JP3578954B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光特性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)は、電界を印加することにより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子の再結合エネルギーにより蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。イーストマン・コダック社のC.W.Tangらによる積層型素子による低電圧駆動有機EL素子の報告(C.W.Tang,S.A.VanSlyke,アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters),51巻,913頁、1987年など)がなされて以来、有機材料を構成材料とする有機EL素子に関する研究が盛んに行われている。
【0003】
Tangらは、トリス(8−ヒドロキシキノリノールアルミニウム)を発光層に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔輸送層に用いている。積層構造の利点としては、発光層への正孔の注入効率を高めること、陰極より注入された電子をブロックして再結合により生成する励起子の生成効率を高めること、発光層内で生成した励起子を閉じこめることなどが挙げられる。
【0004】
この例のように有機EL素子の素子構造としては、正孔輸送(注入)層、電子輸送性発光層の2層型、または正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層型などが良く知られている。こうした積層型構造素子では、注入された正孔と電子の再結合効率を高めるため、素子構造や形成方法の工夫がなされている。材料に関しても、様々な化合物が有機EL素子用材料として開発されている。
【0005】
正孔輸送性材料としては、スターバースト分子である4,4′,4″−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミンやN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミンなどのトリフェニルアミン誘導体や芳香族ジアミン誘導体が良く知られている(例えば、特開平8−20771号公報、特開平8−40995号公報、特開平8−40997号公報、公報特開平8−53397号公報、特開平8−87122号公報など)。
【0006】
電子輸送性材料としては、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体などが良く知られている。
【0007】
また、発光材料としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体などのキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体などの発光材料が知られており、それらの発光色も青色から赤色までの可視領域の発光が得られることが報告されており、カラー表示素子の実現が期待されている(例えば、特開平8−239655号公報、特開平7−138561号公報、特開平3−200889号公報など)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
最近では、高輝度、長寿命の有機EL素子が開示あるいは報告されているが、まだ必ずしも充分なものとはいえない。したがって、高性能を示す材料開発が強く求められている。本発明の目的は、高輝度かつ長寿命の有機EL素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、ナフチルペリレン、アンスリルペリレンなどの骨格を有する化合物が有機EL素子の構成材料として有効であることを見いだした。したがって、本発明に係る有機EL素子は、下記I〜Tの有機EL素子を提供するものである。
【0010】
I 陽極と陰極との間に発光層を含む単層あるいは複数層の有機薄膜を有する有機EL素子において、発光層の少なくとも一層に下記一般式[1](式[1]中、Ar1は置換もしくは無置換のナフチル、アンスリル、ペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を、Ar2は置換もしくは無置換のペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を表す。Ar 1 とAr 2 の結合する位置は、ナフチル基の場合は1位、ペリレニル基、ベンゾペリレニル基、ジベンゾペリレニル基の場合は3位である。置換基は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、あるいは分子どうしの会合状態形成を抑制する立体障害基である。)で表される化合物を単独もしくは混合物として含むことを特徴とする有機EL素子。
【0011】
【化2】
【0012】
II 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とするIに記載の有機EL素子。
【0013】
III 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有し、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とするIに記載の有機EL素子。
【0014】
IV 有機薄膜層として、少なくとも正孔輸送層を有し、この正孔輸送層が一般式[1]で示される化合物を単独もしくは混合物として含むことを特徴とするIに記載の有機EL素子。
【0015】
V 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とするIVに記載の有機EL素子。
【0016】
VI 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)であって、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とするLに記載の有機EL素子。
【0017】
VII 有機薄膜層として、少なくとも電子輸送層を有し、この電子輸送層が一般式[1]で示される化合物を単独もしくは混合物として含むことを特徴とする▲1▼に記載の有機EL素子。
【0018】
VIII 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とするVIIに記載の有機EL素子。
【0019】
IX 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)であって、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とするVIIの有機EL素子。
【0020】
X 少なくとも陽極、有機発光帯域、陰極を構成要素として有する有機EL素子において、
有機発光帯域が陰極に隣接し、発光帯域を形成する一層または複数の有機薄膜層のうち陽極に接する有機薄膜層が一般式[1](式[1]中、Ar 1 は置換もしくは無置換のナフチル、アンスリル、ペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を、Ar 2 は置換もしくは無置換のペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を表す。Ar 1 とAr 2 の結合する位置は、ナフチル基の場合は1位、ペリレニル基、ベンゾペリレニル基、ジベンゾペリレニル基の場合は3位である。置換基は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、あるいは分子どうしの会合状態形成を抑制する立体障害基である。)で示される材料を単独もしくは混合物として含むことを特徴とする有機EL素子。
【0021】
XI 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とするRに記載の有機EL素子。
【0022】
XII 一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)であって、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とするX記載の有機EL素子。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態の一例を詳細に説明する。
本発明に係る有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)に用いる化合物は、一般式[1]で表される構造を有する化合物で、Ar1は、置換もしくは無置換のナフチル、アンスリル、ペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を、Ar2は、置換もしくは無置換のペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を表す。
【0024】
置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、あるいは分子どうしの会合状態形成を抑制する立体障害基が挙げられる。
【0025】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。置換若しくは無置換のアミノ基は−NX1X2と表され、X1、X2としては、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモt−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨードt−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノt−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノt−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロt−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、4−スチリルフェニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4′−メチルビフェニルイル基、4′′−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基などが挙げられる。
【0026】
置換若しくは無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモt−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨードt−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノt−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノt−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロt−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基などが挙げられる。
【0027】
置換若しくは無置換のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1−メチルビニル基、スチリル基、4−ジフェニルアミノスチリル基、4−ジ−p−トリルアミノスチリル基、4−ジ−m−トリルアミノスチリル基、2,2−ジフェニルビニル基、1,2−ジフェニルビニル基、1−メチルアリル基、1,1−ジメチルアリル基、2−メチルアリル基、1−フェニルアリル基、2−フェニルアリル基、3−フェニルアリル基、3,3−ジフェニルアリル基、1,2−ジメチルアリル基、1−フェニル−1−ブテニル基、3−フェニル−1−ブテニル基などが挙げられる。
【0028】
置換若しくは無置換のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0029】
置換若しくは無置換のアルコキシ基は、−OYで表される基であり、Yとしては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモt−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨードt−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノt−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノt−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロt−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基などが挙げられる。
【0030】
置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基の一例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4′−メチルビフェニルイル基、4″−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基などが挙げられる。
【0031】
また、置換若しくは無置換の芳香族複素環基としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基、等が挙げられる。
【0032】
置換若しくは無置換のアラルキル基の例としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、 p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、 p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、 p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、 p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、 p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、 p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。
【0033】
置換若しくは無置換のアリールオキシ基は、−OZと表され、Zの例としてはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4′−メチルビフェニルイル基、4′′−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナンスロリン−2−イル基、1,7−フェナンスロリン−3−イル基、1,7−フェナンスロリン−4−イル基、1,7−フェナンスロリン−5−イル基、1,7−フェナンスロリン−6−イル基、1,7−フェナンスロリン−8−イル基、1,7−フェナンスロリン−9−イル基、1,7−フェナンスロリン−10−イル基、1,8−フェナンスロリン−2−イル基、1,8−フェナンスロリン−3−イル基、1,8−フェナンスロリン−4−イル基、1,8−フェナンスロリン−5−イル基、1,8−フェナンスロリン−6−イル基、1,8−フェナンスロリン−7−イル基、1,8−フェナンスロリン−9−イル基、1,8−フェナンスロリン−10−イル基、1,9−フェナンスロリン−2−イル基、1,9−フェナンスロリン−3−イル基、1,9−フェナンスロリン−4−イル基、1,9−フェナンスロリン−5−イル基、1,9−フェナンスロリン−6−イル基、1,9−フェナンスロリン−7−イル基、1,9−フェナンスロリン−8−イル基、1,9−フェナンスロリン−10−イル基、1,10−フェナンスロリン−2−イル基、1,10−フェナンスロリン−3−イル基、1,10−フェナンスロリン−4−イル基、1,10−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−1−イル基、2,9−フェナンスロリン−3−イル基、2,9−フェナンスロリン−4−イル基、2,9−フェナンスロリン−5−イル基、2,9−フェナンスロリン−6−イル基、2,9−フェナンスロリン−7−イル基、2,9−フェナンスロリン−8−イル基、2,9−フェナンスロリン−10−イル基、2,8−フェナンスロリン−1−イル基、2,8−フェナンスロリン−3−イル基、2,8−フェナンスロリン−4−イル基、2,8−フェナンスロリン−5−イル基、2,8−フェナンスロリン−6−イル基、2,8−フェナンスロリン−7−イル基、2,8−フェナンスロリン−9−イル基、2,8−フェナンスロリン−10−イル基、2,7−フェナンスロリン−1−イル基、2,7−フェナンスロリン−3−イル基、2,7−フェナンスロリン−4−イル基、2,7−フェナンスロリン−5−イル基、2,7−フェナンスロリン−6−イル基、2,7−フェナンスロリン−8−イル基、2,7−フェナンスロリン−9−イル基、2,7−フェナンスロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基等が挙げられる。
【0034】
置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基は−COOYと表され、Yの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモt−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨードt−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノt−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノt−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロt−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基等が挙げられる。
【0035】
Ar3及びAr4で表される炭素数6〜20のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、ピレニル基等が挙げられる。また、これらアリール基及びスチリル基の置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、前記の置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、前記の置換若しくは無置換のアルキル基、前記の置換若しくは無置換のアルケニル基、前記の置換若しくは無置換のシクロアルキル基、前記の置換若しくは無置換のアルコキシ基、前記の置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、前記の置換若しくは無置換の芳香族複素環基、前記の置換若しくは無置換のアラルキル基、前記の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、前記の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基が挙げられる。
【0036】
会合状態の形成を抑制する立体障害基としては、分子どうしの接近を阻害するのに十分な大きさのかさ高さを有していれば、どのような置換基でも用いることができる。例えば、前述の置換若しくは無置換のアルキル基、前述の置換又は無置換のシクロアルキル基、前述の置換若しくは無置換のアルコキシ基、前述の置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、前述の置換若しくは無置換の芳香族複素環基、前述の置換若しくは無置換のアラルキル基、前述の置換若しくは無置換のアリールオキシ基が挙げられるが、中でも好適な例として、イソプロピル基、t−ブチル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、2、3−ジヨード−t−ブチル基、t−ブトキシ基、2、3−ジブロモ−t−ブトキシ基、2、3−ジヨード−t−ブトキシ基、2−メチルブタン−2−イル基、2−メチルブタン−2−イルオキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、ノルボルナン−1−イル基、ノルボルナン−2−イル基、ノルボルナン−7−イル基、ノルボルナン−1−イルオキシ基、ノルボルナン−2−イルオキシ基、ノルボルナン−7−イルオキシ基、ボルナン−2−イル基、ボルナン−2−イルオキシ基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−1−イル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−2−イル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−3−イル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−10−イル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−11−イル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−1−イルオキシ基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−2−イルオキシ基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−3−イルオキシ基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−10−イルオキシ基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−11−イルオキシ基、p−シクロファンイル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−アダマンチルオキシ基、2−アダマンチルオキシ基、フェニル基、トリル基、9−フルオレニル基、2、2−ジメチル−1−プロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、4−メチルシクロヘキシルメチル基、ノルボルナン−1−イルメチル基、ノルボルナン−2−イルメチル基、ノルボルナン−7−イルメチル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−1−イルメチル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−2−イルメチル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−3−イルメチル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−10−イルメチル基、トリシクロ[5.3.2.04,9]ドデカン−11−イルメチル基、p−シクロファンメチル基、1−アダマンチルメチル基、2−アダマンチルメチル基、フェニルオキシ基、ベンジル基、4−メチルベンジル基、1−ナフチルオキシ基、1−ナフチルメチル基、9−アントリルメチル基、9−アントリルオキシ基、トリフェニルメチル基、2,2,2−トリフェニルエチル基、9−フルオレニル基、9−フルオレニルオキシ基、9、9’−スピロビフルオレン−4−イル基、9、9’−スピロビフルオレン−3−イル基、9、9’−スピロビフルオレン−4−イルメチル基、9、9’−スピロビフルオレン−3−イルメチル基、9、9’−スピロビフルオレン−4−イルオキシ基、9、9’−スピロビフルオレン−3−イルオキシ基、トリス(2,2−ジメチルプロピル)メチル基、トリス(2,2−ジメチルプロピル)メチルオキシ基、2,2,2−トリス(2,2−ジメチルプロピル)エチル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−1−イル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−2−イル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−3−イル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−7−イル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−8−イル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−1−イルオキシ基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−2−イルオキシ基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−3−イルオキシ基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−7−イルオキシ基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−8−イルオキシ基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−1−イルメチル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−2−イルメチル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−3−イルメチル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−7−イルメチル基、ビシクロ[3、2、1]オクタン−8−イルメチル基などが挙げられる。
【0037】
本発明に係る有機EL素子の化合物は、従来より既知の方法により合成することができる。例えば、ナフチルペリレニル骨格を有するアミン化合物と芳香族ハロゲン化合物、あるいはナフチルペリレニル骨格を有するハロゲン化合物と芳香族アミンとのウルマン反応によりジフェニルアミノ基を有するナフチルペリレニル化合物を合成することができる。また、スチリル誘導体も、従来より公知のWittig−Horner反応を用いて合成したスチリル基を有するジフェニルアミンあるいはスチリル基を有する芳香族ハロゲン化合物を用いて合成することができる。
【0038】
以下に本発明の化合物例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】
【化8】
【0045】
【化9】
【0046】
【化10】
【0047】
【化11】
【0048】
【化12】
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】
【0062】
【化26】
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
本発明に係る有機EL素子の素子構造は、電極間に有機層を一層あるいは二層以上積層した構造であり、その例として、図1〜4に示すようにI陽極、発光層、陰極、J陽極、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、陰極、K陽極、正孔輸送層、発光層、陰極、あるいはL陽極、発光層、電子輸送層、陰極などの構造が挙げられる。本発明における化合物は上記のどの有機層に用いられてもよく、他の正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料にドープさせることも可能である。
【0071】
本発明に用いられる正孔輸送材料は、特に限定されず、通常正孔輸送材として使用されている化合物であれば何を使用してもよい。例えば、下記のビス(ジ(p−トリル)アミノフェニル)−1,1−シクロヘキサン[01]、N,N‘−ジフェニルーN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1‘−ビフェニル−4,4’−ジアミン[02]、N,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン[03]などのトリフェニルジアミン類や、スターバースト型分子([04]〜[06]など)などが挙げられる。
【0072】
【化34】
【0073】
【化35】
【0074】
【化36】
【0075】
【化37】
【0076】
【化38】
【0077】
【化39】
【0078】
本発明に用いられる電子輸送材料は、特に限定されず、通常電子輸送材として使用されている化合物であれば何を使用してもよい。例えば、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール[07]、ビス{2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール}−m−フェニレン[08]などのオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体([09]、[10]など)が挙げられる。
【0079】
【化40】
【0080】
【化41】
【0081】
【化42】
【0082】
【化43】
【0083】
また、一般式[4]、[5]、[6]に示されるようなキノリノール系の金属錯体も挙げられる。
【0084】
【化44】
【0085】
(但し、ここに、Qは置換または未置換のヒドロキシキノリン誘導体、置換若しくは未置換のベンゾキノリン誘導体でMは金属原子、nはその価数を表す)。
【0086】
【化45】
【0087】
(但し、ここに、Qは置換または未置換のヒドロキシキノリン誘導体、置換若しくは未置換のベンゾキノリン誘導体を表し、Lはハロゲン原子、置換若しくは未置換のアルキル基、置換若しくは未置換のシクロアルキル基、置換若しくは未置換の窒素原子を含んでもよいアリール基を表し、Mは金属原子、nはその価数を表す)。
【0088】
【化46】
【0089】
(但し、ここに、Qは置換または未置換のヒドロキシキノリン誘導体、置換若しくは未置換のベンゾキノリン誘導体を表し、Mは金属原子、nはその価数を表す)。
【0090】
一般式[4]の具体例としては、次の[11]〜[16]の化合物が挙げられる。
【0091】
【化47】
【0092】
【化48】
【0093】
【化49】
【0094】
【化50】
【0095】
【化51】
【0096】
【化52】
【0097】
同様に、一般式[5]の具体例としては、次の[17]から[22]が挙げられる。
【0098】
【化53】
【0099】
【化54】
【0100】
【化55】
【0101】
【化56】
【0102】
【化57】
【0103】
【化58】
【0104】
また、一般式[6]の具体的な化合物としては、次の[23]〜[25]が挙げられる。
【0105】
【化59】
【0106】
【化60】
【0107】
【化61】
【0108】
また、複数層により発光帯域を構成する場合に、本発明による発光材料を陽極と接する層に用い、この層と陰極との間にさらに発光層を設けることができる。この場合に、化合物(1)〜(31)に示す本発明による化合物を組み合わせて複数層とすることもできる。また、陽極に接する発光層と陰極との間に、化合物[7]〜[25]で示す電子輸送材料に化合物[26]〜[29]を混合した発光層を挿入する。あるいは、化合物[30]のような電子輸送性発光材料からなる発光層を挿入することで、複数の発光層より発光帯域を形成してもよい。
【0109】
【化62】
【0110】
【化63】
【0111】
【化64】
【0112】
【化65】
【0113】
【化66】
【0114】
有機EL素子の陽極は、正孔を正孔輸送層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。本発明に用いられる陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、金、銀、白金、銅などが適用できる。
【0115】
また、陰極としては、電子輸送帯または発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。陰極材料は、特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金などが使用できる。
【0116】
本発明に係る有機EL素子の各層の形成方法は、特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法などによる形成方法を用いることができる。本発明に係る有機EL素子に用いる、前記一般式(1)および(2)で示される化合物を含有する有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるいは溶媒に溶かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法などの塗布法による公知の方法で形成することができる。
【0117】
本発明に係る有機EL素子の各有機層の膜厚は特に制限されないが、一般に膜厚が薄すぎるとピンホールなどの欠陥が生じやすく、逆に厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。
【0118】
【実施例】
以下、本発明の実施形態による実施例をもとに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
合成例として一例を示すが、その他の化合物についても従来既知の方法にて合成した。
【0119】
(合成例1) [化合物15の合成]
クロロホルム中、ベンゾ[a]ペリレンに当量のN−ブロモコハク酸イミドを加えて、3時間攪拌した。常法により精製してブロモベンゾ[a]ペリレンを合成した。次いで、マグネシウム存在下、2−ブロモナフタレンとのカップリング反応により2−ナフチルベンゾ[a]ペリレンを合成した。次いで、2当量のN−ブロモコハク酸イミドとの反応によりジブロモ−2−ナフチルベンゾ[a]ペリレンを合成した。次いで、銅粉末及び炭酸カリウム存在下、2当量の4−p−メチルスチリル−4’−p−メチルジフェニルアミンと200℃で20時間反応させて2−ナフチルベンゾペリレンのビス(スチリルジフェニルアミノ)誘導体(化合物15)を合成した。
【0120】
以下、本発明による化合物を発光層(1〜7)、正孔輸送材料との混合薄膜を発光層(8〜10)、電子輸送材料との混合薄膜を発光層(11〜12)、正孔輸送層(13〜14)、および電子輸送層(15)として用いた例を示す。
【0121】
(実施例1)
実施例1に用いた素子の断面構造を図1に示す。以下に本発明の実施例1に用いる有機薄膜EL素子の作製手順について説明する。素子は陽極/発光層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に発光層として、化合物(7)を真空蒸着法にて40nm形成した。次に陰極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法にて200nm形成して有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を5V印加したところ、1000cd/m2の発光が得られた。
【0122】
(実施例2)
発光材料として、化合物(9)を用いる以外は実施例1と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を5V印加したところ、1000cd/m2の発光が得られた。
【0123】
(実施例3)
ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に化合物(9)のクロロホルム溶液を用いたスピンコート法により40nmの発光層を形成した。次に陰極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法により200nm形成して有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を5V印加したところ、1200cd/m2の発光が得られた。
【0124】
(実施例4)
実施例4に用いた素子の断面構造を図2に示す。素子は陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔輸送層として、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン[02]を真空蒸着法にて50nm形成した。
【0125】
次に、発光層として、化合物(14)を真空蒸着法にて40nm形成した。次に、電子輸送層として2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール[07]を真空蒸着法にて20nm形成した。次に陰極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法によって200nm形成して有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、5500cd/m2の発光が得られた。
【0126】
(実施例5)
正孔輸送層としてN,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン[03]を、発光層として化合物(15)を、電子輸送層としてビス{2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール}−m−フェニレン[08]を用いる以外は実施例4と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、6000cd/m2の発光が得られた。
【0127】
(実施例6)
正孔輸送層として[04]を、発光層として化合物(23)を、電子輸送層として[11]を用いる以外は実施例4と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、6800cd/m2の発光が得られた。
【0128】
(実施例7)
正孔輸送層として[05]を、発光層として化合物(30)を、電子輸送層として[12]を用いる以外は実施例4と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、7000cd/m2の発光が得られた。
【0129】
(実施例8)
実施例8に用いた素子の断面構造を図4に示す。素子は陽極/発光層/電子輸送層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に発光層としてN,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン[03]と化合物(10)を1:10の重量比で共蒸着して作製した薄膜を50nm形成した。次いで電子輸送層として[09]を真空蒸着法にて50nm形成した。次に陰極としてマグネシウム−銀合金を200nm形成してEL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、5200cd/m2の発光が得られた。
【0130】
(実施例9)
化合物(10)の代わりに化合物(15)を用いる以外は実施例8と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、5300cd/m2の発光が得られた。
【0131】
(実施例10)
ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に化合物(10)とN,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン[03]をモル比で1:10の割合で含有するクロロホルム溶液を用いたスピンコート法により40nmの発光層を形成した。次に[10]を真空蒸着法により50nmの電子輸送層を形成し、その上に陰極としてマグネシウム−銀合金を真空蒸着法により200nm形成して有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、4300cd/m2の発光が得られた。
【0132】
(実施例11)
実施例11に用いた素子の断面構造を図3に示す。素子は陽極/正孔輸送層/発光層/陰極により構成されている。ガラス基板上にITOをスパッタリングによってシート抵抗が20Ω/□になるように製膜し、陽極とした。その上に正孔輸送層としてN,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン[03]を真空蒸着法にて50nm形成した。次に、発光層として[11]と化合物(15)とを20:1の重量比で真空共蒸着した膜を50nm形成した。次に陰極としてマグネシウム−銀合金を200nm形成してEL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、4500cd/m2の発光が得られた。
【0133】
(実施例12)
正孔輸送層としてN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジアミン[02]を、発光層として[13]と化合物(15)とを20:1の重量比で真空共蒸着して作製した膜を用いる以外は実施例11と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、3700cd/m2の発光が得られた。
【0134】
(実施例13)
正孔輸送層として化合物(9)を、発光層として[13]を用いる以外は実施例11と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、4000cd/m2の黄色発光が得られた。
【0135】
(実施例14)
正孔輸送層として化合物(10)を用いる以外は実施例11と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、4500cd/m2の黄色発光が得られた。
【0136】
(実施例15)
正孔輸送層としてN,N‘−ジフェニル−N−N−ビス(1−ナフチル)−1,1’−ビフェニル)−4,4‘−ジアミン[03]を、発光層として[13]を、電子輸送層として化合物(15)を用いる以外は実施例4と同様の操作を行い有機EL素子を作製した。この素子に直流電圧を10V印加したところ、2500cd/m2の黄色発光が得られた。
【0137】
上記各実施例による有機EL素子において、初期輝度を100cd/m2として連続駆動させたところ、全ての素子において輝度の半減寿命は5000時間以上であった。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明に係る有機EL素子は、前述した各化合物を有機EL素子の構成材料とすることにより、従来に比べて高輝度かつ長寿命の発光が得られ、本発明の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機EL素子の一例の断面図。
【図2】本発明に係る有機EL素子の一例の断面図。
【図3】本発明に係る有機EL素子の一例の断面図。
【図4】本発明に係る有機EL素子の一例の断面図。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 陰極
Claims (12)
- 陽極と陰極との間に発光層を含む単層あるいは複数層の有機薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記発光層の少なくとも一層に下記一般式[1](式[1]中、Ar1は置換もしくは無置換のナフチル、アンスリル、ペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を、Ar2は置換もしくは無置換のペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を表す。Ar 1 とAr 2 の結合する位置は、ナフチル基の場合は1位、ペリレニル基、ベンゾペリレニル基、ジベンゾペリレニル基の場合は3位である。置換基は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、あるいは分子どうしの会合状態形成を抑制する立体障害基である。)で表される化合物を単独もしくは混合物として含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有し、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記有機薄膜層として、少なくとも正孔輸送層を有し、この正孔輸送層が前記一般式[1]で示される化合物を単独もしくは混合物として含むことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)であって、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とする請求項4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記有機薄膜層として、少なくとも電子輸送層を有し、この電子輸送層が前記一般式[1]で示される化合物を単独もしくは混合物として含むことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とする請求項7記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)であって、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とする請求項7記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 少なくとも陽極、有機発光帯域、陰極を構成要素として有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記有機発光帯域が陰極に隣接し、前記発光帯域を形成する一層または複数層の有機薄膜層のうち陽極に接する有機薄膜層が下記一般式[1](式[1]中、Ar 1 は置換もしくは無置換のナフチル、アンスリル、ペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を、Ar 2 は置換もしくは無置換のペリレニル、ベンゾペリレニル、ジベンゾペリレニル基を表す。Ar 1 とAr 2 の結合する位置は、ナフチル基の場合は1位、ペリレニル基、ベンゾペリレニル基、ジベンゾペリレニル基の場合は3位である。置換基は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素基、置換若しくは無置換の芳香族複素環基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、あるいは分子どうしの会合状態形成を抑制する立体障害基である。)で示される材料を単独もしくは混合物として含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)で表されるジアリール基を有すること特徴とする請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 前記一般式[1]で表される化合物において、Ar1あるいはAr2のうち少なくとも一つが−NAr3Ar4(Ar3Ar4はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を表す。)であって、それらAr3、Ar4のうち少なくとも一つが置換もしくは無置換のスチリル基を置換基として有することを特徴とする請求項10記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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