JP3009755B2 - 放電加工用加工条件生成装置 - Google Patents

放電加工用加工条件生成装置

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JP3009755B2
JP3009755B2 JP3119744A JP11974491A JP3009755B2 JP 3009755 B2 JP3009755 B2 JP 3009755B2 JP 3119744 A JP3119744 A JP 3119744A JP 11974491 A JP11974491 A JP 11974491A JP 3009755 B2 JP3009755 B2 JP 3009755B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被加工物(ワーク)に
近接して高電圧の電極を対向させて多段揺動法によりワ
ークを放電加工するための加工条件生成装置に関し、特
に環境や加工目的に適合した最適な電極寄せ量を生成す
ることのできる放電加工用加工条件生成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、金型等の特殊形状又は機械加
工が困難なワークに対しては、放電現象を利用した放電
加工機が用いられており、放電加工機の電極とワークと
の間の放電によりワーク表面を熔融している。このと
き、電極をワーク加工面に沿って揺動させて加工領域を
定めると共に、電極をワークWに段階的に接近させて要
求仕様に適合する最終加工面を形成するため、放電加工
機に対する種々の指令即ち加工条件を設定する必要があ
る。
【0003】一般に、要求仕様には、加工底面積、加工
深さ、仕上げ面粗さ、電極減寸量、電極消耗率及び加工
時間等が含まれており、この要求仕様に対して設定され
る加工条件には、放電用の電気条件、電極動作条件、及
び、加工面に対する電極の送り込み量に相当する例えば
電極寄せ量等が含まれている。
【0004】電気条件には、ピーク電流、パルス幅、休
止時間、極性及び使用電源等が含まれており、ピーク電
流やパルス幅等を小さくすれば加工面の粗さが細かくな
ることが知られている。又、ここでは揺動形式としてい
るが、一般に電極動作条件には、サーボモード、ジャン
プモード及び揺動形式等が含まれている。更に、電極寄
せ量は、最終加工面に対する安全代等を考慮しながら段
階的に決定される。
【0005】ところで、放電加工は、加工粉排除状況に
よって実際の放電ギャップ(放電開始の距離)に大きく
差がでるため、これらを考慮せずに一様に電極寄せ量を
決定しようとすると、途中加工段階での粗い加工面が最
終加工面に残る危険がある。
【0006】例えば、或る箇所に著しく加工液が滞るよ
うな電極形状の場合、放電ギャップが広がるため、加工
面の安全のためには、放電加工機の電極を通常よりも加
工面から離すような安全代を設定する必要がある。
【0007】しかしながら、もし安全代を必要以上に大
きくすると、最終段階に近い加工条件(加工面を細かく
仕上げるために放電電流が小さく加工速度が遅い)によ
る加工量が増えるために、全加工時間が長くなってしま
う。従って、安全代は、加工面が許される限り小さい値
に設定されることが望ましい。
【0008】従来、放電加工のために必要な加工条件
(電気条件及び電極寄せ量を含む)は、ワークに対する要
求仕様と放電加工機に関してオペレータが有する知識及
び経験とに基づいて決定されていた。例えば、ワークの
仕上げ面粗さや形状特徴から、オペレータが総合的に判
断して加工条件を決定し、放電加工機に直接入力してい
た。
【0009】しかし、近年、情報処理技術が急速に発展
し、例えば、特開昭62-130130号公報及び特開昭62-13013
1号公報に記載されたように、放電加工機の加工電極とワ
ークに関するデータを入力することによって加工条件を
自動的に計算して決定する装置が提案されている。又、
例えば、特開昭64-11715号公報に記載されたように、実
加工後の評価結果をフィードバックすることにより、加
工条件データベースを変更可能な学習機能を有する加工
条件生成装置も提案されている。
【0010】図5は加工条件生成装置を含む一般的な放
電加工機を示すブロック図である。図において、1はワ
ークWに対向した電極1aを有する放電加工機、2は放電
加工機1とワークWの加工面との間に所定の電圧信号を
印加する電源、3は放電加工機1からのフィードバック
信号を取り込むと共に加工条件Bに応じて電源2を駆動
制御する数値制御装置、4は外部から入力される要求仕
様Aに応じた加工条件Bを数値制御装置3に出力する加
工条件生成装置である。加工条件生成装置4は数値制御
装置3の一部に含まれてもよい。
【0011】図6は図5内の加工条件生成装置4の従来
構成を示すブロック図であり、40は所要の加工条件Bの
生成に必要な特性データDを予め記憶している加工条件
特性データ部、41はオペレータからの要求仕様Aを取り
込む入力部、42は要求仕様A及び特性データDに基づく
計算により少なくとも1つの加工条件Bを生成する加工
条件生成部、43は生成された加工条件Bを数値制御装置
3に出力する出力部である。特性データDには、例え
ば、面粗さ、加工速度及び電極消耗等のデータの他に、
種々の加工条件に相当するデータが含まれている。
【0012】要求仕様Aは、例えばn個の要素a1〜anか
らなり、加工底面積a1、加工深さa2、仕上げ面粗さa3、電
極減寸量a4、電極消耗率a5及び加工時間a6等を含む。
又、加工条件Bは、例えばm個の要素b1〜bmからなり、
ピーク電流b1、パルス幅b2、休止時間b3、極性b4及び使
用電源b5等の電気条件b1〜bj-1と、サーボモードbj、ジ
ャンプモードbj+1及び揺動形式bj+2等の電極動作条件bj
〜bkと、電極寄せ量bmとを含む。
【0013】図7は電極1aとワークWの加工面との関係
を詳細に示す側面図であり、破線は1つの加工段階にお
ける電極1aの揺動位置を示している。L1及びL2はそれぞ
れワークWの側面方向及び底面方向の最終仕上げ寸法、
E1及びE2はそれぞれワークWの側面及び底面の最終加工
面、bm1及びbm2は各最終加工面E1及びE2に対する残り代
即ち電極寄せ量である。
【0014】尚、電極寄せ量bmは、図7のような多段階
揺動加工法における各段階毎の電極1aの送り込み量に対
応する数値であり、ここでは、最終仕上げ寸法L1及びL2
に対する残し代をそれぞれ電極寄せ量bm1及びbm2として
いるが、種々の表わし方がある。
【0015】次に、図5及び図7を参照しながら、図6
に示した従来の放電加工用加工条件生成装置の動作につ
いて説明する。まず、オペレータは、ワークWに要求さ
れる仕様に基づいて、a1〜anからなる種々の要求仕様A
を、入力部41を介して加工条件生成装置4内の加工条件
生成部42に入力する。
【0016】加工条件生成装置42は、入力された要求仕
様Aと予め格納された特性データDとから、要求仕様A
に適合するように、各加工段階毎に対応した少なくとも
1つの加工条件Bを生成し、b1〜bmとして出力部43を介
して数値制御装置3に出力する。こうして生成された加
工条件Bは、出力部43を介して数値制御装置3に出力さ
れると共に、必要に応じてCRTに表示されたりフロッ
ピディスクに記録されたりする。
【0017】次に、図8〜図10を参照しながら、揺動加
工プロセスを初期荒加工面から最終仕上げ加工面まで多
段階に分割された放電加工動作について詳細に説明す
る。図8は加工条件生成部42における各データ流れを示
しており、2重の線で示したブロックは、加工条件生成
部42内で検索又は作成されるデータを示している。又、
電気条件b1〜bj及び面粗さに関する特性データは、加工
条件特性データ部40に予め記録されているものとする。
【0018】図9は電極寄せ量bmを段階的(1段目〜3
段目)に減少させて電極1aを最終加工面Eに接近させる
状態を示す説明図であり、Fは電極消耗量、Gは電極1a
とワーク表面との間のクリアランス、RはワークWの面
粗さである。又、図10は電極寄せ量bmに見込まれる安全
代を示す説明図であり、Hは面粗さRに応じて設定され
る安全代である。
【0019】図8において、まず、特性データDに基づ
いて、要求仕様Aに含まれる加工底面積a1及び電極減寸
量a4から、開始電気条件11及びこの開始電気条件11で加
工した開始面粗さ12が求まり、又、仕上げ面粗さa3から
仕上げ電気条件13が求まる。又、仕上げ面粗さa3は、加
工条件生成部42内のデータとしての仕上げ面粗さ14とな
る。尚、開始電気条件11及び仕上げ電気条件13は、加工
条件Bとして出力される。
【0020】続いて、開始面粗さ12及び仕上げ面粗さ14
に基づいて、途中段階での面粗さ15を求める。途中の面
粗さ15は、開始面粗さ12を60μmRmaxとし、仕上げ面粗さ
14を4μmRmaxとすると、60μmRmax→30μmRmax→15μm
Rmax→8μmRmax→4μmRmaxというように、開始面粗さ
12から仕上げ面粗さ14までを順次ほぼ半減させた値に設
定される。従って、図9のように、各段階における面粗
さR(バラツキを考慮して最大値Rmaxで表わされる)
は、順次半減していく。
【0021】次に、途中の面粗さ15に基づいて各段階で
の電極寄せ量bmを求めると共に、途中の面粗さ15及び他
の要求仕様an等に基づいて、適切な電気条件b1〜bj-1を
抽出する。このとき、電極寄せ量bmは、もしワークWの
加工面が均一で平坦であれば、図9から明らかなよう
に、クリアランスG、面粗さR及び電極消耗量Fを加算
した値(G+R+F)で表わされる。
【0022】しかし、実際には、加工面が均一ではな
く、しかも、電極1a及びワークW間のわずかな違いが加
工面に影響を及ぼすため、安全性を見込んで、図10のよ
うに安全代Hを設定する必要がある。従って、電極寄せ
量bmは、
【0023】
【数1】
【0024】で与えられる。又、安全代Hは、加工条件
生成部42に予め設定された安全係数Kと面粗さRとの積
で表わされるので、式は、
【0025】
【数2】
【0026】となる。こうして、求められた電気条件b1
〜bj-1及び電極寄せ量bmは、加工条件Bとして出力され
る。尚、加工条件Bは、各段階毎に毎回計算せずに予め
計算しておいてもよく、この場合、標準電極を用いた実
加工によって補正した加工条件Bをメモリに記録してお
き、要求仕様に基づいて抽出することができる。
【0027】しかしながら、安全代Hが一般的な値に設
定されているため、例えば、加工面の仕上がり状態より
も加工速度を重視する場合や、袋加工等のように加工粉
が著しく溜まり易い形状のワークを加工する場合には、
適切な電極寄せ量bmを設定することができない。従っ
て、オペレータは、加工条件Bが生成された後に、ワー
ク形状、加工液のかけ方、加工目的及び実加工の結果等
に基づいて、試行錯誤により電極寄せ量bmを少しずつ調
整しなければならない。
【0028】次に、学習部を備えた加工条件生成装置に
ついて説明する。図11は学習機能を有する従来の放電加
工用加工条件生成装置を示すブロック図である。Cは加
工後のワークWに対する実際の加工状態の評価結果であ
り、オペレータにより加工条件生成装置4に入力され
る。44は評価結果Cに基づいて出力前の加工条件B′に
含まれる電気条件を変更する学習部であり、要求仕様A
と評価結果Cとを比較して加工差異を計算する差異計算
部と、加工差異から実際に電気条件を変更する変更部と
からなり、加工条件生成装置4に内蔵されている。
【0029】この場合、オペレータは、前述と同様に、
加工条件生成装置4に要求仕様Aを入力し、加工条件生
成装置4から生成された加工条件Bを用いて放電加工機
1を駆動制御する。そして、実際の放電加工結果、即
ち、面粗さc1、加工時間c2及び精度c3等を含むi個の評
価結果C(c1〜ci)を入力部41を介して学習部44に入力す
る。
【0030】学習部44は、入力された評価結果Cを要求
仕様Aと比較し、要求仕様A及び評価結果Cの各相当要
素毎の加工差異を計算する。そして、「単発放電毎のピ
ーク電流が小さければ、ワークWの仕上げ面粗さが細か
い」、「単発放電毎の放電時間(パルス幅)が短ければ、
ワークWの仕上げ面粗さが細かい」等の事実に基づいて
作成されたプログラムに従い、加工条件生成部42、加工
条件B及び特性データDのうちの少なくとも1つを、電
気条件に関して変更する。
【0031】しかしながら、正しい学習機能を実現する
ためには、電気条件を調整するのではなく、電極寄せ量
bmを調整する必要がある。なぜなら、途中段の加工条件
による粗い加工面が最終加工面として残ってしまうこと
がよくあるが、この原因は、途中段階での電気条件の粗
さによる場合よりも、加工粉の影響で実質的なクリアラ
ンスGが変動して電極寄せ量bmが適切でなかったことに
よる場合がはるかに多いからである。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工用加工
条件生成装置は以上のように、電極寄せ量bmの設定時で
の計算に用いられる安全代Hを特殊な加工状況に対して
補正することができないので、加工状況に応じた適切な
電極寄せ量bmを生成することができないという問題点が
あった。
【0033】又、従来の学習部機能を備えた放電加工用
加工条件生成装置は、加工条件Bに含まれた電気条件b1
〜bj-1に関するパラメータを学習するのみであるため、
正しい学習機能を実現することができないという問題点
があった。
【0034】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、オペレータの加工環境や加工目
的等の加工状況に応じて適切な電極寄せ量を生成するこ
とができる放電加工用加工条件生成装置を得ることを目
的とする。
【0035】又、加工条件に含まれる電極寄せ量に関す
るパラメータを学習補正することにより、正しい学習機
能を実現した放電加工用加工条件生成装置を得ることを
目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】この発明に係る放電加工
用加工条件生成装置は、加工用の電極を備えた放電加工
機に対し、ワークの要求仕様に応じ加工条件としてワー
クの加工面と電極との間におけるクリアランス、加工面
の面粗さ、電極消耗量、安全代により決定される電極寄
せ量を生成する放電加工用加工条件生成装置において、
安全代を変更するための補正係数を格納する補正データ
部を備え、補正係数に基づいて安全代を変更することに
より、電極寄せ量を補正するようにしたものである。
【0037】又、この発明に係る放電加工用加工条件生
成装置は、ワークの実加工後の評価結果に基づいて補正
係数を生成する学習部を更に備え、学習部から生成され
た補正係数により、補正データ部に格納された補正係数
を補正するようにしたものである。
【0038】
【作用】この発明においては、加工条件の生成時に、加
工状況に応じた適切な補正係数を用いて、加工条件に含
まれる電極寄せ量を補正する。
【0039】又、この発明においては、実加工毎の評価
結果に基づいて、電極寄せ量に反映させるための適切な
補正係数を生成し、補正係数を学習補正する。
【0040】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例を示すブロック図であ
り、4及び42は前述の加工条件生成装置及び加工条件生
成部にそれぞれ対応しており、40、41、43、44、A及び
Bは前述と同様のものである。又、放電加工機の全体構
成は図5に示した通りである。
【0041】αは電極寄せ量bmの演算に用いられる安全
係数Kに寄与する補正係数であり、加工環境や加工目的
等の加工状況に応じて設定され、オペレータにより加工
条件生成装置4に入力される。45は加工条件生成部4内
に設けられた補正データ部であり、入力部41を介して入
力された補正係数αをデータとして格納し、加工条件生
成部42に入力する。
【0042】次に、図2の説明図を参照しながら、図1
に示したこの発明の一実施例の動作について説明する。
まず、オペレータは、加工状況に応じて補正係数αを設
定する。例えば、「途中の加工面が残ってもよいから時
間を短くしたい」という場合には、α<1に設定する。
又、「袋加工等で途中の加工面が残り易いので加工面の
細かい安全側の加工がしたい」という場合には、α>1
に設定する。
【0043】こうして設定された補正係数αを要求仕様
Aと共に加工条件生成装置4に入力すると、要求仕様A
は入力部41を介して加工条件生成部42に入力され、補正
係数αは、補正データ部45に格納された後、加工条件生
成部42に入力される。
【0044】加工条件生成部42は、要求仕様A及び要求
仕様から抽出される種々の要素に基づいて、図2のよう
に加工条件Bを生成する。このとき、途中の面粗さ15及
び安全係数K等に基づいて電極寄せ量bmを生成するが、
安全代H(図10参照)を計算するときに、式のように安
全係数Kのみを考慮するのではなく、補正係数αも考慮
して、
【0045】
【数3】
【0046】から電極寄せ量bmを計算する。
【0047】式より、残り加工面の粗さより加工時間
の短縮を重視する場合には、補正係数αが、α<1に設
定されていることから、安全代Hが小さくなるため電極
寄せ量bmは小さくなる。従って、初期段階での大きい電
気エネルギの加工において、電極1aがワークWの最終加
工面Eに接近して多くの加工が行われるため、中間段階
及び最終段階での小さい電気エネルギの加工量が少なく
なり、総合的に短時間で加工を終了することができる。
【0048】又、仕上げ加工面の安全性を重視して残り
加工面の粗さを細かくしたい場合には、補正係数αが、
α>1に設定されていることから、安全代Hが大きくな
るため電極寄せ量bmは大きくなる。従って、初期段階で
の大きい電気エネルギの加工において、電極1aがワーク
Wの最終加工面Eから離れているため、加工面粗さが最
終加工面Eから深い位置まで影響することはなく、最終
加工面に残る可能性は少なくなる。
【0049】尚、図1においては、補正係数αを外部か
ら直接入力するようにしたが、例えば、「速度を重視す
る度合」等を表わすデータを加工条件生成装置4に入力
し、この入力データから加工条件生成装置4内で補正係
数αに展開してもよい。
【0050】次に、図3を参照しながら、学習機能を有
するこの発明の第2実施例について説明する。図3にお
いて、46は実加工後の評価結果Cに基づいて補正係数α
を生成する学習部であり、生成した補正係数αを補正デ
ータ部45に格納する。学習部46には、例えば、ファジィ
ルールで記述されたプログラムやニューラルネットを含
むプログラムが格納されていてもよい。
【0051】学習部46は、「途中段階の加工面が残る可
能性が大きい場合には補正係数αを大きくする」という
事実、及び、「加工速度が遅い場合には補正係数αを小
さくする」という事実に基づいて、評価結果Cが得られ
る毎に補正係数αを更新し、その都度、補正データ部45
に格納する。
【0052】図4は学習部46に組み込まれたプログラム
による補正係数生成処理動作を示すフローチャートであ
る。尚、補正係数αは、予め1に初期設定されているも
のとする。まず、実加工状態の評価結果Cから、途中段
階の加工面が残っているか否かを判定し(ステップS1)、
もし残っていれば、補正係数αを前回の値から1.1倍に増
大させる(ステップS2)。
【0053】又、途中の加工面が残っていなければ、加
工時間がかかりすぎか否かを判定し(ステップS3)、もし
時間かかかりすぎであれば、補正係数αを前回の値の0.9
倍に減少させる(ステップS4)。
【0054】こうして、加工電極寄せ量bmが自動的に最
適に補正される。学習部46は、各ステップS2又はS3によ
り補正係数αを学習補正すると、次の評価結果Cの入力
を待つ。ここでは、評価結果Cのうちの加工面及び加工
時間を用いた判定ステップのみを示したが、他の評価結
果を用いた判定も必要に応じて順次行われ得ることは言
うまでもない。
【0055】尚、学習部46は、電極寄せ量bmの演算に用
いられる補正係数αを学習補正するのみでもよいが、前
述と同様に、出力される前の加工条件B′等を補正して
もよい。又、評価結果Cの入力動作は、オペレータが実
加工状態を判断して行うこともでき、実加工状態を別の
コンピュータで演算して自動的に行うこともできる。
【0056】又、加工条件生成装置4内の学習部46によ
り補正係数αの変更を自動的に行うようにしたが、例え
ば、ステップS1又はS3での判定結果をその都度表示し、
実際の補正係数αを変更するか否かをオペレータに判断
させるようにしてもよい。又、このとき、可能性の高い
複数の変更後の補正係数を表示して、オペレータに選択
させるようにしてもよい。
【0057】尚、上記実施例では、適切な面粗さRを予
め求めておき、各面粗さRに対する安全代Hを決定する
ときに式のように補正係数αを用いたが、例えば「電
気加工学会誌」(第19巻、第37号、第39頁〜第48頁)に
岸雅一、横田純一及び鈴木靖夫が発表したシミュレーシ
ョンにより電極寄せ量を決定するときに、補正係数αを
用いてもよい。又、他の方法で決定している電極寄せ量
自身の係数として補正係数αを用いてもよい。
【0058】又、全ての安全代Hに対して補正係数αを
一定の値としたが、例えば、加工段階毎に、又は、各面
粗さR毎に補正係数αを設定してもよい。又、補正係数
αにより安全係数Kを補正したが、結果的に電極寄せ量
bmを補正するものであれば、クリアランスG等の他の要
素を補正対象としてもよく、又、電極寄せ量bmそのもの
を補正対象としてもよい。
【0059】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、加工用
の電極を備えた放電加工機に対し、ワークの要求仕様に
応じ加工条件としてワークの加工面と電極との間におけ
るクリアランス、加工面の面粗さ、電極消耗量、安全代
により決定される電極寄せ量を生成する放電加工用加工
条件生成装置において、安全代を変更するための補正係
数を格納する補正データ部を備え、補正係数に基づいて
安全代を変更することにより、電極寄せ量を補正する
うにしたので、オペレータの加工環境や加工目的等の加
工状況に応じて適切な電極寄せ量を生成することができ
る放電加工用加工条件生成装置が得られる効果がある。
【0060】又、この発明によれば、ワークの実加工後
の評価結果に基づいて補正係数を生成する学習部を更に
備え、電極寄せ量に関するパラメータとなる学習部から
の補正係数により、補正データ部に格納された補正係数
を学習補正するようにしたので、電極寄せ量の補正をよ
り的確に行うことができ、正しい学習機能を実現した放
電加工用加工条件生成装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の装置の動作を示す説明図である。
【図3】この発明の第2実施例を示すブロック図であ
る。
【図4】図2の装置の動作を示すフローチャート図であ
る。
【図5】一般的な放電加工機の全体構成を示すブロック
図である。
【図6】従来の放電加工用加工条件生成装置を示すブロ
ック図である。
【図7】電極とワークの加工面との関係を詳細に示す側
面図である。
【図8】図6の装置の動作を示す説明図である。
【図9】電極寄せ量の段階的変化を示す説明図である。
【図10】電極寄せ量に見込まれる安全代を示す説明図
である。
【図11】学習機能を含む従来の放電加工用加工条件生
成装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 放電加工機 1a 電極 4 加工条件生成装置 42 加工条件生成部 45 補正データ部 46 学習部 W ワーク A 要求仕様 B 加工条件 bm 電極寄せ量 C 評価結果 α 補正係数 E、E1、E2 最終加工面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 7/28 B23H 7/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工用の電極を備えた放電加工機に対
    し、ワークの要求仕様に応じ加工条件としてワークの加
    工面と電極との間におけるクリアランス、前記加工面の
    面粗さ、電極消耗量、安全代により決定される電極寄せ
    量を生成する放電加工用加工条件生成装置において、前記安全代を変更するための補正係数を格納する 補正デ
    ータ部を備え、前記補正係数に基づいて前記安全代を変更することによ
    り、前記電極寄せ量を補正する ことを特徴とする放電加
    工用加工条件生成装置。
  2. 【請求項2】 前記ワークの実加工後の評価結果に基づ
    いて補正係数を生成する学習部を備え、前記学習部から
    生成された補正係数により、前記補正データ部に格納さ
    れた補正係数を補正することを特徴とする請求項1記載
    の放電加工用加工条件生成装置。
JP3119744A 1991-05-24 1991-05-24 放電加工用加工条件生成装置 Expired - Fee Related JP3009755B2 (ja)

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