水ポンプの全体構成を示す一部を断面とした側面図である。
全体を符号1で示す排水ポンプは、モータ10と、モータ10に対して下方にブラケット20を介してとりつけられるポンプ本体30とを有する。ブラケット20は、ポンプハウジングの上部部材であるカバー32と一体に形成され、カバー32はシール部材34を介してハウジング40に連結される。
ハウジング40は、プラスチックでつくられるもので、吸込口42、ポンプ室44、吐出口46を有する。
【0007】
ポンプハウジング40内に装備される回転羽根50は、軸部52と、軸部52の中心軸を中心として径方向へ突出する複数の平板からなる小径羽根54を有する。
本実施例にあっては、4枚の小径羽根54を有する。
軸部52は、カバー32の中央に形成される貫通穴36を通ってモータ10側へ突出し、軸部52に設けた穴にモータ10の駆動軸12が挿入される。軸部52の上面には水切円板14をとりつけて、カバー32の貫通穴36から噴出するドレン水がモータ10側へ飛散するのを防止する。
【0008】
回転羽根50の小径羽根54は、ポンプハウジング40のパイプ状の吸入口42内に挿入される。吸込口42の吸込端部43は、開口端に向かって内径寸法が絞られるテーパ面に形成されており、小径羽根54の先端部も先細りのテーパ面56に形成されている。ポンプハウジング40のポンプ室44内には回転羽根50の大径羽根60が収容される。
【0009】
図2は回転羽根50の側面図、図3は上面図、図4は下面図、図5は図3のA−A断面図、図6は図3のD−D断面図、図7は図3のE−E断面図、図8は図7のF部の詳細図、図9は図7のF部の詳細図であって、他の構成例を示すものである。
【0010】
回転羽根50は軸部52と、軸部52の外周部から放射状に外方へ延びる平板状の大径羽根60と、大径羽根60の下端部にテーパ面57を介して連続する小径羽根54とを有する。本実施例にあっては、大径羽根60及び小径羽根54は樹脂により一体的に構成され、それぞれ4枚の平板であるが、その枚数は適宜に選択される。
軸部52の中心には、モータの駆動軸を挿入するための穴53が設けてあり、また、小径羽根54の先端部は先細りのテーパ面56に形成される。このテーパ面56の傾斜角は、例えば60度に形成される。
【0011】
大径羽根60の外周部には、リング状の閉空間70が形成される。この空間70は、ドレン水がポンプハウジングのカバー32側へ飛散するのを防止するとともに、回転羽根50とドレン水が接触することによって生ずる騒音が外部へもれることを遮蔽するために設けられるものである。
【0012】
図8に詳細を示すように、この空間70は、平板状の大径羽根60の外周部を覆う外側円筒壁部材64と、この円筒壁部材64の上端部から大径羽根60の上縁に沿って円筒壁部材64と連続して内側へ延びる環状部材62と、環状部材62の内周端から環状部材62に連続して下側へ延びて、外側円筒壁部材64に対向する内側円筒壁部材66とで囲まれて形成される。
大径羽根60の間には外側円筒壁部材64から内側へ延びる補助羽根68が設けられ、ドレン水の揚程能力を助成する。
回転羽根50の回転によりエネルギーを付与されたドレン水は、吸込口42からポンプ室44のテーパ面45に沿ってスムーズに吸出口46側へ圧送される。大径羽根60の周囲に発生する気泡による騒音は空間70によって遮蔽され、騒音は減少する。
【0013】
図9は、空間70を大径羽根の外周部に配設される外側円筒壁部材64と大径羽根の上縁部に配設される環状部材62で形成し、内側円筒壁部材66を省略したものである。
これにより、空間70にゴミ例えば繊維状のゴミがドレン異物として詰ったり、付着堆積することを防止することができ、しかも騒音を遮蔽することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明の排水ポンプは以上のように、平板状の大径羽根と大径羽根に連続する平板状の小径羽根とを有する回転羽根を備え、この回転羽根の大径羽根の外周部に空間を設けて、これにより騒音を遮蔽し、騒音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水ポンプを一部断面にして示す側面図。
【図2】回転羽根の側面図。
【図3】回転羽根の上面図。
【図4】回転羽根の下面図。
【図5】図3のA−A断面図。
【図6】図3のD−D断面図。
【図7】図3のE−E断面図。
【図8】図7のF部の詳細図。
【図9】図7のF部の他の構成例を示す詳細図。
【符号の説明】
1 排水ポンプ
10 モータ
20 ブラケット
30 ポンプ本体
32 カバー
36 貫通穴
40 ポンプハウジング
42 吸込口
44 ポンプ室
46 吐出口
50 回転羽根
54 小径羽根
60 大径羽根
62 環状部材
64 外側円筒壁部材
66 内側円筒壁部材
70 空間
Claims (2)
- モータと、モータの駆動軸に連結される回転羽根と、回転羽根を収容するポンプハウジングとを有する排水ポンプであって、
回転羽根は、モータの駆動軸に連結される軸部と、軸部の外周から径方向へ延びる複数の平板状の大径羽根と、大径羽根に連続して形成される平板状の小径羽根とを備え、
大径羽根の外周部を連結する外側円筒壁部材と、大径羽根の上縁部に沿って外側円筒壁部材の上端部から径方向内側へ延びる環状部材と、
環状部材の内周端から外側円筒部材に対向して延びる内側円筒壁部材によって形成される空間を設けてなる排水ポンプ。 - モータと、モータの駆動軸に連結される回転羽根と、回転羽根を収容するポンプハウジングとを有する排水ポンプであって、
回転羽根は、モータの駆動軸に連結される軸部と、軸部の外周から径方向へ延びる複数の平板状の大径羽根と、大径羽根に連続して形成される平板状の小径羽根とを備え、
大径羽根の外周部を連結する外側円筒壁部材と、大径羽根の上縁部に沿って外側円筒壁部材の上端部から径方向内側へ延びる環状部材によって形成される空間を設けてなる排水ポンプ。
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