JP3801251B2 - 排水ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は排水ポンプ、特には空調機に装備される排水ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
空調機の室内ユニットは、冷房運転時に熱交換器に空気中の水分が凝縮して付着し、熱交換器の下方に設けられるドレンパン内に滴下する。このドレンパン内に溜ったドレン水を排水するために排水ポンプが装備される。この排水ポンプに関しては、従来各種のものが提案されており、この種のポンプとして次のものがある。即ち、下部に吸込口を形成し、上部を開口すると共に、側方に吐出口を設けたハウジング内に羽根を回転自在に設け、この羽根をハウジングの開口の上部にカバーを介して固定したモータにより回転させている。そのモータの回転軸は、カバーを回転自在に貫通して羽根の軸部に連結され、上記カバーには大気とハウジングとを連通する貫通孔が設けられている。これにより、モータを駆動して、羽根が回転すると、ドレンパン内に貯溜したドレン水は、吸込口の羽根の下端から吸込まれ、遠心力により、ハウジング内面に沿って揚水され、ハウジングの吐出口から外部に吐出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の排水ポンプにおいては、ハウジングとカバー及び回転羽根はプラスチックを成型加工することによって作られる。これまでは、ハウジングとカバー及び回転羽根、特にはハウジングと回転羽根は同色(例えば黒色)に作られていた。このため、組立て時に組付けミスがあっても、それを目視で判別することが難しかった。
そこで本発明は、回転羽根の色彩をハウジングのそれと異なる色彩とすることによって、組付けミスを簡単に防止できる排水ポンプを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の排水ポンプは、モータと、モータの駆動軸に連結される回転羽根と、回転羽根を収容するポンプハウジングとカバーとを有する排水ポンプであって、ポンプハウジングとカバー及び回転羽根はプラスチック材料で作られ、回転羽根の色彩をポンプハウジングのそれと異ならせたことを特徴とする。
回転羽根は、好ましくは、仕様に応じて異なる色彩に形成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の排水ポンプの全体構成を示す一部を断面とした側面図である。全体を符号1で示す排水ポンプは、モータ10と、モータ10に対して下方にブラケット20を介して取り付けられるポンプ本体30とを有する。ブラケット20は、ポンプハウジングの上部部材であるカバー32と一体に形成され、カバー32はシール部材34を介してハウジング40に連結される。ハウジング40は、プラスチックで作られるもので、吸込口42、ポンプ室44、吐出口46を有する。
【0006】
ポンプハウジング40内に装備される回転羽根50は、軸部52と、軸部52の中心軸を中心として径方向へ突出する複数の平板からなる小径羽根54を有する。本実施例にあっては、4枚の小径羽根54を有する。軸部52は、カバー32の中央に形成される貫通穴36を通ってモータ10側へ突出し、軸部52に設けた穴にモータ10の駆動軸12が挿入される。軸部52の上面には水切円板14を取り付けて、カバー32の貫通穴36から噴出するドレン水がモータ10側へ飛散するのを防止する。
【0007】
回転羽根50の小径羽根54は、ポンプハウジング40のパイプ状の吸込口42内に挿入される。吸込口42の吸込端部43は、開口端に向かって内径寸法が絞られるテーパ面に形成されており、小径羽根54の先端部も先細りのテーパ面56に形成されている。ポンプハウジング40のポンプ室44内には回転羽根50の大径羽根60が収容される。
【0008】
図2は回転羽根50の側面図、図3は図2のB部の詳細図、図4は回転羽根50の上面図、図5(A),(B)及び(C)は、それぞれ図4のA−A断面、B−B断面及びC−C断面の一部を示す図である。
【0009】
回転羽根50は、軸部52と、軸部52の外周部から放射状に外方へ延びる平板状の大径羽根60と、大径羽根60の下端部に連続するテーパー状の環状部材62を介して連続する小径羽根54とを有する。本実施例にあっては、大径羽根60及び小径羽根54は樹脂により一体的に構成され、それぞれ4枚の平板であるが、その枚数は適宜に選択される。大径羽根60の間には補助羽根68が設けられる。この補助羽根68によりポンプの揚程を高くすることができる。軸部52の中心には、モータの駆動軸を挿入するための穴53が設けてあり、また、小径羽根54の先端部は先細りのテーパ面56に形成される。このテーパ面56の傾斜角は、例えば45度に形成される。
【0010】
小径羽根54は回転方向に対して円弧状の面取り部57が形成される。この円弧状の面取り部57は、小径羽根の厚さ寸法にほぼ等しい曲率半径を有し、この面取り部57を設けることによって、吸込口42内のドレン水の掻き混ぜによる騒音が減少し、小径羽根54の回転によりドレン水はスムーズにポンプ室44内に引き上げられる。
【0011】
大径羽根60と補助羽根68の外周端は円筒壁部材64によって連結される。円筒壁部材64はその高さが大径羽根60と補助羽根68の上縁部の高さ寸法より低くして設けられている。かつ本実施例では、円筒壁部材64の上縁部の内側には、円弧状の面取り部70が形成される。
かかる円筒壁部材64によれば、大径羽根60の周囲に液体内から発生した気泡の流れが、吐出口46へスムーズに流れ、気泡のカバー32の底面35への衝突が緩和され、騒音が減少すると共に排水ポンプが停止したときに、吐出口46からケーシング内のポンプ室44へ戻る戻り水が円筒壁部材64に突き当たり、円筒壁部材64の緩衝により徐々に拡散され、戻り水に起因する騒音も低減されるのである。しかも、上記円弧状の面取り部70は、例えば円筒壁部材64の板厚寸法にほぼ等しい曲率半径を有し、この円弧状の面取り部70を設けることによって、大径羽根60や補助羽根68の回転によって半径方向に流れるエネルギーを付与されたドレン水は、円筒壁部材64の上縁部をスムーズに乗り越えて、つまり上記気泡の流れがスムーズになって吐出口46側へ向かうこととなり、低騒音化が実現できる。
【0012】
円筒壁部材64の下端部は、大径羽根60と補助羽根68の下縁部を連結する環状部材62に環状連結される。なお、図では、円筒壁部材64と環状部材62とは一体的に構成されている場合を示しているが、本発明では、それらを別体で構成してよいのは勿論である。
この環状部材62により、吸込口42から上昇してくるドレン水の液面がほぼ上下に分断され、大径羽根に接する水の量が減少し、気泡の発生が減少することとなる。
この環状部材62の内周部側は回転羽根の中心部との間に開口部63を有する。大径羽根60と補助羽根68の下縁部は小径羽根64に向かって傾斜する形状に形成され、環状部材62もこの傾斜に合わせて皿状に形成される。
さらに本発明では、プラスチック材料でつくられるハウジング40とカバー32の肉厚寸法である2〜4mmとすることで、騒音の発生を抑制することができる。
【0013】
ハウジング40とカバー32は、プラスチック材料で作られる。ハウジング40とカバー32を適宜な色彩に着色することによって、外観を向上し、商品価値を高めることができる。またこの色彩を、例えばカンパニーカラーと称されるメーカー特有の色彩とすることで、自社製品であることが色彩で確認することができる。
【0014】
回転羽根50もプラスチック材料で作られる。この回転羽根50をハウジング40の色彩とは異なる色彩とすることによって、排水ポンプの組立て時に、ハウジング40に対する回転羽根50の存在又は不存在を簡単に目視で確認できるようになり、回転羽根50の組付け忘れ等のミスを防止することができる。
【0015】
さらに、排水ポンプの揚程や吐出量等の仕様は、回転羽根50の仕様を変更することにより達成できる。したがって、仕様のことなる回転羽根を予め用意しておき、要求される排水ポンプの仕様に応じて対応する回転羽根を組込むことで製品が完成する。そこで、仕様のことなる回転羽根をそれぞれ別の色彩に着色し、色彩と仕様とを表等で示すことにより、対応する回転羽根を正確に組込むことができる。この仕様の異なる回転羽根を色の違いで区別することによって、組立てミスを視認により検査することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の排水ポンプは以上のように、ハウジングとカバー内に回転羽根を収容し、回転羽根とモータとを連結した排水ポンプにあって、ハウジングとカバー及び回転羽根をプラスチックで成型加工し、回転羽根をハウジングとは異なる色彩としたので、回転羽根の組付け忘れ等のミスを簡単に目視により防止することができる。また、回転羽根の色彩をポンプの仕様に応じて変更することによって、組立てミス及び製品の仕様毎の視認が容易となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水ポンプを一部断面にして示す側面図。
【図2】回転羽根の側面図。
【図3】図2のB部の詳細図。
【図4】回転羽根の上面図。
【図5】図2及び図4に示される回転羽根の説明用断面図。
【符号の説明】
1 排水ポンプ
10 モータ
20 ブラケット
30 ポンプ本体
32 カバー
36 貫通穴
40 ポンプハウジング
42 吸込口
44 ポンプ室
46 吐出口
50 回転羽根
54 小径羽根
57 面取り部
60 大径羽根
62 環状部材
64 円筒壁部材
68 補助羽根
70 面取り部
Claims (2)
- モータと、モータの駆動軸に連結される回転羽根と、回転羽根を収容するポンプハウジングと、ポンプハウジングに取り付けられるカバーとを有する排水ポンプであって、ポンプハウジングとカバー及び回転羽根はプラスチック材料で作られ、回転羽根の色彩をポンプハウジングのそれと異ならせたことを特徴とする排水ポンプ。
- 回転羽根は仕様に応じて異なる色彩とした請求項1記載の排水ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05496696A JP3801251B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 排水ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05496696A JP3801251B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 排水ポンプ |
Publications (2)
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JPH09250495A JPH09250495A (ja) | 1997-09-22 |
JP3801251B2 true JP3801251B2 (ja) | 2006-07-26 |
Family
ID=12985409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05496696A Expired - Lifetime JP3801251B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 排水ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3801251B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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-
1996
- 1996-03-12 JP JP05496696A patent/JP3801251B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09250495A (ja) | 1997-09-22 |
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