JP3579755B2 - 工具経路生成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工具経路を生成する工具経路生成装置に関するもので、例えば工具経路にしたがって工具を動かすことで除去加工を行う加工機を制御するための工具経路生成装置である。
【0002】
【従来の技術】
図14は例えば刊行物{応用機械工学 1993年 9月号 48〜49頁}に示された加工に用いられる一般的な工具経路生成装置の構成図であり、図中100は工具経路生成を行う領域を求める加工領域生成部、図中101は加工領域生成部により求められた加工領域に対して加工のために工具を走査する工具経路を求める工具経路生成部である。
従来、切削加工や放電輪郭加工などの加工において、通常、まず加工速度は速いが精度がよくない荒加工を行い、その後に加工精度は高いが加工速度が遅い仕上げ加工を行う。図15は加工において目標とする多段加工形状を示す斜視図とこの斜視図におけるI―I’線断面図とを対比して示す説明図、図16は工具経路生成装置による加工領域を説明する説明図であり、図16(a)は図15におけるP線で示す1段目の断面形状を示す平面図、図16(b)はQ線で示す2段目の断面形状を示す平面図、図16(c)は本来必要な1段目の仕上げ加工面形状を示す平面図である。
【0003】
図17は従来の工具経路生成装置における動作を示すフローチャートである。ステップst1で目標とする加工形状の3次元形状データを読み込み、ステップst2で各段の仕上げ代を設定し、ステップst3で各段の断面形状を計算し、出力する。ステップst4では加工段順番(N)を初期値1として、ステップst3で出力された各段の断面形状をもとに、X、Y、Z方向の仕上げ代を目標加工形状の内側にオフセットした1段目の荒加工領域(例えば図16におけるA2)を出力する。ステップst5では1段目の荒加工領域出力時に目標加工形状からオフセットした仕上げ加工領域を1段目の仕上げ加工領域として出力する。この仕上げ加工領域の平面断面図は図16におけるAとなる。ステップst6では上記の工程の繰り返しが指令され、N=2として2段目の加工領域の出力へ進む。2回目のステップst4では2段目の荒加工領域として図16のB2が出力され、ステップst5では2段目の仕上げ加工領域として図16のBが出力される。
即ち、従来の工具経路生成装置では、荒加工で加工を行う領域と、仕上げ加工で加工を行う領域とが仕上げ代の差を除けば同じであった。
【0004】
また、通常工具径が大きい方が加工速度が速いため、加工速度を考えれば、できる限り、径の大きい工具を用いて加工を行うことが望ましい。しかしながら、形状によっては、径の大きい工具を用いると、コーナーなどに加工取り残しが生じてしまう場合がある。このような場合、取り残しを除去する方法は2つある。1つは加工取り残しが生じない工具をあらかじめ用いる方法、2つめは大きい工具を用いて取り残した部分に対して、小さい工具での工具経路を生成する方法である。後者の方法を図を用いて説明する。
【0005】
図18および図19は従来の大小の工具(電極)を用いた加工状態を説明する説明図で、図18(a)は目標とするポケット加工形状を上から見た平面図で点で表した領域が加工領域、図18(b)は径の異なる2種の加工用電極a11、a12の断面を示す断面図である。図19(a)は基本電極a11で加工した場合の電極の軌跡を模式的に示す模式図、図19(b)は基本電極a11で加工した場合の取り残し領域を示す平面図、図19(c)はこのような取り残しに対し、再度、基本電極a11より工具径が小さい電極a12で加工を行うために上記取り残し領域を含有するように設定した領域を示す平面図である。なお、従来は加工後に取り残し領域を確認してから、ユーザが電極a12での加工領域を設定するようにしたが、あらかじめ、工具半径を考慮して取り残しが生じると思われる部分にユーザが加工領域を設定する場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図20(a)〜(d)は図15に示した多段加工形状に加工する場合の上記従来の工具経路生成装置による加工を工程順に示す工程図である。即ち、まず1段目の荒加工を行った後仕上げ加工を行い、次に2段目の荒加工を行った後2段目の仕上げ加工を行う。図21(a)は上記従来のように加工を行った場合の加工領域の設定を、図21(b)は目標とする加工領域の設定を示す説明図である。図21(a)と(b)を比較することにより明らかなように、従来のように加工を行った場合、図21(a)中矢印の部分は荒加工で削られてしまう部分なので、仕上げ加工の必要はないはずである。つまり、従来の工具経路生成装置は荒加工と仕上げ加工を上記のように決定していたので、無駄な部分まで仕上げ加工の工具経路を生成するという問題点があった。特に、円筒電極を走査して加工を行う放電輪郭加工の場合、仕上げ加工における加工速度や移動速度が非常に遅いので、加工時間に大きな無駄を生じるという問題があった。
【0007】
また、大小の工具を用いた従来の工具経路生成装置では、ユーザがわざわざ取り残し部分を設定しなければならないという問題点があった。また、通常、安全を考えて大きめに取り残し部分を設定するので、加工速度や移動速度が遅い小さい工具で、余分な面積を加工することになり、この無駄時間が大変大きいものとなる。
【0008】
本発明は、かかる課題を解消するためになされたもので、加工時間の無駄の少ない効率の良い加工を行うための工具経路生成装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の工具経路生成装置は、複数の段差を有する加工形状を、加工工具を走査して加工する放電輪郭加工機に対して、加工工具の走査経路を生成するものであり、工具経路生成を行う領域を求める加工領域生成部と、この加工領域生成部により求まった加工領域に対し加工工具の走査経路を生成する工具経路生成部とを備えた工具経路生成装置において、上記加工領域生成部が、複数の段差を有する加工形状の3次元形状の任意の段における2次元形状の断面形状と、任意の段における各形状の仕上げ代とから得られる、各段の仕上げ代の長さオフセットした形状を記憶する各段の仕上げ代オフセット形状記憶部と、各段の仕上げ代オフセット形状記憶部が記憶した形状により、各段の荒加工領域を出力する各段の荒加工領域出力部と、仕上げ加工領域を求める仕上げ加工領域出力部とを有し、特定の段の加工を行う時に、その段の荒加工時に残す仕上げ代から、次の段の加工によって除かれる領域を差し引いた領域を、前記特定の段の仕上げ加工領域として加工工具の走査経路を生成するものである。
【0010】
本発明に係る第2の工具経路生成装置は、加工工具を走査して目標加工形状を加工する放電輪郭加工機に対して、加工工具の走査経路を生成する工具経路生成装置であって、目標加工形状に対して、第1の加工工具による加工により取り残されるとみなされる箇所を含有する領域を、前記第1の加工工具より径の小さい第2の加工工具の加工工具経路を生成する領域幅とし、目標加工形状に対して、前記領域幅だけ加工領域の内側にオフセットした領域を、前記第1の加工工具の加工工具経路を生成する領域とする加工領域生成部と、前記領域幅に前記第2の工具の走査経路を生成する取り残し領域加工工具経路生成部と、前記オフセットした領域に前記第1の工具の走査経路を生成する工具経路生成部とを備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は一般的な工具経路生成装置の構成図であり、図中100は工具経路生成を行う領域を求める加工領域生成部、通常入力された加工形状情報から形状を生成し、加工対象となる領域形状を抽出する部分である。図中101は加工領域生成部により求まった加工領域に対し工具経路を求める工具経路生成部で、入力された加工条件、仕上げ代、電極データにしたがって、加工領域生成部で生成された領域を加工するための工具経路を生成する部分である。
【0016】
図2は本発明の第1の実施の形態の工具経路生成装置に係わる加工領域生成部100の動作を示すブロック図である。
図において、1は3次元形状モデルを入力する3次元形状入力部、2は入力された3次元形状より任意の段における2次元形状の断面形状を出力する各段の断面形状出力部、3は断面形状出力部2により出力された各段の断面形状を記憶する各段の断面形状記憶部、4は任意の段における各形状のX―Y方向の仕上げ代とZ方向の仕上げ代を入力する仕上げ代入力部、5は任意の段における各形状の仕上げ代を入力する仕上げ代入力部2により入力される各段の仕上げ代を記憶する各段の仕上げ代記憶部、6は各段の荒加工時の仕上げ代オフセット形状を出力する仕上げ代オフセット形状出力部、8は各段の仕上げ代オフセット形状出力部6により出力された各段の仕上げ代の長さオフセットした形状を記憶する各段の仕上げ代オフセット形状記憶部、9aは各段の仕上げ代オフセット形状記憶部が記憶した形状より各段の荒仕上げ加工領域を出力する各段の荒加工領域出力部、9bは仕上げ加工領域を求める仕上げ加工領域出力部で、7は各段の仕上げ代オフセット形状記憶部8と各段の仕上げおよび荒加工領域出力部9a,9bとにより構成される加工領域抽出部である。
【0017】
次に加工領域生成部100の動作について説明する。ここで、図3は加工領域生成部100における処理の流れを示すフローチャートである。
図15に示した形状を直方体のワークから加工によって得られる目標加工形状であるとして具体的に処理の流れを説明する。即ち、ステップst1では、まず3次元形状を読み込み、ステップst2では、ステップst1により設定された高さにおける各段のX―Y方向の仕上げ代を設定する。ステップst3では、ステップst1により読み込んだ3次元形状から各段における断面の形状を計算して出力し記憶する。目標とする加工形状が図15の場合、図16に示した1段目の断面形状Aと2段目の断面形状Bの2つの形状が得られる。ステップst4では、加工段順番(N)を初期値1として、ステップst3により出力・記憶された各段の断面形状から、X―Y方向の仕上げ代の長さだけX―Y方向にオフセットし、Z方向の仕上げ代の長さだけZ方向にオフセットした1段目の断面形状A2(図16)を出力し記憶する。このステップst4において生成される形状は、荒加工の工具経路の生成される対象領域となる。ステップst5では、1段目の荒加工領域の出力時に目標加工領域からオフセットした仕上げ加工領域のうち、2段目の加工領域を除いた領域を仕上げ加工領域として出力する。この仕上げ加工領域の平面断面図は図16(c)に示すCとなる。ステップst6では上記工程の繰り返しが指令され、N=2として2段目の加工領域の出力に進む。2回目のステップst4では2段目の荒加工領域B2が出力される。ステップst5では2段目の仕上げ加工領域が出力されるが、ここではN+1段目(3段目)の加工領域は存在しないので2段目の仕上げ加工領域の平面断面図は図16(b)のBとなる。
なお、仕上げ加工領域のXY方向の輪郭線は加工の順序によりXY方向仕上げ代の内側となることも外側になることもある。
【0018】
本実施の形態では、無駄な工具経路がなくなるので、加工時間が短くなるという効果がある。特に、放電輪郭加工の場合、仕上げ加工の加工速度や移動速度が遅いので、非常に効果が大きい。
【0019】
なお、工具経路生成部101は加工領域生成部100によって出力された荒加工と仕上げ加工の各々の領域に対して、各々の工程に用いる工具の加工幅を考慮して工具の加工経路を計算し出力する。加工経路の形態はつづら折型、旋回型、多重閉ループ型等の選択ができるようになっている。
【0020】
参考例.
図4は参考例の工具経路生成装置の構成図であり、図中100は、工具経路生成を行う領域を求める加工領域生成部、101は加工領域生成部により求まった加工領域に対し工具経路を求める工具経路生成部、102は取り残し領域抽出部である。
【0021】
図5(a)〜(d)および図6(a)〜(e)は本参考例の取り残し領域抽出部102の動作を示す説明図であり、図7は取り残し領域抽出部102の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、目標加工形状である初期形状a1{図5(a)}に対して、基本工具a11{図6(d)}を用いる第1工程の工具経路を工具の加工幅だけ順次にオフセットする閉ループ型の工具経路(加工パス)a2を工具経路生成部により生成する{図5(b):ステップst1}。ステップst1で生成された工具経路に対して、実際に加工を行う加工工具経路a3と加工工具経路間を工具が単に移動するための移動工具経路a4とに分ける{図5(c):ステップst2}。上記の加工工具経路a3は加工形状の輪郭部をオフセットして得られた工具経路なので閉ループ形状を成している。次に、それぞれの加工工具経路a5に沿って基本工具が移動しながら加工する領域a6を計算する{図5(d):ステップst3}。加工領域a6を最初の加工領域計算の対象である初期形状a1から差し引いた形状a7が次の加工工具経路a8における加工領域計算対象形状となる{図6(a):ステップst4}。すべての加工工具経路に対して順次この処理を繰り返した結果、得られる形状が取り残し領域a9である{図6(b):ステップst6}。
ステップst7では、ステップst6で得られた取り残し形状a9に対して、取り残し加工用工具a12{図6(e)}を用いる第2工程の工具経路を、工具の加工幅づつ順次にオフセットする閉ループ型の工具経路a10として生成する{図6(c)}。
【0022】
なお、参考例では、未加工領域を求める際に、加工工具経路を生成する毎に加工領域の差演算を行うようにしたが、まず、すべての各工具経路に対する加工領域をたしあわせ、最後に目標加工形状と概加工領域の差演算を行って未加工領域を求めてもよい。
本参考例によればユーザが取り残し部分を設定する作業が自動化されるので、操作が簡単である。また、安全を考えて大きめに取り残し部分を設定する必要もないので、無駄な加工がなくなり加工時間が短縮される。
【0023】
実施の形態2.
放電輪郭加工の場合は、加工中に工具電極が消耗して変形するのでその変形を見込んだ仮想の工具形状を用いる必要がある。図8は放電輪郭加工に使用する工具を横からみた説明図であり、(a)は放電輪郭加工に使用する前の工具の側面図、(b)は使用後の側面図である。
即ち、同加工では、工具消耗が生じるので、円筒工具を用いた場合、図に示すように、工具が使用により円錐台の形状になるので、工具の中心部と端との加工深さが違ってしまう。平らな部分での加工後を加工領域とするには、工具内径を外形と仮定した工具で取り残し領域を抽出する必要がある。つまり、図7のステップst2の加工領域計算において、実際の工具形状ではなく使用後の工具形状を用いて加工領域を計算する。
また、放電輪郭加工は非接触加工であるため、被加工物が放電ギャップ分だけ過剰に加工されるので、放電ギャップ分だけ寸法を大きく見込んだ仮想的な電極形状を用いて、加工領域を計算すればより高い加工精度が得られる。
この実施の形態によれば、放電輪郭加工において、放電ギャップや工具形状を考慮した取り残し領域が設定され、無駄がなく精度のよい工具経路が生成されるという効果がある。
【0024】
実施の形態3.
図9は本発明の第3の実施の形態の工具経路生成装置の構成図であり、100は工具経路生成を行う領域を求める加工領域生成部、101は加工領域生成部により求められた加工領域に対し工具経路を求める工具経路生成部、103は取り残し領域工具経路生成部である。
図10は処理の流れを示すフローチャートで、図11(a)〜(d)および図12(a)〜(c)は取り残し領域加工工具経路生成方法を示す説明図で特に島部分の工具経路生成方法を説明している。
即ち、図11(a)は目標加工領域(図中点部分)として設定する部分、b2は島形状であり、図11(b)は島形状を拡大して示している。通常基本工具によって取り残しが生じるのは、たとえば、ポケット加工の島回り、輪郭部分などである。そこで、本実施の形態では、あらかじめこのような箇所に対して取り残し領域用加工工具経路生成幅b3を入力しておく。
【0025】
図10のステップst1では、目標とする加工形状中に含まれる加工しない部分である島形状b2を求める。
ステップst2では、島形状b2に対して、島周りオフセット工具経路を生成する領域b3を計算する。また、島形状b2に対して、輪郭形状b4を求める。工具経路生成領域b3に対応して、島輪郭形状b4を次に述べるb5だけオフセットした形状b6を計算する。オフセットする距離b5の値は、加工の取り代をb7、取り残し領域加工用工具の半径をb8、工具経路ピッチをb9、工具経路のカウントをb10(変数)としたとき、b5=b9*b10+b7+b8で得られる。これらのパラメータのうち、b7、b8、b9はあらかじめ設定されている値であり、工具経路のカウントb10の上限をオフセット形状b6が工具経路生成幅b3を越えない最大の値にする。
以上により求めたオフセット工具経路の一例を図11(d)に示す。カウントb10が0のときのオフセット工具経路(工具中心軌跡)をb60、b10が1のときの工具経路をb61で示す。オフセット量b5によって島輪郭形状b4をオフセットした形状群をb6とし、島周りオフセット工具経路の加工工具経路b12となる。
ステップst3では加工しない領域b13が存在する場合には、上記の加工工具経路b12のそれぞれの工具経路形状と領域b13との干渉をチェックし、干渉部b14を回避するような工具経路b15に修正する。
ステップst4では干渉チェックによって修正したオフセット工具経路b15をつなげる連結工具経路b16(図示せず)を加えて島周りオフセット工具経路b17(図示せず)を生成する。
ステップst5では、上記島形状b2が複数存在する場合に、処理を順次繰り返してできるそれぞれの島周りオフセット工具経路b17を連結する工具経路を加えた工具経路b18(図示せず)を生成する。
【0026】
本実施の形態によれば、取り残し領域加工工具での経路生成幅b3を設定するだけで、取り残し領域加工工具経路が自動的に決定されるので、操作が簡単になる。また、島輪郭形状を用いて、工具経路を作成するので、取り残し加工領域を不要に広く設定することが避けられ処理時間が短いという効果がある。
【0027】
実施の形態4.
上記実施の形態3でb3は入力するものとしたのに対し、取り残しになるのは、たかだか工具半径以上、直径以下ということは明らかなので、自動的にその値を設定するようにした。
本実施の形態によれば取り残し工具による取り残し代を設定しなくてもよいので、ユーザの操作がより簡単になるという効果がある。
【0028】
実施の形態5.
図13(a)〜(c)は本発明の第5の実施の形態の工具経路生成装置による加工を説明する説明図である。図13(a)で示すような最終加工形状を加工の対象とするとき、基本工具a11で加工する領域を図13(b)、取り残し領域加工工具a12で加工する領域を図13(c)とする。図13(b)はあらかじめ最終形状図13(a)ではなく、b3幅だけ加工領域内側にオフセットさせて小さくした領域である。図13(c)は図13(b)でオフセットさせた分の未加工領域である。
以上により、基本工具a11と取り残し領域加工工具a12で加工する領域が重複することなく、無駄な加工を行わないで済む。また、図13(c)の領域幅は安全のため、b3よりもやや大きめにとってもよい。
本実施の形態によれば、通常取り残しを生じる可能性がある島形状や輪郭形状に対し、基本工具での加工領域を小さくするので、同一箇所を基本工具と取り残し領域加工工具で重複して加工する必要がなくなる。特に、放電輪郭加工の場合、取り残し領域加工工具での加工速度が非常に遅いので、効果が大きい。
【0029】
以上の実施の形態は組み合わせて用いることによりなお一層の効果がある。
【0030】
【発明の効果】
本発明の第1の工具経路生成装置によれば、複数の段差を有する加工形状を、加工工具を走査して加工する放電輪郭加工機に対して、加工工具の走査経路を生成するものであり、工具経路生成を行う領域を求める加工領域生成部と、この加工領域生成部により求まった加工領域に対し加工工具の走査経路を生成する工具経路生成部とを備えた工具経路生成装置において、上記加工領域生成部が、複数の段差を有する加工形状の3次元形状の任意の段における2次元形状の断面形状と、任意の段における各形状の仕上げ代とから得られる、各段の仕上げ代の長さオフセットした形状を記憶する各段の仕上げ代オフセット形状記憶部と、各段の仕上げ代オフセット形状記憶部が記憶した形状により、各段の荒加工領域を出力する各段の荒加工領域出力部と、仕上げ加工領域を求める仕上げ加工領域出力部とを有し、特定の段の加工を行う時に、その段の荒加工時に残す仕上げ代から、次の段の加工によって除かれる領域を差し引いた領域を、前記特定の段の仕上げ加工領域として加工工具の走査経路を生成するもので、加工時間の無駄が少なく効率の良い加工を行うことができるという効果がある。
【0031】
本発明の第2の工具経路生成装置によれば、加工工具を走査して目標加工形状を加工する放電輪郭加工機に対して、加工工具の走査経路を生成する工具経路生成装置であって、目標加工形状に対して、第1の加工工具による加工により取り残されるとみなされる箇所を含有する領域を、前記第1の加工工具より径の小さい第2の加工工具の加工工具経路を生成する領域幅とし、目標加工形状に対して、前記領域幅だけ加工領域の内側にオフセットした領域を、前記第1の加工工具の加工工具経路を生成する領域とする加工領域生成部と、前記領域幅に前記第2の工具の走査経路を生成する取り残し領域加工工具経路生成部と、前記オフセットした領域に前記第1の工具の走査経路を生成する工具経路生成部とを備えたもので、加工時間の無駄が少なく効率の良い加工を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な工具経路生成装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の工具経路生成装置に係わる加工領域生成部の動作を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の工具経路生成装置に係わる加工領域生成部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】参考例の工具経路生成装置の構成図である。
【図5】参考例の工具経路生成装置に係わる取り残し領域抽出部の動作を示す説明図である。
【図6】参考例の工具経路生成装置に係わる取り残し領域抽出部の動作を示す説明図である。
【図7】参考例の工具経路生成装置に係わる取り残し領域抽出部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施の形態の工具経路生成装置に係わる放電輪郭加工に使用する工具を横からみた説明図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の工具経路生成装置の構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係わる取り残し加工工具経路生成部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係わる取り残し加工工具経路生成部の動作を説明する説明図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係わる取り残し加工工具経路生成部の動作を説明する説明図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態の工具経路生成装置による加工を説明する説明図である。
【図14】一般的な工具経路生成装置の構成図である。
【図15】加工により得ようとする多段加工形状を示す説明図である。
【図16】工具経路生成装置による加工領域を説明する説明図である。
【図17】従来の工具経路生成装置における動作を示すフローチャートである。
【図18】従来の大小の工具を用いた加工状態を説明する説明図である。
【図19】従来の大小の工具を用いた加工状態を説明する説明図である。
【図20】従来の工具経路生成装置による加工を工程順に示す工程図である。
【図21】加工領域を説明する説明図である。
【符号の説明】
7 加工領域抽出部、102 取り残し領域抽出部、103 取り残し領域加工工具経路生成部、a1 目標加工形状、a7 取り残し領域。
Claims (2)
- 複数の段差を有する加工形状を、加工工具を走査して加工する放電輪郭加工機に対して、加工工具の走査経路を生成するものであり、工具経路生成を行う領域を求める加工領域生成部と、この加工領域生成部により求まった加工領域に対し加工工具の走査経路を生成する工具経路生成部とを備えた工具経路生成装置において、上記加工領域生成部が、複数の段差を有する加工形状の3次元形状の任意の段における2次元形状の断面形状と、任意の段における各形状の仕上げ代とから得られる、各段の仕上げ代の長さオフセットした形状を記憶する各段の仕上げ代オフセット形状記憶部と、各段の仕上げ代オフセット形状記憶部が記憶した形状により、各段の荒加工領域を出力する各段の荒加工領域出力部と、仕上げ加工領域を求める仕上げ加工領域出力部とを有し、特定の段の加工を行う時に、その段の荒加工時に残す仕上げ代から、次の段の加工によって除かれる領域を差し引いた領域を、前記特定の段の仕上げ加工領域として加工工具の走査経路を生成することを特徴とする工具経路生成装置。
- 加工工具を走査して目標加工形状を加工する放電輪郭加工機に対して、加工工具の走査経路を生成する工具経路生成装置であって、目標加工形状に対して、第1の加工工具による加工により取り残されるとみなされる箇所を含有する領域を、前記第1の加工工具より径の小さい第2の加工工具の加工工具経路を生成する領域幅とし、目標加工形状に対して、前記領域幅だけ加工領域の内側にオフセットした領域を、前記第1の加工工具の加工工具経路を生成する領域とする加工領域生成部と、前記領域幅に前記第2の工具の走査経路を生成する取り残し領域加工工具経路生成部と、前記オフセットした領域に前記第1の工具の走査経路を生成する工具経路生成部とを備えたことを特徴とする工具経路生成装置。
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JPH09216127A (ja) | 1997-08-19 |
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